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母乳栄養の問題点

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Academic year: 2021

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近年母乳栄養の再評価に伴い,母乳哺育が積極的に推 奨され,これに対する母親の自覚も高まってきている。 一方,環境汚染に伴う母乳の影響,基礎疾患を持ち薬剤 投与を余儀なくされている授乳婦の母乳の問題点,母乳 とアレルギーについても年々関心を集めている。また排 卵誘発法の進歩,補助生殖医療の発展により不妊症の夫 婦にも子供が授かるようになってきた。 さて母乳栄養が人工栄養に比較して良いというのは周 知の事実である。 しかし欠点としてビタミン K 欠乏性出血,経母乳感 染という問題も残っている。 また母乳の成分は,母親の飲食物あるいは嗜好品に よって微妙に変化する。母親自身が病気をして薬物を摂 取すれば,薬物は微量であるが,母乳中に混入するよう になる。 母乳汚染は3つのカテゴリーに分けて述べることがで きる。酒・タバコ・コーヒーなどの嗜好品によるもの, 食物を通して摂取される農薬や PCB,水銀などいわゆ る公害物質,治療の目的で投与される薬物に分けられる。 特にてんかん・精神神経疾患・膠原病・自己免疫疾患免 疫性疾患のような基礎疾患を持ち薬剤投与を余儀なくさ れている授乳婦の母乳の可否はどうであろうか。 最近アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患が増加して いる。周産期・乳児期によく問題となる食物アレルギー の原因としては,牛乳・鶏卵・ダイズの3つが最も多い といわれている。いつから食物アレルギーの予防をはか るべきか,また母乳はアレルギー病を予防することが可 能であるか。 当センターは現在不妊治療を行っている施設の1つで ある。不妊治療により妊娠・出産した褥婦の母乳分泌量 について検討した。 今回,1)母乳性黄疸,2)ビタミン K 欠乏症,3) 母乳汚染(!母体疾患と母乳栄養,"嗜好品,#環境汚 染物質),4)母乳とアレルギー疾患,5)母乳と伝染 性疾患,6)不妊治療と母乳分泌について述べたい。 まず,母乳の利点として以下の5つがあげられる1) 1 栄養学的利点 1)児のニーズに応じた最適な栄養組成 2)酵素,ホルモン,成長因子など特に消化管の 成長発達に重要な作用あり 2 感染予防作用 1)清潔な自然食 2)感染防御作用 3 廉価,便利 4 自立授乳が可能 5 母子相互作用の促進,良き母子関係の成立 このことから母乳栄養は人工栄養に比して良いという のは言うまでもない。 しかし,母乳栄養の問題点も数多くある。代表的なも のとして1,母乳性黄疸,2,乳児ビタミン K 欠乏症,3, 母乳中に排泄される薬物,4,母乳とアレルギー,5, 経母乳伝染性疾患,6,不妊症と母乳栄養がある。 1 母乳性黄疸 わが国では大西らが全国調査を行っている。それによ ると母乳性黄疸の最高総ビリルビン値は,12.0∼35.2 $/dl(22.8±4.0$/dl),直接ビリルビン値は0.3∼5.0 $/dl(1.6±1.0$/dl)で母乳栄養が人工栄養に比べて 黄疸が強いことを証明している。しかし核黄疸発症例は 認められなかった。以前は黄疸が強いというだけで安易 に母乳を一時中止してしまう施設も多かった。しかし哺 乳確立に最も critical な時期を失わせることになってし まうので細心の注意が必要である2)。核黄疸の発症が皆 無であるということからも,母乳を中止する必要はない

