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地域産材の公共調達に関する研究 [ PDF

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(1)地域産材の公共調達に関する研究. 堂脇 吉典 表1.調査概要. 1.研究の背景と目的  近年、戦後の拡大造林期の大量の人工林が間伐期を迎 え. 注1). その利活用が求められるとともに、公共施設整備. における地域産材利用の期待が高まっている。特に学校. 調査方法. 時期. 調査対象. 調査概要. ヒアリング調査① 2009.10. 木材乾燥・加工 H校建設事業における木材の伐採、製材、 業者. 乾燥、加工、運搬に関するヒアリング. 担当者. に関するヒアリング. ヒアリング調査② 2009.12. S市役所の事業 H校建設事業の経緯、事業過程、木材調達. 施設については近い将来に膨大な量の整備需要の発生が. 資料調査①. 2009.12 S市教育委員会 H校建設事業の概要、事業過程、調達木材. 予測されることから注2)内装や備品まで含めた木材利用. 資料調査②. 2009.12. 基本・実施設計 M校建設事業の概要、事業過程、調達木材. の取り組みが始まりつつあり、林産地の近隣自治体では. ヒアリング調査③ 2010.01. 設計事務所の設 M校建設事業の木材調達、木材の積算、設. 数量の変遷の把握. 担当設計事務所 数量の変遷の把握 計担当者. 学校林等公有林の森林資源の活用を求められるケースも 見られる。しかし、建築主や設計者の知識・経験の不足. 計に関するヒアリング. 表2.調査対象の概要 名 称. から、木材の伐期を考慮した木材利用プロセスの設定や. 用途地域 建築面積 延床面積 敷地面積 建ぺい率 容積率 校舎建設費 校舎建設単価 木材調達費 支給材 木材乾燥方法 購入材. 指定された品質の木材数量の大量確保がリスクとなり、 木造校舎の導入が躊躇されているのが現状である注3)。 したがって地域産材の利活用の促進のためには関係者へ の知見の提供が重要であると考えられる。そこで本研究 では、行政による公有の地域産材の調達によって建設さ れた2校のケース・スタディを通じ、地域産材の調達と. M町立M中学校(栃木県). ※購入材は屋内運動場床材、合板等を除く. 第一種住居地域(法第22条地域) 6,257 ㎡ 6,837 ㎡ 31,267 ㎡ 20.01 % 21.87 % 1,142 百千円 244 千円/㎡ 48,429 千円 町有林より 約74% 天然乾燥 県産流通材 約26%. S市立小中一貫H校(佐賀県) 都市計画・準都市計画区域外 3,453 ㎡ 4,815 ㎡ 18,899 ㎡ 18.28 % 25.47 % 694 百千円 227 千円/㎡ 83,737 千円 市有林より 約86% 人工乾燥 県産流通材 約14%. ※S市教育委員会 H小・中学校改築事業における木材活用概要、同確認申請書より. ※M町教育委員会 M町立M中学校改築事業の概要およびパンフレット、2010年2月1日 実施設計者ヒアリングより. 利用に関する計画的知見を得ることを目的とする。 2.研究の方法. 表3.棟別の概要. 2−1.調査方法. 名 称.  調査概要を表1に示す。本研究では、ともに公有の地. 普通教室棟 管理棟 特別教室棟 屋内運動場 渡廊下. 域産木材を活用して建設を行った栃木県の M 町立 M 中 学校(以下、M 校)と佐賀県の S 市立小中一貫 H 校(以下、. 面積(㎡) 1,577 1,782 1,268 1,173 674. M中学校 構 造. 木造一部RC造2階建 木造一部RC造2階建 木造一部RC造2階建 RC造一部S造平屋建 RC造又はS造 . 面積(㎡) 1,554. 小中一貫H校 構 造. 木造 2階建 . 1,948. RC造 2階建 . 1,312 -. 1階RC造 2階S造. ※S市教育委員会 H小・中学校改築事業における木材活用概要、M町教育委員会 M町立M中学校改築事業の概要より. H 校)を調査対象とした(表2、表3)。