<論説>誤った判断に基づく理由不要忌避の否定が及ぼす判決への影響
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(2) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 可 能 性 も あ る こ とを 含 めて 事 件 に臨 まな けれ ばな らな い(4)。 コ モ ン ・ロ ーの 伝 統 的 な 陪 審 制 度 の 上 で,陪 審 員 と裁 判 官 の 役 割 は は っ き り分 け られ て い る。 日本 の 裁 判 員 制 度 と異 な って,陪 審 員 は独 立 した事 実 認 定 者 で あ る。 日本 の 裁 判 員 制 度 で は,裁 判 官 と裁 判 員 が 共 同 して 審 議 し判 決(有 罪 か 無 罪 か,ま. た有 罪 の 場 合 の 量 刑)を 下 す が,ア. メ リカ合 衆 国 の 陪 審 制 度 で. は陪審員 が独立 した機 関 とな る。 さ らに原則 と して陪審 の無罪 評決(acquittal) に対 して検事上訴 は許 されていな いので,陪 審 によ る 「法 の無視 」(nullification) と い う権 限 も あ る。 この よ う に独 立 的 で 重 大 な 役 割 を 果 た して い る刑 事 裁 判 の 陪 審 員 の 選 任 が,司 法 制 度 に お いて どれ ほ ど重 要 で あ るか は明 らか で あ ろ う。 英 米 法 の 陪 審 制 度 で は陪 審 員 選 任 の 際,候 補 者 に対 す る 「忌 避 権 」 が 重 要 な 役 割 を果 た して い る。 当事 者 は予 備 尋 問 を 行 っ た上 で 法 律 上 で 定 め ら れ て い る 「理 由付 け忌 避 権 」(challengeforcause)と 由不 要 忌 避 権 」(peremptorychallenge)を. それ に対 比 す る 「理. 行 使 す る こ とが で き る。 後 者. は理 由付 け忌 避 権 と違 って 行 使 に は数 が 制 限 され て い るが,そ れ 以 外 に は 伝 統 的 に その 名 の と お り行 使 す る際 に理 由を 述 べ る必 要 はな く,裁 判 官 が 理 由 につ いて 問 わ な い し正 当化 を 求 め る こ と もな か っ た(5)。 ア メ リカ合 衆 国 連 邦 最 高 裁 判 所 は,理 由不 要 忌 避 権 の 重 要 性 を よ く述 べ て き た(6)。理 由不 要 忌 避 権 は,そ. れ に よ って よ り公 平 な 裁判 を 保 障 す る こ. (4)WILLIAMBURNHAM,INTRODUCTIONTOTHELAWANDLEGAL SYSTEMOFTHEUNITEDSTATES275(3rded.2002). (5)Swainv.Alabama,380U.S.202(1965).Batsonv.Kentucky,476 U.S.79(1986). (6)Seee.g.Swain,380U.S.202;Batson,476U.S.79;Hollandv.Illinois 493U.S.474(1990);Powersv.Ohio,499U.S.400(1991);Hernandez v.NewYork,500U.S.352(1991);Edmonsonv.LeesvilleConcrete, 500U.S.614(1991);Georgiav.McCollum,505U.S.42(1992). 262.
(3) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. と,偏 っ た意 見 ま た は偏 っ た意 見 に思 わ れ る意 見(陪 審 員 候 補 者 が 本 当 に 偏 っ た意 見 を 持 って い るわ けで はな くて も被 告 人 の 立 場 か ら偏 って い る と 思 わ れ る場 合 な ど)を 排 除 す る こ とが 可 能 とな り,よ り徹 底 的 な 予 備 尋 問 を 認 めて い る(7)。 Swainv.Alabama事. 件 の最 高裁 で は,著 名 な法 学 者Blackstoneが. イギ. リス法 の 素 晴 ら しさの 根 拠 と して 語 っ た理 由不 要 忌 避 権 を 高 く評 価 した 内 容 の 以 下 の 文 書 を 引 用 したの で あ る。. 「命 を 尊 重 せ ん が た め,刑 事 事 件,少. な くと も死 刑 に関 す る刑 事 事 件. に お いて は,そ の 囚 人 に は不 規 則 で 恣 意 的 な 忌 避 権 が 許 され,一 定 数 の 陪 審 員 を 理 由を 述 べ る こ とな く忌 避 しう る とす 。 これ は理 由不 要 忌 避 と い い,我 が イギ リス法 が 柔 和 と慈 愛 に満 ちた 法 と して 広 く世 に知 ら しめ られ た ゆえ ん で あ る。」(8). Blackstoneの. イ ギ リ ス 法 自慢 は 別 と し て,被 告 人 は 理 由不 要 忌 避 権 に よ っ. て 被 告 人 自 身 を 裁 く陪 審 員 を 選 ぶ 権 利 が あ る 程 度 保 証 さ れ て い る 。 こ れ は よ り公 平 な 裁 判 を 推 進 さ せ る う え に,当. 事 者 が 公 平 な 陪 審 に よ って 裁 か れ. て い る と 心 理 的 に 確 信 す る 効 果 が あ る,と ま た,Swainv.Alabama判. 最 高 裁 判 所 は述 べ て い る。. 決 で も最 高 裁 は次 の よ う に述 べ て い る。. 「理 由不 要 忌 避 権 の役 割 は極 端 な偏 った意 見 を排 除 す る だ け で は な く, 当事 者 に対 し陪 審 員 た ちが 提 供 され た証 拠 の み で 事 件 を 裁 いて い る と 得 心 させ る役 割 も あ る。 この よ う に,理 由不 要 忌 避 権 は確 固 た る正 義. (7)Swain,380U.S.at219. (8)Swain,380U.S.at213citing4BLACKSTONECOMMENTARIES353 (15t"ed.1809). 263.
(4) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. (正 義 と結 果 を伴 う正 義)の 役 割 を果 た す た め の概 念 を 支 え て い るの で あ る。」(9). と こ ろ が,こ. れ ほ ど 重 要 視 さ れ て い る 理 由 不 要 忌 避 権 で あ る が,こ. れ は. 合 衆 国 憲 法 で 定 め られ て い る わ け で は な い 。 州 法 に よ る 制 定 で あ り,そ. の. 内容 は州 に よ って 異 な って い る。 しか も,1986年Batsonv.Kentucky判. 決 を 皮 切 り に,い. 裁 が 平 等 保 護 違 反 と して 理 由 不 要 忌 避 権 を 制 限 し は じ め,後. くつ か の 最 高 述の. 「Swain. ル ー ル 」 が 批 判 さ れ る よ う に な っ た ⑩。 ア メ リ カ 合 衆 国 連 邦 最 高 裁 判 所 は,陪. 審 の 選 任 に つ い て 数 多 くの 判 決 を. 下 して い る 。1965年Swainv.Alabama判. 決 で は,理. 由不 要 忌 避 権 に よ っ. て 陪 審 員 候 補 者 団 か ら全 員 の 黒 人 を 忌 避 し た こ と は 違 憲 で は な い と 判 断 し た 。 ま たSwain判. 決 の こ の ポ イ ン トを 覆 し て,検. 事 側 の 人 種 を 理 由 と した. 陪 審 員 の 理 由 不 要 忌 避 は 憲 法 の 平 等 保 護 の 違 反 で あ る と 判 断 し た,有 1986年Batsonv.Kentucky判 Batson判 Ohio判. 名な. 決 が あ る。. 決 後,1990年Hollandv.Illinois判. 決(ll),1991年Powersv.. 決(②,1991年Hernandezv.NewYork判. 決(13),1991年Edmonson. (9)Swain,380U.S.at219citingInreMurchison,349U.S.133,136 (1955). ⑩. 最 高 裁1965年Swainv.Alabama判 した り 妨 げ た り す る と,そ. 決:被. 告 人 側 の 理 由不 要 忌 避 権 を 拒 否. れ は そ の 裁 判 上 陪 審 の 構 成 報 疵 と な り,こ. の よ うな. 構 成 暇 疵 の あ る裁 判 に よ って 下 され た 判 決 は差 し戻 しにな る。 Gl)検. 事 側 の 陪 審 員 候 補 者 団 か ら人 種 を 理 由 と した 黒 人 の 陪 審 員 候 補 者 の 忌 避 は. 白 人 被 告 人 の 第6修 正 の. 「社 会 断 層(cross-section)に. よ って 審 理 され る権 利 」. に 反 しな い と 最 高 裁 が 定 め た 。Holland,493US.474. ⑫. 検 事 側 の 陪 審 員 候 補 社 団 か ら人 種 を 理 由 と した 黒 人 陪 審 員 候 補 者 に対 す る理 由 不 要 忌 避 の 使 用 は,白. 人 被 告 人 と忌 避 され た 陪 審 員 候 補 者 の 平 等 保 護 の 権 利. に 反 して い る と 最 高 裁 が 定 あ た 。Powers,499U.S.400(1991). ⑱. 検 事 側 の 陪 審 候 補 者 団 か ら ス ペ イ ン 語 を 話 す こ と を 理 由 と した 陪 審 候 補 者 の 忌 避 は 違 憲 で は な い と 最 高 裁 が 定 め た 。Hernandez,500U.S.352(1991).. 264.
