Vol.157
10.1/ 2014
10
証券アナリスト 杉谷 崇
《マーケット フォーカス》
− はじめに −
1.日本経済は年後半に向けて成長軌道に 2.企業が国内の設備投資を増加させている 3.国内の空き家の割合が過去最高に
4.日本は「輸出大国」から「輸入大国」へ
5.政府は赤字の大企業の税負担を増やす方向 6.米国、「証券訴訟」の乱発に一定の歯止め 7.新興国の外貨準備高が急増
MONTHLY REPORT
8.中国の住宅市場の冷え込みが一段と鮮明に 9.LNG船やLNG受入基地での受注が本格化
《トピックス》
1.米国経済は民需主導での復調が期待できる 2.「ROE」2ケタ台への挑戦が始まる
3.民法の「債権法部分」を抜本的に改正 4.「防衛関連銘柄」にスポット
October
◆欧州中央銀行が「利下げ」を決定
欧州中央銀行(ECB)は、9月4日に政策金利 の引き下げを決めた。下げ幅は0.1%で、指標と なる金利は過去最低の0.05%となる。また、同時 に融資債権を証券化した資産担保証券(ABS)
の買い入れを10月から実施する事も決めている。
ECBがABSの購入を決めた事は、銀行の債権 売却を助け、企業向けの貸し出しに動きやすく するのが狙い。また、ECBが伝統的な利下げの みに頼る金融緩和から、資産の買い入れにまで 踏み込んだ事は、FRBや日本銀行が実施してい る国債購入を主軸とした量的緩和に近づいた事 になる。また、域内の銀行がECBに余剰資金を 預けた場合に手数料を課す「マイナス金利」を従 来の0.1→0.2%にする事も決めた。マイナス金 利は、銀行がECBに資金を停滞させず、貸し出 しに回すよう誘導する狙いがある。ECBはマネー が域内に十分に行き渡っていない事が、経済が 勢いを欠く要因であると分析している。
ドラギECB総裁は、必要なら一段の措置を講じ るとしており、追加緩和にも含みを残している。
市場では、目に見える大きな効果を出すには、
FRBが実施しているような大規模な資産買い入 れが必要だとの見方が支配的になっている。
◆「円安」の恩恵は限定的
為替市場で円相場が1ドル=109円台まで下落、
約6年ぶりの円安・ドル高水準をつけた。米国の 量的金融緩和の終了が見込まれ、市場が「強い ドル」を意識しているためで、年末には110円まで 円安が進むとの見方もある。中期的な為替相場 の流れを決定づける金利の動向も、ドル高・円安 に向かっている。日米の金利差が広がれば、低 金利の円を調達して、高金利のドルを買う動きが 広がり、円売りの勢いが更に増すと思われる。
円安は日本経済にとって追い風とされている。
対ドルで10%円安になると、日本の実質GDPは 年0.2%押し上げられるといわれている。輸出増 だけでなく、企業の海外子会社の円建て収益も 膨らみ、企業の業績押し上げ効果もある。
しかし、自動車などの生産拠点が海外に移り、
円安が日本経済を押し上げる力は以前より弱く なっている。もう一段の円安がどこまで輸出増に 繋がるか見通しにくい。また、円安で輸入品の値 段が上がれば、家計の負担も増す。4月の消費 増税で家計の購買力は目減りしており、更に物 価が上がると、消費にはマイナスになると懸念さ れる。今後、1ドル=110円の円安が日本の株高 につながるのか、難しい局面に来ている。
◆「第2章」は内需中心の景気対策
内閣府は2014年4-6月期の実質GDP成長率 が年率換算▲7.1%と発表した。4月の消費税 引き上げに伴う駆け込み需要の反動と設備投 資が前期比2.5→5.1%減となった事が主要因。
2014年7-9月期は、個人消費や設備投資の 持ち直し、2013年度補正予算の効果が7月以 降に顕在化する事などから、GDP成長率は前 期比年率4.0%強に回復すると予想されている。
7-9月期の実質GDPの発表は11月17日。
こうした中、来年10月の消費増税実施の判断 が年末にかけての大きな政治的課題となる。
消費増税の実施(8→10%)は、国際公約でも あり、実施が見送りになれば、「アベノミクス」が 挫折したとして、外国人は日本株売りに出ると 思われる。このため、安倍政権は今秋から年 末にかけて、各種の予算は消費増税のための 環境整備が最優先課題になると思われる。
また、今秋は金融政策で米FRBのテーパリン グ(量的緩和縮小の終了)、ECBの量的緩和 再開、日銀のフォワードガイダンス(金融政策 の先行き見通し)強化など、重要なイベントが 相次ぐ。日米欧の金融緩和が長引く事は、
「金融相場」の延長につながる事になろう。
秋から始まる「アベノミクス第2章」
−欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を拡大−
はじめに
1 日本経済は年後半に向けて成長軌道に
−7-9月期以降は設備投資の積み増しに期待−
◇7-8月は個人消費が不振で政府が景気テコ入れ策実施へ
日本経済研究センターの予測では、7月のGDPは前月比0.7%増と回復 が鈍い。8月は国内新車販売(9.0%減)の低迷や大手百貨店売上(0.3%
減、5ヵ月連続減)が振るわず、個人消費に力強さが見られない。天候不 順や急激な円安が響き、9月の景気も低水準が想定される。政府は消費 税10%を想定に、2015年度の予算編成では、地方再生を含めて、4兆円 の特別枠をつくり、民間投資などのテコ入れを図るとしている。
また、7-9月期は統計処理に3つの特別な要因が働き、成長率は景気の 実態以上に上振れし、数字と実感とがずれる可能性がある。
◇4-6月期のGDPは7.1%に減額修正
日本経済は年後半に向けて穏やかな成長軌道に戻ると8月中旬時点 で予測していたが、4-6月期の実質国内総生産(GDP)は前期▲6.8%
(年率換算・速報値)から改定値▲7.1%に減額修正された。消費増税 後の反動や物価上昇で、実質賃金の前年割れが続いたのが要因。
7-9月期GDPは、企業が設備投資を積み増し、個人消費の回復から 4.4%(民間調査機関12社予測)成長を見込んでいる。夏のボーナス増 や賃上げで所得環境が改善する見通し。政府は後ずれした公共投資 が増加に転じ、住宅投資の税制優遇策などが景気を押し上げるとみる。
実質経済成長率の見通し
(出所) 日本経済新聞社 (注) 民間見通しの平均値、前期比年率 2014年7-9月期から2015年にかけ
プラス成長が続くと予想 8
%
4 0 -4 -8
2012 13 14 15
見通し
◇製造業の投資理由は「維持・補修」が約3割
