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研究の背景 1. IT 技術の進歩 スマートフォンやタブレット PC などの普及 2. 家庭や地域との連携 協力 教育基本法の改正 ( 第一三条 ) 3. 開かれた学校 への諸改革 学校運営協議会, 学校評議員制度, 学校支援コーディネイターなど 4. 学校選択制や学校評価制度の導入 学校情報の開示

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(1)

筑波大学教育学会自由研究発表 2014.3.8

「学校ホームページの運用と活用に関する現状分析と課題」

-NetCommons導入校への調査結果をもとに-

筑波大学人間系 上田 孝典 株式会社エデュケーションデザインラボ 平塚知真子

(2)

研究の背景

1. IT技術の進歩

・・・スマートフォンやタブレットPCなどの普及

2. 家庭や地域との連携・協力

・・・教育基本法の改正(第一三条)

3. 「開かれた学校」への諸改革

・・・学校運営協議会,学校評議員制度,

学校支援コーディネイターなど

4. 学校選択制や学校評価制度の導入

・・・学校情報の開示(アカウンタビリティ)

(3)

課題意識

●1990年 文部省「情報教育に関する手引」(2002,2009年新版)

●1998年 中学(「情報とコンピュータ」必修)

高校(「情報」新設)

同年 情報化の進展に対応した教育環境の実現に向けて

(情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する 調査研究協力者会議 最終報告)

●2005年 文科省「e-Japan戦略の目標達成に向けて

-教育の情報化の推進のためのアクションプラン-」

●2006年 文科省「学校教育情報化推進総合プラン」

●2008年 文科省「学力向上ICT 活用指導ハンドブック」

●2011年 文科省「教育の情報化ビジョン」 ・・・などなど

(4)
(5)

公立学校のHP開設状況

小学校 中学校 高等学校 2005年 69.7% 68.6% 97.3%

2008年 80.4% 79.9% 99.6%

2013年 88.0% 87.1% 99.6%

(文科省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」)

ホームページ運用上の課題

①時間的負担が過大 68.7%

②後任者の不足 49.7%

③内容のマンネリ化 40.2%

(豊福晋平「悉皆調査およびアンケートからみる小学校ホーム ページの運用状況」情報処理学会研究報告,2004)

(6)

教育の情報化の阻害要因

2004年 2005年

①事前に行う準備の時間がない 86.2% 88.6%

②授業で使える教育用コンテンツが不足している 84.4% 81.7%

③ITに関する教員のスキルが不足していること 87.1% 83.5%

課題は

1)教員の時間的余裕や負担感 2)更新に関する知識・技術不足

3)HPに掲載するコンテンツがわからない

清水康敬・山本朋弘・堀田龍也・小泉力一・吉井亜沙

「学校教育の情報化に関する現状と今後の展開に関する 調査結果」『日本教育工学会論文誌』30-No.4,2007

現状は?

(7)

研究の目的

学校ホームページ(学校HP)の現状を把握し,

現代的な意義と役割を再検討する。

研究の課題

1.学校HPの現状についてアンケート調査から明らかにする

2.IT技術の進展と学校改革の動向を踏まえた学校HPの

在り方を検討する。

(8)

Ⅰ.専門スキルを必要とせず、誰もが短時間で、安全に ホームページが作れるソフトが必要

<仮説>長年の教育現場における課題を解決する為 には以下の3つの要件が必要である。

• 学校ホームページを「ホームページ作成ソフト」で作成してい る限り、担当者には専門スキルが求められ、誰もができる作業 ではなくなる。そのため、担当者に様々な負担が集中する。

• タイムリーな情報発信が求められる現代、担当者が直接記事を

書き込み、承認を経て公開される方法が必要である。

(9)

Ⅱ.学校と教育委員会の役割分担を明確化することが必要

• 学校は日々の更新に係る日常的な業務の範囲を担う

• セキュリティ対策やシステム障害対策等、専門家に委託した ほうが安全で効果的な作業等について判断基準を持ちにくい

• ガイドラインの作成や詳細な学校情報に関わるコンテンツな どは教育委員会によるサポートが不可欠

<仮説>長年の教育現場における課題を解決する為

には以下の3つの要件が必要である。

(10)