(5) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. v.LeesvilleConcrete判. 決 ⑭,1992年Georgiav.McCollum判. 年J.E.B.v.Alabama判. 決 等 ⑯ の よ う に,理. 決 ⑮,1994. 由 不 要 忌 避 権 に 関 して 多 く. の 有 名 な 連 邦 最 高 裁 判 決 が あ る。 しか し最 近 ま で,事. 実 裁 判 官(第. 一一 審 裁 判 官)が,誤. って 被 告 人 の 理 由. 不 要 忌 避 を 否 定 し た 場 合 に ど う な る の か と い う 問 題 に つ い て,最. 高裁の判. 決 は な か っ た 。 そ の よ う な 状 況 の も と で 下 さ れ た 判 決 は 有 効 で あ る か,そ の 判 決 を 破 棄 しな い 場 合 で も デ ュ ー プ ロ セ ス 条 項 に 違 反 しな い の か 。 こ れ を 争 点 に し た 判 決 が2009年 本 論 文 で は,こ. のRiverav.Illinois判. 決 で あ るqD。. の 理 由 不 要 忌 避 権 の 行 使 を め ぐ る 対 立 の 変 遷 と,理. 由不. 要 忌 避 権 の 行 使 を 判 事 が 誤 って 認 めな か っ た場 合 にそ れ は構 成 暇 疵 にな る か と い う問 題 に焦 点 を 当て て 検 討 した い。. 背. Swainル. 景. ール. 背 景 と して ま ずSwainv.Alabama判 Swain事. 件 で は,レ. (14)Batson判 い うBatsonル. 決の. 決(1965)か. ら 紹 介 す る。. イ プ で 起 訴 さ れ た 黒 人 の 被 告Swainが. 有 罪 と さ れ,. 「人 種 を 理 由 と し た 陪 審 員 の 理 由 不 要 忌 避 は 違 憲 で あ る 」 と. ー ル は,民. 事 裁 判 の 当 事 者 に 対 して も 適 用 す る と 最 高 裁 が 定 め. た 。Edmonson,500U.S.614(1991). ⑮Batson判 い うBatsonル. 決の. 「人 種 を 理 由 と し た 陪 審 員 の 理 由 不 要 忌 避 は 違 憲 で あ る 」 と. ー ル は,刑. 事 事 件 の 被 告 人 に 対 して も 適 用 す る と 最 高 裁 が 定 め. た 。McCollum,505U.S.42(1992). ⑯Batson判. 決 の 理 由 不 要 忌 避 ル ー ル を 拡 大 し,性. を 理 由 と した 陪 審 員 候 補 者. を 忌 避 す る こ と は 違 憲 で あ る と 最 高 裁 が 定 あ た 。J.E.B.V.Alabama,511 U.S.127(1994). (17)Riverav.Illinois,129S.Ct.1446(2009).. 265.
(6) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 死 刑 を宣 告 され た⑱。Swain被. 告 は上 訴 し,陪 審 員 の 選 任 の 方 法 が 違 憲 で. あ っ た と主 張 した。 特 に,人 種 を 理 由 と して 陪 審 員 候 補 者 団 か ら全 て の 黒 人 を検 事 側 が 忌 避 した こ と は違 憲 で あ る と した。 連 邦 最 高 裁 判 所 は合 衆 国 憲 法 の 平 等 保 護 条 項 の 下 で,理 否 定 につ いて 検 討 した。最 高 裁 は最 終 的 にSwainの. 由不 要 忌 避 権 の. 主 張 を却 下 した が,判. 決 の 中で 理 由不 要 忌 避 権 につ いて い くつ か の 重 要 な ポ イ ン トを 述 べ た。 まず,理. 由不 要 忌 避 は,徹 底 的 な 予 備 尋 問 や 理 由付 け忌 避 を 促 進 させ る. こ と にな る⑲。 これ は後 に取 り扱 うRivera事 件 で も争 点 の ひ とつ にな って い る。 陪 審 員 候 補 者 に対 し徹 底 的 な 予 備 尋 問 で 偏 見 を探 る 際,陪 審 員 が 怒 っ た りあ る い は その 兆 候 が 見 られ る場 合,理 割 を果 たす(20)。 また,理. 由不 要 忌 避 は楯 の よ うな 役. 由不 要 忌 避 権 は憲 法 で の 義 務 で はな くて も,非 常. に重 要 な 権 利 で あ り,理 由不 要 の 陪 審 忌 避 を 否 定 した場 合,有 罪 判 決 を 破 棄 しな けれ ば な らな い(2t)。 しか し,陪 審 員 の選 任 上 の平 等保 護 の 違 反 を 立 証 す る に は,「 組 織 的 か つ継 続 的」(systematicandcontinuous)な. 差別を. 証 明 しな けれ ばな らな い四。 今 日 よ り振 りか え って み る と,こ のSwain基. 準 が どれ ほ ど厳 しい基 準 で. あ るか は明 らか で あ ろ う。 普 通 の 刑 事 被 告 人 は,数 多 くの 刑 事 事 件 を 分 析 して 陪 審 の 選 任 に対 して 「組 織 的 か つ 継 続 的 」 な 差 別 を 述 べ る立 場 に立 っ て は いな い し,Swainの デ ィ ガ(Talladega)郡 提 出 した が,そ. 弁 護 士 が過 去 数 十 年,Swain事. 件が起 きたタラ. で は黒 人 は陪 審 に選 任 され て いな い と い う記 録 を. れ で も証 明 と して 十 分 で は な い と さ れ た。 な ぜ な らそ の. (18)Swain,380U.S.at203. (19)Id.at219. (20)Id.at219,220. (21)Id.at219. (22)Id.at223,224. 266.
(7) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. 「組 織 的 か つ 継 続 的」 な差 別 は,今 回 の 事 件 で は そ れ らか らは推 定 され な い とSwain判 Swain判. 決 は述 べ たか らで あ る㈱。. 決 が 描 い た情 況 は ア ラバ マ州 タ ラ デ ィガ 郡 に制 限 され た わ けで. はな か っ た。 全 国 の 統 計 を み る と,少 数 人 種 が 被 告 人 にな る場 合,検 事 側 が 同 じ人 種 の 陪 審 候 補 者 を 忌 避 す る傾 向 が あ っ た⑳。. Batsonル. ー ル. 次 に,理. 由 不 要 忌 避 権 の そ れ ま で の 根 本 が 決 定 的 に 覆 さ れ たBatsonv.. Kentucky事. 件 を紹 介 す る。. 被 告 人Batsonは. 黒 人 で,窃. 検 察 側 は 予 備 尋 問 の 後,陪 に よ り排 除 し,全 者 の 忌 避 は,憲. 盗 と 盗 品 売 買 の 罪 で 起 訴(1986年)さ 審 候 補 者 の4人. の 黒 人 を 全 て 理 由不 要 忌 避 権. 員 白 人 の 陪 審 が 選 出 さ れ た 。 弁 護 側 は,黒. 法 の 第6修. 正の. 正 の 平 等 保 護 の 権 利 に反 す る. 件 被 告 人 弁 護 士 に よ る と,ア. の26%を. 人陪審員候補. 「社 会 的 断 層 陪 審 」 に よ っ て 裁 判 を 受 け る. 権 利(cross-sectionrequirement)と,14修. ㈱Swain事. れ た。. ラバ マ 州 タ ラデ ィガ 郡 で は黒 人 が 人 口. 占 め て い る に も か か わ らず 数 十 年 の 間 陪 審 員 に 選 ば れ た 黒 人 は い な い. と い う こ と が 統 計 に よ り 判 明 し て い る 。Swain,380U.S.at222,223. ⑳Batson判. 決 の 同 意 見 の 中 でMarshall最. 高 裁 判 官 が 以 下 の よ うな 例 を 述 べ. た。 1970年. か ら1971年. 刑 事 事 件 に お い て,検. サ ウ ス カ ロ ラ イ ナ 州 ス パ ー テ ン バ ー グ 郡 で は,黒 事 側 が82%の. 人被告人. 黒 人 陪 審 員 候 補 者 に対 して 理 由不 要 忌 避 権. を 使 用 した 。McKinneyv.Walker,394F.Supp.1015(SC1974). 1972年. か ら1974年. に お い て,検. ル イ ジ ア ナ 州 東 部 裁 判 区 で は,53件. 事 側 が 陪 審 候 補 全 体 の25%に. あ る黒 人 被 告 人 刑 事 事 件. 満 た な い 黒 人 候 補 者 に 対 し68.9%を. 忌 避 し た 。UnitedStatesv.McDaniels,379F.Supp.1243(EDLa.1974). 1974年. ミズ ー リ州 西 部 裁 判 区 で は,15件. 検 事 側 が81%の. あ る黒 人 被 告 人 刑 事 事 件 に お い て,. 黒 人 陪 審 員 候 補 者 に 対 して 理 由 不 要 忌 避 権 を 使 用 した 。United. Statesv.Carter,528F.2d844(CA81975). 1983年 て,検. か ら1984年. テ キ サ ス 州 ダ ラ ス 郡 で は,100件. 事 側 が 黒 人 陪 審 員 候 補 者467人. の 内405人. した 。Batson,476U.S.at103,104(JusticeMarshallconcurring).. 267. あ る重 罪 刑 事 事 件 に お い. に 対 して 理 由 不 要 忌 避 権 を 使 用.
