(平成 20 年 5 月 26 日資料)
市政運営の原則についての中間まとめ(案)
以下に述べる事項については、すでに市が実施しているものも多くありますが、市政 運営の基本原則として、また、自治の仕組みとして、自治基本条例に盛り込むべきであ ると考えるものです。 ただし、検討委員会として十分に議論されていない事項もありますので、今後なお検 討を深めていきたいと考えています。 1 総合計画について ⑴ 総合計画は、市の最上位に位置付けられる行政計画で、まちづくりを総合的かつ 計画的に進めていくための計画です。本市をはじめ、多くの市町村が、基本構想、 基本計画、実施計画の3層構造を採用されており、そのうち基本構想は議会の議決 要件になっています。 市では、 昭和47年からこれまで4次にわけて、 総合計画を策定されていますが、 市の最上位の計画で、まちづくりの指針であることから、多くの市民参加のもと、 時間をかけ、議論を重ねて、策定されておりまして、現在の第4次の総合計画は、 平成13年から平成22年までの期間の計画となっています。 また、総合計画と予算とは、実施計画と財政計画及び毎年度の予算とによって連 動されています。=>次ページのフロー図を参照してください。 ⑵ 自治基本条例には、①総合計画を総合的かつ計画的に進めていかなければならな いこと、②総合計画が市の最上位の計画であることから、自治基本条例の理念に基 づいた計画でなければならないこと、③総合計画を基本に市政運営を行っていかな ければならないこと、④毎年市政の基本方針を明らかにすることによって、市の施 策体系を市民に分かりやすく示すとともに、何を重点的に優先的に実施していくの かを示すこと、を明記する必要があると考えます。 なお、総合計画の進行管理においても参画と協働が大事であり、市民参画型の進 行管理が必要と考えますが、検討委員会として、なお検討を続けます。 注1 「基本構想」とは、明石市のめざす都市像とこれを実現するための施策の大綱等を定 めています。 2 「基本計画」とは、基本構想に掲げた施策の大綱に沿って、まちづくりの目標を実現 するための具体的な施策の方向を明らかにしており、「総論」「行政施策計画」「コミュ ニティ計画」「計画推進のために」の 4 編で構成しています。 3 「実施計画」とは、基本計画で定めた基本的な方策をより具体化するため、3 年間を 計画期間として、社会経済環境の変化や計画の進捗等を考慮しながら、効率的・計画的 に推進すべき施策事業を明らかにし、毎年度の予算編成の指針とするものです。資料11
【長期総合計画の計画的推進について】 <行政改革> ・財政、人事など経営資 源の現状分析、把握 ・課題についての対処方 法の検討 ・行政改革実施計画の 見直し <部経営上の課題・取組方針> ・H19年度の各部の経営 上の課題、取組方針の 協議 <サマーレビュー> ・懸案施策・事業の協議 <実施計画> ・今後3か年で推進すべ き重要な事業の協議 推進すべき 施策・事業の決定 施政方針の作成、 H20年度のキーワードと 視点の決定 予算記者発表資料 の作成 <要望等> ・市民等からの要望 ・各派予算要望 ・タウンミーティング 等々 予算編成方針の 作成 予算査定
2 財政について ⑴ 市においては、総合計画に基づく政策目標を達成するため、10年後を見据え た中長期的な財政計画を策定し、行財政改革を進めながら、健全で持続可能な財 政運営をこれまでやってきています。 ⑵ 自治基本条例には、 ①財政的な裏付けをもって総合計画が進められるように財 政計画と総合計画を連動させるとともに、 両方の進行管理をするといった仕組み を働かせること、 ②財政に関する情報を市民の目線から見て分かりやすい内容で 市民に提供して、知ってもらうこと、その上で、受益と負担にかんがみると、市 が理解を求める必要があること、③健全で持続可能な財政運営を図ること、を明 記する必要があると考えます。 3 施策等の評価について ⑴ 施策等の評価とは、いわゆる行政評価のことであり、 「市が実施している施策 や事業について、その目的や実施方法が効果的か、見直すべき点はないかなど、 第三者の目で客観的に評価し、施策や事業の見直し・改善を図ること。」をいい ます。 ⑵ 現在、学識経験者と公募市民による行政評価委員会において、行政評価委員会 が選択した事務事業と、全国でも珍しい指定管理者業務について評価を実施し、 市に対して業務の改善等の提言を行っています。 また、 市では、 行政評価委員会の審査の過程、 結果についてもすべて公表され、 評価結果に基づき、施策等の見直しを行うほか、予算編成などに反映するよう努 められています。 ⑶ 自治基本条例には、①施策や事業について、評価を行い、その結果と対応につ いては、広く市民に公表するなど説明責任を果たすこと、また、②市では、評価 結果を尊重し、施策や事業の見直しを行うほか、総合計画の進行管理、予算編成 に反映させなければならないこと、といった今後目指すべき行政評価のあり方を 明記する必要があると考えます。 4 行政改革の推進について ⑴ 市では、 「新たな時代の市民ニーズに対応できる行政の再構築を図ること。 」を 基本方針として、より簡素で効率的な市政運営を実現し、市民サービスの一層の 向上を図るため、 行政改革実施計画を策定し、 全庁をあげて取り組まれています。 ⑵ 行政改革は、欠かせない取組みであり、当たり前のことですが、行政改革にし っかり取り組むことを自治基本条例に明記する必要があると考えます。
