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近世紀行文紹介(その四)

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Academic year: 2022

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. 近世紀行文紹介(その四) 板坂, 耀子 福岡教育大学教授. https://doi.org/10.15017/10397 出版情報:文獻探究. 26, pp.23-33, 1990-09-30. 文献探究の会 バージョン: 権利関係:.

(2) 近 世 紀 行 文 紹 介 (そ の 四). 板坂 耀子. 干鱈. って︑ 以後 数回 にわ た る行列 の道中 の記 録 を記 す︒ 主 と し て東海 道 であ. 御 本 陣 肥前 や弥 四郎. る︒ ﹁ 大 津 御 昼休. 外良 餅 弐樟. 大 塚 嘉右 衛 門 ﹂など と︑ 宿泊 地 や献上 品 な どを 記す ︒ 献上 品 に は他 に ﹁. (略). 近 世 の紀 行文 を簡 単 に紹 介 し てゆく ︒ 作品 の中 に は︑非 常 に内容 の豊 か. 鶴 の子︑ ら くが ん ﹂ ﹁ 蛤 ︑か き 餅﹂ ﹁ ま ん ちう ﹂ ﹁ 浅 利貝 ﹂ ﹁ う なぎ ﹂. 前 回 にひき つづ き︑ 国 書総 目 録等 か らだ け では内 容 の見当 が つか な い. よう に十 把 ひと から げ にか たづ け て いかねば な らな いことが ︑気 が とが. ﹁ 甘 鯛 ﹂ ﹁炸 三桶 ﹂ ﹁さ ぐえ﹂ ﹁ 著 菰 一台 ﹂ ﹁細 工物 ﹂ ﹁ 鰹 塩辛 一曲 ﹂. な も の︑ 資料 とし て貴童 なも の︑文 学 的 にす ぐ れたも のも数 多く ︑ こ の. ﹁ 海 苔 ﹂ ﹁茶 ﹂ ﹁ 扇 子壱 箱 ﹂ ﹁浜小 石 ﹂ ﹁粕漬 梅 ﹂ ﹁ 椎茸﹂ ﹁ 松 露﹂ ﹁. 高山 正之. 安 田広治. か や ﹂な ど があ る︒ 他 にも 書付 の写な. 静嘉 堂文 庫 蔵︒ 写 本 一冊︒文 化 十 一年︑ 羽 根満 安 とと も に︑ 養老 の滝. 滝 の真 清水. 日付 にし たが い︑ 簡明 で冷 静 な文 章 で見 聞し た事 実 を 記し ている︒. の記﹂ ・同 ﹁子安神 社 道 の記 ﹂ ・同 ﹁武州 旋 霜 廻﹂ の八 編 を収 録す る︒. 小 田原 行 ﹂ ・同六 年 ﹁赤城 行 ﹂ ・同八 年 ﹁ 小 股行 ﹂ ・天 明 二年 ﹁ 沢 入道. 行書 ︒ 六十 四丁︒ 安永 二年 ﹁ 赤 城 行﹂ ・同 五 年 ﹁古 河 のわ たり ﹂ ・同 ﹁. 静 嘉 堂文 庫 蔵︒ 写 本 一冊︒外 題 ﹁ 高 山仲 縄紀 行 集 ﹂︒ 内 題な し︒十 四. 高山 仲 縄紀 行 集. どあ り ︑旅 の実 態 を つかむ のには よ いか︒. ﹁ 枝 柿 ﹂ ﹁う ど 一台 ﹂ ﹁ 茶 二包. 防 風 ﹂ ﹁いか ﹂ ﹁ふき ﹂ ﹁そば ﹂. め た り︑ 無念 だ った りも す る︒ ひと つひと つの作品 に ついて︑充 分 な調. 一︑ 御発 輿 ﹂と あ. わら び ﹂ ﹁生花 ﹂ ﹁管筆 ﹂ ﹁ひらめ. 査 や整 理 を行 ってや りた く て︑指 が うず うず す る思 いだ ︒ しか し︑ そ の圧 倒的 な 量 の多 さと ︑ そ の処 理 にか けら れ る時間 の量 の 限 界を 思 うと︑ と にかく このよ うな か たち で でも紹介 し て︑ より 詳細 に 調査 研 究し てくれ る人 た ち に少 し でも手 がか り を残 し ておく こと だけ を さ しあ た り今 は目 指し た い︒ 前回 は 力行を 申 心と し た︒ 今回 は タ行 が中 心 であ る︒ なお︑ ア行と サ. 作者 不 明. 行 に つい ては ﹁ 福 岡教 育大 学 紀要 ﹂ 3 9 ・40 号を参 照 され た い︒. 高 倉家 道中 日記. 宮内 庁 書陵部 蔵 ︒ 写本 一冊︒ 14. 2 ×19. 7 cm︒ 銀砂 まじ り の 茶 色と 白 の横縞 表 紙︒ 十 四行書 ︒ 五十 五 丁︒ 外 題 ﹁ 高 倉家 道中 日記 ﹂︒. 一︑ 冷泉 様 より御 発 輿御 案内 申来 候 事. 内 題 なし ︒ ﹁ 帝 室 図書 ﹂朱 印︒ 冒 頭 に 一行 の氏名 と役 職 の表が あり ︑ つ い で ﹁二月. 一23一.