母乳栄養の問題点

寿, 三

史, 遠

子, 西

香, 青

徳島大学医学部附属病院周産母子センター (平成13年3月16日受付) 四国医誌 57巻2号 24∼29 MAY25,2001(平13) 24

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と思われる。 2 乳児ビタミン K 欠乏症 ビタミン K は,初乳に最も多く含まれており,成乳 に移行するにつれて含有量は少なくなってくる。また腸 内細菌叢のビタミン K 産生が少ない,ビタミン K の吸 収が悪い,ビタミン K の利用が悪いなどの要因から新 生児あるいは乳児はビタミン K 欠乏症に陥るといわれ ている。このビタミン K 欠乏症によりメレナの出現, 頭蓋内出血が発症したりする。このためほとんどの施設 では,ビタミン K2シロップの予防投与をおこなってい る。この予防投与によりメレナ,頭蓋内出血は激減した。 予防法が有効である今日,これだけの理由で母乳哺育に 影響を与えることがあってはならない。 3 母乳中に排泄される薬物 この薬物には,母体疾患のためやむを得ず服用してい る薬剤と,環境汚染物質,嗜好の3つに大別できる。 a)母体疾患 米国小児学会によると授乳中は禁忌な薬剤は15種類し かない(表1)3) しかしわが国の医薬品添付文書あるいは医療薬日本医 薬品集の注意事項をみると「投薬中は授乳を避けたほう が望ましい」という項目が非常に多いため臨床の現場で は混乱をきたしている。特にてんかん合併妊婦の場合ほ とんどが抗てんかん薬を服用している。抗てんかん薬の 添付文書を見ると,授乳婦に対する記載はさまざまであ るが「中止することが望ましい」と書かれているのを散 見する(表2)。臨床の現場ではこの添付文書をみて母 乳を中止していることが多いと思われる。しかし米国小 児学会では抗てんかん薬服用中の場合,母乳の授乳中は 禁忌とされる薬剤はなしとしている3)。これは米国では, 新生児離脱症候群を重視しているためと思われる。新生 児離脱症候群とは,麻薬,マイナートランキライザーな どの薬物の投与中止によりある種の重篤な症状をきたす 症候群である。米国では,毎年6000−10000の新生児が 麻薬常用癖の妊婦から出生している。厚生省心身障害研 究班によると,日本では,抗けいれん剤,向精神薬を内 服している妊婦は,全体の約0.6%占めており決して低 い頻度ではない。てんかん合併妊婦はすでに妊娠中抗て んかん薬を服薬しているため,臍帯を通して胎児にも移 行している。分娩が終了し,母乳を中止するとこの抗て んかん薬は突然新生児に移行しなくなるため,離脱症候 群が出現する。しかし授乳を続けていると,初乳中には 分泌量が少ないため高濃度の抗てんかん薬が移行するが, 乳汁分泌量が増加するにつれ乳汁中の薬剤濃度は徐々に 漸減することにる。このことにより新生児離脱症候群を 防止することになる。 医薬品添付文書あるいは医療薬日本医薬品集の注意事 項にはむやみに「授乳を中止させることが望ましい」と 書く前に分娩後の離脱症候群の方がはるかに問題になる ことを銘記すべきである。 b)環境汚染物質 ダイオキシン類は,農薬の不純物,ゴミ焼却や塩素漂 白時の副生など,それを作ることを目的としないにもか かわらず副次的に生成してくる物質群である。その極め て強い毒性,蓄積性のゆえに,現在最も関心を集めてい る汚染物質である。母乳中にも検出され,環境汚染レベ 表1 妊娠中に投与禁忌の薬剤 Bromocriptine Cocaine Cyclophosphamide Cyclosporine Doxorubicin Ergotamine Lithium Methotrexate Phenindion Phencyclidine Amphetamine Heroin Marijuana Nicotine Phencyclidi (米国小児学会,1994) 表2 抗てんかん薬と授乳 抗けいれん剤 フェノバルビタール フェニトイン プリミドン カルバマゼピン バルプロ酸 クロナゼパム ゾニサミド 授乳婦に対する記載 なし なし 眠気 移行 移行するので避けさせる 避ける 中止すること (医療薬日本医薬品集) breastfeeding drugs smoking HTLV‐1Vitamin K 25