5 組織について ⑴ 市では、「時代に応じた施策を推進するため、より簡素で効率的な組織を目指 して」組織編制の見直しを行われています。 今後、極めて厳しい財政状況の下、職員数の大幅な削減のほか、事務事業や業 務の執行体制の見直しも進めながら、少数精鋭を前提に適切な市民サービスを提 供できる、より簡素で効率的な分権自立を目指した組織体制の整備に取り組まれ る考えです。 ⑵ 組織体制については、市政運営の基本原則として、重要なことであり、時代に 応じた施策を推進するため、簡素で機能的かつ市民にわかりやすい組織の編成に 努め、常にその見直しに努めなければならないことを自治基本条例に明記する必 要があると考えます。 6 行政手続について ⑴ 行政手続制度については、これまで、法的根拠のない、いわゆる行政指導が行 政運営の上で多用され、あいまいな指導、不透明な指導が行われることもたびた びあったことや、 許認可とか承認、 又はそれらの取り消しなどの処分によっては、 その審査や処理の基準が明確にされていないことなどが指摘されるなど、 透明で、 公正な行政運営の確保を求める声が高まったことから、国において、処分、行政 指導及び届出に関する手続について、 行政の判断基準や標準処理期間をあらかじ め定め、 それを明らかにするなど行政手続のルールを定める行政手続法が制定さ れました。 市でも、この行政手続法の趣旨にのっとり、国と同様に市の条例や規則などに 基づく処分や届出などの手続のルールを定める行政手続条例を制定し、 平成9年 10月1日から実施し、適正な行政手続に努め、透明性の向上を図ってこられま した。 ⑵ 適正な行政手続は、市政運営において欠かせない取組みであり、要綱の条例化 を進めるなど公正の確保と透明性の向上を図り、市民の権利を保障するため、行 政手続を適正に行わなければならないことを自治基本条例に明記する必要があ ると考えます。
7 法務について ⑴ 地方分権一括法の施行までは、条例等の制定に当たっては、条例準則が示され るなど国から事細かな指示がある場合も多く、条例・規則の制定などの自治立法 権について事実上多くの制約を受けており、自治体における法務事務は、法令の 解釈や運用に重きを置く傾向が強く、 地域の実情を踏まえた自治立法権の活用を 図ることが十分になされてこなかった面があります。 ⑵ しかし、 国の地方分権改革推進委員会から条例制定権の拡大を図るべきとの認 識が示されるなど、地方分権の推進が大きな潮流となっていることから、国や県 の解釈に依存せず、自ら必要な政策を実行できるよう、解釈力を高めるなど職員 の法務能力の向上に努め、 拡大されていく自治立法権を有効に活用していくこと を自治基本条例に明記する必要があると考えます。 8 法令遵守と公益通報について ⑴ 市では、これまでも透明で適法かつ公正な市政運営の推進を図るため、職員に 対する不当要求行為等に対しては、その防止のため組織的な対応を図ったり、公 職者等からの不当要求行為等の未然防止を図るため、 不当要求行為等に該当する 具体例を示したガイドラインを作成し、広く公表しています。 また、 自治体又は事業者等の違法又は不当な行為の事実などを告発する公益通 報制度などコンプライアンスの向上を図るための仕組みについて検討されてい ます。 ⑵ そこで、自治基本条例に、①市は、市政を常に適法かつ公正に運営しなければ ならないこと、②職員は、違法な手段による要求及び市の行政執行に関し公正性 を損なう不当な要求に応じてはならないこと、③市は、職員が職務上受けた不当 な要求を排除するため、組織的に、かつ、制度に基づいて対応しなければならな いこと、④市は、職員の公益通報に関する事項を定め、市政運営上の違法行為又 は公益の損失の防止に努めること、を明記する必要があると考えます。 注1 「不当要求行為等」とは、本市が行う事務事業の公正を害する行為、職員に対す る違法又は不当な要求行為、職員に対する暴力的な行為及び執務の障害となる行為 をいいます。 2 「公職者等」とは、国会議員及び地方公共団体の議会の議員、公務員その他本市 が行う事務事業に利害関係を有する者をいいます。 3 「コンプライアンス」とは、日本語ではしばしば法令遵守と訳されますが、法律 や規則といった法令を守ることだけでなく、社会的規範や倫理(モラル)を守るこ とも含めてコンプライアンスといいます。