製造業の投資理由をみると、「維持・補修」をあげる企業が27.3%を占 め、2013年度実績から1.7ポイント上昇し過去最高に。金融危機や東日 本大震災で手控えてきた設備の維持・補修を再開する動きが出ている。
半面、国内で生産能力を高める動きは乏しい。「能力増強」を投資目的 とした企業は、2.2ポイント減の20.9%で過去最低だった。
ただ、高水準を維持してきた海外での設備投資も大幅に減速している。
全産業の2014年度計画は、自動車などの伸びに一服の反動が出るため 2%増に留まり、2013年度実績の19.8%増から伸びが鈍っている。
◇非製造業は1980年度以来の伸び
日本企業が国内の設備投資を増加させている。日本政策投資銀行の 調査(資本金10億円以上、2,246社ベース)によると、2014年度の設備 投資計画は、全産業の国内投資が2013年度実績比15.1%増の17兆 7,102億円と、計画段階ながら24年ぶりの高い伸びとなったと発表。
内訳をみてみると、製造業が同18.5%増、非製造業が13.2%増を予 想しており、特に非製造業は1980年度以来の伸びとなっている。
業種別では、自動車関連がエコカー関連の生産設備を増やしている 他、小売業関連が新規出店を拡大させたりする動きが目立った。
企業が国内の設備投資を増加させている
−全産業の国内投資は15.1%増(2013年実績比)の17兆7,102億円の予想−
2
国内設備投資の増減率の推移
(出所) 日本政策投資銀行 (注) 前年度比
計画段階としては24年 ぶりの高い伸びだが、
維持・補修が3割を占め ている
20
%
10
0
-10
-20
90年度 95 2000 05 10 14 【計画】
◇時代遅れの税制が撤去を阻む
一方、時代遅れの税制が撤去を阻んでいる。土地にかかる固定資産 税は、住宅が建っていれば、本来の6分の1に軽減されるが、取り壊すと 優遇が薄れ、税額は約4倍に跳ね上がる。持ち主にとっては、空き家の ままの状態が合理的で、住宅を取り壊そうとしない。
自治体の一部では、空き家対策の条例をつくり、撤去費の補助などを 始めた。自民党も秋の臨時国会に固定資産税の見直しなど空き家対策 を提出する方針。65歳以上の世帯は、2013年10月で全体の40%。75歳 以上世帯は、初めて1千万世帯を超え、空き家の増加は続く見通し。
◇国交省は新評価指針を作成し業界へ普及を促す
国内の空き家の割合が2013年10月で13.5%(820万戸)と過去最高に。
人口減少が深刻な地方を中心に増え、山梨22.0%、長野19.8%、和歌 山18.1%が上位。空き家増の要因は活用も撤去も進まないため。
住宅流通全体(新築・中古合計)で中古の割合は13%強となっており、
米国9割強、英国8割強と比べ極端に低い。日本では住宅をリフォームし て長持ちさせる意識が希薄なのが、その要因だと思われる。国交省は、
築後20-25年ほどで価値をゼロとみなす商慣行を見直し、補修で価値が 高まる新しい評価指針を作成、関連業界へ普及を進めるが道半ば。
3 国内の空き家の割合が過去最高に
−人口減少が深刻な地方を中心に空き家が増加している−
空き家率と住宅総数の推移
(出所) 総務省 (注) 2013年は速報値、カッコ内は2008年との比較
住宅流通市場全体の中 古の割合は13%強で 米国や英国より低い
住宅総数 うち空き家
15 10 5 0
%
空き家率 13.5%
(0.4ポイント上昇)
6,063万戸 (305万戸増)
820万戸 (63万戸増) 6,000
4,000 2,000
0 1963年 68 73 78 83 88 93 98 2003 08 13 万戸
住宅総数
◇農業生産額は減少傾向が続く
国内の農業生産額は、2012年で8.5兆円と10年前から5%減少。農業 は高齢化と後継者不足が著しく、今後も生産額は減少傾向が続く。中国 の食肉加工会社が使用期限切れの食肉を使用していた問題や、2008 年の冷凍餃子事件で、消費者は海外産の食品購入には消極的で、国 産品嗜好を強める。だが、牛丼チェーンなど業者は、食材の安定調達 上、輸入品が欠かせない。自動車産業も震災前の2010年上期に比べ、
完成車の国内生産台数はほぼ横ばいだが、部品の輸入額は約1.7倍に。
円安下でも海外にシフトした調達先を国内に戻すのは簡単でない。
◇国内供給力不足や安価な海外部品調達など構造的要因
日本の輸入の増加状況が続いている。財務省の貿易統計によると、
2014年1-6月の日本全体の輸入額は、42兆6,500億円と上半期で過去 最高になった。野菜や果物の日本の輸入額は、今年上半期で5,006億 円と前年同期比8%増と、上半期として過去最高となっている。また、自 動車産業も輸入増とは無縁でなく、上半期の自動車部品の輸入額は、
3,970億円と29%増えた。背景にあるのは、国内の供給力不足や、安い 海外部品の調達など構造的な要因があげられる。日本は「輸出大国」か ら「輸入大国」に変わりつつあり、今後の成り行きに注目が集まっている。
4 日本は「輸出大国」から「輸入大国」へ
−1-6月の日本全体の輸入額は42兆6,500億円と上半期で過去最高に−
(出所) 財務省の貿易統計資料
日本の「野菜・果実」及び「自動車部品」の輸入額の推移
億円 6,000 4,000 2,000 0
億円 4,000 3,000 2,000 1,000
0 世界合計
中国から
野菜・果実 自動車部品
2000年 02 04 06 08 10 12 14
◇「外形標準課税」は景気に左右されにくいのが利点
「外形標準課税」は2004年度に導入。従業員に支払う給与の総額や 金融機関に支払う利子額、資本金などをもとに企業に課税する仕組み。
黒字企業が負担する利益への課税と異なり、赤字企業も納める。資本 金1億円超の大企業が対象。景気に税収が左右されにくい利点がある。
収益の高い企業は税負担が減り、投資拡大などの効果が期待出来る。
赤字企業は黒字転換が急務となるが、同税は給与総額が増えるほど課 税額が増えるため、企業が給与を増やしにくくなる。政府は法人実効税 率を20%台に下げるため、財源確保の改革を段階的に進める方針。
◇日本の法人実効税率はドイツ並が目標
政府は赤字の大企業の税負担を増やす検討に入った。所得に関係 なく課税される「外形標準課税」を重くし、所得にかかる法人税を軽くす る方針。日本の法人実効税率は、34.62%(全国平均)と国際的に高く、
日本企業の競争力を高めるため数年でドイツ(29.59%)並に引き下げる。
