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バンクーバー在住の日系人・日本人の言語使用状況 : 国勢調査の分析から

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雑誌名 英語英文学研究

巻 23

ページ 63‑75

発行年 2017‑09‑30

出版者 東京家政大学人文学部英語コミュニケーション学科

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009725/

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バンクーバー在住の日系人・日本人の 言語使用状況:国勢調査の分析から

時田 朋子

概要

This study shows the Japanese language situation in Vancouver, using the results of Canadian Census. Although English functions as a common lan- guage, the minority language speakers keep using their ethnic language, which makes the society multilingual. Regarding Japanese people, the num- ber of residents as well as that of new immigrants are quite small, which leads the high rate of those who have an intercultural marriage. Besides, many of them acquire English and use it even at home. Considering these facts, the number of Japanese speakers seems not to increase. However, many recent immigrants try to transmit Japanese to their children, and the existence of Japanese language schools and cultural centres help to main- tain the Japanese language in Vancouver.

キーワード: 多言語社会、バンクーバー、日本語、日系人・日本人 (multilingual society, Vancouver, Japanese language, Japanese-Canadians)

1.はじめに

カナダの多文化主義政策の下、多くの民族が共存するバンクーバーは、

英語を社会の共通語とする、多文化・多言語社会として発展してきた。日 系コミュニティはバンクーバーにおいて古くから存在するコミュニティの ひとつであるが、日本に民族的出自がある者は、19世紀後半から20世紀 初頭にかけての初期移民の子孫、1960年代の新移民やその子どもたち、

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1990年代以降の国際結婚などによる長期滞在者やその子どもたちなどと、

多様な背景をもつ。これらの日系人・日本人は、言語をいかに使用してお り、またとりわけ日本語をいかに維持していくのであろうか。

本稿の目的は、バンクーバー在住の日系人・日本人の言語使用状況を社 会言語学的視点から明らかにし、日本語維持について考察することである。

まず、バンクーバーにおいて展開されている多文化・多言語状況について、

日系コミュニティに触れながら述べる。そして、日本語話者のカナダ公用 語習得状況を、次いで日本語使用状況を、国勢調査の結果を用いて分析す る。その分析に基づき、日本語の維持について考察をする。

2.バンクーバーにおける多文化・多言語状況

本節は、カナダの多文化主義政策の下、バンクーバーがいかなる多文 化・多言語社会を築いているかについて、日系コミュニティに触れながら 明らかにする。

カナダでは、15世紀末のイギリスとフランスの進出以降、「イギリス系」

と「フランス系」が多数派として共存してきた。1763年のパリ条約により フランスが撤退してイギリスの植民地となるとi、イギリス系とフランス 系住民の間に主従関係が生まれた。1867年には「自治領」としてカナダが 建国されたが、ほとんどのフランス系が住むケベック州においてその民族 間の関係性は解消されなかった。その関係に終止符が打たれたのは、1960 年代になってからである。1960年にケベック州で政権に就いた自由党は、

後に「静かな革命」と呼ばれる社会改革に着手し、州の近代化を急速に進 めた。それに伴い、「二級市民」と位置付けられていたフランス系住民の 意識が変わりケベックナショナリズムが高まったii。そして、ケベック州 はカナダからの分離独立を模索し始めたのである。この動きに対し、カナ ダ連邦政府は1969年に「公用語法(The Official Language Act)」を制定しiiiカナダの公用語は英語とフランス語であり、両言語が対等であることを法 的に示した。イギリス系とフランス系が平和的に共存することを促し、ケ

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ベック州の分離独立の阻止を試みたのである。だが他方、英語とフランス 語を公用語と定めたことに対し、カナダ中西部に住むウクライナ系を中心 とした民族的マイノリティが反発した。カナダ連邦政府は当時カナダ全人 口の3分の1に達していた民族的マイノリティivの動きを無視できず、ピエ ール・トルドー首相は1971年に「二言語公用語枠内の多文化主義政策」