(8) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. と 主 張 し た が 却 下 さ れ,結. 果 と してBatsonは. そ の 後 上 訴 し たBatsonは,Swain判 保 護 の 主 張 を あ き ら め,第6修 張 し た 。 しか し,最 て,人. 有 罪 判 決 を 受 け た ⑳。. 決 の 結 果 を 検 討 して14修 正 の 平 等. 正 のcross-section違. 高 裁 は,Batsonが. 反を最高裁判所で主. 主 張 しな か っ た 平 等 保 護 に 基 づ い. 種 を 理 由 と し た 陪 審 員 の 理 由 不 要 の 忌 避 は 違 憲 で あ る と判 断 し た(26)。. 陪 審 の 選 任 に 対 す る 差 別 が,裁 忌 避 さ れ た 陪 審 員 候 補 者,公. か れ て い る 被 告 人 だ け で は な く,違. 憲的 に. の 陪 審 制 度 に対 す る信 頼 に も及 ぶ 被 害 で あ る. と 論 じ た ⑳。 Batson判. 決 は,Swain判. 決の. 「組 織 的 か つ 継 続 的 」 基 準 を 覆 して,人. 種 を理 由 と した違 憲 性 の 疑 いの 高 い理 由不 要 忌 避 権 を 審 査 す る た めの 新 し い 基 準 を 作 っ た の で あ る 。 こ の 基 準 は,よ. く知 ら れ て い る 「Batson3段. 階. 基 準 」 で あ る ㈱。 まず. 「第1段. 階 」 で は,被. 告 人 弁 護 士 が 当 該 忌 避 に つ い て,検. 事側が理. 由 不 要 忌 避 を 人 種 を 理 由 と し た 忌 避 に 利 用 して い る プ ラ イ マ ・フ ィ イ シ ・ ケ ー ス(primafaciecase:一. 見 した と こ ろ)だ. 事 実 裁 判 所 の 裁 判 官 が こ れ を 認 め れ ば,「 第2段 階 」 で は,検. 事 側 は,こ. れ に 対 し,人. と 主 張 す る(29)。 階 」 ま で 進 む 。 「第2段. 種 中立 的 な 明 確 か つ 合 理 的 に特 定 さ. れ た 正 当 理 由 を 述 べ な け れ ば な らな い ⑳。 「第3段. 階 」 で は,検. ど う か を,事. 事 が 述 べ た人 種 中立 的 な理 由 が 口実 にす ぎ な いか. 実 裁 判 官 が 判 断 す る ⑳。. (2励Batson,476U.S.at82,83. (26)Id.at99. (27)Id.at87. (28)Id.at94-99. (29)Id.at94,95. (30)Id.at97,98. (31)Id.at98.. 268.
(9) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. Batson判. 決 で は,検 事 側 が 被 告 人 と 同 じ人 種 で あ る陪 審 員 候 補 者 を 理. 由不 要 忌 避 す る場 合 に しか 適 用 しな い狭 い範 囲 だ った が,最 初 に述 べ た よ う に徐 々 に その 範 囲 は拡 大 して きて,民 事 事 件 で も刑 事 事 件 で も,被 告 人 に対 して も適 用 され る よ う にな っ た。Batsonル. ー ル は今 現 在,人 種 だ け. で はな く,性 を 理 由 と した理 由不 要 忌 避 権 に対 して も適 用 して い る。. Martinez-Salazar判. 決Swainル. ー ル に 対 す る批 判. 背 景 と して も う 一一 つ,UnitedStatesv.Martinez-Salazar判. 決(2000年). を 紹 介 す る 勧。 Martinez-Salazar事. 件 で は,麻. 薬 と武 器 の 犯 罪 で 被 告 人 は連 邦 裁 判 所 で. 起 訴 さ れ た 。 連 邦 の 刑 事 手 続 き 法 に よ っ て,被 の 忌 避 権 が 与 え られ た 。 予 備 尋 問(voirdire)の. 告 人 は11回 ま で の 理 由 不 要 時,一. 人の陪審員候補者. が 「私 な ら た ぶ ん 検 事 側 を 優 先 す る」("Iwouldprobablybemorefavorable totheprosecution.")と. い う よ う な 発 言 を し た た め,Martinez-Salazar. の 弁 護 士 は 理 由 付 け 忌 避 で 排 除 し よ う と し た ㈱。 し か し そ れ は 裁 判 官 に 却 下 さ れ た 剛。 被 告 人 か らの 理 由 付 け の 陪 審 忌 避 を 事 実 裁 判 官 が 否 定 した が た め に,そ れ を 補 う 目的 で 理 由 不 要 の 忌 避 権 を 被 告 人 側 が 使 う こ と に な って し ま っ た 。 Martinez-Salazar被. 告 は,結. 局 有 罪 判 決 を 受 け た 。 しか し事 実 裁 判 官 の 否. 定 は 間 違 っ た 根 拠 に 基 づ く誤 っ た 否 定 で あ っ た こ と か ら,後 -Salazar被. にMartinez. 告 は 使 用 回 数 の 限 られ て い る 理 由 不 要 忌 避 権 を こ の よ う な 情. 況 で 失 う こ と は デ ュ ー プ ロ セ ス の 違 反 で あ る と 主 張 し,連 上 訴 し た 絢。 (32)UnitedStatesv.Martinez-Salazar,528U.S.304(2000). (33)Martinez-Salazar,528U.S.at308. (39)Id.at309. (3㊥Id.at309,310.. 269. 邦最高裁判所 に.
(10) 近畿大学法学. しか し,最. 第58巻 第2・3号. 高 裁 は被 告 人 の デ ュ ー プ ロセ ス主 張 を 却 下 した。 理 由不 要 忌. 避 権 の 第 一一目 的 は 公 平 な 陪 審 を 確 保 す る た め で あ っ て,本 定 め た 数 の 理 由 不 要 忌 避 権 を 正 し く与 え られ て お り,ま 陪 審 員 に よ っ て 被 告 人 が 審 理 さ れ た わ け で は な い の で,デ 違 反 を 主 張 す る こ と は で き な い と,最 ま た,最. 高 裁 はMartinez-Salazar判. 件 で は連 邦 法 が た,偏. 見を抱 いた. ュ ー プ ロセ スの. 高 裁 は 判 断 し た(36)。 決 の 脚 注 の 中 で,Swain判. 決の. 「理 由 不 要 の 忌 避 を 否 定 す れ ば 有 罪 判 決 を 覆 さ な け れ ば な ら な い 」 と い う ル ール を二 つ の 根 拠 で 批 判 した。 ま ず ひ とつ は,Swain判. 決 の 「理 由 不 要 の 忌 避 」 の 話 はdicta(傍. 力 が な く,下 級 裁 判 所 が 従 わ な く て も 問 題 は な い)で 二 つ 目 は,Swain判. 決の. あ る,と. 論:拘. 束. い う もが の 。. 「理 由 不 要 忌 避 の 否 定 」 の 話 は 「無 害 の 環 疵 審. 査 基 準 」(harmless-errorreview)が. 出 来 る 前 の ル ー ル で あ っ た か ら,と. い う も の(38)。 た だ,こ. のMartinez-Salazar判. 決 に お け るSwain判. 権 に 関 す る ル ー ル の 拒 否 自 体 も 判 決 上 の 傍 論(dicta)で 後Swain基. 決 の 理 由不 要 忌 避 あ っ た た め,そ. の. 準 に従 う裁 判 所 と それ ぞ れ の 州 法 に従 う裁 判 所 と に分 か れ 始 め. た。. 法解釈の分裂. そ の 例 の 一一 つ に ミネ ソ タ 州 のAngusv.State判. 決(2005年)が. 理 由 不 要 の 陪 審 忌 避 を 事 実 裁 判 官 が 誤 っ て 否 定 し た た め に,Swain判. あ り, 決 に. よ っ て そ の 有 罪 判 決 を 破 棄 しな け れ ば な らな い と い う ル ー ル に 従 っ た 判 決. (36)Id.at315,316. (37)Id.at317n.4. (38)Id. 270.
(11) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. で あ る(39)。 具 体 的 に は,こ の 事 件 で は 白人 被 告 人Angusが. 第一級殺人事件の共犯. と して 起 訴 され,陪 審 の 予 備 尋 問 の 際 弁 護 側 は黒 人 の 陪 審 候 補 者 を 理 由不 要 忌 避 権 で 排 除 しよ う と したが,検 事 側 が この 忌 避 はBatson判. 決 に反 す. る人 種 に基 づ く忌 避 で あ る と主 張 した㈲。 これ に対 してAngusの. 弁護士 は. 人 種 の 理 由を 否 定 し,陪 審 候 補 者 の 信 用 性 に問 題 が あ る と述 べ た 。 弁 護 士 は,予 備 尋 問 で その 候 補 者 は新 聞 を 徹 底 的 に読 む の が 彼 の 趣 味 だ と言 った に もか か わ らず この 殺人 事 件 につ いて一 切 聞 いて いな い と話 した こ とか ら, 忌 避 を主 張 した(41)。 しか し,判 事 は陪 審 候 補 者 に対 して再 度 質 問 した うえ で,信 用 性 に は問 題 はな く弁 護 士 が 述 べ た理 由 は 口実 だ った と判 断 し,そ の 理 由不 要 忌 避 を 認 めず,陪 審 候 補 は陪 審 員 にな って 最 終 的 にAngus被 告 人 は有 罪 にな っ た働。 その 後Angusは. 上 訴 し,ミ ネ ソ タ州 の 州 最 高 裁 判 所 は下 級 裁 判 所 の 判. 決 を覆 した⑬。 ミネ ソ タ州 最 高 裁 は,立 証 責 任 は理 由不 要 忌 避 権 に反 対 す る側 に あ る と述 べ,そ の 人 種 中立 的 な 理 由が 弁 護 側 の 口実 で 本 当 の 理 由で はな い こ と,本 当の 理 由 は人 種 で あ る こ と,こ の 両 方 を 検 事 側 が 証 明 しな けれ ばな らな い と述 べ た幽。 ミネ ソ タ州 最 高 裁 に よ る と,Angus事. 件 で は,弁 護 士 が 使 お う と した 理. 由不 要 忌 避 が 人 種 的 理 由 に よ る もの だ と主 張 す る根 拠 を 検 事 側 は当 初 明 確 に述 べ て いな か っ た(Batsonの. 第一一 段 階)。 ま た弁 護 側 が 述 べ た 「信 用 性. の 問 題 」は根 拠 が不 十 分 だ と検 事 側 は 主 張 した もの の本 当 の理 由 は 「人 種 」. (39) Angusv.State,695N.W.2d109(2005). (40) Id.at112. (41) Id.at116. (42) Id.at116,117. (43) Id.at117,118.. Id. 271.
