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スポーツにおける感情抑制動機尺度の作成 [ PDF

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Academic year: 2021

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問題と目的 スポーツ選手は,競技場面で自身の感情を多様に調節 している.試合での実力発揮を目指すには,適切にセル フコントロールをすることが求められ (高井,2016),セ ルフコントロールの中でも,競技者にとって重要なもの の一つが,感情調節 (Emotion Regulation) である.感 情調節とは,「個人がどの感情をもち,いつ感情をもち, どのように感情を体験し表出するかに影響するプロセ ス」と定義されている (Gross, 1998a). 実際の競技場面では,観衆から見てわかるような感情 調節に限らず,一見してわからないよう感情を内に留め ていることもあり,さらには,感情を外界へと表出して いても,それは選手が本来感じている感情であるとは限 らず,偽りの感情を意図的に表出しようとしていること もある.このように,本来感じている感情を表に出さな いようにする方略が感情抑制方略であり,感情調節方略 の一つである.感情抑制方略は,「感情表現的な態度や行 動を隠すこと」と定義されている (Gross, 1998b). 競技場面での感情調節にかかる研究が少ない中,感情 を抑制する試みが, 結果的に抑制対象の再体験に繋がり, 競技パフォーマンスにも悪影響を及ぼすと報告されてい る (Woodman & Davis, 2008).また,アスリートは競 技中の興奮した気持ちを抑制することで,パフォーマン スの悪化を防いでいる (Martinent, et al., 2015). こ のように,感情抑制方略をとることは,パフォーマンス に何らかの影響を及ぼしているということが窺える.そ こで,感情抑制について知見を蓄積することは,スポー ツ選手が良い身体的パフォーマンスを発揮するための, 適切な感情調節を知ることができるという意義がある. これまでの感情調節研究では,人々の気持ちを変える “方法” に焦点が絞られてきたが,人々が “何を感じたい のか”,そして “なぜそれを感じたいのか” を理解するこ とは重要である (Tamir, 2009). しかしながら,感情抑制 方略は,スポーツ心理学領域における研究事例が少なく, 解明されていないことが多い.その一つとして,感情抑 制の動機の重要性が主張されている (Tamir, 2009; Fredericks, Uliaszek & Daros, 2017). しかしながら, 競技場面における感情抑制動機を測定する尺度は見当た らない. そこで,本研究では,第一に競技場面における感情の 抑制動機を測定する尺度を作成することを目的とした (研究 1).第二に作成した尺度の信頼性および妥当性を検 討することを目的とした (研究 2). 研究 1 スポーツにおける感情抑制動機尺度の作成 予備調査 本研究の目的である尺度作成に向けて,予備調査を行 い,予備尺度の作成を試みた.運動部に所属する大学生 133 名 (男性 101 名,女性 32 名) を対象に,郵送調査法 または集合調査法による質問紙調査を行った.対象者に ついては,多くの種目の競技者が尺度を活用できるよう, 競技種目を限定せずに調査を行った. 感情抑制について,樫村・小川 (2007) に基づき, 自 分の心の中に生じた気持ちや感情をそのまま表に出さな いことを,「感情を抑えること」として教示をし, ポジテ ィブ感情とネガティブ感情それぞれの抑制動機について, 自由記述形式で回答を求めた. 自由記述データは,KJ 法おけるグループ化の作業を 援用して類似の内容に分類され,それらを単位とする下 位グループが構成された.分類・分析を実施する際は, 客観性を確保するために,著者1 名に加えて,研究協力 者としてスポーツ心理学の専門家2 名の計 3 名で実施し た. 分析の結果,「精神的安定性」,「他者評価への懸念」, 「指導者への服従」,そして「社会性」の4 因子 21 項目 から成る「ポジティブ感情の抑制動機予備尺度」が作成 された.また,「精神的安定性」,「他者評価への懸念」, 「周囲への配慮」,「不必要性の認識」,そして「プレーへ の悪影響の阻止」の5 因子 25 項目から成る「ネガティ ブ感情の抑制動機予備尺度」が作成された. 方法 1. 対象 大学生競技者298 名 (男性 199 名,女性 98 名,不明 1 名) に調査を実施した.このうち,ポジティブ感情を