を打ち出した。カナダには2つの公用語があるが公的な文化は存在せず、

ある民族集団が別の集団に対して優位に立つことはない、つまり、カナダ は、マイノリティ言語集団の文化を認め、彼らが自分たちの文化や言語を 維持して追求することを推進すると宣言したのであるv。こうしてカナダ は、名実ともに多文化・多言語社会への道を歩み始めたvi。1977年には、

多文化主義政策に基づき、マイノリティ言語の教育に対して、教師給与、

教材開発や教師研修などの財政的援助を行った。1988年には「多文化主義 法」を制定した。これにより、カナダの多文化主義は法的基盤に基づいて 実施されるviiこととなった。バンクーバーが属するブリティッシュ・コロ ンビア州においては、州の多文化主義法が制定されたのは1993年であり、

移民の数の多さおよび比率の高さを考えると対応が早いとは言えないが、

各省庁および政府機関は現実の多文化・多言語状況に対応すべく政策を進 めているviii

ブリティッシュ・コロンビア州は、カナダの中でも移民が多く占める州 のひとつであるが、その多くは、州のほぼ半数の人口が占めるバンクーバ ーに住む。2006年の国勢調査ixによると、バンクーバーの住民の民族的出 自は200以上の国や地域に及び(Statistics Canada, 2007)、多民族が共存し ている。高い比率を占める民族は、カナダ建国時の二大民族のひとつであ るイギリス系、そしてヨーロッパ系(イギリス系とフランス系を除く)で ある。しかし、先住民以外の非白人「ヴィジブル・マイノリティ」が 41.7%を占めており、この比率は他州や他都市と比べ際立って高い。ヴィ ジブル・マイノリティのうち、40.4%は中国系が占める。そして、東イン

ド系が23.7%、フィリピン系が9%、韓国系が5.2%と続く。日系は2.9%

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ある。これより、バンクーバーのヴィジブル・マイノリティは、アジア系 が高い比率を占めていることが指摘できる。その理由として、まず、母国 と距離的に近いため、アジア系移民が太平洋に面するバンクーバーを移住 地として選ぶことが挙げられる。それから、すでに存在しているアジア系 コミュニティがアジア系移民を呼び寄せていることも考えられる。共通す る文化や言語が存在する地域では生活がしやすく、仕事を得る機会も少な くない。そのため、移民はマイノリティ集団のコミュニティがある地域を 居住地として選ぶ傾向が高い(Bourhis、1994)。さらに、現状に加えて 2015年にブリティッシュ・コロンビア州への移民の77.3%がアジア系であ ったことも考慮すれば(Citizenship and Immigration Canada, 2016)、今後バ ンクーバー全人口にアジア系が占める比率はますます高くなるであろう。

ただし、日系については、現在の居住者数が少ないうえに新たな移民も少 ないことから、比率が著しく高くなることは想定しにくい。

多民族社会であるバンクーバーは、社会の共通語は英語であるが、多言 語が使用される社会である。住民の母語に限定しても、移民が多く居住し また流入している現状が影響し、多様性が見出せる。2011年の国勢調査

(Statistics Canada, 2013)によると、英語母語話者が57.5%ともっとも高い比 率を占めたが、マイノリティ言語母語話者も41.4%と高い比率を占めてい る。具体的には200言語以上が挙げられ、上位3位は中国語の36.8%、パン ジャブ語の15.1%、タガログ語の6.3%であった。日本語母語話者は15835 名で、1.7%である。これより、民族と同様、母語についても、アジア系の 言語が高い比率を占めていることが指摘できる。マイノリティ言語は世代 が進むにつれて喪失される傾向があるが(Valdés, 2002)、バンクーバーには 移民が多く流入していること、さらにそれにより2・3世に母語接触の機 会が与えられる現状を考慮すれば、アジア系の言語を中心としたマイノリ ティ言語母語話者は今後も増加し、バンクーバーの多言語状況はさらに進 むことが予測される。なお、カナダのもうひとつの公用語であるフランス 語母語話者は1.1%にすぎなかった。フランス語母語話者はフランス語圏で