Ⅲ.学校の日常をタイムリーに伝えるブログと、

学校経営の情報公開がきちんとできることを目指す

• 持続可能な情報発信体制づくりのためには、あらゆる情報 を掲載する必要はない

• 保護者や地域が知りたいことは日々の学校の様子である

<仮説>長年の教育現場における課題を解決する為

には以下の3つの要件が必要である。

(11)

NetCommonsとは国立情報学研究所が開発、提供する次世代情報共有基盤システム

すでに10年間の実績があり、全国で4000を超える学校・教育委員会・教育センターが導入

「教育の情報化」推進のための国家プロジェクトとして利用料無償

NetCommonsを導入した自治体を調査

専門スキルを必要とせず、誰もが短時間で、安全にホーム

ページが作れるソフトの1事例として・・・

(12)

調査概要

「学校のICT利用実態に関するアンケート調査」

調査目的: 教育現場におけるICT化の認識及び推進における NetCommonsの導入効果を検証する

調査対象: NetCommonsを教育委員会主導で導入し、学校など域内 の組織全体で最適化を実現した市町村教育委員会

調査期間: 平成25年3月1日~31日

回 答 数: 4市町村教育委員会・小中学校94校・549人の教職員

(13)

表 1 アンケート回答市町プロフィール

市町村名 A市教育委員会 B町教育委員会 C町教育委員会 D市教育委員会

回答者役職 副主幹 指導主事 教育課 主査 教育総務課主任

導入検討開始年 平成19年4月 平成22年3月 平成23年9月 平成21年4月 導入年 平成19年8月 平成22年11月 平成24年4月 平成24年9月

導入方法 入札 随意契約 随意契約 入札

〈管轄する小学校について〉

学校数/学級数 28/409 7/50 3/23 27/315

児童数 6,316人 703人 545人 7,717人

教育職員数(専任) 613人(470人) 84人 52人(42人) 724人(651人)

〈管轄する中学校について〉

学校数/学級数 10/117 5/22 1/10 13/148

生徒数 3,059人 436人 347人 3,913人

教育職員数(専任) 301人(246人) 80人 29人(25人) 401人(371人)

(14)

表2 回答者役職別人数(※教育委員会は除く)

91 16

142 11

105

180

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

校長先生 教頭または副校長 学年主任・教務主任・

教科主任・主幹教諭 情報担当者 事務職員 上記以外の教員

110 77

122

175 61

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

0~5年 6年~15年 16年~25年 26年以上

不明

表3 回答者教員歴別人数

(15)

設問 10年前とホームページ運営の課題は変わったのか?

(1)現在,学校のホームページを運営する際に,困難に感じているのは どのようなことですか。困難だと感じている順に3つを選び,

アルファベットでご回答ください。

a 多忙で修正や更新を行う時間的余裕がない【時間的なこと】

b ホームページのデザイン等技術的な問題【IT専門知識の不足】

c 何を掲載すべきかコンテンツが分からない【組織的な目標設定が曖昧】

d 特定の担当者に負担が集中している【組織的な更新体制が未整備】

e 地域や保護者からの反応や,個人情報・肖像権など,トラブルへの不安【リスク要因】

→1位を3点、2位を2点、3位を1点として集計し、グラフ化したのが次のスライド

(16)

「時間がない」「専門知識がない」が2大ハードル→10年前と全く変わっていない。

図 ホームページの運営に困難さを感じる原因【全教職員】

a.多忙で修正や 更新を行う 時間的余裕がない

【時間的なこと】

39.0%

b.ホームページの デザイン等技術的

な問題

【IT専門知識の 不足】

20.7%

n=545

「時間がなくても」「専門知識がなくても」運営できるホームページが必要

(17)

図 ホームページの運営に困難さを感じる原因【全教職員】

d.特定の 担当者に負担が

集中している

【組織的な更新体 制が未整備】

20.6%

e.地域や保護者か らの反応や,個人 情報・肖像権等,

トラブルへの不安

【リスク要因】

12.2%

c.何を掲載すべき かコンテンツが

分からない

【組織的な 目標設定が曖昧】

5.7%

f.その他

(自由記述)

1.7%

n=545

専門知識が必要

→ システムの導入により負担を軽減 → 研修の実施により不安を軽減

各学校の現場任せにせず、

教育委員会主導で

組織の体制を整えるべき

(18)