次に、調査対 象校の建設事業に関する要覧、木材数量表、設計図書等. は建築材料の分離発注等により施工者ではなく行政が調. の資料から木材の利用プロセスと数量の変遷、調達材の. 達主体となる調達方式を広義の公共調達、そのうち公有. 品質確保の取り組みをまとめた。さらに、関係者にヒア. 資源の活用を意図したものを狭義の公共調達と定義す. リングを行い、当時の状況および計画意図を把握した上. る。本研究では後者の定義に基づいて論述する。. で、地域材利用の課題である木材の利用プロセスと数量. 2−3.分析方法. の流れについて考察と検証を試みた。. 1)木材数量の変遷について、伐採段階、製材段階、施. 2−2.「公共調達」の定義. 工段階に分けて分析を行う。木材の数量は、主に木に物.  明治期のわが国には、主に直営、分業請負、一式請負. 理的な加工を加えることで大きく変化する。そこで、木. の3つの発注・請負方式が混在し、公共建築において、. 材の運搬業務によって区切られる、伐採・製材・乾燥・. 建築家や営繕部の指導のもと、材料や大工手間等を分離. 保管・施工の5つの業務のうち、物理的加工が加えられ. 発注して行政自ら調達する事例が少なくなかった。しか. る上記3段階について、それぞれ数量を把握する。. し、一式定額請負の官庁契約を原則と規定した明治 22. 2)木材利用プロセスについては、設計プロセスと木材. 年の会計法を期に、その後の近代化の過程で徐々に総合. 調達の関係を時系変化をもとに分析する。事業予算の管. 請負業社が台頭し、建築材料の規格化の進展とともに、. 理のため無駄の少ない木材利用が求められることから、. 施工者による材料調達が一般化していった. 注4). 設計と木材調達が並行して行われ、木材の設計数量と調. 。.  このような発注・請負方式の歴史背景から、本研究で. 達数量が相互に調整されるためである。. 22-1.

(2) 3.M町立M中学校の建設における木材調達 . 表4.伐採の概要(M校). 3−1. 事業概要  M町立M中学校は、旧校舎の老朽化を受け、大正2年 の植林を端緒とする町有林 150ha から公共調達された スギ、ヒノキを活用して改築され、2008 年 12 月に竣 工した。「町有林を活用した町の歴史と町民の心に残る. 第一回伐採. 伐採面積. 伐採方法. 伐採面積. 伐採方法. Y地区 I地区. 24.0ha 9.2ha. 20%間伐 30%間伐. 2.7ha. 皆伐. -. 売却(建材用) 材積 415㎥. ※1 町教育委員会 M町立M中学校改築事業の概要、 2010年2月1日 実施設計者 ヒアリングより. 表5.支給材の確保数量(M校) スギ(65~85年) ヒノキ(80~95年) 627本 563㎥ 27本 21㎥ 4,317本 500㎥ 655本 12㎥ 19,284枚 145㎥ 22,111枚 337㎥. 丸太材 角材 板材. しての木材利用およびシンプルな平面計画・設備計画を、. 1,208㎥. ソフト面では学校建設への町民参加および校外学習の場  本事例では、県林業センターと U 大学の協力により、. 支給用原木 材積. ※2 原木の製材前の数量は把握されていない。(但し、第一回の立木伐採数は1,005本とみられる。). 学び舎づくり」をコンセプトに、ハード面では無垢材と. としての学校建設の活用を目標として計画された。. 第二回伐採. 伐採地区. ※パイロット材(丸太材10本・角材4本)を含む。. ケヤキ. その他 2本. 5㎥. サワラ. 64枚. 1㎥. 370㎥. 6㎥. 合計 656本 4,972本 41,459枚 1,584㎥. ※町教育委員会 M中学校木材調達内訳より. 表6.設計材積と施工実績(M校) 設計材積. ストック用地への受け入れ完了時に全体材積の 10% の. 構造材 管理棟. 強度・乾燥検査を行うとともに、丸太材 10 本、角材 4. 1,782㎡ W+RC造 2階建. 本のパイロット材を対象に、2カ月に1度、計6回、曲. 