小 ・ 中 学 校
平 成9年 度
教 育 研 究 員 研 究 報 告 書
e
東 京 都 教 育 委 員 会
平 成9年 度
教 育 研 究 員 名 簿(書 写)
書 写 地 区 学 校 名 氏 名
港 三 光 小 学 校 山 本 伸 子 新 宿 東 戸 山 小 学 校 吉 川 明 子 中 野 若 宮 小 学 校 西 川 さやか 豊 島 富 士 見 台 小 学 校 小 林 修 代 板 橋 上板橋第四小学校 高 室 万智子 練 馬 下石 神 井小 学 校 佐々木 美津代 0 江戸川 東 小 松 川 小 学 校 土 上 智 子 墨 田 竪 川 中 学 校 栗 生 忠 義 0 渋 谷 本 町 中 学 校 永 野 裕 子 保 谷 ひば りが丘中学校 河 西 敦 子
◎e世 話人 ○=副 世話人
担当 教育庁指導部指導企画課指導主事 宮 崎 活 志 笠 原 慎太郎
目 次
1研 究主題設 定の理 由 1
H研 究の構想
1研 究の基本 的な考え方 2研 究の全体構想図
19白
皿 研究の内容
〈 基 礎 的 ・基 本 的 事 項 〉
40Q
IV実 践 事 例
〈 小 学 校 第4学 年 〉
〈小 学 校 第5学 年 〉
〈 中 学 校 第1学 年 〉
﹄40U9﹂■⊥‑⊥
V研 究 のまとめ と今後の課題 24
研究主題 基礎 ・基本 を身 に付 け活 用で きる書写指 導 の工 夫
1研 究 主 題 設 定 の 理 由
様 々 な 情 報 が 氾 濫 す る現 代 社 会 に お い て は 、 そ れ らを 適 切 に 判 断 して 取 捨 選 択 し、 自 分 の 生 活 に 生 か せ る よ う にす る こ と が 大 切 で あ る。 ま た 、 価 値 観 が 多 様 化 す る な か 、 個 性 を 生 か す た め に 、 豊 か な 表 現 力 が 必 要 と さ れ て い る。
一 方、 国 語 科 書 写 に お い て は 、 目 的 や 意 図 に 応 じて 適 切 に 表 現 す る た め の 言 語 活 動 の 基 本 的 な 力 を 養 う と い う役 割 を 担 っ て い る 。 文 字 を 正 し く整 え て 書 け る こ と は 、 生 涯 に わ た り、
自信 を も っ て 自 己 表 現 で き る 手 段 の 一 つ と な り得 る の で あ る 。
本 部 会 の 意 識 調 査 に よ れ ば 、 児 童 ・生 徒 は文 字 を 書 く こ とが 好 き で あ り正 し く整 っ た 文 字 を 書 け る よ う に し た い と い う願 い を も って い る 。 小 学 校 低 学 年 で は 新 し い 文 字 と 出 会 う こ と に 喜 び を 感 じ、 中 学 年 ・高 学 年 で は 褒 め られ た い 、 認 め られ た い と い う気 持 ち が 強 くな り、
適 時 、 適 切 に 評 価 さ れ る こ と が 書 く意 欲 へ と つ な が っ て い る 。 中 学 校 に お い て は 、 日常 生 活 で 使 用 す る 文 字 の 多 くは 手 書 き が ふ さ わ し い と考 え て い る こ と も読 み 取 る こ とが で き た 。
そ の 反 面 、 小 学 校 低 学 年 で は 文 字 を 書 く こ と に 興 味 を も ち 意 欲 的 に 取 り組 め た の が 、 学 年 が 進 む に っ れ 自他 を 比 較 し、 技 能 の 差 を 認 識 す る よ う に な り、 苦 手 意 識 を もっ 児 童 ・生 徒 が 増 え て く る。 そ の 原 因 は 、 基 礎 ・基 本 が 身 に付 い て い か な い こ と や 評 価 が 文 字 の 巧 拙 と い っ た 印 象 を 規 準 と して 行 わ れ る こ とが 多 く、 児 童 ・生 徒 が 成 就 感 を 得 ら れ な い た め で あ る と考 え られ る 。
そ こ で ま ず 、 書 写 の 指 導 に 対 す る教 師 の 意 識 を 変 え て い く必 要 が あ る 。 毛 筆 指 導 は 、 硬 筆 の 文 字 を 分 か りや す く指 導 す る た め の 基 礎 で あ り、 毛 筆 の 作 品 を 仕 上 げ る こ とが 目 的 で は な い 。 書 写 で 学 ん だ こ とを 日 常 生 活 に 生 か して い く こ と が 重 要 で あ る。 ま た 、 児 童 ・生 徒 が 基 礎 ・基 本 を 身 に 付 け られ る よ う指 導 の 工 夫 を して い く こ と も必 要 で あ る 。
以 上 の こ とか ら本 年 度 は 「自分 で 課 題 を 見 つ け よ う とす る 児 童 ・生 徒 」 「文 字 の 基 準 を 正 し く理 解 しよ う とす る児 童 ・生 徒 」 「自 分 の 課 題 に 向 け 努 力 し解 決 しよ う とす る 児 童 ・生 徒 」
「学 ん だ こ とを 日常 生 活 に 生 か そ う と す る児 童 ・生 徒 」 を 目 指 し、 本 研 究 主 題 を 設 定 した 。
1研 究 の 構 想
1研 究 の 基 本 的 な 考 え 方
基 礎 ・基 本 を 身 に 付 け る よ う に す る た め に は 、 まず 発 達 段 階 に 応 じた 基 礎 ・基 本 を 明 ら か に し、 定 着 で き る よ う 指 導 の 手 立 て を 工 夫 す る必 要 が あ る。 さ ら に 、 学 習 過 程 に お い て 児 童 ・生 徒 が 自分 の 課 題 に 気 付 く と と も に 、 自 ら課 題 意 識 を も って 学 習 に 取 り組 む こ と が で き る 力 を っ け られ る よ う支 援 して い く こ と も大 切 で あ る と考 え た 。
ま た 、 自 分 の 課 題 に 対 して 意 欲 的 に 取 り組 め る よ う な 学 習 活 動 や 評 価 を 工 夫 し、 児 童 ・ 生 徒 が 自分 の 力 で 課 題 を 解 決 で き る よ う に す れ ば 、 達 成 感 ・成 就 感 が 得 られ る と考 え た 。 児 童 ・生 徒 が 書 く こ と に 対 し喜 び や 自信 を もつ こ とが で き れ ば 、 日常 の 書 写 活 動 に 生 か そ う と い う意 欲 に つ な が る。
以 上 の こ と に っ い て 、 授 業 研 究 を 通 して 研 究 を 進 め る こ と に した 。
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2、 研 究の 全 体構 想 図
i児 童 ・生 徒 の 実 態
小 学 校 低 学 年 小 学 校 中 学 年 小 学校 高 学 年 中 学 校
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傾 向
,※ 上の 表 中の吹 き出 しは、特 に傾 向の大 きか った結果 を、 子供た ちの 「っぶや きjと して ま とめた ものです.
