長崎大学教育学部紀 要 一教育科学 一 第
7 2
号2 9 ‑3 6( 2 0 0 8
年3
月)長崎県離島地区の小 ・中学校 における 特別支援教育 に関す る調査研究
平 田 勝 政* 三 浦 一 也* *
Re s e a r c ho nPr e s e n tCo n d i t i o n so fS p e c i a lS u p p o r tEd u c a t i o na tPr i ma r y S c h o o la n dJ u n i o rHi g hS c h o o li nRe mo t el s l a n d si nNa g a s a k iPr e f e c t u r e
Ka t s u ma s a HI RATA Ka z u ya MI URA
I 目的 と方法
筆者 らは,長崎県 内小 ・中学校 の特 別支援教 育 に関す る実態 と課題 を把握 す る こ とを目 的 にア ンケ ー ト調査 を実施 し,一定 の ま とめ を行 った11。本研 究 で は, この調査 結 果 を手 がか りと して, さ らに長崎県維 島地 区の小 ・中学校 にお ける特 別支援教育 に関す る実態 と 課題 を,本土 地 区 と比較検 討 して明 らか に したい。
調査 対 象 は
,2 0 0 6
年度 長 崎 県 内 の公立仝小 ・中学校5 9 3
校 (国立 は除 き,分校 を含 む) であ り,調査 期 間 は,2 0 0 6
年1
1月か ら2 0 0 7
年 1月 までで あ る。5 9 3
校 の内訳 は,小 学校3 7 6
校 (特 殊学級設置校1 7 7
校 ・通級 指導教室 設置校2 8
校 ),小 学 校分校21
校( 0・ 0 )
, 中学校1 9 5
校( 1 0 6・ 4 )
, 中学校 分校1
校( 0・ 0 )
で あ る。 この うち醒 島 地 区 は,小 学校1 0 0
校( 3 5・ 3 )
,小 学校 分校6
校( 0・ 0 )
, 中学校6 0
校( 1 9・ 0 )
であ る。Ⅱ 結 果 と考察
回収 率 は,離 島地 区
7 8 . 3% ( 1 3 0 /1 6 6
校 ),本 土 地 区7 1 . 4% ( 3 0 5 /4 2 7
校 ),全 体7 3 . 2 % ( 4 3 5 /5 9 3
校 ) であ り, 回答者 は,全体 の約4
分 の3
が ,特 別支援教 育 コーデ ィネー ター あ るい は特殊 学級担任 であ った。離 島地 区 にあ る市 町別小 ・中学校 数 ,調査 回答校 数及 び 長崎県 障害保健福祉 圏域 は,本稿 の末尾 に示 した。1 特別支援教育 の取 り組み につ いて
表1に見 る よ うに,離 島地 区 ,本 土 地 区 と もに,具体 的 な取 り組 み を始 め てお り,
「授 業 時 の特 別 な配慮」 が6割台 で最 も多 か った。
表 1 特別支援教 育 の取 り組 み 〔複数 回答 〕
具体 的 な取 り組 み 離 島地 区 本土地 区 全体 (離 島 +本土) 選択校数 辛 選択校 数 率 .選択校 数 l 率
通級指導教室 の設置
3 2 . 3 % 2 7 8 . 9 % 3 0 6 . 9 %
個別対応 の 「場」設置 ll
8 . 5 % 5 1 6 . 7 % 6 2 1 4 . 3 %
個別対応 の 「時 間」準備
3 9 3 0 . 0 % 7 0 2 3 . 0 % 1 0 9 2 5 . 1 %
授 業時 の特 別 な配慮 や支援
7 9 6 0 . 8 % 1 9 5 6 3 . 9 % 2 7 4 6 3 . O r o
その他
1 8 1 3 . 8 % 3 9 1 2 . 8 % 5 7 1 3 . 1 %
無 回答
2 0 1 5
.4%3 3 1 0 . 8 % 5 3 1 2 . 2 %
*人 間発 達講座 **長崎大学大学 院教 育学研 究科 /大村 市立旭 が丘小 学校
