『宇治拾遺物語』における女性の描かれ方
著者 趙,智英
雑誌名 同志社国文学
号 92
ページ 91‑104
発行年 2020‑03‑20
権利 同志社大学国文学会
URL http://doi.org/10.14988/00027186
﹃ 宇 治 拾 遺 物 語 ﹄ に お け る 女 性 の 描 か れ 方
趙
智 英
はじ めに
﹃宇 治拾 遺物 語﹄
︵以 下︑
﹃宇 治拾 遺﹄
︶に は︑ 総一 九七 話の 長短 編 説話 が収 めら れて いる
︒そ の説 話の 大半 が︑ 主に 男性 が中 心と なり 展開 され る︒ 一方 で︑ 女性 が登 場す る説 話が 少な から ず存 在す るの も確 かで ある
︒説 話の 中の 女性 は︑ 特に 下級 下層 の場 合︑ 無名 人①
が 多く
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄の 中の 女性 も同 様で
︑脚 光を 浴び る機 会は 少な い︒ 本稿 では
︑そ のよ うな 彼女 たち が﹃ 宇治 拾遺
﹄の 中で どの よう に 描か れて いる か検 討す る︒ そこ に﹃ 宇治 拾遺
﹄に おけ る女 性理 解の 端緒 を求 める こと にし たい
︒ なお
︑本 稿で 引用 する
﹃宇 治拾 遺﹄ の本 文は 最善 本と され る陽 明 文庫 本を 底本 に採 用し てい る﹃ 新日 本古 典文 学大 系②
﹄に 依る
︒
第一 章.
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ の女 性が 登場 する 説話
﹃宇 治拾 遺﹄ の女 性に 関す る先 学の 研究 には
︑平 城隆 雄氏
︑畠 山 千春 氏︑ 出口 佳奈 氏な どの 論考③
があ るが
︑改 めて
﹃宇 治拾 遺﹄ 収載 話を 対象 に︑ 女︑ 妻︑ 母︑ 娘の 意味 をも つ語 彙を 調査 し︑ 母や 娘︑ 女房
︑妻 など あら ゆる 女性 がど のよ うに 描か れて いる かを 私な りに 検討 した い︒ 検討 を行 うに あた って
︑ま ずは
﹃宇 治拾 遺﹄ 全巻 全話 を通 して 女︑ 妻︑ 母︑ 娘の 意味 をも つ用 例を 確認 する④
︒ 以下 は便 宜上
︑説 話番 号は 巻毎 の説 話番 号で はな く︑
﹃新 日本 古 典文 学大 系﹄ に記 され た一 話か ら一 九七 話ま での 通し 番号 で表 す︒
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九一
一. 女・ 女房
﹁女をんな
﹂用 例に は︑
﹁女 共︵ をん など も︶
﹂︑
﹁老 女﹂
︑﹁ 玉女
︵第 九一 話︶
﹂︑
﹁く さり 女︵ 第九 三話
︶﹂ も含 め︑
⑴第 四話
︑⑵ 第八 話︑
⑶第 九話
︑⑷ 第一 四話
︑⑸ 第二 七話
︑⑹ 第二 九話
︑⑺ 第三
〇話
︑⑻ 第三 三話
︑⑼ 第三 四話
︑⑽ 第四 三話
︑⑾ 第四 八話
︑⑿ 第五
〇話
︑⒀ 第五 一話
︑⒁ 第五 三話
︑⒂ 第五 七話
︑⒃ 第五 九話
︑⒄ 第六
〇話
︑⒅ 第八 三話
︑⒆ 第九 一話
︑⒇ 第九 三話
︑ 第九 六話
︑ 第九 七話
︑ 第一
〇二 話︑ 第 一〇 六話
︑ 第一
〇八 話︑ 第 一〇 九話
︑ 第一 一〇 話︑ 第 一一 九話
︑ 第一 二三 話︑ 第 一三 一話
︑ 第一 六〇 話︑
!第 一六 一話
︑"
第一 六五 話︑
#第 一六 六話
︑$ 第一 六八 話︑
%第 一七 四話
︑&
第一 八一 話︑ '第 一八 六話
︑( 第一 九二 話の 計三 九話 の説 話に 見る こと がで きる
︒
﹁女 房﹂ の用 例が 見え る説 話は
︑⑴ 第九 話︑
⑵第 一四 話︑
⑶第 二 七話
︑⑷ 第二 九話
︑⑸ 第三 四話
︑⑹ 第四 八話
︑⑺ 第五
〇話
︑⑻ 第六
〇話
︑⑼ 第七 六話
︑⑽ 第九 一話
︑⑾ 第九 六話
︑⑿ 第一 一二 話︑
⒀第 一一 九話
︑⒁ 第一 二四 話︑
⒂第 一四 三話
︑⒃ 第一 八五 話︑
⒄第 一九 二話 の計 一七 話で あり
︑五 話以 外は
﹁女
﹂の 用例 が見 える 説話 と重 複す る︒ 出口 佳奈 氏は
︑説 話集 の女 性た ちを 語彙 で捉 え︑ 時代 によ る変 化 と作 品毎 の個 性に 焦点 を当 て︑ 論考 で﹃ 宇治 拾遺
﹄に おい て﹁ 妻﹂
や﹁ 親﹂ など に比 べて
﹁女
﹂語 の登 場頻 度が 全体 の過 半数 を占 めて いる こと から
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄が
﹁基 本的 には
︑あ らゆ る女 がた だの
﹁女
﹂に 集約 され てし まう⑤
﹂と 指摘 して おら れる
︒し かし
︑語 は
﹁女
﹂に なっ てい ても
︑説 話本 文の 文脈 や状 況︑ 描写 から 各々 の個 性を 見出 すこ とが でき るの では ない だろ うか
︒ 第三 四話
﹁藤 大納 言忠 家物 言女
︑放 屁事
﹂︑ 第一
〇八 話﹁ 越前 敦 賀女 観音 助給 事﹂
︑第 一三 一話
﹁清 水寺 御帳 給ル 女事
﹂は 表題 に
﹁女
﹂語 が含 まれ てい る︒ 第三 四話 の﹁ びゞ しき 色好 みな りけ る女 房﹂ は︑ どち らか とい うと 脇役 のよ うな 登場 の仕 方だ が︑ 三話 とも 表題 の﹁ 女﹂ が説 話の 展開 にお いて は欠 かせ ない 主要 人物 とな る︒ 第五 七話
﹁石 橋下 蛇事
﹂は
﹃宇 治拾 遺﹄ の中 で唯 一︑ 男性 が登 場 しな い説 話で ある
︒﹁ 蛇﹂ 以外 の登 場人 物は 全て 女性 であ る︒ 本説 話は
﹁何 かに 執着 して 蛇の 身を 受け て苦 しみ
︑縁 あっ て救 われ て天 に生 まれ ると いっ た話 はよ く見 られ る︒
︵中 略︶
﹃宇 治拾 遺﹄ のこ の 話は その よう な類 型に より なが ら︑ 巧み に作 り上 げた 物語 であ る︒ 主人 公の 宮仕 えす る女 性よ りも むし ろこ のほ うが 主人 公か とも 見え る傍 観者 の位 置の 女性
︑こ の人 の動 きが 実に よく 書け てい る⑥
﹂と 評 価さ れる
︒第 五七 話は
︑雲 林院 の菩 提講 に参 詣し た女 が決 定的 な謎 解き の鍵 を持 って おり
︑女 が軸 とな って 物語 が展 開さ れる 説話 とな る⑦
