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視神経再発症の一症例

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Academic year: 2021

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(1)

親紳経納期症の一症例

東京女子讐學専門學校眼科敦室(主任

喜 井

ヨシ イ (受付 昭和16年1月28日) 高辻教授)

貞 子、

テイ r 緒 言 覗神経再襲症に關する問題は1910年画一ルリヒ氏,秦氏等が「サルバルサン」を創製してより 今日に至る迄既に幾多の先輩により七論究せられ,其の本態も大凡閲明の域に達したるものにして 輩に我國に於ける眼科領域に三三ある丈獄のみにても非常に多し。 余は最近定型的なる硯神経再三症に遭遇せるを以て雄に報告す。

例 患番・は16歳の女geIcして職業は藝妓。初診は昭和14年11月10 Eiなり。 家族歴 父は徽毒に罹りし事あるも健在し母は健在,兄弟8入中1人は原因不明にて幼時死亡せる他は健左 す○ 霞往症 患者は幼時度々杢身の獲疹に拶まされたる事ある竜其の他著患を知らず。 昨年8月上旬轡部の瘤を主訴として某内科警を訪れ其の際局所の虎置と同時に血液検査を受くる事なく7徽毒 性のものならんとて「サ」注射を1同受けたYo癖は其の後間もなく登治せbo其後8月下旬に3雪目の「ナ」 潮田受けてkP2∼3同にして左h艮の口唱購のあるに鮒き同時に輕きE艮球痛を伴ふ。9宅にて・一斗藥 の黒占眼及棚酸水洗眼のみにて1週聞後には症歌輕快せるため讐療を怠り居りしに11月3日即最:終「サ」注射後 約2ケ月にして再び左限の硯力障碍及眼球痛を訴ふ。眼球痛は眼球蓮動によりて塘張せらる。由て自宅にて黒占眼 を行ふも症歌輕快せぬ故獲病後」ρ目昌に再び内科讐を訪私「サ」注射4本目を受けたll。ところが璽朝急激に 硯力減退し光畳のみとな聾艮痛強度にて開眼し得ず。直に附近の眼科讐に診療を受け眼球痛は稽々輕減せるも親 力は依然として改良せられず旦つ輕度の左側偏頭痛,悪心,睡眠障碍,叢明を訴へたるため獲病2遡間後に我眼 科外來を訪れたるものなり。 勧診時の所見 前眼部には輕度の慢性結膜炎及毛檬充血を認むる他塗化なし○叉硲子艦湖濁等な し。覗力は右1・2,左0.04(矯正不能)。暗影法にて右E.左+3.OD。 眼底所見 右眼は攣化なきも左眼乳頭は著しく襲赤瀕濁腫脹して前方に膨隆し境界不鮮明にして 極めて強度の乳頭炎の歌態を呈す。充血した中心血管中殊に静脈は著しく怒張迂曲し,動脈は梢々 狭細迂曲し,乳頭及これに接する周園網膜の漏濁中に隙現出没す。乳頭面上及び其の境界部には白 一47一

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斑,線状の小出血斑多稜して車軸歌を呈し,黄斑部も亦溺濁し黒鰍の出血斑,星芒朕の白斑を認む。 眼球痛殊に寸寸著し。内科的診察の結果全身症状は下情の脚氣及氣管非才あり。尿所見には攣化な し。ワ氏反慮,村田氏反回,ピ氏三鷹共に陰性なり。 診漸及び治療 以上の特異なる所見により「サ」注射による徽毒性硯神経再焚症と診断し一口入院。安静を:守ら せ「サ」注射1週1同,ミノファーゲンAしの隔日注射,高張性食権水結膜下注射及沃三内服と 同時に獲汗療法として1%ピロカルピンの皮下注射を行ひつつ経過を一高せり。入院後7日日帥 覗 ブ」 輕 過 表 (第一・) 初 診 β山野…0 14 年 11 月 17 目 診 断 (右) (左) 硯置目再i菱症 暦日 〃〃18 /3 ∼021 2223242526 27 28 23 30 1Z P 2 3 4 5 6 7 8 θ 10 〃 ノ2 13 /4 ノ5 1 @/2 =16i〃/8 ノ320 病目 / 2 3 4 5 6 7 8 θ ノ0 〃 12 13 14 15 /6 /7 /8 /3 202122232425 26272823・ 130313233 34 i 1 右視カ ii[