30 長崎大学教育学部紀要 一教育科学 ‑ 第72号
離 島地 区の 「その他 」 には
,
「全 職員 で全 児童 を多面 的 に見 て,情 報 交換 を行 ってい る」 (壱 岐 圏域 ・小 学校 ) とい う記 述 もあ った。学校 規模 を含 め て条件 が整 えば, こ う した取 り組 み を特 別支援教 育 に位 置づ け る こ とも可 能 であ る こ とが わか る。本 土 地 区で は, 「県発 達支援 セ ンター,養護 学校 の指 導 を受 け,指 導 に取 り組 んで い る」 (南高 島原 圏域 ・小 学校 )
,
「大学生 に よる学習補助」 (県央 圏域 ・中学校 )が あ った。これ らは,明 らか に地域 が 限定 され る ものであ り,学校 を取 り巻 く教 育資源 が ,具体 的 な取 り組 み に反映 してい る こ とが わか る。
2 特 別支援教 育 コー デ ィネー ター につ いて (1) コー デ ィネー ターの指 名
「指 名 され てい る」 と回答 した学 校 は,離 島地 区128校 (98.5%),本 土 地 区298校 (97.70/.)で あ った (表2‑ 1参 照 )。 一 方 , 「指 名 され てい ない」 と回答 した学校 に つ いて は,離 島地 区の2校 中 1校 ,本土地 区の4校全 てが分校 であ った。
表
2‑1
特別支援教 育 コーデ ィネ ‑ ターの指名一一十 、 tL 離島地区 本土地区 全体(離島+本土) アイネ タ 指名 選択校数 辛 選択校数 ヲ克 て‑ ‑ド 選択校数 辛
指名 されている 128 98.5%' 298 97.7% 426 97.9% 指名されていない 2 1.5% 4 1.3% 6 1.4%
無 回答 0 0.0% 3 1.0% 3 0.7%
(2) コー デ ィネー ターの人数
「1人」 と回答 した学校 が圧倒 的 に多 く,離 島地 区122校 (93.8%),本 土 地 区252校 (82.6%)で あ った (表2‑2参照 )。離 島地 区で 「1人」 が 多 くな った こ とにつ い て は,小規模 の学校 が多 い こ とも要 因の一つであ る と推 測 され る。
表2‑ 2 特別支援教 育 コーデ ィネ‑ ターの人数
1校あた りの指名人数 雄鳥地区 本土地区 全体(離島+本土) 選択校数 率 選択校数 汝‑1一 ■選択校数 辛
1人 122 93.8% 252 82.6% 374 86.0% 2人 3 2,3% 24 7.9% 27 6,2% 3人 1̲ 0.8% ll 3.6% 12 2.8% 4人 0 0.0% 2 0.7% 2 0.5% 5人 0 0.0% 1 0.3% 1 0.2%
無 回答 4 3.1% 15 4.9% 19 4.4%
複 数 の コーデ ィネー ター を指 名 してい る学校 は,離 島地 区4校 (3.1%),本 土 地 区 38校 (12.5%)であ った。 この うち,離 島地 区2校 ,本土 地 区32校 が特殊 学級 設置校 であ り, コーデ ィネー ターの複 数指 名 につい て は,特殊学級 を設置 してい る こ とが要 因の一つ であ る と考 え られ る。
平 田 ・三浦 :長崎 県維 島地 区の小 ・中学校 にお け る特 別支援 教 育 に関す る調査研 究
3 1
( 3 )
コーデ ィネー ターの担 当す る校務「特殊学級担任 ・通級指導教室担 当
」
と回答 した学校 は,雄 鳥地区2 9
校( 2 2 . 3 %)
, 本 土地 区1 0 8
校( 3 5
.4%) であ った (表2‑3
参照)。 回答 か ら,担 当す る校務 には「教頭」
,
「教務」,
「生活 ・生徒指導」,
「養護」のほか,「交流学級担任」,
「研究」,
「進 路指導」などもあることが分か り,離島地区,本土地区 ともに,特別支援教育 コーディネー ターの指名 は,各学校の実情 に応 じて行 われていることが明 らかになった。
