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シリコン整流器式直流アーク熔接機

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Academic year: 2021

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u.D.C.d21.791.75.037

シリコン整流器式直流アーク熔接機

Silicon

Recti丘erType

D.C.Arc

Welders

司*

′llsukasa SanしJ

磁気増幅誰およびシリコン怯流器を剛、た直流アーク熔接機を舟成した・,製作にあた′--)て,磁気上酬綿の熔 接機応用における動作悦脚)解明および実験的裏付けにより解明結果を検討し磁気増幅精の熔接機応用に・♭け る.設計力針を路次することができた。

1.緒

口 従来用いられてきた直流熔接機は交流電動機と直流発電機の組介 わせにより整流作用を行う方式のものが大部分であったが,最近ア ーク熔接に必要な程度の大電流を直接金属整流掛こより整流するこ とが可能になり,現在諸メーカーによりセレソ整流器を用いた直流 熔接機が市販されている。しかしセレン整流器単位素子の電流容量 ほ熔接電流に比し非常に小さくそのため数多くの整流器素子を熔接 機に内蔵せねばならぬ欠点をもっている。一方最近開発されたシリ コン整流器ほ小形素子で大電流を整流する能力をもち,また耐電圧 が高く高温にも耐えうるというすぐれた諸特性をもっており熔接機 用整流韓としては理想的なものといえる。 アーク熔接機においてアークを安定に発生せしめるにはいわゆる 垂下特性をもった電源が必要になる。さらに熔接条件いかんにより 電流を任意に調整する必要があり,従来回転形のほか可動鉄心形リ アクトルや可動コイル形リアクトルがその目的に用いられてきた。 今回日立製作所で開発した熔接機では磁気増幅器特性の多能性およ び特性の調整しやすさを利用して所要の熔接特性を得ており,磁気 増幅器を用いている点は最近信煩性の高い制御方式として採用され つつある静止制御(static control)を利用したもので,従来の熔接 機に比較しすぐれた性能を発揮することができる。

2.熔接横の!理想特性

アーク熔接機に要求される特性は熔接技術者により検討され督桂 文献(1)に発表されている。これらを参照すると熔接最適条件を与え るものとして弟l図の静特性を満足することが要求されている。同 図でソフトアーク(soft arc)特性はいわゆる垂下特性でアークを 安定に発生せしめるのに要求される電源特性である。またアークド ライブ(arc drive)特性ほ熔接棒と母材が接近してアーク電圧が低 下した場合電流を大きく流して熔接棒および母材の熔融を早めてフ リージング(freezing)を防ぐとともに熔け込みをよくするために 必要な特性である。 以上の特性を磁気増幅器を用いて実現するわけであるが,磁気増 幅器は大別して外部帰還形磁気増幅器と自己帰還形磁気増幅掛こわ けられる。熔接機に用いる場合いずれを用いるかにより動作原理を まったく異にしてくる。以下これについて詳述する。

3.磁気増幅器と熔接特性

外部帰還形磁気増幅熟ま可飽和リアクトルにおいて出力電流を正 帰還して制御電流の働きを助け,小さな制御電流でH力の調整を可 能にする原理のものであるが実際にほ熔接機においてほ出力が大電 流であるため可飽和リアクトルに帰還巻線を巻くことは電工作業上 ほとんど不可能である。そのため可飽和リアクトルを正帰還なしに * 日立製作所日立工場 (増加叩へ-ト)+ ソフトアーク特性 アークドライ7り寺性 /(溶接電涜) 第1図 熔接電源理想特性 爪>彪>の>偽>〝J>鉛 〝J ル 勿 加 ゎ (摂岬R召)べ Jp JJ(別行8電流) 第2図 可飽和リアクレレ理想特性(1) 粘 仇 わ 佑 仇 用いるのが熔接機における応用の実状である。 可飽和リアクレレの理想特性を負荷抵抗をパラメータとしてプロ ットしたのが弟2図である。負荷抵抗は熔接機における応用におい てはアーク等価抵抗に相当するものである。理想特性とはリアクト ルの鉄心が完全な長方形ヒステリシスループ特性であり,整流器正 方向電圧降下を無視し,また整流器過電流が零であるという理想条 件が成立つ場合に得られる特性である。 可飽和リアクレレでは制御回路と脚力回路間に(1)式の等アソベ アターンの法則が成立つ。 凡丁ん=Ⅳ上ん‖‥ ‥.(1) ただし ♪わ:制御巻線回数 ム7:制御電流 Ⅳん:出力巻線回数 ん:出力電流 そのため,制御電流をたとえばIpにセットし,負荷抵抗をRl,R2, ・・・・と減少していくと,出力電流はⅠ-一Pl,Ⅰ-▲P2,…‥・と増加し,Il+Pに