社会の実態C〔====」
社会 の要請
自分で課題を 見つけようとする
ざ す 児 童 生 徒 懐
自分の課題 に 向け、
努力 し解決 しよ うとす る
研 究 主 題
国語科 の 目標 国語科書写 のね らい
学んだ ことを
日常生活に生かそうとする
基 本 を 身 に 付 け 話 用 で ぎ る 書 写 指 導 の 工 夫
一
仮 説
自分 の 課 題 に対 して 意 欲 的 に取 り組 み 、課 題 を解 決 で きた 学 習 過 程 の 中で 、 児 童 ・生 徒 が 自 分 の 課 題 に 気 付 き 、課 題
意 識 を も って 学 習 に取 り組 め る一 本 を身 に付i達 成 感 ・成 就 感 を 得 られ れ ば 、 学 習 し 一T」̀+の 子 、 び 日常の書 写あ活
}る こ で る で つ。iに 一か して い く意欲 にっ なが るで あろ う。
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自分 の 課 題 に 気 付 き、 課 題 意 識 を も って 学 習 意 欲 的 に取 り組 み 、 達 戒 感 ・戒 就 感 を 得 る ため 日 常 生 活 に 生 か す た め の 工 夫
に 取 り組 む た めの 工 夫 の 工 夫
・興 味 ・関 心 を 高 め る 導 入 の 工 夫 ・個 々 の課 題 に応 じる た め の 工 夫 ・毛筆 学 習 で 学 ん だ こ と を硬 筆 学 習 に生 かす た
・教 材 や 基 準 を わ か りや す く提 示 す る 工夫(教 め の 工 夫
材 提 示 装 置 、 二 色 筆 、 「す け 一 る シ ー トJ、 拡 大 文 宇 ・指 導 計画 の 工 夫
な ど) ・発 展 学 習 の 工 夫
・課 題 に 気 付 か せ る た め の 工 夫(シ ー ル 、 「すけ一 ・学 習 形 態 の 工 夫 る シ ー ト」、 学 習 カ ー ドな ど)
・課 題 意 識 を 高 め る た め の 工 夫(練 習 用紙 、学習 ・評 価 のT ̲夫 ・掲 示方 法 の 工夫
カ ー ドな ど)
・評 価 の 工 夫
7
・T .T.に よ る 指 導 の 工 夫
主 題 に 迫 る た め の 指 導 の 工 夫
小学 校4年 ・平 仮 名 の 筆 使 い 「と ん ぼ 」
難'彰
》 構' 蝋 爾
}曝 一
套ぐ幽 層
・教 材 提 示 装 置 及 び 二 色 筆 の 使 用
・学 習 カ ー ド(と ん ぼ カ ー ド)
・T .T.の 活 用(課 題 別 グル ー プ を 分 担)
研 究 授 業
、鷺
ぜンぎβ㌘ 廟
・正 方 形 の 用 紙(大 小)
・学 習 形 態 の 工 夫(教 材 別 グ ル ー プ)
・T ,Tの 活 用(教 材 別 グル ー プ を分 担)
皿 研 究 の 内 容
1自 分の課題に気付 き、課題意識をもって学習に取 り組 むための工夫
○興味 ・関心を高める導入の工夫
・ 「とん ぼ 」 の 話 を す る 、 「登 」の 字 源 を 示 す な ど教 材 へ の 関 心 が 高 ま る よ うに す
る。
・導 入 時 に学 習 の 見 通 しを も て る よ うに し、
意 欲 を 高 め る よ う に す る 。
○ 教 材 や 基 準 を 分 か りや す く提 示 す る 工 夫
・必 ず 筆 順 の 確 認 を 行 う
。
・教 材 提 示 装 置 を 使 って 筆 使 い を 示 す 。 (二 色 筆 の 使 用)
・黒 板 に 拡 大 文 字 を 提 示 す る。
・一 人 一 人 に 「す 廿 一 る シ ー ト」 を 配 布 し、
基 準 を 確 認 しや す くす る。
○ 課 題 に 気 付 か せ る た め の 工 夫
關 鯉
「登 」 の 字 源 の 例
二 色 筆 を使 った指 導
・試 し書 き と 基 準 を 比 べ 、試 し書 きに 自分 の課 題 を 赤 ペ ンで書 き込 ん だ り、 シール を貼 っ た りす る 。
・ 「す け 一 る シ ー ト」 を 使 っ て 基 準 と比 べ 、 自 らの 課 題 に気 付 く。
(「 す け 一 る シ ー ト」 の 作 り方 →1cm方 眼 をB4サ イ ズ のOHPシ ー トに コ ピー す る 。 表 は 水 性 ペ ン で 書 き込 み もで き る 。)
・用 紙 の 大 き さ を 変 え る こ と に よ り、 課 題 に気 付 く。
○ 課 題 意 識 を 高 め る た め の 工 夫
・自分 の 課 題 に 合 っ た 練 習 用 紙 を 、 自分 で 作 成 す る。
・課 題 意 識 を 高 め る た め に 、 学 習 カ ー ドに 自分 の課 題 を記 入 す る。
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一4一
○ 評 価 の 工 夫
・同 じ課 題 を もっ グ ル ー プ 内 で 相 互 評 価 を す る 。
・学 習 カ ー ドに 評 価 を 記 入 す る 。(自 己評 価 ・先生 か らの評 価 や 助言)
羅
く 諺 澄
2意 欲 的 に 取 り組 み 、 達 成 感 ・成 就 感 を 得 る た め の 工 夫
○ 個 々 の 課 題 に 応 じ る た め の 工 夫
・筆 使 い の 入 った 基 準 を 配 布 した り、 練 習用 紙 の作 成 例 を 示 した り して、 自分 の 課 題 に 合 わ せ て 自分 で 練 習 用 紙 を 作 成 し な が ら練 習 で き る よ う に す る 。
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練習用紙の作成例
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○ 指 導 計 画 の 工 夫
・2時 間 連 続 した 授 業 、1単 位 時間 の 弾力 的 な運 用 な ど工 夫 し、 達 成感 ・成 就 感 を得 ら れ る よ う に す る。
・児 童 ・生 徒 が 見 通 し を も っ て 取 り組 め る 学 習 計 画 を 工 夫 す る 。
・児 童 ・生 徒 に と っ て 身 近 な教 材 を 取 り入 れ る。
○ 学 習 形 態 の 工 夫
・課 題 別 グ ル ー プ で 相 互 評 価 しや す い よ う に す る 。
・教 材 別 グ ル ー プ で 話 し合 い を しや す い よ う に す る。
○ 評 価 の 工 夫
