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<論文>決算日レート法の批判的検討 利用統計を見る

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著者

穐山 幹夫

著者別名

Akiyama Mikio

雑誌名

経営論集

30

ページ

5-32

発行年

1988-03-14

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005753/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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目 I n Ⅲ Ⅳ v VI

決 算 日 レ ー ト 法 の 批 判 的 検 討

次 は じめに テンポラル法の概要 換算方法選択決定の会計的影響 決 算日レ ート法 の論拠 決算 日レ ート法 の問題点 おわ りに 5 I. は じ め に1980 年代 に入 り,FASB の財務 会 計基 準 書第53 号,ICAEW の基準 会計実 務 書第20 号,IASC の国 際会 計 基準 第21 号 といっ た 外貨 換 算基 準 が相次い で 公 表 され た1)。 これら の基 準 の内容 に関し て注 目すべ きこ とは, 原則 的に は 決 算日レ ート法 が採 用 され, テ ン ポラ ル法 が補足 的な方 法 とし て位置 付け ら れ てい るとい う点 であ る。 こ の こと は決 算 日レ ート法が世 界 的な 趨勢 とし て 定 着しつ つあ るこ とを 物語 ると と もに, かつ て最 も理論的 であ ると評価 され,FASB の財務 会計基 準書 第8 号や わ が国 の『 外貨 建取引等 会 計処 理基準』 に も取 り入れ られる等し て多 くの支 持を受 け た テン ポラル法 の相対的 な地盤 低 下 を物 語っ てい るといえ るであ ろ う。そ れ ゆえ , これら の基準 の公表 は外貨 換 算 会計の注 目すべ き新 たな動 向 とし て認 識 で き るのであ る。 し かし ながら, 決 算日レ ート 法 がこ れ ら基準 におい て原 則的 方法 とし て採 用 され てはい るもの の, 決算 日レ ート法 の論拠 がテ ンポ ラ ル法の論拠を 凌 ぐ ほ どに優れ てい るも のであ るか ど うか につい ては多 くの疑 問 があ る。 と くに 現 行 の取得原 価主義 会計を 前 提 とし , そ のも とで の連結 財 務諸表 の作成 に際 し て の換算方 法 とし て決 算 日レ ート 法 はそ の理論 的妥当 性 につい て多 くの問 題 点 を有し てい る。そ れ ゆえ, 上 記 の諸基 準におけ る決 算 日レ ート法 の採用 は純 粋 にそ の理論 的妥当 性に も とづ い て 行 なわれた もので あ るか につい て も

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大いに疑問 が生ずる。 国際的な為替関係は各国の国益が相互に激し く衝突し合 うパ ワー・ポリテ ィックスの場 であるといわれ る。このため, 外貨換算基準の選択,決定 の背 後には,各国の微妙な国民経済的な利害が存在し てい るといわれる2)。 たと えば, ノーブス(Nobes,C.W. )は,「実務上,特定の国 の特定の時点で用 いられる換算方法は,会計理論に よって影響を受け ることはほとんどなく, むしろそれぞれ の時点におけ る支配的な為替レ ートの変動 が企業 の利益に及 ぼす影響に左右され る≒ 」 と明快に指摘し ている。このような状況を考慮に 入れ るならば,決算日レ ート法の定着はむしろ各国 の通貨 の置かれた国際的 な状況との関わ りで,経済的な利害が会計理論に優先し ている結果に他なら ないと考えた方が妥当であるといえ る。外貨換算会計 の健全な発展にとって このような状況は到底容認し 得ない ものである。こ のような状況を回避する ためには,今一度決算日レ ート法の内容について検討を加える必要があろ う。 筆者はかつてFASB の財務会計基準書52号について批判的検討を行なった 際に決算日レ ート法の問題点として以下の3 点を指摘し た4)。1. 決算日レ ート法は取得原価主義会計のもとで容認し得る換算方式であ るか。2. 独立性を認められ,現地通貨を機能通貨5) とする在外事業体を,親会 社を中心とした単一 の企業とみなした連結企業集団 に含めることが妥当 であ るかど うか。3. 在外事業体の独立性を認めた場合,連結財務諸表 の基準性はどのよう に考えられるべきなのか。 本論文 は決算日レ ート法の論拠を整理,再検討し た上で,これら問題点 に 対す る解答を与え ることを試みたものである。 その際,本稿では在外事業体とし ては在外子会社に限定し て論を進めるが, 在外子会社を も含めて,持分法の適用対象とな るような在外関連会社,在外 支店等につい て一 般論 として言及する場合には,これらを一括し て在外事業 体とい う用語を用い る。 n. テンポラル法の概要 今日一般的に存在する外貨表示財務諸表の換算方法とし ては流動・非流動 法,貨幣・非貨幣法,テンポラル法,決算日レ ート法があ る。これらの実際

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決算日レート法の批判的検討7 の為替レ ートを用 い る方 法 の他 に, 価格 パ リテ ィとい った 人為 的 な計 算レ ー トを 用い て換 算を行 な う方 法が主 張 され ること もあ る6)。 こ の よ うな換 算方 法 は計算レ ート法 と総 称 され る。 換 算に際し て適用 され るレ ートが単一 であ るか 複数 であ るか の観 点か ら は, これ ら の方 法 は単一 レ ート 法 と複数レ ート 法 とに分類 され る。 流動 ・非 流動 法, 貨 幣 ・非 貨幣 法は換 算対 象項 目の性質 に よ り異な る複数 の換算レ ートを用 い るので, 複数 レ ート法 とし て分類 で き る。 決算 日レ ート法, 計算 レ ート 法 は外貨表示 財 務諸表上 の全 て の項 目に 単 一 の換算レ ートを 適用す るので 単一レ ート法 とし て分類 され る。 テン ポラ ル 法 に よれば 外貨表 示 財務 諸表 上 の評価 基 準に対応し て 適用 され るべ き換算レ ート が決定され る ので, こ のふたつ のい づ れに分類 され るか は特 定 できない 。 これら外貨表示 財務 諸表 の換 算方 法 の選択 決定 に関す る問題 は, 目下 のと ころ,最終的 には テ ンポ ラル法 と決 算 日レ ート法 との対 立 とし て集 約で き る。 し かし ,冒頭 に も述 べ た よ うに制 度的 には世 界の趨勢 は決 算 日レ ート法を採 用 す る方 向に定 着しつっ あ る よ うであ る。 本 論文 で は, 決 算日レ ート法を 批判 的 に検討 す ることに 焦点を 置い てい る。 し かし ,そ の際 ,決 算 日レ ート 法と の対比 におい て テンポ ラ ル法に も言及す る ことがあ るのでテ ンポ ラル 法につ い て ふれてお くこ とが必 要 であろ う。そ の詳細 は必 要に応じ て当 該箇 所 で述 べ るこ ととし , ここで は テン ポラ ル法 の 概 略的な内 容にう い て述べ てお く。 テンポラル 法は「理 論的 に 装備 を強 化し た貨 幣・非貨 幣 法と考 え られ る町 とい われてお り, そ の根源 ぱ貨 幣 ・非貨 幣 法に 求め ること がで き る。 貨幣・非貨 幣 法は資 産, 負債 を貨 幣項 目,非貨 幣項 目とい う会 計上 の性質 に 分類し,そ の分類 に対 応し て , 貨 幣項 目に は決算 日レ ート(closingrate ま た はcurrentrate. 以下 ,CR と略 す 。) を,非 貨 幣項 目に は発生時 また は取 得時レ ート(historicalrate. 以 下,HR と略 す 。) を 適用 す る換 算方法 で あ る。 この よ うな会計 上 の性 質 と換算 レ ート との対 応 関係 は以下 の よ うな 理 由に もとづい てい る とい われ る8)。 貨 幣項 目は法令 また は契 約 に よ りそO 金 額 (券面 額, 金銭 回収 額, 金銭 支払 額) が確 定し てい る項 目であ るので, そ の換 算に際し て はCR を 適用し , 決 算 日現在 の回収可 能 額 また は弁 済額を 明 らか にす べきで あ ると考 え られ る。 ま た,非貨 幣項 目はそ れ ら の発 生時 ま た は取 得時 にお け る支出 額, 要支 出額, 収 入額 で測 定 され た項 目であ るか らHR が適用 され るべ きであ ると考 え られ る のであ る。 資産 ,負 債を こ の よう

