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2 0 1 6 年 度

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Academic year: 2021

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2 0 1 6 年 度 兵 庫県 立 大 学大 学 院 看 護 学 研究 科 博 士論 文

医療 的ケ アを 必要 と する 子ど もの 在宅 生活 が構 築さ れ るプ ロセ ス

学籍 番号 ND13N005 氏 名 原 朱 美

指 導 教員

主 査 片 田 範 子 教 授

副 査 中 野 綾 美 教授 ( 高知 県立 大学 看護 学 部)

増 野 園 惠 教 授 大 野 かお り教 授

平 成 2 8 年 9 月 1 4 日 提 出

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目 次

第 Ⅰ 章 序 論

1 . 研 究 の 動 機 ・・・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ 1 2 . 研 究 の 背 景 ・・・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ 2 3 . 研 究 課 題 ・・・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ 3 4 . 研 究 の 目 的 ・・・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ 3 5 . 研 究 の 意 義 ・・・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ 3 6 . 用 語 の 定 義 ・・・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ 3

第 Ⅱ 章 文 献 検 討

1 .医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 背 景・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1 ) 医 療 的 ケ ア の 定 義 ・・・・・ ・・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・ 4 2 ) 子 ど も の 状 況

( 1 ) 重 症 心 身 障 害 児 の 定 義 ・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・ 5 ( 2 ) 超 ・ 準 重 症 児 の 考 え 方 ・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ 6 ( 3 ) 医 療 ・ 福 祉 制 度 の 動 向 ・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ 7 ( 4 ) 小 児 在 宅 医 療 の 現 状 ・・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ 8 3 ) 小 児 の 訪 問 看 護 の 変 遷 ・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・ ・ ・・ 9 4 ) 小 児 の 訪 問 看 護 の 現 状 ・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ 9 5 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も を め ぐ る 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 1

2 .医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 在 宅 生 活・・・・・・・・・・・・1 1 1 )医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 退 院 支 援 ・・・・・・・・・・・1 1 2 )医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 現 状 ・・・・・・・・・・・・・1 3 3 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 養 育 者 の 生 活

( 1 ) 養 育 者 の 介 護 負 担 ・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・ 1 4 ( 2 ) 養 育 者 の 経 験 ・・・・・ ・・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・・ ・・ ・ 1 5 4 )医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も を 育 て る 母 親 の 子 育 て 観・・・・・1 7 5 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も と 家 族 へ の 看 護 実 践

( 1 )訪 問 看 護 を 受 け る 子 ど も と 家 族 の 状 況 ・・・・・・・・・・・1 9 ( 2 )子 ど も や 家 族 へ の 支 援 ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ 1 9 ま と め ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ 2 2

第 Ⅲ 章 研 究 の 方 法 と 対 象

1 . 研 究 デ ザ イ ン ・・・・ ・・ ・・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・・ ・・ ・ 2 4 2 . 理 論 的 前 提 ・・・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ 2 4 3 .研 究 デ ザ イ ン 選 択 の 根 拠 ・・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ 2 5 4 .デ ー タ 収 集 の 方 法 ・・・・・ ・ ・・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・・ ・・ ・ 2 6 5 .デ ー タ 収 集 の 信 頼 性 の 確 保 ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ 3 0 6 . 分 析 方 法 ・・・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・ 3 0

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7 .分 析 の 信 頼 性 ・ 妥 当 性 の 確 保 ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ 3 1 8 . 倫 理 的 配 慮 ・・・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ 3 1

第 Ⅳ 章 結 果

1 .研 究 協 力 者 お よ び 研 究 協 力 施 設 の 概 要・・・・・・・・・・・・・・3 3 2 .デ ー タ 収 集 の 状 況 ・・・・・ ・ ・・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・・ ・・ ・ 3 6 3 .分 析 の 実 際 と カ テ ゴ リ ー の 表 記・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 7

( 1 )≪ 医 療 の も と で 生 命 を つ な ぐ ≫ ・・・・・・・・・・・・・・・ 4 0 ( 2 )≪ 生 き る 場 所 と し て 家 に 帰 る ≫ ・・・・・・・・・・・・・・・4 4 ( 3 )≪ 治 ら な い ま ま 家 で 生 き る ≫ ・・・・・・・・・・・・・・・・5 8 ( 4 )≪ 家 族・社 会 の 一 員 と し て バ ラ ン ス を と り な が ら 普 通 に 暮 ら す ≫ 7 4 ( 5 )【 相 互 作 用 を 通 し て 育 ち の あ る 暮 ら し を 創 る 】・・・・・・・・・8 1 ( 6 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 在 宅 生 活 が 構 築 さ れ る

プ ロ セ ス の 全 体 像・・・8 2 4 .訪 問 看 護 師 に よ る 子 ど も・ 家 族 の 生 活 を 支 え る 実 践・・・・・・・・8 4

第 Ⅴ 章 考 察

1 . 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 在 宅 生 活 が 構 築 さ れ る

プ ロ セ ス の 構 造・・・9 3 2 .子 ど も が 在 宅 生 活 を 構 築 さ れ る ま で に ど の よ う な 反 応 を 示 す の か・・9 6 3 . 子 ど も は 養 育 者 ・ 支 援 者 と ど の よ う な 相 互 作 用 を 行 っ て き た

( い る )の か・・・・9 7 4 . 子 ど も が 在 宅 で 子 ど も ら し く 生 活 し て い る 状 況 は

ど の よ う な 状 況 な の か・・・・9 8 5 .子 ど も の 在 宅 生 活 は ど の よ う に 作 り 上 げ ら れ て い く の か・・・・・・9 9 6 . 本 研 究 の 限 界 ・・・・・ ・・ ・ ・・・ ・・ ・・・ ・・ ・・・ ・・ ・ 1 0 0 7 .看 護 実 践 へ の 示 唆 ・・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・・ ・・・・ ・・ 1 0 0 8 . 今 後 の 課 題 ・・・・・ ・・・ ・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・・ ・・ 1 0 1 第 Ⅵ 章 結 論 ・・・・・・・・ ・ ・・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・ 1 0 2 謝 辞 ・・・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ 1 0 3 引 用 文 献 ・・・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ 1 0 5

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図 目 次

図 1 大 島 の 分 類 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 図 2 子 ど も と 家 族 の 生 活 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 8 図 3 子 ど も の 在 宅 生 活 が 構 築 さ れ る プ ロ セ ス の 全 体 像 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 9 図 4 相 互 作 用 を 通 し て 育 ち の あ る 暮 ら し を 創 る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 3 図 5 子 ど も の 在 宅 生 活 の 変 化 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 3

表 目 次

表 1 超 重 症 児 の 判 定 基 準 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 表 2 子 ど も と 家 族 の 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4

資料 目次

資 料 1 研 究 協 力 の お 願 い ( 施 設 用 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ⅰ 資 料 2 研 究 協 力 の お 願 い ( 家 族 用 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ⅴ 資 料 3 研 究 協 力 の お 願 い ( 支 援 者 用 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ⅷ 資 料 4 研 究 協 力 者 へ の お 願 い ( 低 学 年 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ⅹ ⅰ 資 料 5 研 究 協 力 者 へ の お 願 い( 高 学 年 )・・・・・・・・・・・・・・ ⅹ ⅱ 資 料 6 同 意 書( 研 究 協 力 者 )・・・・・・・・・・・・・・ ・・ ・・・ ⅹ ⅲ 資 料 7 同 意 書( 研 究 協 力 者 低 学 年 )・・・・・・・・・・・・・・・ ⅹ ⅳ

資料 8

同 意 書 ( 研 究 協 力 者 高 学 年 )・・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ⅹ ⅴ

資料 9

研 究 協 力 者 同 意 書 控 え ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ⅹ ⅵ 資 料 10 研 究 協 力 者 同 意 書 控 え ( 低 学 年 )・・・・・・・・・・・・・・・ⅹ ⅶ 資 料 11 研 究 協 力 者 同 意 書 控 え( 高 学 年 )・・・・・・・・・・・・・・・ⅹ ⅷ

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第 Ⅰ 章 序 論

1 . 研 究 の 動 機

周 産 期 お よ び 小 児 医 療 の 診 断 や 治 療 技 術 の 向 上 に よ り 、 超 早 産 児 や 重 症 新 生 児 の 救 命 率 が 改 善 し た 。 さ ら に 、 近 年 の ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン 理 念 の 浸 透 や 在 宅 で 使 用 す る 医 療 機 器 の 改 良 、医 療 費 抑 制 を 目 指 し た 2003 年「 医 療 提 供 体 制 の 改 革 ビ ジ ョ ン 」や 2005 年「 医 療 制 度 構 造 改 革 試 案 」の 提 示 に よ り 、こ れ ま で の 病 院 を 中 心 と し た 医 療 か ら 在 宅 医 療 が 推 進 さ れ 、 人 工 呼 吸 器 や 酸 素 療 法 な ど の 医 療 的 ケ ア を 継 続 し な が ら 在 宅 で 生 活 す る 子 ど も が 増 加 し て き た 。

医 療 的 ケ ア と は 、 何 ら か の 原 因 に よ り 日 常 生 活 上 の 機 能 障 害 に 対 し て 行 わ れ る 吸 引 や 経 管 栄 養 な ど の 在 宅 で 家 族 が 日 常 的 に 行 っ て い る 医 療 的 介 助 行 為 を さ す 。 よ っ て 、 医 師 法 上 の 「 医 療 行 為 」 と 区 別 さ れ る ( 作 田 ,2012)。 さ ら に 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も た ち の 多 く が 、 重 度 の 精 神 発 達 遅 滞 と 肢 体 不 自 由 を 併 せ 持 つ 重 症 心 身 障 害 児 ( 以 下 、 重 症 児 と す る ) で あ り ( 作 田 ,2012)、 重 症 児 の 中 で も 慢 性 肺 疾 患 や 神 経 障 害 の た め にNICUに 長 期 入 院 す る 児 や 高 度 の 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 超 重 症 児 が 増 加 し て い る ( 田 村 ら ,2010; 渕 上 ,2013)