ただ、法人税率を1%下げると、約5,000億円弱の税収減となり、その 補填が必要となる。その切り札としてあげられているのが「外形標準課 税」。政府が党税調に示すのは、①2015年度に「外形標準課税」を法人 事業税の2分の1に広げる、②同様に8分の5まで拡大する2案。
5 政府は赤字の大企業の税負担を増やす方向
−所得に関係のない「外形標準課税」を重く−
2015年度の「法人税」改正案
(出所) 各社資料、報道などを基に筆者作成 (注) 2014年度予算ベース。法人事業税は地方法人特別税を含む 2015年度
法人税 国の収入 法人税 10兆円 地方自治体
の収入 法人住民税
2.7兆円 法人事業税
4.8兆円
利益に応じ課税 資本金に応じ課税 給与総額などに応じ課税 負担軽く
・外形標準課税
→2倍以上
・資本割→廃止 負担重く
赤字の大企業 黒字の大企業
現 状
2015年度
◇証券訴訟での和解金額は1996年以降で約850億ドル
証券訴訟では、企業の虚偽開示の内容を投資家が信じていた事を原 告側が立証する必要がある。この負担を軽くしたのが「ベーシック判決」
だった。これを契機に、米国での証券訴訟の件数は上昇、2000年代前 半まで年間200件超の新たな提訴があった。その後、2013年まで過去10 年で年150件超の水準で推移した。米国の証券訴訟で支払われた和解 金額は、1996年以降の合計で約850億ドル(約8.6兆円)となっている。
企業側には訴訟リスクは大きい。今回の判決は、米国上場の日本企 業にも防御手段に大きな選択肢が出来たと歓迎されている。
◇ 企業には敗訴時の賠償リスクが大きく和解が選択肢
米国は「証券訴訟」の乱発に一定の歯止めをかける新ルールを打ち 出した。投資ファンドなどが米資源開発サービス大手ハリバートンを訴 えた集団訴訟に絡み、最高裁は株価に影響がなかったと企業側が立 証すれば、集団訴訟を認めてもらうクラス認定を防げるとした。
これまで証券詐欺の場合、裁判所がクラス認定をほぼ自動的に認め てきた。1988年に最高裁が出した「ベーシック判決」の判例が根拠とな り、訴訟のハードルを下げ投資家を保護する事が目的。半面、企業に は敗訴時の賠償リスクが大きく、和解以外に選択肢がなくなっていた。
米国、「証券訴訟」の乱発に一定の歯止め
−株価に影響しない開示については、株主による集団訴訟を制限−
6
「米証券訴訟」での米連邦最高裁の今回の判断
(出所) 米スタンフォード大ロースクール
米国の証券訴訟件数の推移
(出所) 各社資料、報道などを基に筆者作成
250 200 150
件
100 50
02004年 05 06 07 08 09 10 11 12 13 企業の虚偽開示で株価
に影響を受けた
企業の賠償金や和解金
が巨 額 にな りや すい
審理を経て評決・判決︑または和解へ
審査 裁判所が集団訴訟として認めるか 集団訴訟
株主たちが集団 訴訟を提起
今回の最高裁判断 株価がほとんど影響を受 けていないのなら、集団 訴訟として認められない。
→今後、些細な証券訴 訟を起こしにくくなる
承 認
◇投資マネーの流れ逆転で市場混乱も
IMFによると世界の外貨準備の約6割はドル建て。新興国の金融市場 に投資マネーが流れ込むほど、政府の通貨介入で外貨準備が膨らみ、
外貨準備マネーが米国債に還流する仕組み。先進国の金利が低下す るほど、投資マネーが新興国に向かう循環も働き易くなる。
実際、米長期金利は昨年末の3%程度から足元で2.5%に低下した。
米国景気の好転見通しから、市場では米国の利上げ時期を巡る観測が 芽生えつつある。米金利政策の転換を意識すれば、新興国に向かう投 資マネーの流れが逆転して、市場が混乱する可能性も無視出来ない。
◇2014年3月末の世界の外貨準備高は過去最高
中国や韓国など新興国の外貨準備高が急増し、過去最高を更新中。
国際通貨基金(IMF)によると、2014年3月末時点の世界の外貨準備高 が昨年末比1,787億ドル増の11兆8,646億ドルで過去最高となった。
増加分の大半が新興国による積み上げ。中国は6月末で約4兆ドル、
韓国、台湾なども過去最高を更新。昨夏に資金流出に見舞われたイン ドやインドネシアも外貨準備の水準が急回復。経常黒字や先進国から 流入する投資マネーで、自国通貨高になるのを抑えようと、新興国が ドル買い為替介入を続けた結果、ドル中心に外貨準備が積み上がった。
7 新興国の外貨準備高が急増
−米国の利上げ観測などで資金の流れが変わる可能性も−
(出所) IMF
外貨準備を巡るマネーの流れ 新興国の外貨準備高の推移
(出所) 各社資料、報道などを基に筆者作成 億ドル
400 200 0 -200 -400
2013/1 3 5 7 9 11 2014/1 3 5 7 新興国への資金流入 が増え続けている
先進国 新興国
金融緩和
長期金利低下
高利回り求め マネーが流入
米国債に還流
通貨高を抑える ため介入
外貨準備が増加
◇地方政府の債務返済額は10兆元超
地方政府は域内総生産の多くを不動産投資が占める。土地譲渡収入 は、2013年通年で4.1兆元を超え、前年の1.4倍と過去最高に。2014年 1-3月も前年同月比40%増の約1兆元と増勢が続く。地方政府は、税金 などの財政収入とは別に、その6割弱を土地の売却で稼ぎ出している。
地方政府は原則、地方債を発行出来ず、財政支出は財政収入の3割 を上回る状況にある。2013年6月時点で地方政府の債務返済に直接責 任を負う分は10兆元を超える。土地転売なしには財政が回らないのが 実情。住宅価格の下落は、景気を一段と減速させるリスクを増す。
◇1-7月の不動産販売額は前年同期比8.2%減
中国の住宅市場の冷え込みが一段と鮮明になった。7月は主要70都 市の9割で前月より価格が下落。1-7月の不動産販売額は、前年同期比 8.2%減と、1-6月(6.7%減)より落ち込みが拡大している。
政府は全国一律に不動産登記情報を把握するシステムを整備し、不 動産税(日本の固定資産税)導入に布石を打つ。中国国内では、住宅 の投げ売りや汚職容疑の摘発を恐れて保有不動産を売り急ぐとの観測 も出ている。実際、投資対象マンションの売却が増え価格を押し下げる。
住宅市場の冷え込みが中国景気全体を引っ張る構図が強まっている。
8 中国の住宅市場の冷え込みが一段と鮮明に
−中国景気の下押し圧力が強まる−
(出所) 中国国家統計局
主要70都市の新築住宅価格が前月比で下落した都市数