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に貨幣項 目と非貨幣項目に分類す ることは今日の会 計理論においては通説で あるので,貨幣・非貨幣法は流動・非流動 法よりは合理的であ るといえ る。 しかし ながら,この方法では貨幣項目,非貨幣項目のいづれ も性格を有する ものの取 り扱いをどうするかとい う点が問題 とな 芯。たとえば,社債券 は一 定金額を有す る契約上の請求権であ るとい う点で貨幣項目といえるが,他方, それは売買価額を有してい るので非貨幣項目とみなすこともできる。また, 棚卸資産のように非貨幣項 目であって 乱 低価法が適用され る場合には時価 による評価 が行なわれてい ることになる。 この方法によれば棚卸資産は非貨 幣項目とし て取り扱われ,HR が適用されることとな り,換算前と換算後 と ではその数値に時間的対応関係がなくなってし まうことにな る。したがって この方法が有効であるためには,①貨幣項目と非貨 幣項目の分類が明確に行 ない得る,②非貨幣項目には時価で測定表示 される項 目が一 切含まれていな い,とい う条件がなげればならないであろ う。 貨幣・非貨幣法の有す るこのような問題点を克服すべく考えだされたのが テンポラル法で あ る。 テンポラル法の 提唱者であ る ローレソセソ(Loren-sen,L )はこの方 法の基本的な考え方を次のように述べてい る。「測定値の 変換プロセスとし ての換算 の特質によれば,在外子 会社の資産や負債が,外 貨表示 の財務諸表上でそれらを測定するのに用いられた会計原則をそのまま 保持す るよ うな方法で換算され ることが必要である。つまり,測定された資 産や負債の属性は換算の前と後とて同一 のものでなければならない9≒」テン ポラル法では,この換算前後におけ る属性の維持を 重視す ることにその特質 がみられ るため,この方法は属性法とも言われ る。 この属 性を維持するため にロ ーレ ソセソは換算が具体的には以下 のように行なわれねばならない とし ている。「通貨および契約価額七測定され る金銭債 権・債務は,貸借対照表 目におけ る為替レ ートで換算される。貨 幣支出額あ るいは受取額で測定され る資産と負債はその価額が付された日の為替レ ートで 換算される10)。」 この ことは,外貨表示財務諸表上取得原価で測定されてい るものについてはHR で,時価で測定されてい るものについてはCR でそ れぞれ換算されるとい う ことを意味し ている。それゆえ,この方法によれば ある項目が貨幣項目であ るか, 非貨 幣項目であ るかの区別は 何等問題と されることなく, 当該項目 の測定基準に応じて 換算レ ートを 選択すればよい のであ る。 また, 非貨幣 項目の中に 時価で 測定されるものが 含まれていた とし て 乱 原財務諸表上

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決算日レート法の批判的検討9 の測 定基準 がそ の まま換 算 に反 映 され,CR が適用 され る。 こ の方 法 ではこ のよ うに換算対 象 項 目の会 計的 性質 によって予 め適用す べ き換 算レ ート は限 定 されてい ない。 外貨表示 財務 諸表 上 の測 定基 準に応じ て適 用す べ き換算レ ート が選択 され るのであ る。 このた め, テンポ ラル法に よれ ば換 算 前 の測 定 基準と適用 され るべ き換 算レ ートが 適切に対応 す るので, 両者 の時 間的首 尾 一 貫 性が有 効 に維 持 され る こと にな る。 また, こ の方 法 は特定 の測 定 基準 と は結 びつ かない 換 算方 法で あ るとい わ れる。 測定 基準 と適用 され る換 算レ ー ト との関 係か ら見 れ ば,貨 幣 ・非貨 幣 法が取 得原価主 義 と結 びっ き,決算 日 レ ート法が時 価主義 と結び つ くとい われ るよ うな関 係は テン ポ ラル 法に は見 い 出され ない。 こ の換 算方 法 に よれば,取 得原価主 義会 計 の もと で作成 され た 財務諸表 であ って 乱 時価主 義 会 計 のもとで作成 された 財務 諸 表 であ って も換算後 は原財 務 諸表 の属 性 が維 持 され る。 この よ うな点 て テ ンポ ラ ル法 は ど の ような測定 基 準 に も対 応し 得 る極 めて弾力性 のあ る換 算方 法 であ るとい え る。 と ころで,取 得 原価 主義 会 計 の もとで作成 された財 務諸表 を テ ン ポ ラル法 に よ り換算し た 場 合, 基 本的 に は, 貨 幣・非貨 幣法 に よる換 算 を 行な っ九場 合 と同じ結果 が もた らされ る。 た だし,低 価法が 適用 され る場 合 の よ うに非 貨 幣項 目が時価 に よ り評 価 され る ことがあれ ば結果 は若 干 異な っ て く る。 こ の よ うな場合 に は貨幣 項 目 が全 てCR に より, また非貨 幣項 目 が全 てHR に よ り換算され るとい う対 応 関 係が崩 され るこ とにな るから であ る。 こ の こと は次節に示 し た表−1 のテ ンポ ラ ル法 の欄を 見 ることに よっ て理 解 で きるで あろ う。取 得原 価主 義 会計 のも とで, テ ンポラル法 に よる換算 結果 と貨 幣・ 非 貨 幣法に よる換算 結果 が 同一 と な るために は, 厳密 には, 第一 に全 て の非 貨 幣項 目が過 去 の取 得原価 で測 定 され てい るこ と, 第二 に,貨 幣 項 目 が全て 決 算時 また は将 来 にか か る測定 を示 し てい ること, とい う条 件 が 存 在し なけ れ ば ならない のであ る11)。 し かし なが ら, ここ で明確に認 識し てお か なけれ ば な らない こと は, こ の よ うに 換算 結果 が同一 のもの とな っ た とし て も,そ こ へ到達す る過 程 は全 く異 な る とい うこ とであ る。貨 幣 ・非 貨 幣 法 では予 め 定 められた方式 に もとづ き, 換 算対 象項 目の会 計上 の性質 に よ り適用 すべ き 換 算レ ートが選択 され る。 流動 ・非 流動 法,決算 日レ ート法 の場 合 も同 様で あ る。 これに対 して , テ ンポ ラ ル法で は外貨表示 財 務諸表上0 測定 基 準 に対 応 し て自ず と換算レ ートが決 定 され るのであ る。 こ の ような点 て, テ ソ ポラ

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ル法 は他 の換 算方法 とは発想 の基盤 を異 にし て い る。 Ⅲ 。 換算方 法 選択決定 の会計的 影 響 換 算方 法 の選択決 定が及ぼす 会計 上 の影 響 は, 具 体的 に はエ クス ポージ ャ ー(exposure )の発生態 様すな わち エ,クス ポ ージ ャ ーのポジ ションに よ り異 な る。 エ.クスポ ージ ャ ーとは為替 変 動 の リス クに対 し て無 防備 に曝され てい る項 目とい う意味であ り,決 算日レ ートで 換 算す る こ とに より換 算差 損益を 発 生せし め る項 目であ るよCR で換算 され た 貸借 対照 表 上 の 項 目相互 間 の貸 借差 額 の純 額 の発生態様 がエ クスポ ージ ャ ー・ ポ ジ ション とし て把握 され る。 こ のエ クスポ ージ ャー・ ポジショ ン は換 算方 法に よっ てそ の構成内容を 異 に し , 借方 に生 ず る場 合 もあ れば,貸 方 に生 ず る場 合 もあ る。 流 動・ 非 流動 法の もとでは流動 項 目が全 てCR で 換算 され る ので√エ クス ポ ージ ャー・ ポジション はCR で換 算 され た 流動資 産 と流 動負 債の差 額 とし て, 通 常 は純 流動資産 ポジ ション とし て把 握 され る。 貨 幣・非貨 幣法 のもと では全 て の貨 幣項 目がCR で換 算 され る。 通常 の企 業 の場 合は貨 幣負 債が貨 幣資 産 より大 であ るので, エ クス ポ ージ ャ ー・ ポジ ション は純 貨 幣負 債 ポジ ショ ン とし て把 握され る。 テ ンポ ラル法 の場 合 には 外貨 表示 の原財務諸表 上 で時 価評 価 され てい る項 目が結果 とし てCR 換 算さ れ る ので, 他 の換算方 法 と は異な り, あら かじ めエ クスポ ージ ャ ー・ ポ ジシ ョ ンを 特定 化するこ と は で きない 。 こ のため, テン ポラル法 の もと で はCR 換 算され た項 目相互 間 の 貸 借差 額 であ る と一 般的 にし か表 現 でき ない。 ただし , 前述し た ように在 外 子 会社 の原財 務諸表 が取 得原 価主義 会 計 の もと で作 成 されてい た場 合に は, テン ポ ラル法を 適用し た換 算結果 は貨 幣・非 貨 幣 法を 適 用し た場合 とほぼ 同 一 の もの とな る。し た がって,取 得 原価 主義 会計を 前提 とし て テンポラ ル法 を適 用し た場 合 には純貨 幣負 債ポジ シ ョン とな る。 決算 日レ ート法 の もとで は全 資産 と全負 債がCR で換算 され, ま た, 通 常 の企業 で は資 産が負債を 超 過 し てい るので,CR 換算 された項 目相 互間 の差 額 は純 資産 ポジ ション とし て 把握 され る6 換算方 法 の選択 決定 と の関係にお い て これ ら,エク スポ ージ ャー・ ポジ ショ

ソカ沁 た らす 会計 上 の影響を チョ イ(Choi,F.D.S. )と ミュ ーラ ー(Mue ヽHer,G.G.

