無
量
壽
経
の
弘
願
森
二
郎
本 會 誌 ( A 四 巻 一 號 四 八 頁 、 B 六 巻 二 號 四 三 九 頁 、 C 一 一 巻 二 號 五 三 八 頁 ) の 文 を 承 け る 。 大 阿 二 十 四 巻 中 衆 生 に 重 要 な の は 始 め の 七 願 で あ る 。 そ の 中 往 生 に 關 す る 願 及 び 成 就 文 を 述 べ る 。 願 は 髄 の み に 止 め る 。 A の 下 輩 十 念 推 移 表 及 び 願 文 推 移 表 を 用 ひ る 。 A は 阿 彌 陀 浮 土 経 は 原 始 在 家 道 の 十 善 生 天 を 根 源 と す る こ と を 明 に し た 。 滋 に 弘 願 と 成 就 文 及 び そ の 他 と の 關 係 を 述 べ る 。 往 生 に 第 五 ・ 第 六 ・ 第 七 の 三 願 が あ る 。 此 中 第 七 ・ 第 六 の 二 願 は 壽 経 第 十 九 ・ 第 二 十 願 の 原 形 で あ り 、 衆 生 は 出 家 と 富 裕 者 と を 封 照 と す る 。 成 就 文 は 三 輩 中 の 第 一 及 び 中 輩 が 適 合 す る こ と 壽 経 と 同 じ 。 弘 願 と し て 所 有 衆 生 に は 第 五 願 が あ る 。 こ れ と そ の 成 就 文 と を 吟 味 し て 、 壽 経 第 十 八 願 及 び そ の 成 就 文 を 明 に す る 。 古 來 多 く の 學 者 の 註 繹 に は 未 だ 瀧 足 な も の は 一 つ も 存 せ な い 。 等 五 願 令 八 方 上 下 諸 無 敷 天 人 民 及 蝟 飛 娯 動 之 類 、 若 前 世 作 悪 、 聞 我 名 字 欲 來 生 我 國 者 、 印 便 反 政 自 悔 過 爲 道 作 善 、 便 持 経 戒 、 願 欲 生 我 國 不 断 絶 、 壽 終 皆 令 不 復 泥 梨 禽 獣 醸 蕩 、 邸 生 我 國 在 心 所 願 。 生 き と し 生 け る も の は 悉 く 悪 を な さ ざ る も の は な い 。 過 去 に 於 て 重 大 な 悪 を 作 し た も の も 含 め て 、 我 名 を 聞 き 欣 慕 し て 我 國 に 來 生 せ ん と 欲 す る 者 は 郎 ち 正 に 返 り て 自 ら 悔 過 し 道 の 爲 に 善 を 作 す 、 便 ち 経 戒 を 持 し て 願 つ て 我 國 に 生 れ ん と 欲 し て 噺 絶 せ ざ れ ば 、 壽 経 つ て 皆 三 悪 道 に 復 ら ず し て 我 國 に 生 れ る こ と は 心 の 所 願 に あ り と す る 。 衆 生 の な す べ き こ と は ﹁ 持 経 戒 ﹂ で あ り 、 こ れ を 中 心 と し て 反 正 悔 過 作 善 が 説 か れ て い る し 又 逆 に 反 正 悔 過 作 善 が ﹁ 持 経 戒 ﹂ で あ る 。 往 生 に 當 つ て 三 悪 道 に 復 ら ず と は 衆 生 に 存 命 中 に 三 悪 道 と 絶 縁 し て い る の で な け れ ば な ら ぬ 。 此 く て は 衆 生 が 現 世 で 三 悪 道 を 如 何 に し て 、 何 時 離 れ た か 願 の 中 よ り 考 へ ね ば な ら ぬ 。 浮 世 に 喜 怒 愛 欲 の 生 を 迭 れ ば 三 悪 道 の も の は 命 の あ る 間 は そ れ を 除 去 す る こ と は 出 來 ぬ が 持 経 戒 印 ち 自 悔 過 作 善 獣 態 な れ ば 悪 道 か ら 離 無 量 壽 経 の 弘 願 ( 森 )-313-無 量 壽 経 の 弘 願 ( 森 ) れ て い る こ と に な る 。 印 ち 壽 終 に は 絶 封 完 全 な 持 経 戒 状 態 で な け れ ば な ら ぬ 。 極 樂 中 に は 悪 を 得 る こ と は な い か ら 無 三 悪 趣 で あ る 。 