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あるケベック州に集中しており、バンクーバーには少ない。

以上、バンクーバーでは英語が社会の共通語として用いられているがxヴィジブル・マイノリティが多く、さらにマイノリティ言語母語話者が4 割を占めることからもマイノリティ言語を使用することは珍しいことでは なく、社会が多言語化していることが明らかとなった。カナダの二言語・

多文化主義の枠組みにおいてマイノリティ言語の保持が法的に認められて いることが、その背景として指摘できよう。ただし、日系コミュニティに ついては、現在の居住者数が少ないうえに新たな移民も少なく、その結果、

日本語母語話者も少ない状況であるため、日本語を維持するバイタリティ が強い(Landry & Allard, 1994)とは言い難い。

3.公用語の習得状況

本節は、日本語母語話者における、カナダの公用語である英語とフラン ス語の習得状況について明らかにする。

2011年の国勢調査(Statistics Canada, 2013)によると、日本語母語話者の 公用語習得状況は、90.2%が英語を、0.1%がフランス語を、2.3%が英語と フランス語を習得しており、7.4%が英語もフランス語も習得していなかっ た。つまり、92.5%が英語を習得しており、92.6%は少なくとも日本語とカ ナダの公用語を習得したバイリンガルまたはマルチリンガル(母語が複数 ある場合や日本語と公用語以外の言語を習得している場合)である。なお、

マイノリティ母語話者全般については、82.5%が英語を、0.1%がフランス 語を、3.7%が英語とフランス語を習得しており、13.7%が英語もフランス 語も習得していなかった。つまり、マイノリティ母語話者の86.3%は、自 らの母語と公用語(ただしほとんどは英語)を話すバイリンガルまたはマ ルチリンガルである。

以上、バンクーバーでは英語が社会の共通語として用いられるため、日 本語母語話者を始めとするマイノリティ言語母語話者の大多数は英語も習 得しており、各自の母語と英語を習得したバイリンガルやマルチリンガル

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になっていることが明らかとなった。なお、マイノリティ言語母語話者全 体と比較すると、日本語母語話者の英語習得率が高いことが指摘できる。

4.日本語の習得状況

本節は、日本に民族的出自がある者の日本語の習得および使用状況につ いて明らかにする。

バンクーバーにおける日本語の主な使用者は、バンクーバー在住の日系 人や日本人xiである。2006年の国勢調査(Statistics Canada, 2007)によると、

バンクーバー全人口の1.4%に相当する30230名が日本に「民族的出自があ る」と回答した(単数回答19350; 複数回答10880名)。しかし、「日本語を 話す」と回答した者は24785名(日本に民族的出自がある者の82%)であ xii、この差に相当する5445名(18%)は日本に民族的出自があるが日本 語を話さない。たとえば、1890年代から1920年代にかけて日本から移民 してきた者の子孫の多くは日本語を習得していない。第二次世界大戦時に 収容所生活を余儀なくされた苦い経験から、日本語や日本文化が次世代に 継承されなかったためである(飯野、1997)。

ただし、「日本語を話す」と回答した者の日本語能力には多様化が見出 せる。前述のように、24785名が日本語を話すと回答したが、そのうち

「日本語を母語とする」と回答した者は15835名(63.9%)であり、その差

に当たる8950名(36.1%)にとって日本語は第二言語(場合によっては第

三言語)に相当する。日本語母語話者の多くは、1960年代の移民法の改正 を機に日本から移民した「新移民xiii」と呼ばれる者や、大学や大学院など の高等教育機関・ESL・その他専門教育機関に通う就学ビザをもつ若者ま たワーキングホリデー制度xivを利用する就労ビザをもつ若者が1990年代以 降に増加したことに伴い増加した国際結婚などによる長期滞在者である。

彼らの中には子どもを持つ者も多いが、その子どもたちの日本語習得状況 は、英語やその他の言語(配偶者の母語が英語や日本語以外の場合)とと もに日本語を母語とする者、日本語を第二言語とする者、さらには日本語

