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パーキンソン病における非運動症状と遺伝学的背景との関連

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Academic year: 2021

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(1)

─ ─60 森田昭彦 他 日本大学医学部総合医学研究所紀要

Vol.1 (2013) pp.60-61

1)日本大学医学部内科学系神経内科学分野 2)日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野 森田昭彦:[email protected]

fax EEG-1100とQP-220A(日本光電)を用い高速フー リエ変換によるパワースペクトル分析を用いた。患 者の白血球からゲノムDNAを抽出し,これまでに PDとの関連が指摘されている微小管結合蛋白質タ ウ 遺 伝 子(MAPT) や α シ ヌ ク レ イ ン 遺 伝 子

(SNCA),グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3β 遺伝 子(GSK3B)のtag SNP(single nucleotide polymor- phism)であるrs2435205(MAPT),rs356219(SNCA),

s6438552(GSK3B)について,TaqMan® SNP Geno- typing Assay(Applied Biosystems Inc.)を用いて,

遺伝子型決定を行った。統計解析には,SPSS(ver- sion 17.0, SPSS Inc.) を 用 い, 連 続 変 数 に 対 し て Mann-Whitney U testを行った(有意水準 α=0.05)。

3. 結果

各 遺 伝 子 多 型 の 頻 度 と 臨 床 情 報 の 関 連 で は,

rs2435205とrs356219と,年齢や罹病期間,UPDRS,

MMSE,BADSの間に,各々,有意差を認めなかっ た。rs6438552と年齢や罹病期間,UPDRS,MMSE の間に有意差を認めなかった。しかし,rs6438552 のdominant modelとBADSの年齢調整後得点との 1. はじめに

パーキンソン病(PD)は,黒質線条体ドパミン性 神経細胞の変性ならびにLewy小体の出現を特徴と する神経変性疾患である。PDでは,無動,筋固縮,

安静時振戦,姿勢反射障害などの運動症状のほか,

自律神経障害や嗅覚障害のほか,睡眠障害,抑鬱,

アパチー,アンヘドニアなどの精神症状,遂行機能 障害を含めた認知機能障害などの非運動症状を呈す ることが知られている1)。日本人における非運動症 状に関する臨床情報と遺伝学的情報との関連を評価 した。

2. 対象および方法

日本大学医学部附属板橋病院にて遺伝子解析につ いて書面での同意が得られたPD患者120名を対象 とし,Unified Parkinsonʼs Disease Rating Scale (UP- DRS), Mini-Mental State Examination (MMSE),

Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syn-

drome (BADS)などの臨床情報と脳波周波数解析

結果,遺伝子多型との関連を評価した。脳波周波数 解析は,従来報告してきた方法に準拠し2),Neuro-

森田昭彦1),大石 実1),中山智祥2)

要旨

日本人におけるパーキンソン病(PD)の非運動症状に関する臨床情報と遺伝学的情報との関連を 評価した既報はない。このため,PD患者120名を対象とし,既報でPDとの関連が指摘されている 微小管結合蛋白質タウ遺伝子やαシヌクレイン遺伝子,グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3β 遺伝子

(GSK3B)の遺伝子多型と臨床情報の関連を評価した。GSK3B遺伝子のtag SNPであるrs6438552の dominant modelとBehavioral Assessment of the Dysexecutive Syndromeの間に有意差を認め,日本 人PD患者においてGSK3Bと遂行機能障害との関連が示唆された。

パーキンソン病における非運動症状と遺伝学的背景との関連

Relationship between the non-motor complication and genetic background in Parkinson disease

Akihiko MORITA

1)

Minoru OISHI

1)

Tomohiro NAKAYAMA

2)

創立50周年記念研究奨励金(共同研究)研究報告

(2)

─ ─61

パーキンソン病における非運動症状と遺伝学的背景との関連

間に有意差を認めた。各遺伝子多型の頻度と脳波周 波 数 解 析 の 関 連 で は,rs2435205とrs356219,

rs6438552と脳波変化の間に有意差を認めなかった。

4. 考察・結語

GSK3BはMAPTとの遺伝子間相互作用が既に指 摘されており3),本検討においてもGSK3Bの認知 機能への関与が示唆された。一方,PDと遂行機能 との関連では,2010年にPD患者を対象とした検討 からcatechol-O-methyltransferase遺伝子のVal(158)

Met多型と認知機能,特に注意と遂行機能との間に 有意な関連があることが報告されており4),PDにお ける認知機能障害の原因の1つとして多様な遺伝学 的背景があることが示唆された。日本人PD患者に おいてGSK3Bと遂行機能障害との関連が示唆され た。

文献

 1) Aarsland D, Larsen JP, Lim NG, et al. Range of neuro- psychiatric disturbances in patients with Parkinsonʼs disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry 1999; 67:

492-496.

 2) Serizawa K, Kamei S, Morita A, et al. Comparison of quantitative EEGs between Parkinson disease and age-adjusted normal controls. J Clin Neurophysiol 2008; 25: 361-366

 3) Kwok JB, Hallupp M, Loy CT, et al. GSK3B polymor- phisms alter transcription and splicing in Parkinson's disease. Ann Neurol 2005; 58: 829-839.

 4) Hoogland J, de Bie RM, Williams-Gray CH, et al. Cat- echol-O-methyltransferase val158met and cognitive function in Parkinson's disease. Mov Disord 2010;

25: 2550-2554

参照

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