(12) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. だ と い う根 拠 を証 明 しな か った ㈲。 しか も立 証 責 任 は理 由不 要 忌 避 権 に反 対 す る側 に あ る に もか か わ らず,「 弁 護 側 は理 由 不 要 忌 避 権 に差 別 的 な 意 図 が な い こ とを 十 分 に証 明 して いな い」 と い う検 事 側 の 主 張 は,立 証 責 任 を弁 護 側 に不 当 に転 嫁 す る もの で あ る と指 摘 した㈹。 そ して ミネ ソ タ州 最 高 裁 は,事 実 裁 判 官 がBatson基. 準 に お いて 前 半 部. (弁護 側 が 述 べ た理 由 は 本 当 の 理 由 で は な い)し か 検 討 して お らず,事. 実. 裁 判 官 は陪 審 候 補 者 に再 度 質 問 を した うえ で 陪 審 候 補 者 に は十 分 に信 用 性 が あ り弁 護 側 が 述 べ た信 用 性 理 由 は 口実 だ と したが,Batson基 部(本. 準の後半. 当の 忌 避 の 理 由 は人 種 で あ る)を 検 討 しな か っ た と判 断 した。. 要 す る に,ミ ネ ソ タ州最 高 裁 は,下 級 裁 判 所(事 実 裁 判 官)がAngusの 理 由不 要 忌 避 の 使 用 を 誤 って 否 定 した と判 断 した。 更 に過 去 の 判 例 を 引 用 しな が ら,こ の よ うな誤 り は刑 事 裁 判 の構 成 的 な 王 段疵 と な り,「 無 害 の 王 段 疵 審 査 基 準 」 と して は不 適 切 で あ る と判 断 した働。(結 局Angus事 Swain判. 件 で は,. 決 に従 って有 罪 判 決 を無 効 と し,再 裁 判 に差 し戻 した。). その 一 方,ミ. シ ガ ン州 のPeoplev.Bell判. 決(2005年)の. 要 の 陪 審 忌 避 を 事 実 裁 判 官 が 誤 って 否 定 して も,Swain判. よ う に理 由不 決 で はな く,州. 法 に従 い 「無 害 の 王 段疵 審 査 基 準 」 は適 切 で あ る と した判 決 も あ る(48)。 この 事 件 で は,黒 人 被 告 人Bellが 二 人 の 白人 犠 牲 者 に対 す る強 盗 殺 人 で 起 訴 され た。 陪 審 選 任 の 際,弁 護 側 は,自 分 に は警 察 の 友 人 が い るが 公 平 な 審 議 が 出来 る と述 べ た 白人 男 性 の 陪 審 候 補 者 に対 し理 由不 要 忌 避 を 適 用 しよ う と した。 これ に対 し検 事 側 の 異 議 はな か っ たが,事 実 裁 判 官 は,ま. ㈲Id. (46)Id. ㈲Id.Seealso:UnitedStatesv.McFerron,163R3d952(CA6,1998); Statev.Vreen,26Pad236(2001). (48)Peoplev.Bell,702N.W.2d128(2005).. 272.
(13) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. ず これ を人 種 に基 づ く忌 避 で あ る と判 断 し却 下 した ㈹。 裁 判 官 は当 初,弁 護 側 に理 由不 要 忌 避 の 理 由を 述 べ る機 会 も与 え な か った が,そ の 後 弁 護 側 に その 忌 避 の 根 拠 を 主 張 す る機 会 を 認 め た6① 。Bellの 弁 護 士 は他 の 白人 男 性 が す で に陪 審 員 と して 選 任 され て い た こ とか ら今 回 の 白人 男 性 の 忌 避 を 正 当化 しよ う と したが,事 実 裁 判 官 は その 理 由 は人 種 に基 づ くもの だ と し て 再 び これ を 却 下 した61)。 その 後 陪 審 の 選 任 が 続 き,そ の 中で 弁 護 側 は 白人 男 性 以 外 に も理 由不 要 忌 避 を 使 用 したが,そ の 後 再 び 白人 男 性 に対 し理 由不 要 忌 避 を 適 用 しよ う と した。 検 事 側 は,弁 護 側 に よ る 白人 男 性 に対 す る理 由不 要 忌 避 が 今 回 で 連 続 して 三 人 目 にな る こ とを 指 摘 し,意 図 的 に弁 護 側 が 白人 男 性 を 忌 避 し よ う と して い る と異 議 を 主 張 した。 これ に対 して,弁 護 側 は前 回 同様 に選 任 され た 白人 男 性 陪 審 員 を 示 して 今 回 の 忌 避 を 弁 護 した が,裁 判 官 は検 事 側 の 異 議 を 認 め,こ の 候 補 者 を 陪 審 員 に した6⇒ 。 この 裁 判 でBell被 告 人 は有 罪 判 決 を受 け,上 訴 した。 ミシガ ン州 上 訴 裁 判 所 は最 初 に,事 実 裁 判 所 が 弁 護 側 に理 由不 要 の 根 拠 を 述 べ る機 会 を 直 ち に与 え な か っ た こ と は結 果 的 に判 決 に影 響 を 与 え な い 「無 害 の 暇 疵 審 査 基 準 」 に よ って 判 断 で き る と して 判 決 を 下 したが,こ の 上 訴 判 決 は再 審 とな り,結 局 同上 訴 裁 判 所 は,事 実 裁 判 官 が 理 由不 要 忌 避 権 を 否 定 す る こ と は それ 自体 が 構 成 環 疵 にな る と判 断 した53)。 この 結 果 を 不 服 と して,検 事 側 は ミシ ガ ン州 最 高 裁 判 所 に上 訴 した 。 ミ シ ガ ン州 最 高 裁 は検 事 側 の 主 張 を 認 め,上 訴 裁 判 所 の 判 決 を 覆 し,次 の よ う に判 決 を 下 した。 (49)Id. at131. (50)Id. (51)Id. (52)Id. (53)Id. at131,132.. 273.
(14) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. まず,Batsonv.Kentucky判. 決,Georgiav.McCollum判. 決 等 よ り,. 理 由不 要 忌 避 の 適 用 に対 して 反 対 側 が 異 議 を 述 べ な くて も事 実 裁 判 官 が 却 下 す る こ と は適 切 で あ っ た。 弁 護 側 の9つ の 理 由不 要 忌 避 の う ち7つ が 白 人 男 性 に対 す る もの で あ っ た こ と は,そ の 使 用 が 人 種 的 基 準 に よ って 行 わ れ て い る と十 分 推 察 で き る。 検 事 側 が この 「Batsonの. 第 一一 段階」を証明. した こ と に よ り立 証 責 任 は弁 護 側 に移 っ たが,弁 護 側 は人 種 以 外 の 理 由を 述 べ な けれ ばな らな い に もか か わ らず,陪 審 員 と して 残 って い る 白人 男 性 の 数 を理 由 に した こ と は 中立 的 な 理 由 に はな らず,事 実 裁 判 官 が その 忌 避 を却 下 した こ と は正 当で あ っ た勧。 つ ま り,事 実 裁 判 官 はBatson基. 準を. 正 し く適 用 したの で あ る。 ま た,事 実 裁 判 官 が 最 初 に弁 護 側 の 理 由不 要 忌 避 を却 下 した時,理. 由を 述 べ る機 会 を 与 え な か っ た こ と は手 続 的 な 誤 りで. あ っ たが,事 実 裁 判 官 が その 後 す ぐそれ に気 づ いて 弁 護 側 に その 理 由を 述 べ る機 会 を 与 え た こ とか ら,最 初 の 誤 りは解 消 され て い る㈲。 ミシ ガ ン州 最 高 裁 判 所 は,本 件 に お いて はBatson違. 反 はな い と判 断 し. たが,今 後 事 実 裁 判 官 が 誤 って 理 由不 要 忌 避 を 否 定 した場 合 に向 けて,次 の よ うな ガ イ ダ ン スを 述 べ た。 まずBatson違. 反 と理 由不 要 忌 避 の 却 下 を 区 別 し,人 種 ま た は性 に基 づ. いて 陪 審 の 候 補 者 が 忌 避 され る と それ は違 憲 的 な 構 成 王 段疵 にな り(Batson 違 反),そ. れ が 行 わ れ た裁 判 に 基 づ い た判 決 は 自動 的 に取 り消 しの 対 象 に. な る。 しか し,そ れ 以 外 の 根 拠 で 理 由不 要 忌 避 の 行 使 を 却 下 す るの は州 法 に よ って(ま. た は裁 判 所 の ル ール に よ って)認. め られ て い る権 利 な の で,. 憲 法 上 の 違 反 に はな らな い56)。 ミシ ガ ン州 最 高 裁 判 所 はMartinez-Salazar判. (54)Id.at137. 6∂Id.at136,137. (56)Id.at138,139.. 274. 決 の 脚 注 を 根 拠 と して 引.