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ルを低下させることが求められている。平成9年の厚生 科学研究によると,大阪府ではダイオキシンの濃度はだ んだん低下している。最近外来では妊婦に母乳とダイオ キシンについて聞かれることが多くなった。ダイオキシ ンと母乳哺育指導として以下のことを妊婦に話してい る4) 1.催奇形性の関与については否定はできないが,現 時点で新生児異常に関与するという報告はない。 2.1970年代と比べ,母乳中のダイオキシン類濃度は 約1/2に低下している。 3.母乳中止よりもむしろ食事等による母体汚染の軽 減が重要である。 4.母乳哺育には母子保健上多数の長所がある。 この問題が現在でもあやふやなのは,ダイオキシンの 分析は複雑であり,コストが高いことがあげられると思 う。今後安価な分析法ができ,気軽にチェック出来るよ うになれば授乳に対しても対策がたてやすくなるかもし れない。 c)喫煙 近年,男性の喫煙率は低下しているが,それに反して 女性の喫煙率は増加している。外来でも最近は喫煙妊婦 が増加している。喫煙によって,胎児の先天異常が増加 するという報告はない,というのが妊婦に妊娠中も喫煙 を続けている1つの要因であるかもしれない。しかし Simpson が1957年に,妊娠中の喫煙が子宮内胎児発育 遅延を引き起こし,低出生体重児が多くなることを統計 学的に証明して以来5),現在までに妊娠と喫煙について 多数の研究が報告されている。 妊娠と喫煙について現在までに因果関係をほぼ断定で きる事項として子宮内胎児発育遅延,低出生体重児,早 産,周産期死亡,妊娠・分娩合併症の増加が報告されて いる。 子宮内胎児発育遅延,低出生体重児の相対危険度は, 非喫煙妊婦に比較して喫煙妊婦では1.6∼2.4倍といわれ ている。しかし妊娠が判明してから禁煙した場合,妊娠 全経過喫煙妊婦より低出生体重児の発生率は低くなる。 早産の相対危険度は,喫煙妊婦では1.4∼3.3倍といわれ ている。また喫煙本数の増加とともに早産の頻度が高く なるともいわれている。 周産期死亡の相対危険度は,喫煙妊婦では1.2∼1.4倍 といわれている。これは低出生体重児,早産児が喫煙妊 婦では増加するためである。妊娠・分娩合併症では常位 胎盤早期剥離,前置胎盤,前期破水,異常出血の相対危 険度はそれぞれ1.6∼1.8倍 ,1.3∼2.0倍 ,1.3∼1.5 倍,1.2∼2.5倍といわれている。妊婦の喫煙が妊娠中・ 分娩時に悪影響を及ぼす物質として,たばこの煙の中に 含まれるニコチンと一酸化炭素がある。ニコチンによる 血管収縮が子宮血流量の低下をもたらし,妊婦血中の一 酸化炭素ヘモグロビンの増加とともに,胎児・胎盤系の 低酸素状態を引き起こす。このために低出生体重児,早 産,周産期死亡,妊娠・分娩時の合併症が多くなると考 えられている6) 妊娠と喫煙について関連性が確実と思われるものに自 然流産が報告されている。流産の相対危険度は,喫煙妊 婦では1.2∼1.7倍といわれている。 妊娠と喫煙について弱い関連性が考えられているもの として先天奇形,生後の疾病が報告されている。先天奇 形,生後の疾病の相対危険度は,喫煙妊婦ではそれぞれ 1.2∼2.3倍,1.4∼1.7倍といわれている。先天奇形では 口唇・口蓋裂,先天性心疾患,無脳児,脊椎破裂が報告 されている。生後の疾病では気管支炎,肺炎が多いと報 告されている。 喫煙と母乳に関しては,褥婦が喫煙をおこなうと当然 母乳にもニコチンが分泌され,喫煙本数が多いほど母乳 中に含まれるニコチン量も多くなると報告されている。 ニコチンを哺乳することにより新生児に不穏,不眠,嘔 吐,下痢等の症状が出現し,哺乳の中止により症状が消 失する。また喫煙を続けていると非喫煙授乳婦に比較し て母乳分泌量が少なくなると報告されている。 当科では,1990年,アメリカ政府保健サービス省公衆 衛 生 局 の 指 針 を 少 し 改 良 し 妊 婦 に 説 明 し て い る(表 3)7,8) 4 母乳とアレルギー 山田らは,乳児健診を受診した乳児を対象として,12 か月までのアトピー性皮膚炎の発症,気管支喘息の発症 について検討した成績を報告している。二親等以内に家 族歴のある乳児の場合,母乳栄養児におけるアトピー性 皮膚炎の発症率は混合栄養児+人工栄養児に比較して有 意に低率であった。また気管支喘息においても,同様に 家族歴のある群においてその発症率は,母乳栄養児が混 合栄養児に比較して有意に低率であった。この成績は, 予防対策を全く 行 っ て い な か っ た 時 期 の prospective study であり,それでも母乳栄養児において,アレルギー 前 田 和 寿 他 26