造作材 他. げヤング率および含水率を測定することで、JAS 同等の 品質証明を取得している。また、特殊な構造については. 構造材. 普通教室棟. 造作材. 3−2.伐採段階. 他.  伐採から製材、乾燥、保管までの業務は地元の森林組. 構造材. 特別教室棟. 合に委託された。伐期を目前に控え、プロポーザルで提. 支給材. 317㎥. 57㎥. 約897㎥. 384㎥. (0.131㎥/㎡) 施工材積 延床面積. 10㎥. 柱(5寸角~)・筋交 梁・桁(5寸角~) 床組み(土台4寸角) 天井材 壁材 床材 ウッドデッキ. 266㎥. 渡廊下. 構造材 造作材. 5㎥ 9㎥. 屋内運動場 倉庫(W造)他. 構造材 造作材. 68㎥ 65㎥. 他. 352㎥. 10㎥. 柱(5寸角~)・筋交 梁・桁(5寸角~) 床組み(土台4寸角) 天井材 壁材 床材 ウッドデッキ. 造作材. 材積の検討および森林組合による伐採計画の検討がなさ 長尺材、大径材が必要とされたため、上層間伐により良. 62㎥. 1,268㎡ W+RC造 2階建. 示された計画案をもとに、設計者によるおおまかな必要 れた。前述のコンセプトに基づいた設計により、丸太材、. 280㎥. =. 1,577㎡ W+RC造 2階建. T大学の協力により、強度試験が行われた。. 施工実績. 柱(5寸角~)・筋交 梁・桁(5寸角~) 床組み(土台4寸角) 天井材 壁材 床材 ウッドデッキ. 54㎥. 325㎥. 5㎥. 購入材. 14㎥. 約310㎥ (0.045㎥/㎡). 133㎥. ※1.2008年6月3日 実施設計担当事務所 M中学校実施設計図より. 材が優先的に確保され、不足分は流通材で補えるよう計. ※2.施工時の 支給材の割合約74.3%より概算 2009年12月25日 実施設計者 ヒアリングより. 画された。1回目の伐採により丸太材の必要数量は確保. にストックされ、防カビ処理の後、仮設の屋根の下で天. されたが、製材が大きく不足したため、設計変更ととも. 然乾燥された。調達する製材の目標材積は設計数量の2. に丸太余剰材の製材、追加伐採が検討され、行政を中心. 割増しに設定され、設計数量 1,208 ㎥の約 131% にあ. として不足材の数量の精査が行われた。. たる 1,584 ㎥の木材が最終的に確保された(表5)。. 3−3.製材段階. 3−4.施工段階.  丸太材の原木は伐採地で葉枯らしし、近隣の川を利用.  本事業では、工事請負契約時の目安として、使用材積. した高圧水銃による皮むきが行われた。製材の原木は伐. の7割を公共調達材の支給、3割を施工者による県産流. 採現場で玉切り、集材された後、町内の製材業者3社に. 通材の購入とするよう取り決められた。また、支給材は. 適宜搬入され、製材された。丸太材および製材は、対象. 基本的に全材管理、全材支給であり、不良材も施工者が. 注5). 工夫して使うこととされた。また、町の財産としての町. 敷地の西約1 km にある町有地(面積約 38,000 ㎡ 2005年度 4. 6 設計・施工 プロセス. 2006年度 8. 10. 12. 2. 4. 2007年度. 6. 8. 10. 12. 2. 4. プロポーザル 基本設計 伐採. 木材調達. 116. 実施設計. 台帳作成. 追加伐採. 町に引渡し. 天然乾燥 ② 強度試験 ③. ④. 10. 12. 2. ⑥ 確認申請. 150. 300. 450. 4. 8. 10. 12. 262 547. ※①~⑥は材料検査. 竣工検査・残材清算. 請負契約 78 600. 750. 図1.M中学校建設事業の木材調達の流れ(天然乾燥). 22-2. 6. 施工業者に支給 388. ⑤. 委託契約 0. 2008年度 8. 施工(校舎各棟). 306. 製材. 設計数量確定 ① 受入検査. 申請・手続. 6. 入札 施工(屋内運動場). 葉枯らし・皮むき 26. プロセス. 経過日数. ). 900 ※. 1050. 1123. 100 …要した期間および日数を表す. 2.