達すると等アンペアターソ法則が成立する範囲にほいるのでそれ以

下に舵抗を減少しても負荷抵抗に関係なく出力電流は一掛こ保たれ

一32一

(2)

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パンヽノキメ・>勺ニ\み>凡才:㌧ノ?J>ガ♂ (出岬R ヨ)ゴ

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【 ん ん(制御電流) 第3図 可飽和リアクトル理想特性(2) ん(出力霞涜) 第4巨≧1可飽和リアクトル桁接特性 (世紳R召)ゴ (慣碓只崩)ヾ 〔竹 ・l巾 ″㌧ イ ハ㌧ で ム(削j都電流) 第5図 L一亡1□帰還形磁気増幅器理想粗仕 る。第3図ほ制御電流に対するJ_1リコ電圧変化を,負荷抵抗をパラメ ータとしてプロットしたものである。第2図および第3図を組合わ せ制御電流を消去すると,弟4図に示す可飽和リアクトルの負荷祇 抗を変化した場合のJ†リ+電流電圧矧ゾヒ(熔接特性)が得られる。国 中ABほ鉄心が完全に飽和しで巻紋抵抗による電圧変動率によって 定まる特性であり,BCは鉄心が末飽和で等アンペアターンの法則 により負荷抵抗変化にかかわらず電流が一掛こ保たれる範閉であ る。策4図から明らかなように■=†飽和リアクトルはその動作原理上 等アンペアターンの法川に規制されるので,垂下特性をうるのに適 しているといえるれ 第1..図に′+七すアークドライブ悼作をうるにほ アークドライブ電源を別に設けるなどの方法なとる必要がある。 (出憎く召)三 / 7-'′一イ ∫一..ク 【〃〔〔〔∧Jハ∩〔=〃 ル /♂(削御電流) 第6図 自己帰還形磁気士別扁器理想特件(2) (凹、岬仁召)一一 ノェ(血刀毘涜) 第7凶l二1□帰還形磁気り肖幅詩話熔接柑性 別号郎肩 涜電ふ菅ミ J相 交流電三原 自 己帰還聖 毛並気増幅養 ∠七 与 1277 腿指端子 第8図 熔接電 け 正 帰還 カ ぺ 次に臼己仰還形磁気脚幅岩;手を月れ、た場介につき検討一す▲る。舞2図, 弟3図に対比ける自己仰還形の柑性を弟5,占図に示す。弟5図 より明らかなように自己帰還形磁気増幅器においてほ制桝‖lり路と出 力l祁茶の間に動作以f坦上,等アンペアターンの法州が成立しないの で,第5図と葬る図を組介わせてえられる舞7図の桁接濁流電とE 柑性でほ弟4図のような中三下斗刺生はえられない。 自己似還形磁気増幅器を用いた場糾こ垂下仲仕をうるプノ法として 第8図に示す熔接電圧正帰還力式が考えられる(2)。弟8図の方式で は,熔接電圧EFが制御電圧ECより高い範囲では大きな制御電 流が流れて磁気増幅器電圧電流特性ほ第9図の特性(1)となり, アーク等価抵抗の減少とともに動作点ほ(1),(2)……と移動し, 熔接電圧が制御電圧より低くなるともはや正帰還ほかからず動作止 はR点で基本電圧電流特性(7)上にもどる。国中PQRほソフトア ーク特性,RSはアークドライブ特性と考えることができ三哩想特性 に近い特性を実現することができる。 以上熔接機に応用する場合,可飽和リアクトルとt]己桁還形磁気 増幅器のいずれを用いるかによりまったく異なった立場で対処せね ばならぬことを説明したが,そのほか可飽和リアクトルは磁気増幅 器に比較し大きな制御パワーを必要とするなどの長短を比較検討し て,要求される怖接柑咋のた捌こいずれかを決おするL。 木熔接機でほ,アークドライブ柑作により炸汁削′七能を仙_卜せし汐) るた〆)磁気増幅器方式か採用されている。

(3)