スポーツにおける感情抑制動機尺度の作成

キーワード:感情調節,外的統制,他者配慮,公的自意識,セルフコントロール 行動システム専攻 相羽 枝莉子

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抑制すると認識していた有効回答者263 名(男性 179 名, 女性84 名: 平均年齢 19.8 歳±0.99 歳),ネガティブ感 情を抑制すると認識していた有効回答者 282 名(男性 189 名,女性 93 名: 平均年齢 19.8 歳±0.99 歳)を分析 の対象とした. 2. 調査内容 1) 基本的属性:フェイスシートにて,性別,学年,年齢, 競技名,競技歴について回答を求めた. 2) 感情抑制頻度:分析対象の妥当性を高めるため,感情 抑制の頻度について尋ね,「1. 全くしない」から「7. い つもする」の7 件法で回答を求め,「1. 全くしない」と 回答した者を分析から除外した. 3) 予備尺度 ポジティブ感情の抑制動機予備尺度 21 項目を用いて, “あなたは試合中または試合の直前・直後において,ポ ジティブな感情を抑制する時,なぜそうするのですか?” という質問をし,「1. 全くそう思わない」から「5. とて もそう思う」の5 件法で回答を求めた.また,ネガティ ブ感情の抑制動機予備尺度 25 項目についても,同様に 尋ねて回答を求めた. 3. 分析方法 因子構造を構築するために,最尤法・Promax 回転に よる探索的因子分析を行った. 結果と考察 1) ポジティブ感情の抑制動機の因子構造 ポジティブな感情抑制動機予備尺度21 項目について, 最尤法・Promax 回転による因子分析を行い,最終的な 因子パターンは,表1 に示す通りである. 第1 因子は「精神的安定性」(4 項目), 第 2 因子は「他 者評価への懸念」(4 項目), 第 3 因子は「周囲への配慮」 (3 項目) と命名された.この 3 因子 11 項目からなる尺 度を「スポーツにおけるポジティブ感情の抑制動機尺度 (Positive-Emotional suppression Motives scale in Sports; PEMS)」と命名した. ポジティブ感情の抑制動機予備尺度のうち,「指導者へ の服従」は,3 項目すべてでフロア効果が見られたため, 削除された.本研究での対象者は大学生であり,大学部 活において必ずしも指導者が競技現場で学生に関与して いるとは限らないということが推測される.さらに,指 導者に従わなければいけないと思って感情抑制をする学 生が行っている種目には,共通性がある可能性がある. 例えば,剣道ではガッツポーズをすると,有効打突が取 り消しになるというルールから,指導者は感情を抑える よう指導し,その指導者の教えに従わなければならない という考えが生起すると予測される.今後,大学生以外 の競技者を対象とした研究や,種目を統制した研究の遂 行により,指導者への服従が動機となる感情抑制につい て検証する必要がある. また,「社会性」は,社会のマナーや秩序を守り,他人 の立場や気持ちを配慮したい,といった項目で構成され, 全部で6 項目であった.このうち天井効果が見られた 1 項目が削除された.また,「マナーやルールを絶対に守り たいから」という項目は,すべての項目との低い相関係 数を示した [r = .21〜.35 (p <.01)].そのため,因子への 共通性が低く,因子として抽出されなかった.これにつ いて,項目の平均点は2.97±1.13 点であったことから, ほとんどの選手が,マナーとして感情抑制をしたほうが よいと思っていると解釈される. 残りの 3 項目「対戦相 手を傷つけたくないから」「自分がされたら嫌だから」 「感情を表に出すと相手に失礼だから」は,1 つの因子 として抽出され,社会のマナーや秩序を守りたいという 動機よりも,目の前の対戦相手や仲間,観客に対する思 いやりの心があるという動機の方が3 項目に共通してい るため,ネガティブ感情の抑制動機予備尺度の「周囲へ の配慮」カテゴリーと同質であると判断し,これらの 3 項目をまとめて「周囲への配慮」因子と命名した. 表1. ポジティブ感情抑制動機についての探索的因子分析結果 F1 F2 F3 F1 精神的安定性   集中力を維持したいから .81 -.16 .00   冷静な気持ちでいたいから .80 .06 .01   気持ちを落ち着かせたいから .73 .00 -.05   試合特有の緊張感を保ちたいから .56 .19 .01 F2 他 者 評価への懸念 -.11 .88 -.06   周りの視線が気になるから -.02 .74 .03 .05 .65 .00   油断しているように見られるから .15 .54 .11 F3 周囲への配慮   対戦相手を傷つけたくないから -.03 -.10 .87   自分がされたら嫌だから .01 .05 .76   感情を表に出すと相手に失礼だから -.01 .10 .72 因子間相関 F1 F2 F3 F1 - .51 .29 F2 - .62 F3 -因子名と項目 因子負荷量   周りの人に「その程度のプレーで満足し   ているのだ」と思われたくないから   自分の感情と周りからの評価が一致して   いないと恥ずかしいから