︒
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九二
﹁女 人﹂ は︑
⑴第 九三 話︑
⑵第 一七 四話
︑⑶ 第一 七五 話の 三話 に 見え
︑﹁ 女子
をん なこ
﹂は
︑⑴ 第五 六話
︑⑵ 第一
〇八 話︑
⑶第 一一 九話
︑⑷ 第一 六七 話の 計四 話に 登場 する
︒ 第五 六話
︑第 一一 九話
︑第 一六 七話 では
︑土 佐国 幡多 の郡 に住 む 人の 娘︵ 第五 六話
︶︑ 生贄 に指 名さ れる 娘︵ 第一 一九 話︶
︑亡 くな っ て羊 の身 体に なっ た娘
︵第 一六 七話
︶を 指す
︒第 一〇 八話 は﹁ この 男女
︑た がひ に七 八十 に成 まで 栄へ て︑ 男子
︑女 子︑ 産み など して
︑ 死の 別に ぞ別 れに ける
﹂と 話末 に﹁ 女子
﹂の 用例 が見 える
︒老 女が 中心 人物 とし て登 場す る説 話は
︑第 三〇 話と 第四 八話 の二 話の みで ある
︒こ の二 話に つい て︑ 詳細 は後 述す る︒ 二. 妻 次に
︑﹁ 妻﹂ の用 例が 登場 する 説話 数を 確認 する
︒
﹁妻
﹂の 用例 は︑
⑴第 二話
︑⑵ 第三 話︑
⑶第 四話
︑⑷ 第五 話︑
⑸ 第二 九話
︑⑹ 第四 一話
︑⑺ 第四 五話
︑⑻ 第四 七話
︑⑼ 第五 七話
︑⑽ 第五 九話
︑⑾ 第七 七話
︑⑿ 第八 三話
︑⒀ 第八 五話
︑⒁ 第八 六話
︑⒂ 第九 一話
︑⒃ 第九 六話
︑⒄ 第一
〇六 話︑
⒅第 一〇 八話
︑⒆ 第一
〇九 話︑
⒇第 一一 二話
︑ 第一 六八 話︑ 第 一七 八話
︑ 第一 八六 話︑ 第 一八 九話
︑ 第一 九四 話の
︑計 二五 話の 説話 に見 える
︒ 右に 挙げ た説 話の 中で
︑第 四話
﹁伴 大納 言事
﹂は 次章 で詳 述す る
が︑ 妻の 失言 によ って
︑夫 が失 脚す る説 話で
︑貞 観八 年︵ 八六 六 年︶ に起 こっ た応 天門 放火 事件 とも 関係 する と読 まれ てい る︒ 第八 三話
﹁広 貴︑ 依㆓
妻訴
㆒︑ 炎魔 宮ヘ 被㆑
召事
﹂は
︑藤 原広 貴と いう 者が
︑地 獄に 落ち た亡 妻の 訴え で死 んで 閻魔 の庁 に召 され て展 開さ れる 地蔵 説話 であ る︒ 本説 話の 同文 的同 話と され る﹃ 日本 霊異 記﹄ 下巻 第九 話で は︑ 中心 人物 の名 に異 同が あり
︑﹁ 藤原 朝臣 広足
﹂ とあ る⑧
︒小 林保 治氏
︑増 古和 子氏 の﹁
﹁広 足﹂ は亡 妻の 死を 悼ん で︑ その 後生 善処 を願 い︑ 来世 では 同じ 浄土 に生 れる こと を願 って
︑妻 のた めに 法華 経書 写の 功徳 を積 むな ど︑ なか なか のよ き夫 ぶり を見 せて いる
︒し かし
︑妻 の訴 えに よる 話の 展開 ぶり は共 通し てい る⑨
﹂ とい う解 釈は 注目 に値 する
︒第 八三 話は
︑﹃ 日本 霊異 記﹄ より
︑亡 妻の 嘆か わし さや 訴え を説 話の 中心 的な 話題 とし て認 識し てい るの であ る︒ 第五 九話
﹁三 川入 道︑ 遁世 之間 事﹂ は﹃ 今昔
﹄巻 一九 第二 話と 同 文的 同話 と見 做さ れて いる
︒し かし
︑説 話の 大き な枠 組み が同 じと 言え ども
︑第 五九 話と 類似 して いる のは
﹃今 昔﹄ 巻一 九第 二話 の前 半で あり
︑特 に第 五九 話で は︑ 俗人 だっ た頃 の参 河入 道︵ 大江 定 基︶ の﹁ もと の妻 をば 去り つゝ
﹂と
︑本 妻を 離縁 して
︑若 い美 貌の 女を 新し く妻 に迎 える が︑
﹃今 昔﹄ 巻一 九第 二話 では
﹁本 ヨリ 棲ミ ケル 妻ノ 上ヘ ニ﹂ 若い 女を 愛し た︑ と記 され てお り︑ 本妻 がひ どく
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九三
嫉妬 した と描 写さ れて いる
︒本 妻と の離 縁に 対し ての 異同 や︑
﹃宇 治拾 遺﹄ が嫉 妬と いう 表現 を用 いて いな いこ とな どか ら︑ 第五 九話 と﹃ 今昔
﹄巻 一九 第二 話を 同文 話と 認め るの は難 しい と考 える
︒ 最後 に︑ 母の 用例 と︑ 娘を 意味 する
﹁女むすめ
﹂の 用例 を確 認す る︒ 三. 母・ 女むすめ
︵娘
︶ 母の 用例 は︑
⑴第 一九 話︑
⑵第 五一 話︑
⑶第 七七 話︑
⑷第 八五 話︑
⑸第 一〇 八話
︑⑹ 第一 一三 話︑
⑺第 一四 二話
︑⑻ 第一 六七 話︑
⑼第 一七 八話
︑⑽ 第一 九一 話の 計一
〇話 の説 話に 見え る︒ 第五 一話
﹁一 条摂 政歌 事﹂ は母 親と 乳母 が︑ 十分 な計 算ず くで
︑ 正体 の割 れて いる 上流 貴族 の若 殿と の関 係を 受け 入れ よう と共 謀し て︑ 妙に 潔癖 で好 人物 の父 親を 欺い た結 婚を めぐ る哀 笑話⑩
と読 まれ てい る︒ 第一 一三 話﹁ 博打 聟入 事﹂ は︑ 長者 の家 の娘 の母 が︑
﹁顏 よか ら ん聟 取ら むと
︑母 のも とめ ける を伝 へ聞 きて
︑﹁ 天の 下の 顏よ しと いふ 人︑ 聟に なら ん﹂ と言 って いる よう に︑
﹁母 親の 面食 い趣 味が 呼び 込ん だ﹂ 所謂 結婚 詐欺 譚⑪
であ る︒ 第五 一話 や第 一一 三話 は子 の婚 姻に 積極 的に 関与 する 母が 描か れ る︒ また
︑両 話共 に同 文的 同話 が見 当た らな い孤 立話 であ るこ とも 特徴 的で ある
︒
﹁母
﹂の 用例 は︑
﹁女をんな
﹂や
﹁妻
﹂語 に比 べる と用 例数 は少 ない が︑ 説話 の展 開上 重要 な役 割と して 登場 する 場合 があ る︒ 例え ば第 八五 話﹁ 留志 長者 事﹂ の記 事を 見る と︑
﹃宇 治拾 遺﹄ の編 著者 は︑ 妻よ りも
︑母 に信 頼を 寄せ てい たよ うで ある
︒先 学に おい て﹁ 堅苦 しい 仏教 説話 にし ない とこ ろ⑫
﹂に 特徴 があ ると 読ま れて きた 第八 五話 は︑ 同文 的同 話と され る﹃ 今昔
﹄巻 三第 二二 話で は︑ 留志 長者 の慳 貪の 業を 改め させ るた めに 留志 長者 に姿 を変 えた 帝釈 天と
︑本 物の 留志 長者