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を話さない者といったように、多様化している。

バンクーバーの日系人・日本人には、中国系にとってのチャイナタウン やパンジャブ系にとってのパンジャブマーケットのような、エスニックタ ウンは存在しない。19世紀後半に開始された日本からの移民は、バンクー バー北部を中心にコミュニティを拡大していったが、第二次世界大戦によ り日系人が収容所に送られた結果、ジャパンタウンは実質的に消滅し、そ の後も復活しなかったためである。その結果、今日、日本語話者が日本語 を日常的に使用する主な場所は、家庭である。しかし、2011年の国勢調査

(Statistics Canada, 2013)によると、日本語母語話者が家庭でもっとも使用 する言語は、51.2%は日本語、44.5%は英語であった。つまり、日本語が主 に使用される場である家庭においても、半数弱の日本語母語話者は日本語 よりも英語を使用しているのである。ただし、この質問は「もっとも使用 する言語」と1つの言語をたずね、「両方使用する」という回答は含まれ ないため、実際に行われているであろう両言語使用の状態は反映されてい ない。たとえば、2001年の国勢調査の結果では(Statistics Canada, 2002)、 本語を家庭において使用する13270名のうち、35.8%が「日本語のみ」を、

23.6%が「ほとんど日本語」を、5.6%が「英語と同じくらい日本語」を、

35.1%が「定期的に日本語」を家庭において使用していると回答しており、

程度の差はあれ6割以上の日本語母語話者が家庭において日本語とともに 日本語以外の言語(おそらく多くは英語であるが、英語と日本語以外の配 偶者の母語も含まれる)を使用していることが示されている。つまり、多 くの日本語母語話者の家庭は、日本語と英語(配偶者の母語によっては別 の言語も含む)が使用されるバイリンガルまたはマルチリンガル環境とな っている。この要因として、バンクーバーの日本人・日系人は異民族間結 婚をする比率が高くxv、すなわち配偶者が日本語以外の言語を母語とする 家庭が多いことが挙げられよう。

多文化主義国家であるカナダにおいて、マイノリティ言語話者はマイノ リティ言語を使用する権利を有するが、マイノリティ言語を使用する義務

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はない(Li, 2003)。そのため、マイノリティ言語は公共の場において使用さ れることはなく、公立学校において教授言語となることもない。その結果、

マイノリティ言語話者は、社会の言語へとシフトする傾向にある。この状 況は、日本語話者にも当てはまる。とりわけ、異民族間結婚の比率が高い 日系人・日本人は家庭において英語を使用しており、次世代の使用言語が 日本語から英語へとシフトしやすい環境となっているxvi

5.まとめ

本稿は、バンクーバー在住の日系人・日本人の言語使用状況について、

国勢調査の結果を用いて分析した。多民族が共存するカナダでは、多文化 主義政策が採用され、個人がマイノリティ文化や言語を追及することが認 められている。バンクーバーはアジア出身の移民やその子孫が多く、カナ ダの中でもとりわけ多くの民族から成る社会である。そして、社会の共通 語である英語とともに、「自分たち」の言語を使用し維持していく者も多 く、多言語化が進んでいる。

現在、バンクーバーには3万名程度の日系人・日本人が居住する。その ほとんどはバンクーバー社会の言語である英語を習得しており、日本語を 話す者は8割程度、日本語を母語とする者は5割程度である。そのうえ、

日本からカナダへの移民は少なく、異民族間結婚の比率が高い。この現状 から、今後、日本語話者および日本語母語話者が著しく増加するとは考え にくい。しかし近年、国際結婚など長期滞在をする日本人には、日本語を 子どもに伝達しようと試みる者が少なくない。日本に住み、英語を話さな い自分自身の両親と子どもの間のコミュニケーションを望むためであるxviiただし、社会の共通語は英語であり、さらに多くの場合、配偶者の母語は 日本語ではない。そのため、日本語がもっとも使用されるはずの場である 家庭において、英語や配偶者によってはその他の言語も使用され、子ども に日本語を習得させることは容易ではない(時田、2009)。ただし、バンク ーバーの日系コミュニティは歴史的に古く一定の存在感があること、また