都市数 60 50 40 30 20 10
0 2012年 2013 2014
主要70都市の約9割の64都市 で価格が前月より下落
◇LNG輸入国では受入基地の整備が進む
LNG船の受注船価は、バルクキャリア(ばら積み船)やタンカーと比べて 高水準を維持しており、日本の造船会社にとって高採算の船種となって いる。また、LNG輸入国では受入基地の整備も進む見通し。海外では中 期的にLNG輸入量の増加が見込まれ、中国やインドなどアジア、欧州で 受入基地の増強が計画されている。IHIは、2013年12月以降にインド、タ イ、中国、日本でLNG受入基地の設備を相次いで受注している。
一方、造船、重機、プラント企業では、米ボーイングと欧州エアバスの受 注残高機数が過去最高水準に積み上がっており、関連企業の恩恵は大。
◇日本契約のLNG船の必要隻数は40-50隻
LNGプラントの大型案件の発注が続く中、LNG船や輸入国でのLNG 基地に対する投資が本格化する見通し。北米ではシェールガスのLNG 輸出が2017年前後から始まる予定。また、LNG船の発注は2014年夏以 降に動きだす見通しで今後LNG関連の企業に注目が集まると思われる。
日本企業では、東京ガスなどが米国の大型LNGプラント3社と売買契 約を締結した。また、日本契約のLNG船必要隻数は40-50隻に達すると 推測される。商船三井は、中期計画でLNG船を2013年度末-2019年度 末に54隻増、日本郵船も2018年度末に同33隻+αを計画している。
9 LNG船やLNG受入基地での受注が本格化
− 北米のシェールガスのLNG輸出は2017年前後から始まる予定−
受注船価の動向 主な「LNG船・受注基地」関連銘柄
石油、LNGタンク工事で大手
海外LNGタンク建設の好採算案件が一服 0.96
18.9
▲31.1 トーヨーカネツ 272
6369
アルミ圧延能力世界3位
2015年夏に鋳造から一貫生産開始 1.18
18.4 28.0
U A C J 429 5741
造船大手。船舶用ディーゼルで世界的、傘 下にFPSOエンジニアリングの三井海洋開発 0.92
18.6
▲23.6 三 井 造 船 245
7003
総合重機トップ。ガスタービン、航空宇宙・防 衛、産業機械など事業分野は幅広い 1.55
18.5 25.6
713.4 三 菱 重 工 業
7011
総合重機の一角。鉄道車両、大型バイク、油 圧機器、中型ガスタービンなどに強み 2.00
16.0 8.9
川 崎 重 工 業 435 7012
24.3 18.5 予 会社名 PER
I H I 明 星 工 業
航空エンジン、大型ボイラー、LNGタンク貯 蔵等に強い
2.45 7.1
7013 549
670 株価
保温・保冷工事の大手専門工事業者 海外LNG出荷基地工事に実績 1.13
1976 0.4
事業内容等 経常益 PBR
コード 伸び率
(出所) 各社資料、報道などを基に筆者作成 (注) 株価は9月24日終値 単位:円、%、倍 (出所) ロンドンの大手シップブローカー「クラークソン」
米景気の穏やかな回復を踏まえ、FRBは「量的緩和の縮小」と事実上 の「ゼロ金利維持」を決めているが、市場の焦点は10月に予定する緩和 停止後の出口を巡る判断に移りつつある。
◇米主要企業の業績は堅調に推移
一方、米企業の収益が底堅く推移している。主要500社の2014年4-6 月期の純利益は前年同期比約8%増。牽引役はITで、金融を除く全業 種で利益が増加する。2014年通期では9%程度と、増益率が3年ぶりの 大きさになる可能性がある。ただ、先行きの収益環境に影を落とすのが 地政学リスクの高まりで、市場参加者が注目しているのはウクライナ情勢。
底堅い米企業業績が、7月下旬以降の米株高の原動力の1つだが、
7-9月期の決算が今後どうなるのかなど、年末にかけて注意が必要。
◇FRBによる金融政策の正常化など不安材料が残る
米国経済の復調が鮮明に。3年ぶりのマイナス成長に沈んだ1-3月期 から4-6月期は、消費と投資の民間需要が持ち直し、年率4.0%の高成 長を達成した。ただ、住宅市場の調整色が強まり、賃金も伸び悩む。
米自動車販売台数は春以降急速に回復、上半期の実績が7年ぶりに 800万台を突破。また、家電、コンピューターなどの買い替え需要も好調。
一方、消費の現場には警戒感も強い。支出は前年比プラス予想だが、
全般に慎重ムード。また、住宅市況への不安は更に強い。中古住宅市 場は比較的しっかりしているものの、6月の新築一戸建て住宅販売件数 が前月比約8%の大幅なマイナスを記録。4-6月期は民間の住宅投資 が前期比7.5%増と、前期のマイナスから浮上したが勢いは弱い。
TOPICS 1 米国経済は民需主導での復調が期待できる
−年後半は概ね3%程度の「巡航速度」が続くと予想−
米実質GDP成長率の推移
(出所) 米商務省
米主要企業の純利益の伸び率
(出所) トムソン・ロイター (注) 前年同期比
% 10
8 6 4 2
0 2013/4-6 7-9 10-12 14/1-3 4-6
% 6 4 2 0 -2
-4 1-3 7-9 4-6 10-12
2011年 2012 2013 2014
今年に入って月平均23万人で伸びる 新規雇用者数が好影響を与えている
◇ROEが8%を超えると株価が上昇する
ROEを細かく分析すると、日米で最も差が出るのは利益の上げ方。
特に、米国は売上高利益率が7%で、日本企業の2倍に近い。低収益 の事業には早めに見切りを付け、強みのある分野に集中するといった 経営姿勢の差にあるとの指摘が多い。では何故「ROE8%」なのか。
理由は投資家がリスクの見返りとして上場企業の求める期待リターン を示す「株主資本コスト」にある。昨年発表した調査では、国内外の機 関投資家が日本株に求める株主資本コストは、8%という回答が約3割 で最多だった。日本株の過去のROEを調べると、ROEが8%以下だっ た時期は、日本株のPBRは1倍前後に留まり、8%を超えるとPBRが上 昇している。高ROE銘柄は市場で高く評価されている事を示している。
◇GPIFがROE重視の投資姿勢を鮮明にした影響は大きい
自己資本利益率(ROE)とは1年間の純利益を自己資本で割った数値。
東証1部上場企業では2013年度は平均8.6%、前年から3ポイント強改善。
しかし、米国S&P500種株価指数の採用企業は2013年度で14%台。
過去30年、日本のROEが10%を超えた事は一度もなく、最高は1984年 度の9.8%。小泉政権当時の2005年度に9.5%に上昇したが、リーマン・
