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快適なコミュニケーションの基盤となる光アクセス システム ソリューション

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Academic year: 2021

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33 日立評論2004.8 567 Vol.86 No.8 イーサネットコンバータ 「HE100シリーズ」 ハイブリッド アクセス システム 「AMN1400シリーズ」 キガビットイーサネットPON 「AMN1500シリーズ」 IPネットワーク 集合型イーサネットコンバータ ONU ONU ONU VDSLモデム VDSLモデム VDSL基本ユニット OLT 快適なコミュニケーションを実現するためには,音声, データ,映像を含むあらゆるコンテンツを遅滞なく伝送, 分配するための高速アクセスネットワークの整備が重 要となる。現在,アクセスネットワークの光化が急速に 進んでおり,10 Mビット/s∼1 Gビット/sの帯域を提供 するアクセスシステムの導入が加速している。アクセ スシステムには,広帯域でのきめ細かな帯域制御,コ ストパフォーマンスの高さ,高い信頼性のバランスが 求められる。 光アクセスシステムの適用領域は,ビジネスユー ザー,一般家庭,および集合住宅に分類でき,そのソ リューションには,イーサネットコンバータ,ギガビット イーサネットPON,ハイブリッドアクセスシステムのほ か,IEEE802.3委員会で標準化が進んでいる最新の光 アクセス方式であるギガビットイーサネットPONがある。 日 立グループは,これらのアクセス システム ソ リューションに取り組み,さまざまなユーザーにソリュー ションを提供している。

加 沢   徹 Tôru Kazawa 多治見信朗 Nobuaki Tajimi 北 澤 雅 一 Masakazu Kitazawa 芦   賢 浩 Yoshihiro Ashi

快適なコミュニケーションの基盤となる

光アクセス システム ソリューション

Optical Access System Solutions for Comfortable Communication

日立グループの光アクセス システム ソリューションの構成例

光アクセスシステムの適用領域は,ビジネスユーザー,一般家庭,および集合住宅に分類される。イーサネットコンバータは主にビジネスユーザーに,ギガビットイーサネットPONはビ ジネスユーザーから一般家庭まで幅広く,ハイブリッド アクセスシステムは主に集合住宅にそれぞれ適用できるソリューションである。

注:略語説明ほか VDSL(Very High-Speed Digital Subscriber Line),IP(Internet Protocol),OLT(Optical Line Terminal),ONU(Optical Network Unit), PON(Passive Optical Network)