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疾患の発症予防効果が認められた注目するデータであ る9) 妊娠中に除去食を行った場合は,アトピー性疾患発症 率に差がないという報告と差があるという報告があり, 一定の見解はない(表4)。予防的除去食導入の条件は 大変厳しい条件であるため,誰でもが気軽に行えるもの ではない(表5)。母乳とアレルギーに関しては,現時 点では,妊娠中のみの母親の食事制限は,児のアレルギー 疾患の予防には有効とはいえない,アレルギー疾患の発 症が人工栄養児に比べて母乳栄養児で少ない,妊娠中お よび授乳中の食事制限は非常に困難である,のが現状で ある10) 5 経母乳伝染性疾患 経母乳伝染性疾患には,代表的なものとして ATL(成 人 T 細胞白血病)がある。 ATLA は C 型レトロウイルスであり,CD4+T 細胞 に侵入後,逆転写酵素により宿主細胞の DNA に組み込 まれる。ウイルスが体内で活性化されるとウイルス抗原 を発現し,細胞間で感染が生じる。興味深いことに,ATL を発症する患者のほとんどが母子感染で感染した例であ り,輸血や夫婦間感染で成立した例では,ほとんど ATL を発症しない。このことからも母子感染対策は非常に重 要であると思われる。ATL ウイルス感染は,主に母乳 感染といわれている。 表6に母乳栄養と人工栄養での ATL 感染率を示す11) 人工栄養に比して母乳栄養が有意に高率に感染している。 現在では ATL ウイルス感染症妊婦には,母乳を中止す ることが望ましい,どうしても母乳を与える場合は, −20℃で12時間凍結処理を行った後に解凍し与えること が望ましいと指導している。妊婦の初期スクリーニング 表3 当科での禁煙指導 妊娠中に喫煙を続けると以下の異常が発生するといわれています。 妊娠・分娩の異常 相対危険率 (非喫煙妊婦を1.0として) 低出生体重児 周産期死亡 早産 妊娠・分娩合併症 1.6∼2.4 1.2∼1.4 1.4∼3.3 1.2∼2.5 新生児の異常 気管支炎・肺炎 1.4∼1.7 1.妊娠前に禁煙すると非喫煙妊婦と全く同じ成績です。 2.妊娠初期に禁煙すると妊娠・分娩の異常は喫煙妊婦よりかな り低くなります。 3.妊娠30週までに禁煙すると妊娠全期間喫煙を続けた妊婦の児 の出生体重より重くなるので今からでも遅すぎることはあり ません。 4.喫煙本数が増えると早産の率が増加します。 5.喫煙本数を減らすだけでは低出生体重児になることを防ぐこ とは出来ません。 6.喫煙婦人の閉経年齢は非喫煙婦人の閉経年齢よりも1∼2年 早くなるので,更年期障害・骨粗鬆症も当然早く発症します。 表4 妊娠中の除去食の効果 年 度 症例数 除去食の 期 間 除去食品 アトピー性疾患 発 症 率 1987∼1989 544 妊娠28週 ∼出産 卵・牛乳 差なし 1983∼1989 470 妊娠28週 ∼授乳中 卵・牛乳 差あり 表5 予防的除去食導入の諸条件 1.基本的事項 !家族内に主要アレルギー疾患があること,特に活動性 の主要アレルギーがある,または特定の食物に対する 過敏症の家族歴がある場合 "除去食によっても子供がアレルギー疾患が必ずしも予 防できないことを理解していること #母親が妊娠中∼授乳中の予防的除去食を希望している こと 2.付帯条件 !家族の同意および協力が得られること "母親が精神的・肉体的に安定し,除去食によって日常 生活が損なわれる可能性が少ないこと. #医師や栄養士などの適切な指導が受けられる場が保持 されていること $時間的・経済的ゆとりがあること 表6 授乳方法からみた ATL ウイルス感染 児の栄養法 HTLV‐1抗体 陽性児/全児 推定感染率 retrospective 母乳 人工 prospective 母乳 人工 総計 母乳 人工 109/640 25/506 12/191 9/197 121/831 34/703 17.0% 4.0% 6.2% 4.6% 14.6% 4.8% breastfeeding drugs smoking HTLV‐1Vitamin K 27