(3) 表7.伐採段階の原木数量(H校). 有林を最大限活用するため、細物なども間柱や造作など. スギ原木(正常). に使用したことで、当初 70% と想定された歩留まりは. 伐採地区 O地区 S地区. 80% 近くとなった。以上の経過のもと、実際に使用さ れた支給材は施工材積の 74.3%、延床面積あたり 0.131. スギ原木(曲・根曲). 本数 材積 1,399 1,129.58 2,356 881.31 支給用原木. ㎥ / ㎡の木利用率であった(表6)。. 本数. 本数 1,117 1,873. 道の駅の建設へのヒノキ丸太材の活用、不要材木の売却. 伐採面積 伐採方法 2.6ha 皆伐 3.5ha 皆伐. 売却(建材外用途). 材積. 3,755 2,010.89.  さらに、余材を利用した机、椅子、丸太ベンチの製作、. 材積 558.46 476.81. 本数. 合計. 材積. 3,046㎥. 2,990 1,035.27. ※ 2006年6月15日 森林組合 収穫調査集計表より. 表8 支給材の確保材積(H校). がなされた。なお、製材により発生したオガ粉やバタ材 は全て回収され、地元の有機物リサイクルセンターの有. 原 木. 製品 1,486㎥. 機肥料の原料として活用された。. 製 材. 682㎥. 4.S 市立小中一貫H校のケース・スタディ . スギ支給材 製品不良品 70㎥. 売却 612㎥. 合計 2,168㎥. スギ追加材 購入 -. 32㎥. -. 714㎥. 107㎥. ※ 2009年10月13日 木材加工業者 ヒアリングより. 表9.設計材積と施工実績(H校). 4−1. 事業概要. 設計材積.  S 市立小中一貫H校は、ダム建設による旧校舎の移転 構造材. 改築に伴い 2004 年に計画が始まり、2005 年 10 月の. 普通教室棟 1,554㎡ W造 2階建. 吸収合併による旧F町からS市への業務引き継ぎと配置 計画の見直しを経て、2008 年 3 月に竣工した。本事業. 造作材 家 具 構造材. 管理教室棟. な学校づくり」をコンセプトとし、旧校舎における入念. 1,948㎡ RC造 2階建. な事前調査に基づき、へき地の小規模校としての教育上 の利点を生かした計画がなされた。また、対象地区であ る旧F町はスギの林産地であり、対象校が学校林を保有. 家 具 構造材. 構造材 造作材. していたことから、スギの無垢材をふんだんに活用しつ. 452㎥. 購入材 12㎥. 支給材. 5㎥. 651㎥. (0.135㎥/㎡). 39㎥ 193㎥. 購入材 5㎥. 施工材積 延床面積. 238㎥. 1㎥. ステージ際根太、束 杉床板、階段踏板 ベンチ杉柱材パネル. 造作材. 倉庫(W造)他. 260㎥. 転ばし床組み(4寸角) 床、踊場杉板張り 踏面段板 クロスパネル クロスパネル. 造作材. 屋内運動場. 175㎥. =. は「小中学校一体で、地域になじみ愛される安心・安全. 施工実績. 柱・梁(5寸角~)、筋交 テラス転ばし床組み 転ばし床組み 木製間仕切り間柱 屋根杉材 壁杉材 床杉材 踏台. 0.3㎥. 9㎥. 12㎥. 19㎥ 11㎥. 30㎥. 購入材 3㎥. 購入材 107㎥. (0.022㎥/㎡). ※ 2008年6月3日 S市建設部建築課 H小・中学校実施設計図より. ※S市教育委員会 H小・中学校改築事業における木材活用概要より. つ高い耐震・耐久性を確保できる構造計画、木のぬくも. 支給材残材 31㎥. りを活かした環境にやさしい設備計画が、木材利用の計. 両地区の山の皆伐の後、玉切りされた原木は合計 3,046. 画目標とされた。品質管理の面では人工乾燥とプレカッ. ㎥であり、66% にあたる 2,011 ㎥が製材業者に引き渡. トによる製材の管理が行われるとともに、パイロット材. され、曲りや根曲りにより製材に適さない残りの原木は. のヤング率および含水率の測定により、JAS 同等の品質. パルプ製造業者に売却された(表7) 。. であることが確認された。. 4−3.製材段階. 4−2.伐採段階.  製材段階では、業者による検品の結果、612 ㎥が曲り・.  