*イーサネットは,富士ゼロックス株式会社の商品名称である。

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34 日立評論2004.8

568 Vol.86 No.8

近年,ブロードバンド アクセス ネットワークの整備が進み, すでに,電話線を用いたADSL(Asymmetric Digital Sub-scriber Line)は1,000万人の加入を突破しており,高速のイ ンターネットアクセスを実現している。しかし,ADSLでは電話 局からの距離が遠くなるにつれて伝送速度が低下し,かつ 下り方向に比べて上り方向の速度が遅いため,大量の情報 による双方向通信を行うには制約があった。この制約を乗り 越えるため,アクセスネットワークの光化が急速に進んでおり, 10 Mビット/s∼1 Gビット/sの帯域を提供するアクセスシステム の導入が加速している。 ここでは,IEEE802.3委員会で標準化が進んでいる最新 の光アクセス方式であるギガビットイーサネットPON(Passive Optical Network)を中心に,光アクセスシステムの概要と, これに対する日立グループの取り組みについて述べる。 2.1 アクセスシステムの適用領域 アクセスシステムとは,企業や一般家庭などのユーザーサ イトと,通信キャリヤ局舎内のサービスノード(アクセスサーバ など)を結ぶシステムであり,20 km程度までの距離をカバー する伝送システムである。アクセスシステムの適用領域は,以 下の三つに分類できる。 (1)ビジネスユーザー向け 宣伝,販売,アフターケアなど,ビジネスのさまざまな局面で インターネットが果たす役割が拡大しており,同時に,企業 ネットワークが要求する帯域需要が増大している。反面,通 信コストの削減は企業経営改善のための重要な施策であり, 広域LAN(Local Area Network)サービスによる広帯域・低 価格の通信サービスの需要が高まっている。また,ビジネス ユーザーが要求する帯域幅と優先度は千差万別であり,通 信トラフィックをきめ細かく制御できる通信サービスが望まれて いる。さらに,ビジネス分野での通信障害は大きな損失に直 結することから,信頼性は必須要件である。そのため,アク セスシステムには,広帯域でのきめ細かな帯域制御,コストパ フォーマンスの高さ,高い信頼性を同時に満たすことが求め られる。 (2)一般家庭向け 対象は一般消費者であり,現行の主流のニーズは,イン ターネットへのアクセス時の画像情報のダウンロード時間の短 縮にある。この用途には当面,毎秒数メガビットの下り伝送速 度が確保できれば十分であり,必ずしも常時伝送帯域を保 証する必要はない。したがって,伝送帯域を保証しないベス トエフォート型のサービスが提供されている。しかし,今後IP (Internet Protocol)電話や,IPビデオ配信の導入が進むこ とを考慮すると,ベスト エフォート サービスの要素を残しつつ も一定の帯域を保証し,ネットワークの総トラフィックが増えて も個々のサービスの品質劣化や中断を起こさないサービスが 重要になってくると考えられる。 (3)集合住宅向け これは,前項と同様に一般消費者が対象である。しかし, 集合住宅では,多数の家庭が一つの建物内にまとまって居 住するため,建物まで光ファイバを設置し,建物内で電気信 号に変換後,各家庭にメタルケーブルで信号を分配する「ハ イブリッド アクセス システム」が比較的容易に導入できる。光 ファイバの容量を多数の家庭で共用するため,経済的であり, 少ない工事量で導入が図れる半面,将来の帯域需要の増 大時には光ファイバの容量が不足する可能性も考慮する必 要がある。 また,上述した3点では,国際標準方式に準拠することで マルチベンダー間の相互接続性を保証し,機器調達の容易 性と,経済性を高めることが期待される。 2.2 日立グループの光アクセス システム ソリューション 日立グループの光アクセス システム ソリューションは,イー サネットコンバータ,ハイブリッド アクセス システム,およびギガ ビットイーサネットPONシステムで構成している。 それぞれの特徴と適用範囲は以下のとおりである(33ペー ジの図参照)。 (1)イーサネットコンバータ イーサネットコンバータ「HE100シリーズ」では,100 Mビッ ト/sのイーサネット信号を最長30 kmまで伝送することができ る。局側装置には集合型(21回線)と単体型をそろえており, 需要規模に合わせた設置に対応する。帯域需要の大きいビ ジネスユーザー向けに適したソリューションである。 (2)ギガビットイーサネットPONシステム ギガビットイーサネットPONシステム「AMN1500シリーズ」は, 国際標準化作業中のIEEE802.3ahドラフトに準拠した1 G ビット/sの双方向イーサネット光アクセスシステムである。1本 のファイバを分岐することで最大64サイトの加入者拠点を収 容でき,ビジネスユーザーから一般家庭まで幅広く対応する ことが可能なソリューションである。 (3)ハイブリッド アクセスシステム ハイブリッド アクセス システム「AMN1400シリーズ」は,既 設電話線を活用したもので,1 Gビット/sのイーサネットコン バータと,下り50 Mビット/sおよび上り30 Mビット/sのVDSL (Very High-Speed Digital Subscriber Line)の組み合わ せにより,高速伝送が可能である。集合住宅向けサービスに 適したソリューションである。

光アクセス システム ソリューション

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はじめに

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35 日立評論2004.8 快適なコミュニケーションの基盤となる光アクセス システム ソリューション 569 Vol.86 No.8 OLT ONU ユーザー センター レイヤ2 ネットワーク 最長20 km 光スプリッタ 1.49 mμ 1.31 mμ 図1 ギガビットイーサネットPONの基本構成 通信キャリヤの局内に設置されるOLTと,ユーザーサイトに設置されるONUで構成する。下り信号に1.49 mの,上り信号に1.31 mの波長をそれぞれ用いて,1本のファイバで双 方向の伝送ができる。

注:略語説明 OLT(Optical Line Terminal),ONU(Optical Network Unit)