)の設例12)を用い て 具体的 に 見 て み よ う。

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資 産 定 産 勘 資 取 卸 現 受 棚 固定資 産( 純額) 合 計 負債および所有者持 分 長 期 借 入 金 株 主 持 分 合 計 こエニーク ス ポ ー ジ ャ ー(P ) 換 算 差 益( 損 )S 決 算 ロレ ート 法 の批判 的 検討n 表1 各種換算方 法と エクスポージ ャー 決算 日 流動 ・非 貨幣・非 テンポ レート法 流動 法 貨幣法 ラル法 P3,000 6,000 9,000 :18,000-P36,000 S90 180 270 540 $1,080 S270 360 450 Si,080 S60 120 180 360 $720 $180 240 300 S60 120 180 540 $900 釘80 360 360 S60 120 270 540-990 S60 120 180 *540 $900 --to80 240 480 $900 (3,000) 30 短 期支 払 勘 定P9,000 12,000 15,000 P36,000 $180 240 570 $990 (12,000) 120 町20--15,000 (150) $900--9,000 (900) * 棚卸資 産は 低価 法に よって 評価 されてい る と仮定 す る。 棚卸 資 産 が取得 原 価で評 価 されてい る場合に は, テン ポラ ル法に よる貸 借対照 表は 貨幣 ・非 貨 幣 法 が適 用 され る場合 のも のと同 じ もの とな る。 $0.03 であっ た のがP1 =$O.02 とな る ようなド ル 高傾 向 の状 況にあ ると き 表 に示 され たそ れぞれ の換算方 法 の もとで の換 算差 損益 は次 の ように求め る こと がで き る。 決 算日レ ート 法 ■■$0.01× 借方エ クス ポ ージ 十−P15,000 =$150 (換算差 損) 流動・非 流動 法:$0.01 × 借方エ クスポ ージ ャ ーP9,000 = 釣O(換 算差 損) 貨 幣・非貨 幣 法:$0.01 × 貸方 エ クスポ ージ ャ ーP12,000 =$120 ( 換算差 益) ト テ ン ポ ラ ル 法:$0.01 × 貸 方 エ クスポ ージ ャ ーP3,000 =$30(換 算差益) 当然 のこ とな がら,ド ル価値 が対 外的 に下 落し た場 合 に は, これ ら換算差

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損 益 は反対方 向 に生 じ る。 これ らのこ とか ら基 本的 に は以 下 の こ とが指 摘 で き る。 自国 通貨 が対 外的 に 強い場 合 には,純貨 幣負債 ポジ ショ ンの よ うにエ クス ポ ージ ャー・ ポジシ ョ ンを貸 方 に生ぜ せし め る換算方 法を適 用 すれ ば, 換 算 差益 が計上 され るこ とに な る。反 対 に, 自国 通貨 が対 外的 に弱い 場合 に は, 純資 産 ポジシ ョ ンの よ うにエ クスポ ージ ャ ー・ ポジ シ ョンを借 方 に生 ぜ せし め る換算方 法を 適用 すれ ば, 換 算差 損が計上 され るこ とにな る。 こ のこ と は 自国 通貨 のお か れた状 況 と換 算方 法 の選択 決定い か んに よ り全 く異な った 換 算結果 が もた ら され る ことを 意味し てい る。 ここにr ノーブ スが指 摘す る よ うに ,換 算方法 が純 粋 に理論 的 な観 点か らではな く, 為 替変動 が利益 に及 ぼ す影 響に よって 換 算方 法 が選択 決定 され る余地 があ る。 た とえば ア メ リカ の場 合 を考 え て みよ う。 戦後 のIMF 体制 の もとで ア メ リカ のド ル は世界 の基 軸 通貨 とし て長い 間圧倒的 な強 さを 誇っ て きた。 ド ル が強い 状況 のもと で は貨 幣 ・非 貨 幣法に よ り在 外子会社 の財 務諸 表を 換 算す るこ とに よ り換 算差 益 が生じ る。 貨 幣・非貨 幣法を 理論的 に精緻 化し た とい わ れ るテ ンポラ ル法 に よっ て 乱 これが取得原 価主 義 会計 の もとで適用 され る場 合 には, 基 本的 に は, 貨 幣 ・非貨 幣法 と同一 の結果 が もた らされ る。 ア メ リカ0 ドル が強い 時 代 におい ては, ア メリカを 本国 とす る多 国籍 企業 が多 く の在 外子会 社 の財 務諸表 の換 算 に より,換 算差益 を 享受 で き る貨 幣・非 貨 幣 法あ るい は取 得原 価 主義 会 計 の もとで のテ ンポ ラル法を 採用し てい た とし て も何等 の間 題 はな か った とい え る。 と ころ が,1978 年11 月 にカ ータ ー大 統 領 がド ル防 衛策 を発 表 した こ とか ら 屯窺い知 るこ とがで き るよ うに,1971 年 夏 のい わゆ る ニ クソン ・シ ョ ッ ク以降 の国際収 支 の著しい 悪 化 にと もない , ド ル の対 外価 値 は英 ポ ンドお よび イタ リアリラを 除 く主要 国 通貨 に対し て デ ヴ ァリュ ーし てい った のであ る。テ ンポ ラル法 の採用を 規 定し たFASB の財 務 会 計基準 書第8 号は1975 年10 月に 公表 され,1976 年1 月1 日 より発 効し た のであ るが, と くにそ の直後 の1977 年 か ら1979 年 にかけ て ア メリカ はかつ て ない 未 曽有 の貿易 収支 と経常 収支 の赤 字を経 験し た の であ ると たとえ ば, 表 −213''に見 ら れ る よ うに,1975 年 に はそれぞ れ9,047 百 万 ドル,18,280 百万 ドル であった ア タリカ の貿 易収 支 お よび経 常収支 の黒 字 は,1976 年 以降大 幅 な赤字 に転じ てい る。 アフ リカ の国 際 収支 の悪 化 に と もない,英 ポ ンド, イタ リア リラを 除 く主

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年 ベ ル 年 度 ギ ー フ ラ ン 1975 1976 1977 1978 1979 2.7253 2.5921 2.7911 3.1809 3,4098 1975 1976 1977 1978 1979 度 ド イ ツ マ ル ク 40.729 39.737 43.079 49.867 54.561 決 算 日レ ート 法 の批判的 検 討13 表2 アメリカの国際収 支(抜 粋) (単位 :百万ドル) 貿 易 収 支 経 常 収 支 9,047 −9,036 −30,873 −33,759 −27,346 表3 ド ル 相 場 ( 抜 粋 ) イ タ リ ア リ ラ 0.15338 0.12044 0.11328 0.11782 0.12035 オランダ ギルダ ー 39.632 37.846 40.752 46.284 49.843 18,280 4,384 −14,068 −14,773 −466 ( 単 位 : 各 国 通 貨 当 た り セ ント ) ス ウ ェ ー デ ソ クIコ ー ネ24.14122.95722.38322.13923.323 スイス フ ラン 38.743 40.013 41.714 56.283 60.121 イ ギ リ ス 日 本 ポンド −222.16180.48174.49191.84212.24 円 0.33705 0.33741 0.37342 0.47981 0.45834 要国通貨に対してドル価値は順次下落し てい る。このことは表−314 )からも 明らかであろ う。 犬 このような状況からも明らかな通り, テンポラル法の採用を規定したFASB の財務会計基準書第8 号の適用が軌道に乗 りだし始め ようとした時期は, まさにド ル価値の著しい下落の時と符節を合わせてし まったのであ る。アメ リカを本国とする多国籍企業が,このような時 に貨幣・非 貨幣法を踏襲する テンポラル法を在外子会社 の財務諸表 の換算に適用すれば,当然のことなが ら多額の換算差損を計上しなげればならなくなる。それ ゆえ,テンポラル法 の採用に対し て幾多 の非難が集中したのも当然 の成 り行きであったといえる。FASB がテンポラル法の採用を断念し,外貨換算会計の方向を180 度転換し, 決算日レ ート法の採用に踏み切った背景には現実的にはこのような理由が最 も大 きな ものとして存在し ていたのである。 テンポラル法は(今日の伝統的会計原則に即応し た15)」といわれる貨幣・ 非 貨幣法を発展さ世だものであるがゆえ に一般的承認性 を容易に獲得し得た