-33-1278 昭和35年12月 ー、\-・ヾ、、\ ヾよ二 (→「伊「「召)ゞ j媚交流電源 J梱文涜電源 こ、\こ\\ \ \\ ヽ 、、 、-\\\ 、 \\\\\ \ \ \ \ \ \ \\ \ \ 々 \\ 7) \ ‥+ ・r rヨ ̄・ 一二+ ⊥′ ←⊥+∴ 亡日 ′ 第9【当1竜肛帰還形磁気士別畠器怖接特性 可飽和リアクトル「__-主査圧芸

スライダソク 制御通読 罷源 \ \ \ \ \ ン暴 H流 ソ整 詐 立 ー rノ′) 、、(/) 、-(∴デ) ■、-rイ) \(∫) r♂) 熔ほ端子 第10図 [け飽和リアクトルによる熔接回路 石並気増幅蓋 シリコン整流芸 主査圧芸

≡∃

緋卸変圧畳 句 佑 「▲「イ 佑 第11図 磁;も咋川岳旨芹による熔接川路 熔 接 鯨; 子

4.シリコン整主充器とセレン整流器

直流熔接俄に磁気増幅者達を応用できるようになった理由の一つほ 耐電圧,電流祥長の大きいシリコン整流器が完成されたことである。 シリコン整流器をセレンニ整流音詩と比較した場合,同一容量に対して シリコン整流器ほ非常にコンパクトな柄追にまとめることができ, 効率もセレン整流器の約87%に対しシリコン整流器でほ99%にも達 する。シリコン整流着岸の逆流は非常に小さく損失の大部分ほ正方向 電流によるもので,したがって磁気増幅器の増幅率もセレン整流器 を用いた場合に比し大きくとることができる.。また最高動作温度ほ 1500Cという高温まで許容されるのでH榎絶縁機器と同一ケース内 に収納でき,装置全体も小さくまとめることができる。 シリコン整流器の寿命試験の結果ほセレン整流器におけるように 経年変化をフJミさず,プ手命も磁気脚幅器本体の寿命と同程度と考えら れ,従来磁忘く増幅軌己こ用装置のカ命がゝ11導体整流糾こより馴損をう けていた山も附i火することカ;でき/二「、 仰 〟 甜 乃 〃 ガ ガ ガ ガ 〃 ヘユ) 出、岬 恕 璧 〃 柑 〃 〃 卯 〃 〃 〃 (ユ)出、細山常盤 ん=〟 ?∠\ 口川 第42巻 第12号 ムニ 制御電テ充 ん=〟 ム=βJ月 ′竹ク ′〝 L形汐 功汐 し侶汐 此汐 ク挽7 `タ沈7 此汐 超財 熔 接 電 流(月) 第12凶 叶飽和リアクトルによる実測熔接特性 危=β7タβ 佗=β〝イβ 危=β♂〟■β 凡=♂〝ββ / Z J 4 ∫ ♂ 7 ♂ 〝 蛤複電涜 川) 折13一望l吋飽和リアクトル`尖測斗卦性 5.試 験 結 果 策3章の検討紙米を碓誠するため試験を打った。試験熔接回路を 叫飽和リアクトルによる熔接【_し雌芥を第10図に,磁気増幅器による 熔接何路を第1】図に示す。 弟l表ほ熔接機の概略什様であるが,熔接のみならずガウジング やブラステでングにも兼用するため,最大熔接電流は750Aと人き な他にえらばれている.J弟12図ほ ̄=J飽和リアクトル熔接特性で著 しい所下柑性をホL,第3章の検討結果を裏書きしている。舞】3図 ほ叫飽和リアクトルの特性,舞3図ほ対応する実測特性である。 第14図ほ自己仙還形磁気増幅器を用いた場合の電址電流柑性の 実測値をカミしているが,磁気増幅器を用いると垂下特性をうること ほできない。 舞15図ほ電圧正帰還を加えた場合,制御電流をパラメータとし て測定した特性で,制御電流を適当にえらんで特性を(1)から(3) の間で任意にセットすることができる。特性の選択ほ弟11図の分 圧抵抗RlおよびR2により行い,いったん特性がセットされたら 熔接条件による熔接電流の調整ほ抵抗R3により行われる。 弟1d図に定格条件において熔接端短絡時の熔接電流過渡現象の オシログラムを示す。宝豆絡時熔接電流のピークがみられ,約0.5砂 ののち定常他に達tノているが,シリコソ整流器の容量の決定にあた ってほこの過波過負荷電流を考慮する必要がある。実測紡果ほピー ク短絡電流がフ三常短絡電流の2.7∼3.4倍に達することがわかった。