(15) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. 用 しな が ら,ミ シ ガ ン州 で は理 由不 要 忌 避 権 は州 憲 法 で はな く,州 法 また は裁 判 所 の ル ール に よ って 与 え られ た もの な の で,今 後,理. 由不 要 忌 避 の. 却 下 に関 す る誤 りは 「無 害 の暇 疵 審 査 基 準 」 に よ って判 断 さ れ る と した6の 。. Riverav.Illinois. 最 後 に,本 Rivera裁. 論 文 の 論 点 と な るRiverav.Illinois事 判 は,ギ. ャ ン グ ー一 味 で あ るRivera被. 件 を 取 り扱 う 。 告 が,敵. の ギ ャ ン グだ と. 誤 っ て 無 関 係 な 一般 人 を 射 殺 し た 事 件 で あ っ た 。 予 備 尋 問(voirdire)で,Riveraの Gomez陪. 弁 護 士 が ラ テ ン ・ア メ リ カ 系 女 性 の. 審 員 候 補 者 に 対 し て 質 問 を 行 っ た 際,Gomezは. ク 郡 に あ る 病 院(CookCountyHospital)に. イ リノ イ州 クー. 勤 め て お り,そ. こ は銃 事 件 の. 被 害 者 を 数 多 く治 療 して い る 病 院 で あ っ た こ と か ら,Gomez候. 補 者 はそ こ. で 多 数 の 銃 事 件 被 害 者 と の 接 触 が あ る と い う こ と を 確 認 し た㈱。 予 備 尋 問 が 終 わ っ て か らRiveraの. 弁 護 士 は 陪 審 員 候 補 者Gomezに. て 理 由 不 要 忌 避 を 使 お う と し た が,事 め,Riveraの. 立 て な し に 自 発 的 なBatsonル が,裁. 実 裁 判 官 は 自発 的 にそ の 手 続 きを 止. 弁 護 士 と 検 事 を 裁 判 官 室 ま で 呼 ん で,そ. 説 明 す る よ う に 指 示 し た 。Riveraの. 判 官 は 再 度Gomez陪. 対 し. 弁 護 士 は,裁. の 理 由不 要 の 忌 避 を. 判 官 が 検 事 側 か らの 申 し. ール 違 反 を 主 張 す る こ と は違 法 だ と述 べ た 審 員 候 補 者 に対 す るの 忌 避 の 理 由を 説 明 す る. よ う に 弁 護 士 に 命 じ た59)。 Riveraの. 弁 護 士 は,Gomez陪. 審 員 候 補 者 は 依 頼 人 のRiveraと. 同 じよ う. に ラ テ ン ・ア メ リ カ 系 の 名 前 を 持 っ て い る の で で き れ ば 陪 審 員 と して 残 し. (57)Id.at139. (58)Rivera,129S.Ct.at1451. (59)Id.at1451,1452.. 275.
(16) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. た い と こ ろ で あ る が,銃 い る 為Gomezを. 事 件 の 被 害 者 を 数 多 く治 療 して い る 病 院 で 働 い て. 忌 避 し た い と述 べ た(60)。. と こ ろ が 裁 判 官 はGomezを Riveraの. 黒 人 女 性 だ と思 い 込 み こ の 話 を さ え ぎ っ て,. 弁 護 士 がGomezを. 含 め 黒 人 女 性 に 対 して 二 回 目 の 理 由 不 要 忌 避. を 利 用 し た と カ ウ ン ト し,そ. の こ と か ら,本. 件 はBatson判. 決の人種を理. 由 と し た 違 憲 の 忌 避 で あ る と 判 断 し た(61)。 そ の 後 裁 判 室 に 戻 っ て か らRiveraの を し た 後,今. 回の. う 一 度Gomezに. 対 して 再 度 質 問. 「陪 審 に は 女 性 の 数 が 多 い 」 と い う こ と を 理 由 と して も 対 す る 理 由 不 要 忌 避 権 を 主 張 し た が,再. を 却 下 し た 。 結 局Gomezは そ こ でRivera被. 弁 護 士 はGomezに. 陪 審 に 入 り,陪. 告 人 は,有. び裁 判 官 は それ. 審 員 長 に な っ た(67」 。. 罪 評 決 を 受 け て,85年. の 実 刑 を 言 い渡 され. た ㈹。. イ リノイ 州 最 高 裁 判 所 へ の 再 上 訴 ・被 告 人 の 主 張 有 罪 判 決 を 受 け たRivera被. 告 人 は それ を 不 服 と して イ リノ イ州 上 訴 裁. 判 所 へ 上 訴 したが,そ れ は却 下 され た㈹。Rivera被 高 裁 判 所 へ 上 訴 し,Swain判. 告 人 は,イ. リノ イ州 最. 決 に基 づ いて 理 由不 要 忌 避 権 を 否 定 され た こ. と も,そ れ か ら,人 種 を 理 由 と した犯 罪 は よ り重 い刑 罰 にな る こ と㈲ も間 違 って い る と主 張 した(66)。(後 にRivera被 上 訴 す る こ と にな っ たが,そ. 告 人 は合 衆 国 連 邦 最 高 裁 判 所 へ. こで は最 終 的 に人 種 を 理 由 と した犯 罪 の 量 刑. の 問 題 は検 討 され な か っ たの で,本 論 文 で は取 り扱 わ な い。) (60)Id. (61)Id. (62)Id.at1451. (63)Id. (69)Id.citingPeoplev.Rivera,810N.E.2d129(2004). ㈲. 参 照:ApprendiV.NewJersey,530U.S.466(2000).. (66)Peoplev.Rivera,852N.E.2d771(2006).. 276.
(17) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. そ こ でRivera被. 告 の 弁 護 士 は 理 由 不 要 忌 避 権 に つ い て,次. の よ うな ク. レー ムを 述 べ た。 Rivera被. 告 の 陪 審 員 候 補 者 に対 す る理 由不 要 忌 避 を 事 実 裁 判 官 が 自発 的. に 否 定 す る こ と は,Batsonル. ー ル(Batson3段. 階 基 準)に. 反 す る。 つ ま. り,「 第 一一 段 階 」 の 人 種 を 理 由 と し た 差 別 的 な 忌 避 の 一 見 証 拠(primafacie evidence)な. し に,直. 接. 最 終 的 にBatsonの. 「第2段 「第3段. 階 」 に進 む の も間違 っ て い る。 階 」 と な る 弁 護 側 が 陪 審 候 補 に 対 して 人 種. を 理 由 と して 理 由 不 要 忌 避 を 使 用 し た と 判 断 し た こ と も,実. は,事. 実裁判. 官 の 思 い違 いで あ る。 事 実 裁 判 官 が こ の 裁 判 で のRivera被. 告 側 の 忌 避 権 を 不 当 に 否 定 した こ. と か ら こ の 裁 判 は 「reversibleerror」. で あ り,つ. ま り,そ. の後裁判を進 め. て 得 た 有 罪 判 決 は 破 棄 しな け れ ば な らな い こ と に な る㈱。 イ リ ノ イ 州 最 高 裁 は,Riveraの. ク レ ー ム に 対 して,次. た 。 理 由 不 要 忌 避 の 利 用 に お い て,明 自 発 的 にBatsonの. の よ う に指 摘 し. らか に 差 別 が あ れ ば,事. 実裁判官が. 「第 一 段 階 」 の 違 反 を 主 張 す る こ と が で き る。 し か し,. 事 実 裁 判 官 が 自 発 的 にBatson違. 反 を 述 べ る 場 合,そ. の 根 拠 を 記 録 に残 さ. な け れ ば な らな い ㈱。 上 訴 記 録 に は,Rivera被. 告 側 の 第 一 審 の 裁 判 で の,理. 由不 要 忌 避 の 差 別. 的 な 利 用 を 証 明 す る 事 実 は 述 べ られ て い な い の で,Batsonの. 「第 一 段 階 」. を 満 たす 証 拠 を 記 録 に記 載 す る よ う に イ リノ イ州 最 高 裁 は事 実 裁 判 所 に差 し戻 し た 。 さ ら に,Batson違. 反 と し て ど ん な 違 反 が あ っ た の か,つ. 人 種 差 別 に よ る 忌 避 あ る い は 性 差 別 に よ る 忌 避,ま 差 別 に よ る 忌 避 に つ い て,事. ま り,. た は人 種 と性 の 両 方 の. 実 裁 判 所 に 具 体 的 に 述 べ る よ う に 命 じた(69)。. (67)Id.at773. (68)Id.at789-792. (69)Id.at791,792.. 277.
