• 検索結果がありません。

種子島の保育所・幼稚園における予防接種状況

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "種子島の保育所・幼稚園における予防接種状況"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

vv’vvvvvv“vv’vvx.rvvv,

 報    告

v’v’vvNAAA,tvvvm.rvvv

種子島の保育所・幼稚園における予防接種状況

第2報 一予防接種に対する意識調査一

根路銘安仁1)2),今中 啓之2),藤山 りか1)2)

児玉 祐一)2),武井 修治3),河野 嘉文2)

〔論文要旨〕

 同報によれば保育所における予防接種率は幼稚園のものより低かった。集団生活する保育所・幼稚園 の予防接種の徹底は感染症防止対策上最も重要な課題であるため予防接種に対する意識調査を行った。

予防接種の情報源は自治体からの広報・通知が9割以上であり,受けていない理由に関しては病気で接 種期間をのがしたり,保育所の保護者では平日の時間がとれないことが多かった。解決には行政と協力

し予防接種に関する正しい知識予防接種の意義および副反応に関して啓発普及に努めることが必要で あり,受けやすい環境づくりとして通年化や休日接種など接種体制を整えていく必要がある。

Key words:予防接種率,保育所,幼稚園,意識調査

1.目

 今日,就学前の児のほとんどは幼稚園・保育 所等の集団生活下にあり,これらの集団に対す る予防接種の徹底は感染症防止対策上最も重要 な課題である。種子島においても前報によれば 3歳以上で68,7%が保育所か幼稚園で集団生活 をおくっており,1歳以降に接種する予防接種 の保育所における接種率は幼稚園より低かっ た。そこで,幼稚園と保育所保護者の予防接種 に対する意識調査を行い,予防接種率が低い問 題点を明らかにする。

皿.方

 種子島の0歳児から5歳児までの保育所と幼 稚園に通うすべての保護者を対象とした。前報

と同じ保育所13施設,幼稚園8施設に同時に平 成15年5月に調査票を送付,保護者に記載して もらい回収した。なお,個人が特定できる項目 は設問に設定せずに,施設を通じて回収した。

調査項目は,予防接種に対する情報の入手先,

予防接種を受けた理由,感想,これまで予防接 種を受けていない理由,予防接種を受ける際の 不都合自益である。また,アンケート項目ごと に保育所と幼稚園の間に差があるか,カイ2乗 検定により統計学的検討を行った。

皿.結 1.対象者

 広報同様送付対象者は1,160名で,有効回答 数は895名(保育所486名,幼稚園409名),有効 回答率は77.2%であった。

The Knowledge, Attitude, and Practice Study about Vaccination among Parents at Nursery Schools and Kindergartens in Tanegashima lsland

Yasuhito NERoME, Hiroyuki IMANAKA, Rika FuJlyAMA, Yuichi KoDAMA,

Syuji TAKEI, Yoshifumi KAwANo

1)田上病院小児科(医師)2)鹿児島大学大学院小児発達機能病態学分野(医師)

3)鹿児島大学医学部保健学科(医師)

別刷請求先:根路銘安仁 鹿児島大学大学院小児発達機能病態学分野      〒890-8520鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8-35-1

     Tel:099-275-5354 Fax:099-265-7196

   (1831)

受付06.5.26 採用06.9.6

(2)

2.予防接種に関する情報(図1)

 予防接種の情報入手先は,自治体からの広 報・通知が保育所95.1%,幼稚園96.3%と最も 多かった。母子健康手帳が幼稚園31.8%,保育 所22.4%で次に多く,育児雑誌や家族や知人,

病院等で説明されたのはそれぞれ1割前後であ った。また,「母子健康手帳をみて」(p<0.01),

「病院等で説明された」(p<0.001)では,有 意に幼稚園の保護者が高かった。

3.これまでの予防接種を受けた理由(図2)

