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社会不安が印象形成に及ぼす影響-解釈バイアス・判断バイアスの観点から-

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Academic year: 2021

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(1)社会不安が印象形成に及ぼす影響 一解釈バイアス・判断バイアスの観点から一.               学校教育学専攻               臨床心理学コース.          M08060K  高山 美紀         問題と目的.  調査対念者.  社会不安障害(S㏄1a1Anx1etyD1sorder SAD).    大学生(A県の都市部の女子大学に在籍す. とは,他人の注視を浴びるかもしれない社会的場.   る学生118名・A県の大学に在籍する学生で. 面や行為場面に対する顕著で持続的な恐怖を特.   男性24名,女性33名・B県の教育系大学に. 徴とする精神疾患である(Ame㎡can.   在籍する学生で男性19名,女性33名),専門. PsychiatricAss㏄iation:APA,2000).SADの維.   学生(A県の医療系の専門学校に在籍する専. 持要因として,本研究では,解釈バイアスと判断.   門学生男性24名,女性43名).. バイアスに焦点を当てる.解釈バイアスとは,否.  調査時期. 定的とも肯定的とも解釈できる曖昧な対人状況.    2009年9∼10月に実施.. が,自分にとって危険なものであり,実際に他者.  質問維. から否定されたり拒絶されたりしているのでは.   ①解釈・判断バイアスを測定するもの. ないかと,その状況を否定的に解釈してしまう.    守谷ら(2007)の場面想定法質間紙より3. (C1ark&We鵬,1995;We11s&C1ark,1997)も.   場面を使用.. のであり,判断バイアスは,人前で失敗するなど.   ②印象形成を測定するもの. 不安を喚起する行動や,否定的な評価を受ける対.    林(1976)が作成した特性形容詞尺度を使. 人状況が起こる頻度と,その行動や対人状況,そ.   用(20項目,7件法).. の状況で生じる考えが自分にとって否定的であ.   ③社会不安傾向を測定するもの. ると判断する程度のことである(Lucock&.    否定的評価懸念尺度Fe価。f Negative. Sa1kovskis,1988,Mc1Mla皿us,C1aエk,&1≡【ackmann,.   Eva1uati㎝Sca1e(Watson&Friend,1969). 2000).この2つのバイアスが自己認知に与える.   の日本語版の短縮版(笹川・金井・村中・鈴. 影響に関しての研究はなされている(例えば,守.   木・嶋日ヨ・坂野,2004)を使用(12項目,5. 谷・佐々木・丹野,2007)のだが,2つのバイア.   件法).. スが対人認知においてどのように影響を及ぼし.   ④自尊感情尺度. ているのかの視点で行われた研究は少ない..    Rosenberg(1965)が作成した尺度の邦訳.  対人認知の過程は,Schneide巧Hastorf&E11s・.   (山本・松井・山成,1982)(10項目,5件法).. worth(1979)によって,その過程を6つの段階. 手線き. に区別されているが,その中でも,「印象形成.    質問紙を大学の講義の時間を利用して一. (impression虹mation)」の段階に着目する..   有配布を行い,回収した..  そこで本研究では,社会不安の維持要因である.  独立変数. 解釈・判断バイアスが印象形成にどのように影響.   解釈バイアス(negative・pOsitive)X半1j断バイ. するかを明らかにすることを目的とする..  アス(negative・positive)×不安傾向(高・低). 従属変数 方 法.   特性形容詞尺度の得点. 136一.

(2)          結 果. 3.判断バイアスに関する分析. 1 印象形成尺度項目の因子構造.    不安傾向と判断バイアスが印象形成に与.   20項目の特性形容詞尺度を,探索的因子分析.  える影響について分析を行った.解釈バイアス.  を行い、第1因子を「個人的親しみやすさ(α.  に関する分析と同様に,不安・判断バイアスに. 手.893)」第2因子をr社会内望ましさ(α=.  ついて分類を行った.また,分析は,印象形成. .808)」第3因子を「活動性(α=.739)」とした。. 2 解釈バイアスに関する分析. 得点を従属変数とした3要因(不安:島群・低  群×判断バイアス:ポジティブ・ネガティブ×.  不安傾向と解釈バイアスが印象形成に与え. 性別:男・女)での被験者間分散分析を行った.. る影響について分析を行った.まず,分析を行.   場面①では,r活動性」項目において,判断.  うために,FNEの短縮版の得点をもとに,不.  バイアスがポジティブよりもネガティブな方. 安高群・低群の2群に分類を行った(上位から.  が得点が有意に高かった(F(1,141)=429,. 20%が不安高群,下位から20%が不安低群).. pく.05).場面②では,「個人的親しみやすさ」. また,守谷ら(2007)の場面測定法質間紙の解釈. 項目において,不安x性別の2要因の交互作用. バイアス測定項目を元に,解釈バイアスがポジ.  が見られ(F(1,142):4.93,pく.05)、不安の項目. ティブであるか,ネガティブであるかに分類を.  において有意な主効果(F(1,124)=7.06,pく.05). 行った.(ポジティブ群は平均点十1SD,ネガ.  が見られた.不安低群よりも,不安高群の方が. ティブ群は平均点一1SD).分析は,印象形成.  「個人的親しみやすさ」得点が有意に高かった.. 得点を従属変数とした3要因(不安:島群・低.          考 察. 群X解釈バイアス:ポジティブ・ネガティブX. 1.解釈バイアス・判断バイアスに関して. 性別:男・女)での被験者間分散分析を行った..   解釈バイアス・判断バイアスの分析ともに、.  場面①では,「自身が企画を行った親睦会」.  一貫した結果は見られていない.他者認知にお. という場面を設定した.「個人的親しみやすさ」.  いて、不安感や,解釈・判断バイアスは他者認. 項目では,解釈バイアスがポジティブな方が,.  知に影響を及ぼす場合もあるが,決定的なもの.  r個人的親しみやすさ」項目得点が有意に高く.  ではない,と考えられる..  (F(1,109)=7.66,pく01)、「活動性」項目では,. 2.本研究の問題点. 解釈バイアスがネガティブであるほうが,「活.  本研究においては,場面設定を3つに分けて. 動性」項目得点が有意に高かった. 行ったが、毛利・丹野(2001)は,状況によっ て,不安の感じ方が異なることを述べており,.  (F(1,111)=4,29,pく05).場面②では,「気にな. る異性との会話」という場面を設定した.r個.  r発表・発言不安」r親しくはない相手への不. 人的親しみやすさ」項目では,解釈バイアス×. 安」「異性への不安」「会話のない不安」「目上. 性別の2要因の交互作用が有意であり. への不安」があると述べている。この点から見.  (F(1,134)=421,pく05)、「活動性」項目では,. て,3つの状況では不足していると言える.ま. 不安×性別の2要因の交互作用が有意であった. た,被験者に関しての問題として,性差の問題.  (F(1,134)=8.04,pく.01).場面③では、「講義. がある.本研究においては,女性の被験者が多. 中の発言」という場面を設定した.「個人的親. かったため,性差の検定に関してより正確な分. しみやすさ」項目では、不安X性別の2要因の. 析を行うためには,より多くの男性被験者が必. 交互作用(F(1,124)=4.29,p<.05),解釈バイア. 要であったと思われる.. ス×性別の2要因の交互作用(F(1,124=6.08,.         主任指導教員(遠藤 裕乃). p<.05)が有意であった..           指導教員(遠藤 裕乃). 137一.

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