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「サ」注射1周後には視力0.1となり,(覗力経過表(第一一)参照)乳頭の腫脹は幾分吸牧されたる感 あるも境界は全く不明にして,周團網膜の1国濁浄腫は増悪し且つ出血,白斑も増加し欝血乳頭の状 態著明となる。硯野はエ氏盲黙著しく掻大し,十手寸寸も幾分狭窄せり。其後日を追ひ乳頭の獲赤 腫脹潤濁は漸次清退し,出血竈も縮号せられ,したがって境界も次第に明らかとなる。周回網膜の 白斑,出血斑及浮腫凋濁も吸牧され・ 競力糎過表(第二)初診昭和15年11月14日 ・血管の怒張迂曲も次第に正常に復し・ 診断(右)観心輕炎 (左)炎性覗鼻詰萎縮

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20日目即「サ」注射3攣目の後に至 りては覗力はO.6に改良せられ(堅塁 法十〇.5D),且つ乳頭は多少充血せる も蒼白とな1萎縮し初め,其の境界早 々判然す。乳頭百千網膜,黄斑部に於 ける白斑,出血斑は殆ど七三さる。眼 球痛,堅痛共に消失せり。擾大せしマ 氏野羊も縮少され,周邊:硯野挾窄もわ すかとなる。此の時再びワ酔興慮,村 田氏反慮を槍せるも共に陰性なり。其 の後眼底所見は舞々輕快し,泪濁腫脹 去りて覗力も上昇す。 32日目帥「サ」注射5回後には硯力 !.0にまで回復し,乳頭はむしろ蒼白 となり萎縮歌を呈するに至れり。周園 網膜の沼濁も非常に別個團に限局さ れ,出血斑,白斑は全く浩失せり。同 時に血管周園の滲出物も吸牧さる。中 心血管は多少蛇行せるも怒張極く輕度 にして孚顕上にては恰も薄き白き膜に て蔽はれし如く不鮮明なるも,乳頭を 出つるに其の走行鮮明となる。硯野は マ氏盲断の博大輕度に残存せるも周邊 覗野は殆ど正常に復せり。よって入 院32日に:て輕快退院せり。退院後は 2.O I.・S 3i暮 gi3 0.5 0.4 0.3 0.2 ,. O.1 0.08 0.06 0.05 0・04 0.03 0.02 (昧顯 30心妻麹 に。糎醐 σ0糎融 騨手動1