表
2‑3
特別支援教育 コーデ ィネーターが担当する校務 〔複数回答〕選択校 数 翠 選択校 数 率 選択校 数 率 教 頭
l l
8.5% 44 14.4% 1 5 12.60/o教務 (主任 ) 15 ll.5% 39 12.8%r 54 12.4%
生徒 .生活指 導 (主任 ) 21 16.2%l】 17 5.6% 38 8.7%
養護教諭 13 10.0% 27 8.9% 40】 9.2%
特殊 学級 担任 .通級 数 室担 当 29 22.3% 106 34.8% 135 31.OTg
そ の他 43 33.1% 701 33.1% 144 33.1%
「その他」 にある記述 を整理す る と,離 島地区小学校 では,「学級担任
」1 5
件 ,「学 年担任」,
「教諭」は3
件ずつ,「研究主任」2
件 ,「専科担 当者」,「 TT
」,
「保健」,「交流学級担任」
,
「特別支援教育担 当」 は1件ずつであった。「特殊担任が教務主任」1件 もあった。
離島地区中学校では,「教諭
」3
件,「進路指導主事」2
件,
「学級担任」,
「副担任」が1件ずつであった。
本土地区小学校では,「学級担任
」3 0
件,「専科」,
「教諭」 は6
件ずつ,
「学年担任」5
件 ,「支援担当」3
件,
「支援加配」,
「少人数担 当」 は2
件ずつ,「以前 ,特殊担任 をしていた」,
「本校勤務5
年 目の職員」,
「研究主任」,
「学級担任 (前特殊学級担任)」,「学級担任 ・同和推進教員」,「保健主事」が 1件ずつであった。本土地区中学校では,
「学級担任」
,
「教諭」
が6
件ずつ,「教育相談」3
件 ,「学年主任」2
件 ,「特殊学級担 任経験者」,
「研究主任」,
「交流学級担任兼学年主任」,
「学年主任,進路指導,生徒指 導,特別活動主任」,「学年主任 (副担任 ・生徒支援加配)」,
「学年主任 ・担任」,「教 育支援担当」が1件ずつであった。この ように,「その他」については,離 島地区,本土地区 ともに 「学級担任
」
が最 も多い こと,本土地区中学校では,特別支援教育 コーデ ィネーターが,多様 な校務 を 担当 していることがわかった。 この ことか ら,本土地区,離島地区を問わず,校内に おける特別支援教育 コーデ ィネー ターの位置づ け とその役割 については,新 たな校務 としての独 自性 と従来の校務分掌 との関係が,十分整理で きない ままにあることが推 測 される。3 校 内委員会の設置 .開催の頻度について
特別支援教育 に関わる校 内委員会 を 「設置 してい る」 と回答 した学校 は,離 島地区
1 1 0
校( 8 4 . 6 0 / . )
,本土地区2 6 3
校( 8 6 . 2 0 / . )
であった (表3‑1
参照)。校 内委員会の設 置は,両地区 ともに,8割 を越 えている。32 長崎大学教 育学部紀 要 一教育科学 ‑ 第72号
表3‑ 1 特別支援教育 にかかわる校 内委 員会の実施 (設置)
校 内委員会 の実施 (設置) 離島地区 本土地区 全体 (離島+本土) 選択校 数 率 選択校 数 翠 選択校 数 辛
実施 (設置) してい る 110 84.6% 263 86.2% 373 85.7%
実施 (設置) してい ない 19 14.6% 40 13.1% 59 13.6%
開催 の頻度 について,離 島地 区 は,「必 要 に応 じて」45校 (34.6%),続 いて 「毎 月」43 秩 (33.1%), 「無 回答」18校 (13.8%)であ った。本土地 区 は,「必 要 に応 じて」150校
(49.2%),続 いて 「学期 に1回」52校 (17.0%), 「毎 月」46校 (15.1%) であ った (表 3‑2参照)。校 内委 員会 の開催 につ いて は,必 要 に応 じて特別 に開催す る場合 と定期 的 に開催 す る場合が あ る。 定期 的 に開催 す る場合 は,児童理解 の話合 いや生徒指導部会 な ど, これ まで も行 われていた定期 的 な委員会等 と兼 ね る場合 もあ る。