いる。 (1)ネットワーク側インタフェースには,2ポートの1 Gビット/sの 電気と光インタフェースを装備でき,局内および局間の機器接 続に対応し,ネットワーク側の冗長構成による高信頼性を確 保している。 (2)ユーザー側インタフェースには10 Mビット/s∼1 Gビット/s までの自動ネゴシエーション機能を備え,ユーザー端末の伝 送速度に自動的に適合することができる。 (3)広域イーサネットサービスに必要なVLAN(Virtual Local Area Network)タグの変換と挿入機能を持つ。 (4)100 kビット/s単位に設定が可能なトラフィックシェーピン グ機能を持ち,きめ細かな帯域制御が可能である。 上記の機能により,ビジネスユーザーに要求される,広帯 域での細かな帯域制御,高い信頼性を提供する。 3.3 長距離多分岐バースト光伝送技術 複数のONUから時分割で伝送されるバースト光信号を受 信するためには,OLTでの高度な光受信技術が求められる。 個々のバースト光信号はOLTとONU間の距離に依存して異 なる振幅と位相で受信されるため,OLTの受信器は1 秒以 内に受信信号の振幅と位相に合わせた高速同期を行う。 AMN1500シリーズでは,専用アナログICの適用とAPD (Avalanche Photodiode)による微弱信号増幅機能の搭載 により,IEEE標準に規定された長距離仕様であるPX20仕 様を達成した(図2参照)。一つのPONラインが収容する ONUの数と最大伝送距離は,トレードオフの関係にある。こ の仕様の達成により,通信キャリヤの局舎から最長20 kmの 3.1 ギガビットイーサネットPONの伝送方式 PONとは,1本の光ファイバを複数のユーザーで共用する 方 式 である。局 内 側 装 置 であるOLT( Optical Line Terminal)からの1本の光ファイバが光スプリッタを介して分 岐され,複数の端末側装置であるONU(Optical Network Unit)に接続される(図1参照)。ギガビットイーサネットPONの 標準化は,IEEE802.3委員会の「Ethernet First Mileタス クフォース」で進められており,2004年7月に最終承認の予定 である。ギガビットイーサネットPON標準の特徴は以下のとお りである。 (1)1.49 mと1.31 mの波長多重によって1心光ファイバに 双方向トラフィックを収容し,さらに,第3の波長1.55 mで映 像分配信号を波長多重することが可能である。 (2)イーサーネットフレームを単位とする伝送方式であること から,ユーザーサイト内のLAN機器との親和性がよい。 (3)保守管理信号が定義されており,アクセスネットワークの 障害特定が容易である。 上述の機能により,デジタルデータとアナログ映像を経済的 に伝送するアクセスシステムが実現できる。 3.2 ギガビットイーサネットPONシステム 「AMN1500シリーズ」の特徴 ギガビットイーサネットPONシステム「AMN1500シリーズ」は, IEEE802.3標準に対応するとともに,以下の特徴を持って

ギガビットイーサネットPONの概要

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36 日立評論2004.8 570 Vol.86 No.8 ここでは,IEEE802.3委員会で標準化が進んでいるギガ ビットイーサネットPONを中心に,日立グループのアクセス シ ステムソリューションについて述べた。 今後のアクセスシステムには,広帯域でのきめ細かな帯域 制御や,コストパフォーマンスの高さ,高い信頼性を高い水準 で均衡させていくことが求められる。また,さまざまな分野で の情報ネットワーク化の進展と,電話サービス,映像サービス のIP化などにより,アクセスネットワークの広帯域化は着実に 進行していくと考えられる。 日立グループは,帯域需要で先行するビジネスユーザーか ら一般家庭向けまで,さまざまなユーザーの通信アプリケー ションを見極めつつ,総合的なソリューションの提案を推進し ていく考えである。 距離にあるONUを16台程度,または最長8 kmの距離にある ONUを64台程度収容することができる。 参考文献など 1)総務省:インターネット接続サービスの利用者数等の推移(速報), http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040331_5.html

2)IEEE 802.03ah Ethernet in the First Mile Task Force, http://www.ieee802.org/3/efm 3)日立製作所:通信・ネットワーク―アクセスネットワーク, http://network.hitachi.co.jp/access/index.html 加 沢   徹 1985年日立製作所入社,株式会社日立コミュニケーション テクノロジー アクセス装置部 所属 現在,光アクセスシステムの開発に従事 電子情報通信学会会員

E-mail:tohru_ kazawa @ hitachi-com. co. jp

多治見信朗

1981年日立製作所入社,株式会社日立コミュニケーション テクノロジー アクセス装置部 所属

現在,光アクセスシステムの開発に従事 電子情報通信学会会員

E-mail:nobuaki_ tajimi @ hitachi-com. co. jp

北 澤 雅 一

1981年日立製作所入社,株式会社日立コミュニケーション テクノロジー アクセス装置部 所属

現在,光アクセスシステムの開発に従事 電子情報通信学会会員

E-mail:masakazu_ kitazawa @ hitachi-com. co. jp

芦   賢 浩

1985年日立製作所入社,株式会社日立コミュニケーション テクノロジー アクセス装置部 所属

現在,光アクセスシステムの開発に従事 電子情報通信学会会員

E-mail:yoshihiro_ ashi @ hitachi-com. co. jp

執筆者紹介 IEEE PX20仕様 光入力(dBm) ビッ ト 誤り率 −35 10−14 10−13 10−12 10−11 10−10 10−9 10−8 10−7 10−6 10−5 10−4 10−3 −34 −33 −32 −31 −30 −29 −28 −27 −26 −25 図2 OLTの光バースト信号受信特性 IEEEのPX20仕様を達成し,最大25 dBの光スパンロスに対応する。通信キャリ ヤの局舎から離れた距離の多数のユーザーを収容することが可能である 注:○(0℃),△(25℃),×(75℃)

おわりに

4

参照

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