(3) 内 閣文 庫 ﹁ 摂津 徴 ﹂巻九十 六 ( 写本 一冊) に所収 ︒青 に黒 の格 子 縞表. 作 者不 明. 紙︒ 2 6︒ 6 ×1 8. 9 cm︒ 十行書 ︒ 外題 ﹁ 摂津 徴 ﹂︑内 題 なし ︒ ﹁. 旅 日記. 江 へ行き 多賀 神社 を拝 し︑ そ の後︑ 大坂 か ら播 磨を 遊覧 し て帰 る︒ おと. を 見 に行 った時 のも の︒ 伊 勢を 出発 し て多 度山 に着 き︑ 滝 を見 た後 ︑近. め 塚 の ことな ど出 る︒ 国学者 風 のな だ らか な和 文 で つづ られ ︑ のど か で. 旅 日記﹂ 写本 三 冊 の抜 粋 である︒. 熊 谷 と平 山︑ 一二 のか けを 争 ひし所 と云 々﹂ で終 わる︒ 国会 図 書館 本 ﹁. ﹂と はじ ま り︑奈 良 ・大坂 ・兵 庫 の名所 を遊 覧す る︒ ﹁ 塩 谷村︑ 此 辺︑. ろう ︒冒 頭 ﹁ 文化 十 三年丙 子年 四月廿 二日︒ 晴︒ 朝まだ き に出 たり 云 々. 架遊 余録 ﹂ と合 冊 で︑ 区切 りが 分か り にく い︒お そらく 後半 の九 丁 であ. 佐 々高直 二 四四 (写本 一冊 ) の内︒ 赤茶 色. 明 る い味 わ いがあ る︒. 旅 路 の家つ と 無窮 会 図書館 神 習文庫 蔵︒ ﹁玉塵 表 紙︒ 2 5. 4 ×18. 4 cm︒ 中 表紙 題 ﹁た ひち の い へ つと ﹂︒内 題 な し︒ 1 1行書 ︒十 七丁 ︒安 政 四年 む月 の自 序 があり ︑ それ によ ると ︑. 作者 不 明. 緑題 籏︒ 外 題 ﹁ 旅 日記. 隅 (第 二 冊 ﹁田 ﹄ ︑ 第 三 冊 ﹁ 川 ﹂) ﹂ ︑内 題 ﹁. 国 会 図 書 館 本 ︒ 写 本 三 冊 ︒ 1 9 . 4 × 1 3. 2 c m︒ 灰 色 表 紙 ︑ 左 肩. 旅 日記. 旅 日記. に聞か せた く て︑書 き留 め たも の であ る︒ そ の中 身 は︑ 霧島 山 の神怪 の. 周防 の国 に学 ん でいた間 ︑交 際し ていた人 々 の会 話 の内 容を︑ 故 郷 の人. 話︑ 正 月桜 のこと︑ 矢地 の 里 の女 が猿 のよう な 子を 生 んだ が︑ 猿 田彦 の. 嘉 永 元年. 巡 っ て帰 る 大 旅 行 であ る ︒ 古 歌 や 軍 記 物 ︑ 益 軒 の紀 行 な ど 引 用 ︑ 俗 的 な. 南 紀︑ 播 磨︑ 讃岐 ︑宮 島︑岩 国︑ 京都 ︑木 曽 路︑ 善光寺 ︑草 津︑ 江 戸と. ﹁ 永 年 田 宜 書 ﹂ の奥 書 ︒ 文 化 十 三 年 ︑ 東 海 道 か ら 伊 勢 ︑ 大 和 ︑. 上 (第 二 冊 ﹁ 申 ﹂ ︑ 第 三 冊 ﹁下 一 ) ﹂ 各 9 6 ︑ 6 5 ︑ 6 0 丁 ︒. ての考察 や︑都 から の手紙 の引 用など も あ る︒紀 行文 と奇 談集 ︑ ま た随. 神 とし てあ がめ られ︑ 幸 せ にな った話 な ど︒ ま た神代 文字 の存 否 に つい. 筆と のかか わりを 検討 す る上 での 一資 料 であ る︒ なお ︑欄 外 に朱 も交 え. 平岡喜 卿. か ら大 坂 ・播磨 ・讃 岐を 巡 る︒. 丁 ・第 二 冊三十 七 丁 ・第 三冊 四十 六丁 ︒ 天保 三年︑ 江戸 を 発 つて東 海道. ﹁ 旅 日記 ﹂︒内 題 なし︒ 青 に金砂散 ら し表 紙︒ 十 五行書 ︒第 一冊 三十六. 無窮 会 図書館 神 習文庫 蔵︒ 写本 三冊︒ 3 0. 0 ×2 0. 4 cm︒ 外 題. 旅 日記. 記 事 も 多 い ︒ 記 録 的 な 文 体 で ︑ 記 述 は 簡 略 だ が ︑ 内 容 は 豊 富 で あ る︒. た注 記 が多 い︒. 鈴 木重嶺. ﹁鈴木 重嶺 紀 行集 ﹂を 見よ︒. 旅路 の日記. 鈴木 重韻. 鈴 木重 韻. ﹁鈴木 重 韻紀行 集﹂ を見 よ︒. 旅路 廼 日記. 旅 路 記恵 の露. ﹁ 鈴 木 重嶺 紀行 集 ﹂を見 よ︒. 一24一.

(4) 紙︒ 外 題 ﹁ 旅 日記独楽 ﹂︒ 内 題な し︒ 文 久 三年 の伊 勢︑ 奈良 ︑ 金比 羅 参. 早稲 田大学 図書 館蔵 ︒ 写本 一冊︒ 2 1, 6 ×1 6. 8 c m︒ 赤茶 色 表. めぐ り︑ ふ たたび 京 に戻 って草津 から 関︑ 富 田 に至 って終 わ る︒ 手 なれ. す る︒京 の記述 は詳し く面白 い︒ そ の後︑ 大坂 か ら有 馬︑ 明 石︑ 兵 庫を. とが 記 され る︒東 海道 の記述 はな く︑ 関か ら石 部 ・瀬 田を 経 て京 見 物を. と になり ︑ よ い機 会と 自分も 有馬入 湯 の許 可を う け て︑同 行 し た旨 の こ. き た いと か ね て思 っていたと ころ︑ 友 人塙 何が し が公 務 で京 坂 に行 く こ. 詣 記︒ 風雅 な彩 色画 が多 い︒ 江戸 か ら出 立し て伊勢 に参 詣︑ ついで奈 良. た和 文 で︑ 記事も 細か いが︑ 冗長 ではな い︒ ﹁ 右旅 のおぼ え は静 軒 老人. 青沼 亀次 郎. 見物 を し︑大 坂 から 四国 に渡 って金比 羅 や弥 谷 を訪 れ︑ 兵庫 に戻 って︑. 旅 日記独 楽. 須 磨 の古戦 場を 見︑大 坂 を再 度 見物︑ 京 か ら関 が原 を 通 って江 戸 に帰 る. 茂木 知教. の記 行︑ 心付 も あらば 申 てよと有 しを う つし ぬ﹂ と末 尾 にあ り︒. 旅 の記. 旅 であ る︒ 作者 は江川 太郎 左 衛 門 の配 下 の役人 で︑ この時 まだ 二十 二才 だ った よう だが ︑和 歌も 交え た 記述 は 軽妙 で洒落 てお り︑ 無駄 が な い︒ 氷 砂糖 ︑鹿 子餅 など ︑食 べ物 の こと も出 る︒. 秋 田 県立 図書館 蔵︒ 写本 一冊︒ 天明 二 年︑主 君 の命 によ って石 巻 のあ. 者 は土 屋紀 伊守 の妻 で︑ 夫 の任 地 であ る堺 に向 け て︑ 江戸 か ら東 海道 を. 帝 国文庫 ﹁ 続 々紀行文 集 ﹂所 収︒ 近 世 の女性 紀 行 の名作 であ ろう︒ 作. くな い︑ あ っさ りした 筆致だ が︑ よく 観 察し︑ 短 い言 糞 で的 確 に各地 の. 詣し ︑吉 野 や和歌 の浦 へも行 く︒ 大坂 に帰 った所 で終 わ ってい る︒ くど. く︒ しば し 滞在 し て京 や大坂 を 見物し た 後︑奈 良 へ行 き︑ 多武 の峰 に参. 通り ︑洗 馬 ︑本山 と中 仙道 に入 り︑番 場︑ 愛知 川 ︑草 津を 通 って京 に着. たり から 塩越 ︑酒 田︑ 温海 ︑新潟 ︑柏 崎︑ 鯨波 ︑ 高 田︑善 光寺 ︑ 青柳 を. 旅 し た時 の紀行 であ る︒ 行程 も 見 聞す るも のも ︑ さ ほど 珍し いも のはな. 様子 を描 いて いて読 みやす い︒ ときど き 名所 の周 辺を 簡単 に図 示し た︑. 土 屋斐 子. い のにもか かわ らず ︑夫 の仕 事 にも 口を挟 んだ と いう 噂も あ る︑・ 才気 と. これ も わか り やす い絵 が入 っている︒. たび の命毛. よせ る異 常な ま での愛情 や ︑思 いのま ま に旅 が できな い女 の身 へのいら. 作者不 明. って金比 羅 に参詣 し︑ 再び 船 で明石 に上 陸︑大 坂 を 見物 し て︑伊 勢 に参. り︑ 京か ら大 阪︑ 播磨 を経 て陸 路 で広 島 に 至る︒ そ の後︑ 船 で讃 岐 に渡. 大 阪市 立 図密館 蔵︒ 写本 三冊︒ 主君 にした が って江戸 から 東海 道 を通. 旅 のく さぐ さ. 気 性 の激 しさと 鋭 い感覚 が 作品 全体 にあ ふれ てお り︑ 富士 山 の美 し さ に. だち とな って︑ 鮮 や か に表 現 され ている︒ 詳 細な 風景 描 写も他 の紀 行 に 比し て︑ 印象 に残 る︒. 吉村 静軒. 宮し ︑桑 名 に渡 って東 海道 に戻 り︑ 江戸 に帰 着す る︒ 長 途 の旅行 で︑紀. 国会 図 書館 蔵︒ 写 本 一冊 ︒ ﹁鶯宿雑 記 ﹂ 二九九 巻所 収︒ 茶 色表 紙︒ 十. 旅 のおぼ え. 行も か なり の長 編︒食 物 の こと なども 詳 しく 記し て︑ 旅 の様 子 や土 地 の. 三百 ﹂︒内 題 ﹁鶯宿. 二百九 十九. さま を活 写 し てい て面 白 い︒. 一行 書︒ 二十 一丁 ︒外 題 ﹁鶯宿 雑 記. 吉 村氏 静 軒記 行﹂ ︒冒 頭 に︑ か つ. 旅 のおぼ え. て二度 ほど京 に行 ったが︑ 公 務が 多忙 で名所 見 物が でき ず︑ もう 輯度 行. 雑 記巻 二百九 十九 草稿. 一25一.

