土 田良一先生 の ご逝去 を悼む
教育学部社会科教室主任 有 田
嘉 伸
教育学部社会科教室人文地理学担当の土田良一教授 は､去 る平成12年8月3日､病のた め､不幸 に して51歳 を一期 として逝去 され ました｡8月4日､悲 しみの うちに葬儀が行わ れ ました｡心か ら哀悼 の意 を表 します｡
先生 は､昭和24年6月29日新潟県 にお生 まれにな りま した｡昭和47年､東京学芸大学教 育学部初等教員養成課程 をご卒業ののち､昭和50年同大学大学院教育学研究科修士課程 を 終了 され ま した｡その後4年間の東京都立の高等学校教員 を‑て､昭和54年4月か ら鹿児 島短期大学児童教育学科 に勤務 され ました｡平成
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年 には鹿児島短期大学教授 に昇任 され ると共 に､平成 8年 までの 4年間､児童教育学科長 として大学の運営 に貢献 され ました｡その後､平成11年4月､長崎大学教育学部の人文地理学の教授 として赴任 され､教育学部 の教育 と運営 に努力 されて きま した｡
先生のご研究は､近世の街道や宿場町の歴史地理学研究 を中心 とし､離島や果樹栽培地 域 の地誌学的研究や､ さらに地理教育の研究など多方面 に及ぶ もので した｡特 に､歴史地 理学の研究では､甲州街道の事例研究や全国的な規模での考察､総括 を通 じて､伝馬役の 実体 を明 らかにされ､また､甲州街道､東海道､中山道な どの事例研究 と､それ らの総括 的研究 によって､助郷の実体 を明 らかにされ ました｡そ して､これ らの歴史地理学の研究 によって､平成6年3月､九州大学 よ り文学博士の学位 を授与 され ました｡
長崎大学では､1年半 とい う短い期間でのおつ きあいであったため､一緒 に多 くの仕辛 を した り､沢山の思い出をつ くることはで きませ んで したが､ ともに慣 れない専 門外の問 題作 りを一緒 に したことや､人事の審査報告書作 りを したことを思い出 します｡
先生の教育学部への御着任 もあって､平成12年
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月､教育学部社会科専修 に大学院 を設 置す ることがで きま した｡われわれは､先生の穏健かつ積極的な人柄 に共感す ると共 に､これか ら先生 と一緒 に､学部並 びに大学院の教育のために頑張 ってい こうと思 っていた矢 先 に､先生 は体調 を崩 され､入院､加療の止むな きに至 りま した｡一度は退院 されて､元 気 な顔 を見せ られたため､われわれは安心 し､大変喜 んでお りま したが､平成12年6月の 後半､再度入院 されることとな りました｡
先生 を最後 にお見舞 したのは7月19日で した｡先生 は､大学院がで きた ことや､やっと 家族の皆 さまと長崎で生活で きるようになったことを心か ら喜んでお られ ましたが､同時 に､病気のために十分指導で きないか もしれないゼ ミの学生のことを心配 してお られ まし た｡その時､果物の缶づめ を口にされてお り､食欲 もあるといってお られ ましたので､遠 か らず､回復 されることと思 ってお りましたが､ こんなに も早 くお別れすることになって
しまうとは､思い もかけませ んで した｡
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人のお子 さまも未だ小 さ く､ さぞ心残 りであった ことと思い ます し､ご遺族の皆様の お悲 しみ もさぞか しとお察 し申 し上げます｡い まはただ､土田先生のご冥福 を心か らお祈り申 し上げます｡