(18) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 事 実 裁 判 官 は,Riveraの. 弁 護 側 に よ るGomezに. 対 す る 理 由 不 要 忌 避 は,. 「性 」 を 理 由 と し た 差 別 的 な 忌 避 で あ る と 述 べ た 。 こ れ は,脚 し た よ う に,最. 高 裁 の1994年. のJ.E.B.v.Alabama判. 注 ⑯ に記 載. 決 に よ って 禁 止 さ. れ て い る理 由不 要 忌 避 の 種 類 の ひ とつ で あ る。 事 実 裁 判 官 は この 主 張 の 根 拠 と して,Riveraの. 弁 護 側 の 女 性 に 対 す る 忌 避 の 数 とGomezに. 対 して の. 予 備 尋 問 の 内 容 を 述 べ た ⑩。 結 果 的 にRivera被. 告 は そ の 後,再. 上 訴 した。. イ リノイ 州 最 高 裁 判 所 の 判 決 イ リノ イ州 最 高 裁 は再 びRivera事. 件 を 検討 し,Riveraの. 弁護側の陪審. 忌 避 を事 実 裁 判 官 が 否 定 した こ と は,法 解 釈 の誤 りだ った と判 断 した ㈹。 事 実 裁 判 官 が 人 種 的 差 別 ま た は性 差 別 につ いて 疑 いを 持 っ た よ うで は あ っ たが,Batson「. 第 一 段 階」 を 満 たす 具 体 的 な 根 拠 は述 べ な か っ たか らで あ. る。 Rivera事. 件 で は,Gomezの. 前 に,男 性7人. 行 わ れ た。 その グル ー プの 内,男 性5人. と女 性14人 に対 して 尋 問 が. と女 性4人. は,理 由付 け忌 避 で 陪. 審 候 補 者 か ら排 除 され た。 ま た,Rivera被. 告 側 は男 性1人. 使 っ た。 検 事 側 は女 性1人. と女 性2人. に対 して 理 由不 要 忌 避 権 を. に対 して 理 由不 要 忌 避 権 を 利 用 した。 そ して 最. 初 の 陪 審 員 候 補 者 団 の21人 か ら,Gomezの. 前 に1人 の 男 性 と7人 の 女 性 が. 陪 審 員 と して 選 任 され た⑫。 Gomezに. 対 して の理 由 不 要 忌 避 は,Riveraの. 弁 護 士 側 に よ る女 性 に対. す る3回 目の 理 由不 要 忌 避 だ っ たが,保 護 され て い る ク ラ ス(例 え ば女 性. (70)Peoplev.Rivera,879N.E.2d876,879(2007). (71)Id.at883,884. (72)Id. 278.
(19) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. や 少 数 人 種)に 対 す る忌 避 の 数 だ けで は,Batsonの. 「第 一 段 階 」 を 満 た. す 理 由 に はな らな い と イ リノ イ州 最 高 裁 は指 摘 した⑬。 イ リノ イ州 最 高 裁 判 所 は,以 前 の イ リノ イ州 のPeoplev.Williams判 に よ ってBatson基. 決. 準 の 「第 一一 段 階 」 を 検 討 す るの に,次 の 要 素 が 重 要 で. あ る と述 べ たσ の。 女 性 に対 す る理 由不 要 忌 避 の パ タ ー ン,女 性 に対 す る理 由不 要 忌 避 の 量 的 バ ラ ン ス,陪 審 員 候 補 者 団 の 女 性 の 人 数 と女 性 陪 審 員 の 割 合,理. 由不 要. 忌 避 を 使 用 す る側 の 予 備 尋 問 の 質 問 の 内容,排 除 され た 女 性 陪 審 員 候 補 者 の 唯一 の共通 特徴 が 「性 」で あ ったか ど うか,当 事者,被 害 者,目 撃者 の性 ㈲。 イ リノ イ州 最 高 裁 判 所 は,Rivera裁 が2:1で. 判 で は,陪 審 員 候 補 者 団 の 男 女 割 合. 女 性 が 多 か っ たの で,Riveraの. 弁 護 士 はGomezの. 前 に2人 の. 女 性 に対 して 理 由不 要 忌 避 を 使 用 した こ と は異 常 で はな い と判 断 した 。 し か も,銃 事 件 の 被 害 者 との 接 触 が よ くあ るGomezに. 対 して 理 由不 要 忌 避. を 使 用 す る こ と も相 当な 理 由で あ る と述 べ た。 イ リノイ 州 最 高 裁 は,事 実 裁 判 官 の 記 録 上,Riveraの. 弁 護 側 に よ るGomezに. 対 す る予 備 尋 問 の 際 に. は差 別 的 な 質 問 はな か っ た と述 べ,弁 護 士 の 態 度 あ る い は質 問 の 内容 で 差 別 的 な まな ざ しが あ っ た と事 実 裁 判 官 が 感 じた と して も,事 実 裁 判 の 記 録 か らは その よ うな 証 拠 が 認 め られ な いか ぎ りBatson基 な く,そ れ 故,事 実 裁 判 官 がRivera被. 準を満たす ことは. 告 の 理 由不 要 陪 審 忌 避 を 否 定 した. こ と は法 律 の 誤 りで あ る と判 断 した。 しか し,法 律 の 誤 りが あ っ た と判 断 した もの の,イ. リノ イ州 最 高 裁 は次. に も っ と重 要 な 問 題 を 検 討 した。 それ は,救 済 の 方 法 で あ る㈹。. (73)Id. ㈹PeopleV.Williams,670N.E.2d638(1996). ㈲Rivera,879N.E.2dat883. (76)Id.at884-891.. 279.
(20) 近畿大学法学. Riveraは,合. 第58巻 第2・3号. 法 的 な 陪 審 忌 避 を 否 定 さ れ る こ と は 偏 見 の あ る裁 判 官 に よ っ. て 審 理 さ れ る の と 同 じで あ り,そ. れ は構 成 的 な 王 段疵 で あ っ て,Swain判. の ル ー ル に よ っ て 自 分 の 有 罪 判 決 は 破 棄 さ れ る べ き だ,と 一方検事側 は. ,悪. 主 張 した。. 意 な く誤 っ て 理 由 不 要 忌 避 権 が 否 定 さ れ た 場 合 に は,. 「無 害 の 王 段疵 」(harmlesserror)基 イ リ ノ イ 州 最 高 裁 は,理 Swain判. 決,Holland判. 準 に よ っ て 検 討 す べ き だ と主 張 し た 。. 由 不 要 忌 避 権 の 重 要 性 を 認 め な が ら も(例. 決 を 引 用 しな が ら,よ. 裁 のMartinez-Salazar判. 決 を 引 用 しSwain判. え ば. り公 平 な 陪 審 を 構 成 す る の. に 理 由 不 要 忌 避 権 は 伝 統 的 に 重 要 な 役 割 を 果 た し た と 認 め た),連. してRivera被. 決. 邦最高. 決 の ル ール を 否 定 した。 そ. 告 側 が 主 張 し た 「構 成 報 疵 」(structuralerror)基. 準 も否. 定 し た ⑰。 イ リ ノ イ 州 最 高 裁 は,「 構 成 報 疵 」 は 稀 だ と 強 調 し た 。 先 に 述 べ た よ う に 偏 見 の あ る 裁 判 官 や 陪 審 員 に よ っ て 裁 か れ る の な ら認 め ざ る を え な い が, Rivera裁 ず,偏. 判 で は,Gomezや. 他 の 陪 審 員 に 対 して 偏 見 が あ る と は 認 め られ. 見 を 理 由 と して 排 除 す べ き だ と い う 根 拠 は な い と 判 断 し た(78)。. Rivera被. 告 は,Gomezが. 特 にGomezの. 陪 審 員 に な っ た こ と に よ る 裁 判 へ の 悪 影 響,. 陪 審 員 と して の 正 当 性 を 本 人 の 前 で 争 う こ と が ど れ ほ ど 判. 決 に 悪 影 響 を 及 ぼ す の か は 誰 も 知 る す べ も な く,従. っ て 一般 的 な ル ー ル と. して こ の よ う な 誤 りが あ れ ば 「構 成 王 段疵 」 と して 有 罪 判 決 を 破 棄 す べ き だ と 主 張 し た が,イ. リ ノ イ 州 最 高 裁 は,本. 件 は 「無 害 環 疵 」 基 準 で 十 分 判 断. で き る と し た ⑲。 そ の 「無 害 暇 疵 」 基 準 と は,次 も,合. 理 的 な 陪 審 が(合. の 通 り で あ る:「 そ の 暇 疵 が な い 場 合 で. 理 的 な 疑 い を 超 え る 程 度 に)被. ㈲Id. (78)Id. (79)Id.. 280. 告 人 に 対 して 有 罪.