(5) 旅 のく ちず さ み. 坂本 栄 昌. 宮 内 庁書 陵部 蔵 ︒片 玉集後 集 三十 二 (写本 一冊)所 収︒ 平 凡社東 洋文. 旅 のす さび. 中 河教 保. 仮名 文之 中. 五十 五 ﹂︒内. 8 c m︒ 十 一行書﹁ 二十 丁︒外 題 ﹁ 片 玉集. 宮 内庁 書陵 部 蔵︒ 写本 一冊︒ ﹁ 片 玉集 ﹂五 五所 収 ︒ 2 3. 3 ×1 6.. 記事 が多 い温泉 紀 行 にし ては︑ や や優 雅 で平凡だ が︑ のど かな 味が あ る. 庫 ﹁江 戸温 泉紀 行 ﹂ に翻 刻︒ 寛 政七 年 の草津 温泉 への入湯 記︒ 庶 民的 な. 松 平康 定. 大 阪市 立大 学 図書館 森文 鷹蔵 ︒ 写本 輔冊 ︒ 三軒 屋 のあ たり から は じま. 旅 のす さ び. の優 雅さ を残 し た︑ 明 るい旅 の記 であ る︒. やや社 寺 の名 が 多す ぎ る気配 もあ り︑ 特徴 が充 分 に出 て いな いが︑ 和文. 柴 崎村 か ら舟 で江戸 へ帰 る︒ 和歌を ま じ えた楽 し げな 遊 覧旅 行 であ る︒. を し た折 のも の︒ 友人 の盛 幸 と同行 ︒ 品川 か ら東 海 道を 経 て鎌 倉 に赴 き. 題 ﹁ 旅 のす さび ﹂︒ 天明 五年 五月 二十 五 日︑ 江 の島 に参 詣し ︑ 鎌倉 見物 秦忠 告. 小品︒. 旅 の久婦 沙 ・同 遺 編 無 窮会 図書 館 神 習文 庫蔵 ︒ 写 本 二冊 ︒茶 と 白 の横縞 表紙︒ 27. 2 × 1 9. O c m︒ 第 一冊 六十 六 丁 ・第 二冊七 十 二丁︒九 行書︒ 内 題な し︒ 外題 ﹁ 旅 農久 婦 沙 ・旅 農久 婦 沙 遺編 ﹂ ︒ ﹁ く ぶさ ﹂と は槍 の意 で︑鋭 く. り ︑大 井 川 の渡し の様 子が 詳 し い︒ 以 後東 海道 を 進 み︑京 に至 る︒大 正. 対 象 を とら え る ことを 示 し て いると いう ︒明 和 三年 の自 序 があり ︑ それ によ る と壮 年 より 旅を 好 んだ 作 者 が︑ 一子 に遺す も のも な い ので︑ そ の. 十 二年 の写と 奥書 にあり︑ ペ ン書き のため もあ っ●てやや読 みづら いが︑. 内 容 は︑ 鈴鹿 の宿 で虫 を求 め る様 子な ど︑他 の紀 行 にな い記 事を 多 く記. 見聞 を記 し て家 宝 とす る とあ る ︒東 北 か ら九 州ま で︑全 国 にわた って項. し ており︑ 面 白 い︒ 道筋 は珍 しく な いが︑ よく 観 察し ︑無 駄 のな い自然. 目 別 に故 事 や俗 間 のゴ シ ップ を とり あ げ︑ 自 ら の考 察も 記す︒ 内 容 は面. 長 沢巌 太郎. る︒欄 外 の書 き 込 みも︑ 本 文 の 理解 に有 効ゆ 末 尾 に ﹁ 肥州. 作者 不明. 見能 庵. 京 都 大学 図審 館 蔵︒ 写本 一冊 ︒ オラ ンダ 語な ども 出 て︑ 幕末 のも の の. 旅 の友. 八郎 の乱 など ) や雑事 を記 録し たも の で︑ 紀行 文 で はな い︒. 国会 図書 館 蔵︒ 半紙 本七 冊︒ 享保 〜 弘化 間 の大 坂市 中 の事 件 (大塩 平. 旅 の塵. な 筆致 で記し ている︒. 白 くヤ 引 用文 献も 豊 富 であ る ︒南 籍 な ど のさ きが け であ ろう︒ 名作 であ. 丹 野茂 永. ﹂ ﹁ 木 隻 ﹂ の版文 あ り︒ 旅 のしぐ れ. 東北 大 学 図書 館狩 野文 庫 蔵︒ 写本 一冊 ︒ 弘化 四年︑ 命を蒙 って仙 台を 出 発 し︑ 安積 山 ︑郡 山︑ 白川 を 経 て日光 道申 を南 下し ︑利根 川を 渡 って 松 戸 から 我孫 子 ︑鹿 島を 通 って︑ 名 取川 を 過ぎ て帰着す る︒ 道申 のでき ご と や宿 の様 子 など を︑ 平 明な 和 文 で︑ 丁寧 に面白く 記し ており ︑宿 の こみ あ って苦 労 す るさま ︑ 口さ が な い宿 の女 たち のさ まが生 き生 きと 描 かれ て いる︒. 一26一.

