< 本講演の概要 > 1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向 2. 産総研で過去に開発した圧電セラミック材料の現在 (Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3 系セラミックス 3. 産総研で最近開発した K

(1)

「無鉛圧電セラミック材料の開発動向(2007)

及び

ニオブ酸ナトリウムを主体とした

無鉛圧電セラミックス材料の開発」

主任研究員

楠本慶二

独立行政法人

産業技術総合研究所 ( AIST )

社団法人日本工業技術振興協会スマートアクチュエータ / センサ委員会第64回定例会講演資料 ( 2007 ), 35ページ

(2)

＜本講演の概要＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で

過去に

開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi

0.5 Na

0.5 )TiO

3 -BaTiO

3 -SrTiO

3 系セラミックス

KNbO

3 -NaNbO

3 -LiNbO

3 -SrTiO

3 系セラミックス

3. 産総研で

開発した

_Kフリー

圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

(3)

＜本講演の概要＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で過去に開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス

KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

3. 産総研で最近開発したKフリー圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

(4)

図. 圧電セラミックス開発の歴史

Pb(Mg,Nb)O3 ( PMN ) Pb(Ni,Nb)O3 ( PNN ) Pb(Zn,Nb)O3 ( PZN ) 複合ペロブスカイト型化合物 ( 1959 ) PMN-PZT, PNN-PZT (1968∼)

無鉛、低鉛圧電セラミックス

ビスマス系、ニオブ酸系、ビスマス層状化合物 ( 1977∼ ) BaTiO3 ( 1947 ) Pb ( Zr,Ti ) O3 ( PZT ) ( 1954 ) 高性能化

自然環境保護意識の向上、

EUによる規制案

(5)

〈各国の規制案〉

EU ＞ RoHS 指令 ( Restrictions on the use of certain Hazardous Substances )

⇒新製品への有害物質の使用量の削減 ⇒ 2006年7月から実施 EU ＞ ELV 指令 ( Directive on End-of- Life Vehicles )

EU ＞ REACH ⇒化学物質の安全性評価などを産業界に義務づけ。 ⇒ 6月発行濃厚中国＞「電子情報製品汚染制御管理弁法」中国版 RoHS 第一段階＞含有の有無を製品に表示、第二段階＞使用を禁止適用除外項目不明 ⇒2007年3月1日から施行韓国＞韓国版 RoHS 米国＞カリファルニア州有害物質リサイクル法（ SB50 ） ⇒2007年 1月1日から施行日本＞ J-MOSS 有害物質が含まれる場合、特定の「含有マーク」を表示 ⇒2006年7月導入

⇒ 圧電セラミックスに対する規制はない。

(6)

米国＞

政府：規制なし

企業：関心あるか不明

大学：鉛系圧電材料の高性能化 ( High Tc材、単結晶）

Pennstate大, Rutger大等徐々に増加傾向

Bi(Mg,Ti)O3-BaTiO3, BaTiO3-BiScO3ベース等

欧州＞

政府：

WEEE, RHoS, ELV 指令

企業：少なくとも超音波洗浄機関係は興味ある模様。

大学：増加傾向、スイス連邦工科大学

( EPFL )

アジア＞政府？、企業は興味有、大学で増加傾向中国版

RHoS 2007年1月∼

日本＞

政府：興味無

企業：顕著な増加傾向

(1998∼ )

大学：増加傾向

(2000∼ )

東京理科大、東工大、名工大、東大、産総研等

＜無鉛圧電セラミックスに関する世界の最新動向＞

(7)

＜出願から見る企業の研究例 2007年版＞

NaNbO3-BaNb2O6- BiNb3O9 /// Pat.No.2006-182643 /// Kyocera Corporation

BNT-BKT-Bi(Fe0.5Ta0.5)O3 /// Pat.No. 2005-047747 /// TDK

MBi4Ti4O15 (M=Ba, Sr, Ln) /// Pat.No. 2005-162556 /// TDK

(Na,K,Li)(Nb,Ta)O3 /// Pat.No.2005-179143 /// TDK

(Li,K,Na)(Nb,Ta,Sb)O3 /// Pat.No.2006-124251 /// DENSO + TOYOTA CRDL.,INC.

Ba2NaNb5O15 /// Pat.No.2006-32468 /// NEC-Tokin Corporation

Na0.5Bi4.5Ti4O15 /// Pat.No.2006-169032 /// NGK SPARK PLUG CO., LTD.

