Title
樹状細胞浸潤度とin silico法を用いた胃癌に対する新しい予
後予測法の開発 1) 予後因子としての胃癌原発巣における樹
状細胞浸潤程度の検索意義について 2) 胃癌患者の新しい予
後予測法としてのニューラルネットワークの有用性につい
て - ロジスティック回帰分析との比較 -( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
熊澤, 伊和生
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1290号
Issue Date
2001-11-21
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14982
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 熊 澤 伊和生(愛知県) 博 士(医学) 乙第1290 号 平成13
年11月
21日 学位規則第4条第2項該当 樹状細胞浸潤度とinsilico法を用いた胃癌に対する新しい予後予測法の開発1)予後因子としての胃癌原発巣における樹状細胞浸潤程度の検索意義に
ついて 2)胃癌患者の新しい予後予測法としてのニューラルネットワークの有用性に ついて 一口ジスティック回帰分析との比較-(主査)教授 佐 治 重 豊 (副査)教授清
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‥「-劇隼一 】 一〈… 一サー=一一一=⊇二→==・----・-・-れ一 一礼-一刀コーーーーー」一・-ノー一一一一二一;一山一一一--【 →---ここ=一▲岨】_i_ 論 文 内 容 の 要 旨 療治療分野では,癌の個性診断とテーラーメード医療の確立を目指し様々な研究が試みられている。その中で 予後予測法に関しては,ニューラルネットワークがパターン認識に優れた数理学的モデルで,臨床医学における 新たな知見の発見(Data-mining)や根拠に基づいた治療(EBM)に役立っtoolとして期待されている。一方, personalcomputerの普及によりCPU上(insilico)での各種simulationが実用可能となってきた。そこで申請者らは胃癌術後症例を対象にニューラルネットワークとロジスティッ▲ク回帰を用いて術後晦日と3年目の予後予
測をretrospectiveに行い,ニューラルネットワークの予後予測法としての有用性を評価した(研究I)。その結 果,さらなる精度向上のためには新しい予後因子の抽出が必要と思われた○ところで,樹状細胞は抗原提示細胞 として癌微小環境での癌関連抗原をT細胞に提示し,抗腫瘍免疫を誘導するなどの重要な役割を演じ,さらに naturalkiller細胞の標的細胞に対する傷害活性を増強する可能性など,免疫応答全般における司令塔的役割を 担っていると考えられている。即ち・癌局所における樹状細胞密度が予後と相関する可能性,及び樹状細胞を用 いたワクチン療法やcytotoxicTlymphocyte(CTL)療法の適応症例選択基準としての有用性である。そこで, 申請者らは胃癌症例を対象に手術時採取した原発巣で申癌部樹状細胞密度を検索し,臨床病理学的所見および予 後との関連を比較検討することで・従来の病理租織学的因子にまさる,新しい予後因子としての可能性を評価し た(研究Ⅱ)。 研究対象と研究方法 研究Ⅰ・胃癌術後患者の予後予測法としてのニューラルネットワーク(NN)の有用性:1977年から1995年 までの間に当科で胃切除した797例中,術後3年以上を経過し予後が判明している672例に対し,NNとロジスティッ ク回帰(LR)を用いて術後1年目と3年目の生死の予測をretrospectiveに検討した。NNは中間層が1層からなる フィードフォワード型階層モデル(入力層21ニューロン・中間層3ニューロン,出力層1ニューロン)で,閥値調 整目的で常に1を出力するバイアス項を入力層として中間層に各1ニューロンを加えた。