本事例では、伐採・製材・乾燥・保管を通じて市が一. 小径のため製材が困難として売却され、69.6% にあたる. 貫して管理しやすいように、地域産材に詳しく処理能力・. 1,556 ㎥の原木が製材された。製品材積は 714 ㎥であり、. 管理能力が高い地元の森林組合に一連の業務が委託され. 5% の不良品が除かれ、682 ㎥が施工業者に納入された. 。乾燥については、構法計画により寸法精度の高 た。伐採地は対象敷地より南および北約 2km に位置し、 (表8) 学校林として管理されてきたO地区およびS地区であ. い構造材が必要とされたことと、天然乾燥と比べて手間. り、伐採に先立って原木のサンプリング調査が行われた。. がかからないことから人工乾燥が採用された。また、乾. 2005年度 4. 6. 2006年度 8. 10. 12. 2. 4. 6. 2007年度 8. 10. 12. 基本設計. 設計・施工 プロセス. 2 199. 入札 実施設計. 4 入札. 6. 308. 経過日数. 12. 2. 4. 入札. 6. 8. 10. 12. 357. 施工(校舎各棟). 254. 人工乾燥 施工業者に支給. 木材調達. 申請・手続. 10. 施工(屋内運動場). 伐採. プロセス. 2008年度 8. 製材 現地調査. 概算数量算出 委託契約. 伐採方法の検討 委託契約. 0. 設計数量確定 請負契約. 150. 300. 材料検査. 確認申請 23. 強度試験. 竣工検査・残材清算. 39 450. 600. 678 ※. 図2.小中一貫H校建設事業の木材調達の流れ(人工乾燥). 22-3. 100 …要した期間および日数を表す. 2.

(4) 燥に際し含水率 10 ∼ 15%の材が求められたため、乾 燥能力の高い県外の木材加工業者との技術提携により乾 燥・保管が行われた。 4−4.施工段階  施工にあたり、設計数量 732 ㎥のうち実施設計段階 で新たに必要となった材について、森林組合から購入し た県産材原木を製材し 107 ㎥の追加調達を行った。施. 作 業. 伐採段階. 立木数量 伐採数量 原木数量. 調 査 伐 採 玉切り. 製材段階. 製材用原木数量 製材品 製材合格品. 選 別 製 材 検 品. 施工段階. 納品数量 加工後部材数量 施工数量. 納 品 現場加工 施 工. H校 材積. 数. 材積. 447% 318%. 100%. 228% 105% 100%. 74%. 95%. 表11.木材調達と設計の関係 木材調達. 普通教室棟の床および天井、管理教室棟の天井の一部に 用いた結果、0.135 ㎥ / ㎡の木利用率が確保されている。 5−1. 木材数量に関する考察. 設計. 伐採段階. 伐採・保管の計画 樹木の状態を確認 樹木の伐採. ・ ・ ・. ・ ・ ・. 構造・工法計画 基本設計 概算数量の算出. 概算段階. 製材段階. 材料検査 製材 乾燥. ・ ・ ・. ・ ・ ・. 木材の仕様の検討 設計数量の調整 概算工事費の算出. 積算段階. 施工段階. 過不足材の精査 追加材調達 施工者に引き渡し. ・ ・ ・. ・ ・ ・. 実施設計 構造計算 木材リスト作成. 確定段階. 5.分析と考察 . 点での数量把握について、設計者より情報提供を受けた. M校 数. ※ 2009年12月25日 M校実施設計者 ヒアリング、2009年10月13日 H校木材加工業者 ヒアリングより. 柱材を利用した壁倍率5倍相当の木柱システムパネルを.  各木材調達段階の数量把握状況を表9に示す。各観測. ※2 数字は 製材合格品を100%とした材積を表す. 区 分. 工を経て最終的に 31 ㎥の残材が発生し、有価物として 森林組合に払い下げられた(表9)。また、無垢のスギ. ※1 ■はデータの存在が確認されたものを示す. 表10.木材数量の変遷. 表12.木材利用の方針 M校で採用された手法. M校はH校のおよそ半数となっている。M校のケースで は不適材が少なく、さらに施工段階での柔軟な木材利用 が想定されたことで、最終的に施工者が木材数量を調整 する役割を担っていたためであると考えられる。