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で ATLA を測定しているが陽性の場合は,非常にとま どい,ショックを受ける妊婦が大多数である。そこで当 科では妊婦の説明を表7のようにおこなっている12) 6 不妊症と母乳栄養 近年,不妊治療は飛躍的な進歩し子供に恵まれなかっ た夫婦に大きな悦びを与えた。当科では,不妊治療後の 褥婦の母乳状態について検討した。 対象は,自然妊娠後の褥婦412名と何らかの不妊治療 後の褥婦125名について検討した。初産,経産,分娩時 間に有意差はなかったが,年齢は不妊治療群が自然妊娠 群に比して有意に高く,分娩時出血量も有意に多かった。 次に自然妊娠群と不妊治療後妊娠の経日的母乳分泌量を 比較検討した。母乳分泌量は共に産褥日数がたつにつれ 増加したが,不妊治療群が有意に母乳分泌量は少なかっ た(図1)。また年齢別退院時の母乳確立を比較した。 20歳台では母乳確立に有意差は認められなかったが,30 歳,40歳台は有意に不妊治療群で母乳確立が低かった(図 2)。このことは,不妊治療群褥婦の年齢が有意に高い ことも要因の1つであるが,それ以外の何らかの原因が あることが示唆された13) ま と め 母乳哺育の大切さを認識し,疾病を有する母体への投 薬および環境汚染に対する母乳の影響にあたっては,よ り広い見地からの適切な判断と患者の不安を軽減させる ような助言が必要である。 文 献 1.竹内徹:人乳の利点と問題点.周産期医学,22:293‐ 297,1992 2.R ローレンス:母乳哺育ガイドブックーその理論か ら指導の仕方まで.医学書院,東京,1983

3.The transfer of drugs and other chemicals into human milk. Pediatr.,93:137‐157,1994

4.森田昌敏:環境における母乳汚染,Perinatal care 別冊 新生児乳児における栄養指導,180‐185,1994 5.Simpson, W. J. : A preliminary report on cigarette

smok-ing and incidence of prematurity. Am. J. Obstet. Gynecol.,73:808‐815,1957 6.厚生省 編.喫煙と健康 −喫煙と健康問題に関す る報告書−,197‐228,1987 7.富永祐民:妊婦,女性に対する禁煙対策.ペリネイ タル・ケア,10:57‐61,1991 8.前田和寿,青野敏博:妊産婦に対する禁煙指導. JIM,8:745‐747,1998 表7 ATL キャリア妊婦への説明のポイント 妊婦への説明のポイント 1.発症率:1300∼2000人のキャリアのうち年間1人の頻 度で発症する。40才以前に発症することはほとんどな い。 2.感染経路:輸血,性交および母子感染が知られている 性交については夫から妻への感染であり,長期間の性 交が必要である。 3.母子感染:主な感染は母乳感染であり,母乳を与え なければ感染は防げる。ただし人工哺乳児においても 他の経路による感染が5∼6%ある。 4.胎児に奇形等の悪影響は及ぼさない。 図1 自然群と不妊群の経日的母乳分泌量の比較 図2 自然群と不妊群の年齢別退院時母乳確立の比較 前 田 和 寿 他 28

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9.守田哲朗:母乳栄養の諸問題.小児科臨床,53:873‐ 877,2000 10.田角恭子:アレルギーのある児の栄養 −予防と離 乳食−.周産期医学,22:438‐445,1992 11.島本郁子:成人 T 細胞白血病.産と婦,66:1331‐ 1337,1999 12.青野敏博 編:産婦人科ベッドサイドマニュアル, 医学書院 13.中野美香,横山あかね,三宅千代,大岡裕子:当院 における母乳栄養の現状分析−自然妊娠と不妊治療 後妊娠との比較−.第32回四国母性衛生学会 抄録 集,34‐35,1998

The problems of breastfeeding

Kazuhisa Maeda, Ryuji Mitani, Satoko Endo, Yoshika Saijo, and Toshihiro Aono

Center for Maternity and Perinatal Care, The University of Tokushima School of Medicine, Tokushima, Japan

SUMMARY

Breastfeeding is recognized by many mothers, families and health professionals to be important for the health and wellbeing of mothers and babies. One of the important objec-tives of the puerperium is to enhance the maternal-infant interaction as regards nutrition of the infants. The advantages of breastfeeding are many. Human milk is always at the cor-rect temperature and requires no sterilization ; the protein content is lower than in formula but of high quality, gives a small curd, and is easily digestible ; the fats are well absorbed ; the carbohydrate is relatively high in lactose.

But there are a few problems in breastfeeding ; for example, 1. breastfeeding jaundice, 2. Vitamin K deficiency, 3. drugs, 4. allergic disease, 5. HTLV-1, 6. The secretion of breast milk in pregnant women after therapy of sterility. We must mange these problems of breastfeeding.

Key words : breastfeeding, antiepleptic drug, allergic disease, vitamin K deficiency

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