︑ど ちら が本 物か 判断 する ため に︑
﹁證 判ノ 者盧 至ガ 妻﹅ 子﹅ ニ向 テ二 人ノ 寶否 ヲ問 フ⑬
﹂と ある
︒と ころ が﹃ 宇治 拾遺
﹄第 八五 話で は
﹁御 門に うれ へ申 せば
︑﹁ 母﹅ に問 へ﹂ と仰 せあ れば
﹂と
︑﹁ 母﹂ に判 断を 委ね る︒ 同じ く﹃ 古本 説話 集﹄ 下巻 第五 六話 の同 話で も﹁ 母﹂ にな って おり
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄だ けの 問題 では ない が︑ この よう な同 話間 の異 同は
︑ど うい う意 味を もつ のか
︒こ の問 題に つい て︑ 廣田 氏は
﹁い うな らば 文献 間の
﹁同 話﹂ の存 在は
︑内 容に 対す る肯 定を 意味 する
︒す なわ ち︑ 説話 集の 編者 が感 銘と 賛意 をも って 受容 した こと の結 果で ある
︒︵ 中略
︶説 話集 の編 纂に おい て︑ 時代 の相 違や 共有 する 知識 の差 など 基盤 の相 違か ら︑ 改め て説 明を 要す るが ゆえ に異 同の 付加 され るこ とが あり うる
︒と とも に︑ ある 意図 をも って 強調 を加 えた り︑ 修正 を施 すこ とに よっ て異 同の 生じ るこ とも 考え られ る⑭
﹂と 論じ てお られ る︒
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九四
要す るに
︑同 話間 で表 現に 異同 が生 じた のは
︑編 著者 が改 める 必 要性 を感 じた 痕跡 だと 考え られ る︒ 廣田 氏の 論に 則っ て﹃ 今昔
﹄巻 三第 二二 話と
﹃宇 治拾 遺﹄ 第八 五話
︑﹃ 古本 説話 集﹄ 下巻 第五 六話 を比 較す ると
︑母 と子 の関 係に 寄り 添っ た描 き方 をし てい る﹃ 宇治 拾遺
﹄と
﹃古 本説 話集
﹄は
︑﹃ 今昔
﹄と は異 なる 意識 があ った
︒こ の意 識の 違い につ いて は稿 を改 めて 論じ たい
︒ 次に
︑御 女も 含む
︑﹁ 娘﹂
・﹁ 女むすめ
﹂の 用例 が見 える 説話 は⑴ 第一 四 話︑
⑵第 四一 話︑
⑶第 四七 話︑
⑷第 五〇 話︑
⑸第 一〇 八話
︑⑹ 第一 一二 話︑
⑺第 一一 三話
︑⑻ 第一 一九 話︑
⑼第 一六 七話
︑⑽ 第一 八六 話︑
⑾第 一九 四話 の計 一一 話で ある
︒第 四七 話﹁ 長門 前司 女︑ 葬送 時︑ 帰㆓
本処
㆒事
﹂︑ 第一 一二 話﹁ 大安 寺別 当娘 ニ嫁 スル 男夢 見事
﹂︑ 第一 六七 話﹁ 或唐 人︑ 女ノ 羊ニ 生タ ル不
㆑知
シテ 殺事
﹂は 表題 に
﹁娘
・女むすめ
﹂の 語彙 が含 まれ てお り︑ 特に 第四 七話
︑第 一六 七話 は娘 にま つわ る怪 異譚 のよ うな 雰囲 気を 交え つつ 語ら れる 説話 であ る︒ 以上 のよ うに
︑女
︑妻
︑母
︑娘 の意 味を もつ 語彙 の用 例を 調査 し た結 果︑
﹃宇 治拾 遺﹄ 全体 を通 して 多く の用 例が 様々 な説 話に 見ら れ︑ 重複 する 説話 も多 いこ とが わか る︒ また
︑主 要人 物か ら通 りす がり の名 もな き者 まで
︑物 語に おけ る比 重の 置き 方も 多彩 であ る︒ 次に
︑こ こに 挙げ た説 話の 中か ら︑ いく つか の説 話を 取り 上げ 考察 を行 う︒
第二 章. 様々 な女 性の 描か れ方 一. 待ち 続け る娘 第八 話﹁ 易ノ 占シ テ金 取出 事﹂ は﹁ 大き やか なる 家の
︑あ ばれ た るが あり ける
﹂に 住む
﹁女 一人
﹂と
﹁旅 人﹂ の会 話で 展開 され る︒ 旅人 が宿 を探 して いる と︑ 荒れ 果て た大 きな 家が あっ たの で︑ そ こに 一晩 泊っ た︒ 夜明 けに なり
︑食 事を して 出て 行こ うと する と︑ この 家の 女が 出て きて
﹁私 の金 千両 を貸 して いる
︒返 して ほし い﹂ と引 き止 める ので あっ た︒ その 女は
︑親 が亡 くな った とき に︑ 十年 後に 易の 占い をす る男 が来 て泊 まる こと にな るが
︑そ の男 に金 千両 を貸 して ある ので
︑そ の金 を返 して もら うよ うに 言わ れた のだ った
︒ その ため
︑女 は今 日と いう 日を 待っ たの であ る︒ 本説 話は 時代
・場 所・ 人名 など が具 体的 に示 され ず︑ 冒頭 の唐 突 さも 含め て異 色あ る一 編⑮
だと 評価 され る︒
﹁易 の占 の上 手に て︑ 此女 のあ りさ まを 勘へ ける に﹂ 親は
︑女 に
﹁世 中に ある べき 程の 物な ど﹂ を与 え︑
﹁今 なん 十年 あり て︑ その 月 にこ ゝに 旅人 来て やど らん とす
﹂と 予言 して 亡く なる
︒娘 の運 勢を 占っ てみ ると いう こと から
︑親 の子 への 関心
︑憂 慮の 念が 垣間 見え る︒ また
︑親 の未 来予 知を 受け た女 が苦 しい 生活 を耐 え続 け︑
﹁易 の占 する 男﹂
︑す なわ ち旅 人を 待ち 受け た経 緯が
︑決 して 長く ない
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九五
説話 の中 で繰 り返 し説 明さ れる
︒こ のよ うな 繰り 返し から
︑小 林氏
︑ 増古 氏の
﹁易 の占 いの 未来 予知 力の 確か さを 語る のが 本話 のね らい だが
︑運 命の 不思 議を 信じ て待 つこ との 大切 さを も語 って いる⑯
﹂と 評価 する
︒す なわ ち︑
﹃宇 治拾 遺﹄ の編 著者 の興 味は
︑人 名や 地名 には あま りな く︑ 根気 よく 待て ば︑ いず れ報 われ ると いう こと を証 明す る女 にあ ると 言え よう
︒ 同じ く第 一〇 八話
﹁越 前敦 賀女 観音 助給 事﹂ にも
︑待 てば 甘露 の 日和 あり と言 える よう な女 の物 語が 描か れる
︒ 越前 国は 敦賀 とい う所 の夫 婦に 一人 の﹁ 女むすめ
﹂が いた
︒父 も母 も 亡く なり
︑零 丁孤 苦の 女は
﹁観 音に 向奉 て︑ 泣く 〳〵 申ゐ たる 程 に﹂
︑夢 に﹁ いみ じう いと をし けれ ば︑ 男合 わせ んと 思ひ て﹂ と啓 示を 受け る︒ 本説 話は