(6) 無 窮会 図 書館 神 習文 庫蔵 ︒ 写本 一冊︒ 文久 三年 ︑江 戸 から東 海 道を 経. 根本 重 蔵. 細 か く記 す︒ そ の内 容 や︑ ま た 一方 で︑ 日本国 が他 国 に優れ ている こと. て九 州 に向 かう ︒ 同行 の友 人 たちと の関 わり が よく描 か れる︒ 弓 矢場 で. 旅 の 日記. を 故事 を 引用 し て力 脱す るなど の記述 から 見 て︑対象 は 公務 で旅 す る武. 弓を 射 て楽 しむ 記 事な ども あ り︒大 坂 から は船 で瀬戸 内 海を 通り ︑豊 後. たと き の こと ︑途中 で喉が か わ いたと き の ことなど ︑ その対 応と 心 得を. ︑ よう だ が︑紀 行 ではな く︑ 旅 の心 得を 記 したも のであ る︒宿 で火 事 が出. 士 階級 であろ う︒当 時 の旅 行 の資料 と し て︑ 大 い に利 用 でき るも のであ. の鶴 崎 に上 陸︑ 府内 に至 る︒ やや記 録的 な飾 ら な い文 体 で旅 のさまを 描. い い︒. き︑ 珍し い記事 も あ る︒ ただし 九州 関係 の部 分 はほと ん どな いと い って. ろう︒. 賀茂真 淵. 有朋 堂文 庫 ﹁日記 紀行 集 ﹂所収 ︒ 一名 ﹁西帰 ﹂︒元 文元 年︑ 京都 か ら. 旅 のな ぐ さ. 九 州大 学 図書 館蔵 ︒ 写本 蝉冊 ︒外 題 ﹁旅 乃 日記﹂︒ 内 題 ﹁旅行 の記﹂. 孝継. てい いほど なく ︑も っぱ ら地 名 と故 事 に関す る考 証が 記さ れ る︒解 説 者. とあ る︒ 嘉 永 五年︑ 主 君 にし たが って ﹁東 のみ旅 ﹂ に赴 く紀 行︒ 高 知 の. 旅 の 日記. の塚本 哲 三氏 が 二 種荘 重 の趣 ﹂が あ るとし て︑ 本居宣 長 の ﹁菅笠 日記. 城下 を 発 って︑ 比 島︑ 一宮 ︑国 見峠 ︑本 山︑ 笹 ケ峰︑ 立 川を 通 って丸 亀. 山科 ︑庄 野 を通 って遠江 に帰 る折 のも の︒個 人的 記事 はま った くと い っ. ﹂ より こち らを 高く 評価 され る のは ︑ やや奇妙 な 気もす る が︑ 宣 長 の散. に至 り海 上 を室 へ渡 る︒ そ の後 ︑姫 路︑ 明石 から 湊川 を 経 て京 に入 り︑. 見た 記事 な ど︑ 旅人 たち にも 目 をよ く注 ぐ︒ 字 は少し 読 み にく い︒. く 描 かれ ている ︒ 江戸 に近 い街 道 で︑ 馬 に乗 った若 い気 の強 そう な女 を. い︒ 同行 の人 や宿 の人と の交 流 など も含 め て旅 の日常 が飾 ら ぬ筆 致 でよ. 読 みやす いが︑ 記事 は型 にはま らず︑ あ りふ れ て いな い珍 し いも のが 多. 石部 ︑水 ロ︑石 薬師 から 東 海道 へと 進 み︑江 戸 に入 る︒ 平明 な和 文 で︑. 文性 よ りも ︑ こちら の方 が格 調と 緊 張感 があ ると判 断 され たか ︒ま た ︑. 嘉成. このよう な考 証も ︑近 世紀 行 の持 つ大 き な特徴 の 一つではあ る ︒. 旅 の余 波. 宮内 庁 書陵 部蔵 ︒写 本 一冊︒ ﹁ 片 玉後集 ﹂ 三二所収 ︒ 2 2. 2 ×1 6 ︒ 7 c m︒十 一行 書︒ 三丁 ︒外 題 ﹁ 片 玉後 集 三十 二 草 津 日記 下 旅 の ロす さ み﹂ ︒内 題 ﹁ 旅 の余波 ﹂︒ 冒 頭 ﹁こぞ の秋 はおも ひかけ ず おも. ち のく に のさか ひを かけ ておも ひたち︑ 葉 月 三日 にむさし のく にとし ま. ・中表 紙 ( 青 色 )題 とも に ﹁ 旅 のね ざめ ﹂︒ 八行書 ︒ 三十 四丁︒ 享和 二. 国会 図 書館 蔵︒ 板 本 一冊︒ 22. 7 ×1 5. 9 c m︒茶 色表 紙 ︒外 題. 素丈 坊. の郡江 戸 のやど りを出 ︑板 橋 のむま やを はじめ て ・・﹂あ ち こち を旅 し. 年 に讃 岐 の素 丈坊 が ︑弟 子 たち にす すめ られ て︑ 四国 の各 地 を旅 し たも. 旅 のねざ め. た折 の心境 を思 い つくま ま書 き つけ た随 想 ︒特 に具体 的な 記事 や︑ 土 地. の で︑ 冒 頭 は徳 島 に訪れ た岡 山 の任 他斎 が︑ この行 の出 発 にあ た って︑. ふ どち と ・も にか み つけ の草 津 の出 湯 あ みし つゐ でに信濃 路 より し て み. の こと が ある わけ ではな い︒. 一27一.

(7) 一文 をよせ て︑詠 んだ 句 を発 句と し た歌 仙 では じま る︒内 容 はす べ て︑ 各 地 で詠ん だ句 と歌 仙 であ る︒ 翌年 帰着 し︑ 旅 先 で書き 留め たも のを 刊. 燕石 贅人. 行 す る事情 は︑蓼 花 の践 に詳 し い︒. 旅 の恥かき す て の日記 国 会図書 館蔵 ︒ 写本 二冊︒ 茶 色表 紙︒ 26. 5 × 18. 2 cm︒ 中表 紙題 ﹁ 西遊 日記﹂︒ 朱 で ﹁西遊 日記 .旅 (以下 判読 不 可) ﹂と 訂 正︒ 内 題 ﹁ 旅 の恥 かき す て の日記 ﹂︒ 第 一冊十 四丁 .第 二冊十 五 丁︒ 朱多 し ︒ 天保 甲辰 (弘化 元) 年 の︑九 州 旅行 であ る︒讃 岐 から 船出 し て︑ 下関 を 経 て︑小倉 に到 り︑ 宗 像 ・箱崎 ・太 宰 府 .唐津 .長崎 など をめ ぐ って い る︒ 記述 は詳 細 で︑ 軽妙 ︑ し かも 冗長 ではな い︒ 近世 紀行 の名 作 の 一つ と い ってよ いだ ろう︒. 宮 内 庁書 陵部 蔵 ︒ ﹁片 玉集 ﹂三所 収︒ 友人 の道 奥が 武蔵 国 へ旅 だ つに. の慰 にも なし︑ 又は 一夕 の閑話 に心 ちし て見た き﹂ と頼 まれ た の で記 し. 際 し て︑ ﹁ 何 ぞ思 あ たれ る事あ らば 倭文 にて書綴 て見せ よ︒旅 のすま ひ. た とあ って︑自 己 の経 歴 や仕事 ︑ま た学 問 や教育 ︑ 日常 の心 構 えなど に. ついて簡 単 に述 べ ている︒ 最後 に何 よ りも身 体 を大切 にす る こと が大 事. だ とし て旅中 の無 事 を祈 ってい る︒ 旅 に際し て書 か れた も のだ が︑ 紀行. 関根 美 尾. 文 ではな く︑ 内容 も特 に旅 と は関 係な い︒ 旅 枕道 枝 折. 香川 大 学 図書館 蔵︒ 写 本 二冊︒外 題 ﹁ 旅枕 道枝 折 ﹂︒内 題 な し︒ 文政. 二年︑ 江 戸 から 発 って東 海道を 進 み︑ 四 日市 ︑白 子を 経 て伊 勢 に参 詣す. る︒ そ の後︑ 伊賀 ︑ 三輪 ︑奈良 ︑ 吉野 を通 って大 坂 に着 き︑ 讃岐 の金比. 