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2) ネガティブ感情抑制動機尺度の因子構造 ポジティブな感情抑制動機予備尺度25 項目について, 最尤法・Promax 回転による因子分析を行い,最終的な 因子パターンは,表2 に示す通りである. 第1 因子は「精神的安定性」(4 項目), 第 2 因子は「他 者評価への懸念」(4 項目), 第 3 因子は「周囲への配慮」 (3 項目), 「不利状況の回避」(3 項目) と命名された.こ の4 因子 14 項目からなる尺度を「スポーツにおけるネ ガ テ ィ ブ 感 情 の 抑 制 動 機 尺 度 (Negative-Emotional suppression Motives scale in Sports; NEMS)」と命名し た. 表2. ネガティブ感情抑制動機についての探索的因子分析結果 F1 F2 F3 F4 F1 精神的安定性 .78 .19 -.12 -.07 .70 -.19 .01 .18   感情を表に出すとモチベーションが下がるから .70 -.06 .12 -.02   感情を表に出すと楽しく試合ができなくなるから .51 .04 .21 .00 F2 他 者 評価への懸念   他の人に自分の気持ちが読み取られるのが嫌だから  .20 .78 .01 -.09 -.17 .73 -.06 .09 -.05 .73 .06 -.03   周りからの評価が気になるから  .09 .56 -.03 .13 F3 周囲への配慮 .03 .05 .86 -.12   周りの人に気をつかわせたくないから  -.01 .06 .73 -.01 .07 -.14 .67 .14 F4 不利状況の回避   感情を表に出すと負けている感覚になるから .12 -.06 -.11 .88   周りに自分の弱みを見せたくないから  -.16 .19 .20 .61   感情を表に出して不利な立場になるのが嫌だから  .11 .23 .00 .49 因子間相関 F1 F2 F3 F4 F1 - .53 .57 .58 F2 - .43 .55 F3 - .46 F4 -因子負荷量 因子名と項目   感情を表に出すと余計にネガティブな気持ちになるから   周りの人が気分を害するような態度をとりたくないから    周りの人までネガティブな感情になるのが嫌だから    感情を表に出すと身体の動きが固くなると思うから   人前で感情を表に出すのがはずかしいから    対戦相手に素の自分を見せたくないから  ネガティブ感情の抑制動機予備尺度のうち, 「精神的 安定性」の1 項目と,「周囲への配慮」の 1 項目,そし て「プレーへの悪影響の阻止」の3 項目の,計 5 項目に 天井効果が見られたため,削除された.