(21) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. 評 決 を 下 す か ど う か 」(ao)。 Rivera裁 行 者)だ. 判 で は,Rivera被. 告 人 は あ る ギ ャ ン グ の 「chiefenforcer」(実. と い う 元 ギ ャ ン グ 仲 間3人. 直 後 のRivera被. か らの 証 言 が あ り,殺. 告 人 の 行 動 に つ い て も 証 言 した 。 こ れ は,Rivera被. が 銃 を 使 っ た 場 面 を 見 た わ け で は な い が,車(大 こ っ た 銃 撃 事 件 の 直 前 直 後 にRivera被 た と こ ろ と,銃. 人事件の直前 と. 型 の バ ン)の. 告人. 後 ろで起. 告 人 が 銃 を 持 って そ の 車 か ら降 り. を 持 っ た ま ま その 車 に戻 って き た と こ ろを 見 た と い う もの. で あ っ た 。 さ ら に,本. 人 が 敵 を 殺 し た こ と に つ い て 自 慢 した と い う 目 撃 者. の 証 言 も あ っ た(al)。 イ リ ノ イ 州 最 高 裁 判 所 は,こ (harmlesserror)基. の 証 拠 が 圧 倒 的 だ と 判 断 し,「 無 害 報 疵 」. 準 の 上 で,Riveraの. 有 罪 判 決 を 支 持 し た(82)。. 合衆国最高裁判所へ Rivera被 告 は そ れ を不 服 と して,理 由不 要 忌 避 の 否 定 はデ ュー プ ロセ ス 違 反 で あ る と主 張 し連 邦 最 高 裁 へ 上 訴 した。 Rivera被 告 の主 張 は,一 一 つ め は合 法 的 な 陪 審 忌 避 を 否 定 した こ と は構 成 王 段疵 で あ る と い う もの 。 次 に,事 実 裁 判 所 がGomez陪. 審 員 に対 して の 理. 由不 要 忌 避 を 認 めな い こ と は,憲 法 が 保 障 す る 「偏 見 を 持 た な い公 平 な 陪 審 」 の 権 利 に反 す る と い う もの 。 そ して,憲 法 違 反 で はな くて も,州 法 が 保 護 す る理 由不 要 忌 避 を 認 めな い こ と はSwain判 う もの で あ っ た(83)。. (so>Id. (81)Id. (82)Id. (83)Rivera,129S.Ctat1452.. 281. 決 の ル ー ル に反 す る と い.
(22) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 最高裁の判決 連 邦 最 高 裁 判 所 のRivera判 Ginsburg最. 決 は あ ま り複 雑 で は な い。 判 決 文 は12頁 で,. 高 裁 判 官 は全 員 一 致 した意 見 を ま と め た。. 一 つ めの 主 張 に対 して は,ま ず,事 実 裁 判 所 が 悪 意 な く誤 って 理 由不 要 陪 審 忌 避 を否 定 して も,そ れ が 直 接 の 理 由 とな って 「構 成 王 段疵 」 にな るわ けで はな い と述 べ た。 最 高 裁 は,以 前 か ら理 由不 要 忌 避 権 は あ くまで も制 定 法 に よ って 定 め られ て い る もの で,McCollum判. 決 が 主 張 した よ うに,. 州 政 府 は理 由不 要 忌 避 を 廃 止 して も,違 憲 で はな い と強 調 した(841。 それ に,州 政 府 は それ ぞ れ の 理 由不 要 忌 避 権 に関 す る制 度 を 設 定 す る権 限 を持 って お り,州 政 府 が 理 由不 要 忌 避 権 を 否 定 した と い って も,こ れ が デ ュ ー プ ロセ ス違 反 にな る と い うわ けで はな い と最 高 裁 は指 摘 した。 憲 法 の デ ュ ー プ ロセ ス条 項 は州 政 府 の 細 か い刑 事 訴 訟 手 続 きを 保 証 す る もの で はな く,刑 事 裁 判 の 「基 本 的 公 平 性」 「fundamentalfairness」 を 保 護 す る もの だ と論 じま した㈲。 つ ま り,被 告 人 が 理 由付 け忌 避 が 適 用 しな い陪 審 に よ って 審 理 され て い るの で あれ ば,悪 意 な く理 由不 要 の 忌 避 が 否 定 され た と して も,こ れ は連 邦 憲 法 上 の 問 題 で はな いの で あ る。 二 つ めの 主 張 に対 す る意 見 は,被 告 人 の理 由不 要 忌 避 を否 定 してGomez 陪 審 員 を 選 任 した こ と は,憲 法 が 保 障 す る 「偏 見 を 持 たな い公 平 な 陪 審 」 の 権 利 に は反 しな い と い う もの で あ っ た(86)。 最 高 裁 はRossv.Oklahoma(1988年)判. 決 を 引 用 しな が ら,被 告 人 か. らの 理 由付 けの 陪 審 忌 避 を 州 裁 所 が 誤 って 否 定 したが 為 に,そ れ を 補 う 目 的 で 理 由不 要 忌 避 を 被 告 人 が 使 う こ と にな っ た と して も,そ れ は デ ュ ー プ. (89)Id.at1453. (8∂Id.at1454. (86)Id.. 282.
(23) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響 ロ セ ス 条 項 に 反 しな い と 指 摘 し た ㈱。Ross判. 決 が 認 め た よ う に,事. 所 の 誤 りが 陪 審 の 構 成 を 変 え た 可 能 性 が あ っ た と して も,理 さ れ る べ き 陪 審 員 が 入 らな い か ぎ り,第14修 は 第6修. 正の. 実裁判. 由付 けで 排 除. 正 の デ ュー プ ロセ ス条 項 また. 「偏 見 を 待 た な い 公 平 な い 陪 審 」 の 条 項 に は 反 しな い と 最 高. 裁 は 判 断 し た(as)。 同 様 に,最 高 裁 は 連 邦 裁 判 所 で,同. じ結 果 を 表 し て い るMartinez-Salazar. 判 決 を 強 調 し た 。 前 述 し た よ う に,こ な 役 割 が,よ. の 判 決 で は理 由不 要 忌 避 権 の 基 本 的. り公 平 な 裁 判 を 構 成 さ せ る た め の も の で あ る と 最 高 裁 は 述 べ. た 。 事 実 裁 判 所 の 誤 り に よ っ て 被 告 人 の 理 由 付 け 忌 避 を 否 定 さ れ,そ. れを. 補 う 目的 で 理 由不 要 忌 避 を 使 う こ と は デ ュ ー プ ロセ ス違 反 に はな らな いの で あ る(89)。 Rivera被. 告 は,Ross判. 決 とMartinez-Salazar判. 決 の 場 合 は結 果 的 に. 被 告 側 が 排 除 した い陪 審 員 候 補 者 を 理 由不 要 忌 避 で 排 除 す る こ とが 出来 る の で は な い か と,自. 分 の 状 況 と 対 比 し た 。 しか し,最. Martinez-Salazar判. 決 の 場 合 は,本. ゆ え で あ り,Riveraの. 場 合,陪. 弁 護 士 は,Gomez陪. 審 員 とな っ た人 た ちの 中 に理 由付 けで 排 除 主 張 を 受 け 入 れ な か っ た(90)。. 審 候 補 は 自 分 自 身 がRivera側. で あ っ た と い う こ と を 意 識 して い た の で,Ross判 判 決 の 場 合 と は 状 況 が 違 う と 主 張 し た が,最 ま ず 最 高 裁 は,Rivera弁. 決 と. 来 これ は排 除 す べ き候 補 者 で あ った が. さ れ る べ き 人 は い な か っ た と して,Riveraの Riveraの. 高 裁 はRoss判. の忌避対象. 決 やMartinez-Salazar. 高 裁 は こ れ も 却 下 した 。. 護 側 と事 実 裁 判 官 と の 間 で のGomezの. つ い て の 話 の 殆 ど は 裁 判 官 室 で 行 わ れ て き た と 指 摘 し た が,そ. ⑱のRossv.Oklahoma,487U.S.81(1988). (88)Rivera,129S.Ct.at1454. (89)Id.at1454,1455. (90)Id.at1455.. 283. 忌避 に れ に もま.
(24) 近畿大学法学. して,陪. 第58巻 第2・3号. 審 の 前 で 忌 避 を 述 べ た こ とで その 陪 審 候 補 者 が 憲 法 上 で 陪 審 員 と. し て 失 格 に な る と い う わ け で は な く,も 「Batsonの3段. し そ の よ う な こ と を 認 め れ ば,. 階 基 準 」 は 意 味 が な くな る と最 高 裁 が 説 明 し た ⑲D。. 最後 に 最 高 裁 はMartinez-Salazar判. 決 を 引用 して,Swain判. 決 の 「理 由不 要. の 忌 避 を 否 定 した場 合,そ の 有 罪 判 決 を 破 棄 しな けれ ばな らな い」 と い う ル ール を 明 らか に否 定 し,州 政 府 は州 法 に よ って 解 決 す る権 利 が あ る と判 断 した。 悪 意 な く理 由不 要 忌 避 を 否 定 して も 「構 成 環 疵 」 で はな い。 「構 成 環 疵 」 と い うの は,刑 事 裁 判 の 基 本 的 な 公 平 性 を 害 す る もの で あ って,裁 判 官 や 陪 審 員 の 資 格 ・偏 見 な ど にか か わ る 「王 段疵 」 で あ る。 ま たBatson判. 決が. 説 明 した よ う に,人 種 や 性 を 理 由 と した,違 憲 な 理 由不 要 忌 避 に よ って 陪 審 員 が 排 除 され た陪 審 は,憲 法 の 平 等 保 護 条 項 に反 す る こ とか ら 「構 成 環 疵 」 とな るの で あ る。 この よ うな 基 本 的 な 違 反 が な いか ぎ り,州 政 府 は,理 由不 要 忌 避 権 に関 して の ル ール を 定 め る権 限 を も って お り,事 実 裁 判 所 が 悪 意 な く否 定 した 場 合,州 法 の 「無 害 環 疵 」 基 準 を 適 用 して も デ ュ ー プ ロセ ス条 項 の 違 反 で はな い と,最 高 裁 は判 断 した。. コ メ ン. ト. こ の よ う に,こ. の 理 由 不 要 忌 避 権 の 複 雑 さ はSwain判. 決 か らRivera判. 決 ま で の 過 程 を 通 して 検 討 す る こ と で 理 解 で き る で あ ろ う 。. (91)Id.at1454,1455.. 284.