・評 価 は 、 作 品 に 対 す る 評 価 で は な く、 課 題 に 即 し た 評 価 を 行 う こ と に よ り 、達 成 感 ・ 成 就 感 を 得 られ る よ う に す る 。
・メ ッ セ ー ジ カ ー ド(友 達 の 良 い と こ ろ を 記 入)の 交 換 を す る 。
・教 室 掲 示 の 工 夫 ① ま と め 書 き だ け で な く試 し書 き も掲 示 し、 変 容 が 一 目 で 分 か る よ う に 配 慮 す る 。
② 課 題 別 に掲 示 し、 課 題 が 達 成 で き た か 分 か る よ う に す る。
課 題別座席表 の例 試 し書 き と ま とめ 書 きの 掲 示 の例
メ ッ セ ー ジ カ ー ドの 例
κ蒙一・︑.︑︑︑⁝︑一擁︑嚢翻
羅編鷹,‑・..,継
一6一
OT.T.に よ る 指 導 の 工 夫
・個 別 指 導 の 時 間 や 機 会 を 増 や す 。
・課 題 別 グ ル ー プ を 分 担 し、 適切 な助言 ・評 価 が で き る よ うにす る。
・役 割 を 分 担 し、 指 導 に あた る。
ぐ㍉,︑乞.立︑今復今ム
多 譜
蘇SJ
劉
3日 常 生 活 に 生 か す た め の 工 夫
O毛 筆 学 習 を 硬 筆 学 習 に 生 か す た め の 工 夫
・学 習 した こ とが 、 日常 生 活 に生 かせ る よ うな学 習 カー ドを工 夫 す る。
と ん ぼ → ・
登 る →
と→ 曲 が りの あ る 字 ん → 折 り返 しの あ る字 ぼ → 結 び の あ る字
文 字 の 大 き さ (漢 字 と平 仮 名) 鳴 く ・歌 う 漢 字 仮 名 交 じ り文
を 硬 筆 で 書 き 、 他 の 文 字 に も生 か せ る よ う に す る。
・記 名 に 筆 ペ ン を 用 い 、 日常 的 に使用 で き る よ うにす る。
○ 掲 示 方 法 の 工 夫
・教 室 の 文 字 環 境 を 整 え 、文 字 に対す る意 欲 を 喚起 す る。
○ 発 展 学 習 の 工 夫
・日常 生 活 の 中 で 目 に 触 れ る明 朝 体 ・ゴ シ ッ ク体 以 外 の 文 字 を 新 聞 か ら探 し と り、 文 字 に 対 す る関 心 を さ ら に 促 す 。
・書 写 で 学 ん だ こ と を 他 の 学 習 や 日常 の 文 字 に 生 か せ る よ う 機 会 を と らえ て 継 続 的 に 指 導 す る。
国 語 科 書 写 く基礎的 ・基本的事項 〉
ー◎︒1
○硬筆に関 して ●毛筆 に関 して ・硬 毛 共 通
小 学 校
中 学 校
低 中 高
i年12年 3年14年 5年16年
・ 正 し い 字 形 ・ 筆 順
基 礎
●
基 本 一 知 理 識 解
一
○ 点 画 の 長 短 ・方 向
○ 文 字 の 組 み 立 て 方 一
● 用 具 の 扱 い
○ 字 形,大 き さ,配 列 一m(よ しあ しの 判 断)一
○ 字 形,大 き さ,配 列 一一(理 解
,実 践)
○ 字 形,大 き さ,配 列 ・配 置(全 体 の調 和) 0
0点 画 の 接 し方,交 わ
り方,方 向 ○ 文 字 の 大 き さ,配 列
(読み やす く書 く)一 一 (理 解,実 践)一 一一 一一→
〈準 備,片 付 け 〉
● 筆 使 い (正 し い 筆 使 い の 定 着)
b
・目的 や 必 要 に応 じて 選 ぶ 一
〈始 筆,送 筆,終 筆 〉
〈点 画 の 長 短,方 向 〉 ● 点 画 の 接 し方,交 わ り方,方 向
● 文 字 の 中 心,画 間
● 文 字 の 組 み 立 て 方
● 文 字 の 大 き さ,字 配 り
う
● 行 書 に っ い て も 同 様 一一一・
〈 筆 の 当 て 方,筆 圧 〉
姿
勢
τ
正 し い 姿 勢 の 実
い す に 浅 く腰 か け る
背筋 を 伸 ば す 両 足 を っ け る
一(
●正 しい筆 の持 ち方
践)一 一一
○ 正 しい鉛 筆 の持 ち方
・机 ,イ スの調 節
・用 具 の 置 き方
〉(筆 ・ 鉛 筆 の 持 ち 方 の 意 識 化)
:
態 度 一 意 心
構 識 え
一
・興 味 ,関 心 を もっ
○ 用 具 を整 え る く鉛 筆 を 削 る 〉
〈硬 筆 用 下 敷 の 利 用 〉
・丁 寧 に ゆ っ くり と書 く
課 題 を もって 書 く
● 用 具 を整 え る ぐ筆 ・硯 の 手 入 れ 〉
こ
》
暖 嶺 麟 えて速く書く 一.̲
・文 字 を 自 ら進 ん で 工 夫 して 丁 寧 に 書 く
・書 写 の 能 力 を 生 活 に役 立 て る態 度
○毛 筆学習の成果を硬 筆 に生かす
IV実 践 事 例
<小 学 校 第4学 年>
1単 元 名 平 仮 名 の 筆 使 い 「とん ぼJ 2単 元 の 目 標
・平 仮 名 の 「曲 が り」 「結 び 」 「折 り返 し」 な ど の 筆 使 い を 理 解 して、 丁 寧 に 書 く こ とが で き る。
・毛 筆 で 学 ん だ こ と を 硬 筆 に 発 展 させ る こ とが で き る。
・課 題 意 識 を も っ て 、 意 欲 的 に取 り組 む ことが で き る。
3単 元 に つ い て
第4学 年 に お け る書 写 学 習 は 、 文 字 の 組 み 立 て 方 、 文 字 の 大 き さ や 配 列 に 注 意 して 書 く と と も に 、 点 画 の 接 し方 、 交 わ り方 、 方 向 に 注 意 し、 正 し く書 く こ と や 、 文 字 の 中 心 、 画 と 画 と の 間 隔 に 注 意 して 形 を 整 え て 書 くこ と の 指 導 が 重 視 さ れ る 。 そ の 中 で 特 に 本 単 元 は 、 平 仮 名 の 筆 使 い を 学 習 す る こ と で 、 漢 字 と の 違 い に 気 付 き、 文 字 を 整 え て 書 く技 能 ・態 度 を 高 め る こ と を ね ら い とす る 。 平 仮 名 の 性 格 は毛 筆 の 特 性 に よ っ て 形 成 さ れ て き た こ と か ら、 硬 筆 よ り も 、 毛 筆 で 扱 う こ と に よ っ て そ の 特 性 が 把 握 さ れ や す い 。
毛 筆 で の 平 仮 名 の 学 習 は 、3年 時 に 「っ り」 で 学 習 した 。 比 較 的 易 しい 文 字 で 、 「は らい 」 を 学 ん だ 。 本 単 元 で は 、 字 数 は3文 字 に な り、 「曲 が り」 「折 り返 し」 「結 び 」 の あ る や や 難 し い 平 仮 名 で あ る 。