杉 本 ら (2008)が 行 っ た 20 歳 未 満 の 超・準 重 症 児 を 対 象 に し た 調 査 に よ る と 、超 重 症 児 の 発 生 数 は 、20 歳 未 満 の 調 査 地 域 人 口 1,000 人 当 た り 0.3 と な り 、全 国 発 生 数 を お よ そ 7,350 人 と 推 測 し て い る 。そ の う ち 70% が 在 宅 で 生 活 し 、訪 問 看 護 を 利 用 し て い る の は 18% で あ っ た 。

一 方 、日 本 訪 問 看 護 財 団 法 人 が 2008 年 に 行 っ た 調 査 に お い て 、重 症 心 身 障 害 児 の 訪 問 看 護 を「 原 則 、提 供 可 」と 回 答 し た 施 設 が 52.1% と し な が ら も 、実 施 し た 施 設 は 18.3% し か な か っ た 。家 族 は 、児 童 デ イ サ ー ビ ス や シ ョ ー ト ス テ イ 、保 育 所 や 重 症 心 身 障 害 児 施 設 等 の 福 祉 サ ー ビ ス の 利 用 に は 、 医 療 的 ケ ア に 対 応 す る 家 族 の 付 き 添 い が 必 要 と さ れ 、 医 療 サ ー ビ ス に お い て も 訪 問 先 が 自 宅 に 限 ら れ る こ と や 訪 問 時 間 の 制 限 が あ る た め 子 ど も や 家 族 の 外 出 や 受 診 等 、 生 活 に 必 要 な 支 援 を 受 け る こ と が 困 難 な 状 況 で あ っ た 。 さ ら に 、 保 育 園 の 入 所 に お い て 障 害 児 枠 の 人 数 制 限 が あ る な ど 、 子 ど も が 成 長 発 達 す る た め に 十 分 対 応 で き る 状 況 で は な い と 報 告 し て い る 。 ま た 、 全 国 訪 問 看 護 事 業 協 会 ( 2010) が 行 っ た 全 国 調 査 に よ る と 、子 ど も の 主 た る 養 育 者 は 91.2% が 母 親 で あ り 、介 護 に よ る 心 身 と 経 済 へ の 負 担 、 き ょ う だ い へ の サ ポ ー ト 不 足 に 困 っ て い る と 報 告 し て い る 。

研 究 者 が こ れ ま で に 行 っ た 研 究 や フ ィ ー ル ド ワ ー ク に お い て 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 訪 問 看 護 を 利 用 す る 家 族 は 、 き ょ う だ い の 誕 生 や 就 学 な ど 子 ど も と 家 族 の 発 達 や 家 族 の ラ イ フ イ ベ ン ト に 応 じ て 役 割 を 変 化 さ せ な が ら 、 家 族 な り の 在 宅 生 活 を 送 っ て い た( 原 ,2013)。ま た 、そ れ ぞ れ の 家 族 が 生 活 史 を も ち 、「 子 ど も も 家 族 も 何 と か や っ て い る( い け る と 思 う )」毎 日 を 過 ご し て い た 。母 親 の 中 に は 、 子 ど も の 養 育 負 担 は 大 き い が 母 親 自 身 の 時 間 を 確 保 す る た め の 支 援 は 必 要 と し な い と い う 語 り も 聞 か れ 、 在 宅 支 援 を 考 え る 際 に 誰 に と っ て の 支 援 に な る の か を 明 確 に し て お く こ と が 重 要 で あ る と 考 え た 。

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小 児 看 護 の 対 象 は あ ら ゆ る 健 康 レ ベ ル に あ る 子 ど も と そ の 家 族 で あ る が 、 支 援 の 中 心 は 子 ど も で あ る ( 片 田 ,2005)。 ど の よ う な 子 ど も で あ っ て も 発 達 に 応 じ た 養 育 を 必 要 と す る た め 、 親 や 家 族 の 育 て る 力 を 支 援 す る こ と は 必 要 で あ る 。 し か し 、 在 宅 療 養 す る 子 ど も の 権 利 や 利 益 を 顧 み ず 、 医 療 問 題 の 改 善 の た め の 在 宅 医 療 の 推 進 や 、家 族 の 負 担 軽 減 だ け を 目 的 と す る よ う な 支 援 で あ っ て は な ら な い 。 よ っ て 、 子 ど も の 生 活 に 焦 点 を 置 き 、 在 宅 生 活 が ど の よ う に つ く ら れ る の か 、 ま た 、 そ の た め に 必 要 と す る 支 援 は ど の よ う な も の か を 検 討 し た い と 考 え た 。

2 . 研 究 の 背 景

家 族 に と っ て「 何 と か や っ て い る( や っ て い け る )」生 活 に 類 似 し た 表 現 と し て

「 安 定 し た 生 活 」が 合 致 す る と 考 え 先 行 文 献 を 検 討 し た 。そ の 結 果 、「 母 親 の 主 観 で 在 宅 療 養 が 安 定 し た と 示 し た 時 期 」( 晴 城 ,深 澤 ,2007)や 、「 母 親 が『 生 活 が 安 定 し た 』 と 認 識 し た 退 院 後 1年 以 降 の 期 間 」( 仁 宮 ,2000)、「 退 院 後 1年 以 上 を 経 過 し た も の 」( 田 中 , 野 口 , 鈴 木 ,2006) と い う よ う に 母 親 の 認 識 に 基 づ い て 定 義 し て い た 。高 齢 者 を 対 象 と す る 研 究 に お い て は 、「 家 族 介 護 者 が 主 体 的 に 生 活 を 維 持 す る 事 や 自 己 管 理 で き る か 否 か を 判 断 す る 見 方 」( 長 江 ,2007) と 支 援 者 の 判 断 と し て 記 述 さ れ 、 統 一 し た 定 義 は 見 当 た ら な か っ た 。

ま た 、 母 親 に と っ て は 生 活 が 落 ち 着 く こ と は な い と い う 見 方 も あ る ( 平 林 , 2007)。 子 ど も の 成 長 発 達 は め ざ ま し く 、 家 族 の 生 活 も 変 化 い て い く 。 子 ど も の 在 宅 生 活 は 、子 ど も も 自 身 の 生 き る 力 を 発 揮 し 、体 験 を 重 ね な が ら 生 活 し て い る 。 そ の 生 活 を 養 育 者 と 支 援 者 双 方 が 今 の 状 態 に お い て 「 何 と か や っ て い け る ( と 思 う )」 生 活 で は な い か と 考 え た 。

子 ど も の 在 宅 生 活 を 検 討 す る に あ た り 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も 自 身 か ら 体 験 し た 内 容 や 意 味 の 語 り を 得 る こ と は 困 難 で あ る 。 そ の た め 、 子 ど も の 生 活 を 支 え る 養 育 者 か ら デ ー タ 収 集 す る こ と が 必 要 で あ る が 、 養 育 者 は 子 ど も の 状 況 を 情 緒 的 に 捉 え る 傾 向 が あ る と い う 報 告 も あ る ( 鈴 木 、2009)。 よ っ て 、 養 育 者 だ け で な く 支 援 者 双 方 か ら 検 討 す る こ と で 、 現 象 を よ り 具 体 的 に 示 す こ と が で き る の で は な い か と 考 え る 。

子 ど も の 在 宅 生 活 に お い て 、 在 宅 へ の 移 行 支 援 に 関 す る 文 献 や 訪 問 看 護 の 実 態 調 査 、 親 や 家 族 の 生 活 の 変 化 や 課 題 、 母 親 の 認 識 や 体 験 な ど の 先 行 研 究 が 多 く み ら れ る 。 そ れ ら は 、 母 親 や 家 族 が 体 験 す る 中 で 子 ど も が ど の よ う な 状 況 で あ っ た か を 示 し て い る 。 し か し 、 在 宅 で 生 活 す る 子 ど も の 生 活 に 焦 点 を 置 い た 研 究 は 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と し な が ら 通 学 し て い る 子 ど も を 対 象 と し た 2件 し か な い 。

子 ど も の 最 善 を 知 る 努 力 を す る こ と で 子 ど も の 権 利 を 保 障 す る 看 護 実 践 に つ な が る と い わ れ て い る ( 片 田 ,2010)。 本 研 究 は 、 子 ど も の 育 児 を 母 親 が 担 う こ と や 家 族 と 生 活 す る こ と が 子 ど も に と っ て 最 善 の 選 択 で あ る と い う 前 提 に 縛 ら れ る こ と な く 、 子 ど も の 生 活 に 着 目 し た 在 宅 支 援 の あ り 方 を 検 討 す る 。 小 児 の 在 宅 医 療 が 大 き く 変 化 す る 中 、 支 援 の あ り か た を 再 考 す る 示 唆 が 得 ら れ る の で は な い か と 考 え る 。