表3‑ 2 校 内委 員会 開催 の頻度 〔複数回答〕
校 内委員会 開催 の頻度 離島地区 本土地区 全体 (離島+本土) 選択校 数 率 選択校 数 辛 選択校 数 率 年 に1回 3 2.3% 8 2.6% ll 2.5%
学期 に1回 16 12.3% 52 17.0% 68 15.6% 2月 に1回 2 1.5% 5 1.6% 7 1.6%
毎 月 43 33.1% 46 15.1% 89 20.5%
毎週 1 0.8% 12 3.9% 13 3.0%
必 要 に応 じて 45 34.6% 149 48.9% 194 44.6%
その他 7 5.4% 12 3.9% 19 4.4%
4 個別の指導計画 ・個別の教育支援計画 について
「す で に作成」 あ るい は 「2006年度 内 に作成予定
」
と回答 した学校 は,離 島地 区57校 (43.8%),本土地 区156校 (51.1%)で あ った (表4参 照)。指 導計 画 ・教 育支援計 画 の 作成 については,離 島地 区の取 り組 みが,若干遅 れてい る。表4 個別 の指導計画 ・個別 の教 育支援計 の作成
個別計 画 の作成 離島地区 本土地区 全体 (離島+本土) 選択校 数 辛 選択校 数 率 選択校 数 率
すで に作成 29i 22.3% 78 25.6% 107 24.6% 2006年度 内 に作成 28 21.5% 78 25.6% 106 24.4% 作 成 してい ない 73 56.2% 149 48.9% 222 51.0%
平 田 ・三浦 :長崎県離 島地区の小 ・中学校 における特別支援教育 に関する調査研究 33
5 特別支援教育 を推進す る上での連携 について
表5に見 るように,離 島地区で は,「保護者やPTA組織」 と回答 した学校 が最 も多 か った。 また,離 島地区では,「養護学校 ・近 隣特殊学級」, 「医療機 関 ・大学等 の専 門 機 関」 と回答 した学校 の割合が,本土地区 よ りも低 か った。
表5 特別支援教育 を推進する上 での連携 〔複数回答〕
連 携 先 維島地区 本土地区 全体 (離 島+本土)
選択校数 率 選択校数 率 選択校数 率
保護者や
PTA
組織等 109 83.8% 227 74.4% 336 77.2%養護学校 .近隣特殊学級 81 62.3% 254 83.3% 335 77.0%
医療機 関 .大学等 の専 門機関 74 56.9% 202 66,2% 276 63.4%
その他 6 4.6% ll 3.6% 17 3.9%
6 特別支援教育 を推進す る上での課題や不安について
離 島地 区調査 回答校129校 中,76校 か ら特別支援教育 を推進す る上での課題 や不安 に ついての 自由記述 を得 た。その主 な もの を整理 した ものが,表6である。 これ らの 自由 記述 を検 討 した結果 は,次 の通 りである。
(1) 離島地区 .本土地区に共通す る課題 .不安
① 支援 を要す る児童生徒 の保護者か ら,理解 を得 て協力 関係 を築 くことが難 しい。
② 地域社会 に対 して,発達障害等 の理解 を広 げるために,啓発活動 を行 うことが必 要である。
③ 各学校 の職員間には,特別支援教育 に対す る意識等 に温度差がある。
④ 人的 ・物 的な教育環境 の整備 について,十分 とは言 えない。
( 2 )
離 島地区の課題 ・不安① 地理的条件 (離 島 ・へ き地)か ら,専 門機 関 と連携す る上で不便 さ,困難 さを感 じることが多 く,近 くに相談で きる専 門的機 関 も少 ないので巡 回相談 を充実 してほ しい。
② 小規模校では,教 員数が限 られ,児童生徒 のニーズ に対応 で きていない。