本 単 元 を 通 し、 児 童 が 自 分 の 書 い た 文 字 か ら教 材 文 字 と の 比 較 に よ り課 題 を 自 ら発 見 し、
自分 の め あ て に あ った 練 習 が で き る よ う に さ せ て い きた い 。 そ の た め に 、 学 習 カ ー ドを 用 い な が ら、 個 々 の め あ て を も ち 、 そ れ を 確 認 し、 自 己 評 価 や 児 童 間 で の 批 正 及 び 評 価 が で き る よ う な 指 導 の 工 夫 を した 。
4研 究 主 題 と の 関 連
(1)自 分 の 課 題 に 気 付 き 、 課 題 意 識 を も っ て 学 習 に 取 り組 む た め の 工 夫
① 興 味 ・関 心 を 高 め る導 入 の 工 夫
・本 物 の とん ぼ を 見 せ た り、 とん ぼ に関連 した詩 の 暗 記 を取 り入 れ、 教材 を 身近 に感 じ られ る よ う に す る 。
② 教 材 や 基 準 を わ か り や す く提 示 す る 工 夫
・教 材 提 示 装 置 や 拡 大 文 字 、 二 色筆 な どを使 って 、筆 使 いが よ く分 か るよ うにす る。
③ 課 題 に 気 付 か せ る た め の 工 夫̀'
キ い
・基 準 を 書 き込 ん だ 教 材 文 字 と試 し書 き と ・ 蔑 ・ 、 ノ を比較 し、赤ペ ンで気付 いた こと鰭 き く義 説 込 む こ と に よ り 、 課 題 を は っ き りっ か め
る よ う にす る。
・平 仮 名 の 字 形 を と らえ や す くす る た め 、 練 習 用 紙 を 正 方 形 に し、 ま と め 書 き は3 文 字 が 縦 で 並 ぶ 長 方 形 の 用 紙 に す る 。
教 材 提 示 装 置 ・二 色 筆
④ 課 題 意 識 を 高 め る た め の 工 夫
・児 童 自 身 で 練 習 用 紙 を 作 成 す る た め に 、作 り方 の例 を示 し、児 童 が作 りや す い よ うに す る。
⑤ 評 価 の 工 夫
・ま とめ 書 き に 評 価 シ ー ル を 貼 り、 自分 の課 題 を振 り返 り、 自己評 価 で き るよ うにす る。
・児 童 自 身 の 言 葉 で 自 分 の 課 題 が 書 け る よ う な 学 習 カ ー ド(と ん ぼ カ ー ド)を 工 夫 す る。
② 意 欲 的 に 取 り組 み 、 達 成 感 ・成 就 感 を 得 る た め の 工 夫
① 個 々 の 課 題 に 応 じた 練 習 用 紙 の 工 夫
・自分 の 課 題 に 合 った 練 習 用 紙 を 児 童 自 身 で 作 成 さ せ 、 意欲 的 に取 り組 め るよ うにす る。
② 指 導 計 画 の 工 夫
・第1時 は 課 題 を 二 っ 作 る の で60分 扱 い に す る 。
③ 学 習 形 態 の 工 夫
・前 時 に 作 った 課 題 を 基 に 、課 題 別 の グル ー プを 作 り、 相互 評 価 な ど に役 立 っ よ うにす る 。
・児 童 の 机 の 配 置 を 工 夫 し、児 童 相互 で学 習 の 状 況 が 見 合 え る場 を作 る。
④ 評 価 の 工 夫
・作 品 に 対 す る評 価 で な く、 自分 の 課題 に対 す る評 価 とな る よ うな学 習 カー ド(と ん ぼ カ ー ド)に す る。
・学 習 カ ー ド(と ん ぼ カ ー ド)は 課 題 か ら評 価 ま で 一 貫 して 書 け る形 に す る。
・試 し書 き と ま と め 書 き との 比 較 を シ ー ル を 使 う こ と に よ り達 成 感 ・成 就 感 の 喜 び を 味 わ え る よ うに す る。
⑤T.T.に よ る指 導 の 工 夫
・課 題 別 グ ル ー プ を 分 担 して 担 当 す る こ と に よ り 、個 別 指 導 の 時 間や 機 会 を増 や す 。
・個 別 に 声 掛 け す る こ と に よ り課 題 に 対 す る評 価 に 役 立 て る 。 (3>日 常 生 活 に 生 か す た め の 工 夫
① 毛 筆 学 習 を 硬 筆 学 習 に 生 か す た め の 工 夫
・毛 筆 で 学 習 した こ と を 、 そ の 時間 内 で硬 筆 に生 か せ る よ うな学 習 カー ド(と ん ぼ カ ー ド)の 工 夫 を す る 。
② 掲 示 方 法 の 工 夫
・文 字 環 境 を 整 え 、 文字 に対 す る意欲 を喚 起 す る ため に、前 時 に書 いた もの と本 時 に書 い た もの と を 比 較 して 見 る こ と が で き、 成 果 が 明 らか に な る よ う な 掲 示 を す る。
TTに よ る指 導
翼遜
調ガ緑︑ん馬どん謹ん礒と翫犠
比較 で き る教 室 掲 示 の工 夫
響
ん
もま
一10一
5児 童 の 実 態
書 写 の 時 間 は 、 丁 寧 に 書 く と い う意 識 は も って い る が 、 普 段 ノ ー トに 書 く時 は 、 雑 に な っ た り 、 癖 の あ る字 に な っ た り しが ち で あ る 。23名 中 、 鉛 筆 の 持 ち 方 が ほ とん ど で きて い な い 児 童 は5名 、 親 指 の 位 置 や 鉛 筆 の 傾 く方 向 な ど に 課 題 の あ る児 童 は3名 で あ る。
r試 し書 き→ 教 材 文 字 と の 比 較 → 自分 の め あ て の 確 認 → 練 習 → ま と め 書 き→ 自 己 ・相 互 批 正 の 学 習 』 の パ タ ー ンを1学 期 に 繰 り返 して きた 。 試 し書 き と教 材 文 字 と を 比 較 し、 自 分 の 課 題 が 見 っ け られ る よ う に な って き て い る。
本 単 元 に 入 る 前 に 、 普 段 の 授 業 時 に 児 童 の 書 い て い る 文 字 の 特 徴 を 課 題 文 字 の 「と」 「ん 」
「ぼ 」 で 調 べ て み た 。 そ の 結 果 は 、 以 下 の 通 りで あ る。
《文 字 例 》
la と
cと
bと dと
一
