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遺伝的プログラミングと遅延トモグラフィーを用いたリンク遅延 分布推定とその応用

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Academic year: 2021

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日本オペレーションズ・リサーチ学会

2004年秋季研究発表会

1−A−4

遺伝的プログラミングと遅延トモグラフィーを用いたリンク遅延

分布推定とその応用

01014343 信州大学 池田欽一 IKEDAYoshikazu

O1304556 九州大学 *時永祥三 TOKINAGAShozo

九州大学 呂建軍 LUJianJung

1まえがき 遺伝的プログラミングによるトポロジー推定および遅延ト モグラフィーを用いて観測されたデータからネットワーク内 部のノード配置とリンクにおける遅延を同時に推定する方法 を提案する。

2遅延トモグラフィーとネットワークシス

テム構成の推定問題 ネットワークの外部的な情報である受信側の情報(endto endnetworkmeasurement)だけから中間のリンクにおける 遅延情報を推定する方法が提案され,医療分野におけるCom− puterlbmographyにならってNetworkDelayTbmography (以下では,単に遅延トモグラフィーと呼ぶ)として定式化さ れている川【2]。 これまでの遅延トモグラフィーの解析では,あらかじめノー ドとこれを接続するリンクの配置が与えられていることが前 提とされ,ネットワークのトポロジーとルーティングテーブ ルが固定されていることを仮定している。しかし,一般的に はネットワークのトポロジーとルーティングテーブルは固定 されていないケースが多く存在する。本報告ではこれを同時 に推定する方法を提案する。 以下では,ネットワークを構成するエンドノードをGPに おける関数表現の終端記号に対応させノードにおけるリン クの結合をGPにおける演算記号に対応させることにより, ネットワークトポロジーをGPの個体として算術式と同様に 表現する方法が適用できる。GPにおける個体のそれぞれは, ネットワークトポロジーに対応しているので,この構造を前 提として,PSeudolikelihoodの方法を用いて個別のリンクに おける遅延時間分布を推定し適合度を計算する川。

3遅延トモグラフィー問題の概要

ズ=(ズ1,ズ2,…,ズJ)′はJ次元のランダムベクトルであ り,ネットワークにおいて推定したい数量,すなわちリンクの 遅延,トラヒックの量などである。y=(れ,鴇,‥.,竹)′はJ 次元の観測ベクトルである。遅延トモグラフィーの最終目的 は,yが与えられた場合に,これをもとにしてズを推定する ことである。 y=Aズ. (1) ここで,行列Aはネットワークトポロジーであるが,われわれ の拡張モデルでは,行列AはGPにより同様に推定される。 更に,変数ろはムにより代表される確率密度関数に従う分 布をしていると仮定する。 ズJ∼ム(βJ)・ (2) ここで動は推定されるべきパラメータである。7「を連続す る観測時刻であるとする。 PLEによるサブモデルの解法 これまでのいくつかの計算の簡単化が提案されている。以 下では,これらの中の1つの方法であるPseudoLikelihood Estimation(以下ではPLEとよぶ)を用いることにする[1]。 このPLEにおいては,全体の問題をいくつかの簡単な構造 をもつサブ問題(g)に分解し,これらのゆう度関数の積とし て全体を表現している。ルーティングテーブルの列の対をと りだし解析することで実現できる。耳7はいくつかの有限の 数値を取るように離散化されており,次のようにさだめる。 ズj∈(0,q,2q,…,mq,∞)。ここでmは定数であり,ズjの値 が無限大となるのは,パケットがネットワークで紛失された 場合に相当している。パケットの遅延時間が桓である確率を β主により与える。 β‡=Pγ0わ(ろ=ヱq)・ (3) また観測されたデータの中で,長さがgqであるデータ数を頑 とする。このような前提のもとで,次に示す対数尤度関数を 求めておき,これを最大化する方向に式に含まれるパラメー タを変更しながら探索する。 パラメータ推定にはEM(Expectation−Maximization)法 による逐次近似の方法を用いている。すなわち,同時にパラ メータを最適化するのではなく,1つの時期には最初のグルー プのパラメータを固定し,これをもとにして別のグループの パラメー タを尤度最大化の方向に更新する。次の時刻には,逆 に,更新されたパラメータを固定し,別のグループのパラメー タを更新する。 (Eっtep)次を計算する T 毎=∑万両)(∑1(ズ昌=吋汗げ)・ (4) β∈5 t=1 (M−Step)次のように更新する 乃ブJ +1)− ,月=【0,1,・‥,m,∞]. (5) ∑r∈月免jγ 本報告でも,ここに示す方法と同様に逐次的にパラメータの 更新により推定を進めていく。