③ 中学校卒業後 の進路先 な ど,将来的に地域 の中で生活す るための具体 的な支援策 が必要である。
④ 離 島 とい うことで,研修の機会が少 な く,保護者へ の啓発活動 も遅れている。
34 長崎大学教育学部紀要一教育科学一 第72号
表6 離島地区の課題 や不安
A校 ・保護者の理解 .啓発 (・どのよ うに保護者の理解 を得て,特別支援教育 を進めてい くか○主 に通常学級在籍の場合)
・保護者や地域への情報発信 をどの ように行 ってい くか○
B校 l・い じめ,不登校,学力不振,家庭環境の問題等 によ り,支援 を必要 とする児童のほうが多 く,特別支援 として どこまで対応 で きるのか,校務分掌 も含めて課題o
・軽度発達障害 ととらえる基準が難 しく, どこまで校 内委員会 にあげるか判断が難 しいo 教員の温度差 もある し,保護者の考 え も様 々で対応が難 しい○人員はやは り必要ですo
C疲 D校 E校
F校 ・肢体不 自由児 (自力歩行不能) なので,階段 や トイレ等,移動が大変である○ もつと教 育環境 を整えてほ しい○
・現時点では,特別支援教育の必要性 を感 じないが,必要 となった場合,立地条件 (ヘ き 也,島)か ら連携等の不便 さ,困難 さを感 じる○
・保護者への対応
・離島部 とい うことで連携できる外部機関が限 られてお り,いつでも連携が可能 というわ けではないこと○
・管理職 (特 にリーダー となる校長先生)の意識 によ り,活動 内容 に制限がつ くこと○
・近 くに相談できる場所,人が少ない‑保護者 にとって も同 じ‑.上五島地区
・中学卒業後,進学 したい とい う希望 を持 っていて も近 くには通学可能 な学校(学級)が ないため断念するか,親元 を離れ寮生活す るか選 ばなければならないO‑上五島地区の 現状()
・小 .中の連携不足〇千 どもも担任 も小 .中間で もつ と (自由に)交流で きるシステムが あれば と思 うo (9年 間,あるいは高 も含め12年 間で子 どもを育てる‑ とい う意識が大 切 だ と思 う○)
・研修の場,機 会が少 ないo専 P里生が高 ま りに くい○ (離島であること,近隣の特殊学級 担任 の多 くが経験の浅い人であること,等のため)
G校 ・離島部 とい うことで,特別支援 を受 けている子 どもに対す るケアが十分 にで きていないように思 う○少 しずつ改善 されては きているが, まだまだである○専門の相談員の訪問 等が,増えることを希望す る○
H校 ・個 に合わせ た指導が,大切 なのはよ く分かっているが,特別支援学級 もな く,専科 もいない現状で どう対応 してい くか,非常 に悩 んでい ます○小 さな学校 ですが,支援 を要す る子 はそれな りに増 えてい ますo少ない教職員での対応について,悩みはつきません○
Ⅰ校 ・現在 は,個別指導 を要する児童がいないが,今後の立場 で学習支援 はで きない○ (本校 は,極小規模校 なので人員不足である)○満足な支LD等が入学 して きた場合,養護教諭 援ができない と思 う○
J校 ・対馬 とい う環境 を考 えると,中学校 まではいいが,それか ら先の支援がまだ しっか りし てお らず,その辺の整備が必要 と感 じている○
K校 ー・市部 とは異 な り,特 に離島部 においては,特別支援教育に関わ る研修.保護者‑の啓発 活動等遅れている現状があ ります○特 に,ADHD,LD等 については,専 門の医療相
平 田 ・三浦 :長崎県離 島地区の小 ・中学校 における特別支援教育 に関する調査研究 35
Ⅲ ま とめ と今後の研究課題
長崎県離 島地区の小 ・中学校 は
,2 0 0 6