ショックで再び悪化した。今回は3度目の2ケタ台への挑戦となる。
日本の株価は、日本企業のROEの低さが株価低迷の1つとされてきた。
その是正の動きが、最近株式市場で注目されてきている。特に、年金積 立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、ROE重視の投資姿勢を鮮明にし た事が、最近の上場企業の「ROE重視」の傾向に繋がっている。
TOPICS 2 「ROE」2ケタ台への挑戦が始まる
−過去30年、日本のROEは10%を超えた事がない−
日米のROEの推移
(出所) S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス (注) 日本は2001年度は赤字。米国は暦年 20
15 10 5 0
%
米国
日本
93 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 13
日本のROEは2013年度は平均8.6%となっ たが、米国は14%台でまだ開きが大きい
民法改正の最終案の主なポイント
◇中小企業の資金繰りを助ける制度も強化される
中小企業の資金繰りを助ける制度の強化も、最終案の柱の一つに。
中小企業が商品を売ったり、工事を請負ったりする契約を結んでも、代金 の支払いはすぐに受け取れない。商品を納めたり、工事が完成したりした 後に、代金を受け取る権利(債権)が生まれる。この債権は自由に売買出 来るが、多くの場合、債権の売買を禁止する「特約(債権譲渡禁止特 約)」を結ぶ。このため、今の規定では特約を無視して売った場合は無効 になる。そこで最終案では、特約があっても債権を売れるようにする。
また最終案では、「連帯保証人」のあり方の見直しも求めている。第三者 の個人が、連帯保証人になろうとする場合は公証人との面談を義務付け、
「リスク」を正確に理解しているかを確かめる事を求めるとしている。
◇経済活動を活発にする事が狙い
お金のやりとりに伴う契約ルールを定めた「民法の規定(債権法)」が 全面的に改正される。明治時代の法律を約120年ぶりに見直し、時代に 合った中身にする。民法は1896年(明治29年)に出来たが、大幅な変更 は殆ど行われず、裁判例の積み重ねが「事実上のルール」になってきた。
最終案では、インターネット社会への対応として、買い物の際に売り手 が契約内容を提示する「約款」の規定を新設する方向性が示された。
また、お金の貸し借りの時効も大きく変わる。今は飲食代が1年、弁護 士報酬は3年など細かく規定されているが、原則として5年に統一する。
法制審議会が来年2月に法務大臣に「民法改正案」を答申し、それを 受けて、法務省は来年の通常国会に、「民法改正案」を提出する方針。
9債権譲渡禁止特約の緩和
中小企業が資金調達をしやすくするため、将来見込まれる収 益を第三者に譲りやすくする
9法定利率を引き下げ、変動性に
現行の年5%を3%に。3年に一度、市場金利を参考に見直しを 検討
9殺傷事件などの損害賠償請求権を長期化
被害に遭ってから20年、賠償請求権を知ってから5年に 9欠陥商品の修理、交換、減額などの請求
買い手の請求権を法律に明記 9敷金のルール
経年劣化の修繕は、借り主に義務がない
9連帯保証人の届け出義務
個人が中小企業の連帯保証人になるには、公証人との面談が 必要。その企業の役員や主要株主、事業に携る配偶者は例外 9誤解していた契約は取り消し可能に
消費者が製品の品質などをきちんと理解していなかった場合 9意思能力の規定を新設
認知症の高齢者など、判断力が弱い人が結んだ契約を無効に できる
9約款に関する規定を新設
契約成立後の一方的な内容変更を禁止。消費者に著しい不利 益となる内容は取り消せる
9お金の貸し借りの時効の統一
原則5年。ただし、貸した側が存在を知らなかった場合は10年
TOPICS 3 民法の「債権法部分」を抜本的に改正
−時代に合わせて消費者を守る視点を重視−
(出所) 各社資料、報道などを基に筆者作成
◇「防衛装備移転3原則」で防衛装備の輸出が可能に
最近、防衛関連企業は、開発に伴う防衛関連経費の負担増に加え、
販売減などにより、経営環境が厳しくなってきている。その打開策の1つ が「武器輸出3原則」の見直し。政府は、抜本的な見直しにより、新たに
「防衛装備移転3原則」を閣議決定した。この変更により、一定条件下で 防衛装備の輸出が可能となり、防衛装備によっては、量産効果が見込 める他、技術装備によるロイヤリティ収入の確保も可能となった。
更に、安倍首相は従来認められていなかった「集団的自衛権」を閣議 決定で容認した。安倍政権発足後、防衛関連費は一転増加基調に。
安倍政権は、近隣諸国の海洋進出が目立つ中、離島防衛強化などを 打ち出しており、関連費用の増加傾向は、今後も続くと予想される。
◇防衛関連予算の膨張圧力が高まる
日本は戦後、軍隊を持たぬ平和国家を目指した。多くの国が軍備に 多額の予算を使う中、日本はひたすら経済政策、社会インフラ投資に 邁進し、奇跡的な高度経済成長を達成、経済大国となった。
日本の消費税は社会保障費などの財源を目的に、4月より5→8%に引 き上げられた。そういう中、日本の防衛関連費は増加している。最近、
新興諸国の経済成長に伴い資源問題など様々な対立軸が生じており、
日本もその部外者ではいられなくなってきているのがその要因。更に、
近年は兵器の高度化に伴い、防衛関連予算が膨張してきており、防衛 省の平成27年度予算の概算要求は、新型輸送機「オスプレイ」の購入 費など、過去最大の5兆545億円(今年度予算3.5%増)を要求している。
装甲車など戦闘用車両を生産 1,958(2/6)
2,578.5(9/22) 1.76
16.2 237,000
242,056 2,548.5
コ マ ツ
6301
防衛省関連最大手 530(5/8)
730(1/16) 1.55
18.5 230,000
183,159 713.4
三 菱 重 工 業 7011
防衛システムの電子部品を供給 164(5/21)
237(8/7) 1.57
18.4 400
195 519 日本アビオニクス
6946
レーダー、地対空誘導弾など生産。偵察衛星開発 1,083(5/21)
1,438.5(9/19) 1.99
17.2 260,000
248,990 1,411
三 菱 電 機 6503