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3 3 . 研 究 課 題

1 ) 子 ど も が 在 宅 生 活 を 構 築 さ れ る ま で に ど の よ う な 反 応 や 変 化 を 示 す の か 2 ) 子 ど も は 養 育 者 ・ 支 援 者 と ど の よ う な 相 互 作 用 を 行 っ て き た ( い る ) の か 3 ) 子 ど も が 在 宅 で 子 ど も ら し く 生 活 し て い る 状 況 は ど の よ う な 状 況 な の か 4 ) 子 ど も の 在 宅 生 活 は ど の よ う に 作 り 上 げ ら れ て い く の か

4 . 研 究 目 的

本 研 究 は 、 在 宅 で 生 活 す る 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 反 応 や 生 活 の 変 化 に 焦 点 を 置 き 、 養 育 者 や 支 援 者 の 体 験 を も と に 、 子 ど も の 構 築 さ れ る 在 宅 生 活 の 様 相 と 構 築 さ れ て い く プ ロ セ ス を 見 出 す こ と を 目 的 と す る 。

5 . 研 究 の 意 義

本 研 究 は 、 子 ど も が 他 者 か ら 支 援 を 受 け な が ら 自 ら も 変 化 し て い く と 考 え そ の プ ロ セ ス を 明 ら か に し よ う と す る も の で あ る 。 し か し 、 対 象 と す る 子 ど も の 発 達 状 況 か ら 考 え 、 子 ど も 自 身 か ら 在 宅 で の 体 験 を 聞 き 取 る こ と は で き な い た め 、 養 育 者 や 支 援 者 が 捉 え た 視 点 で の プ ロ セ ス と な る 。 こ の 点 に お い て は 、 本 研 究 の 限 界 と 考 え る 。

し か し 、 子 ど も の 生 活 に 焦 点 を あ て 、 在 宅 で 生 活 す る 子 ど も に と っ て 最 善 な 支 援 方 法 を 検 討 す る こ と は 、 子 ど も の 権 利 を 保 障 す る 看 護 実 践 に つ な が る も の と 考 え る 。 よ っ て 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 退 院 支 援 や 在 宅 生 活 に お け る ケ ア モ デ ル を 検 討 す る 一 助 に な る と 考 え る 。

ま た 、 在 宅 生 活 が 構 築 さ れ る 様 相 を 養 育 者 の 主 体 的 な 経 験 だ け で な く 、 子 ど も と 家 族 を 支 援 す る 看 護 師 の 視 点 も ふ ま え た 状 況 と し て 明 ら か に す る 。 そ の 結 果 、 目 指 そ う と す る 子 ど も の 生 活 が よ り 具 体 的 に 示 す こ と が で き る と 考 え る 。 さ ら に 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も に 焦 点 を 置 い た 検 討 を 進 め る こ と で 、 生 き て い く 子 ど も の 生 活 を ど の よ う に 支 え て い く か を 検 討 す る 。 子 ど も に と っ て も 意 味 の あ る 家 族 支 援 の あ り 方 や 小 児 医 療 、 小 児 の 在 宅 医 療 の 根 幹 を 問 い 直 す 契 機 に つ な が る と 考 え る 。

6 . 用 語 の 定 義

1 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も : 人 工 呼 吸 器 や 気 管 切 開 ・ 経 管 栄 養 な ど 、 日 常 生 活 上 の 機 能 障 害 に 対 し て 家 族 に よ っ て 行 わ れ る 生 活 援 助 行 為 ( 作 田 ,2012) を 必 要 と す る 重 症 心 身 障 害 児 ( 超 ・ 準 重 症 児 ) と す る 。

2 )在 宅 生 活 が 構 築 さ れ る:子 ど も自 身 の 力 と養 育 者 を は じ め と す る 支 援 者 か ら 医 療 的 ケ ア を 含 め た 養 育 を 受 け な が ら 、 在 宅 生 活 に 適 応 し た 生 活 リ ズ ム が で き 、 養 育 者 と 支 援 者 と も に 子 ど も を 含 め た 家 族 な り の 生 活 が こ の ま ま 継 続 で き る で あ ろ う と 考 え ら れ る よ う に な っ た 状 況 と す る 。

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第 Ⅱ 章 文 献 の 検 討

こ の 章 で は ま ず 、 医 療 的 ケ ア と い う 用 語 の 定 義 や 使 わ れ る よ う に な っ た 背 景 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 現 状 と 小 児 の 在 宅 医 療 に つ い て 述 べ る 。次 い で 、 先 行 研 究 か ら 得 た 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 在 宅 生 活 に つ い て 検 討 す る こ と と す る 。

先 行 研 究 の 抽 出 は 、 医 学 中 央 雑 誌 web 版 会 議 録 を 除 く 看 護 論 文 お よ び CINII、

PUBMEDに て 検 索 を 行 っ た 。国 内 の 文 献 は 、キ ー ワ ー ド を「 子 ど も / 小 児 」「 在 宅 」「 重 症 心 身 障 害 児( 者 )」「 医 療 的 ケ ア 」「 訪 問 看 護 」「 生 活 」と し た 。検 索 期 間 は 小 児 の 訪 問 看 護 が 開 始 さ れ た 1994年 ~2014年 ま で と し た 。さ ら に 、抽 出 さ れ た 文 献 の 引 用 ・ 参 考 文 献 リ ス ト や イ ン タ ー ネ ッ ト か ら 研 究 目 的 に 適 す る と 考 え ら れ た 文 献 を 抽 出 し 、91 件 を 対 象 文 献 と し た 。海 外 の 文 献 は CHNALフ ル テ キ ス ト

(2000 年 ~2014 年 ) に て 、 キ ー ワ ー ド を 「child」「home care」「disability」

「medical care」「dependent technology」「nursing」と し て 検 索 し 、本 文 が 入 手 可 能 な 文 献 30 件 を 分 析 対 象 と し た 。

国 内 の 文 献 を 研 究 デ ザ イ ン で 分 類 す る と 、質 的 研 究 47件 と 量 的 研 究 39件 、ア ク シ ョ ン リ サ ー チ 2 件 、 総 説 2 件 だ っ た 。 質 的 研 究 法 を ア プ ロ ー チ 別 に み る と 、 内 容 分 析(23件 )が 最 も 多 く 、次 い で 事 例 研 究 と グ ラ ウ ン デ ッ ド・ア プ ロ ー チ 8 件 、K J 法 4件 、そ の ほ か に 、ラ イ フ ス ト ー リ ー 法 や 修 正 版 グ ラ ウ ン デ ッ ド ・ ア プ ロ ー チ 法 、 解 釈 学 的 ア プ ロ ー チ が 用 い ら れ て い た 。 量 的 研 究 は 、 実 態 調 査 25 件 が 最 も 多 く 仮 説 検 証 型 は 3件 の み だ っ た 。さ ら に 、研 究 対 象 者 別 に み る と 、母 親・家 族 を 対 象 と し た も の が 最 も 多 く 46 件 、次 い で 看 護 師 16 件 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン 8件 、看 護 師 を 含 む 他 職 種 を 対 象 と し た も の 5件 、親 と 支 援 者 2件 、子 ど も 2件 、 そ の 他 施 設 等 9件 だ っ た 。

海 外 の 文 献 は 、 質 的 研 究 14 件 と 量 的 研 究 11件 、 総 説 5 件 だ っ た 。

1 . 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 背 景 1 ) 医 療 的 ケ ア の 定 義

我 が 国 に お い て は 1970年 後 半 か ら 新 生 児 集 中 治 療 室(NICU)が 小 児 科 に お い て 稼 働 し 始 め 、1980年 代 前 半 か ら 鼻 腔 チ ュ ー ブ か ら の 薬 剤・ミ ル ク 注 入 を 必 要 と す る 脳 障 害 の あ る 子 ど も た ち が 自 宅 で 生 活 す る よ う に な っ た ( 杉 本 ,2014)。 さ ら に 、 新 生 児 医 療 や 救 命 救 急 医 療 の 進 歩 や 小 児 集 中 治 療 室 (PICU) の 整 備 が 進 み 、 重 い 障 害 や 疾 患 を も つ 子 ど も の 救 命 率 は 向 上 す る 一 方 で 、 気 管 切 開 や 人 工 呼 吸 器 等 を 必 要 と す る 子 ど も が 増 加 し て い る ( 前 田 ,2010; 港 ら ,2010)。

医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 糖 尿 病 や 二 分 脊 椎 症 の 子 ど も た ち は 、「 自 己 イ ン ス リ ン 療 法 」 や 「 自 己 導 尿 」 を 家 族 が 代 行 す る こ と で 退 院 が 出 来 る よ う に な っ た 。 医 療 的 ケ ア と い う 用 語 は 、 そ の 子 ど も た ち が 就 学 す る 際 、 家 族 以 外 の 教 職 員 に よ っ て 行 わ れ る 必 要 を 迫 ら れ た た め 、1990 年 代 以 降 の 教 育 現 場 で 使 わ れ 始 め た ( 江 川 , 2008)。よ っ て 、治 療 行 為 と し て 行 わ れ る 医 師 法 上 の「 医 行 為 」と 区 別 さ れ る( 北 住 ,2009;作 田 ,2012;田 中 ,2013)。医 師 法 で 定 義 さ れ る「 医 行 為 」は 、「 医 師

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の 医 学 的 判 断 お よ び 技 術 を も っ て す る の で な け れ ば 人 体 に 危 害 を 及 ぼ し 、 又 は 危 害 を 及 ぼ す お そ れ の あ る 行 為 」 と し 、「 医 師 で な け れ ば 医 業 を な し て は な ら な い 」 と さ れ て い る 。ま た 、看 護 師 が 行 う 医 行 為 は 、保 健 師 助 産 師 看 護 師 法 に お い て「 診 療 の 補 助 行 為 」 に 位 置 付 け ら れ 、 医 行 為 を 業 と し て 行 え る も の は 医 療 職 に 限 ら れ て い る 。

