鹿児島国際大学考古学ミュージアム鯛査研究報告142017. 3
BulletinofthelnternationalUniversityofKagoshima,ArchaeologicalMuseumVol.14March2017
活動報告
「かけはしが結ぶアートの世界」がもたらした『地域で生きていく喜びと力』
肥口美和子l)
l)891‑0151鹿児島市光山Gl地域活動支援センターかけはし
習支援課中條大輔先生を紹介してもらい, 中條先生を通 じて,博物館実習施設(考古学ミュージアム)担当の鐘ヶ 江賢二先生とお会いすることができたのです.平成28年 4月でした.
「鹿児島国際大学」で開催できることをメンバーに伝え ると,喜びや嬉しさはもちろんなのですが, それよりも,
一様に「驚き」が大きかったのを記憶しています. 「鹿児 島国際大学」で企画展を開催していただくことは,今まで 経験できなかった, または, もう経験できないと思ってい た場所や地域とつながる, というとても大きな挑戦でもあ
りました.
鐘ヶ江先生や,学生さんは,かけはしやデイケア, コパ ン,出展者の自宅に出向き, どういう思いで創作活動をし ているのかを丁寧に聞いてくださいました.何の気負いも なくメンバーに声をかけ,ひとりひとりの個性に目を向け,
語りかけ,安心できる気持ちや笑顔を引き出してくださっ たのです.
むしろ,余計な心配や無用の気遣いをしていたのは,職 員である私の方でした.地域とつながる活動を, と言いな がら,閉鎖的な考えを持っていたのは自分かもしれないと 気づかせてくださいました.
企画展中である7月に開催されたギャラリートークで も,鐘ヶ江先生,学生さんの丁寧な進行とフォローで, 「参 加できそうにない」「話すなんてできない」と口にしてい たメンバーも最後まで参加でき,一緒に絵を描くワーク ショップまで楽しむことができたのです.
ここで, メンバーの「かけはしが結ぶアートの世界」へ の感想を紹介させていただきます.
Mさん
鹿児島国際大学のアート展にチャレンジいたしました.
担当された先生と学生さんの優しさや思いやりに,人間と して生きる力をもらった気がして,忘れることができませ ん. ありがとうございました.
「かけはしアートサークル」は, 「地域活動支援センター かけはし」と「生活サポートコパン」の利用者の中で,アー トに興味があり,創作活動をされている方々が集まり,現 在10人程度で活動しています.
かけはしアートサークルのメンバーの中には,坂之上病 院デイケアふれあいの絵画クラブに参加されている方も多 く, 自宅で, コパンで,デイケアで, とそれぞれの場所で 創作活動をしています.
「かけはしアートサークル」の活動
主に,作品展開催や美術展見学などの鑑賞活動です.作 品展は企画段階から話し合いをし,実現へ向けての活動を 行っています. これまでは,かけはしや谷山サザンホール で年1回の展示会を開催してきました.見学活動もメン バーの意見を基に企画しています.直近では, 「しょうぶ 学園」のアート活動を見学させていただき,「その人らしさ」
をアートで表現する思いや姿勢に感動をいただきました.
「かけはしが結ぶアートの世界」
今年度,鹿児島国際大学博物実習棟考古学ミュージアム にて, 「かけはしが結ぶアートの世界」を共催させていた だきましたが, きっかけは,サザンホール改修工事のため,
例年通りの展示会ができず, 「開催場所を考えよう」とい うミーティングが始まりでした.平成28年3月のことです.
そのミーティングで,谷山市民会館光山公民館市役所 の市民ギャラリー,県福祉交流センター, など様々な意見 を出し合う中で, 「鹿児島国際大学」の名前が出てきたの です.お願いしてみようという意見が多かったものの,初 めはいわゆる「ダメもと」と感じていたメンバーも少なく なかったと思います.