探査用レーダーなど航空用計器の大手 212(5/21)
330(1/8) 0.99
12.0 2,460
3,980 281
東 京 計 器 7721
潜水艦を生産。ヘリや輸送機に強み 350(4/24)
496(1/20) 2.00
16.0 66,000
60,605 435
川 崎 重 工 業 7012
自衛隊向け大砲を手掛ける 378(5/12)
590(1/10) 1.20
34.8 10,000
9,704 449
日 本 製 鋼 所 5631
予今期
前期 予 PBR 高値 安値 関 連 事 業
PER 株価 経常利益
会社名 コード
TOPICS 4 「防衛関連銘柄」にスポット
−「防衛装備移転3原則」を閣議決定−
主な「防衛関連銘柄」
(出所) 各社資料、報道などを基に筆者作成 (注) 株価は9月24日終値 単位:円、百万円、倍、月日
Vol.157
10.1/ 2014
10
証券アナリスト 杉谷 崇
2014年10月号の参考銘柄
(コード 5741)
U A C J
2
(コード 8804)
東 京 建 物
5
(コード 7011)
三 菱 重 工 業
4
(コード 6474)
不 二 越
3
(コード 4114)
日 本 触 媒
1
− 今月の参考銘柄一覧 −
・触媒、酸化技術で国際水準。SAP(吸水性樹脂)は、2006年から世界首位。AA
(アクリル酸)は世界3位。リチウムイオン電池用電解質、燃料電池用材料に注力。
・2015年3月期はSAP、AAともインドネシアでフル操業。停止していた姫路製造所の 生産設備も完全復活しており、売上高3,600億円(前期比19%増)、営業利益260 億円(前期比89%増)の増収・増益予想。1ドル=100円想定。
・SAPの増産計画を発表。2018年までに生産能力を現在より3割増やす。
・中期経営計画ではSAP、AAをセットで拡充し、今後新たに2-3拠点建設する予定。
2020年度の売上高は、M&Aで健康・医療にも参入し5,000億円を目標としている。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、よろしくお願い致します。 1
紙おむつ材料となるSAP(吸収性樹脂)を増産
−SAPは2006年から世界首位を走る−
1,164.1 16.0
51.7 10,503
16,647 302,136
14.3
103.5 98.5 41.4 EPS
(円)
30,000 28,500 13,824 経常利益
(百万円)
― 22.0
21,000 370,000
予16.3
― 22.0
20,000 360,000
予15.3
1,059.9 16.0
8,401 269,520
13.3
BPS (円) 配当
(円) 税引利益
(百万円) 売 上
(百万円) 決算期
― 1.76
8.5 12.7
予想
1.07 PBR
(倍)
4.4 ROE
(%)
1.28 24.1
実績
配当利回り
(%)
PER 諸指標 (倍)
企業の基本情報
注目ポイント
SAPは新興国を中心とした紙おむつ需要の拡大で、使用量が増加 している。今後も年6-7%の成長が期待出来る市場となっており、SAP 事業の拡大は続くと予想され、設備投資も積極的に進めている。
株価は、2月4日の安値1,001円をつけた後、上昇トレンドに入り、7月 1日に高値1,384円をつけ、現在1,250円を挟む動きとなっている。
企業業績は、懸念材料であったシェア低下などの影響もなく、事故 前の水準に回復し、増収・増益予想と好調に推移しており、この株価 水準は中期の対象銘柄として注目していきたい。
日本触媒
(コード 4114)
1,000 売買単位
(株)
204,000
(14.9.25)
発行済株数
(千株)
1,001
(14.2.4)
安値
(円)
2,544
(14.9.25)
東証 第一部 1,384
(14.7.1)
1,247
(14.9.25)
時価総額 上場市場
(億円)高値
(円)
株価
(円)
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、よろしくお願い致します。 2
― 1.37
6.1 19.7
予想
1.21 PBR
(倍)
6.4 ROE
(%)
2.05 14.4
実績
配当利回り
(%)
PER 諸指標 (倍)
企業の基本情報
注目ポイント
・アルミ圧延能力で世界3位、缶材に強み。2013年10月に古河スカイと住友軽金属が 合併して誕生。米国など海外で生産能力を増強中。
・2015年3月期は前下期の統合が通期で寄与。缶材はやや弱いが、厚板が数量増。
集中購買や物流などでも統合効果が徐々に発現しており、増収・増益予想。
・タイのラヨン圧延工場の冷延工程が稼働入り。2015年夏に鋳造から一貫生産を開始 する予定で、計画通りに進んでいる。投資総額は500億円強になる見込み。
・米国で自動車用パネル材事業の開始を計画。高水準の燃料規制を要求される米 自動車業界では、軽量化を目的として、アルミ材の採用が進んでおり期待大。
シェールガスの輸入を背景に、LNG船の厚板需要も今後数年間は 順調に増加すると見られる。今後の供給責任を果たすため、厚板の 生産設備の増強を計画している。LNG船厚板は中期30-40隻規模に。
株価は、6月6日に安値328円をつけた後上昇し、8月7日には484円 をつけたが、その後少し弱含みの動きとなっている。
企業業績は、来期も統合効果の発現が進む他、中期的にはタイの 新圧延工場の稼働率上昇による収益の改善が見込まれ、現在の株 価水準は投資妙味が高いと思われ、引き続き注目していきたい。
LNG船用の厚板の生産シェアはほぼ100%
−成長分野に積極的に取り組んでいる−
363.3 9.0
30.4 9,946
16,798 364,107
14.3
33.9 22.2 13.9 EPS
(円)
28,000 21,500 5,819 経常利益
(百万円)
― 6.0
14,500 586,000
予16.3
― 6.0
9,500 560,000
予15.3
336.8 6.0
3,146 183,702
13.3
BPS (円) 配当
(円) 税引利益
(百万円) 売 上
(百万円) 決算期
1,000 売買単位
(株)
428,281
(14.9.25)
発行済株数
(千株)
328
(14.6.6)
安値
(円)
1,876
(14.9.25)
東証 第一部 484
(14.8.7)
438
(14.9.25)