し か し 、 神 経 難 病 の 1 つ で あ る 筋 委 縮 性 側 索 硬 化 症 (ALS) 患 者 は 、 家 族 以 外 の ボ ラ ン テ ィ ア に よ る 吸 引 を 中 心 と し た 医 療 的 ケ ア を 受 け て お り 、2003年 以 降 厚 生 労 働 省 に お い て 非 医 療 職 が 行 う ケ ア の 検 討 が 始 ま っ た 。 そ の 結 果 、 厚 生 労 働 省 は 違 法 性 の 阻 却 と い う 規 定 に 基 づ き 、ALS患 者 に 限 定 し た う え で 非 医 療 職 に よ る 実 施 を 認 め 、2005 年 「 在 宅 に お け る ALS患 者 以 外 の 療 養 患 者 、 障 害 者 に 対 す る た ん の 吸 引 の 取 り ま と め 」 を 発 表 し た ( 江 川 ら ,2008)。

さ ら に 、 子 ど も た ち が 退 院 後 の 生 活 の 中 で 必 要 と す る 医 療 的 ケ ア は 、 前 述 し た よ う に 在 宅・教 育・福 祉 施 設 な ど 様 々 な 場 面 で 行 わ れ て い る 。特 別 支 援 学 校 で は 、 2004年 に 厚 生 労 働 省 と 文 部 科 学 省 か ら「 盲・聾・養 護 学 校 に お け る 痰 の 吸引 等 の 取 り 扱 い に つ い て 」 が 通 知 さ れ 、 看 護 師 の 配 置 を 前 提 に 、 研 修 を 受 け た 教 員 が 行 え る ケ ア の 内 容 と 範 囲 が 提 示 さ れ た 。ま た 、2012年 に「 介 護 サ ー ビ ス の 基 盤 強 化 の た め の 介 護 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 」 が 改 正 さ れ 、 社 会 福 祉 士 及 び 介 護 福 祉 士 法 施 行 規 則 の 一 部 を 改 正 す る 省 令 が 提 示 さ れ た 。 そ れ に よ り 、 一 定 の 要 件 下 で 介 護 職 員 に よ る 経 管 栄 養 ・ 吸 引 の 実 施 が 合 法 的 に 認 め ら れ る よ う に な る な ど 様 々 な 改 定 を も た ら し て い る 。

こ の よ う に し て 、 医 療 的 ケ ア の 定 義 や 内 容 は 混 沌 と し て い る が 、 何 ら か の 原 因 に よ り 日 常 生 活 上 の 機 能 障 害 に 対 し て 行 わ れ る 吸 引 や 経 管 栄 養 な ど の 在 宅 で 家 族 が 日 常 的 に 行 っ て い る 医 療 的 介 助 行 為 ま た は 、 生 活 援 助 行 為 と し て 扱 わ れ る こ と が 定 着 し つ つ あ る 。 具 体 的 な ケ ア 内 容 は 、 呼 吸 機 能 障 害 へ の ケ ア ( 吸 引 、 エ ア ウ ェ イ 、 酸 素 療 法 、 気 管 切 開 、 排 痰 介 助 、 人 工 呼 吸 器 療 法 ) や 摂 食 ・ 消 化 機 能 障 害 へ の ケ ア( 経 鼻 経 管 栄 養 法 、胃 瘻・腸 瘻 に よ る 栄 養 法 )、排 泄 機 能 障 害 へ の ケ ア( 留 置 カ テ ー テ ル や 自 己 導 尿 な ど の 排 泄 介 助 、人 工 肛 門・膀 胱 瘻 )、そ の 他 の 与 薬( 注 射 ・ 吸 入 ・ 浣 腸 ・ 内 服 ・ 外 用 薬 ) な ど が あ る 。

2 ) 子 ど も の 状 況

(1) 重 症 心 身 障 害 児 の 定 義

医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も た ち の 多 く が 、重 度 の 精 神 発 達 遅 滞 と 肢 体 不 自 由 を 併 せ 持 つ 重 症 心 身 障 害 児 ( 以 下 、 重 症 児 と す る ) で あ る と い わ れ て い る ( 作 田 ,2012)。 重 症 児 と は 、 医 学 的 な 定 義 で は な く 児 童 福 祉 法 第 7 条に お い て 障 害 児 入 所 施 設 の 対 象 者 の 規 定 を 示 す 中 で「 中 略 重 度 の 知 的 障 害 及 び 重 度 の 肢 体 不 自 由 が 重 複 し て い る 児 童( 以 下「 重 症 心 身 障 害 児 」と い う )」と定 義 さ れ て お り 、医 学 的 診 断 ・ 評 価 に は 大 島 分 類 ( 図 1) に よ る 区 分 1 ~ 4 に 該 当 す る も の と さ れ て い る( 平 元 ,2010)。平 成 25 年 度 全 国 在 宅 障 害 児・者 等 実 態 調 査( 厚 生 労 働 省,2013)

に よ る と 、0~9歳 で 39,800人 、10~17歳 で 32,900人 と 推 計 さ れ 、1・2級 の 障 害 を 有 す る 割 合 は 、0~9歳 で 70.3% 、10~17歳 で 65.9% を 占 め て お り 、在 宅 で

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生 活 す る 障 害 児 が 重 度 の 障 害 を も つ こ と が 報 告 さ れ て い る 。

WHO は 、1980年 に 国 際 障 害 分 類(ICIDH)で 障 害 の 定 義 を 発 表 し た が 、2001 年 ICF( 国 際 生 活 機 能 分 類 )に お い て 改 定 さ れ た 。健 康 状 態 は 生 活 機 能 の 3側 面

( 身 体 機 能 ・ 身 体 構 造 、 活 動 、 参 加 ) と 相 互 作 用 し 、 そ の 背 景 に 環 境 因 子 と 個 人 因 子 の 影 響 を 受 け る と い う 、 す べ て の 人 に 適 用 さ れ る モ デ ル を 発 表 し た ( 岡 田 , 2010)。

(2) 超 ・ 準 重 症 児 の 考 え 方

超 ・ 準 重 症 児 と は 、 こ れ ま で 用 い ら れ て き た 大 島 分 類 で 示 さ れ る よ う な 運 動 機 能 と 知 的 側 面 で の 分 類 に よ る 従 来 の 重 症 心 身 障 害 児 の 概 念 を 超 え て 出 現 し た 概 念 で あ り 、1996年 か ら 保 険 診 療 に お い て 超 重 症 児 加 算 が つ く よ う に な り 定 着 し て い っ た と い わ れ て い る ( 山 田 , 鈴 木 ,2005)。 超 重 症 児 判 定 基 準 は 、 ① 運 動 機 能 は 座 位 ま で と す る 、 ② 呼 吸 管 理 、 食 事 機 能 、 胃 食 道 逆 流 現 象(Gastro-esophageal reflux : GER)の 有 無 、 補 足 項 目(体 位 変 換 、 定 期 導 尿 、 人 工 肛 門 な ど)の 各 々 の 項 目 の ス コ ア の 合 計 が 25点 以 上 で 6か 月 以 上 続 く 場 合 と さ れ 、10~24 点 を 準 超 重 症 児 と よ ば れ て い る( 表 1 )。超 重 症 児 は 、呼 吸 管 理 を 中 心 と し た 継 続 的 な 高 度 医 療 を 必 要 と し 、 モ ニ タ リ ン グ や 子 ど も に 応 じ た 観 察 を 要 す る 。 さ ら に 、 生 命 に 直 結 す る 急 変 も 考 え ら れ る な ど の 特 徴 を も つ と い わ れ て い る 。

図 1 大 島 の 分 類 * 重 症 心 身 障 害 療 育 マ ニ ュ ア ル 第 2版 第 6 刷 .P19 よ り 抜 粋

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(3) 医 療 ・ 福 祉 制 度 の 動 向

重 症 心 身 障 害 児 を 支 え る 医 療 ・ 福 祉 制 度 は 、 高 額 に な り が ち な 医 療 費 助 成 お よ び 必 要 と す る サ ー ビ ス を 受 け る た め の 制 度 な ど 、子 ど も と 家 族 の 生 活 に 直 結 す る 。 そ の た め 、 制 度 を 理 解 し て お く こ と が 必 要 で は あ る が 、 時 代 の 要 請 に 応 じ て 変 化 す る 上 、 市 町 村 ・ 都 道 府 県 に よ る 地 域 差 が あ る た め に 利 用 者 に と っ て 混 乱 が 生 じ や す い 。 さ ら に 、 そ れ ら の 制 度 が 利 用 者 か ら の 申 請 に よ っ て 行 わ れ る た め 、 利 用 者 側 が ど れ だ け 情 報 を 理 解 し 、 準 備 を 整 え ら れ る か が 重 要 で あ る 。

障 害 児 者 に 対 す る 福 祉 サ ー ビ ス は 、 平 成 15 年 (2003) に 障 害 児 者 の 社 会 的 自 立 を め ざ し 、 措 置 制 度 か ら 支 援 費 制 度 へ 移 行 し た 。 ま た 、 平 成 18 年 (2006) 年 に 障 害 者 自 立 支 援 法 が 制 定 さ れ た こ と で 、 福 祉 サ ー ビ ス ・ 公 的 負 担 医 療 費 な ど が 障 害 の 種 別 で は な く 利 用 で き る よ う に な り 、 平 成 25 年 (2013) に は 障 害 者 の 日 常 生 活 お よ び 社 会 生 活 を 総 合 的 に 支 援 す る た め の 法 律 ( 障 害 者 総 合 支 援 法 ) へ と 改 正 さ れ 、 難 病 を 含 め た 障 害 支 援 区 分 に よ る 見 直 し が 進 ん だ 。