﹃今 昔﹄ 巻一 六第 七話 と同 文的 同話 とさ れて いる が︑
﹃宇 治拾 遺﹄ は﹃ 今昔
﹄に は見 当た らな い︑ 女に 関す る描 写が 詳細 に記 され てい る︒ 具体 的に は︑
﹁莚
︑畳 をと らせ ばや と思 へど も︑ 恥づ かし と思 てゐ たる に﹂ とい う記 述に より
︑女 の宿 を訪 れた 人々 へ出 すた めの 莚・ 畳の 用意 がな いこ とを 恥ず かし く思 う心 境が 記さ れて おり
︑女 のと ころ に観 音の 現身
︵下 女︶ が現 れる と︑ 女は
﹁い とを しか りつ る事 を︑ 思ひ かけ ぬ人 の来 て︑ たの もし げに いひ て往 ぬる は﹂ と︑ 予期 せず 訪れ た下 女が いな けれ ばは みじ めな 状態 で︑
恥を さら しそ うで あっ た心 境を 語る
︒同 話の
﹃今 昔﹄ 巻一 六第 七話 は︑ 女の 依存 心が 強く
︑従 順な 態度 が第 一〇 八話 ほど 詳細 には 描か れて いな い⑰
︒﹃ 今昔
﹄に 比べ
︑本 説話 は観 音の 霊験
・利 生を 語る だ けで なく
︑生 活困 窮者 の女 が観 音菩 薩に ひた すら 懇願 し︑ 夢告 げを 信じ て男 を待 つ姿
︑依 存的 であ りな がら 思い やり のあ る姿 など に興 味を もっ て描 かれ てい る︒ 第一
〇八 話の 女は
︑親 の予 言通 り旅 人の 訪れ を待 ち続 ける 第八 話 の女 の姿 と重 なる
︒ 二. 生女 房と よし なき 妻 第七 六話 には
︑若 い僧 が書 いた いい かげ んな 仮名 暦を
︑風 変わ り な暦 だと 思い なが らも 然る べき 理由 があ るだ ろう と信 じ︑ 暦に 従う
﹁な ま女 房﹂ の説 話が 載っ てい る︒ この 女房 は︑ 暦に 書い てあ ると おり
︑用 を足 すこ とを 数日 我慢 し︑ 説話 の最 後は
﹁物 もお ぼえ ずし てあ りけ ると か﹂ と締 め括 られ る︒
﹁な ま女 房﹂ は諸 注釈 書の 解釈 から 若い 新参 の女 房で あり
︑な ま女 房の
﹁生
﹂は 世慣 れぬ
︑未 熟の 意⑱
と理 解で きる
︒末 尾の
﹁物 もお ぼえ ずし てあ りけ ると か﹂ は︑ 失 禁か 失神 か︑ 様々 な見 解が ある が⑲
︑い ずれ にせ よ大 変な こと にな っ たと いう こと であ る︒ 中島 悦次 氏は 本説 話を
﹁所 謂迷 信に 凝っ た悲 喜劇⑳
﹂だ と評 価し て
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九六
おら れる
︒ま た︑ 諸注 釈書 にお いて 本説 話は
﹁純 真と いえ ば純 真︑ 愚か とい えば 全く 愚か な女 房の
︑断 食な らぬ 断糞 の行 にふ りま わさ れる 悲劇
︒そ れに して も罪 作り な坊 主で あり
︑ま た俗 信の 根強 さが うか がわ れる㉑
﹂︑
﹁ま じめ に受 け入 れよ うと した 敬虔 なる 若い 女を 揶 揄す ると 同時 に︑ その 暦を 書き 与え た僧 侶の でた らめ ぶり への 批判 も込 めら れて いる 風刺 譚㉒
﹂だ と評 価さ れて 来た
︒し かし
︑こ の﹁ な ま女 房﹂ を全 く愚 かだ と評 価で きる のだ ろう か︒ また
︑本 説話 は︑ この 女房 を揶 揄し てい るの だろ うか
︒ 廣田 氏は 本説 話に 関す る論 考で
﹁古 代以 来の 生活 規範 に縛 られ て 生き るこ とに 対す る揶 揄が 込め られ てい る㉓
﹂と
︑先 学と 違う 視点 か ら︑ 揶揄 され る対 象は
﹁古 代以 来の 生活 規範 に縛 られ て生 きる こ と﹂ と論 じて おら れる
︒ すな わち
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄は
︑何 かに 囚わ れる こと
︑そ のよ うな 通 念に 対す る皮 肉を 本説 話で 伝え たか った とい うこ とで ある
︒﹁ 物も おぼ えず して あり ける
﹂の は生 半可 な女 房の 問題 では ない
︑む しろ 女房 に対 する 哀れ みを 感じ る説 話で はな いだ ろう か︒ 生半 可な 解釈 がも とで
︑失 脚に 至る 場合 もあ る︒ 第四 話﹁ 伴大 納言 事﹂ では
︑佐 渡国 郡司 の従 者を して いた 伴善 男 とい う大 納言 が︑ 夢に
﹁西 大寺 と東 大寺 とを また げて 立た り﹂ と見 て︑ 妻に 語る
︒妻 は﹁ そこ のま たこ そ︑ 裂か れん ずら め﹂ と︑ 夢を
合わ せる
︒後 に郡 司が
﹁よ しな き人 に語 りて けり
︒か なら ず︑ 大位 には いた ると も︑ 事い で来 て︑ 罪を かぶ らん ぞ﹂ と言 う︒ その 後︑ 善男 は上 京し 大納 言の 地位 に昇 るが
︑応 天門 の放 火事 件に よっ て失 脚す る︒ 第四 話で 妻は
﹁よ しな き人
﹂と して 登場 する ので ある
︒ 奈良 の西 大寺 と東 大寺 を跨 ぐ︑ 内裏 を抱 いて 立つ とは
︑い うま で もな く︑ 最高 権力 者に なる こと を暗 示し てい た㉔
︒善 男の 夢は
︑天 皇 や宮 庭を 我が 物と する とい う意 味を もっ てい た︒ 聡明 な女 性で はな かっ た妻 は︑ 善男 が見 た夢 の象 徴的 な意 味に 気付 かず
︑浅 はか な夢 合わ せを した
︒ 柳田 國男 氏に よる と︑
﹁か つて 一家 のう ちで 夢を 談る 役に は主 婦 以上 の適 任者 は無 かっ た㉕
﹂ら しく
︑佐 々木 孝二 氏は
﹁善 男が 妻に 夢 を語 った こと は必 ずし も軽 率な 行為 とは いわ れな い㉖
﹂と 述べ てお ら れる
︒善 男が 夢か ら覚 め︑ 第一 に夢 を語 った 相手 が妻 だっ たの はご く自 然な こと であ った だろ う︒ 本説 話に おけ る﹁ よし なき 人﹂ は︑ 諸注 釈書 でつ まら ない 人㉗
︑具 合の 悪い 人㉘
と訳 され てい るが
︑筆 者は
︑妻 が高 貴な 吉夢 や夢 合わ せ とは
﹁縁 のな い人
﹂と いう 意味 では ない かと 推測 する
︒ 第四 話の
﹁よ しな き人
﹂で ある 妻や
︑第 七六 話の
﹁な ま女 房﹂ は︑ 生半 可な 知識 をも って いる がゆ えに