一方、 H校のケースのように、調達先の公有林に不適材が多く. H校で採用された手法. 主な計画意図. 手法. 手法. 主な計画意図. 良材の優先的確保 色艶・香りの保持 地域性の象徴 地元大工の参加 防火・音環境で有利 小径材の有効活用 木材の有効利用. 上層間伐 天然乾燥 特注材 一部手刻み RC混構造 井桁構造 不適材活用. 皆伐 人工乾燥 定尺材 プレカット 木造 木柱パネル 不適材売却. 機械化が図りやすい 経年変化の抑制 コストダウン 寸法精度の向上 使用材積が大きい 小径材の有効活用 処分が容易. 支給先の現場に高品質の製材が求められる場合には、品. 木材リストの作成までをそれぞれ一群として分節するこ. 質確保の鍵を握る製材業者が木材数量の管理の担い手と. とで、木材調達の各段階と対応させることができると考. なると考えられる。. えられる。次に、 H校、 M校で採用された木材利用の方針.  いずれの主体が材積情報の管理を担うにせよ、図3に. を要素化し、その計画上の意図とともに比較した(表. 示したような木材調達数量の情報が公共調達の主体とな. 12) 。さらに、各事例の事業計画および施設計画と照ら. る行政に集約され蓄積されることは、今後の地域産材の. し合わせた結果、地域の物的・人的資源に応じた木材利. 公共調達を考える上で有用である。例えば表 10 に示す. 用の方針が採用されていることがわかった。. ように、H校のケースと類似の条件下では実施設計に基. 6.まとめ. づく必要製品数量に対しておよそ 4.7 倍以上の伐採数量.  本研究では、ケース・スタディを通じ、地域産材の公. を見込める。このように、計画的な木材調達を行うため. 共調達における木材数量管理の意義ならびに木材利用と. には材積を軸に諸情報を蓄積し自治体間で共有できる仕. 計画・設計の関係を次のように明らかにした。. 組みが求められる。. 1)木材数量情報の蓄積による必要数量の予測精度向上. 5−2. 木材の利用プロセスに関する考察. 2)木材調達と設計は各3段階に分節され、相互に対応.  木材の利用プロセスについては、まず、設計と木材調. 3)地域資源を活かす木材利用および事業計画の要請. 達の関係を考察した(表 11)。その結果、設計プロセス.  今後は、地域産材の公共調達の実態のより明確な解明. のなかで、概算数量の算出まで・概算工事費の算出まで・. と、地域産材の利活用に対する公共調達の是非を明らか にすることが課題と言える。. 伐採段階 立木調査と伐採計画 樹木の伐採・玉切り. 伐採量 3046㎥. 製材段階. 施工段階. 人工乾燥・プレカット. に合わせた選別、検品. 利用可能量 2168㎥. 製材可能量 1556㎥. 製品量 682㎥. 利用不可 1035㎥. 製材不能 612㎥. 不良品 32㎥. <雑木売却>. <原木売却>. 森林組合. 木材加工業者. プレカットされた. 製材の組立て、施工. 現場使用量 + 651㎥. 追加購入材 107㎥. 残材 31㎥ <製品売却>. 建設業者. 図3.H校の木材調達における材積の変遷. 謝辞 調査にあたり、S市役所、M町役場、K設計、T研究所の関係者の皆さまに多大なるご助力 を頂きました。ここに記して、深謝致します。 注 1)木材をめぐる現状(2007 年 林野庁木材産業課・木材利用課)によると、現状のま   ま推移すれば 2017 年には人工林の約6割が 50 年生以上となると予測されている。 2)3)学校施設における木材利用推進の取組(2009 文教施設フォーラム 文部科学省)   全国の非木造の公立小中学校の保有面積の 49.8% が築 30 年以上(2009 年速報値)。 4)改訂増補・建築工事請負契約の研究 5. 分業請負から一式請負へ 1993 年 岩崎 脩 5)2009 年 2 月 4 日 下野新聞記事より 参考文献 1)「建築雑誌」1887 ∼ 1926 年 日本建築学会 2)「あたたかみとうるおいのある木の学校」1998 ∼ 2008 年 文部科学省. 22-4.

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