重 症 心 身 障 害 児 を 支 え る 主 な 制 度 と し て は 、 分 娩 に 関 連 し て 発 症 し た 重 度 脳 性 麻 痺 と そ の 家 族 の 経 済 的 支 援 を 目 的 と し た 産 科 医 療 保 障 制 度 が 平 成 21 年(2009)

に 創 設 さ れ た 。ま た 、全 て の 都 道 府 県 に お い て 原 則 と し て 3歳 未 満 の 子 ど も に 対 し て 医 療 費 助 成 が 行 わ れ る 乳 幼 児 医 療 制 度 に 加 え 、 平 成 27 年 (2015) に は 児 童 福 祉 法 で 規 定 さ れ て い る 小 児 慢 性 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 に よ る 対 象 疾 患 の 見 直 し が 進 ん だ 。

子 ど も の 日 常 生 活 に 必 要 な 支 援 を 得 る た め に は 、 身 体 障 害 者 手 帳 ・ 療 育 手 帳 の 交 付 を 受 け る こ と も 重 要 で あ り 、 重 症 心 身 障 害 者 医 療 費 助 成 制 度 の 助 成 を 受 け る こ と に も つ な が る 。 ま た 、 先 ほ ど 述 べ た 障 害 者 総 合 支 援 法 に お け る 障 害 福 祉 サ ー

    呼 吸 管 理

    1 . レ ス ピ レ ー タ ー 管 理     2 . 気 管 内 挿 管 、 気 管 切 開     3 . 鼻 咽 頭 エ ア ウ ェ イ

    4 . O 2 吸 入 ま た は S a O 2 9 0 % 以 下 が 1 0 % 以 上       ( イ ン ス ピ ロ ン に よ る 場 合 ) ( 加 算 )     5 . 1 回 / 時 間 以 上 の 頻 回 な 吸 引       ( ま た は 6 回 / 日 以 上 の 吸 引 )     6 . ネ ブ ラ イ ザ ー 常 時 使 用

      ( ま た は ネ ブ ラ イ ザ ー 3 回 / 日 以 上 使 用 )

( ス コ ア ) 1 0 ( 3 ) ( 3 ) 食 事 機 能

    1 . I V H

    2 . 経 管 、 経 口 全 介 助 ( 胃 腸 瘻 、 十 二 指 腸 チ ュ ー ブ な ど を 含 め る ) 1 0       消 化 器 症 状 の 有 無

        姿 勢 抑 制 ・ 手 術 な ど に も か か わ ら ず 内 服 剤 で 抑 制 で き な い コ ー ヒ ー 様 嘔 吐

    他 の 項 目     1 . 血 液 透 析

    2 . 定 期 導 尿 ( 3 回 / 日 以 上 ) . 人 工 肛 門 ( 各 )     3 . 体 位 交 換 ( 全 介 助 ) . 6 回 / 日 以 上

    4 . 過 緊 張 に よ り 3 回 / 週 の 臨 時 薬 を 要 す る も の

1 0     判 定 : Ⅰ + Ⅱ の ス コ ア の 合 計 2 5 点 以 上 = 超 重 症 児 と す る

表 1 . 超 重 症 児 の 判 定 基 準(6か月以上継続する状態の場合にカウントする)

Ⅰ . 運 動 機 能 : 座 位 ま で

Ⅱ . 介 護 ス コ ア

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ビ ス は 、 自 立 支 援 給 付 と 地 域 生 活 支 援 事 業 に 大 別 す る こ と が で き る 。 自 立 支 援 給 付 に は 、 介 護 給 付 、 訓 練 等 給 付 、 自 立 支 援 医 療 、 補 装 具 等 が 含 ま れ る 。 地 域 生 活 支 援 事 業 に は 、 相 談 支 援 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 、 日 常 生 活 用 具 、 移 動 支 援 、 地 域 活 動 支 援 セ ン タ ー 、 福 祉 ホ ー ム な ど が あ る 。 障 害 児 を 対 象 と し た 通 所 支 援 と し て 、 児 童 発 達 支 援 、 医 療 型 児 童 発 達 支 援 、 放 課 後 等 デ イ サ ー ビ ス 、 保 育 所 等 訪 問 支 援 が あ り 、 地 域 で 生 活 す る 障 害 児 者 の ニ ー ズ を ふ ま え 、 自 治 体 に よ る 効 果 的 な 取 り 組 み が 望 ま れ て い る 。

(4) 小 児 在 宅 医 療 の 現 状

在 宅 で 生 活 す る 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も た ち の 正 確 な 数 や 分 布 な ど の 実 態 は 明 ら か に な っ て い な い( 前 田 ,2012)。日 本 小 児 科 学 会 倫 理 委 員 会( 杉 本 ら , 2008)が 行 っ た 20歳 未 満 の 超 重 症 児 の 悉 皆 調 査 に お い て 超 重 症 児 数 は 、1246 人

( 超 重 症 444人 、 準 超 重 症 649人 、 超 ・ 準 不 明 153人 、2007年 5月 1日 現 在 ) と 推 測 し て い る 。 さ ら に 、 超 重 症 児 の 約 30% が 入 院 を 継 続 し て お り 、 約 70% が 在 宅 で 生 活 し て い た 。子 ど も が 必 要 と す る 医 療 的 ケ ア は 、経 管 栄 養 94% が 最 も 多 く 、 気 管 切 開 54% 、 人 工 呼 吸 器 の 使 用 31% で あ っ た と 報 告 し て い る 。

船 戸,高 田 (2006) に よ る と 、 大 阪 府 下 に お け る 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 症 例 数 は 、1993 年 の 調 査 で は 、 在 宅 酸 素 療 法 (59 例 )、 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 (16 例 )、

在 宅 自 己 腹 膜 灌 流 法 (17 例 )、 在 宅 中 心 静 脈 栄 養 法 (14 例 ) で あ っ た 。 そ の 後 、 1998 年 の 調 査 で は 、 在 宅 酸 素 療 法 (135 例 )、 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 (25 例 )、 在 宅 自 己 腹 膜 灌 流 法(25 例 )、在 宅 中 心 静 脈 栄 養 法(11例 )と い う 結 果 と な り 、今 後 も 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 在 宅 児 が 増 加 し て い る と 述 べ て い る 。

小 児 の 在 宅 医 療 の ニ ー ド が 高 ま る 一 方 、前 田(2010)に よ る と 、全 国 の 在 宅 療 養 支 援 診 療 所 を 対 象 と し た 質 問 紙 調 査 の 結 果(N=1409)、小 児 の 在 宅 医 療 を 行 っ た 経 験 が あ る 診 療 所 は 367 ヶ 所 (26.0% ) で あ り 、 そ の う ち 10 人 以 上 の 経 験 を も つ の は 31 か 所 (2.2% ) で あ っ た 。 今 後 、 小 児 へ の 在 宅 医 療 を 実 施 し た い と 回 答 し た 診 療 所 は 687ヶ 所(48.7% )で あ り 、そ の た め の 条 件 と し て 、紹 介 先 の 病 院 の 受 け 入 れ (39% )や 小 児 科 医 に よ る グ ル ー プ 診 療 (27.9% )の ほ か 、看 護 師 の 連 携 ・ 支 援 (8.8% ) を 必 要 と し て い た 。

こ の 結 果 よ り 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も を 支 え る 在 宅 医 療 を 行 う 医 療 機 関 お よ び 、 小 児 の 訪 問 看 護 師 の 不 足 の 問 題 を 抱 え て い る 。 小 児 の 在 宅 で の 緩 和 ケ ア も 欧 米 に 比 べて遅 れ て い る と 指 摘 し て い る 。

厚 生 労 働 省 は 、2011年 度 か ら 地 域 に お け る 在 宅 医 療・介 護 提 供 体 制 の 構 築 を 目 的 と し 、 在 宅 医 療 拠 点 事 業 を 実 施 し て い る 。 こ の 取 り 組 み に よ り 、 各 地 域 で 小 児 在 宅 医 療 ・ 福 祉 連 携 体 制 を 構 築 す る に あ た っ て の 課 題 を 抽 出 す る と と も に 対 応 策 を 検 討 し 、モ デ ル の 構 築 に あ た っ て い る 。2014年 度 か ら 小 児 等 在 宅 医 療 拠 点 事 業 と し て 、 東 京 ・ 埼 玉 ・ 千 葉 ・ 群 馬 ・ 神 奈 川 ・ 長 野 ・ 三 重 ・ 福 岡 ・ 長 崎 の 9 拠 点 で 実 施 し 、 実 態 を ふ ま え た 体 制 整 備 を 図 っ た う え で 医 療 と 福 祉 部 門 だ け で な く 介 護 部 門 と の 連 携 の 必 要 性 な ど 新 た な 提 言 が 出 さ れ て い る 。