ー34

(4)

-シ リ コ

ア ー ク

1279 〝 J紆 7J7 〝 こガ 嘩 イ♂ 植田 蟹.好 蟄 一紗 ノ♂ ♂ /ど=β∫月 一⊥⊥J /方汐 ∠上砂

甑パ

′√=ノ〟オ ⊥__+ l兄汐 雌 J甜 仰 んニZ/月 クα7 ′c=J脚 (枕7 (肋7 〝此7 熔 接 電 流 (月) 第14王朝 磁 気 増 幅 器 熔 接 特 性 よ淫車軒 招ギ拳許 諾g酔 漢卓`妙 鳶 職喝 ♂♂ β♂ ク♂ 〃 〃 〃 〃 〃 〃 (ユ) 出、紺 仰{ 朗訃 r/ノ ム=`湖 r∠ノ りノ ムニ/朋 ん=j∬月 /〝 一才次ク 戊財 膨 J膠 戯7 北砂 βガ t免財 /此野 焼積電流 r月ノ 第15】宝‡劇上帰還磁ょも増帖許削瀦接実測特性

安立蛋ぎ竣忘芸・喝

__凸_.鶏凸_流V〈∇ ̄ ̄こ  ̄ ′ⅤⅤ▲ !¥ ▼ 常習 †乙 義〉 毒∈ 薫 シ菟 ′ 第16図 熔接‡E 流 オ シ ロ グ ム 第1衷 750A形ツリコソ整流器式直流熔接機 種 別 式圧数数流托圧力率囚性察器式却 電波 花冠屯入用範 次周 力荷 次 整 調 方 次 荷 使 流 一 出色 一 調 一 流 流 格格 格格負格格流 形定定相定足無定足電特電整整冷 DW-750 AM-S 200V :土20V 50c/s または 60c′′′s 三 相 750Amp 45V 3段切換え 75V-65V-57V 約55kVA, 約44kW 70% 750∼75Amp 垂下年別生 磁気増幅揺 シリコン整流詩誌 3相令波 強肘】中指

る.結

口 熔接機に応用する場合の可飽和リアクトルおよび磁気増幅器の 動作原理を解明し試験による裏付けを行った。検討結果に基き完

成した熔接機外観を弟17図に示す。熔接機の仕様については弟

1表を参照されたい。最近直流熔接機は邑巨板,軽合金,特殊鋼の怖 第17図 熔 接 機 外 観 接に奨用されつつあり,また1ミミ骨性ガスアーク熔接やガウンソグな どの特殊用途の発達により,碑二流アーク熔接機の蛋要性が■宙まり各 方面における利用が期待される。 終りに,本熔接機の特長を列記すると次のとおりである。 (1)最大定格750A,45VでJIS規格最大遥格500A,45Vよ

り大きくアークエアガウジング(Arc Air Gouging)やカーボソ アークブラスチソグ(Carbon Arc Blasting)などの柑殊用途に 利用できる。 (2)磁気哨巾両脚こよる机上二制御刀式の探川に+こり動作の†.二_瀬川三 が了;:riく柑件の湖焦が待易である。 (3)シリコン轄流宕芹を川いているので解流装;J亡亡の†六軒Jノー三が了;■Ji く,高温動作が可能なたガ),ト叩ける変虻諦片や磁気J一削「.寺請:子をH椎 絶縁とし令休をコンパクトにまとめることができる。

稿を閉じるにあたりご指導いただいた11立製作所口二次て均鬼部

長,荘ミ比 良山両説真に厚く感謝する。 参 男 文 献 (1)杉原他 (2)

-35-27,600(椚34-10)

参照

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し ′ご CRl,CR2:シリコン制御整流素子(SCR) エ:転流リアクトル C:転流コンデンサ 月:負荷抵抗 Ed:直流入ノJ電圧

384 昭和36年3月 ∠汐〟〆J㌍ Jβ鋤 ∩〃 ▲〃 サージアブソーバ 】相剛アクトル ハ [空] 壬 ■ソ T TT[国T T T言 l シリコン整流罵 バ ズ βどどr ♂どクr ′ ∴ † β ♂∠ノ β∫

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