︑説 話の 面白 さを 成り 立た せる
︒
﹃宇 治拾 遺﹄ だけ でな く︑ 多く の説 話で 妻は
︑中 心人 物の とな り
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九七
で話 題の 深刻 さや 重大 さ︑ 或い は面 白さ を強 調さ せる 引き 立て 役と して 登場 する 傾向 があ る︒ その ため
︑あ まり 尊敬 され るよ うな 描写 はさ れな いの が実 情で あろ う︒ 三. 敬わ れる 母と 強か な老 女 では
︑子 を産 み︑ 育て て︑ 一人 前の 母に なる と︑ 説話 でど のよ う に描 写さ れる のだ ろう
︒ 第一 九話
﹁清 徳聖
︑奇 特事
﹂は
︑冒 頭に 伝未 詳の 遁世 者の 亡く な った 母の 追善
・転 生の 孝養 話が 語ら れる
︒ 清徳 聖と いう 聖が
︑亡 くな った 母を 棺に 入れ
︑愛 宕山 に運 び︑ 母 のた めに 声を とぎ らせ るこ とも なく 千手 陀羅 尼を 唱え た︒ この 棺の まわ りを めぐ り続 けて 三年 が経 ち︑ 母の 声が 聞こ え︑ 仏に なっ たと 告げ られ る︒ 母が 成仏 し︑ 葬送 して 京へ 向か う途 中︑ 疲れ て食 べ物 がと ても 欲し かっ た聖 は他 人の 畑の 水葱 を食 べ︑ 三町 斗食 べ続 け︑ 白米 も一 石完 食す る健 啖ぶ りを 見せ る︒ こう して
︑本 説話 は清 徳聖 の大 食い 話か ら︑ その 原因 を見 抜く 師輔 の霊 眼力 の話 へと 展開 し︑ 錦小 路の 地名 起源 話と して 結ば れる
︒愛 宕山 は地 蔵菩 薩と 竜樹 の久 住の 地で あり
︑天 狗の 住み かと も伝 えら れる 神秘 の霊 場㉙
と言 われ
︑
﹃源 氏物 語﹄ 東屋 の巻 に﹁ 愛宕 の聖
﹂の 記事㉚
があ るな ど︑ ここ で長 年住 み︑ 行を 積ん だ高 僧の 事跡 は諸 書に 見え る︒
勝浦 令子 氏は
︑女 性が 成仏 する ため に男 子に 生ま れ変 わる 必要 が ある こと につ いて
﹁平 安中 期以 降︑ 経典 にみ える 仏教 女性 観を 前提 とし
︑女 性は 罪深 く穢 れた 五障 の身 であ ると 否定 的に とら え︑
﹁変 成男 子﹂ しな けれ ば成 仏で きな いと いう 教義 に基 づく 女人 往生 論や 女人 成仏 論が 論じ られ るよ うに なっ てい た㉛
﹂と 述べ る︒ 本説 話の 本文 には
︑﹁ 此陀 羅尼 を︑ かく 夜昼 誦給 へば
︑我 はは や く男 子と なり て︑ 天に 生れ にし かど も︑ おな じく は仏 にな りて
︑告 申さ んと て︑ 今ま では 告げ 申さ ざり つる ぞ︒ 今は 仏に なり て︑ 告申 也﹂ と︑ 清徳 聖の 母の 変成 男子 が成 就し
︑人 間界 の上
︑六 道の 一つ であ る天 上界 で修 行を 続け
︑仏 界に 往生 を遂 げた こと を知 らせ る︒ 清徳 聖は 母の ため にそ の手 助け をし た㉜
と言 える
︒清 徳聖 は亡 くな っ た母 のた めに 三年 間飲 まず
︑食 わず
︑寝 るこ とも せず
︑声 をと ぎら せる こと もな く千 手陀 羅尼 を唱 え母 を弔 い︑ 母が 成仏 した こと を確 認し てか ら︑ よう やく 愛宕 山か ら下 りて 来た
︒そ の反 動に よる 清徳 聖の 大食 いは
︑亡 母が きっ かけ とな る︒ 説話 の流 れが 大き く変 わる 重要 な転 機と して
︑母 の変 成男 子と 成仏 が設 定さ れて いる ので ある
︒ 説話 展開 にお いて
︑母 がき っか けと なる 説話 は︑ 畜生 転生 の夢 告 話︑ 第一 六七 話﹁ 或唐 人︑ 女ノ 羊ニ 生タ ル不
㆑知 シテ 殺事
﹂が ある
︒ 第一 六七 話は
︑亡 くな った 娘が 母の 夢に 現わ れ︑
﹁明 日︑ まさ に 首白 き羊 にな りて
︑殺 され んと す︒ 願は くは
︑我 命を 許し 給へ
﹂と
︑
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九八
生前 の罪 の報 いを 受け るた めに 羊の 身体 に転 生し
︑明 日に は殺 され ると いう
︒し かし
︑国 守で ある 父は
︑妻 が引 き止 めて も聞 かず
︑羊 を調 理さ せる とい う悲 惨な 結果 とな る︒ 勝浦 氏に よる と︑
﹁中 世に は︑ 妻が 夫方 親族 と同 居し てい く父 系 直系 家族 を基 礎単 位と する 婚姻 形態 が多 くな って いっ た︒ この よう な婚 姻関 係に おい て︑ 夫と 妻の 家族 意識 は︑ 妻と 未婚 の子 供の 所に 夫が 通っ てく ると いう 結合 を反 映し
︑常 に母 と子 の絆 は強 かっ た︒ しか し夫 と妻 が必 ずし も強 い家 族意 識を もっ て結 びつ いて いな かっ たと 考え られ る㉝
﹂と いう
︒亡 くな った 娘が 父で はな く母 の夢 に出 て くる のは
︑こ のよ うな 中世 時代 の婚 姻形 態が 結び つい てい る︒ 子の 母に 対す る信 頼性 から
︑辛 い状 況か ら救 済し てほ しい こと を母 に訴 えた かっ たと いう こと が分 かる
︒ 本説 話に つい て︑ 小林 氏︑ 増古 氏は
﹁羊 の姿 や鳴 き声 が︑ 母親 や 客人 たち には 娘の もの と見 え︑ 聞え たの に︑ 父親 には それ が分 らな かっ たと いう 設定 は類 型的 だが
︑母 親へ の夢 告に もか かわ らず
︑父 親の 命令 によ って 殺さ れて しま うと いう 行き 違い の悲 劇的 構成
︵中 略︶ まっ たく 誰も が事 情を 知ら ない まま に進 行し た悲 劇的 結末 では なく
︑そ れを 食い 止め られ るき っか けが 与え られ てい たに もか かわ らず
︑そ うは でき なか った とい う展 開が
︑読 者の 心に いつ まで も悔 しさ を残 す㉞
﹂と 詳細 に解 説し てい る︒ 重要 なの は︑ 悲劇 的結 末を 食
い止 めら れる きっ かけ は母 だっ たこ とで ある
︒ この よう に子 に信 頼さ れ︑ 強い 絆で 結ば れて いた 女性 は︑ 年を 取 ると 孤独 な存 在と して 描か れる