羅 へ船 で向 かう︒ 更 に厳 島 に参詣 し広 島を 見物︑ 船 で帰 って播磨 を 遊覧. し 京 に入 る︒ 京 と そ の周 辺を 見物 の後 ︑中 仙道 を通 って帰宅 す る︒ 作者. は女性 のよ う であ るが︑ それ を感 じ させな いほど︑ 長 い行程 を 積極 的 に. 松 岡行 義. 遊 覧 し てお り︑ 記事 の内 容も 豊富 である︒ 京都 に関 す る部 分が 多く ︑第. 堂 飛乃 日難美. 宮 内庁 書陵 部蔵 ︒ 写本 一冊︒ 2 5. 5 ×1 7. 7 cm︒ 十 一行書 ︒ 十. 青木重 隆. られ て東 海 道を 通 った が︑今 回 は死 ん でも いいと 思 って甲 州道 を 通 った. 道を 通 った の で︑自 分も 行き た か ったが病 気 がち のため ︑ 親戚 にす す め. 斎の ﹁ 轍 環 録 ﹂が 二 世 喧伝 ﹂ した のを 見︑ また義 父 翠樹 や晩 香も 申 馬. を 見 よ︒ 十 行罫 紙使 用︒ 十 五丁︒ 漢文 紀行 ︒ 桑名在 住 の作 者が ︑広 瀬蒙. 国 会 図書 館蔵 ︒ ﹁酔霞 楼叢 書 ﹂第 一所収 ︒書 誌 に つい ては ﹁防 娼録 ﹂. 中 馬 紀行. 行 が 陥り が ちな︑ 名 所 の地名 の羅列 から逃 れ て いる のも よ い︒. 二冊 目 の大 半 はそれ に充 てら れ て いる︒ ため に︑ こ の種 の都会 見物 の紀. 一丁︒銀 砂ま じ り薄茶 色表 紙 ︒外 題 ﹁ 堂 飛 乃 日難 美 ﹂︒内 題 ﹁多悲 乃 日. 大和 路記 行別 記 ﹂ とあ って京 から草 津︑ 石部 を 経 て︑伊 勢. に行 くも の︒ 江 戸から 中 仙道 を 経 て京 に いたる ま でが 七丁 で︑ 以 下 ﹁ 在. 難 見﹂︒ 奥書 等 はな し︒ 弘化 四年 に天皇 の即位 の儀式 を見 物し よ うと 京. 京 日次別 記. に参詣︑ 桑名 ︑宮 から 東海 道 に入 って帰 着す る︒ 和歌 をま じ えた 手 なれ た紀行 文︒簡 略 なと ころ は簡 略 だが ︑安 定し てい てくどく な く︑ 具体 的 で面白 い︒ てら いが なく︑ 記 録的 だ が 記録 に終 わ っておら ず︑ 素 朴だ が 稚 拙 ではな く︑ 個人 の視点 も 失 われ ていな い︒. 旅 の笑草 平元正信. 一28一.

(8) 名 古屋 に着 く︒末 尾 に ﹁嘉永 二年十 二月 ﹂と あ り︒ 記事 は細 か く︑ 心情. 崎 ︑金 沢︑ 高遠 ︑飯 田な ど を経 て︑ ま こ め から十 石峠 ︑中 津 川を 通 って. と冒 頭 にある︒ 江戸 から 小 仏峠 ︑ 鶴川 ︑ 初 雁︑ 巨麻 ︑栗 原︑ 笛吹 川 ︑ 韮. が十 二年 の誤 りか )︑伊 勢か ら伊賀 を越 え て︑奈 良を 見 物 し大 坂 に至 り. 同 じ︒ 黄 色表 紙︒文 政十 二年 奥書︒ 朱入 り︒ 文 政十 三年 ( と 本 文 にあ る. 書 ︒第 一冊 ・七 十七 丁︑ 第 二冊 ・六 十九 丁︒ 外 題 ﹁ 月 波 日 記﹂ ︒内 題も. 無窮 会 図書 館神 習文庫 蔵︒ 写本 二冊︒ 23. 3 ×1 6. O c m︒十 行. 芝 居 見物 など した後 ︑湊 川︑ 兵鷹︑ 須 磨を訪 れ 遊覧 し て大坂 に帰 る︒ (. 描 写な ども あ って︑面 白 い︒. いずれ も近 世紀 行 の代表 的名 作と い ってよ く︑ この作品 も 細か い描 写 と. 帰 って︑京 都 に行き ︑鈴 鹿を越 え て伊勢 に帰 る︒ こ の作 者 の紀 行文 は ︑. 以上 第 一冊) そ の後 ︑大 坂か ら熊 野 に向 か い︑ 紀三井 寺 に参 詣 ︑大 坂 に. 帝国文 庫 ﹁ 続 々紀行 文 集 ﹂所 収︒ 元 文 三年 ︑ 江戸 から 松島 に赴 く ︒芭. 豊宮 な 内容 で︑ よ くとと の っている︒ また︑ し ばし ば芝 居 見物 をし てい. 山崎 北華. 蕉 ﹁ お く のほそ 道﹂を 強 く意 識 し て そ の後を た ど って いる︒ 松島 で芭 蕉. る のが 目 にとま る︒. 蝶 の遊. と夢 申 に問答 を交 わし ︑ そ の時 見 た象 潟 の印 象を 壊 した くな いと し て︑. 作 者 不明. 東走. 豊 橋 市立 図書 館蔵︒ 写本 一冊︒九 行書 ︒ 二十 一丁︒ 外 題 は ﹁月 の やど. 月 の やどり. と 言え よう ︒. か わし たり しな がら︑ 湖 のあ たりを 遣遙 し︑ 美 景を楽 し む︑ 風 雅 な小 品. る︒ 比 較的 短く ︑ま たさ ほど 珍し い内容 も な いが︑友 人 た ちと 酒を く み. み ﹂︒ 内 題なし ︒友人 た ち数人 と︑ 京都 か ら近 江 に月見 に行く 紀 行 であ. 大 阪 市立 大学 森文 庫蔵 ︒写 本 一冊︒九 行書 ︒十 五丁︒ 外 題 ﹁月 のめ ぐ. 月 のめ ぐ み. そ こから 引き 返 し てし ま う︒ 文 体 は 工夫 を こら し て洗練 され ︑題 材も よ く選 択さ れ て いる︒ ただ し︑ 後 の国学 者 たち のめざ した 紀行 文 の基準 か らす る と︑ や や作為 がめ だ つであ ろ う︒ いわゆ る 日記的 日常 がな く︑ 卑. 幽岩. 俗 な題材 を とり あげ てい ても︑ 芭 蕉 の作 品 と共 通す る詩 的な 緊張 感が あ る︒. 塵坑. 刈谷 図書館 蔵︒ ﹁ 蓬 童 雑妙 ﹂ 第六 十 七 (写本 一冊 )所収 ︒ 二十 五丁 ︒ 十行 書︒ 題名 の由 来 は冒 頭 に︑ 心 に つも るち り あく たを かき あ つめ て︑ ﹁ちりあ な ﹂と したと あ る︒ 鎌 倉 から 出 発し て江戸を 経 て︑ 奥州 に向 か. 東走 ﹂︒ 内 題 ﹁い つき し ま紀行 ﹂ ︒ 五升 庵瓦 全 の. り. い つく しま 日記. 序文 あ り︒ 享和 二年︑ 京都 から 大坂 に行 って船 に乗 り厳 島 に参 詣す る︒. い︑ 松島 を 見物し て︑ 帰途 は 日光 に たち よ っている︒ 和 歌や漢 詩 をま じ え て︑ や や古 あ かし い文体 だ が ︑次 第 に記述 が長 く なり︑ 面 白く な る︒. 更 に広 島を 見物 ︑福山 ︑藤 戸 などを 訪れ ︑ 四国 に渡 って弥 谷 に行 く︒ そ. ている が︑旅 の様 子 はよく 描か れ︑ 描 写も 丁寧 であ る︒ 広島 の城 下が 繁. の後 ︑播 磨 に上 陸し︑ 帰宅 す る︒ 長途 の割 には 短編 で記 述も あ っさり し. 義 経伝 説な どと りあげ ︑ 軍 記物 の影響 も つよ い︒ (こ の項は︑ 福 岡教 育. 小津 久 足. 大 学聾 課程 ・片 山磯 美さ ん の協 力 を得 た︒ ). 月波 日記. 一29一.