教育委員会

学校

学校の負担を軽減し、

教育の情報化を推進 できる仕組みを提供

ガイドラインを作成、

コンテンツの更新に 集中する

専門業者 教育委員会主導による情報化の仕組とは

 システムの選定、サーバやシステムのセキュリティ保守、障害・トラブル対応等の専門的な 作業について外部委託先の決定、研修の計画、実施は教育委員会が担当

 学校ごとに校長先生を中心にガイドラインを作成し、目的を共有

 個性を発揮するコンテンツの更新について、各学校が担当する

サーバ・システムの

保守のみ業務委託 システムをいつでも安全に

使えるクラウドを利用

・専門業者の選定

・大震災・非常時への対応等 方針の決定

・研修の実施

(19)

学校ではなく、教育委員会が学校ホームページについて一元的に サーバー・システム保守、研修を実施することに賛成か反対か

a 賛成である, 344, 65.0%

b どちらでも

よい, 170,

32.1%

c 反対である, 15, 2.8%

教育委員会の ほうが適切

安全 安心

一元化によるメリッ トがある

学校 の 負担 軽減

「賛成」の理由

「どちらでもよい」と回答した 理由は以下の2つに集約

n=545

設問 学校現場はどう思っているのか?

(20)

実際にNetCommonsサイトの更新にかかる時間と負担感はどうなのか?

(21)

必要な時にいつでもどこでもタイムリーな情報発信が実現

• 学校行事の様子、部活動の結果をその日のうちに伝えることができる。

• 遠足の帰校時間の遅れをHPで伝えることができて有効であった。

• インフルエンザや遠足や宿泊学習等、校外での学習について、リアルタイムに保護者に知らせるこ とができる。(メール配信との併用が有効)

• 緊急時に電話やメール等つながりにくい時には、HPを活用し連絡手段になり得る一方で、保護者や 地域の方等への周知も必要であると思った。

HP上に掲載しておけば、必要な人が必要なタイミングで必要な情報を得られる

• 他校の様子を知りたいとき、学校のホームページを見ている。

• 外部講師の方に学校に来ていただいたとき、ホームページで学校の様子、子どもの学習内容を 把握していただいていた。そのため、子どもとの関係が深まった。

• 教育委員会の研修のとき、先生方で作り上げた教材をグループルームにアップさせることで、

研修後も活用できた。

ホームページ更新のメリットとは? <アンケートの自由記述より>

NetCommons を導入し、約2年が経過するころから、

ホームページを更新するメリットを強く実感する

先生方が増加している。

(22)

HPをきっかけに会話が弾み、関係がより良く強化

•

保護者の反応、評価が非常に高かった。

•

学校HPを通して家庭でHPを見ながら、コミュニケーションの機会が増えたという話を 聞いた。

•

更新しようとすることで、教育活動が児童、生徒の活動に目がいく職員が増えた。

•

家庭訪問や三者相談で、保護者との会話のきっかけになった。

•

保護者や地域の方も見ていただいて様子がわかってよいという声が聞こえてきた点。

•

保護者や地域の方々がたくさん見ている。見ている人々の期待が感じとれた。

•

大きな行事だけではなく小さなことも簡単にアップできる。

ホームページ更新のメリットとは?

学校で起きた良いこ とをシェアする、

という側面 学校から知らせる

べきことを適宜、

手軽にお知らせ できるという側面

学校や子どもたちの 良いところに自然と 目が行くようになる

保護者や地域に 味方ができる

(23)

学校ホームページで 様子を知ったPTAが 自発的に協力を

申し出てくれるよう になった

NetCommons

を運用開始して

3年めの大子町

教育委員会から

の嬉しい報告

(24)

まとめと考察

学校のICT化をめぐる課題はこの10年で変わっていない

→ 国の諸政策や教育委員会の対応を

抜本的に再検討する必要があるのではないか

再検討する視点 ①「学校HPはなぜ必要か?」について の共通認識

②校長のリーダーシップによる更新の 日常化

③教育委員会との役割分担の明確化

(25)

学校HPはなぜ必要か?