(8)

引用＞日刊工業新聞 2006年9月1日号朝刊

本多電子、富士チタンと共同で無鉛圧電材料開発、商品化へ

＜超音波洗浄機向け無鉛圧電材料を開発本多電子、富士チタンと共同で＞本多電子は、強力超音波洗浄機では世界初となる無鉛超音波振動子材料（圧電セラミックス）を富士チタン工業と共同で開発した。従来品の４倍の振動速度でも発熱が少なく、エネルギー効率が高い。今後、超音波洗浄機用振動子として２８、４０キロヘルツの２タイプを商品化するほか、自社の超音波洗浄機にも採用する。新開発の材料はチタン酸ビスマスナトリウム( BNT )を主成分とし、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を 持つ。エネルギー変換効率を示す電気機械結合係数（ｋｔ）が４０％以上と高い。圧電性能を維持できる限界温度（キュリー温度）は２５０ ℃以上で、強度も高い。圧電セラミックス材として汎用される鉛系のチタン酸ジルコン酸鉛（ＰＺＴ）と同等の基本性能を持ち、実用に耐えると判断した。この新材料は、ボルト締めランジュバン（ＢＬＴ）と呼ばれる超音波洗浄機用の振動子として実用化する予定。２８、４８キロヘルツの両タイプとも価格は２０００−３０００円とする。また初年度には自社で生産するＢＬＴの一割を新材料の採用で無鉛タイプに切り替える。来春までには超音波を駆動する電子回路の発信器も商品化する。さらに高周波洗浄機用や圧電センサーなど幅広い用途を見込む。圧電セラミックスに使われるＰＺＴは代替品がないことから欧州で７月に施行された特定有害物質規制（ＲｏＨＳ）でも禁止対象の物質から除外されている。ＰＺＴに替わる無鉛圧電材料の開発が求められていた。

＜ 2007年は日本における

無鉛圧電セラミックス実用化元年＞

(9)

(10)

＜本講演の概要＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で

過去に

開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス

KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

3. 産総研で最近開発したKフリー圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

(11)

d

33 ：圧電歪定数 ( pm/V )

d

33 電界

歪

み

PZT:200-400 pm/V

＜ BNT-BT-STセラミックスの圧電特性 : 圧電歪＞

(12)

119 (120℃、2時間) 114 (150℃、2時間)

＜現在5社検討中＞

自動車部品

超音波センサ

カメラ

家電

超音波応用機器

表材質特性

項目

Unit

比誘電率

ε

33

/ ε

0

at 1kHz 840

損失係数

tanδ (%) at 1kHz 3.0

電気機械結合係数

kp

0.17 kt

0.52 圧電定数

d

33

(x10

-12

m/V) at d

33

meter 128

d

33

at 500V/mm 140

d

33

at 1000V/mm 160

機械的品質係数

Qm (kt) 34.5

実質キュリー温度

(℃) 210

密度

D (x10

3

_{kg/m) 5.74}

産総研開発無鉛圧電セラミックス特性表

< 85BNT-12BT-3ST >

焼結温度1200℃、2時間、大気中、100℃4kV/mm 10分間

(13)

本多電子株式会社

公開特許公報特開2006-306668

＜請求項＞

＞(1-x)BNT-xBTにおいてxが0.125∼0.175の範囲

⇒ 講演者の成果が一部貢献？

圧電素子は、圧電メーカーだけでなく、

超音波機器メーカーに外販される場合が多い

⇒ 本年４月以降、無鉛圧電素子を使用した製品が

世界中の超音波機器メーカーから続々と販売される？

(14)

＜本講演の概要＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で過去に開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス

KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

3. 産総研で最近開発したKフリー圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

(15)

＜背景＞

⇒ 2004年豊田中央研究所斉藤 d33 = 400pm/Vのニオブ酸系材料発表

組成 { ( K0.5 Na0.5 ) 0.97 Li 0.03 } ( Nb0.8 Ta0.2 ) O3

(16)

アイデア 450 200 25 ( K0.5 Na0.5 )NbO3- SrTiO3 の誘電特性 450 200 25 ( K0.5 Na0.5 )NbO3- LiNbO3 の誘電特性 450 200 25

( K0.5 Na0.5 )NbO3 -LiNbO3 -SrTiO3の誘電特性 -50 450 200 25 ( K0.5 Na0.5 )NbO3の誘電特性誘電率