(9) 二畳庵 蘭芝. 栄し ていた ことも うか が われ る︒. 爪 じ るし 帝 国文庫 ﹁続紀 行文 集 ﹂所 収︒ 天 明七 年 ︑伊 予 から 畿内 ︑大 和︑ 山城 を経 て︑ 摂津 ︑紀 伊を 巡 る︒ 発 句を 交 え た︑短 い作品 ︒筆 致 は明 るく︑. 道彦 ﹁ 道 彦 七 部 集 ﹂ 第 一冊 所 収 ︒. 風景描 写 や旅 のさま に︑生 き 生 きと し た観 察 があ る︒. 鶴芝 国 会 図 書 館 蔵 ︒ 板 本 七 冊 (二 冊 に 合 冊 ). 東北 大 学図書 館 狩野文 庫蔵 ︒ 写本 一冊 ︒嘉永 二年 の春 ︑花 見 が てら に. 江 戸を 発 って︑ 取手 や水 戸を めぐ り︑ 湯本 に入 浴 し︑ 鹿 島 に参 詣し ︑ 仙. 台 ま で至 る︒と ころど ころ に丁寧 な挿 絵 があり ︑本 文 にす べ て振 り が な. が あ って板 行を 意 図し たも のかも しれ な い︒花 や風景 の描 写も あり ︑ そ. 我答. れ ぞれ の町 の説 明も 詳し い︒ 明 るい娯 楽的 雰 囲気 の漂 う紀 行 文︒ 丁 固松. 丁固松 ﹂ ︒内 題 なし ︒文 化 三年 ︑京 都 か ら. 架 蔵 本 によ る︒板 本 一冊︒ 2 2. 6 ×1 5. 8 c m︒十 行 書﹁ 三 十 五 丁︒ 茶 色表 紙︒ 外題 ﹁ 紀行. 若狭 ︑ 小浜 ︑敦 賀 に至り︑ 山中 温泉 ︑ 越後 高 田︑鶴 岡 ︑山 形立 石 寺 ︑酒. 田︑ 南 部︑松 島 ︑仙 台︑ 那須 野︑ 日光 など 巡 って江戸 に達 し ︑東 海 道を. 一‑. 進 ん で伊勢 に詣 で大津 を通 って帰宅 す る︒ 江戸 か ら先 は句 が中 心 で記述. 2 2. 7 × 1 5. 5 c m︒ 茶 色 表 紙 ︒ 外 題 は と も に ﹁ 道 彦七 部集. ( 紺 色 ) 題 と 各 冊 の内 容 を 以 下 に. は簡 単 であ る︒行 程 から言 って︑芭 蕉を 意 識し ている であ ろ うが ︑特 に. (原 ) 表 紙. ︒ 東海 道 など の紀行 や句 文. 三 (四 ‑ 七 ) ﹂ で あ る ︒ 中 述 べ る ︒ 第 一冊 ・ ﹁ 筏芝. みち彦 七 部帖 =. を 集 め た も の︒ 紀 行 文 と し て ま と ま った も の で は な いが ︑ や や 面 白 い 記. そう い った 記述 は目立 たず ︑む し ろ落 ち着 いた 丁寧 な 筆致 は︑ 国 学者 た. ふみ の庵記 ﹂︒ 十 五 丁︒. 屈竜. 大 高子 葉. 池 田綱政. は︑恵 まれ た 環境 によ るも の ではあれ ︑ 近世 紀行 の新 し い性 格 を よく 示. あ る が︑歯 切れ のよ い冷 静な 記述 や知 的 な好 奇心 ︑行 動 的 な旅 人 の姿 勢. し て京 都 に入 り︑船 で備 前 に帰国 す る︒ 近世 に数 多 い大 名紀 行 の 幽つで. 帝 国文 庫 ﹁ 続 々紀行文 集 ﹂所収 ︒寛 文七 年 ︑ 江戸を 出 て東 海 道を 経 由. 丁未旅 行 記. ﹁大高 源吾 紀行 ﹂を 見よ︒. 丁丑 紀行. た散 文的 な傾向 が 出 てき てい ると いう べき かも しれ な い︒. ち の和文 紀行 と さえ 通ず るも のがあ る︒ 俳人 た ち の紀 行 にも︑ こう い っ. 二﹂︒ 享和 二年 の. 四﹂︒ 武 蔵野︑. 三 ﹂︒ 句作 の. (ア 行 ・ ﹁馬 の 上 ﹂ を 参 照 せ よ ) 短 い. 述 もあ る︒ 享和 元 年︒十 九 丁 ︒第 二冊 ・ ﹁ む ま の上 鴻 巣︑ 浦和 など の江戸 近郊 旅 行︒. が 軽 妙 な 味 ︒ さ し 絵 も よ い ︒ 十 一丁 ︒ 第 三 冊 ・ ﹁ 渋 四手 こ と な ど の 論 で 紀 行 で は な い︒ 第 四 冊 ・ ﹁そ . ・ろ ご と. 草 薙︑ 亀窪 ︑入 間︑ く ら ぶ山︑ 桂 木 山な どを め ぐる︒ 句を まじ え︑ 短 い. 六 ﹂︒ いずれ も句 集︒. が 旅 先 の宿 の描 写 等 も あ り ︑ 風 景 描 写 も あ る ︒ 寛 政 六 年 ︑ 巣 兆 校 訂 ︒ 七 五﹂︒ 第六 冊 ﹁ 置洗濯. ﹁略 く ろ ね ぎ ﹂ ︒ 友 人 長 翠 の 熊 谷 村 に あ る 庵 の 周 辺 の景 色 な ど を. 丁 ︒第 五 冊 ・ ﹁ 鳶 の眼 第七 冊. ﹁ く ろ ねぎ. 記 し てい る︒近 郊紀 行と 共 通す る と ころが あ る︒後 に句が付 く ︒内 題 に. 徒然 日記. 一30一.