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の であ るが, 他方 にお い てド ル の圧倒的 強さ が現実 的 にこ の方 法を 実 行可 能 な ものにし て い た とい う点 も無 視し 得 ない 要因 であ る。 ド ル の圧倒的 強さ ゆ え長い 間支 持 され てい た 貨幣・非 貨幣 法を 理論的 に精 緻 化 させ た もの とし て 新 た に登場し たテ ンポ ラル法が, まさにド ル価値 の下 落 の真 つ只 中 におい て 多 くの反 対 に遭 遇し , 撤退 を余儀 な くされ たとい うの も奇し き因 縁で あろ う か。 また,1967 年 のポ ンド切 り下げ 以来そ の対 外的価 値が長 い 間 低迷を 続け て い るイギ リスにお い て, 決 算 日レ ート法が支 持され てい る の も同様 の事 情 が 大 き く影 響し てい る と推 測 され る0 であ る。 IV. 決算日レート法の論拠 決算日レ ート法は外貨表示財務諸表上の資産,負債,収益,費用の全 項目 を決算日のレ ートに より換算を行なう方法である。この場合, 決算日のレ ー トが用いられるのは,最新の為替変動 の状況が換算に反映され るためには当 然のことながら在外子会社 の財務諸表作成時のレ ートで換算が行なわれ る必 要があると考えられ るからである。この方法のもと では,流動・非 流動法, 貨幣・非貨幣法,あ るいはテンポラル法の場合のように,換算対象項目が流 動 項目であるか否か,貨幣項 目であ るか否か,あるいは原価で評価されてい る項目かそれとも時価で評価されている項目かどう かに より,適用され るべ き換算レ ート の選択が行なわれることはない。この ような点で決算日レ ート 法はその簡便性とい う点におい て実務的には極めて大きな利点を有する。し かしながら,この点 は決算日レ ート法を適用する際 の技術的利点とはいい得 て 乱 そ の論拠として認識し 得るほどのものではない。 決算日レ ート法の論拠 は,主 として,在外事業体 の独立性と現地主義,純 投資概念,為替レ ート の変動に関わる経済的事実の反映,換算前後における 財務諸表項目の相互関連性の維持,といった諸点に求められる。以下 これら の点について検討を加えてみる。 1. 在外子会社の独立性と現地主義 決算日レ ート法を支える最も大きな論拠は在外子会社 の独立性と,それを 前提とし た現地主義 とい う考え方に求めることがで きる。 在外子会社の経営は,基本的には現地におけ る経営 スタッフの意 思決定に

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決算日V ―ト法の批判的検討15 もとづ き,親会社 か ら独 立し て 自主 的な 経営管理活動0 もと で遂 行され てい る と考え られ る。 こ の点 は在 外子 会社 の独立 性 として認 識で き る。 ま 仏 在 外子会社 の経営活動 は現地 におい て親会社 とは独立的 に 行な われ るがゆえ に, 現地 にそ の活動 基 盤を 求 め,財 務 活動,生 産活動 ,販売 活動 さ らに は法的規 制等 の様 々な面 にお い て現地 の経 済的,社 会的 環境に密 接 に関 わ り,そ れ ら の環 境に同化し てそ の経 営 活動を 行な う存 在であ ると認 識 でき る。 在 外子会 社 がこの ように 現地 に基 盤を 置い てそ の経営 活動を 遂行し てい るとい う点 は 現地主義 とい われ る。 在 外子 会社 の財務諸表 の換 算は, 在外 子会 社 の独立 性 と現地 主義 の仮定 の もと に, こ の よ うな現地 におけ る経営 活動 の実態 を適 切 に反映 す るよ うな方 法 で行 な われ るべ きこ とが主 張され る。 貨 幣 り μ貨 幣 法 や取 得原価主義 会 計 の もとで の テン ポ ラル法 に よれば, 在 外子 会社 とい え ど もあ くまで も本国 企 業 に従属 す る ものと考え,そ の経営 活動 は本国 企業 の経 営 活動 の延 長線上 に 位置 付け られ る。 この ような 考え方 は本国主 義 とい われ る。 この考え方 の も,とで は在 外 子会社 の財 務諸表 の換算 は,そ こに 集約 され た全て の取引 活動 は 本国 の親 会社 が 行な った ものと仮 定 され た上 で 換算が 行 な われ る。 決算日レ ート法 こそ は在 外子 会社 の独 立性 と現地 主義 の考え方 を 反映 す る とい う目的を達成 す るのに 最適 な方 法 であ るとい われ る。 なぜ な らば, 第一 に, 決算 日レ ート法 で は財務 諸表 上 の個 々の項 目につい て の換 算 が問題 と さ れ ることな く,現地 におけ る子会 社 の経営 活動 を総 合的 に反映 す る( 完結し た 体系とし ての財務 諸表 そ の もの16)」 が一 括し て換 算の対 象 と され るか らで あ る。第二 に, 決算 日レ ート 法で は在 外子会社 の財 務諸表 を一 律 に決 算 日レ ートとい う単一 〇レ ート で換算 を 行な うので外貨 表示 の財 務諸 表そ の もの の 形 が何等 歪められ るこ とな く「 相似 的 に換算後 も維持17」」 され るか ら であ る。 これらの二つ の点 につ い て若 干 の補足的 説明をし てお こ う。 い ま, 仮 に 日 本 企業 の在米 子会社 の財 務諸表 上 のあ る項 目が$10,000 と表示 され てい たと す る。これ は,Ti ,T2 ,T3 の時 点 におい て行 なわれ た取 引$5,000,$3,000,$2,000 の累 計であ っ た とす る。 また,各取 引時点 におけ る為 替 レ ートはTi で$l =\25a,T2 で$1 =¥240,Ta で$1 =¥230 とし , 決 算 日におけ る レ ートは$l = \220 であ っ た とす る。 こ の場 合, 決算 日レ ート法 に より換 算 が行なわれれ ば, 在米 子会社 の財務 諸表上 のあ る項 目$10,000 は一 括し て 一 律に決算日 のレ ート$l = \220 で 換算 され, ¥2,200,000 とな る。 こ の

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こと は ,換 算対 象 とな った財務 諸表上 の項 目 は在米 子会社 が親会 社か ら何等 の影 響 を受 け るこ とな く主 体的 に行 なっ た 個 々 の取 引 の結果 の総 合であ り, 各 項 目 の発生 の経緯 は全 く不問 と され る とい うこ とを 意味 し てい る。 ところ 牡 貨 幣 ・非貨 幣法や取 得原価主 義 会計 の もとで の テン ポ ラル法 のよ うな本 国主 義 の考え 方 によれば,Ti,T2 ,T3 にお い て在 米 子会 社が行 なった 個 々 の取 引 は親 会 社 の経営活 動 の延長 線上 にあ るもの と認 識 され, あたか も日本 の本 国企 業 が 実際にこ れら取引を 行 なっ た か の よ うに仮定 され ,こ のことが 換 算 に よっ て財 務諸表上 に反 映 され る必 要 か お る。 このた め, 個々 の取引 の 行 な わ れた 時点 の換算レ ートが重要 な 意味 を もつ こ とにな る。 在米子会 社 の 財務 諸表 上 のあ る項 目$10,000 はそ れぞ れ の取引 時 々のレ ートで換 算さ れた 累 計 額 の ¥2,430,000 ($5,000 ×¥250 十$3,000 × \240 十$2,000 × \230)と し て 表示 され るこ とにな る。 また , こ の$10,000 の内訳が換 算後 の財 務 諸表 上 で表示 され た場 合, 決算 日レ ート法 のもとでは単一 のレ ート で換 算が 行な わ れ る ので,現地 におい て な さ れた 取引 結果 がそ のま ま換 算 に よっ て も何 等破 壊 され るこ とな く5 :3 :2 と相 似 的 に換 算後 毛維持 され る。 本 国主 義 の考 え方 に もとづ くとい われ る貨 幣 ・非 貨 幣 法や 取得 原価主義 会計 の もと での テ ンポ ラル法 に よれば, 複 数 のレ ート が換算 に用い られ るた め, 換 算後 は原取 引 が相似 的 に維持さ れな くな る。 これ らの方 法 に よれば, 先 の例 にお け る$10,000 の項 目 の換算 後 の 金 額$2,430,000 は125 ($5,000 ×¥250 ):72 ($3,000 ×¥240 ):46($2,000 × \230) とい う比 率で 構成 され ること にな り, 原取 引 が 相似的 に 維持 され ない結果 と なってい る。 実際上, 財務 諸 表上 の個 々 の項 目の発生 の内訳 明細 を示 す た め の換算 が行な われ るこ とはあ り得 ない が , こ の よ うな考 え方 の差 異 は在 外 子会 社 の財 務諸表 そ の ものを 換 算し た場 合 に具 体的 に問題 とな る。 す なわ ち, 決 算 日レ ート法にょ れば外 貨財 務 諸表 上 の各項 目間 の相互関 連性 が破 壊 され るこ とか く換算 後 毛維 持 され る。 それ ゆ え ,決算 日レ ート法 では 在外 子 会社 の独立 性と現地 におけ る径 営 活動 の内 容 が全 く損 なわ れ るこ とな く財 務 諸表 の換算 が行な われ るとい われ る。 決算 日レ ート法 の論拠 のひ とつ は以 上 の よ うな点 に求 め るこ とがで き る。 また, 以下 の2. ∼圭 に述 べ る決 算 日レ ヴ ト法 の論拠 はこ のよ うな 在外子 会社 の独立 性 と現地 主義 とい う考え方 を具 体的 に 展 開した ものとし て位 置付 け るこ とが で きる。 決 算 日レ ート法は, 以上述 べ てきた よ うに 本国 の親 会社 に対 す る在外子会