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9 3 ) 小 児 の 訪 問 看 護 の 変 遷

わ が 国 に お け る 訪 問 看 護 は 、1920年 代 後 半 か ら 看 護 師 が 母 子 や 被 災 者 を 対 象 に ボ ラ ン テ ィ ア と し て 行 わ れ た の が 始 ま り で あ る 。そ の 後 、1994年 に 高 齢 者 以 外 の 訪 問 看 護 が 始 ま り 、社 会 の 変 化 と と も に 医 療・福 祉 制 度 の 改 正 を 経 て 、2000年 か ら は 医 療 保 険 制 度 に 加 え 、 介 護 保 険 制 度 が 導 入 さ れ 訪 問 看 護 は 急 速 に 広 ま っ た 。 ま た 、2003年 に は 厚 生 労 働 省 か ら「 医 療 提 供 体 制 の 改 革 の ビ ジ ョ ン 」が 提 示 さ れ 、 急 性 期 病 床 に お け る 地 域 医 療 連 携 と 在 宅 支 援 機 能 の 強 化 が 明 示 さ れ る こ と と な り 、 在 宅 医 療 に 拍 車 が か か っ た 。最 近 で は 、2006年 の 医 療 制 度 改 革 や 2010年 以 降 の 診 療 報 酬 改 正 な ど 、在 宅 医 療・訪 問 看護 の 推 進 が 掲 げ ら れ て い る 。さ ら に 、2006 年 に 障 害 者 自 立 支 援 法 、2013年 に 障 害 者 総 合 支 援 法 が 施 行 さ れ る よ う に な っ た 。

小 児 の 在 宅 ケ ア に お い て は 、2004 年 か ら 小 児 慢 性 特 定 疾 患 対 策 が 法 制 化 さ れ 、 在 宅 療 養 に 必 要 な 便 器 や 特 殊 マ ッ ト 等13品 目 の 給 付 が 受 け ら れ る よ う に な っ た 。 ま た 、特 別 支 援 学 校 に お け る 医 療 的 ケ ア の 実 施 対 策 や 、2010年 度 の 診 療 報 酬 改 定 に お い て 、 乳 幼 児 へ の 訪 問 看 護 の 推 進 と し て 、6 歳 未 満 の 乳 幼 児 へ の 訪 問 看 護 の 評 価 が 新 設 さ れ る な ど 、 在 宅 で 生 活 す る 子 ど も を め ぐ る 社 会 的 背 景 は 変 化 し 続 け て い る( 山 田 ,鈴 木 ,2005)。さ ら に 、2012年 度 診 療 報 酬 と 介 護 報 酬 の 同 時 改 定 に お い て 、 在 宅 医 療 の 充 実 が 大 き く 打 ち 出 さ れ 、 訪 問 看 護 基 本 療 養 費 や 長 時 間 訪 問 看 護 加 算 、 複 数 名 訪 問 看 護 加 算 な ど 医 療 依 存 度 の 高 い 子 ど も に 対 応 し た 改 定 が 行 わ れ た( 石 田 ,2012)。さ ら に 、平 成 28 年(2016)年 度 診 療 報 酬 改 定 に よ り 、地 域 包 括 ケ ア の 推 進 が 評 価 さ れ 、 超 重 症 児 ・ 準 重 症 児 へ の 訪 問 看 護 を 行 っ て い る 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 評 価 及 び 推 進 に 向 け 、 機 能 強 化 型 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 要 件 に 超 重 症 児 ・ 準 重 症 児 の 数 を 含 め る こ と が 織 り 込 ま れ た 。 機 能 強 化 型 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン に は 、 小 児 の 訪 問 に 対 し 積 極 的 に 取 り 組 め る よ う 、 人 材 育 成 に 向 け た 研 修 を 実 施 す る こ と が 望 ま し い と さ れ て お り 、 小 児 に 対 応 で き る 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 拡 充 が 期 待 さ れ て い る 。

4 ) 小 児 の 訪 問 看 護 の 現 状

医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 退 院 に あ た り 、 訪 問 看 護 の 受 け 入 れ 先 を 探 す こ と が 困 難 で あ る と い わ れ て い る 。 小 児 の 訪 問 看 護 の 受 け 入 れ に つ い て 、 財 団 法 人 日 本 訪 問 看 護 振 興 財 団(2008)の 調 査 に よ る と 、重 症 心 身 障 害 児 者 へ の 訪 問 看 護 の 提 供 は 、 原 則 と し て 提 供 可 52.1% 、 条 件 付 25.8% 、 原 則 と し て 不 可 17.8%

と 報 告 し て い る 。 さ ら に 2011 年 に 同 財 団 が 行 っ た 調 査 で は 、 小 児 訪 問 看 護 を 受 け 入 れ て い な い 理 由 は 、「 小 児 の 依 頼 が な い 」69.5% 、「 小 児 訪 問 看 護 の 経 験 が あ る 職 員 が い な い 」37.0% 、「 小 児 訪 問 看 護 を 担 当 で き る 職 員 が い な い 」25.2% 、「 ス タ ッ フ 不 足 」22.1% 、「 小 児 訪 問 看 護 に ス タ ッ フ が 抵 抗 感 を 持 っ て い る 」11.0% な ど が あ げ ら れ た 。

小 児 の 訪 問 看 護 の 実 際 を 全 国 調 査 で み る と 、及 川 ら(2000)に よ る 調 査 に お い て 、 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン 及 び 病 院 の 訪 問 看 護 部 に お け る 18 歳 未 満 の 訪 問 看 護 実 施 状 況 は 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン 46.8% 、病 院 の 訪 問 看 護 部 61.8% で あ り 、全 体 と し て 52.3% で あ っ た と 報 告 し て い る 。 さ ら に 、2008 年 (440 施 設 43.1% )、

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2010 年(464 施 設 43.1%)で あ っ た (2013)。 谷 口 ら (2004) が 行 っ た 調 査 で は 、 62施 設(38.5% )、日 本 訪 問 看 護 振 興 財 団 に よ る 全 国 調 査(2008)に よ る と 18.3%

だ っ た 。

小 児 の 訪 問 看 護 の 実 施 を あ る 地 域 で み る と 、 吉 野 (2005) が 行 っ た 栃 木 県 内

(N=57 ) で は 2004年 (16施 設 28% )、2007年 (31施 設 56% ) だ っ た と 報 告 し て い る 。古 田(2008)は 鹿 児 島 県 内 に お い て 、2002年 か ら 2004年 ま で に 8施 設(8% 、N=100)だ っ た 。さ ら に 、田 中 、入 江(2010)は 、A 県 内 で は 25 施 設

(46% 、N=54))だ っ た と 報 告 し て い る 。小 児 の 訪 問 看 護 を 必 要 と す る 子 ど も は 増 加 し て い る 一 方 、 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン に お け る 小 児 の 訪 問 看 護 の 実 施 は 約 半 数 程 度 で あ り 、 地 域 に よ っ て ば ら つ き が あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。

利 用 者 側 か ら 訪 問 看 護 の 利 用 を み る と 、 杉 本 、 河 原 、 田 中 ら(2008)が 行 っ た 調 査 に お い て 、20歳 未 満 の 在 宅 で 生 活 す る 超 重 症 児 の う ち 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 利 用 は 18% に と ど ま り 、利 用 者 数 に 地 域 差 が あ っ た と 指 摘 し て い る 。港 ら(2010)

は 、 酸 素 療 法 、 人 工 呼 吸 器 、 経 管 栄 養 な ど 医 療 的 ケ ア を 併 せ て 必 要 と す る 症 例 が 75% を 占 め て い る 中 で 訪 問 看 護 の 利 用 は 、20% に と ど ま っ て い た と 報 告 し て い る 。 さ ら に 、 訪 問 看 護 を 導 入 で き な か っ た 理 由 と し て 、 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 受 け 入 れ が 困 難 で あ っ た こ と と 、 家 族 が プ ラ イ バ シ ー を 理 由 に 承 諾 し な か っ た と 述 べ て い る 。 一 方 、 及 川 (2010) に よ る と 、6歳 以 下 の 未 就 学 児 に お け る 在 宅 重 症 児 で は 、平 均 1.1歳 か ら 81.0% が 訪 問 看 護 を 利 用 し て い た と い う 報 告 も あ り 、低 年 齢 に お け る 在 宅 生 活 の 開 始 時 期 の 訪 問 看 護 ニ ー ズ は 高 く 、 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン も そ の ニ ー ズ に 対 応 で き て い る 状 況 が う か が え る 。

小 児 の 訪 問 看 護 を 行 う 上 で 困 難 な こ と に つ い て は 、 小 児 看 護 に 関 す る 知 識 不 足 や 病 状 の 判 断 が 難 し い 症 例 数 が 少 な い た め 対 応 が 難 し い 、 連 携 で き る 社 会 資 源 が 乏 し い な ど の 理 由 を 挙 げ 、 小 児 の 在 宅 生 活 を マ ネ ジ メ ン ト す る コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 必 要 性 が 高 ま っ た ( 及 川 ,2010)。 財 団 法 人 日 本 訪 問 看 護 振 興 財 団 (2008) の 結 果 に お い て も 「 訪 問 看 護 師 に 小 児 の 経 験 者 が い な い 」 こ と が 小 児 の 訪 問 看 護 を 困 難 に し て い る と 回 答 し て い た 。こ の よ う な 状 況 を 受 け 、奈 良 間 ら(2006)は 在 宅 ケ ア ガ イ ド ラ イ ン を 作 成 し 、 小 児 在 宅 ケ ア コ ー デ ィ ネ ー タ ー 研 修 会 を 開 催 し て い る 。 ま た 、 相 談 支 援 事 業 の 拡 充 に よ り 、 障 害 児 が 障 害 福 祉 サ ー ビ ス や 障 害 児 通 所 支 援 を 利 用 す る 際 、 相 談 支 援 専 門 員 に よ る 支 援 計 画 が 立 て ら れ る こ と と な り 、 こ れ ま で な か っ た コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 機 能 を 果 た す こ と が 求 め ら れ る よ う に な っ て き た ( 島 村 ,2015)。 こ の よ う に 、 少 し ず つ で は あ る が 、 子 ど も が 地 域 で 生 活 す る た め 、 ま た 、 家 族 が 一 人 で 抱 え 込 ま な い 体 制 づ く り が 進 め ら れ て い る 。