時価総額 上場市場
(億円)高値
(円)
株価
(円)
UACJ
(コード 5741)
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― 0.99
14.1 18.3
予想
2.50 PBR
(倍)
8.7 ROE
(%)
0.74 29.9
実績
配当利回り
(%)
PER 諸指標 (倍)
企業の基本情報
注目ポイント
・工具、ベアリング、産業用ロボットの大手。油圧機器、工作機械、特殊鋼も。自動車、
航空機用ブローチなど、高シェア、独自製品が多いのが特色。
・2014年11月期は北米やアジアで自動車生産が活発、収益柱のベアリングが好調で 大きく伸びる。新製品の上乗せで、工具や産業用ロボットも順調に増加しており、
操業度改善が進み、連結業績予想の売上高を従来予想の2,050→2,150億円(前 期比22.4%増)、営業利益同170→195億円(同58.0%増)に上方修正。
・北米でカーエアコン用ベアリングが好調で増産投資を実施している。
・中期経営計画では2016年11月期の売上高2,500億円、営業利益250億円を目標。
自動車やエネルギー・インフラ向けを中心に需要が堅調の他、コスト ダウンによる収益の改善が進んでおり、今期の業績予想を上方修正。
海外売上比率4割で円安を享受、更なる利益の嵩上げが期待出来る。
株価は、2012年9月の安値を起点に、約2年間上昇トレンドを続けて おり、現在新高値圏での動きとなっている。
企業業績は、北米、アジアで自動車生産の活発化などにより堅調を 維持している。株価は2年余り上昇トレンドを続けているが、業績がその 裏付けとなっており、この株価水準は上値余地があると思われる。
世界最速の小型ロボットなど市場ニーズを取り込む
−今期の業績は需要好調で上方修正−
不二越
(コード 6474)
1,000 売買単位
(株)
249,193
(14.9.25)
発行済株数
(千株)
576
(14.2.20)
安値
(円)
2,014
(14.9.25)
東証 第一部 810
(14.9.25)
808
(14.9.25)
時価総額 上場市場
(億円)高値
(円)
株価
(円)
310.2 6.0
27.0 6,706
11,698 175,697
13.11
50.3 44.2 18.4 EPS
(円)
20,000 17,500 9,111 経常利益
(百万円)
― 8.0
12,500 230,000
予15.11
(323.5)
8.0 11,000
215,000 予14.11
249.0 6.0
4,585 172,259
12.11
BPS (円) 配当
(円) 税引利益
(百万円) 売 上
(百万円) 決算期
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― 1.39
8.4 18.6
予想
1.57 PBR
(倍)
10.4 ROE
(%)
1.11 15.1
実績
配当利回り
(%)
PER 諸指標 (倍)
企業の基本情報
・総合重機トップ。航空宇宙、防衛、産業機械、LNGタンク等で強み。風力発電も。
日立と火力発電向けの事業を統合。防衛省への納入実績では第1位を誇る。
・2015年3月期は火力向けガスタービンなどが伸長。航空機部品も堅調。売上高4兆 円(前期比19.4%増)、営業利益2,500億円(同21.3%増)の増収・増益予想。
・小型旅客機「MRJ」は秋にも初機完成、2015年上期中に飛行試験段階へ。2017年 の就航を目指している。旅客機製造分担品ではB787主翼の操業度が上昇。
・経営姿勢をシェア重視、技術重視→収益性重視の体制に移行しており、社員の コスト意識、利益へのこだわりが強くなってきている。今後の業績の拡大に期待大。
シェア、技術重視から収益性重視の体制に移行
−米国での原発リスクはあるが中長期の成長力には評価が高い−
注目ポイント
エネルギー・環境分野は火力発電事業を日立と統合した効果が出 始めている。第2四半期以降、統合効果を更に高める事が出来るかに 注目していきたい。海外売上高は約5割で円安はフォローの風に。
株価は、1月16日に高値730円をつけた後、5月8日には530円まで 下落したが、その後戻りトレンドに入っている。
企業業績は火力発電設備が牽引し、経常利益は大幅増益と好調に 推移している。同社は日本を代表する会社で、成長製品を多数有し、
この株価水準は中期的に魅力が高まっていると思われ注目したい。
三菱重工業
(コード 7011)
1,000 売買単位
(株)
3,373,647
(14.9.25)
発行済株数
(千株)
530
(14.5.8)
安値
(円)
24,344
(14.9.25)
東証 第一部 730
(14.1.16)
721.6
(14.9.25)
時価総額 上場市場
(億円)高値
(円)
株価
(円)
460.0 8.0
47.8 160,428
183,159 3,349,598
14.3
41.7 38.7 29.0 EPS
(円)
260,000 230,000 149,028 経常利益
(百万円)
― 10.0
140,000 4,300,000
予16.3
― 10.0
130,000 4,000,000
予15.3
410.9 8.0
97,330 2,817,893
13.3
BPS (円) 配当
(円) 税引利益
(百万円) 売 上
(百万円) 決算期
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― 0.68
26.9 5.1
予想
1.36 PBR
(倍)
4.0 ROE
(%)
0.56 37.5
実績
配当利回り
(%)
PER 諸指標 (倍)
企業の基本情報
・マンション販売、ビル賃貸、不動産証券化(SPC)事業を展開。旧安田系の総合不動 産会社。「ブリリア」ブランドのマンションの販売と賃貸ビルが収益の柱。
・2014年12月期はSPC事業を連結化、ビル賃貸は稼働率が改善しているがマンション は大型物件少なく1,370戸(532戸減)と大幅後退し単価も低下。営業利益は減益 予想。税引利益が大幅に増益となるのは、固定資産売却による特別利益。
・ジェイコムHDと提携、介護業務の提供を受け高齢者向け住宅の展開を強化。
・マンションは東京・目黒駅前の大型案件が、当面の目玉、2015年販売を開始。
・2015年夏以降に竣工予定の「日本橋一丁目プロジェクト」への期待が高い。
東京の再開発計画に期待