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決算日V ―ト法の批判的検討17 社 の独立 性を 前提 とし て主 張 され得 る もので あ る ので, 在 外 事業 体 の財務 諸 表 の換算 に際し て無 条件 に主 張 され るもので は ない。 在 外 支店 の ように, 本 国 の親会社 の経 営活 動 のた んな る延 長線 上に 位置 付け られ る よ うな在外事業 体 の財務諸表 の換算 に関し ては決 算日レ ート 法が主 張 され るこ とはない18)。 ま 仏 在 外子 会社 であ って もそ の径営 活動 が親 会社 に依存 し てい るような場 合 に も決算 日レ 十ト 法の適用 が主 張 され るこ とは ない。 そ れゆ え, 決算日レ ート法の適用 に際 し ては在外事 業体 のタ イプ の評 価 が きわ めて重 要 な意味を 有 す ること にな る。 財 務会計基 準書第52 号 におい て 乱 基 準 会計 実務書第20 号, さらに は,国 際会 計基 準 第21 号 にお い て 乱 在 外 事業 体 の タ イプ に応じ て決算 日レ ート法 が適用 され るべ きことが指示 され てい る。 これ ら の基準 の もとでは, 基 本的 に は本国 の親会 社に対し て 独立 的 な自己 完結 型 のタ イプ の 在 外事業体 の財 務諸表 の換 算を行 な う際 に決 算 日レ ート 法 の適 用 が主 張され てい る。 た とえ ば, 財務会計 基 準書第52 号にお い て は在 外 事業 体を 「比較的 自己充足的 で かつ 特 定 の経済環 境 に組み込 まれ てい る在 外企 業 体」 と「主 と し て親会社 の事業 の直接 的かつ不 可 分の構成 部 分 であ るか , ま たぱそ の延長 で あ るか の よ うな事業 体」 と に区分し てい る1‰ 本国企 業 に対 し て前 者は独 立 型 の事業 体 であ り, 後 者 は 従属型 の 事業体 で あ る。 こ の独立 型 の事業体 につ いて は外貨 を 機能 通貨 とし て認識し , 決算 日レ ート法 に よりド ルヘ の換 算 を行な うこ とが指 示 され, 従属 型 の事業体 につ い て は親 会社 の機能 通貨 た るド ルを機 能通 貨 として認 識す るとと もに, 再測 定 とい う形 で テン ポラル法 に より現地 通 貨 か らド ルヘ の換 算を行 な うこと が指示 され てい る2O≒ 基準会 計 実 務書第20 号 におい て もほぼ同 様 の措 置 がそ れ 自体 の報 告 通貨 の置かれた 経 済環 境よ り 乱 むし ろ 本国 企業 の通貨 の置 かれ た経 済環 境 に より依存して い るような状 況 の もとで ぱ, テ ンポラ ル法が採 用 され るべ き こと が規定され て い る21)。国 際 会 計基 準第21 号におけ る規 定 もこれ ら の措 置 と何 等変 わ ると こ ろ がない22)。 2. 純投資概念 決算 日に ート 法 の論拠 のひ とつ とし て純 投資 概 念 (netinvestmentcon-cept )あるい は相 殺補 填概念 (coverconcept ) を あげ るこ とが で きる。 こ の概 念は, 本国 にお け る親会社 の在外子 会 社に対 す る投 資 額 はそ の純投 資額 の 範 囲を 限度 とし て為替変動 のリス クに曝 され てい るとい う考え方 であ る23)。

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この場合,投資額が為替変動のリスクに曝されてい るとい う事実は在外子会 社の全ての資産お よび負債をCR により換算するこ と,すなわち決算 日レ ー ト法を適用す ることにより認識され る。決算日レ ート法のもとでは,在外子 会社 の全ての資産と負債がCR とい う同一のレ ートで換算され るため,資産 と負債は相互にヘッヂしあい,為替レ ートの変動は最終的には在外子会社 の 純資産,すなわち本国 の親会社の観点からすればそ の純投資額の変動として 認識されるのであ る。絶えず為替変動のリスクに曝された状況のもとでそ の 経営活動を遂行し てい る在外子会社の日常取引においては,商品を掛で仕入 れた り,固定資産 の購入資 金を長期pi ーンに より調達するとい うように,資 産と負債が相互にヘッヂしあ うとい う状況はしばし ば発生する。また,一定 時点における 貸借対照表 の換算を想定すれ凪CR とい う同一 のレ ートでの 換算を行なえば,資産側に生じ る損益と負債側に生じ る損益はそれぞれ反対 側に生じ ,それらが相互に相殺しあい,結果として資産と負債の差額,すな わち純資産につい てのみ損益 が認識される。し たがって,決算 印 /−ト法の もとでは自己資本部分を原初入帳時 の為替レ ート,すなわち取得時のレ ート で換算し ておけば,為替レ ート の変動 の影響が自己資本部分に換算差額とし て反映される。純投資概念 の内容は以上のように説 明することができる。 純投資概念にもとづいて決算日レ ート法が主張される場合,見落とされ て はならない点は在外子会社 の独立性がその前提 とされているとい うことであ る。それゆえ,純投資概念のもとでも在外事業体のタイプの評価が極めて重 要な意味を有す る24)。純投資概念のもとでは本国企業 に対する在外事業体 の 独立性が前提とされるのは以下 のような理由にもとづいてい る。 現地におい て経営活動 に関わる全ての意思決定が行なわれ, とれにもとづ き資金の調達やそ の運用,利益 の再投資等が行なわれている ような独立型 の 事業体の経営活動は,本国企業 の日常的な取引やキ ャッシュ・フa ーあ るい は営業成績には何等の影響 も及ぼさない。このような場合,本国企業は在外 事業体の個々の取引活動や個 々の資産や負債に対し ては詳細で個別的な関心 はもたず, もうぱ ら在外事業体の年 次配当やそ の源泉たる純資 産に関心を有 する25)。この純資産の最新 の価値はCR により最も適切に反映されると考え られる。なぜならば,独立型 の在外事業体の場合には,本国企業から見れば 為替変動 のリスクの真っ只中 においてその径営活動を遂行し てい るのであ る から,在外事業体 の資産と負債の全ては為替変動のリスクに曝されている状

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決算日レート法の批判的検討19 況 にあ るといえ るか らであ る。 そ れゆ え, 純資 産 の価 値 は,全 資産 と負債をCR で換算し た 結果を差 額 とし て把 握 す るこ とが 適切 であ ると考え られ るの であ る。 他方, 従属型 の在外事業 体 におい て は,資 金 の調 達や資 産 の取 得は本国企 業 に より直接 に行 なわれた りあ るい は在 外事業 体 が 本国 通貨 に よ りこれらを 行 な うので, 日々 の経営活 動 は本国 企業 の経済環 境 に大 き く依存 す る。こ の よ うな状況 力 石とで は, 在外事業 体 の資 産や 負 債 の移動 は 本国企業 のキ ャッ シ ュ・フa ーに対 して直接 的 にし か も即時 的 に影 響 を及ぼ す。そ れゆえ, 従 属 型 の在外事 業 体 の場 合には,そ の純 資 産 額 に対 し て ょ い 幣項 目に対し て もっぱ ら本国 企業 は関 心を 有す ると言 われ るS 。 3. 為替レート変動に関わる経済的事実の反映 既に述べたように,決算日レ ート法のもとでは全ての資産と負債がともにCR とい う同一のレ ートで換算されるため, 為替変動のリスクに曝されてい る項目の純額とし てエクスポージャー・ポジションは純資産ポジシ3 ソとし て把握される。エ クスポージャー・ ポジションが純資産ポジションであると い うことは,在外事業体が日常使用する現地通貨 が強くなった場合,すなわ ち本国通貨が弱くたった場合には,在外事業体 の財務諸表 の換算により換算 差益が生ずることを意味す る。逆に,現地通貨が弱くなり,本国通貨が強く なった場合には換算差損が生じ る。決算日レ ート法のもとでは,このように 為替変動が在外事業体にとって有利である場合には換算差益が もたらされ, 反対に,不利であ る場合には換算差損がもたらされ る。このことは,為替変 動 の方向と換算差損益の発生の方向が対応し ているとい うことであり,換算 に よりもたらされ る会計上 の効果 と,在外事業体が蒙る為替変動の影響とい う経済的事実が合致するとい うことを物語っている。それゆえ,決算日レ ー ト法は,「為替レ ートの変動が,企業 の資金の流れと持分に及ぼすと予想さ れる経済的効果と一般的にいって首尾一貫した情報を提供す る゛」とい う換 算目的に合致す る要換算方法であることを示してい る。 また,決算日レ ート法のもとでは,既に述べた ようにCR とい う単一のレ ートが用いられるため,在外事業体の行なったヘッヂとい う経済的効果は換 算によって何等損なわれることはない のであ る28)。貨幣・非貨幣法にはじめ とす る複数レ ート法のもとでぱ,換算によるヘ ッヂはCR 換算される項目相