*だ い た い で き て い る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …2人 a2画 目 の 始 筆 が1画 目 よ り 上 の 位 置 か ら 入 る8人 b曲 が り が 滑 ら か で な く 、 角 張 っ て い る …2人 c2画 目 の 終 筆 が 止 ま っ て い な い ・ ・ ・ …4人 d2画 目 の 終 筆 が 始 筆 よ り 長 い ・ ・ ・ …20人
V a
V
bん *だ い た い で き て い る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …2人 a始 筆 の 入 る 位 置 が 左 よ り に な っ て い る …6人 b折 り 返 し 一 つ 目 が 全 く く っ つ い て い る ・ ・10人
c折 り 返 し 二 っ 目 が 丸 く な る 。 ・ ・ ・ …10人 d終 筆 の は ら い を 止 め る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …3人
e終 筆 の は ら う 方 向 が 違 う ・ ・ ・ ・ ・ ・ …6人
C
ん
d
ん
e
h
1
la、 、
1"1ほ
b、 、
ぽ
*だ い た い で き て い る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1人 a1画 目 の は ね が な い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …15人 b9画 目 の 綾 線 が そ り す ぎ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …7人 c結 び の 形 が 三 角 に な っ て い る ・ ・ ・ ・ …6人 d結 び が 大 き い 丸 に な っ て い る ・ ・ ・ ・ …5人 e4画 目 の 終 筆 が 止 ま っ て い な い ・ ・ ・ …2人
「い干 レば de 、し
6指 導計画(4去 時間扱い)
第1時 平 仮 名 の 「曲 が り 」 「折 り返 し」 「結 び 」 な ど の 筆 使 い に つ い て 学 習 (1?3時 間 扱 い)す る こ とを 知 り、 ・と・ の 「曲 が り」 の 筆 使 い に 気 を 付 け て 書 く.
第2時"ん"の 「折 り返 し」 の 筆 使 い に 気 を 付 け て 書 く。
第3時"ぼ"の 「結 び 」 の 筆 使 い に 気 を 付 け て 書 く。
第4時 自分 の 課 題 を も って 、 「と ん ぼ 」 の ま と め 書 き を す る。(本 時) 2
※
3時 間 は 、 次 単 元 で 調 整 。
7本 時の指導(4抑 扱いの第4時) (1)目 標
・前 時 で 立 て た 課 題 に 合 わ せ て、 自分 で 練 習 用 紙 を 作 る こ と が で き る。
・作 っ た 練 習 用 紙 で、 「曲 が り」 「折 り返 し」 「結 び 」 の 筆 使 い の 練 習 を す る こ とが で き る 。
・L筆 で 学 習 した こ と を 硬 筆 に 生 か す こ とが で き る
。
(2)展 開
学 習 活 動
1.学 習 の ね ら い を 知 る 。
教 師 の 支 援
T.
・ 「曲 が り」 「折 り返 し」 「結 び 」 を 生 か し て ま と め 書 き を す る学 習 で あ る こ と を 知 らせ る 。
T2
「曲 が り」 「折 り返 し」 「結 び 」 の 学 習 を 生 か し て 書 こ う 2.前 時 で 立 て た 「と
ん ぼ 」 の め あ て を 確 認 す る 。
3.ウ ォ ー ミ ン グ ア ッ プ を す る 。
4.各 自 の 課 題 を 基 に 練 習 用 紙 を 作 成 し、
「と ん ぼ 」 を 練 習 す る 。
て
煮
欄
鰯繍ち
・各 自の め あ て を 振 り 返 らせ 、 め あ て ご と の 座 席 で あ る こ と を 確 認 す る 。
・ 「と ん ぼ 」 の 空 書 き を 児 童 と 共 に す る。
(掌 で)
・練 習 用 紙 の 作 成 例 を 示 し使 い方 を 説 明 す
る 。
・ 「曲 が り」 「折 り返 し」 「結 び 」 の 筆 使 い を 確 認 し 示 範 す
る。
・練 習 用 紙 の 作 成 例 を 貼 っ て い く。
・各 自 の 課 題 に あ っ た 練 習 用 紙 を 作 り、 練 習 を さ せ る 。
・T1 、T、 に よ り、 課 題 に 合 っ た 練 習 用 紙 作 りが で き て い る か 確 認 し、 助 言 す る 。
・筆 使 い 、姿 勢 につ いて 、個 別 指 導 す る。
[還 澄整1潔
主 題 に 迫 る ための手立て
i I
l課 題 別 グ ル ー プ i
i
5.ま と め 書 き を す る 。
ABC
●ll灘 書「… … 一
・担 当 の グ ル ー プ に つ い て 個 別 指 導 す る 。
T.T.に よ る 指 導
6.前 時 に 書 い た 「と ん ぼ 」 と比 べ て 自分 の 課 題 が 達 成 で き た か 調 べ 、 評 価 と感 想
を 書 く。
と ん ぼ カ ー ド (め あ て)
教材提示装置 二色筆
既 習 の 練 習 用 紙 の f乍例 例 用 紙
(15x45)
'一'一'一'一 咀一 暉}"一'一'一'一'一'一̀一 層一'一'一'一 「1
「ぼ 」 の 形 な どD全 部 の 字(形 、 止 め)1
・ぼ ・ の 結 びE「 ん 」 と バ ラ ン ス ・中 心i
「 と 」Frん 」1
.̲.̲.̲.̲.̲.̲.i
・前 時 に 書 い た ま と め 書 き と本 時 に 書 い た ま と め 書 きを グ ル ー プ で 共 同 批 正 さ せ る。
・自 分 の め あ て が で き た か 確 か め る よ う に 助 言 す る。
相 互 評 価 自 己 評 価 とん ぼ カ ー ド
(評 価 ・感 想)
・自 分 の 言 葉 で 書 くよ う に 助 言 す る 。
一12一
7.成 果 を 発 表 す る 。 ・め あ て の 達 成 の 著 し い 児 童 の 試 し書 き と ま と め 書 き と を 比 べ て み せ る 。
・各 グ ル ー プ ご と に 作 品 を 発 表 さ せ る 。
8.今 ま で 学 ん だ こ と ・ と ん ぼ カ ー ドに 「と と ん ぼ カ ー ド
を生か して硬筆で書 ん ぽ 」 を硬 筆 で 書 か (硬 筆 の ま と め
く 。 せ る 。 書 き)
・姿 勢 、 鉛 筆 の持 ち方 、毛 筆 で学習 した こ とな ど を個 別 指 導 す る 。