前 田(2012)は 在 宅 医 療 を 受 け る 子 ど も の 背 景 と し て 、子 ど も の 育 児 に 対 す る 母 親 の 役 割 な ど 社 会 的 通 念 が 介 護 者 で あ る 親 に 影 響 し て い る の で は な い か と 指 摘 し て い る 。 養 育 者 の 育 児 観 を 考 慮 し な が ら 、 受 け 入 れ る 側 と 利 用 す る 子 ど も と 家 族 を ど の よ う に つ な い で い く か を 検 討 す る 必 要 が あ る 。 さ ら に 、 子 ど も の 生 活 を 守 る 訪 問 看 護 を 担 う 人 材 の 確 保 に 努 め て い か な け れ ば な ら な い 。

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5 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も を め ぐ る 課 題

医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 多 く は 、 新 生 児 集 中 治 療 室 (NICU) や 地 域 の 中 核 病 院 に 長 期 に わ た っ て 入 院 し 、新 た な 入 院 の 受 け 入 れ を 困 難 に し て い る( 前 田 ,2010;田 村 ら ,2010)。こ の 状 況 は 、楠 田 ,山 口 ,小 枝(2010)に よ る と 、2003 年 ~2006年 出 生 児 に つ い て は 増 加 傾 向 で あ っ た が 、そ の 後 、減 少 傾 向 が 認 め ら れ た と 報 告 し て い る 。 そ の 一 方 で 、 人 工 呼 吸 器 や 経 管 栄 養 、 酸 素 療 法 等 を 必 要 と し な が ら 、自 宅 へ 直 接 退 院 す る 子 ど も が 増 加 し て い る と 報 告 し て い る 。2014年 度 の 診 療 報 酬 改 定 で は 新 生 児 特 定 集 中 治 療 室 退 院 調 整 加 算 3 が 新 設 さ れ 、 今 後 ま す ま す NICUか ら 早 期 退 院 を 目 指 す 流 れ が 期 待 さ れ て い る 。

一 方 、舟 本 、 森 、梅 原 、江 原(2013)は 、一 般 小 児 科 ・救 急 病 棟( 以 下 、一 般 小 児 科 病 棟 ) に お い て 長 期 入 院 児 を 診 療 す る 57 施 設 の 実 態 調 査 を 行 っ て い る 。 そ の 結 果 、50 施 設 (88% ) で 合 計 267人 ( 平 均 4.7 人 、 中 央 値 3 人 ) が 6 か 月 以 上 入 院 し て い た こ と を 明 ら か に し て い る 。ま た 、52 施 設(91% )が 、重 症 心 身 障 害 児 施 設 な ど 後 方 支 援 施 設 の 数 お よ び 受 け 入 れ 能 力 の 不 足 や 、 在 宅 医 療 へ の 支 援 が な い な ど 退 院 に む け て の 課 題 が あ る と 認 識 し て い る 。 ま た 、 在 宅 医 療 へ の 移 行 に つ い て は 在 宅 医 不 足 や 行 政 の 支 援 不 足 、 レ ス パ イ ト 施 設 の 不 足 等 に よ り 家 族 の 負 担 が 大 き い と 指 摘 さ れ て い た 。 そ の た め 、 急 性 期 病 院 か ら 在 宅 医 療 や 重 症 心 身 障 害 児 施 設 な ど へ の 移 行 を 進 め 、 急 性 期 の 入 院 や レ ス パ イ ト 入 院 の 役 割 を も つ 中 間 施 設 が 必 要 で あ る と 指 摘 し て い る 。

医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も が 暮 ら す 地 域 に お い て 、医 療・保 健 行 政・福祉 ・ 教 育 な ど 多 職 種 間 の ス ム ー ズ な 連 携 と 情 報 共 有 が 必 要 で あ る 。 し か し 、 関 連 施 設 に お い て 、 家 族 の 過 剰 期 待 と 各 専 門 間 職 の 役 割 と の ず れ や 小 児 医 療 に 関 す る 専 門 知 識 の 不 足 が あ っ た 。 さ ら に 、 個 人 情 報 の 保 護 と い う 視 点 か ら 情 報 共 有 が 困 難 な 状 況 が あ る と い う 指 摘 も あ る ( 古 屋 ら ,2013)。

今 後 も ま す ま す 在 宅 医 療 が 推 進 さ れ て い く 中 、 医 療 ・ 福 祉 ・ 教 育 ・ 行 政 な ど 包 括 的 に 子 ど も の 生 活 を 支 援 す る た め の 支 援 シ ス テ ム の 構 築 は 欠 か せ な い 。 そ の た め に も 、 ネ ッ ト ワ ー ク が ス ム ー ズ に 運 用 で き る コ ー デ ィ ネ ー タ ー や 行 政 に お け る 施 策 が 求 め ら れ て い る 。

2 . 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 在 宅 生 活 1 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 退 院 支 援

宮 谷 ,小 宮 山 ,鈴 木(2004)は 、医療 的 ケ ア を 家 族 が 行 う よ う に な っ た 理 由 は 、

「 在 宅 準 備 の た め 」 が 多 か っ た が 、 指 導 の 開 始 時 期 や 指 導 内 容 に は 大 き な 差 が あ り 、 両 親 以 外 へ の 指 導 は ほ と ん ど 行 わ れ て い な か っ た と 述 べ て い る 。 病 院 で 家 族 へ の 医 療 的 ケ ア を 行 う 際 に は 、家 族 と の パ ー ト ナ ー シ ッ プ の 構 築・維 持 の も と で 、 技 術 面 だ け で な く ケ ア の 受 け 入 れ も 査 定 し な が ら 段 階 的 に 指 導 し て い く 必 要 が あ る 。 さ ら に 、 医 療 者 自 身 が 家 族 か ら 安 心 し て も ら え る 知 識 ・ 技 術 の 研 鑽 が 必 要 で あ る と 述 べ て い る 。

金 泉 (2009) は 、 全 国 の 小 児 専 門 病 院 17 か 所 と 大 学 医 学 部 ・ 医 科 大 学 附 属 病 院 100 ヶ 所 の 117 施 設 の う ち 回 答 が 得 ら れ た 27 施 設 に お い て 看 護 師 が 行 う 退 院

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支 援 を 調 査 し た 。 そ の 結 果 、 看 護 師 は 家 族 の 意 思 決 定 を 支 え る 上 で 効 果 が あ る 支 援 は 、「 焦 ら な い 」「 そ の 児 に と っ て 最 も 良 い 方 法 を 模 索 す る 」 と い う 姿 勢 を 基 盤 と し た ア プ ロ ー チ が 示 さ れ た 。 ま た 、 退 院 前 の 家 庭 訪 問 に よ る 療 育 環 境 の ア セ ス メ ン ト 41.5% 、家 庭 で 使 用 す る 物 品 を 用 い た ケ ア 指 導 30.2% の 実 施 や 看 護 師 に よ る リ ハ ビ リ 20.9% な ど で あ っ た た め 、退 院 準 備 期 の 支 援 や 成 長 発 達 の 支 援 の 必 要 性 を 示 唆 し て い る 。

Taylor(2012)は 、 退 院 後 の 生 活 を 計 画 し 調 整 す る こ と は 、 彼 ら と 彼 ら の 家 族 の QOLの た め に 重 要 な こ と で あ る と 述 べ て い る 。そ の た め に は 、病 院 で の 子 ど も の 担 当 看 護 師 と 地 域 の 支 援 者 が 協 働 す る こ と が 必 要 で あ る 。 子 ど も の 健 康 状 態 や 社 会 的 ・ 教 育 的 ニ ー ズ を 見 極 め 、 家 族 全 体 の ニ ー ズ に そ う 生 活 を ど の よ う に 構 築 す る か 検 討 す る こ と が 求 め ら れ る 。

退 院 支 援 の 評 価 と し て 下 村 、森 田(2008)は 、人 工 呼 吸 器 お よ び 経 管 栄 養 を 必 要 と す る 1 歳 の 子 ど も の 退 院 支 援 に つ い て 事 例 検 討 を 報 告 し て い る 。 そ の 中 で 、 退 院 に む け て 他 職 種 間 ( 看 護 師 、 医 師 、 保 健 師 、 消 防 署 、 医 療 機 器 業 者 、MSW)

で の 調 整 や 退 院 前 の 自 宅 訪 問 が 生 活 環 境 の 整 備 に お い て 効 果 的 で あ っ た と 評 価 し て い る 。 ま た 、 母 親 と 祖 母 を 中 心 と し た 養 育 者 に よ る 清 拭 ・ 入 浴 ・ 排 泄 ・ 移 動 な ど の 日 常 生 活 援 助 と 医 療 的 ケ ア に 関 し て は 、 入 院 中 か ら の 指 導 と 、 退 院 後 後 の 訪 問 看 護 師 に よ り 技 術 の 習 熟 が 高 ま っ て い た 。 し か し 、 家 族 間 の 役 割 調 整 や 災 害 時 の 対 応 、 か か り つ け 医 の 調 整 が 課 題 で あ る と 述 べ て い る 。