 「予防接種をしておくべきだ」が保育所で 90.1%,幼稚園で90.2%であった。次に多かっ たのは,「保健センターで勧められたから」が 保育所で8.2%,幼稚園で10.3%であった。そ の他の項目については数%と高くなかった。幼 稚園と保育所の保護者間での違いはなかった。

4.これまでの予防接種に対する感想(図3)

 「受けてよかった」が保育所で76.1%,幼稚 園で79.7%と最も高かった。しかし「分からな

い」と答えたものが,保育所で19.1%,幼稚園 で14.7%であった。幼稚園と保育所の保護者間 での違いはなかった。「受けさせない方がよかっ た」とした人が幼稚園で1名いたが,理由とし ては副反応がでたからであった。

5.予防接種を受けていない理由(図4)

 「風邪や発熱のためにできなかった」が,保 育所36.0%,幼稚園20.5%と最も高かったが,

保育所が有意に高かった(p<0.001)。次に,「受 けさせるつもりはあるのだが単純にまだ受けて いないだけである」が保育所24.1%,幼稚園 19.3%であった。3番目は「もうすでに罹った ため」が幼稚園7.6%,保育所3.5%で幼稚園が 有意に高かった(p〈0.Ol)。「罹るべきで予防 接種を受ける必要性はない」と思っているもの

も,保育所で1.4%,幼稚園で2,2%とあった。

その他の項目は1%以下であった。

6.予防接種を受けるうえでの問題点(図5)

 「期間が決まっている」が両者とも最も高く,

    普段予防接種に関する情報はどのように知ることができますか

   95.1 el.

tOO.OOI.

90.Ool.

80.Ool.

70.ool.

60.oel.

嵩so・oel・

40.oel.

30.oe!.

20.Oele

lo.ool.

O.OOI.

96.3%

■保育所486名 c稚園 409名

ll■1

pく0.01 黶@ 31β%

22.4% p<0.001

13.9%『 147%

11.1 2%

6.6%@■幽 1脅r%腎

0.2%07%α0%0.0%

自治体からの広報・通知 母子健康手帳をみて 病院等で説明された 新聞・テレビなどからの情報 育児雑誌からの情報

図1 予防接種に関する情報

家族や知り合いから知らされて これまで予防接種のことは知らなかったその他

(3)

これまで,予防接種を受けた理由を教えてください

1 OO.OOI.

go.ool.

80.ewlo

70.ool.

 60.ool.

Kfi so.oo!.

 40.ool.

30.ool.

20.ool.

io.oel.

o.oel.

家族・親戚に勧められたから

予防接種をしておくべきだと思っていたから 友人・知人に勧められたから かかりつけ医師に勧められたから 保健センターで勧められたから

図2 これまでの予防接種を受けた理由

ただ何となく その他

保育所で36.8%,幼稚園で37.7%であった。「平 日の時間がとれない」が保育所で25.5%,幼稚

園で12.2%と保育所が有意に高かった

(p<0.001)。また「接種するところが遠い」

は1%前後と少なかったが,その他で予防接種 の有料化を記載していた保護者が保育園で 2.3%,幼稚園で1.2%を占めていた。

】v.考

 集団生活は,病気を互いにうつしやすい環境 であり,ひとたび感染が持ち込まれれば大流行 が起こりやすい。そのため感受性者を減らすた めに予防接種の徹底は重要な感染症対策であ る。前報で1歳以降に接種する予防接種の保育 所における接種率は幼稚園のものよりも低い結 果となっていた。そこで接種率を上げるうえで の問題点を明らかにするため調査を行った。