(25) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響 一一 つ の 例 と して Batson判. ,こ. れ は 法 律 家 や 学 者 に よ く指 摘 さ れ て い る の だ が,. 決 やJ.E.B.判. 禁 止 は,実. 決 の よ う な 人 種 や 性 を 根 拠 と した 理 由 不 要 忌 避 の. は あ ま り厳 密 で は な い こ と が 挙 げ られ る 。 人 種 や 性 を 根 拠 に す. る こ と を 回 避 す る こ と,要. す る に本 来 は人 種 や 性 が 理 由で あ って も他 の 理. 由 を こ じつ け る こ と は そ れ ほ ど 難 し く は な い の で あ る 。 前 に 紹 介 したBell 判 決 と 違 っ て,一 般 的 な 裁 判 の 場 合,普 理 由 不 要 忌 避 のBatson異. 通 の 能 力 の 検 事 や 弁 護 士 で あれ ば. 議 に 対 して 中 立 的 な 理 由 を 考 え る こ と が で き る. は ず だ 。 ニ ュ ー ヨ ー ク 法 科 大 学 院 のJonakait教. 授 が 指 摘 した よ う に 「愚. 鈍 な 弁 護 士 で す ら 中 立 的 な 理 由 を 述 べ る こ と が で き る」 の で あ る ㈱。 イ リ ノ イ 州 上 訴 裁 判 所 は,Peoplev.Randall判. 決 でBatson違. 反 に 対 して 中 立. 的 な 理 由 と して 認 め られ た 例 を い くつ も 挙 げ(93),Batson過 最 終 的 に,最. 高 裁 判 所 のRivera判. 程 を批 判 した。. 決 は ア メ リ カ 法 に 対 して ど の よ う な. 影 響 を 与 え た の で あ ろ う か 。 次 の よ う な こ と が 考 え ら れ る。 Martinez-Salazar判. 決 で は,Swain判. 判 官 が 誤 っ て 否 定 し た 場 合,そ. 決での. 「理 由 不 要 忌 避 権 」 を 裁. の有 罪 判 決 を 無 効 に して 差 し戻 さ な けれ. ば い け な い と い う の は あ く ま で 傍 論 で あ る と述 べ た が,前 Martinez-Salazar判. 述 した よ う に. 決 以 降 この 問 題 につ いて の 解 釈 は下 級 裁 判 所 の 間 で 異. な っ て い た 。 最 高 裁 のRivera判. 決 は,こ. の 異 な っ た 解 釈 を 統 一 した 。 州. (92)RANDOLPHN.JONAKAIT,THEAMERICANJURYSYSTEM145 (2003). ㈱. 陪 審 候 補 者 が 年 を 取 り す ぎ て い る,若 恋 人 と 同 居 して い る,賃 職業が フ. リー ラ イ タ ー,社. 職 で あ る,配. な い,裁. 師 で あ る,牧. 族 と の 縁 が な い,髪. 判 所 で 帽 子 を 脱 が な か っ た,不. け た 教 育 が 多 す ぎ る,自. 身 で あ る,離. 婚 して い る,. 地 が 多 い 地 域 に 住 ん で い る,. 会 福 祉 の 仕 事 を し て い る,ア. 偶 者 が 無 職 で あ る,教. 子 供 が い る,家. す ぎ る,独. 貸 住 宅 居 住 者 で あ る,団. ル バ イ トで あ る,無. 師 で あ る,被. 告 人 と 同 じ年 の. が 長 す ぎ る また は き ちん と整 え られ て い 適 切 な 態 度,不. 適 切 な 服 装,宗. 分 の 勤 務 先 の 名 称 の 綴 り を 誤 っ て 書 い た,被. わ ざ と 目 を 合 わ せ よ う と す る,等. 。Peoplev.Randall,671N.E.2d60,65-66. (lll.App.Ct.1996).. 285. 教,受 告人 と.
(26) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 政 府 に は 「理 由不 要 忌 避 」 につ いて の ル ール を 立 法 す る裁 量 が 認 め られ, 誤 って 否 定 され た場 合 で も,そ の 「無 害 王 段疵 の 審 査 基 準 」 は デ ュ ー プ ロセ ス に は反 しな いの で あ る。 同様 に,最 高 裁 のRivera判. 決 は,第 一一 審 の 裁 判 官 の 裁 量 も支 持 した。. 普 段 陪 審 員 選 任 の 際,弁 護 士 や 検 事 のBatson違. 反 に対 す る説 明 が 口実 で. あ るか ど うか につ いて,上 訴 記 録 しか 読 めな い上 訴 裁 判 官 に比 べ て,第 一一 審 裁 判 官 は そ の 理 由不 要 忌 避 の 説 明 の 是 正 に 適 切 に判 断 で き る立 場 に あ る鱒。Rivera判 決 以 降,第 一一 審 裁 判 官 が悪 意 な くそ の判 断 を した場 合 に は, 「無 害 報 疵 審 査 」 は十 分 で あ る と最 高裁 判 所 が 指摘 した。 Rivera判 決 の前 に,30州 が 共 同で 最 高 裁 判 所 に ア ミカ ス ・キ ュ リィ文 書 (裁 判 所 に係 属 す る事 件 に つ いて,裁. 判 所 に情 報 ま た は意 見 を提 出 す る第. 三 者 に よ る文 書)を 提 出 した。 その 中で,も. しRivera裁. 判 の 結 果,悪 意. な く事 実 裁 判 官 が 理 由不 要 忌 避 を 誤 って 否 定 した場 合 に その す べ て の 有 罪 判 決 が 差 し戻 され る こ と にな る可 能 性 が あ るな らば,州 政 府 は州 法 の 持 つ 理 由不 要 忌 避 権 を 廃 止 す る こ と にな るで あ ろ う と警 告 した。 ま た実 際 に,連 邦 上 訴 裁 判(第9巡 ⑳. 回 区)のUnitedStatesv.Annigoni. 次 の よ うな 例 が あ る。 Batson違. 反 を 疑 って 陪審 候 補 者 に対 して述 べ た説 明 はそ の事 件 に 関係 が あ っ. た の か 。 理 由不 要 忌 避 の 対 象 で あ る陪 審 候 補 者 は徹 底 的 に質 問 され た か,忌 避 の 根 拠 にな った 質 問 は,忌 避 の 対 象 にな った 陪 審 候 補 者 に しか 聞 か れ な か った の か,他 の 陪 審 候 補 者 は質 問 され て い な い の か 。 忌 避 され て い な い 陪 審 候 補 者 は,忌 避 され た 陪 審 候 補 者 の 忌 避 の 理 由 にな った 特 徴 を 持 って い な か った か 。 Jonakait教. 授 は次 の 二 つ の 具 体 的 な 例 を 述 べ て い る。 ラテ ン系 の 人 に対 し. て,「 通 訳 者 の スペ イ ン語 の 訳 を 自分 の ス ペ イ ン語 よ り信 用 で き ま す か 」 とい う質 問 だ けで,陪 審 員 候 補 者 団 の 中で 他 に誰 か スペ イ ン語 が で き るか ど うか を 確 認 しな いで 「そ の ス ペ イ ン語 が 母 国 語 で あ る ラテ ン系 の 人 は 裁 判 の 通 訳 を 聞 か な い 」 とい うBatson違. 反 に対 す る理 由 は,説 明 が 不 十 分 で あ る。 同 じよ う. に,髭 を 生 や して い る黒 人 候 補 者 を 忌 避 す るが 髭 を 生 や して い る 白人 候 補 者 は 忌 避 しな い場 合,「 髭 」 はBatson違. 反 に対 して の 説 明 の 口実 で あ る と判 断 す. る こ と は適 切 で あ る。JONAKAIT,supranote92,at146.. 286.
(27) 誤 った 判 断 に基 づ く理 由不 要 忌 避 の 否 定 が 及 ぼ す 判 決 へ の 影 響. 事 件 でKozinski上. 訴 裁 判 官 が,す べ て の 理 由不 要 忌 避 に関 す る暇 疵 が 再. 審 理 の 扱 い にな る とす れ ば,理 由不 要 忌 避 権 は いず れ 廃 止 され るで あ ろ う と指 摘 した㈱。 最 高 裁 判 所 が 出 したRivera判. 決 に この ア ミカ ス ・キ ュ リィ文 書 が 影 響. したか ど うか は不 明 で あ るが,結 局,理. 由不 要 忌 避 権 に関 す る州 政 府 の 裁. 量 ・無 害 環 疵 基 準 な どを 認 め た こ と に よ り,理 由不 要 忌 避 権 は複 雑 な 問 題 を 抱 え な が らもす ぐ消 滅 す る と い う こ と はな いで あ ろ う。. 飼UnitedStatesv.Annigoni,96E3d1132,1150(9thCir.1996).. 287.
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