(10) 京都 に入 る︒ 末 尾 に文 化十 年 の清雅 僧 都 から の文 と等 覚 (﹁師 ﹂と い っ. 道を 進 み︑鎌 倉 から 江戸︑ や や滞 在 の のち ︑申 仙 道か ら美 濃 路 を通 って. 三浦 迂齋. 暦十 二年 四月 か ら八月 ま で東海 ︑ 奥 羽︑北 陸 をめ ぐ った旅 の紀 行文 ︒和. ﹁随筆 百花 苑 ﹂第十 三巻 所収 ︒ 金井 寅之 助 氏 の周到 な解 説 が あ る︒宝. 東海 濟勝 記. く記 し て いる︒名 作 の 一つと い って い い︒. の観 察 は細か く鋭 く︑ 風 景描 写な ども あ って美し い︒ 花 の こと など も よ. ている) の文 の写しが 二丁 付く ︒和 歌 をま じ え た和 文 で︑ 路 次 の風 物 へ. す ︑ 早 い時期 のも のとし て注 目 さ れ る︒海 路 をと って いるため に︑申 国. 広瀬 蒙 斎. 地 方 の部 分 がな い のが惜 し いが ︑ 名作 の 一つであ る︒. 轍環録 国 会 図書館 蔵 ︒ ﹁酔霞 楼叢 書 ﹂第 一所収 ︒ 書誌 に ついては ﹁ 防妃録﹂ を 見 よ︒ 十 行書 罫紙 使 用︒ 十 六 丁︒ 朱 あ り︒ 漢文 紀行 ︒文 政七 年︑ 名古 屋 か ら 甲州 方面 を旅 行す る 漢文 紀 行︒ 記事 は細か く具 体的 で︑ 個人 的 な こと も 交 え て詳 し い︒ 風景 描 写も 多 い︒. 5 cm︒ 外 題 ははが れ て見 えず ︒ 右 肩 に打ち 付 け書 で ﹁ 別 荘 三十 景詩 歌. 宮 内庁 書 陵部 蔵︒ 写 本 一冊︒ ﹁片 玉集 ﹂六 五所 収︒ 23, 1 ×16.. か に同傾 向 のも の であ り︑ ま た︑ この本草 学 者 とし て の姿勢 は益軒 ・南. 達意 の和 文 は︑本 居宣 長 ・太 平ら が完 成 す る国 学者 たち の紀 行 文 と明 ら. 申 にも よく 示さ れる︒ 友人 た ちと の交 流 が多 く描 か れ る ことも 含 め て︑. 州高 砂 の大庄 屋 で本草 学 に造詣 が 深 か ったと 言 う︒ そ の科学 的 姿勢 は文. 歌を まじ え て読 みやす い和 文だ が ︑内 容 は豊 富 で大変 面 白 い︒ 作者 は播. ﹂な どと あり︒ 内 題な し︒ 十. 籍を つな ぐも のとし て存在 す る︒ 近世 の紀 行 文学 史上 におけ る国学 と博. 佐 竹義 和. 一行 書 ︒六 丁︒ 冒 頭 ﹁ 去 年 より 国 に やす ら ひぬ る折 から ( 略 ) いでや 八. 序. 物 学 の接 点を さ ぐる上 で︑ この作 品 はき わめ て貴 重な 存 在 であ る︒ 私事. 天樹 公 紀行. 龍瀬 の辺 に狩せ ん と思立 て︑ け ふき さら ぎ の五 日︑ 巳 の刻ば かり に久 保. で恐 縮だ が︑ か つて大 阪府 立 図書 館 で︑ この本を 見 た時︑ 大 変 面白 か っ. 奉 納大 崎 神社 願 書 ⁝. 田を 立 出 て﹂鷹 狩 り に行く ︒ しか し︑ 風 や 雪が 強く てな かな か狩 りが で. た の で思 い切 って全 冊写真 を注 文 し た︒ そし て︑ い つか 翻刻 し よう と 思. 天樹 公 紀行. き な い︒七 日 には 雷 にあ う︒ そ のあ と︑ 五 月雨 沼 の片目 の神竜 や魚 のこ. て いる︒. 隆範. 堀 杏庵. 東西遊記 橘南籍. ﹁東行 日録 ﹂ に同じ か︒ ﹁杏 庵 紀 行 ﹂ を 見 よ ︒. 東 光 日録. 方︑ 名作 は誰 が 見 ても 名作 な のだ な と奇妙 に安 心さ せら れ た︒. って いて︑気 が ついたら ﹁百花 苑 ﹂ に入 って いた︒し ま ったと 思 った 幽. と など 記 され る︒ 十 三 日に帰 城︒ 末 尾 に ﹁ 北 の方 への消 息 ﹂ 一丁 が付 い. 東 行晴 雨. 東行 晴. 宮 内 庁 書 陵 部 蔵 ︒ 写 本 一冊 ︒ 2 7 . 6 × 1 9 . 2 c m︒ 茶 色 表 紙 ︒ 九 ﹁ 東 行 晴 雨﹂ ︒中 表 紙 に ﹁ 文 化九 壬申 歳. 隆 範 ﹂ ︒ 内 題 な し ︒ 末 尾 に ﹁隆 範 し る す ﹂ と あ り ︑ 自 筆 か ︒ 文 化 九. 行 書︒ 四十 四丁︒ 外題 雨. 年 二月十 三 日︑春 日野か ら笠 置︑ 関 ︑伊 勢 ︑亀 山︑ 宮︑ 鳴海 を経 て東 海. 一31一.