−首都圏不動産価格に株価が敏感に反応−
注目ポイント
2020年の東京五輪の開催に向け、東京の再開発は待った無しの 状況で、今後もオフィス市場が改善するなど、同社を取り巻く経営環 境が良くなる事が見込まれ、今後の業績の拡大が期待される。
株価は、1月17日に高値1,166円をつけた後、4月15日には775円に 下落し、その後は少し戻しているが戻りが弱い。
企業業績は、マンションの大型案件が少なく、少し苦戦しているが、
来期はマンション販売の復活が予想される。株価は調整を経て、割安 感が出てきており、年初来高値への再挑戦に期待している。
583.1 5.0
23.6 10,121
21,959 230,026
13.12
21.0 174.6 23.8 EPS
(円)
15,000 9,000 21,741 経常利益
(百万円)
― 6.0
9,000 230,000
予15.12
(650.1)
6.0 75,000
225,000 予14.12
476.2 5.0
10,243 194,161
12.12
BPS (円) 配当
(円) 税引利益
(百万円) 売 上
(百万円) 決算期
東京建物
(コード 8804)
1,000 売買単位
(株)
433,059
(14.9.25)
発行済株数
(千株)
775
(14.4.15)
安値
(円)
3,833
(14.9.25)
東証 第一部 1,166
(14.1.17)
885
(14.9.25)
時価総額 上場市場
(億円)高値
(円)
株価
(円)
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八月号九月号
2.5 7.8
330 9/1
347 322
8/26 富 士 紡 ホ ー ル デ ィ ン グ ス
3104
-19.5 0.7
910 7/29
1,139 1,131
7/28
ア ン リ ツ
6754
2.5 7.1
488 7/31
510 476
7/28
N T N
6472
13.7 13.7
1,597 9/25
1,597 1,405
7/28
積 水 樹 脂
4212
5.5 5.5
740 9/25
740 701.5
7/28
東 レ
3402
-7.8 4.7
583 7/1
662 632
6/25 ジ ャ パ ン デ ィ ス プ レ イ
6740
4.9 7.3
535 9/9
547 510
8/26
富 士 電 機
6504
10.0 10.0
1,949 9/25
1,949 1,772
8/26
O S G
6136
3.3 4.2
247 9/5
249 239
8/26
D I C
4631
-0.1 4.4
2,223 9/22
2,323 2,225
8/26 インターネットイニシアティブ
3774
12.3 12.6
1,035 9/25
1,038 922
7/28
日 阪 製 作 所
6247
7.3 10.9
530 7/29
548 494
6/25
フ ジ ク ラ
5803
-10.5 8.5
454 7/23
550 507
6/25
大 同 特 殊 鋼
5471
3.6 6.4
402 9/24
413 388
6/25
住 友 化 学
4005
22.3 22.5
1,851 9/25
1,854 1,514
6/25 東 芝 プ ラ ン ト シ ス テ ム
1983
七月号
現値時点
(%)
高値時点
(%)
現在 日 付 株価
掲載日 高値 株 価 掲載日
銘 柄
号 コード
パフォーマンス表(7月号・8月号・9月号の参考銘柄)
(現在値は9月25日終値)
ご 注 意
金融商品取引法に基づく表示事項
本資料をお客様にご提供する金融商品取引業者名等
商号等: おきなわ証券株式会社 金融商品取引業者 沖縄総合事務局長(金商)第1号 加入協会: 日本証券業協会
本資料は以下に記載の<<利益相反に関する開示事項>>に記載のとおり、日本アジア総合研究所株式会社(以下、「JARI」)が作成したものですが、お客 様への本資料のご提供はおきなわ証券株式会社(以下、「おきなわ証券」)が行っております。
■ 手数料等およびリスクについて
国内株式の委託売買の際は、約定代金に対し最大1.1880%(税込み)(ただし、最低手数料が2,700円(税込み)に満たない場合は2,700円(税込み))の売買手数料をい ただきます。国内株式を募集等によりご購入いただく場合は、購入対価のみのお支払いとなります。また、外国株式の委託売買の際は、売買金額(現地約定金額に現地手 数料と税金等を購入の場合には加え、売却の場合には差し引いた額)に対し最大0.9720%+4,320円(税込み)(ただし、最低手数料が5,400円(税込み)に満たない場合 は5,400円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。
国内店頭取引で外国株式を売買される場合、取引価格に取引の実行に必要なコストが含まれているため、別途の手数料は必要ありません。ご購入は購入対価のみのお支 払いとなります。なお、外国株式の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。詳細は 当社営業員にお問い合わせください。
また、株式売買の際は、株式相場、金利水準、為替相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等、それらに関する外部評 価の変化等により損失が生じるおそれ(元本欠損リスク)があります。なお、信用取引等を行う場合は、対象となる株式等または指標等の価格変動により損失の額がお客様 の差し入れた委託保証金などの額を上回るおそれ(元本超過損リスク)があります。
※ 外国取引にかかる現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、当書面上にその金額等を記載することはできません。
※ 当社では、株券の保護預かり料金は頂いておりません。
<<執筆担当者による宣言>>
当レポートの執筆担当者は、本調査資料に表明された(個別企業に関する)見解が、対象企業が公表する資料および見解を中立的な立場から要約したも のであり、私自身の分析評価および特定の見解を表明するものではないことをここに証明します。また私は、本資料で特定内容の要約を行なうことに対す る直接的または間接的な報酬は、過去、現在共に得ておらず、将来においても得ないことを証明します。