第 一 願 ﹁ 令 我 國 中 無 有 泥 梨 禽 獣 蒔 蕩 蝟 飛 蟻 動 之 類 ﹂ は 成 立 す る 。 古 來 極 樂 は 二 百 一 十 億 佛 國 か ら 三 悪 趣 の な い 國 土 が 撰 澤 せ ら れ た と 繹 せ ら れ て い る が 、 實 は 第 五 願 の 内 容 を 別 願 と し て い る の で あ る 。 戒 は 往 生 者 の 根 本 的 立 場 と し て 不 可 鉄 の も の で あ る が 、 そ れ を 排 し て 念 佛 構 名 萬 能 論 は 如 何 に 努 力 し 功 徳 を 積 む で も 浄 土 へ は 行 け ず 臓 土 に 止 ま る 。 そ れ を 往 き 得 る と 圭 張 す る こ と は 浄 繊 混 肴 佛 國 を 望 む も の で あ る 。 第 四 願 令 我 名 字 皆 聞 八 方 上 下 無 央 数 数 國 令 諸 佛 各 於 比 丘 僧 大 坐 中 読 我 功 徳 國 土 之 善 諸 天 人 民 蝟 飛 蜘 動 之 類 聞 我 名 字 莫 不 慈 心 激 喜 踊 躍 者 皆 令 來 生 我 國 此 の 諸 天 以 下 の 後 半 を 壽 経 十 八 願 と 併 べ て 往 生 願 に 擬 す る 學 者 が あ る が 弘 願 が そ れ で は 重 出 せ な け れ ば な ら ぬ が 本 來 大 阿 第 五 願 で ﹁ 聞 我 名 字 ﹂ と 承 け ら れ る に 爲 に 存 す る の で あ る 。 聞 名 は 浄 土 欣 慕 の 爲 で あ る 。 宗 學 者 に 無 理 な 解 を 出 し て 正 常 な 経 昌 を 曲 げ る の に 蝕 り 勝 手 過 ぎ る 。 そ の 結 果 は 繊 土 を 許 す こ と と な る の で 絶 封 不 可 で あ る 。 弘 願 成 就 文 B に 於 て 三 輩 以 外 に 通 輩 文 と 名 づ け た 文 の 存 在 を 述 べ た 。 之 れ が A の 下 輩 十 念 推 移 表 上 段 に あ る 。 佛 告 阿 逸 菩 薩 等 諸 天 帝 王 人 民 我 皆 語 汝 曹 諸 欲 往 生 阿 彌 陀 佛 國 者 。 む む ス ル ヲ ハ ニ ス ニ ス ヲ 難 レ 不 レ 能 二 大 精 進 灘 定 。 持 二経 戒 一者 。 大 要 當 二 作 レ 善 。 一 者 不 得 殺 生 ⋮ ⋮ 十 者 不 得 貧 餐 不 得 心 中 有 所 樫 惜 不 得 順 怒 不 得 愚 療 不 得 随 心 起 欲 不 得 心 中 悔 不 得 狐 疑 當 作 孝 順 當 作 至 誠 忠 信 當 信 受 佛 経 語 深 當 信 作 善 後 世 得 其 福 奉 持 如 是 其 法 不 脇 失 者 在 心 所 願 可 得 往 生 阿 彌 陀 佛 國 至 要 當 齋 戒 一 心 清 澤 書 夜 常 念 欲 往 生 阿 彌 陀 佛 國 十 日 十 夜 不 断 絶 我 皆 慈 哀 之 悉 令 生 阿 彌 陀 佛 國 。 佛 言 世 間 人 以 欲 慕 及 賢 明 居 家 修 善 爲 道 者 與 妻 子 共 居 在 恩 好 愛 欲 之 中 憂 念 苦 多 家 事 忽 務 不 暇 大 齋 一 心 清 浮 錐 不 能 得 去 家 棄 欲 有 室 閑 時 自 端 心 意 念 身 作 善 專 精 行 道 十 日 十 夜 殊 使 不 能 爾 自 思 惟 熟 校 計 欲 度 睨 身 者 下 當 絶 念 去 憂 勿 念 家 事 莫 與 婦 人 同 抹 自 端 正 身 心 断 於 愛 欲 一 心 齋 戒 清 浄 至 意 念 生 阿 彌 陀 佛 國 一 日 一 夜 不 断 絶 者 壽 終 皆 往 生 其 國 在 七 寳 浴 池 蓮 華 中 化 生 可 得 智 慧 勇 猛 所 居 七 寳 舎 宅 自 在 所 欲 作 爲 可 次 如 ・ 上 第 一 輩 ( 後 は 悲 化 五 悪 段 と な る )。 