その後,因子分 析を行ったところ,「不必要性の認識」の項目は,複数の 因子と .35 以上の因子負荷量を示したため,削除された. また,「周囲への配慮」のうち,その他の因子との中程 度の相関係数が見られた1 項目が削除された. PEMS の第 4 因子として抽出された 3 項目は,それぞ れ予備尺度では異なるカテゴリーに属していた.「感情 を表に出して不利な立場になるのが嫌だから (項目 1) 」 と「周りに自分の弱みを見せたくないから (項目 2) 」と いう項目は,「他者評価への懸念」カテゴリーに含まれて いたが,因子分析によって「感情を表に出すと負けてい る感覚になるから (項目 3) 」を加えた 3 項目が一つの 因子として抽出された.項目1 および項目 2 は,他者の 存在を認識した上で抱かれる動機であるが,項目3 が加 わったことにより,自分に対する評価や感覚が望ましく ない方に向く,といった要素が抽出された.さらに項目 1 の “不利な立場” と項目 2 の “弱み”, そして項目 3 の “負けている感覚”といった用語から,感情を表に出すと 競争相手に比べ形勢が悪くなってしまう,と捉えた.こ のように,感情を表に出すことで不利な状況に陥るとい う認識し,その状況を避けたいといった動機による項目 文と捉えられるため,「不利状況の回避」と命名した. 3) スポーツにおける感情抑制動機尺度 PEMSとNEMSをまとめて,「スポーツにおける感情 抑制動機尺度 (Emotional suppression Motives scale in Sports; EMS)」と命名した. 研究 2 EMS の信頼性および妥当性の検討 方法 1. 対象 調査対象者は研究 1 と同様である.分析の対象者は, ポジティブ感情を抑制すると認識していた有効回答者 235 名 (男性 165 名,女性 70 名: 平均年齢 19.83±1.02 歳),ネガティブ感情を抑制すると認識していた有効回答 者252 名 (男性 174 名,女性 78 名: 平均年齢 19.84±1.00 歳) であった. 2. 調査内容 研究1 の調査内容に加えて,下記の内容を調査した. 1) 外的統制:自分自身の行動と強化の生起が随伴してい るかどうか,その強化の生起を統制することができるか どうかという信念の強さを測定するLocus of Control 尺 度の下位因子うち,本研究では「外的統制」因子 (8 項 目) を用いた.外的統制とは,自分の行動と強化が随伴 していないという信念のことを指す (鎌原・樋口, 1987). 回答は「全くそう思わない (得点 1)」から「とてもそう 思う (得点 5)」の 5 件法で求めた.なお,得点が高いほ ど,他人や運が,自分をコントロールする主導権を握っ ているような信念を,強く抱いていることを意味する. 外的統制感が強い人ほど,競技場面でも他者が基準とな り,抑制を試みる傾向にあると予測される.したがって, EMS の「他者評価への懸念」因子との正の相関関係を 推測した.