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互 間 でなされ るにと ど ま り, 日常 取引 にお い て行な わ れ るヘ ッヂ とい う経 済 的 実態 が必ずし も換 算 に より適切 に伝 えられ ない こ とに な る29)。 決算 日レ ーb 法 の論 拠 ゆ, こ の よ うな為替 変動 の 事 実 と換 算差 損益 の対応 や在 外事業 体 の行 な うヘ ッヂ等 の経 済的事 実を適 切 に反 映 す る換算方 法 であ る, とい う点 に も求 めら れ る。 貨 幣 ・非 貨 幣 法 の もとで はHR とCR とい う 複数 の 換 算レ ート が 用い ら れ るので,こ3ニ,クス ポ ージ ャ ー・ ポジ ショ ンはCR が 適 用 され る貨 幣資 産 と貨 幣負債 の差 額 とし て の純 貨幣負債 ポジション とし て 把 握 され る。取 得原 価主 義 会計 の もと で のテ ン ポラル法 の場 合 に も同様 の結果 が もた らさ れ る。こ=乙ク スポ ージ ャー・ ポジ ショ ンが純貨 幣負債 ポジ ション であ るとい うこと は, 換 算差 損益 は在外事 業 体 が直面 す る為替 変動 の方 向 と は反対 方 向 に生じ るこ と を物語 ってい る。 つ まり,在 外事業体 の使用す る現 地 通貨 が強 くなっ た場 合 に は, すな わち本 国 通貨 が弱 くたっ た場合 には,在 外 事業 体 の財 務諸表 の換 算 に より差損 が生じ るとい うことを意 味す る。 こ のた め, 貨 幣・非 貨 幣法や 取 得原価主 義 会計 の もとで適用 され るテン ポラル法 に対 し ては,為 替変 動 と い う経済的 な事 実 が換 算結果 に 適切 に反映 され ない 方 法で あ り,信 頼 に値 す る結果 を もた らさ ない とい った批判 が 浴びせ られた のであ る30)。FASB が外 貨 換 算に関 す る考え 方 に180 度方 向転 換し , テン ポ ラ ル法 の立場 を採 る財 務 会 計基準 書第8 号を 廃 止し ,原則 とし て決 算日レ ート法を 採 用す る財 務会 計 基 準書第52 号を 公表 す るに到 る経 緯 には, この よ うな批 判 も大 きな要因 とし て 作用し てい たこ と も見逃 せ ない であ ろ う31)。 し かし な がら ,こ こ で注 意をし てお かなけ れば な らない こ とは, 決算 日レ ート 法の もとで は為替 変 動 の方 向 と換算差 損益 の発 生方 向 が一致 す る とい う こ と は, あ くま で在 外事業 体 の観点か らいい 得 るとい うこ とであ る。 本国 の 親会 社 の立 場 からす れ ば ,決算 日レ ート法 に よれば 為 替変 動 の方 向 と換算差 損益 の発生方 向 は反 対 のもの とな る。 こ のよ うな点 で も決 算 日レ ート 法は現 地主 義 に もとづ く換 算方 法 であ るといえ る。 他方 ,貨 幣・非 貨 幣 法や取 得原 価主 義 会計 の もとで のテ ンポラ ル法に よれば,為 替変 動 の方 向 と換 算差 損益 の発生方 向 は本国 の親 会社 にとっ ては同一 方向 に生じ るこ と にな る。 こ のこ とは,貨 幣・ 非貨 幣 法や 取得原 価主 義会計 のもとで のテン ポ ラル法 が本国主 義 に もとづ ぐ換 算 方 法 であ るこ とを物 語っ てい る。

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決算日レート法の批判的検討214. 換算前後における財務諸表項目の相互関連性の維持 既 に述 べた よ うに, 決算 日レ ート法に よれば 外貨表示 財 務諸 表 がCR とい う単一のレ ートで換 算 され る ため, 外貨表示 財務諸表 上 の項 目間 の相互 関 連 性 が何等 破壊 され る ことな く, これ らが相似的 に維 持さ れ た換 算 が行 なわ れ る。 この ような 決 算 日レ ート 法 の利 点 は, 本来, 現地主 義 の考 え方 の延 長 線 上 に位置付け られ る ものであ るが, こ こではこれを 決算 ロレ ート 法 の論 拠 の ひ とつとし 独立的 に列 挙し てお くこ とにす る。 貨 幣・非貨 幣 法等 の よ うに 複数レ ートを用 い る換 算方 法 の もと で は, 換 算 対 象項目の属性 に よ り適用 され るべ きレ ートが異 なるた め, もと の 外貨表 示 財 務諸表上 の項 目間 の相互 関連 性 が,換 算後 も相似 的に 維持 され る とは限 ら ない。た とえば, 流 動比 率 の場 合を みれ ば。 流動 負債 は一 律にCR 換算 さ れ るのに対し, 流 動 資 産 は そ の属 性 に よりHR もし くはCR で 換 算 され るの で, 流動比 率は原 財 務諸表 上 で 求 められ た数 値 とは異な っ た もの とな る。 自 己 資 本比 率や 負債 比 率等 につ い て も同様 のこ とがい え る。 し かし な がら,貨 幣 ・非 貨 幣 法令取 得原価主 義 会計 の もとで の テ ンポ ラル 法を 適用し た場 合 に 生ず る極 め て重大 な問題 は,換 算 のパ ラド ッ クスとい う 事 態 が生じ るとい う点 で あ る。 換算 の パラド ッ クスと は, も との 外貨表示 財 務 諸表上で純利 益 が 計上 され てい た に もかか わ らず ,換 算 に よ り換 算差 損 が 計 上 され,換 算後 の財 務諸 表 上 で は最 終的 に損失 が計上 され る状況 , あ るい はこれと は反対 の状 況 を言 うのであ る。た とえば, エ ク スポ ージ ャー・ ポジ ションが純貨 幣負債 ポジ シ ョン とな る ような 換算方 法 の もとで は, 現地 通貨 の為替レ ートが著し く下落 す るよ うな場 合 には,多 額 の換 算差 損 が計上 され るこ とにな り,こ れ が外貨 表示 の原財 務諸表 上 の純 利益 の換算 後 の金 額を上 回 るとい うよ うな状 況 が容 易 に 想定 され る。 こ のように, 複数 のレ ートを 用い る換算方 法 のもとで は, 在 外事 業体 の外 貨表示 財務諸表 で 明 らかに さ れ る情報 が必ずし も適 切に提 供 され な い とい う 事態 七生 ず る。 こ の よ うな 点 は, 貨幣 ・非貨 幣法や取 得原 価主 義 会 計 の もと で のテン ポラル法等 の複数レ ート法 の極めて大 きな 欠点 であ るこ と は認 めざ るを 得ない。決 算 日レ ート法 の もと では換算 の パラド ッ クス とい う事態 が生 じ ることが全 くない とい う点 は大 きな利 点 とし て認 識で きる。