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日本語教育機関や日本文化センターなどが存在することなど、日本語話者 が交流して日本語や日本文化を維持する土壌がバンクーバーにはある。こ れらの機関が、日本語話者の日本語維持にいかなる役割を果たし、いかな る成果を挙げているのか、今後の課題としたい。

引用文献

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i カナダの歴史およびそれにう言語変遷については、木村編

(1999)を参照のこと。

ii ケベック問題については、小畑&竹中(2009)を参照のこと。

iii カナダの言語政策に関する史料は、『新編史料が語るカナダ』(日本カ ナダ学会編、2008)の第4章にまとめられている。公用語政策の変遷 は、矢頭(2006)を参照のこと。

iv Li(2003)によると、カナダ連邦政府にとって、移民をいかに社会に

受け入れていくかは常に大きな問題として存在してきた。

v 公用語を中心としたカナダの言語状況については、関口&浪田編

(2006)に詳しい。

vi カミンズ&ダネシ(1990)は、移民の言語保持はカナダの豊かな「資 源」となり、マイノリティ個人やコミュニティのみではなく、カナダ 社会にも好影響を及ぼすと述べている。

vii カナダの多文化主義政策に関する史料は、『新編史料が語るカナダ』

(日本カナダ学会編、2008)の第4・7章にまとめられている。

viii しかし、Reeder et al.(1997)によると、ブリティッシュ・コロンビア 州には、言語政策がほとんど存在しない。多言語状況への対応として は、いくつかの省庁がサービスの一環として、数言語によるサービス やパンフレットを作成する程度である。

ix カナダでは、国勢調査は5年に1回実施されるが、2006年に政権の座 に就いた保守党は、プライバシー保護を理由に従来実施してきた詳細 調査票を廃止した。そのため、2011年の調査では民族に関する調査が

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行われず、民族的出自やヴィジブル・マイノリティに関するデータは 存在しない。ただし、201511月に政権の座に就いた自由党は、

2016年の国勢調査では詳細調査票を復活させた。2011年の詳細調査 票の廃止については、大石(2015)に詳しい。

x ブリティッシュ・コロンビア州は、州の公用語を定めていない。

xi 日本の外務省の調査によると(在バンクーバー総領事館、2016)、

2015101日現在、領事館管轄地域における在留邦人数は33444 であり、そのうち生活の本拠をカナダに移したとする永住者数は

21484名であった。

xii 日本語を話す者には、日本に民族的出自がない者も当然含まれる。し かし、その多くは、日本に民族的出自がある日本語母語話者および第 二言語としての日本語話者であることが考えられる。

xiii カナダ政府は、1967年に移民の選別にポイント制を導入した。ポイン

ト制では人種は考慮されないため、ビジネスチャンスを求めてカナダ に移住した日本人も少なくなかった。彼らは、1900年前後の移民と区 別され、「新移民」と呼ばれる。

xiv ワーキングホリデー制度は、1986年に開始され、申請時に18-30 であることを条件とする。定員数は6500名であり、先着順にビザが 発給されるが、例年年内に募集が打ち切られるほど人気が高い。なお、

加藤(2009)によると、1990年以降ワーキングホリデーを利用してカ ナダに滞在する日本人女性は増え続けており、同時にカナダに永住す る日本人女性も増え続けている。

xv 異民族間結婚をしていたカナダの日本人・日系人は、2001年には 70%(Milan & Hamm, 2004)、2006年には74.7%(Milan, Maheux &

Chui, 2010)であった。この比率は、他の民族集団と比べると際立って

高い。Milan, Maheux & Chui(2010)は、日系人・日本人が少ないため 他民族との接触が多いこと、日系コミュニティは古くカナダになじん でいることをその要因として挙げている。

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xvi 日系人・日本人は異民族間結婚の比率が高いため、カナダの日系コミ ュニティの存続を危ういと考える研究者(ex. Makabe, 2005)もいる。

xvii バンクーバーに在住する、国際結婚をした日本人の母親たちへのイン

フォーマルインタビューによる。

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