︒ 老女 が中 心人 物と して 登場 する 説話 は第 三〇 話と
︑第 四八 話で あ る︒ 第三
〇話
﹁唐 卒都 婆ニ 血付 事﹂ の﹁ 年八 十ば かり なる 女﹂ は︑
﹁此 卒都 婆に 血の つか ん折 にな ん︑ 此山 は崩 れて
︑深 き海 とな るべ き﹂ とい う先 祖の 予言 を信 じ︑ 険し く急 で遠 い道 のり を雨 が降 り︑ 雪が 降り
︑風 が吹 き︑ 雷が 鳴り
︑凍 りつ く季 節に も︑ また 暑く 苦し い夏 にも 一日 も欠 かさ ず頂 上ま で必 ず登 って 卒都 婆を 確認 する
︒そ の原 動力 は︑ 親に 対す る信 頼に ある
︒老 女の 親は 一二
〇歳 で亡 くな り︑ さら に祖 父は 一三
〇歳 くら い︑ また その 父や 祖父 など は二
〇〇 歳く らい まで 生き たと いう
︒何 百年 も前 から 言い 継が れて きた こと を︑ 老女 は父 から 聞き
︑信 じて 疑わ ない
︒ 山で 涼ん でい た﹁ 男ど も﹂ は︑ そん な老 女を
﹁あ やし がり て﹂
︑ 嘲笑 い︑ 卒都 婆に わざ と血 を付 け︑ 予言 通り
︑山 が崩 れ︑ 深い 海と なり
︑老 女と その 家族 以外 は皆 死ぬ
︒老 女と 若者 との やり 取り から
︑ 生真 面目 で︑ 愚鈍 で︑ 奇妙 な印 象が 際立 つが
︑最 後に 助か る老 女に 対し
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄は 冷笑 する 態度 は見 せな い︒ 信じ る老 女と
︑信 じな い男 ども は︑ 対立 的な 構造 を見 せる が︑ そ
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
九九
の一 方︑ 本説 話は 教訓 的批 評の 形は 取ら ない㉟
︒﹃ 宇治 拾遺
﹄は
︑先 祖を 重ん じ配 慮す る死 者観 念㊱
と︑ どん な悪 天候
︑揶 揄に もめ げず 毎 日卒 都婆 を確 認す る老 女の 精神 力︑ 信じ る力 を称 える
︒ 同じ く老 女が 中心 人物 とな る第 四八 話﹁ 雀報 恩事
﹂で は︑
﹁六 十 ばか りの 女﹂ が︑ 腰の 骨が 折れ た雀 を治 療し
︑雀 から もら った 瓢の 種か ら実 が成 ると
︑中 から 白米 や金 銀財 宝が 出て きて 裕福 にな る︒ これ を見 た﹁ 隣に あり ける 女﹂ は雀 を数 羽捕 まえ てわ ざと 腰を 折る が︑ 雀が くれ た瓢 から 蛇や 蜂が 出て
︑刺 され て死 んで しま った
︒ 佐生 久美 子氏 は︑ 第四 八話 の中 に垣 間見 える 老女 の生 き方
︑ま た 家族 とは
︑老 者と は何 か︑ とい った こと に注 目さ れた 論考 で︑ 第四 八話 の﹁ 一緒 に住 んで いる のに もか かわ らず
︑家 族と のあ たた かい 繋が りの ない 孤独 な老 女㊲
﹂は 律令 体制 とい う﹁ 弱者 に厳 しい 社会 体 制㊳
﹂に 基く 存在 であ ると 論じ られ た︒ さら に︑ 廣田 氏は
﹁そ のよ うな 媼と 子や 孫と の関 係は 都市 的な 家 族関 係と みる こと がで きよ う㊴
﹂と いう 見解 を述 べて おら れる
︒
﹃宇 治拾 遺﹄ の編 者は
︑こ のよ うな 都市 的な 家族 関係 を描 くこ と で︑ 何を 伝え たか った のか
︒第 四八 話に つい て︑ 小林 智昭 氏が
﹁典 型的 な悪 因悪 果の 応報 譚㊵
﹂で ある と評 価し てお られ るよ うに
︑本 説 話は 腰折 雀や 舌切 雀な どの 昔話 で広 く知 られ るも ので
︑因 果応 報を 説く 説話 と読 まれ てき た︒ しか し︑ 三木 氏︑ 浅見 氏は 校注 に﹁ 一対
の主 人公 の幸 不幸 を語 るが
︑二 人の 人柄 には 善悪 とい った 対照 性ら しき もの はな く︑ 従っ て︑ 昔話 の舌 切雀
︵ま たは 腰折 雀︶ のよ うな 勧善 懲悪 譚的 色彩 は希 薄で ある
︒む しろ
︑一 見さ りげ なく 素朴 なよ そお いの 中︑ 二人 の老 女の 孤独 と心 情の ゆれ
︑幸 不幸 とい うも のの 条理 と不 条理 など を独 特な 人性 批評 にも とづ いて 描く もの かと 思わ れる㊶
﹂と 解い てお られ る︒ さら に︑ 小峯 氏は
﹁こ の話 で注 目す べき は︑ 老婆 と子
︑孫 との 関係 であ り︑ それ を軸 に事 件が 展開 して いく こと㊷
﹂だ と強 調し てお られ る︒ 本説 話に 登場 する
﹁六 十ば かり の女
﹂は
︑怪 我を した 雀を 介抱 す ると き︑ 子供 や孫 に﹁ あは れ︑ なん でふ 雀飼 はる る﹂ と︑ なん でま た雀 なん か飼 われ るの か︒ 飼っ ても 何の 役に も立 たな い︑ むだ なも のを
︑と いう 皮肉 を言 われ㊸
︑雀 が飛 んで 行き
︑や るこ とが なさ そう に見 える と家 族に 笑わ れる
︒ 隣に 住む 老女 は︑ 隣家 が裕 福に なっ たの を見 た子 供に
﹁お なじ 事 なれ ど︑ 人は かく こそ あれ
︒は かぐ しき 事も
︑え しい で給 はぬ
﹂と 皮肉 を言 われ る︒ 小林 智昭 氏は
︑こ の子 供の 言葉 に﹁ 子や 孫に 笑わ れな がら もす ずめ を飼 った 老女 にし ろ︑ この 隣の 女に しろ
︑老 人の 置か れた 位置 がよ くあ らわ され てい る㊹
﹂と 指摘 して おら れる
︒隣 の 老女 が雀 を何 羽も 捕ま えて は﹁ 一が 徳を だに こそ みれ
︵中 略︶ あの 隣の 女に はま さり て︑ 子ど もに ほめ られ ん﹂ とい う言 葉か ら︑ 諸注
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
一〇
〇
釈書 によ り﹁ 失敗 はで きな い面 子︵ メン ツ︶ があ った㊺
﹂老 女の 立場 や︑
﹁あ の隣 の女 以上 に︑ 子供 たち にほ めら れる だろ う︒ この 女の 行動 の動 機を 示す 部分 の一㊻
﹂で ある こと
︑﹁ 第一 段階
︵雀 を捕 まえ て腰 の骨 を折 る︶ がう まく いっ たこ とか ら老 女は 自信 を強 め︑ 強欲 にな る㊼
﹂な どが 見受 けら れる と理 解で きる
︒ また