 予防接種の情報の入手先であるが自治体から の広報・通知が最も多く,保育所・幼稚園とも に95%を超えていた。過去の報告においても,

自治体からの広報・通知が最も多くユト7),他の 項目に関してはほぼ同じであった。しかし,病 院関係者からの情報に関してはこれまでの報告

眺臥眺眺眺幌伽脇

90

@80 η 60 50 憩 30 20    冊口回

lo.ests

o.osts

これまで予防接種を受けてどう思われますか

  寧  雛  書  幕

  1 建1 ε

図3 これまでの予防接種に対する感想

では3・一6割であったのに対し低い傾向が認め られた。このように自治体からの広報・通知が 最も大事な情報源であり,各自治体と小児科医

は予防接種を促す通知や広報の作成を工夫する 必要がある。また,病院関係者からの情報提供 が,当地区では低かったため一般受診時に予防 接種歴の把握と指導をするさらなる努力が求め

られる。

 次に,予防接種を受けた理由に関しては,「受

(4)

40.ool.

35.0910

30.Ool.

25.Oo/e

ge 20.ool.

1 5.001e

4 0.Ool.

5.Oo1e

O.oo/.

P〈O.OOI

n 受けておられない理由をお教えください

36.0% 謙劃

24.1%

20.5% 1_

p<0.01

Z璽%

  5,9%

T.1%   一

      3.5「%

」・一・・…轡・…錫、・・。・・覧1・

1

予防接種は危険なので受けるべきではないと思っている

他の病気があり医者から止められている

アレルギー体質なので受けない方がよいと医者に言われた

アレルギー体質なので,予防接種は受けられないと自分で判断した

かぜや発熱のために予防接種を受けることができなかった その他受けさせるつもりだが単純にまだ受けていないだけであるもうすでに罹ったので受けていない罹るべきであって,予防接種を受ける必要がないと思っている予防接種は効果がないと思っている

図4 予防接種を受けていない理由

けるべきだと思ったから」が9割を超え,次に

「保健センターで勧められたから」が約1割で あった。具志川市の麻疹に対する調査では,「麻 疹は怖いので罹る前に受けさせようと思った」

が84.9%,「新聞で流行を知って」が25.5%,「予 防接種の通知が来たので」が25.0%,「かかり つけの医師に勧められて」が25.0%であった2)。

他の地方と同様に,麻疹予防接種は受けさせる べきと考えている保護者が大多数であった。ま た,種子島での麻疹予防接種後の感想は保育所,

幼稚園ともに「受けさせてよかった」が保育所 76.1%,幼稚園79.7%で最も多かったが,「分 からない」と答えた者が保育所で19.1%,幼稚 園で14.7%であった。1名副作用のため受けさ せない方がよかったとの回答があったが,否定 的な意見はかなり少なかった。しかし,予防接 種を受けた理由として「受けさせるべき」と9 割以上の保護者が答えていたのに,受けさせて 良かったかどうかに関しては「分からない」が 約2割存在していた。このことは,保護者が受 けるべき理由について理解することができてお らず,十分な情報提供がなされていない可能性

受けさせることで,不都合なことはなんですか

眺眺菊錫

30.ove

25.09fe

悼20.0%

15.e%

10.owo

 s,e%

 O.096

 賭    礪   露    8  紹    璽    醜    他   票    ξ    差

図5 予防接種を受けるうえでの問題点

がある。そこで予防接種を受ける理由について,

保護者がどのように理解しているか調査するこ とが今後の課題として残る。

 また,これまでに受けていない予防接種に関 しては,「病気のために受けることができなかっ た」が最も多く,「単純に忘れていた」,「すで に罹ったので」の順となっていた。忍足らは,「う っかり」が最も高く,その他に「病気がち」が 幼稚園に比べ保育所で割合が高いとしてい

(5)

る7)。今回の調査で過去の報告と違い「うっか り」よりも「病気がち」が多かったのは,予防 接種体制が種子島ではすべて接種期間が数日と 短いため,その期間に病気で受けられない確率 が高いためであろう。また,保育所で「病気の ため」が幼稚園に比べ有意に高かったのは,保 育所児の場合は長時間集団生活をするために感 染のリスクが大きく,また保護者が就業してい る割合が高く休みを取りにくい状況があるた め,長期間の欠席が困難で風邪気味でも通所さ せることがあるのではないかと考えられた。