・学 習 し た こ と を 日常 ・硬 筆 の 平 仮 名 カ ー ド 生活に生かす大切 さ を 提 示 す る。
を 話 す 。 (3)評 価
・自 分 の 課 題 に 合 っ た 練 習 用 紙 が 作 れ た か 。
・自 分 の 課 題 を 基 に 「曲 が り」 「折 り返 し」 「結 び 」 の 筆 使 い が で き た か 。
・毛 筆 で 学 習 した こ と を 硬 筆 に 生 か せ た か 。
8考 察
(1)自 分 の 課 題 に気 付 き 、 自 ら課 題 を も って 学 習 に取 り組 む た め に
基 準 を 書 き 込 ん だ 教 材 文 字 と試 し書 き とを 比 較 し、 赤 ペ ン で 自 ら気 付 い た こ とを 記 入 す る こ と に よ っ て 、 児 童 一 人 一 人 が 意 欲 的 に 課 題 を も って 学 習 に 取 り組 む こ とが で き た 。 ま た 、 字 形 だ け で な く、 始 筆 や 終 筆 な ど も意 識 して 書 い て い た 。 しか し、 各 自 の 課 題 に 合 っ た 練 習 用 紙 を 作 る こ と が 難 し く、 教 師 の 助 言 が 必 要 な 児 童 も見 られ た 。 今 後 は よ り き め こ ま や か な 助 言 を 工 夫 し、 自 らの 課 題 に そ って 作 れ る よ う に 指 導 して い く必 要 が あ る 。
二 色 筆 を 使 って 教 材 提 示 装 置 で 見 せ た 筆 使 い は 具 体 的 で 、 児 童 が 興 味 を もち 、 分 か り や す か っ た 。 正 方 形 の 練 習 用 紙 は 児 童 に と って 取 り扱 い や す く、 平 仮 名 を と らえ や す く した 。 (2)意 欲 的 に 取 り組 み 、 達 成 感 ・成 就 感 を 得 る た め に
課 題 別 グ ル ー プ で の 学 習 は練 習 用 紙 作 りや 相 互 評 価 な ど を 通 して 課 題 意 識 を 互 い に 高 め る こ と が で き 、 有 効 だ っ た 。 ま た 、 机 の 位 置 を 工 夫 した こ と も効 果 的 で あ った 。 しか し、
課 題 別 グ ル ー プ は 、 集 中 力 の 持 続 や 教 室 の 広 さ な どの 問 題 もあ り、 効 果 的 に 取 り 入 れ る工 夫 を して い く必 要 が あ る。
第1時 で は2つ の 課 題 を 決 め る た め 、60分 扱 い に した こ とで 児 童 が ゆ と り を も っ て 、 意 欲 的 に 取 り組 む こ とが で き た。
学 習 カ ー ドを 使 った 取 り組 み は 児 童 自 身 が 文 字 の 変 容 に 驚 き 、 達 成 感 を 得 られ る学 習 と な っ た 。 しか し、 記 入 に 時 間 が か か る とい う 課 題 が 残 っ て い る 。
T.T.はT,、T2と もに 役 割 分 担 を 決 め て 指 導 に あ た っ た 。 課 題 別 グ ル ー プ を 分 担 して 個 別 指 導 した 。 一 人 一 人 へ 声 を 掛 け た り、 手 を 添 え て 運 筆 を 指 導 す る 機 会 が 増 え 、 児 童 の 課 題 に そ っ た 指 導 が で き 、 児 童 の 成 就 感 へ っ な が っ た。
(3)日 常 生 活 に 生 か す た め に
学 習 カ ー ドで 硬 毛 の 関 連 を 図 っ た こ とは 、 書 写 の 学 習 で 習 った こ と を 日常 生 活 に 生 か す こ とが で き る と い う 自信 に つ な が っ た 。 掲 示 方 法 を 毎 時 間 の 成 果 が 分 か る よ う に した こ と や 学 習 カ ー ドへ の 教 師 の 助 言 は 、 児 童 の 励 み に な り、 日常 の 文 字 の 変 容 へ っ な が っ た 。 こ の 意 欲 を 今 後 も持 続 す る 指 導 を 工 夫 して い き た い 。
<小 学 校 第5学 年>
1単 元 名 文 字 の 大 き さ(漢 字 と 平 仮 名)「 登 る 」 2単 元 の 目 標
・漢 字 と平 仮 名 と の 大 き さ に 注 意 し、 正 し く字 形 を 整 え て書 くこ とが で き る。
・そ れ ぞ れ の 文 字 の 大 き さ を 考 え て 、 見 や す く読 み や す い 言葉 や 文 を 書 くこ とが で き る。
3単 元 に つ い て
児 童 は 「文 字 の 大 き さ 」 に つ い て 、4年 生 の 学 習 で 「平 仮 名 は 漢 字 よ り少 し小 さ め に 書 こ う」 と い う 目標 で 学 ん で き て い る 。 そ れ らを 基 に して 、 こ こ で は 、 漢 字 と平 仮 名 の 大 き さ の 均 衡 に っ い て 学 習 す る 。 ま た 、 文 字 の 大 き さ に つ い て だ け で な く、 見 や す く読 み や す い 表 現
に は 、 毛 筆 の 場 合 に は 、 点 画 の 太 さ も関 係 して い る こ と に も気 付 か せ る。
そ こで 、 毛 筆 を 使 用 して 、 漢 字 は 平 仮 名 よ り大 きめ に 書 く こ と と 共 に 、 画 数 の 多 い 文 字 は 細 め に 書 く こ と ・画 数 の 少 な い 文 字 は 少 し太 め に す る と 形 が 整 い 、 バ ラ ン ス が よ い こ と な ど に つ い て 児 童 の 理 解 を 促 した い と考 え る。 そ して 、 毛 筆 で 学 習 した こ と を 生 か し、 縦 書 き や 横 書 き な ど の 硬 筆 の 学 習 を 通 して 確 か め を す る こ と に よ り 、 文 字 の 大 小 ・全 体 の 構 成 ・行 の
中 心 な ど の 基 礎 的 ・基 本 的 内 容 を 定 着 さ せ た い と考 え 、 本 単 元 を 設 定 した 。 4研 究 主 題 と の 関 連
(1)自 分 の 課 題 に 気 付 き 、 課 題 意 識 を も っ て 学 習 に 取 り組 む た め の 工 夫
① 興 味 ・関 心 を 高 め る 導 入 の 工 夫
・ 「登 」 の 字 源 を 示 し、教 材 へ の 関 心 が高 ま る よ うに す る。
② 教 材 や 基 準 を 分 か り や す く提 示 す る工 夫