4GPによるトポロジーの推定

これまでの遅延トモグラフィーの議論ではネットワークト ポロジー(以下では,NTと略称する)は既知で固定されてい ると仮定したが,以下ではこれも不明であり,推定する必要が あるケースへと拡張する。本論文では,NTの構成を木構造 −10− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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0.12 0.1 0.08 0.06 0.04 0.02 0 0 5 10 15 20 25 図1:GPによる推定に用いるネットワーク で表現し,これをGPにおける個体とみなし最適なモデルの 構成を得るためにGPを適用する。 木構造との対比を考慮すると,ターミナルノードには終端 ノードを,木構造における中間ノードをノードに対応させる ことができることが分かる。GPにおける個体のそれぞれは, 1つのトポロジーの実現形式に対応しているので,遺伝的操 作を実施することにより構成を推定する。遅延時間分布の推 定には,前に述べたPLE法を用いる。このエンドノードにお ける遅延時間分布の推定誤差の逆数を,個体の適合度とする 【3ト[6]。 (ステップ1):個体の初期値生成 最初の個体の集合(プール)を乱数をもとにして発生させ る。この場合,トポロジーとして意味をなすものが得られる ように中間、・端末、それぞれのノード数をカウントする必要 がある。(ステップ2)‥個体の適応度の計算 個体宜の与えるトポロジーを前提としてエンドノードでの 累積遅延分布の予測値と観測値との2乗誤差の逆数を,個体 五の適合度ざ亀として定義する。個体を適応度の大きい順に並 びかえておく。 (ステップ3):交差処理 適応度に応じて2つの個体を取り出し,交差処理を実施す る。交差処理では,乱数を1個発生させておいて,一方の個体 の切断個所とし,そのノード以下の中間、端末ノード数をカ ウントしておく。もう一方の個体のノード数を求め、同じ値 となる場所を検出し,これらから任意に1個を選択して切断 位置を決める。

5シミュレーション

図1に示すネットワークの構成と遅延を本報告の手法によ り同時に推定する。図中の0はルートノードであり、ここか らパケットが送信される。1∼6は中間ノードであり、7∼13 は累積遅延時間が観測されるターミナルノードである。各遅 延はノードをつなぐリンクにおいて発生すると仮定し、リン クの番号は木の下方のノード番号と同じもので表すこととす る。GPによる推定の結果がこれに一致するかを検証する。 シミュレーションでは、q=1,m=20,各リンクでの遅延分 布は平均3∼8の指数分布,GP個体は20とした。 シミュレーションの結果,GPの世代数26において推定対象 の元のネットワーク構成と同じ構成を推定することができた。 図2にはリンク7での元の遅延時間分布と推定分布を示し ている。また,図3にはリンク11での元の累積遅延時間分布 とネットワーク構造とともに推定された遅延分布を示してい る。各図において実線は元の分布、破線は推定された分布を 表す。これらの結果から分かるように適切な分布の推定がな されていることが分かる。

6むすび

図2:個別遅延分布 0.045 0.04 0.035 0.03 0.025 0.02 0.015 0.01 0.005 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 図3:累積遅延分布 GPおよび遅延トモグラフィーを用いて観測されたデータ からネットワーク内部のノード配置とリンクにおける遅延と を同時に推定する方法を提案した。今後の課題として,実際 的な問題適用する予定である。

参考文献

[1]G・LianandB・Yu,“Maximumpseudolikelihoodesti− mationlnnetWOrkstomography”,IEEETrans.Signal Processing,VOl.51,nO.8,pp・2043−2053,2003・

【2]Y.Tsang,M.Coates and R.D.Nowak,“Network de− 1ay tomography”,IEEE Ttans.SignalProcesslng, VOl.51,nO.8,pp.2125−2136,2003.

[3]Y・IkedaandS・Tbkinaga,“Approximationofchaotic

dynamics by uslng Smaller number of data based

upon the genetic programmlng”,Trans.IEICE, VOl.E83−A,nO.8,pP.1599−1607,2000

【4]Y・Ikeda and S・Tokinaga,“Controlling the chaotic

dynamics by uslng aPprOXimated system equa− tions obtained by the genetic programmlng nanS.

IEICE,VOl.E84−A,nO.9,pp.2118−2127,2001. [5]Ⅹ・ChenandS・Tbkinaga,“Multi−Agent−Basedmod−

eling of artificialstock markets by uslng the co−

evolutionaryGPapproach”,JORSJtoappear,2004.

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参照

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