(17)

温度（℃） ta n 比誘電率 1kHz 10kHz 100kHz 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600

＜圧電セラミックスの特性例＞

0.45KNbO3 - 0.45NaNbO3 - 0.06LiNbO3 - 0.04SrTiO3

1160℃, 3時間大気中焼結試料密度 4.46 g/cm3 Tc = 360℃ Tot = ∼ - 40℃ d33 = 97 pm/V ( d33メータ値 ) Qm ( kp ) = 97 kp= 0.29 kt=0.4∼ 分極後の位相 + 63 °( kp )

残念ながら

問い合わせは１件もない

KNNベースは魅力ない？

製品化の噂も聞かない

(18)

＜本講演の概要＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で過去に開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス

KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

3. 産総研で最近開発したKフリー圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

(19)

＜ Kフリーニオブ酸系無鉛圧電セラミックス＞

ー開発の背景ー

ニオブ酸系無鉛圧電セラミックスの主流セラミックス

⇒

KNbO3 - NaNbO3 - LiNbO3 系

長所＞重金属である

Biを含まない

短所＞高価な酸化ニオブが主成分。ほとんど酸化ニオブの塊

⇒ コストの観点からバルクよりも厚膜、薄膜用途に適する

炭酸カリウムは吸湿性が非常に高く、工業的には製造が困難

(20)

Kフリーニオブ酸系無鉛圧電セラミックス候補

候補化合物＞

NaNbO3

特性＞単純ペロブスカイト型構造、反強誘電体、緻密な焼結体の作製が困難 ⇒ NaNbO3を主体とした圧電体の研究例が少ない

開発例１＞

_{NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系}

経緯＞ NaNbO3-LiNbO3系は、Henson(1976), Nitta(1971)らが報告 最近では村田製作所の木村(2005)らが報告 「熱処理を施した高Qm(Li,Na)NbO3セラミックスの圧電特性とその応用」 ⇒共振子用途向きと報告

(21)

(22)

Ferroelectric Orthorhombic phase Perovskite (Orthorhombic) + Ilmenite (Rhombohedral)

SrTiO

3

NaNbO

3 SrTiO

3 LiNbO

3 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.98 0.96 0.94 0.92 0.90 0.88 0.86 Anti - Ferroelectric Orthorhombic phase

（反強誘電体）

（常誘電体）

（圧電体）

Henson, Nitta,

M社研究組成

(23)

NaNbO

3 SrTiO

3 LiNbO

3 SrTiO3

LiNbO3

Tc=340℃ 320℃ 300℃ 280℃ 260℃ 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.98 0.96 0.94 0.92 0.90 0.88 0.86

(24)

Sample > 0.86NaNbO3-0.09LiNbO3-0.05SrTiO3 ceramics 特徴＞高いTc、低い誘電率、−50から150℃までフラットな誘電定数曲線 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 -200 -100 0 100 200 300 400 500

D

ie

le

c

tr

ic

c

o

n

s

ta

n

t

Temperature / ℃

D

ie

le

c

tr

ic

l

o

s

/

t

a

n

100kHz

(25)

Sample > 0.86NaNbO3-0.09LiNbO3-0.05SrTiO3 ceramics Sintering condition> 1180℃, 3hrs in air

Poling condition > 150℃, 10 min. in silicon oil < Dielectric properties >

Dielectric constant, 33 166 ( 1MHz at R.T. ) Dielectric loss ( tan ) 0.01 ( 1MHz at R.T. ) < Piezoelectric properties >

Piezoelectric constant, d33 ( pC/N ) 57

Coupling factor, kp 0.20 Max. Phase ( kp ) +80

Mechanical quality factor, Qm ( kp ) 500 Frequency constant, Np ( Hz・m ) 3761

Coupling factor, kt 0.45 or more

Max. Phase ( kt ) +70

Mechanical quality factor, Qm ( kt ) 110 Frequency constant, Nt ( Hz・m ) 2395

(26)

＜ NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系の有望性＞

本系 M社 P-4材密度 ( g/cm3 ) 4.5 7.7 ← Pb系キュリー温度 Tc ( ℃ ) 280 430 比誘電率 33 166 200 誘電損失 ( % ) 1.0 0.6 kt 0.45以上 0.48 d33 ( pm/V ) 57 58 Nt ( Hz・m ) 2395 2150 Qm ( kp ) 500 2000 主な用途ノックセンサ、高周波用