・拡 大 文 字 を 提 示 す る。
・確 認 し や す い よ う に 一 人 一 人 に 「す け 一 る シー ト」 を 配 布 す る。
③ 課 題 に 気 付 か せ る た め の 工 夫
・教 材 文 字 と 自 分 の 試 し書 き と を 比 較 し て 、 気付 い た こ とを 赤 ペ ンで 書 き込 む よ うにす る 。
・ 「す け 一 る シ ー ト」 を 使 っ て 基 準 と比 べ 、 自 らの課 題 に気付 く。
・自分 の 課 題 を 学 習 カ ー ドに 記 入 す る こ と に よ り 、 そ の課 題 を よ り明確 に す る。
④ 課 題 意 識 を 高 め る た め の 工 夫
・児 童 自 身 で 練 習 用 紙 を 作 成 す る 。
⑤ 評 価 の 工 夫
・自 分 自 身 の 言 葉 で 自 分 の 課 題 に 対 して の 評 価 を 記 入 で き る よ う な 学 習 カ ー ドを 工 夫 す る 。
(2)意 欲 的 に 取 リ組 み 、 達 成 感 ・成 就 感 を 得 る た め の 工 夫
① 個 々 の 課 題 に 応 じ る た め の 工 夫
・自 分 の 課 題 に 合 っ た 練 習 用 紙 を 児 童 自 身 に 作 成 させ 、練 習 させ る ことで 意 欲 的 に取 り 組 め る よ う に す る。
② 指 導 計 画 の 工 夫
・学 習 を 中 断 さ せ な い た め に 、2時 間連 続 した授 業 を行 う。
一14一
③ 評 価 の 工 夫
・作 品 に対 して で は な く、 自分 の 課 題 に即 した評 価 と な るよ うな学 習 カ ー ド(登 る1iカ ー ド)に す る
。
・友 達 の 作 品 の 良 い と こ ろ に つ い て 書 い た メ ッセ ー ジ カ ー ドの 交 換 を 行 い 、 お互 いの良 さ を 認 め 合 え る よ う に す る 。
④T.T.に よ る指 導 の 工 夫
・T.T。によ る指 導 を行 い、 個 に応 じた 適 切 な助 言 ・評 価が で き る よ うにす る。
・児 童 の 要 求 に こ た え られ る よ う に す る 。 (3)日 常 生 活 に 生 か す た め の 工 夫
① 毛 筆 学 習 を 硬 筆 学 習 に 生 か す た め の 工 夫
・毛 筆 で 学 習 した こ と を 硬 筆 に 生 か せ る よ う に 、 教 材 を 日常 生活 の 中 か ら取 り上 げ て い く。(生 活 目標 を 書 く。)
② 掲 示 方 法 の 工 夫
・文 字 環 境 を 整 え 、文 字 に対 す る意 欲 を 喚 起す る ため に 、試 し書 きと ま とめ書 き とを比 較 して 見 る こ と が で き 、 成 果 を 認 め 合 え る よ う な 掲 示 を す る 。
5児 童 の 実 態
漢 字 テ ス トや 作 文 を 書 く と き、 「一 画 一 画 丁 寧 に 。 」 と い う声 掛 け が あ る と 、 正 し く丁 寧 に 書 こ う と す る が 、 日 常 の 文 字 に つ い て は 、 あ ま り意 識 さ れ て い な い 。
文 字 を 書 く こ と を 楽 し い と感 じて い る児 童 も い る が 、 苦 手 意 識 を も って い る児 童 も多 い 。 練 習 の 成 果 を 少 しず っ で も認 め て い く こ とで 、 書 く こ と へ の 意 欲 を 高 あ て い き た い と 考 え て
い る 。
漢 字 と 平 仮 名 と の 大 き さ に つ い て は 、 ζ書 く善 な ど の よ う に 漢 字 と送 り仮 名 の 文 字 を 書 く と き は 、 や や 漢 字 を 大 き く書 く こ と が で き る 。 しか し、 文 章 を 書 く と き は 、 画 数 の 多 い 漢 字 を 書 く と き文 字 は 大 き くな りが ち で あ るが 、 全 体 的 に 見 る と 、 平 仮 名 の 方 が 大 き くな っ た り 、 す べ て 同 じ大 き さ で あ っ た り、 大 き さ の バ ラ ン ス に 留 意 しな が ら文 字 を 書 く児 童 は あ ま り い
な い 。
ま た 、 文 字 や 行 の 中 心 を 考 え て 文 字 や 文 章 を 書 く こ と に つ い て は 、 半 数 以 上 の 児 童 が 意 識 して い る が 、 文 字 と文 字 との 間 隔 に ま で 気 を 配 れ る 児 童 は多 く は な い 。 本 単 元 を 通 して 一 文 字 一 文 字 を 正 し く書 く こ と だ け で な く、 見 や す く読 み や す く書 くた め に 、 文 字 の 大 小 、 中 心 、 間 隔 な ど に 注 意 して 書 こ う とす る 態 度 も育 て る こ とが 必 要 で あ る 。
6指 導 計 画(4時 間 扱 い)
第1・2時 漢 字 と 平 仮 名 と の 大 き さ に 注 意 して ¢登 る3を 整 え て 書 く。(2時 間) (本 時)
第3時 硬 筆 で 文 字 相 互 の 大 き さ の 比 率 に 気 を 付 け て 、 読 み や す くr登 る 』r歌 う 』 ゼ鳴 く還 を 書 く。
第4時 学 習 の ま と め と して 、 硬 筆 で 各 自 の 生 活 目標 を 書 く。
7本 時 の 指 導(4時 間 扱 い の 第1・2時)
ω 目 標
・ 「登 る 」 の 文 字 の 大 き さ に 関 し て の 自 分 の 課 題 を 見 つ け る こ とが で き る。
・ 「登 る 」 を 漢 字 と 平 仮 名 と の 大 き さ に 注 意 して 書 く こ と が で き る 。
・練 習 用 紙 を 工 夫 し、 進 ん で 練 習 を す る こ と が で き る 。 (2)展 開
学 習 活 動
1.「 登 る 」 と い う 文 字 を 書 く こ と を 知 る 。
2.「 登 る 」 を 空 書 き す る。
3.硬 筆 と 毛 筆 とで 試 し書 き を す る 。 4.自 己 批 正 を す る 。
赤 ペ ンで 直 し を す る 。
「す け 一 る シ ー ト」
を 操 作 しな が ら基 準 に つ い て 考 え る 。
国 一團
5.基 準 に っ い て 知 る 。 自 己批 正 して 分 か っ た こ と を 発 表 す る 。
教 師 の 支 援
T.