阿 逸 菩 薩 等 諸 天 帝 王 人 民 と は 僧 俗 貴 賎 貧 富 の 別 な く 一 切 衆 生 を 指 す 我 皆 語 汝 曹 と は 我 汝 ら に 一 切 を 包 む と こ ろ な く と 所 有 衆 生 に 佛 が 語 ら れ る 経 中 の 最 重 要 事 を 舷 に 明 に せ ら れ る が 、 そ の 語 ら れ る は 十 善 の 訓 へ で あ る 。 在 家 教 と し て 大 精 進 繹 定 は な し 能 は ず と 錐 も と し て 持 経 戒 作 善 を 大 に 要 ず な せ と 。 モ ル ハ メ ス ル コ ト ヲ ナ リ ト ( 此 の 加 貼 を 眞 聖 全 に は ﹁ 錐 下 不 レ 能 三 大 精 進 繹 定 持 二 経 戒 一者 上 ﹂ と し て ゐ る は 意 味 を な さ な い ) 教 の 中 心 鳳 持 経 戒 に よ る 作 善 で あ る 。 こ れ は 第 五 願 と 一 致 す る 。 印 ち 願 、 成 就 に 共 通 し て 経 戒 の 十 善 が 示 さ れ て い る 。 五 悪 の 後 に ﹁ 佛 語 阿 逸 菩 薩 等 若 世 有 是 佛 皆 慈 懸 衰 之 威 紳 擢 動 衆 悪 諸 事 皆 清 化 之 令 得 去 悪 就 善 棄 摘 所 思 奉 持 経 戒 莫 不 承 受 施 行 経 法 不 敢 違 失 度 世 無 爲 泥 疸 之 道 快 善 極
-314-樂 ﹂ と 。 弘 願 、 成 就 、 五 悪 と 共 通 す る 経 戒 は 三 悪 趣 の 魁 治 で あ る 。 千 敷 百 年 來 構 名 、 念 佛 に 集 中 し て 教 義 を 説 い て 経 法 に 及 ば ざ り し は 驚 く べ き 大 過 誤 で あ つ た 。 構 、 念 は 輝 定 に 入 る べ き も の で あ る 。 壽 経 の 乃 至 十 念 は ﹁ 少 く と も 十 善 を 議 起 ﹂ す る の 意 で あ る ( B ) か ら 第 十 八 願 は 至 心 に 信 樂 し て 欲 生 し 少 な く と も 十 善 を 獲 起 す る の で あ る ゆ 此 の 乃 至 十 念 は 大 阿 願 文 の 持 経 戒 印 ち 作 善 に よ る 三 悪 道 を 遠 離 す る 爲 で あ つ て 古 來 と ら れ い る ﹁ 乃 至 十 念 せ ん ﹂ な る 讃 方 は 成 立 せ な い の で あ る 。 乃 至 は 副 詞 、 念 は 名 詞 で あ る か ら 獲 起 す る と 云 う 動 詞 が な け れ ば 意 味 を な さ な い 。 下 輩 の 十 念 も 同 じ で あ る ( A 下 輩 十 念 推 移 表 ) 。 以 上 に よ つ て 願 文 と 成 就 文 が 大 阿 通 輩 、 壽 経 下 輩 と の 封 鷹 が 明 か と な る 。 し か し な が ら 下 輩 の 名 は 大 阿 三 輩 の 第 三 輩 の 如 く 思 は し め る が 、 そ う で は な く で 實 は 通 輩 な の で あ る 。 こ れ が 古 來 人 々 を 惑 は し め た の で あ る 。 壽 経 は 支 那 で 醗 課 せ ら れ た 原 本 で は な く て 、 醗 繹 文 は 卒 等 畳 経 を 合 揉 し て 作 ら れ た と こ ろ が 少 く な い 。 、梵 ・ 如 に は 三 輩 の 名 は な い 。 卒 等 麗 経 を 眞 似 て 改 編 せ ら れ そ れ が 三 輩 の 名 を 挿 入 し た が 、 そ の 内 容 の 如 何 は 吟 味 せ ら れ な か つ た 。 此 の 爲 諸 註 解 は 下 輩 の 名 に よ っ て 通 輩 を 上 、 中 輩 に 劣 る 輩 と し て 混 齪 し た も の と な つ て い る 。 因 つ て 壽 経 を 看 る に は 此 の 事 情 を 心 し て い な け れ ば な ら ぬ 。 尚 そ の 上 に ﹁ 夢 見 彼 佛 ﹂ の 誤 入 が あ る の も 注 意 せ ね ば 此 な ら ぬ 。 句 は 元 來 第 三 輩 に あ つ た の を 梵 本 で 通 輩 文 へ 紛 れ 込 ま せ た の で あ る 。 