→ICTとは、Information&Communication Technologyである。

「開かれた学校」とは、地域社会の一員となること。

「日々、学校で子どもたちはどう生活しているか」が可視化されることにより、地 域との交流が図られる必要がある。

→そのために必要な情報は、

「子どもの日常の風景」

つまり、趣向をこらした情報デパートにしなければ・・・というハードルが教員を 技術的不安を煽り、負担感を増し、手がつけられなくなっている。

SNSの技術により、オンデマンドで更新できるインターフェースが普及している 現在、誰もがいつでも簡単に情報をUPすることができる。

(26)

J-KIDS大賞選考基準(2012)

※J-KIDS大賞は、情報発信手段としてのホームページを普及・向上させるために創設された小学校ホームページ の全国コンクール(実行委員長:慶應義塾大学環境政策学部村井純教授、事務局:国際大学GLOCOM)

(27)

全51項目と大変多い

例えば・・・

●印刷物(学校だより・学年学級通信)

●2011年度の学校統計 ●2011年度の教職員名簿

●校歌 ●沿革・学校の歴史 ●校時表(時間割または日課表)

●教育目標・経営方針(※)

●2010年度以降の学校評価 ●保護者向けQ&A・諸手続解説

●2010年度以降のPTA・地域連携記録

●2010年度以降の児童制作作品(図画工作作文等)

●2010年度以降の総合学習・調べ学習の学習成果

●おすすめホームページ

(※)・教育目標やグランドデザインの全体が図で示されている ・具体的目標が示されている(状態や数値)

・保護者が読んで理解できるように平易に書かれている ・学校評価との関連性が明記されている

(28)

(例1)尾道市立土堂小学校のHP(2009,2011年度J-KIDS大賞、2007,2010年度ベスト8、2008年度総務大臣賞、2006年度デジタルイメージ賞)

(29)

“見てもらうHPのしかけ”

1. 先生や子どもたちが日々更新する 生の情報をTOPページにする

2. プライバシーに配慮しつつ、一つ一つ の記事にフィードバックする仕掛けを 用意する(いいね!)

3. 保護者や地域の住民についての記 事を多く扱う

“留意すべきこと”

1. サーバに保存された情報を「公開」

する権限の明確化

2. 学校と教育委員会の役割分担を 明確化

3. 情報担当(情報化推進コーディネ イター)と一般教員の役割分担を 明確化

(30)

学校HPの在り方

①子どもたちの日常の風景を知りたがっている。

→ 日頃から保護者、地域住民が閲覧することで、

学校評価が実質化する意義がある。

②すべての教員がいつでも更新できる仕組み作り。

→ 技術や知識の壁を取り払い、人事異動にも対応できる ハード(サーバー)・ソフト(システム)が必要。

③メディアリテラシー(個人情報や著作権など)に配慮した公開の仕組み作り。

→ 管理職のリーダーシップと機動性。

④学校情報の積極的開示。

→ 情報担当教員または情報化推進コーディネイターのサポート体制の構築。

(31)

残された課題

①学校HPの記事と閲覧数の関連についてエビデンスを提示すること。

②教育委員会と学校の役割分担の在り方についての検討を深めること。

③それぞれの役割に即した研修体制の在り方について検討すること。

④情報担当教員の養成と情報化推進コーディネイターの配置に関する検討

⑤情報化に関わるガイドラインの比較検討

ありがとうございました。

図

表 1  アンケート回答市町プロフィール  市町村名  A 市教育委員会 B 町教育委員会 C 町教育委員会 D 市教育委員会 回答者役職  副主幹 指導主事 教育課 主査 教育総務課主任 導入検討開始年 平成 19 年 4 月 平成 22 年 3 月 平成 23 年 9 月 平成 21 年 4 月 導入年  平成 19 年 8 月 平成 22 年 11 月 平成 24 年 4 月 平成 24 年 9 月 導入方法 入札 随意契約 随意契約 入札 〈管轄する小学校について〉 学校数/学級数  28 / 40
図  ホームページの運営に困難さを感じる原因【全教職員】  d.特定の  担当者に負担が  集中している  【組織的な更新体 制が未整備】  20.6% e.地域や保護者からの反応や,個人情報・肖像権等,トラブルへの不安【リスク要因】 12.2%  c.何を掲載すべきかコンテンツが 分からない 【組織的な  目標設定が曖昧】 5.7%  f.その他  (自由記述) 1.7%  n=545             専門知識が必要                         →  システムの導入により負担を

参照

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