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V. 決算日レ ート法の問題点 決算日レ ート法の論拠は主とし て以上述 べてきた諸点に求められる。しか し,取得原価主義会計 のもとでの連結財務諸表 の作成とい う観点から考えた 場合,決算日レ ート法は多くの問題点を有する。そ の主な ものは,第一 に, 決算日レ ート法は取得原価主義会計とは相容れない換算方法であるとい うこ とであ る。第二に,決算日レ ート法の最大 の論拠としての在外子会社 の独立 性と現地主義ぱ,親会社概念にもとづく連結財務諸表の作成と基準性の原則 と矛盾する換算方法であるとい う点 であ る。以下,これらについて検討を行 な う。 1. 取得原価主義会計に関わる問題点 取得原価主義会計とは,原則として過去における実際の取引価額とし ての 現金支出価額等資産の取得時に犠牲に供された財や用役の価額をもって資産 価額を測定す る会計思考である。取 得原価主義会計 のちとでは,費用は支出 時の金額 もしくは一定のルールに従って決定された取 得原価の配分額とし て 計上され る。このため,取得原価 のうち当期費消額 として費用計上されなか った部分は時期以降におけ る未費消の原価部分とし て繰越されることにな る。 このことは 取得原価が, 取得時以後において 乱 (当該資産の保有期間中ず っとその意味をもちつづけ る32)」 ことを物語ってい る。この点をここでは仮 に取得原価数値の継続性と呼んでお くことにす る。 また,取得原価主義会計 のもとでぱ資産の評価額は取得原価を上限とし てい るので一切の評価益すな わち未実現利益 の計上は認められない。このこ とは,取得原価主義会計 のも とでの収益 の計上は実現主義にもとづいて行なわれ ることを意味し ている。 取得原価主義会計との関連におい て決算日レ ート法が有する第一 の間題は, 評価基準と適用される換算レ ートとの間の時間的首尾一貫性を欠如せしめ る とい う点てある。決算日レ ート法のもとでは,外貨表示財務諸表上の各項目 の性質 とそ の測定基準にかかお りなく,これらが一括して決算日レ ートで換 算され る。貨幣項目は法令または契約によ力 その金額が固定している項目で あ るので,取 得原価主義会計のもとでも測定時点 におけ る券面額,回収可能 価額 もし くは弁済額といった名 目金額が測定金額 とな る。 また,一般物価変 動会計の考え方のもとで 乱 個別物価変動会計の考え方 のもとで 乱 貨幣項 目はそ の金額が法令または契約により確定し てい るものと考えられ,何等 の

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決算日レート法の批判的検討23 修正 も加 え られず に測 定時点 にお け る名 目額 がそ のまま測 定金額 となる。 貨 幣項 目はこ の よ うにい かな る測 定 基準 の もと で も測 定時 の名 目価 額を もっ て 測 定金額 とさ れ る。そ れ ゆえ,取 得原価主 義 会 計 の もと で貨 幣項 目を換算 す るの に決 算 日レ ートを適用 す るこ とは, 測定 基 準 と適用 され るレ ートの間 に 時 間的対応 関 係が認 め られ, 換 算前 後 におけ る財務 諸表 の時 間的首 尾一貫 性 が 換算に よ り破 壊 され ることは ない の で何等 問題 はない 。 し かし なが ら,非 貨 幣項目 は取 得原価主 義会 計 の もとで は取 得時 の支 出価 額 に より測 定 され る。 こ のことか らす れば,非 貨 幣項 目 の換 算 に際し て は取 得時 のレ ート もし くは 発 生 時のレ ート, す なわちHR が適用 さ れな けれ ば 測 定 基準 と 換算レ ート と の時間的 対応 関 係が破壊 され , 換算前 後 にお け る財 務諸 表 の時 間的 首尾一 貫 性 が欠如 す るこ とに な る。 こ の よ うな 点 を フ ラ ワ ー (Flower,J. ) は, 「 在 外子会社 の貸借 対照表 上取 得原 価 で 表示 され てい る資 産 に 決 算日レ ート 法 が適用 された場 合, 意味 のない 数 字を 生ぜ せし め る。 そ れは, 本国通貨O 観 点 から 乱 現地 通貨 の観点 か ら も取 得原 価 で はない し, 取替 原価 で も正味 実 現価値で もない3≒ 」 と述 べてい るノ ま た, こ の ような状 況を ロ ーレ ソセ ソ は,( こ の数字 は, 実際, 二つ の無 関係 の数 字 を乗 じ た 産物 以外 の何物 で もない34)。」 と述 べ てい る。 ビ ーバ ー(Beaver,W. )と ウ ォルフ ソソ(Wolf-son,M.A: ) の言 葉を 借 りれば, こ の よ うな 状 況 はまさ に( リソ ゴとオレ ン ジ の混 合物35)」 に他な らない とい え る であろ う。 決算日レ ート法 が取 得原 価主義 会 計 と の関連 にお い て有 す る第二 の問題 は 換 算 によっ て取 得原価数 値 の継続 性 が破壊 され るとい う点 であ る。 こ こにい う取 得原 価数値 の継続 性と は,先 に述 べ た よ うに取 得原価 力1当 該資 産 の保有 期 間中ずっ とそ の意味 を もち続け るとい うこ とを い う。 決算 日レ ート法に よ れ ば 決算期毎 に異 な る換 算レ ートが用 い られ るた め, 外貨 表示 財務諸表 上毎 期 同一金 額 で維 持 されてい る項 目であ る に もかか わ らず, これ が決算 日毎に 換 算後 の財 務諸表 上で異な る金額 で表示 され る可 能性を 生ぜ せし め るノ この 点 を白鳥 教授 が示 された設 例を用 い て 具体的 に検討 し てみ よう3‰ い ま, 日本 の親会 社が取 得原価 ¥10,000 の土 地 を所 有し てい るとす る。こ の土地 は 前期 末 お よび 当 期末 の貸 借対 照表 上 のい ずれ に おい て も取 得原 価 ¥10,000 で計上 されてい る とす る。 在 外子 会社 も現地通 貨 単位 で 取 得原 価1,000F の土地 を所 有し てお り, こ の土 地 も前期 末 お よび 当期期 末の貸借対 照 表 のいずれ にお い て も取 得原価1,000F で計 上 され てい る。 為替 レ ート は

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1F 当たり前期末¥10, 当期末¥20 とする。 こ の場合, 決算日レ ート 法に よれば,連結財務諸表上土地は前期末では¥20,000, 当期末では¥30,000と して計上され る。この場合,決算日レ ート法のもとではこれら二つの数字の いずれ もが妥当な ものであるとして 乱 取得原価主義会計のもとではこれら の二つの数字を妥当な ものどした場合には極めて重大な問題が生じ る。この 点について,白鳥教授は,「このいずれもが取得原価であ ると説明されるな らば『円』を単一 の測定単位と考えている連結財務諸表の読者は,当期中に 新たな土地 \10,000 が取得されたと考えざるを 得ないであろ う3≒ 」 と指摘 されている。 取得原価主義会計のもとでは評価益 の計上 はあり得ないのであるから,二 期間の貸借対照表を比較した場合に認識される資産価額の増加は購入等の新 たな資産の取得以外には考えられない。決算日レ ート法のもとでは,このよ うに,決算日レ ートを適用することにより,実際上何等 の資産の変動がない にもかかわらず,為替レ ートの変動に応じて換算後 の貸借対照表上 の資産価 額が変動するとい う事態が発生し得る。低価法の適用等により評価減が認識 される等 の場合を除き,原則として実際取引にもとづいて資産の増減,とく に増加が認識されることは取得原価主義会計の 七とではあ り得ないことであ り,先に例示し たような事態の発生は取得原価主義会計の立場からは到底容 認し 得ないことであ る。このような事態の発生す る原因は,決算日レ ート法 が取得原価主義会計 のもとで保持されなげればならない取得原価数値の継続 性を不問とし ているからに他ならない。 取 得原価主義会計 のもとでは取得原価数値の継続性ぱ極めて重要な意味を もつ。取得原価 は非貨幣性資産の費用配分 の基礎とな るべき価額であり,そ の資産が保有されてい る限り,取得原価あ るいは取得原価を基礎とし て配分 された費用化額を控除し た残額が減価差引原価とし て以後 の貸借対照表から 貸借対照表 へと順次継承されてゆくのである。それゆえ,損益計算書に計上 され る費用化額は取得原価を基礎として配分された ものであ り,当然 のこと ながら取得原価の一部なのであ る。先に述べた土地 の場合は費用化額 としで 配分される取得原価がO となるので,損益 計算書を経由す ることかく取得原 価 がそのまま以後の貸借対照表に引き継がれてゆくだけ のことであり,考え 方 においては何等変 わりはない。取得原価数値 の継続性は,このように取 得 原価主義会計のもとでは貸借対照表と損益計算書の有機的関連性を保持する