・児 童 の 関 心 が 高 ま る よ う に 、 「登 」 の 字 源 を 提 示 す る。
・筆 順 の 確 認 を す る 。
T2
・は っ が し らの 筆 順 を 板 書 す る 。
・筆 の 持 ち 方 ・姿 勢 な ど に つ い て も 助 言 す る 。
・筆 順 の 分 か ら な い 児 童 に 声 掛 け を す る 。
・教 材 文 字 を 配 布 す る。
・良 い 点 を 見 つ け て ほ め る 。
・漢 字 と平 仮 名 との 大 き さ の 違 い に 気 付 く よ う に シー トを 操 作 す る よ う助 言 す る 。
'「 す 」堕 一 る シ ー ト」
を 配 布 す る 。
主 題 に 迫 る ための手立て
T.T.に よ る 指 導
基準な どの記入の ない教材 文字
同 『け 一 る シ ー ト 」
基 準
① 縦 の 長 さ は 、 ほ と ん ど 同 じ。
② 横 幅 は 、 「る」 が せ ま い 。
・画 数 の 多 い 文 字 は や や 細 め に 書 く こ と、
「る」 の 幅 は 「登 」 の12画 め の 長 さ と ほ ぼ 同 じに す る こ と、
平 仮 名 は 丸 み の あ る 線 にす る こ と も指 導 す る。
自 分 の め あ て を つ く ろ う
・確 認 した 基 準 を 提 示 す る。
拡大文字
一16一
6.学 習 カ ー ドに 自 分 の 課 題 を 記 入 す る 。 7.練 習 用 紙 を 作 成 し
な が ら練 習 す る 。
8.ま と め 書 き を す る 。
9.自 己 評 価 す る。
成 果 を 発 表 し合 う。
10.次 時 の 学 習 内 容 を 知 る 。
・課 題 を 考 え ら れ な い 児 童 に は 、机 間 指 導 の 際 助 言 す る 。
・教 材 文 字 を 配 布 す る。
・課 題 に 合 っ た 練 習 用 紙 を 作 成 で き な い 児 童 に 助 言 す る 。
・漢 字 と平 仮 名 と の 大 き さ に 気 を 付 け な が ら丁 寧 に 書 く よ う に 声 掛 け を す る 。
・用 紙 の 足 り な い 児 童 に 用 紙 を 配 布 す る 。
・自 信 の も て な い 児 童 に は 、 教 師が評 価 し認 め る 。
・自 分 の 成 果 だ け で な く、 友 達 の成 果 も見 つ け る こ と の で き た 児 童 を 評 価 す る 。
・次 の 時 間 は、 硬 筆 で r登 る 』 やr歌 う 』
「鳴 く 』 な ど を 書 く こ と を 伝 え る 。
学 習 カ ー ド(登 る 君 カ ー ド)
基 準 な ど を 記 入 し た 教 材 文 字
個 々 に 作 成 す る練 習 用 紙
練 習 用 紙 の 作 成 例
学 習 カ ー ド(登 る 君 カ ー ド)
(3)評 価
・漢 字 と 平 仮 名 の 大 き さ に 注 意 して 書 く こ とが で き た か 。
・自 分 の 課 題 を も ち 、 意欲 的 に学 習す る こ とが で きた か。
8考 察,
(D自 分 の 課 題 に 気 付 き、 課 題 意 識 を も っ て 学 習 に 取 り組 む た め に
教 材 文 字 と 自分 の 試 し書 き と を 比 較 し、 赤 ペ ンで 書 き込 み を す る こ と に よ り 、 児 童 一 人 一 人 が 、 自分 の 文 字 に つ い て 課 題 と な る点 に 気 付 きや す くな っ た 。
基 準 を 発 見 し、 確 認 しや す くす る た め に 、 一 人 一 人 に 「す け 一 る シ ー ト」 を 配 布 した が 、 シ ー トの 操 作 に慣 れ ず 、 戸 惑 っ て い た 児 童 もい た 。 基 準 に つ い て 全 体 で 確 認 した 際 、 再 度 全 員 で シ ー トを 使 って 確 か め る 必 要 が あ っ菱 。 今 後 も学 習 の 中 で 、 シ ー トを 活 用 し て い き た い と考 え る。
学 習 カ ー ドに 児 童 自身 め 言 葉 で 自 分 の 課 題 を 書 き込 む こ と に よ り、 個 々 の 課 題 に 応 じ た め あ て を よ り明 確 に す る こ とが で き た 。
練 習 用 紙 は 児 童 一 人 一 人 が 工 夫 しな が ら作 成 して い た が 、 め あ て に 合 っ た 練 習 用 紙 を 作 る こ と が 難 しい 児 童 や 、1枚 の 練 習 用 紙 を 作 る の に 時 間 が か か って しま う児 童 も い た 。 練 習 用 紙 の 作 成 例 は 提 示 した が 、 更 に 、 机 間 指 導 の 際 に 、 個 別 に 助 言 す る こ とが 必 要 で あ る と 考 え る 。