年度 の段 階で,特別支援教育 の取 り組み を始 めて い る。 特別支援教育 コーデ ィネー ターは, ほぼ全 ての学校 で指 名 されてい る。 特別支援教 育 に関わる校 内委員会 は,8割 を超 える学校 で設置 されてお り,必 要 に応 じてあ るい は定 期 的 に開催 されてい る。 個別 の指導計 画 ・個別 の教 育支援計 画ついて は,4割 を超 える学 校 で作成 に向 けた動 きが ある。一方,各小 ・中学校 は,離 島の置 かれ た現状 が要 因 と思 われ る課題 を抱 えてい る。 具体 的 には,専 門機 関 との連携 が難 しい こ とや 中学校卒業後 の進路先が限 られてい る こ と,小 規模校 においては児童生徒へ の対応 に限界があ る こ と,特別支援教 育 に関す る研修 の機会 が少 ない ことや理解啓発活動が遅 れてい る ことな どであ る。
この ような離 島地 区の各小 ・中学校 が抱 える課題 については,長崎県教育委員会 の 「障 害のあ る子 どもの教育推進計画」に よる具体 的 な施策 の実施が あ り,解決 の方 向へ進 むこ
とが期待 され る2)。
今後 の研 究課題 は,下記 の諸点 に注 目 して特別支援教育の実態 と課題 を把握 ・整理 し, 問題 の所在 と解決策 を明確 に してい くこ とであ る。
① 障害福祉保健 圏域別や各市町別 の取 り組み
② 離 島地 区 と同様 に,社 会資源が限 られた地域 (山間地等へ き地) の取 り組 み (参離 島地区 ・山間地等‑ き地の特性 を生 か した取 り組 み
<註 >
1
)三浦 ・平 田( 2 0 0 7 )
長崎県内の小 ・中学校 にお ける特別支援教育 に関す る調査研究 , 長崎大学教育学部 附属教育実践 セ ンター紀要 ,第6
号,3 7 ‑4 7
頁2
)笹 山龍太郎( 2 0 0 7 )
長崎県 一多 くの離 島 を含 め た全県 的支援体 制 の構 築 , (柘植雅 義編著 『実践事例 に学ぶ特別支援教育体制づ くり 23自治体 の特色 ある取 り組 みか ら』所収)金子書房
,2 0 7 ‑2 1 5
頁この 中で,笹 山氏 (長崎県教育委員会特別支援教育室指導主事 ) は,離島地 区 にお け る特別支援教育体制 の構築 に関わる県教委 の取 り組 み として,① 養護学校等 の分教室設 置 ,② 訪 問教育担 当者 に よる小 ・中学校支援 ,③ 相談 ・支援活動 のセ ンター的機 能 を果 たす通級指導教 室 の設置,④ 地域 の核 となる コーデ ィネー ター を養成す る地域総括 コー デ ィネー ター研修 , な どを挙 げてい る。
(付 記 ) 本研究 は, 日本特殊教育学会第
4 5
回大会( 2 0 0 7 . 9 . 2 2 ‑2 4
兵庫教育大学) において発表 し た共同研究 「長崎県維島地区の小 ・中学校 における特別支援教育 に関す る調査研究」 (『日本特殊教育 学会第4 5
回大会発表論文集』 p2 1 7
所収)及び当 日配布資料 に加筆 ・修正 した ものである。最後 に,本研究 にご協力いただいた長崎県内の小 ・中学校 の先生方お よび,ご支援いただいた県教 育庁特別支援教育室,各市町教育委員会の皆様 に心 よ り感謝 申 し上げます。
36 長崎大学教 育学部紀 要 ‑教育科学 ‑ 第72号
<資料 >
{長崎県
2 3
市町および障害保健福祉圏域■離島振興法指定地域 にある長崎県内の小 .中学校及び調査回答校数
表7 離島振興法指定 (H15.6)地域 にある長崎県内の小 ・中学校及び調査回答校数
市 町 小 学 校 小学校分校 中 学 校 合 計 市町別回収率
学校 数 回答校数
車高薮「 重商校
数 学校数 歯容校数 学校数 回答校数西 海 市 3 2
0 . 心
2‑ .‑1 5 3. 60.0%五 島 市 22 15.. ol.∴.≡ 13E;…≡̲≡ 6‑.. 35 ‑.23. 65.7%
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