こ れ が 如 、 壽 へ 持 越 さ れ た 。 工 輩 に は 眞 佛 の 臨 終 來 迎 が あ り 中 輩 に は 化 佛 來 迎 が 説 か れ て い る 。 そ の 順 に 從 つ て 夢 見 佛 に 劣 れ る 衆 生 と 見 徹 さ れ た の で 下 輩 の 名 が つ け ら れ 文 の 内 容 は 吟 味 せ ら れ ず 三 輩 の 外 で あ る 通 輩 を 名 に よ つ て の み 取 扱 つ た と い う 不 思 議 を 怪 ま ず に 績 け ら れ て 來 た の で あ る 。 壽 経 第 十 八 願 は 極 樂 必 願 望 の 至 心 信 樂 と 杜 三 趣 の 爲 の 乃 至 十 念 の 組 合 せ で あ る 。 一 向 專 意 乃 至 i十 念 と 激 喜 信 樂 不 生 疑 惑 と 分 つ て 願 と 比 較 す べ き で あ る 。 夢 見 彼 佛 は 荘 嚴 経 の 志 心 蹄 依 頂 禮 供 養 是 人 臨 終 不 驚 不 怖 心 不 顛 倒 帥 得 性 生 彼 佛 國 で あ る べ き で あ る 。 あ る 註 解 に は 、上 、 中 輩 は 善 人 、 下 輩 は 悪 人 を さ す と し て い る 。 實 に 驚 く べ き 偏 見 で あ る 。 弘 願 の 傳 統 大 阿 第 五 願 は 季 等 畳 経 に は 第 十 九 に 抄 文 に て / 承 け ら れ て い る 、 が 第 六 願 に は 相 當 願 が な い. 。 梵 本 で は 第 十 七 願 で あ る が こ れ は 他 願 と 合 一 の 形 で あ る 。 印 ち 弘 願 と な す べ き 願 に ﹁ 諸 善 根 を 廻 向 せ ん に ﹂ と 異 分 子 が 入 つ て い る 。 如 來 會 で は 同 じ く ﹁ 所 有 善 根 心 心 廻 向 ﹂ と な つ て い る 。 此 等 の 制 限 を 去 つ て 眞 の 弘 願 は 壽 経 第 十 八 願 に 至 つ て 完 成 す る Q こ れ 最 後 の 経 に 至 つ て 十 分 吟 味 し 考 慮 が 加 へ ら れ た か ら で あ る 。 大 阿 経 題 名 の 過 度 人 道 経 は 衆 生 濟 度 と 人 道 と を 説 く こ と を 示 し そ れ を 傳 承 す る も の は 壽 経 で あ る 。 宗 學 的 立 場 よ り 前 期 、 後 期 に よ り て 弘 願 が 攣 化 し て 稻 名 へ 遷 り た り と す る 如 き 無 量 壽 経 の 弘 願 ( 森 )
-315-無 量 壽 経 の 弘 願 ( 森 ) 説 は 経 を 冒 漬 す る も の で あ る 。 観 経 往 生 中 品 下 生 に ﹁ 其 読 阿 彌 陀 佛 國 土 樂 事 亦 読 法 藏 比 丘 四 十 八 願 ﹂ と 述 べ ら れ て い る よ り す る も ,観 経 が 四 十 八 願 経 即 ち 壽 経 と 経 説 に 密 接 な 關 係 の あ る の は 皆 人 の 知 る と こ ろ で あ る が 、 古 來 壽 経 そ の も の が 曲 解 せ ら れ て い た の で あ る か ら 一 切 の 説 は 否 定 せ ざ る を 得 な い O 即 ち 宗 教 上 の 租 師 、 宗 祀 の 見 は 認 め 得 な い こ と と な る 。 從 來 は 大 阿 等 の 経 の 原 意 を 見 ず 、 壽 経 の み の 、 し か も 偏 見 に よ つ て 読 か れ た の で あ る ゆ 浮 土 経 の 根 源 で あ る 大 阿 よ り 壽 経 を 通 じ て 論 ず る の で な け れ ば 観 経 (は 意 味 の な い 経 で あ る 。 こ れ は 弘 願 の 意 を 獲 揮 し て そ れ が 如 何 な 形 で 現 わ れ て い る か で あ る 。 