(11) 平凡 社 ﹁ 東洋 文 庫 ﹂等 に所収 ︒ 京都 の医師 だ った作 者 が天 明年間 に医. にかけ て板 行 した も の︒近 世︑ 近 代を 通 じ て根 強 い人 気を 博し た︒ ( 庄. 術修 業 のため各 地 を 巡 った時 の 見聞を ︑ 項目 別 にまと め て寛政 七〜 十年. 野潤三 ﹁ 絵 合 せ ﹂や泉 鏡花 ﹁ 夜 叉ケ池 ﹂ にも︑ う なぎ が山 芋 にな る話︑. ての面 白 さを充 分 に意 識し た︑ 適 度 にめ り はり のあ る歯切 れ よ い文 体と. ぼ た餅 と名 乗 る化 け物 の話 な どが 引 用︑ 利用 され ている︒ )読 み物 とし. に無 駄 が な く ︑ 記 事 には 興味 あ るも のも あ る︒木 曽路 の資料 とし て貴重 であ ろう︒. 林子平. ﹁ 林 子 平全 集﹂ 二所 収︒ ﹁ 安 永 道中 誌 ﹂を 見 よ︒. 道中 誌. 保教. 準と し て︑ 文学 性 に乏 しく 衰 退期 にあ る 等 の批判 を うけ る時︑ 代表 とし. 距離 や茶 屋 の位 置 など ︑実 用を 主 とす る ため ︑ やや記 述 が簡 単な と ころ. 磨︑ 京 都︑ 木曽 路 をめ ぐ って︑ 名 所 や神社 仏 閣 に つい て説明 を加 え る︒. た て て︑ 江戸 から 久能 山︑ 秋葉 山 ︑伊 勢 ︑大 和︑ 紀伊 ︑大 坂︑ 讃 岐︑ 播. 岩 瀬 文 庫蔵︒ 写本 二冊︒ 安永 九 年 の序文 が あ る︒名 所 図会 風 に項目 を. 道中 便 草. てよく引 き 合 い に出 さ れ る ことと も な った︒ 今 日 では既 に︑ この作 品 は. に恥じ な い︒ しか し︑ それ だ け に近世 の紀行 文が ︑芭 蕉 の作品 など を基. 豊富 な 情報 は︑ 近 世前 期 の益軒 の紀行 と 並 ん で︑ 近世 後期 の代 表作 た る. あ る程度 評 価 され る よう にな っては い るが︑ 他 の作 品 に与 え た影響 の大. 作者 不明. 作者 不 明. 雨之 月 尽 日発府. 慶 応 紀 元乙 丑梅. 東 游 紀行 改作 客枕 光 陰 記﹂ ︒九 行 罫紙 使 用︒ 全 四十 八. 外題 な し︒ 中表 紙 題 ﹁客枕 光陰 記 ﹂︒ 内 題 ﹁東遊 紀行. 中 ( 原 )表 紙 は青 色 で︑右 端 に ﹁ 鎮 西 男 子徳 隆 (花揮 ) ﹂と 書き 入 れ︒. 慶 応 大 学図書 館 蔵︒ 写本 一冊︒ 1 8. 6 ×1 2. 8 cm︒ 茶色 表 紙︒. 東遊 紀 行. し たも ので︑紀 行文 では な い︒. 静 嘉 堂 文庫蔵 ︒ 写本 一冊︒文 政 年間 の将 軍 の加 階 の儀式 に つい て記 録. 東都 春. やす い︒ 名所 図会 類と の関係 に つい ても︑ 検 討 の必要 が あ ろう︒. も あ るが︑ 資料 と し て貴 重 であ る︒体 裁 や字 体 はよく 整 っており ︑読 み. 千村 仲 泰. き さ等 はな お今 後 ︑検 討 され な ければ な るま い︒. 岬 山記 勝. 無 窮会 図 書館 神 習文 庫蔵 ︒ 板本 一冊︒ 2 2. 7 ×14. 5 c m︒青 色 表紙 ︒外 ・内 題 ﹁ 廟 山 記勝 ﹂︒ 刊 記 なし ︒八 行書 ︒十 七丁 ︒家 の近 く の 常 に遊 ぶ山 ︑ ﹁ 桐 山 ﹂ に登 った時 の漢 文 紀行 ︒友 人 たち のも のも 含め て. 山 鹿 素行. 漢詩 な ども 記す ︒ 内容 にそれ ほど 珍し いも のはな いが ︑風 景描 写は多 く 存 す る︒. 東山 道 日記. ﹁ 山鹿 素 行集 ﹂第 七 ・全 集 巻 一所収 ︒ 承応 三年 の木 曽路 行︒寝 覚 の床. 丁 のう ち︑ 冒 頭十 五丁 ﹁ 東 游紀 行 ﹂︒ つい で明治 五年 ﹁ 出 京 紀 ﹂ (二十 入 口 二越 後 へ行 道 アリ︒. 名 ごと に項 目を 立 て︑片 仮 名 と漢字 で ﹁ 望月. 九 丁) ︒ 元治 元年 ﹁ 登 嶽行 記 ﹄ (三丁 )︒ 漠 文紀 行 で︑内 容 は︑ 蒸気 船. か ら︑ 上松 ・福 島 を経 て︑ 軽井 沢 ・坂 本 ・松枝 で終わ る︒ 以後 は欠︒ 地. 左也 ︒ シミズ ノク ワン音 ︑ 布岩 アリ﹂ な どと︑ 簡 略 に事 実 を記す ︒記 述. 一32一.

(12) で品川 か ら横 浜︑ 浦賀 ︑ 明石︑ 四国︑ 小倉 な どを め ぐるも の で︑ 夷船 と. んど が船 上 の生活 であ る のも珍 し い︒. 対 戦 もし ている︒ 背景 など の検 討 をす れば ︑ 面白 い資 料 であ ろう ︒ ほと. 東 遊雑 記. 古 河古 松軒. 平 凡社 ﹁ 東 洋文 庫 ﹂そ の他 に所収 ︒ 天明 四年︑ 岡山 の郷土 史家 古松 軒. が 奥 羽 巡見使 の 一行 に加 わ って︑松 前 ま で赴 いた時 のも の︒ 近世 の紀行. 文 の中 では これま で比 較的 よ くと りあげ られ ︑注 目 され てき た作品 であ. 東 京大 学 図書館 蔵︒ 写 本 一冊︒ 2 4, 3 ×1 7. 1 c m︒共 表 紙︒ 外. 世 紀 行文 学 史上 の位 置等 に つい ては︑拙 稿 ﹁ 古松 軒 の林 子平批 判 ﹂ (近. 他 と ち が って︑ より 原形 に近 いか たち をと どめ ている︒諸 本 と︑ そ の近. に︑ 写 本 のかた ち で多数 が残 るα そ の中 で東 京大 学 図書館 蔵 の 一本 は︑. る︒ 藩 の内情 にふれ る ことが多 か った ためか 板 行は され なか ったか わ り. 題 ﹁東遊 紀 行 ﹂︒内 題な し︒ 八行 書︒ 十 八 丁︒ ﹁ 渡 部文庫 ﹂ ﹁ 阿 波 国文. 作 者 不明. 庫 ﹂朱 印︒ ﹁ことし 水無 月廿 日あま り東 路 に遊 ん ことを おも ひ立 て円位. 世 文 芸 3 1号) ・ ﹁東京大 学 南葵文 庫 本 ﹁ 東 遊雑 記 ﹂ の性 格 ﹂ (熊本 商. 東 遊 紀行. 法師 のむか しを し のび伴 ふ人 と ても なく 杖と 笠 とを のみも のし侍 る﹂と. 大 論 集 4 8号) を参 照 された い瀞. 福 岡 教 育 大 学 教 授. はじ ま り︑ 京か ら東 海道 を経 て︑ 伊 豆か ら鹿 島 へ向 か い︑松 島 ま で行 っ て帰 途︑ 江 戸を 通 過し て木曽 路 から 帰郷 す る︒ 江戸 の記 事が ほ とん ど な い︒ 和 歌を 交 え て︑ 簡 略な 記述 だが ︑ 珍し いと ころ にも 行 って いて︑結 構 面白 い内 容も あ る︒ ﹁ 国書 総 目録 ﹂ で は︑慶 応大 学 の同 名 の書 など と. 下 村通 明. と も に︑内 容 不明 の同 項目 にな つて いる︒. 東 遊紀 行. 高知 県 立図 畜館 蔵︒ 写本 二 冊 (国書 総 目録 では 一冊とあ る) ︒高 知 を 出 発 し て川 ノ江︑ 鳥越 を経 て海路 を岡 山 に渡 り︑ 播磨 に達 し て須 磨︑ 明 石 を 見物 ︑湊 川 から 西宮︑ 大坂 に行き ︑京 都 から 東海 道を 通 って江戸 に 着 き遊 覧 す る︒ (以上 第 一冊) そ の後 ︑ 江戸 を出 て︑ 再び 東海 道 を通 り 四 日市 か ら白 子を 経 て伊勢 に参 詣 ︑奈 良︑ 吉 野︑ 高 野 に行 き︑ 堺 から 大 坂 ︑ 京を 見物 し て帰 る︑漢 詩文 集 ︒本 文 の記 述も か なり詳 し いが ︑全 体 に作 者自 身 かと 思われ る︑ 細 か い和文 の注が 書き 入 れられ てい て注目 さ れ る︒. 一33一.

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