︑雀 が落 とし て行 った 瓢の 種か ら︑ あま り大 きく ない 実が 七 つ︑ 八つ なる と︑ 老女 が﹁
﹁は かぐ しき 事︑ しい でず
﹂と いひ しか ど︑ 我は この 隣の 女に まさ りな ん﹂ と︑ 隣の 老女 と比 較し なが ら︑ 偉い でし ょう と︑ 笑顔 にな って 子供 に言 うと
︑家 族は
﹁げ にさ もあ らな ん﹂ と︑ まだ 確信 を持 てな いが
︑ぜ ひそ うあ って ほし いと 思う だけ で︑ 冴え ない 言葉 が返 って くる
︒子 供は さら に﹁ とな りの 女房 は︑ 里隣 の人 にも くは せ︑ われ もく ひな どこ そせ しか
︒こ れは まし て三 が種 なり
︒わ れも
︑人 にも
︑く はせ らる べき なり
﹂と
︑自 分も 食い
︑他 人に も食 わせ られ たら いい㊽
と言 われ
︑老 女は すぐ 納得 する
︒ 第四 八話 に登 場す る二 人の 老女 の言 動に つい て︑ 佐生 氏が
﹁深 読 みか もし れな い﹂ と述 べな がら
︑﹁ 年老 いて 家族 のだ れか らも 必要 とさ れな くな った 身で ある こと を認 めつ つも
︵中 略︶ 我が 子の ため に何 とか 役に 立ち たい
︑と いう 母の 心が 少な から ずあ った ので はな いか㊾
﹂と 解釈 して おら れよ うに
︑先 に雀 の報 恩を 受け た隣 家の 老女 を見 て︑ 雀を 虐待 し︑ 無理 矢理 報恩 を受 けよ うと した 老女 の行 動に
は︑ 動物 に対 する 愛情 は欠 いて いる が︑ 家族 に認 めら れた いと いう 承認 欲求 や︑ たら ふく 食べ させ たい とい う母 性が 垣間 見え る︒ 家族 に冷 遇さ れて もめ げな い強 い心 や︑ 聞い た通 りに すれ ば願 って いた こと が叶 うと 信じ てや まな い老 女は
︑第 三〇 話の 老女 と相 通じ るも のが ある
︒第 三〇 話に おい ても
︑毎 日山 に登 り卒 都婆 を確 認す るの は老 女一 人だ った
︒卒 都婆 に血 がつ いて いる のを 確認 した のも
︑里 の人 々に すぐ 逃げ るよ う触 れ回 った のも
︑子 や孫 を引 き連 れて 避難 した のも 老女 だっ た︒ 老女 はた だ自 分の 身だ けの ため に言 い伝 えを 重ん じた ので はな い︒ 第四 八話 は︑ 類話 の昔 話や 伝承 が﹁ 隣の 爺﹂ 型の 話と して 分類 さ れる ため
︑本 説話 も対 立的 構造 とし て読 まれ るこ とが 多い
︒し かし
︑ 隣人 との 関係 性よ り︑ 二人 の老 女の 家族 間の 関係 性と
︑老 女の 精神 的な 強か さを 描く とこ ろに 特徴 があ ると も読 める ので はな いだ ろう か︒
まと めに かえ て 以上
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄の 中に 描か れた 女性 を巡 って
︑説 話の 諸様 相 を検 討し た︒ まず
︑先 学の 研究 を踏 まえ
︑﹃ 宇治 拾遺
﹄の 女性 が登 場す る説 話を 検討 する ため
︑女 性に 関係 する 意味 をも つ用 例の 調査 を行 った
︒そ の結 果︑ やは り﹁ 女﹂ の用 例が 見え る説 話が 多い こと
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
一〇 一
が分 かる が︑ 同じ
﹁女
﹂と いう 用例 であ って も︑ 彼女 たち には 勿論 共通 点も あり なが ら︑ ただ の﹁ 女﹂ に一 括り には でき ない くら い多 彩で
︑個 性的 な事 例を 見る こと が出 来た
︒ 次に
︑女 性が 登場 する 説話 の中 から
︑い くつ かの 説話 を取 り上 げ 各説 話に おけ る様 々な 女性 の描 かれ 方を 検討 した
︒説 話の 展開 にお いて 転機 とな る︑ 主要 な脇 役と して 登場 する 第四 話の 妻の 頼り なさ や︑ 第七 六話
︑第 一〇 八話 など に見 える
︑夢 や迷 信を 信じ
︑目 に見 えな い未 来の ため に︑ あり のま ま従 うと いう 姿勢 や︑ 第三
〇話
︑第 四八 話の 老女 の人 生に 対し て︑
﹃宇 治拾 遺﹄ は責 めた り︑ 冷笑 した り︑ 蔑ん だり しな い︒ 特に
︑訪 れる 人を 待ち 続け る娘 や︑ 目の 前の 規範 に従 う生 女房
︑毎 日卒 都婆 を確 認す る老 女は
︑い ずれ も信 じる 気持 ちに よる もの で︑ その 気持 ちは 宗教 的な 信仰 とは 異な る︒
﹃宇 治拾 遺﹄ の編 著者 は︑ その よう な女 性の 純粋 さを 理解 して いた ので はな いだ ろう か︒ 今回 取り 上げ た説 話の 中に は︑ 同文 的同 話・ 類話 の存 在が 指摘 さ れる もの が多 数あ った が︑ 紙面 の都 合上
︑詳 細な 考察 がで きな かっ たの で︑ 稿を 改め て論 じた い︒ 注
① 三木 澄人 氏は
﹁無 名人 への 眼
︱
﹁女 二人
﹂の 物語
﹂︵
﹃国 文学 解釈
と教 材の 研究
﹄第 二九 巻第 九号
︑学 灯社
︑一 九八 四年
︶で
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ 固有 の話 に無 名人 を主 人公 とす るも のが 目立 ち︑ 彼ら の映 像は
︑人 間一 般︑ とい うよ りわ れわ れ自 身の 姿を やど しつ つ︑ 後々 まで 長く 消え ない 印象 を残 す﹂ とさ れ︑ 第四 七話
︑四 八話 を取 り上 げ﹃ 宇治 拾遺 物 語﹄ の特 徴的 な一 面の 確認 を試 みた
︒
② 三木 紀人
・浅 見和 彦校 注﹃ 新日 本古 典文 学大 系 宇治 拾遺 物語
﹄岩 波 書店
︑一 九九
〇年
︒
③
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ の女 性が 登場 する 説話 に関 して の先 行研 究に 平城 隆 雄氏
︵﹁ 説話 文学 のお もし ろさ
﹃
︱
宇治 拾遺 物語
﹄に 登場 する 女性 達﹂
﹃九 州大 谷情 報文 化﹄ 第三
〇巻
︑二
〇〇 四年
︶︑ 畠山 千春 氏︵
﹁﹃ 宇治 拾遺 物語
﹄中 の貧 女の 説話
﹂﹃ 二松
﹄第 三〇 巻︑ 二松 學舍 大学 大学 院文 学研 究科