此 の 爲 に は 壽 経 第 十 八 願 の み で 直 接 に 解 せ ん こ と は 少 し く 困 難 で あ る が 軍 に 下 々 、 品 の み で な く 倫 見 解 を 弘 め て 大 阿 第 五 願 及 び 通 輩 文 を も 騙 使 せ ね ば な ら ぬ 。 是 れ 観 経 編 纂 に は そ う で あ つ た と 思 わ れ る か ら で あ つ て 、 大 乗 起 信 論 亦 此 く 考 へ ら れ る 。 起 信 論 に あ る 攣 態 十 善 は 通 輩 文 に 類 似 し て い る よ り も 推 察 せ ら れ る か ら で あ る 。 編 纂 所 は 一 の 編 揖 あ り た り と て 古 記 録 を 放 棄 せ な い も の で あ つ た と 推 せ ら れ る か ら で あ る 。 先 ず 下 品 の 三 生 を 見 る に 何 れ も 極 悪 非 道 の 悪 人 で あ る 。 ﹁ 下 品 上 生 者 或 有 衆 生 作 衆 悪 業 ⋮ ⋮ 多 造 衆 悪 無 有 漸 憶 命 欲 終 時 遇 善 知 識 爲 讃 大 乗 十 二 部 経 首 題 名 字 以 聞 如 是 諸 経 名 故 除 卸 極 重 悪 業 ﹂ と 。 是 れ 若 前 世 作 悪 の 徒 で あ る が 経 名 を 聞 く こ と に よ り 持 戒 へ 導 か れ る の で あ る 。 又 ﹁ 下 品 中 生 者 或 有 衆 殿 犯 五 戒 八 戒 及 具 ハ 足 戒 如 此 愚 人 愉 僧 祇 物 盗 現 前 僧 物 不 浄 説 法 無 漸 憶 以 諸 悪 業 而 自 荘 嚴 如 此 罪 人 以 悪 業 故 慮 堕 地 獄 命 欲 終 時 地 獄 衆 火 一 時 倶 至 遇 善 知 識 ⋮ ⋮ 此 人 聞 已 除 八 十 億 劫 生 死 之 罪 地 獄 猛 火 化 爲 清 涼 風 。 ﹂ 上 生 と 同 様 に 解 し 得 ら れ る 。 古 來 最 も よ く 念 佛 高 揚 の 爲 に 取 扱 わ れ る の は 下 生 で あ る 。 ﹁ 具 ハ 足 十 念 ﹂ の 名 句 に よ る が 上 の 二 生 と 同 様 に 極 悪 人 が 三 悪 道 か ら の 脱 却 を 述 べ て い る 。 極 悪 非 道 の も の が 悔 遇 に よ る 往 生 で あ る 。 そ れ を 念 佛 敷 果 の 極 致 と し て 見 る か ら で あ る 。 古 人 は ﹁ 構 南 無 阿 彌 陀 佛 具 ハ足 十 念 ﹂ と 文 を 攣 造 し て 解 し 少 し も 怪 ま ず 強 調 し て い る が 文 は あ く 近 ﹁ 具 ハ 足 十 善 稽 南 無 阿 彌 陀 佛 ﹂ で な け れ ば な ら ぬ 。 悪 人 は 善 知 識 の 臨 命 終 時 の 訓 戒 に よ り 経 戒 を 知 り 、 そ れ に よ り 悪 道 に 堕 し 、 多 劫 を 経 歴 し 苦 し む こ と 窮 り な き と こ ろ を 悔 過 に よ り 経 戒 を 守 り た る と 同 じ 状 況 に 至 る の で あ る 。 念 佛 構 名 は こ こ に 働 い て 往 生 を 得 せ し め る の で あ る 。 何 ぞ 構 名 の み で こ こ に 働 い て 往 生 を 得 せ し め る と す る の で あ る か 。 稻 名 の 数 果 の み に よ つ て 往 生 可 能 と 説 く べ き で は な い 。 中 品 下 生 に は ﹁ 孝 養 父 母 行 世 仁 慈 ﹂ と あ る の は 通 輩 の 當 作 孝 順 等 に よ る 。 中 生 、 上 生 に 多 く 戒 を 出 す の も 通 輩 を 源 と す る 爲 で あ る 。 壽 経 系 と 他 経 と の 混 成 と 思 わ れ る 。 何 分 一 切 の 先 人 と 立 場 を 攣 え て 見 る の で あ る か ら 解 し 方 は 大 い に 異 つ て 來 る 。 善 導 流 敢 義 は 千 数 百 年 に 亘 り 誤 れ る 宗 敏 を 残 し た も の で あ る 。