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2) 他者配慮:菅原ら (2006) は,公共場面において行動 の基準となる5 つの因子を明確にし,これらを測定する 尺度を作成した.5 つの因子のうち,本研究では「他者 配慮」因子 (4 項目) を使用し,「全くあてはまらない (得点 1)」から「よくあてはまる (得点 5)」の 5 件法で回 答を求めた.なお,得点が高いほど,他者を配慮する程 度が強いことを意味している.また,他者に向けて配慮 をするよう行動を起こすことで,優越感を感じ,配慮を 受けた他者より優位な立場を自己内で獲得する可能性が 考えられる.したがって,EMS の「周囲への配慮」因 子との正の相関関係と,NEMS の「不利状況の回避」因 子との正の相関関係を推測した. 3) 公的自意識:自意識の強さの個人差を測定する尺度で, Fenigstein et al. (1975) が提起した Self-consciousness Scale の日本語版である.2 因子 21 項目で構成され,こ のうち,自己の服装や髪型, あるいは他者に対する言動 など, 他者が観察しうる自己の側面に注意を向ける程度 に関する個人差を示す「公的自意識」因子 (11 項目) を, 本研究で使用し,「全くあてはまらない (得点 1)」から「よ くあてはまる (得点 5)」の 5 件法で回答を求めた.なお, 得点が高いほど他者が観察しうる自己への注意が向いて いることを意味している.公的自意識は,他者に自己の 内面を気づかれていると感じる感覚である被透視感と, 正の相関がある (太幡, 2006). さらに菅原 (1984) は, 公的自己意識が自己顕示性と関連しており,自己顕示性 の高い人は積極的な自己呈示行動をとりやすいと報告し た.これらのことから,公的自意識を強く抱く人は自己 を良く見せようとする,あるいは悪く見られないように する行動をとる傾向にあると推測される.したがって, EMS の「精神的安定性」との正の相関関係と,「他者評 価への懸念」因子との正の相関関係を推測した. 3. 分析方法 EMS の 信 頼 性 を 検 討 す る た め , 信 頼 性 係 数 (Cronbach のα係数) を算出した.また,基準関連妥当 性を検討するため,関連が予測される心理的特性の3 因 子との相関係数を求めた. 結果と考察 内的整合性を示すα 係数は,PEMS については「精神 的安定性」がα = .83, 「他者評価への懸念」が α = .80, 「周 囲への配慮」がα = .83 であった.一方,NEMS につい ては「精神的安定性」がα = .80, 「他者評価への懸念」 がα = .81, 「周囲への配慮」が α = .80,「不利状況の回 避」がα = .80 であった.したがって,EMS の信頼性は, 内的整合性の観点から概ね担保されていることを確認し た. 外的統制とPEMS の「精神的安定性」,「他者評価への 懸念」,「周囲への配慮」との間に,低い正の相関が見ら れた [順にr = .14 (p < .05),r = .26 (p < .01), r = .16 (p < .05)]. 一方,NEMS では,「他者評価への懸念」 において低い正の相関が見られた [r = .26 (p < .01)]. このうち,PEMS および NEMS の「他者評価への懸念」 因子と外的統制因子との相関関係は予測通りの結果とな り,妥当性が概ね確認された. 他者配慮とPEMS の「精神的安定性」との間に,低い 正の相関が見られた [r = .16, (p < .05)]. 一方,NEMS では,「精神的安定性」,「周囲への配慮」,「不利状況の回 避」と低い正の相関が見られた [順にr = .14 (p < .05), r = .19 (p < .01), r = .21, (p < .01)]. このうち, NEMS の「周囲への配慮」因子と「不利状況の回避」因 子については予測通りの結果となり,妥当性が概ね確認 された.一方,PEMS の「周囲への配慮」因子について は妥当性の再検討が必要となった. 公的自意識とPEMS の「他者評価への懸念」因子との 間に,有意傾向ながら予測していた通り,正の相関関係 が見られた.したがって十分な妥当性は確認できなかっ たが,ある程度,妥当であるという傾向が窺えた.また, NEMS の「精神的安定性」,「他者評価への懸念」,「周囲 への配慮」,「不利状況の回避」との有意な相関が見られ た [順にr = .24 (p < .01), r = .23 (p < .01), r = .24 (p < .01), r = .20 (p < .01)].このうち,NEMS の「他者 評価への懸念」因子は予測通りの結果となり,妥当性が 概ね確認された. 関連が予測される心理的特性とEMS との相関関係を 包括的に考察すると,個人内でも,抑制される感情体験 の種類 (ポジティブまたはネガティブ感情) によって異 なる可能性が示唆された.ネガティブ感情の抑制を扱っ た研究報告が多い中,本研究でポジティブ感情の抑制に 関する知見も集積できたことは,有益であったと言える. 主要引用文献

Fredericks, B. A., Uliaszek, A. A., & Daros, A. R. (2017). Goal orientation, emotion regulation strategies, and affective responses. North American Journal of Psychology, 19 (1), 21-34. Tamir, M. (2009). Differential preferences for

happiness: extraversion and trait-consistent emotion regulation. Journal of Personality, 77 (2), 447-470.

参照

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