︑二
〇一 六年
︶︑ 出口 佳奈 氏︵
﹁説 話文 学に おけ る女 性﹂
﹃尾 道大 学 日本 文学 論叢
﹄第 二号
︑尾 道大 学日 本文 学会
︑二
〇〇 六年
︶な どの 論考 があ る︒
④ 調査 にあ たっ て﹃ 宇治 拾遺 物語 総索 引﹄
︵増 田繁 夫・ 長野 照子 編集
︑ 清文 堂出 版︑ 一九 七五 年︶ を参 考し た︒
⑤ 出口 佳奈
﹁説 話文 学に おけ る女 性﹂
﹃尾 道大 学日 本文 学論 叢﹄ 第二 号︑ 尾道 大学 日本 文学 会︑ 二〇
〇六 年︑ 七九 頁︒
⑥ 佐藤 謙三 編﹃ 鑑賞 日本 古典 文学
宇治 拾遺 物語
﹄角 川書 店︑ 一九 七六 年︑ 二八 二~ 二八 三頁
︒
⑦ 拙稿
﹁﹃ 宇治 拾遺 物語
﹄第 五七 話﹁ 石橋 下蛇 事﹂ 考: 造ら れた 孤立 説 話﹂
﹃文 化学 年報
﹄第 六五 輯︑ 同志 社大 学文 化学 会︑ 二〇 一六 年︒
⑧ 中田 祝夫 校注
﹃新 編日 本古 典文 学全 集 日本 霊異 記﹄ 小学 館︑ 一九 九 五年
︑二
〇〇
~二
〇一 頁︒
⑨ 小林 保治
・増 古和 子校 注﹃ 新編 日本 古典 文学 全集
宇治 拾遺 物語
﹄小 学館
︑一 九九 六年
︑二
〇〇
~二
〇一 頁︒
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
一〇 二
⑩ 前掲
︵注
⑨︶
︑一 四三 頁︒
⑪ 前掲
︵注
⑨︶
︑三
〇二 頁︒
⑫ 前掲
︵注
②︶
︑一 五八 頁︒
⑬ 黒板 勝美 編﹃ 國史 大系 第一 六巻 今昔 物語 集﹄
︿天 竺・ 震旦
﹀吉 川弘 文館
︑一 九九 八年
︑一 五〇 頁︒
⑭ 廣田 收﹃
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ の表 現﹄
︑同 志社 大学 学位 論文
︑一 三~ 一四 頁︒
⑮ 前掲
︵注
②︶
︑二
〇頁
︒
⑯ 前掲
︵注
⑨︶
︑四 一頁
︒
⑰ 拙稿
﹁﹃ 宇治 拾遺 物語
﹄巻 F第 G話 考
︱
﹃今 昔物 語集
﹄﹃ 古本 説話 集﹄ との 比較 分析 を中 心に
﹂
︱
﹃日 本文 化研 究﹄ 第六 三輯
︑東 アジ ア 日本 学会
︑二
〇一 七年
︑三 一四
~三 一六 頁︒
⑱ 大島 建彦 校注
﹃新 潮日 本古 典集 成 宇治 拾遺 物語
﹄新 潮社
︑一 九九 五 年︑ 三〇 頁︒
⑲ 廣田 氏は この 解釈 をめ ぐる 見解 の相 違に つい て︑
﹁そ もそ も﹃ 宇治 拾 遺物 語﹄ は説 話と 呼ぶ にし ては
︑平 安期 の伝 統的 な物 語の 語法 や表 現を 引き 継い でい る﹂ とさ れ︑ 粗相 を表 すと いう のは
﹁い ささ か品 位に かけ てい る﹂ と指 摘し てお られ る︵
﹁﹃ 宇治 拾遺 物語
﹄第 七六 話﹁ 仮名 暦誂 タ ル事
﹂考
﹂﹃ 同志 社国 文学
﹄第 六一 号︑ 同志 社大 学国 文学 会︑ 二〇
〇四 年︑ 一四 六頁
︶︒
⑳ 中島 悦次
﹃宇 治拾 遺物 語全 註解
﹄有 精堂 出版
︑一 九七
〇年
︑二 三七 頁︒
㉑ 小林 智昭 校注
﹃日 本古 典文 学全 集 宇治 拾遺 物語
﹄小 学館
︑一 九七 三 年︑ 二〇 七頁
︒
㉒ 前掲
︵注
⑨︶
︑一 八二
~一 八三 頁︒
㉓ 廣田 收﹁
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ 第七 六話
﹁仮 名暦 誂タ ル事
﹂考
﹂﹃ 同志 社国 文学
﹄第 六一 号︑ 同志 社大 学国 文学 会︑ 二〇
〇四 年︑ 一五 一頁
︒
㉔ 樋口 清之
﹁日 本人 の眠 りと 夢﹂
﹃日 本人 の歴 史 夢と 日本 人﹄ 第一
〇 巻︑ 講談 社︑ 一九 八二 年︑ 四三 頁︒
㉕ 柳田 國男
﹁夢 と文 芸﹂
﹃柳 田國 男全 集﹄ 第九 巻︑ 筑摩 書房
︑一 九九 八 年︑ 一三 二頁
︒
㉖ 佐々 木孝 二﹁ 中世 説話 の構 造に おけ る夢 の役 割と 東北 にお ける 展開
﹂
﹃文 経論 叢﹄ 第二 五巻 三号
︑弘 前大 学︑ 一九 九〇 年︑ 九一 頁︒
㉗ 前掲
︵注
⑱︶
︑三
〇頁
︒
㉘ 前掲
︵注
⑨︶
︑三 三頁
︒
㉙ 前掲
︵注
⑨︶
︑六 七頁
︒
㉚ 阿部 秋生 他校 注﹃ 新編 日本 古典 文学 全集
源氏 物語
﹄第 六巻
︑小 学館
︑ 一九 九八 年︑ 八六 頁︒
㉛ 勝浦 令子
﹃古 代・ 中世 の女 性と 仏教
︵日 本史 リブ レッ ト︶
﹄山 川出 版 社︑ 二〇
〇三 年︑ 五二 頁︒
㉜ 前掲
︵注
②︶
︑四
〇頁
︒
㉝ 前掲
︵注
㉛︶
︑四 四頁
︒
㉞ 前掲
︵注
⑨︶
︑四 一一 頁︒
㉟ 老女 と男 ども の会 話か ら垣 間見 える 特徴
︑同 話の
﹃今 昔﹄ 巻一
〇第 三 六話 との 相違 につ いて は︑ 拙稿
﹁﹃ 宇治 拾遺 物語
﹄第 三〇 話﹁ 唐卒 都婆 ニ血 付事
﹂再 考: 比較 から 本説 話の 独自 性を 考え る﹂
︵﹃ 文化 学年 報﹄ 第 六四 輯︑ 同志 社大 学文 化学 会︑ 二〇 一五 年︶ で論 じて いる
︒
㊱ 前掲
︵注
㉟︶
︑二 七四 頁︒
㊲ 佐生 久美 子﹁
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ に見 る庶 民の 姿
︱
巻三 ノ十 六雀 報恩 事よ り﹁ 老い
﹂を 生き ると は⁝
⁝﹂
﹃二 松学 舎大 学人 文論 叢﹄ 第五 九号
︑ 二松 学舎 大学 人文 学会
︑一 九九 七年
︑五 二頁
︒
㊳ 前掲
︵注
㊲︶
︑五 八頁
︒
㊴ 前掲
︵注
⑭︶
︑一 二二 頁︒
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
一〇 三
㊵ 前掲
︵注
㉑︶
︑一 六四 頁︒
㊶ 前掲
︵注
②︶
︑一
〇二 頁︒
㊷ 小峯 和明
﹃宇 治拾 遺物 語の 表現 時空
﹄ま んぼ う社
︑一 九九 九年
︑二 一 七頁
︒
㊸ 前掲
︵注
⑨︶
︑一 三二 頁︒
㊹ 前掲
︵注
㉑︶
︑一 四三 頁︒
㊺ 前掲
︵注
⑨︶
︑一 三五 頁︒
㊻ 前掲
︵注
②︶
︑一
〇〇 頁︒
㊼ 前掲
︵注
⑨︶
︑一 三五 頁︒
㊽ 前掲
︵注
㉑︶
︑一 四五 頁︒
㊾ 前掲
︵注
㊲︶
︑六 三頁
︒
﹃宇 治拾 遺物 語﹄ にお ける 女性 の描 かれ 方
一〇 四