 予防接種を受けにくい理由として,「接種期 間が決まっている」が最も多かった。これに関 しては,種子島地区すべてで接種期間が数日と 短いことを反映している。前報で述べたように,

予防接種の通年化など接種しやすい環境づくり が必要である。また,平日の時間がとれないこ

とに関しては,保育所が25.5%,幼稚園で12.2%

と有意差を認めた。具志川市の麻疹に対する調 査でも,保育所通園児の保護者から,「予防接 種に行く」理由では仕事が休みにくい等の実情 が聞かれ,これから予防接種について社会全体 に啓発を行うこと,予防接種休暇の設置などの 必要性を強く感じたと報告している2)。また,

保育所通園児の接種希望日として,土曜,日曜 の希望が多かった5)。しかし,医療者側での調 査からは,予防接種率低下をくい止める方策と して,「休日接種は実行したほうがよい」が 35.2%に対し,「実行が難しい・実行には反対」

が49.2%と否定的な意見が多かった8)。しかし,

幼稚園に比べ保育所での接種率の低下が著しい 現状を改善するためには休日接種は必要と考え

られる。

V.結

 感染症対策として就学前児童の予防接種率を 上げるためには,保育所の接種率が重要である。

そのためには行政と協力し予防接種に関する正 しい知識,予防接種の意義および副反応に関し て啓発普及に努めることが必要であり,受けや すい環境づくりとして通年化や休日接種など接 種体制を整えていく必要がある。

        参考文献

1)安井良則,砂川富正,藤岡雅司,他.大阪にお  ける麻疹および麻疹予防接種調査結果と麻疹対  策一堺市における保護者を対象とした麻疹およ  び麻疹ワクチンに関するKAP studyと麻疹対策  を中心に一小児感染免疫2003;15(1):

 95-102.

2)濱比嘉由美子,真鳥ゆきの,上原真理子,他.

 具志川市における麻しん対策について一麻しん  “0”定期予防接種率95%を目指して一 沖縄  の小児保健 2003;30(3):57-63.

3)毛利元郎,浅利 有,天野 曄.予防接種法改  正による保護者の意識調査 東京小児科医会報

 1997 ; 15 (4) : 41-49.

4)細谷京子,真下茂美.予防接種法改正にともな  う保護者の意識調査小児保健研究 2001;60

 (1) : 51-56.

5)廣瀬幸美,三浦正義.乳幼児における主なウイ  ルス感染症の抗体保有状況と母親の感染予防意  識 小児保健研究 2004;63(4):401-407.

6)田内佳子,千畑誠造,永安聖二,他.はしかの  予防接種がうけやすい環境づくりを目指して一  保護者の主体的な接種行動への試み~ 高知衛  研報 2002;48:33-41.

7)忍足美代子,田辺正紀,有益 修,他.接種歴  からみた学齢前期の予防接種一保育所(園)と  幼稚園との比較一 保育と保健 2003;9(2):

 38-43.

8)八森 啓,古平金次郎,白井泰生,他.東京小  児科医会報 1999;17(3):47-53.

参照

関連したドキュメント

グローバル化がさらに加速する昨今、英語教育は大きな転換期を迎えています。2020 年度 より、小学校 3

*ホバークラフト 記念祭で,幼稚 園児や小学生を乗 せられるものを作 ろうということで 始めた。右写真の 上は人は乗れない

わからない その他 がん検診を受けても見落としがあると思っているから がん検診そのものを知らないから

教育・保育における合理的配慮

4 6月11日 佐賀県 海洋環境教室 環境紙芝居上演等による海洋環. 境保全教室開催 昭和幼稚園

4 6月11日 佐賀県 海洋環境教室 環境紙芝居上演等による海洋環. 境保全教室開催 昭和幼稚園

なお、保育所についてはもう一つの視点として、横軸を「園児一人あたりの芝生

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配