どのような形でお願いにいけばよいかと迷っていたとこ ろ,かけはしの音楽サークルの原田講師より,坂之上病院 デイケアの音楽活動支援に来られている鹿児島国際大学実
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肥口美和子
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「しょうぶ学園」アート活動見学 (20,6年,2月) 「かけはしアート展」 (谷山サザンホール2016年2月)
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特別企画展「かけはしが結ぶアートの世界」展示室のようす
Aさん
ギャラリートークでは話せないと思っていました.緊張 したけど,話しやすい雰囲気でした.大学という特別な場 所で開催していただけてうれしかった
大学の先生や若い学生さんたちと交流することができ.
まだ自分にもできることがあるんだという元気をもらいま した.
今回をきっかけに. また一般の方や若い方との交流が広 がるのを楽しみにしています.
Tさん
絵を描くコーナーもあって.国際大学に中のある土器を スケッチしました.私のはネックレスみたいになってしま いましたが. . .
こうやって感想を聞かれて.どうしようと思いましたが,
書くことがありました. なんとかして書きました.先生は 土器に詳しく,学生さんは. 自分と同世代くらいだと思い ましたが,すごく、若くて.元気「学生」をしている人
と出会うことはなかったので.キャンパスライフというの はこういうことなのかなと少しだけでも感じることがで きたような気がしました.
Kさん
学校や施設は,ふつうに考えると,閉ざされた環境で.
作品発表もその施設内の限られた範囲であるものだと思っ ていました.その壁をとつぱらって、開かれた交流をして いただいたことをたいへん感謝しています.本当にまさか 大学で展示してもらえるとは思いもよらなかったです感 想をと聞かれるなら,ひとこと「嬉しい」その言葉しかな いです.
Nさん
毎年かけはしで小さいながらも自分の個展をしたり.サ ザンホールの市民ギャラリーの開催があったり. 「継続」
を目標に取り組んできました. しかし.見に来てくれる人 はいつも同じ人たち. という思いもありました. もう何年 も安定した生活ができているので. 自分の作品をなんとか
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「かけはしが結ぶアートの世界」がもたらした『地域で生きていく喜びと力』
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ギャラリートークのようす(2016年7月23日)
できるのだと感じました.昨年3月のミーティングから.
初めて鐘ヶ江先生にお会いしたのが4月,おつかれさま会 は10月でした. 6カ月という長期に渡る企画でした今 回はおまかせしてしまうことが多く.ご苦労をおかけして しまいました. また, このような機会をいただけるのでし たら,ぜひ,より積極的に,協同させていただきたいと思っ ております「かけはしが結ぶアートの世界」と通して.『地 域につながっている喜びを感じながら.生きがいをもって.
みなさまと共に生きていく』という力をいただくことがで きました.本当にありがとうございました.
一般の人に多くみてもらいたいという常日頃から思ってい ました.今回鹿児島国際大学の立派な展示室に展示され た自分の絵を見たときは, 「やってきて良かった」という 思いでいっぱいでした.次の創作への,新たなる意欲や希 望がでてきました.
この.ひとりひとりの言葉で,この企画展やワークショッ プがどんなに素晴らしいものだったかを感じていただける のではないかと思います.
鐘ヶ江先生の「単なる展示ではなく、作っている方たち の気持ちを表現し,作者の思いや人となりが伝わってくる ような展示にしたいと心がけました.」という言葉の通り.
メンバーの思いは地域につながり.地域からのつながりも 感じることができたのです
鐘ヶ江先生.学生さんには,企画展終了後. コパンでの
「おつかれさま会」にも参加いただきましたひとつ終わ ればおしまい.ではなく. こうしてつながっていくことも
最後に. この場をお借りして.鹿児島国際大学学長津 曲貞利様.鐘ヶ江賢二先生.国際文化学部博物館実習受講 生のみなさん.ギャラリートークのご支援をいただいた中 條大輔先生.社会福祉学科のみなさん.そして.関係職員 のみなさま.心より感謝申し上げます.
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