予後因子は腹膜転移,肝 転移・深遠度・リンパ節転移,根治度・郭清度,年齢,組織型・INF,1y,Ⅴの臨床病理学的因子で,21の2値変 数(0・1)にカテゴリー化したものを予測モデルの共変量とし・(1)両モデル間で予測結果の相関の有無を検討 し・(2)適中率と・(3)Receiveroperatingcharacteristic(ROC)解析におけるAz(AreaundertheROC CurVe)で評価し,1eave-One-Out法にて検証した。 研究Ⅱ・胃癌原発巣における樹状細胞浸潤程度の検索意義‥StageIaとP(+),H(+)を除く根治度A,B の胃癌患者62例に対して,手術時採取した原発巣のホルマリン固定パラフィン包哩ブロックから4〟mの薄層連 続切片を作製し・MIDC-8抗休を用いて免疫染色後・光学顕微鏡下400倍視野で単位面積(0.05平方mm)あたり の陽性細胞数を樹状細胞密度とした。次いで・術後5年日の生死で判別したROC解析から高密度群と低密度群に 分類し,両群問での臨床病理学的所見との関連・生存群と死亡群での樹状細胞密度平均値,及びKaplan-Meier 法による累積生存率を比較検討した。-113-研究結果 研究Ⅰ(1)両モデルでの予測結果は術後1年でr=0.966,3年でr=0.979で有意(ともにp<0.01)の相関関 係を示した。(2)術後1年目の適中率は学習検証結果ともにNNが有意の高値を示した(学習NN90.0%vs LR 86.8%,検証NN88.1%vs LR85.3%,ともにp<0.01)。術後3年目でも比較的良好であった(学習NN85.3% vs LR83.9%,検証NN83.0%vsLR82.7%)。(3)Az値は学習結果において術後1年目でNNが0.912(SE= 0.014)でLRの0.906(SE=0.014)に比べ軽度高値を示した。術後3年目はNNが0.914(SE=0.016)でLRの0.910 (SE=0.019)と同等の値を示した。根治度別のNNによる予測結果で,現時点では根治度A症例の死亡予測は困 難であったが,根治度B,C症例では予後予測の可能性が示唆された。 研究Ⅱ (1)ROC解析より樹状細胞密度のCut-Off値を50と設定すると高密度群が22例,低密度群が40例で あった。(2)stage別で高密度群はstageIb9例,Ⅱ8例,Ⅲa3例,Ⅱb2例で,低密度群は順に8例,13例, 17例,2例と低密度群でstageの進行例が多くなる傾向を示した(p=0.061)。他の因子問では樹状細胞密度との 間に有意となる分布差はみられなかった。(3)樹状細胞密度の平均値は生存群が44.8±21.8と死亡群の38.3±18.4 に比べ高くなる傾向を示した(p=0.098)。(4)生存曲線で,樹状細胞高密度群の予後は低密度群に比べ有意に 良好であった(p=0.048)。特に根治度A症例,StageIb症例の樹状細胞高密度群はすべて生存例で,予後が良 好であった。症例別検討では,樹状細胞高密度群のn3症例で生存2例を認め,根治度Aでの死亡3例はいずれも樹 状細胞低密度群で(再発死),癌微小環境において樹状細胞が癌の再発,転移の防止に何らかの作用を示す可能 性が示唆された。 考察と結語 癌患者の治療効果は臨床病理学的予後因子を用いた統計学的解析,あるいは癌関連遺伝子変異や増殖・浸潤・ 転移関連因子などの分子生物学的手法を用いた解析等により癌の悪性度や宿主要因の評価がなされ,治療の標準 化と個性化が試みられている。そこで,教室ではテーラーメード医療の確立を目指し,胃癌術後患者を対象にニュー ラルネットワークを構築し,また各種予後因子の探索によって統計学的処理による個々の患者に対する予後予測 の可能性を検討してきた。ニューラルネットワークの有用性に関しては,癌患者を対象とした予後予測法として の臨床応用や,従来の統計学的処理法との問で予測精度を比較した報告は少ないが:研究Ⅰの結果からニューラ ルネットワークはロジスティック回帰と比べ同等かそれ以上の予測能力を示した。今後は治療効果に対する解析, 転移形式や転移時期などの予測及び治療効果に対する新しい予後因子を用いた解析,等が必要であるが,ニュー