Qm、誘電損失は改善の可能性あり

⇒ ノックセンサ、共振子に有望？

(27)

開発例

_{2＞ NaNbO3-}

_BaTiO3

_-SrTiO3系

経緯＞NaNbO3 ( 斜方晶 ) - SrTiO3 ( 立方晶 )の経験

NaNbO3 ( 斜方晶 ) - BaTiO3 ( 正方晶 )の組み合わせはどうか？ NaNbO3-BaTiO3でスタート

⇒ 0.90NaNbO3-0.10BaTiO3で興味深い誘電特性を発見 ( 2006年9月 ) J.T.Zeng ( China )らがNaNbO3-BaTiO3系の圧電特性を発表

J.Am.Ceram.Soc., 89, No.9 p2828 ( 2006 ) ( 2006年10月 ) 0.90NaNbO3-0.10BaTiO3組成、Tc=230℃, d33= 143 pC/N

(28)

J.T.Zeng ( Hong Kong, China )らがNaNbO3-BaTiO3系の圧電特性を発表 J.Am.Ceram.Soc., 89, No.9 p2828 ( 2006 ) (2006年10月)

0.90NaNbO3-0.10BaTiO3組成、Tc=230℃, d33= 143 pC/N

BaTiO3 ⇒ NaNbO3

(29)

160 160 170 170 170 180 190 210 230 260 280 200 190 210 230 220 200 200 200 240 250

0.08 _0.10

_0.12

_0.14

0.02

0.04

0.06

0.08

0.88

0.86

0.90

0.92 NaNbO

3 BaTiO

3 SrTiO

3 BaTiO

3 →

←

S

rT

iO

3 ←

N

a

N

b

O

3 （反強誘電体）

（強誘電体）

（常誘電体）

Zeng et al.の研究範囲図 NN-BT-ST系のTc分布

(30)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 100kHz

Temperature / ℃

D

ie

le

c

tr

ic

c

o

n

s

ta

n

t

D

ie

le

c

tr

ic

l

o

s

/

t

a

n

＜ NN-BTに対する

NN-BT-ST系の利点＞

○組成選択性大

○150℃∼-100℃まで

フラットな誘電定数曲線

キャッチフレーズ

“Tc=200℃のチタバリ材”

NaNbO3-BaTiO3

⇒200℃∼-50℃で

フラットな誘電定数曲線

Sample; 0.88NaNbO3-0.11BaTiO3-0.01SrTiO3 ceramics

(31)

Sample > 0.88NaNbO3-0.11BaTiO3-0.01SrTiO3 ceramics Sintering condition> 1220℃, 3hrs in air

Poling condition > 20℃, 10 min. in silicon oil < Dielectric properties >

Dielectric constant, 33 920 ( 1KHz at R.T. ) Dielectric loss ( tan ) 0.027 ( 1KHz at R.T. ) < Piezoelectric properties >

Piezoelectric constant, d33 ( pC/N ) 120

Coupling factor, kp 0.27 Max. Phase ( kp ) +76

Mechanical quality factor, Qm ( kp ) 200 Frequency constant, Np ( Hz・m ) 3506

Coupling factor, kt 0.42 or more

Max. Phase ( kt ) +30

Mechanical quality factor, Qm ( kt ) 35 Frequency constant, Nt ( Hz・m ) 2782

(32)

＜ NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系の有望性＞

本系 M社P-6C材 M社P-3材密度 ( g/cm3 ) 4.5 7.7 ( 鉛系 ) 5.6 キュリー温度 Tc ( ℃ ) 200 320 120 ( チタバリ？) 比誘電率 33 920 800 1070 誘電損失 ( % ) 2.7 1.0 0.5 kt 0.42以上 0.43 0.36 d33 ( pm/V ) 120 135 133 Nt ( Hz・m ) 2782 2130 2590 Qm ( kp ) 200 680 720 主な用途ノックセンサ魚探、ソナー

諸特性は、今後の改良で向上の可能性大

⇒ノックセンサ、厚膜アクチュエータ向き？

(33)

＜まとめ＞

⇒ 鉛系圧電製品の活躍範囲は拡大傾向代替不可の分野は、今後も鉛系が主流、燃料噴射インジェクターで生産量も飛躍的に増加傾向 ⇒ 鉛フリー圧電セラミックスの実用化開始。規制と関係なく、「会社の方針」として日本を中心に開発進行中。鉛系と無鉛系材料の共存時代到来。超音波振動子など一部で実用化開始、センサなどに波及するか？ニオブ酸系は実用化されるか？

