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報 告—
東京外国語大学総合文化研究所 総合文化研究 第 23 号(2019)
Tokyo University of Foreign Studies, Trans-Cultural Studies, Vol. 23 (2019)
界各地をまわり、講演や演奏活動を続けている。
本学の講演では、エスペラント語の創始者ラザーロ・ルドヴィゴ・ザメンホフ(一八五九―一九一七)と実践家アレクサンドル・ポストニコフ(一八八〇―一九二五)を紹介していただいた。周知のとおり、一八八七年にザメンホフが「エスペラント博士」というペンネームで冊子『国際語』を発表したことがエスペラント語の始まりとされている。彼は、異なる民族の人々の相互理解を促進するという目的を掲げ、民族や国家を超越した人間の平等を目指す理想主義を標榜した。一方、一九一〇年にワシントンで開かれた第六回世界エスペラント大会にロシア代表として出席するなどしてエスペラント語の普及に努めたのがポストニコフである。ブロンシュテイン氏は、あまり知られていなかったポストニコフの生涯を調べ、二〇〇四年に『ポストニコフ大尉の十日間』という小説を世に問うている。
講演の後、ブロンシュテイン氏は、自らギターを弾きながらエスペラント語の歌を披露してくださった。最後に会場からの質問を受けたが、中にはエスペラント語で質問する方もいて、活気のある対話が生まれた。
ブロンシュテイン氏は六―七ヵ国語が自由に操れるそうだが、
文化講演会(総合文化研究所主催「文化の多様性」プロジェクト) ザメンホフとポス トニコフ ︱ エスペラント語をめぐる理想と冒険
報告 沼野恭子
二〇一九年十月十五日(火)ロシア在住のエスペラント語話者ミカエロ・ブロンシュテイン氏を迎え、講演と弾き語りをしていただいた。
ブロンシュテイン氏は、一九四九年ウクライナに生まれたユダヤ人である。トゥーラ大学でジャーナリズム、トゥーラ理工科大学で電気工学を学んだ。電気技師の仕事をするかたわら、一九六二年よりエスペラント語を学び、エスペラント語講座、国際的な文化行事、演奏旅行などさまざまなエスペラント関連活動に従事してきた。長編小説四冊、短編アンソロジー二冊、詩集八冊を含め、エスペラント語による著作は四十冊以上にのぼるという。現在は、モスクワのチフヴィン市在住。木材伐採企業の役員を務めながら世
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講演中のブロンシュテイン氏
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東京外国語大学総合文化研究所 総合文化研究 第 23 号(2019)
Tokyo University of Foreign Studies, Trans-Cultural Studies, Vol. 23 (2019)
今回は一貫してエスペラント語で話され、埼玉大学名誉教授の佐々木照央先生(本学ロシア語学科卒業)が、エスペラント語・日本語間の通訳をしてくださった。
ザメンホフの理想がこのような形で受け継がれているという実例をまのあたりにすることができた貴重な機会であった。 文化講演会(総合文化研究所主催「文化の多様性」プロジェクト)「ザメンホフとポストニコフ ~エスペラント語をめぐる理想と冒険」
日時:二〇一九年十月十五日(火) 主催:東京外国語大学
総合文化研究所
使用言語:エスペラント語(通訳付き) 講演と弾き語り:ミカエロ・ブロンシュテイン 通訳:佐々木照央
(埼玉大学名誉教授)
質疑応答の様子
ブロンシュテイン氏を囲んで