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決算日レート尨 の批判的検討25 ために は不 可欠 な のであ る。 取 得原価数 値 の継 続性 を 保持す る立場 からすれば ,各 会計 期 間 は連 続し た 会計期間 のひ とつ とし て位 置付け られ る。 決算 日レ ート 法 が各 会計期 間を 独 立 的な ものと考 え てい るとい うこ とは文献上 必ずし も明 確 に主 張 され てい る わけ でぱないが, 先 に 例示 し た よ うな事態 が発生し 得 る とい うこと は, 決 算 日レ ート 法の もと では こ の会計期 間 の連続性を不問 とし , 各 会 計期 間を独 立 的 な ものと考え て い る とい わ ざ るを 得ない。各 会 計期 間 を 独立 的 に考え る限 り,決算日レ ート法 の この よ うな矛盾 は一切顕 現し ない のであ る。 そ れゆ え に, 決算 日レ ート 法 の本来 の意 図 は時 点評価 であ るとい わ れ る のであ る38)。 以上 の検討 か ら 明ら かな 通 り, 決算 日レ ート法 は会計 数 値 の時 点 性を重 視 す る換算方法 であ り, 会 計数 値 の継 続 性を 重視す る取得 原 価主 義 会計 思考 と は全 く相容れ ない 換 算方 法 であ るといえ る。 2. 在外子会社の独立性,現地主義と速結財務諸表の作成に関わる問題点 わが国 の『 外貨 建取 引等 会 計処理 基準』 におい て は換 算対 象事 項 とし て, ① 外貨建取 引, ② 在外 支店 の財 務諸表 項 目, ③在 外子会 社 等 の財務 諸表 項 目 を 掲げ てい る。 これ ら事 項 に反 映され る企業 の直接的 お よび間接 的 海 外活動 は,あ くまで も本国企 業 の 意 思決定に もとづい て行な わ れた もので あ り, 全 て本国企業 の経 営活 動 の延 長 線上 にあ る ものと考え るこ とが 妥当 であ る。 決 算 日レ ート法 の論拠 を 在 外子 会社 の独 立 性に求めた とし て 乱 ま たい くら 在 外子 会社 の独立 性を認 め よ うと 乱 在 外子会社 の経営 活動 は本 国 の親会 社 の 経 営活動 の一 環 とし て認 識 され ねばな らない。 子会社 はそ の議 決権 を有 す る 持 分 の過 半数を あ る会 社, す な わち親会社 に保有 され てい る ものであ る。 こ のよ うな点 て, 子 会社 は親 会社 の支 配統制下 にあ り, 親 会社 に対し て 従属的 な存 在であ る とい え る。 子 会社 の独立 性 はそ の子会社 の置 かれ た経 済的 状況 に よって判断 され るべ き 事柄 であ って, 持分 の保有 関 係 とい う法律的 観点 か ら判 断され るべ きで はない とい う批判 もあ る39)。し かし , 親 会社 が子 会社 の 独立 性を十 分に認 め るな ら ば, 親子 関係を保 持し なけ れ ば な らな い 必然 性 は ない であろ う。 親 子 関 係を 保持し なけ ればな らない理 由, す な わち 支配 統制 が 必要であ るから こそ こ の関 係 が維持 されてい ると考え ね ば な らない であろ う。それゆえ ,現 実 に は支 配 統制 の関 係 は持 分 の保有 関 係 に よ り判 断す るこ とが適切であ ろ う。 こ の よ うな観点か らすれ ば,子 会社 とい う概 念自体 す で

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に親会社に対する独立性とい う考え方 と矛盾するものであり,子会社の独立 性は否定され る。とす るならば,子会社 の独立性を認 め,これにその論拠を 求め る決算日レ ート法は存立の基盤を失 うことにな る。このような点にも決 算日レ ート法論拠の弱点が見い出され る。 次に連結財務諸表 の作成 の観点 から在外子会社の独立性と現地主義とい う 論拠について検討をし てみよう 。 在外子会社の財務諸表の換算は連結財務諸表 の作成 のために行なわれ るも のである。連結財務諸表の作成 目的についてAICPA の会計研究公報では, 「あたかもあ る企業集団が,ひとつ またはそれ 以上の支店や 事業部を有し て い る会社であ るかのよ引こ,主 とし て,親会社の株主や債権者のために,親 会社 とそ の子会社の経営成績と 財政状態を 表示 することである4≒ 」と述べ てい る。 雪七 わが国の『連結財務諸表規則』 の第一において 乱 「連結財 務諸表は,支配従属関係にある二以上の会社か らなる企業集団を単一 の組織 とみなし て,親会社が当該企業集団 の財政状態及び経営成績を総合的に報告 す るために作成するものであ る。」 と述べられてい る。 これらに見られるように,基本的には連結財務諸表は親会社 の立場から, 支配従属関係にある会社をひとつ の会計単位 とし て作成されるものであると 考えられてい る。このように,親会社概念(parentcompanyconcept ) に もとづいて連結財務諸表の作成が行なわれ るとい うのは今日の通説である。 このような考え方を,在外子会社を含む連結財務諸表 の作成に拡大して適用 し てみると,連結財務諸表は本国における親会社 の立場から,そ の支配従属 下にあ る在外子会社を含めた国際的な範囲にわたる企業集団を会計単位とし て作成され るものであ る。この立場からすると,連結財務諸表の作成にかか お る換算においては本国主義 の考え方 が適切な ものであるといえる。決算日 レ ート法がその拠り所 とす る在外子会社 の独立性と現地主義とい う考え方は, このような連結財務諸表作成 の立場 とは矛盾す るものであり,否定せざるを 得な くな る。 さらに,連結財務諸表 の作成 自体在外子会社 の独立 性と現地主義の考え方 とは根本的に相容れない考え方であるといえ る。なぜ ならば,在外子会社 の 独立性と現地主義 といった主張を徹底させてゆけば,必然的に現地通貨に よ る個別財務諸表 の作成 が要請されるこ とにな るからである。連結財務諸表の 作成は個 々の在外子会社 の存在を単一 の財務諸表 のなかに埋没せしめること

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決算日レート法の批判的検討27 に。な り,そ れ らが独 立的 な存在 であ るこ とを識 別 す るこ とを不 可能 とす る41)。 そ れゆえ, 連結 財務諸表 に よれ ば 現地 の経 営活 動 の実態 が情報 とし て個別的 に反映 され ない結果 を もたらす。 個 別財 務 諸表 に よれば ,在 外子 会社 の独立 性 が明確 に認 識し 得 るば か りでな く,在 外子会 社 の財務 諸表 項 目間 の相互関 連 性が何 等破壊 され るこ となく情 報 とし て 適切 に提 供 され るこ とにな り, 現 地主 義 の主 張 が十分 に反 映 され るこ とに な る。先 に も述 べ た ように,換算 は 連 結財務諸 表 の作成を前 提 とし て 行 なわ れ る ものであ り, 個別 財務 諸表 の作 成 にとど ま るか ぎ り換 算 は不 要 であ る。 こ の よ うに考 え るな ら,連 結財務諸 表 の作成 のため の換算を 考え るこ とに よって既 に 在外 子会 社 の独立 性と現地 主 義とい う主 張 が否定 された も のとい わ ざ るを得 ない 。 連結財務 諸表 の作成 と関連し て もう ひ とつ 問 題 に され なけ れ ばな らない 点 は基 準性とい う考 え方 であ る。基 準 性 とは 連結 財務 諸表 と個別財 務諸表 との 関 係を 明ら かにし た ものであ る4‰ わ が国 の 『連結 財務 諸表 原則』, 第二,一 般原則 の二 で は,基 準性 につい て,「 連 結財 務諸 表 は, 企業 集団 に属す る親 会社及び 子会社 が一 般に公正 妥当 と認 め られ る会 計基準 に 準拠 し て作成し た 個 別財務諸表 を基 礎 とし て 作成 され なけ れば な ら ない 。」 と述 べ てい る。 こ の規定 の意 味す るところ は, 第一 に, 各 個別財 務 諸表 は¬ 般 に公正 妥当 と認 め られた会 計基準 に準拠し て作成 され なけ れば な ら ない とい うこと であ る。 第二 に, 第一 の要 件を満 たし た 個別 財 務諸 表 を基 礎 とし て連結 財務諸表 が作 成 されなけれ ば ならない とい うこ と であ る。 こ こで問 題 とす る基準 性は第一 の意味 に おけ る基準性 であ る。 個別財 務諸 表 が準拠 すべ き一 般 に公正 妥当 と認 め られ た会 計 基準 の解釈 につ い ては, 連 結 財務諸表 の作成 が同一 国 内の個別 財 務諸 表 のみ に もとづい て行 なわれ てい る場 合 には何等 の問題 も生じ ない。 し かし , 国 を異 にし ,会 計環 境が違 う状 況 にあ る在外子 会社を含 め て連結 が行 な われ る場 合 に は,準拠 す べき一 般 に 認 められ た公 正 妥当 な会 計基 準 の内容 が, 親 会社 と子会 社 とで は異 な る可能 性 かお る。 この場 合 の会 計基準 とし て は, 親 会社 の準拠 す るものを考 えるべ きか ,あ るい は在 外子会社 の準 拠す る ものを 考え る べき か の問題 が生 ずる。 当 然 のことな がら, 本国主 義 の立場 か らは, 全 て の在外 子会 社 の個別財務 諸 表を 親会社 の準 拠す る会計基 準 に もとづ い て作成 す るこ とが妥当 であ る。 現 地 主 義の立場 か らは, 個 々の在外 子会 社 の準拠 す る会計 基準 に もとづい て作 成 された個別 財務諸 表を基 礎 とし て 連結 財 務諸 表 が作成 され るこ とになる。

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