＜今後の取り組み＞

⇒ 原料コストの安い「チタン酸バリウムを主体（目標80%程度）とした高キュリー温度（200℃以上）の圧電セラミックス」の開発を目指したい。

(34)

0 50 100 150 200 250 300 0 10 20 30 40 50 60

x in (100-x) BaTiO3 - x(Bi0.5K0.5)TiO3

T c (d eg .C .) 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 0 100 200 300 400 500 D A 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0 100 200 300 400 500 tan 誘電率温度（℃） 100kHz 70BaTiO3-30(Bi,K)TiO3 1200℃ ３時間焼結 4kV/mm 室温10分分極後 d33=47 最大位相-9° ＜予備的調査の取り組み例＞

(35)

< 本講演の概要 > 1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向 2. 産総研で過去に開発した圧電セラミック材料の現在 (Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3 系セラミックス 3. 産総研で最近開発した K

「 無鉛圧電セラミック材料の開発動向(2007)

及び

ニオブ酸ナトリウムを主体とした

無鉛圧電セラミックス材料の開発 」

主任研究員

楠本 慶二

独立行政法人

産業技術総合研究所 ( AIST )

＜ 本講演の概要 ＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で

過去に

開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi

0.5

Na

0.5

)TiO

3

-BaTiO

3

-SrTiO

3

系セラミックス

KNbO

3

-NaNbO

3

-LiNbO

3

-SrTiO

3

系セラミックス

3. 産総研で

最近

開発した

Kフリー

圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

＜ 本講演の概要 ＞

1. 最近の無鉛圧電セラミックスの開発動向

2. 産総研で過去に開発した圧電セラミック材料の現在

(Bi0.5Na0.5)TiO3-BaTiO3-SrTiO3 系セラミックス

KNbO3-NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

3. 産総研で最近開発したKフリー圧電セラミック材料

NaNbO3-LiNbO3-SrTiO3系セラミックス

NaNbO3-BaTiO3-SrTiO3系セラミックス

図. 圧電セラミックス開発の歴史

無鉛、低鉛圧電セラミックス

自然環境保護意識の向上、

EUによる規制案

〈 各国の規制案 〉

⇒ 圧電セラミックスに対する規制はない。

米国＞

政府： 規制なし

企業： 関心あるか不明

大学： 鉛系圧電材料の高性能化 ( High Tc材、単結晶 ）

Pennstate大, Rutger大等 徐々に増加傾向

Bi(Mg,Ti)O3-BaTiO3, BaTiO3-BiScO3ベース等

欧州＞

政府：

WEEE, RHoS, ELV 指令

企業： 少なくとも超音波洗浄機関係は興味ある模様。

大学： 増加傾向、スイス連邦工科大学

( EPFL )

アジア＞ 政府？、企業は興味有、大学で増加傾向 中国版

RHoS 2007年1月∼

日本＞

政府：興味無

企業：顕著な増加傾向

(1998∼ )

大学：増加傾向

(2000∼ )

東京理科大、東工大、名工大、東大、産総研等

＜無鉛圧電セラミックスに関する世界の最新動向＞

＜ 出願から見る企業の研究例 2007年版 ＞

本多電子、富士チタンと共同で無鉛圧電材料開発、商品化へ

＜ 2007年は日本における

「無鉛圧電セラミック材料の開発動向(2007)

無鉛圧電セラミックス材料の開発」

楠本慶二

＜本講演の概要＞

_Kフリー

＜本講演の概要＞

〈各国の規制案〉

政府：規制なし

企業：関心あるか不明

大学：鉛系圧電材料の高性能化 ( High Tc材、単結晶）

Pennstate大, Rutger大等徐々に増加傾向

企業：少なくとも超音波洗浄機関係は興味ある模様。

大学：増加傾向、スイス連邦工科大学

アジア＞政府？、企業は興味有、大学で増加傾向中国版

＜出願から見る企業の研究例 2007年版＞

無鉛圧電セラミックス実用化元年＞

＜本講演の概要＞

＜ BNT-BT-STセラミックスの圧電特性 : 圧電歪＞

＜現在5社検討中＞

表材質特性

_{kg/m) 5.74}

産総研開発無鉛圧電セラミックス特性表

公開特許公報特開2006-306668

＜本講演の概要＞