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附近ρ巾科讐にて「サ」注射!週!同つつ6同受け,2月上旬よ勢は全然加療を中止せり。 然るに約1ケ年を経て邸15年1/月14日に心眼帥ち右限の覗力障碍及眼球痛を主訴として來 院せり。覗力は右1・0,・左0。6(矯正不能)揃眼部には攣化なし。 眼底所見は右乳頭は淡紅色を呈し・境界不鮮明にしで中心血管屯静脈は怒張迂曲せるも動賑は や玉詠癒す。責面部及其他の網膜に■寒々化なし。.眼球を駆溶せば眼球深部痛ありて覗神経炎:の症駅 を呈す。左乳頭蒼白,境界不鮮明,不正形にして自き結締織詰膜様物を認め炎性視直穿萎縮の歌態 を呈す。血管壁も}困濁し所々に白き鞘を見る。動脈は特に狭細にして不鮮明なり。乳頭附近一帯の 網膜は萎縮し且つ白斑あり。マ氏.盲黙左右共に櫨大し,覗野も幾分挾窄し光神減弱せり。ワ氏反鷹, 村田氏臆共に難励・高張性魚水痢鞭下注射・沃剥内服・ミノ・・一ゲシAしの隔日注射を 行ふ。5日目には覗力左(0.9)右(1・2)にして眼球痛も輕減せり。其後視力次第に上昇し現在は右 1.5,左1.2となる。視力維過表(第二参照,右眼孚L頭の境界幾分鮮明となるも,血管は猫怒張迂曲 す。マ氏盲黒占も正常に復すQ 考 按 本例は血液槍査を行ふ事なく響部の編に鉗して「サ」注射を3圃施して局所症歌の清失せるまX に注射を中止したる露2ケ月を経て左眼に激しきサルバルサン覗神維炎を惹起せるものに十分なる ’rサ」注射績弁証其他の駆徽療法を施して幸ひ快癒せしめ得たる例なり。.此の如き覗紳経廻獲症の起 る原因に題しては徽毒再燃読,中毒読,z三ルクスハイマー氏現象と同様なりと云ふ詮や或は「サ ルバルサン」に因る紳経の被害と徽毒の再獲との合併なりと云ふ論等あるも現今に於てはエールリ ツヒ氏と共に視整経再獲症は「サルバルサン」の中毒にあらすして早期徽毒性且歯憩経疾患な砂と考 へらるXに至れり。叉「サ」の注射量不足によりて起るのみならす水銀剤或は蒼鉛剤の使用後にも 趙り又全く駆徽療法の既往症の無V・徽毒患者にも時に類似の眼底像を見ることあPlと云はる。其の 護生は「サ」注射1∼2同行ひて中止し約1ケ月後に現はれるもの最も多く注射同数の多くなる程 其の頻度も滅宣す。 症ナ伏獲現までの間隔は1∼2ケ月が最も多数なり。7.氏熟慮に就てばその多撒に於て陽性なるも, 又陰性のものもあPl。中村康氏も16例(80%)の陽性者に継し4例(20%)の陰性心ある事を報 告せb。 撫で以上の毒除あるため駆徽療法の實施に創りては強力なる「サ」剤注射’と共に充分にして適當 なる補助藥剤の使用,更に治療の開始前に「サ」注射の僅かの同数にて中止すべからざる事を患者 に十分理解せしめて後行ふべき事が最も重要なる稲魂にして已に周知の事なるも更に是等の黙に留 意し本症の豫防に治療に一段の成果を上げん事を期待するものである。ψ(に右眼の護病は徽毒を有 する者に輩なる視神経炎の型を以て起りしものに,駆徽療法及び局所に封ずる一般療法を施し速か に恢復せるものにして神経再護症には非ざるものの如し。 稿を終るに臨み絡始御懇篤なる御指導御校閲を賜et Vたる恩師高辻教授に深甚なる謝意を捧ぐ。 一一 se

(5)

1)湾 本. 清:

2)中村交李:

3) 高 田 至:

4)佐藤済作』:

5)松 本 保 三: 6)馬 島鏡 竃:

7).高崎藏喜=

8)灘 戸 糾・ 9) 草 舞置 コE 也 : 10)藤 年 養 三: 11)瀬木本 立:

12)田原蓮也:

13)説谷遇男.1

14)後藤鶏太鄭:

15)向後新亥=

16)申村 康=

主 要 交 献 覗紳輕再獲症 眼臨 工7谷 272頁 「サルバルサン」注射に因る覗脚纒再獲症 眼臨 19巻 399頁 競神輕再獲症 北海道讐學會雑誌 3巻2號 129頁 騨輕再獲症に就て 第16同千葉眼科集談會 蜘贈経再農症の一例第86同東茄艮科集謙會 ノイロレチヂーフの統計的魏察 中眼 19巻 6號 R艮臨 22谷 595頁 「サルバルサン」注射後に起りたる高度の跡輕再襲症の一例 眼臨 2£巻 425頁 「ナルバルサン」と眼疾患 眼臨 23巻 「サルバルサン」と「ノイロレチヂーフ」治療友虚方 116號 「サルバルサン」注射後の急性麗紳輕炎に就て 軍醤團雑誌 「オスバルサン」の内服に因る徽毒神経再獲症に就て 眼臨 25巻 760頁: 「サルバルサンノイロレチヂーフ」2例眼臨25巷 「サルバルサγ」内服による棘経再獲症 中眼23巻 1∼2號 呼ルバルサン」謝帷炎の一症例頁艮臨2験 「ナルバルサン」10同注射後に養せる覗紳糎再護症の一例 實眼 126號 目本巨艮科=全書 S巻 2ガ肝 一一 51 一.

参照

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