Samwell(2012)は 、 さ ま ざ ま な ケ ア ニ ー ズ を も つ 子 ど も の 退 院 後 の 生 活 を 計 画 す る に あ た り 、 地 域 で の サ ポ ー ト は 多 く の 問 題 を 抱 え て い る と 述 べ て い る 。 家 族 に と っ て 効 果 的 で ニ ー ズ に 合 う こ と も 必 要 で あ る 。 そ の た め 、 必 要 な 他 職 種 と の 協 働 が 重 要 で あ る と 述 べ て い る 。

島 津(2013)は 、小 児 在 宅 医 療 に お け る 課 題 と し て ① 小 児 に 対 応 で き る 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 不 足 ② 入 院 ベ ッ ド の 確 保 の 困 難 さ ③ 医 療 、 福 祉 、 教 育 、 行 政 な ど の 小 児 在 宅 医 療 へ の 理 解 不 足 の 4点 を あ げ 、小 児 専 門 の 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン を 立 ち 上 げ 、 そ の 実 践 を 報 告 し て い る 。 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も は 、 人 工 呼 吸 器(33% )、気 管 切 開(38% )、経 管 栄 養(75% )な ど 医 療 依 存 度 が 高 い 。 疾 患 別 に み て も 神 経 ・ 筋 疾 患 や 心 疾 患 、 代 謝 疾 患 、 染 色 体 異 常 症 な ど 多 く の 領 域 に わ た っ て い る 。 そ の た め 、 病 院 ス タ ッ フ と 訪 問 看 護 師 に よ る 退 院 前 の 合 同 カ ン フ ァ レ ン ス を は じ め と す る 情 報 交 換 や 自 宅 訪 問 な ど 、 双 方 向 性 の あ る 連 携 が 在 宅 生 活 の ス タ ー ト に は 必 要 で あ る と 述 べ て い る 。

在 宅 医 療 に お い て 、中 島 、島 、矢 代 、松 村 、熊 坂(2010)は 過 去 6年 間 の NICU か ら 在 宅 医 療 へ 移 行 を 目 指 し た 14 例 の 取 り 組 み を 通 し て 課 題 を 検 討 し て い る 。 子 ど も が 必 要 と す る 医 療 的 ケ ア の 中 で 経 管 栄 養 ・ 在 宅 酸 素 療 法 を 必 要 と し た 症 例 の 準 備 期 間 は 1か 月 程 度 で あ っ た 。しか し 、人 工 呼 吸 器 を 必 要 と す る 症 例 の 場 合 は 2年 以 上 か か っ た と い う 。準 備 期 間に 時 間 を 要 し た 支 援 内 容 は 、在 宅 専 門医 療 機 関 や レ ス パ イ ト の 確 保 、 住 環 境 や 移 動 手 段 の 整 備 で あ り 、 医 療 依 存 度 が 高 く な る ほ ど 障 壁 が 大 き い と 述 べ て い る 。

以 上 の こ と よ り 、 在 宅 に 向 け た 支 援 は 子 ど も の 状 態 に 応 じ て 親 を 中 心 と し た 養

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育 者 の 意 思 決 定 を 支 援 す る こ と が 何 よ り も 優 先 さ れ る べ き で あ る 。 そ の う え で 、 退 院 支 援 が 医 療 者 の ペ ー ス や 医 療 的 ケ ア の 技 術 だ け で 進 め ら れ る の で は な く 、 子 ど も の 成 長 を 長 期 的 に 考 え な が ら 、 リ ハ ビ リ や 療 育 等 を 取 り 入 れ た 生 活 支 援 を 考 え て い く こ と が 必 要 で あ る と 考 え る 。 さ ら に 、 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も が 生 活 す る う え で 、 必 要 と さ れ る 支 援 を 整 え る こ と が 難 し い 中 、 そ れ ぞ れ の 家 族 の 生 活 状 況 を 共 有 す る た め の 多 職 種 合 同 の 退 院 前 カ ン フ ァ レ ン ス や 自 宅 訪 問 も 必 要 で あ る と 考 え る 。

2 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 現 状

前 田(2010)は 、在 宅 医 療 の 対 象 と な る 子 ど も の 多 く は 脳 性 麻 痺 、先 天 性 神 経 疾 患 な ど の 基 礎 疾 患 が あ り 、 高 度 な 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 。 さ ら に 、 重 症 心 身 障 害 児 や 超 重 症 児 と よ ば れ る 重 度 の 運 動 障 害 と 知 的 障 害 を も つ 子 ど も が 多 い と 述 べ て い る 。

及 川(2010)は 、 慢 性 疾 患 ま た は 障 害 の た め に 医 療 処 置 を 必 要 と し な が ら 在 宅 で 過 ご し て い る 6歳 ま で の 小 児 の 地 域 生 活 支 援 の あ り 方 を 検 討 し て い る 。訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン 、 病 院 、 障 害 者 支 援 施 設 の 利 用 者 家 族 を 対 象 と し た 結 果 、 在 宅 重 症 児 の 平 均 年 齢 は 3.3歳 で 、「3歳 以 下 」が 50.3% で あ っ た 。ま た 、発 症 年 齢 が 出 生 時 か ら の 子 ど も が 71.4% と な っ て お り 、 病 因 は 、27.9% が 「 神 経 ・ 筋 疾 患 」(3 歳 以 下 20.3% 、4~6歳 34.7% )、次 い で「 慢 性 呼 吸 器 疾 患 」23.8%(25.7% 、22.2% )、

「 慢 性 心 疾 患 」17% (18.9% 、15.3% )、 そ の 他 に 低 酸 素 脳 症 、 て ん か ん 、 染 色 体 異 常 な ど で あ っ た と 報 告 し て い る 。

さ ら に 、子 ど も の 平 日 の 過 ご し 方 に 関 し て 、3歳 ま で の 在 宅 重 症 児 は 、10 時 か ら 18 時 ま で の 時 間 帯 に 継 続 的 で は な い が 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン と 肢 体 不 自 由 児 施 設・肢 体 不 自 由 児 通 園 施 設 を 5% 以 上 の 割 合 で 利 用 し て い た 。4~6歳 に な る と 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン と 肢 体 不 自 由 児 施 設 ・ 肢 体 不 自 由 児 通 園 施 設 に 加 え 、 保 育 所 ・ 幼 稚 園 や 重 症 心 身 障 害 児 施 設 、 児 童 デ イ サ ー ビ ス を 5% 以 上 の 割 合 だ っ た 。

さ ら に 、 こ れ ら の 施 設 を 利 用 す る 割 合 が 最 も 多 い の は 、0 歳 児 (36.1% ) で あ り 、 そ の 後 、 年 々 減 少 し て い る こ と を 明 ら か に し て い る 。 し か し 、 児 童 デ イ サ ー ビ ス や シ ョ ー ト ス テ イ を 利 用 す る に あ た り 、 子 ど も が 人 工 呼 吸 器 や 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る こ と な ど に よ り 利 用 し た い が で き な い と い う 割 合 が そ れ ぞ れ 20.4% で あ っ た と 報 告 し て い る 。

Noyes(2006)や Darvill, Harrington& Donovan(2009)は 、人 工 呼 吸 器 を 使 用 す る 子 ど も へ の イ ン タ ビ ュ ー や 描 画 、養 育 者 に よ る 口 唇 の 動 き の 読 み と り を 使 用 し 、 子 ど も 自 身 の 体 験 を 聞 き 取 り 報 告 し て い る 。 そ の 結 果 、 母 親 や 周 囲 の 大 人 た ち と 子 ど も の 認 識 の 違 い を 示 唆 し て い る 。

Noyes(2006)は 、人 工 呼 吸 器 を 必 要 と す る 35 名 の 子 ど も 自 身 と 人 工 呼 吸 器 を 必 要 と す る 53 名 の 子 ど も の 中 か ら 50 名 の 母 親 と 17 名 の 父 親 を 対 象 に 、 子 ど も の 健 康 と QOL に 関 す る 経 験 と そ の 意 味 に つ い て ハ イ デ ッ ガ ー の 現 象 学 的 ア プ ロ ー チ を 用 い て 明 ら か に し て い る 。 人 工 呼 吸 器 を 必 要 と す る 子 ど も の 多 く は 、 人 工 呼 吸 器 の 装 着 に よ り 呼 吸 が 楽 に な り 、 彼 ら 自 身 の 生 活 ス タ イ ル を 作 っ て い た 。 し か

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し 、 子 ど も た ち の 両 親 は 社 会 的 に 疎 外 さ れ た 経 験 に つ い て 述 べ て お り 、 子 ど も と 両 親 の 意 味 す る こ と に は ず れ が あ る こ と を 明 ら か に し た 。 ま た 、 人 工 呼 吸 器 を 必 要 と す る こ と で 子 ど も の 社 会 的 影 響 や 自 己 肯 定 感 を 下 げ ら れ る 経 験 は 、 幼 少 期 か ら 始 ま っ て い た と 述 べ て い る 。

医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も は 、 出 生 時 か ら 生 命 に 直 結 す る 病 因 を 発 症 し て い る 。 そ の た め 、 子 ど も の 養 育 者 は 、 生 活 援 助 と し て の 医 療 的 ケ ア を 行 う た め に は 子 ど も の 全 身 状 態 に も 十 分 留 意 し て お く 必 要 が あ る 。

加 え て 、 在 宅 生 活 を 始 め る に あ た っ て は 、 医 療 や 療 育 な ど の 支 援 を 手 が か り と し な が ら 徐 々 に 子 ど も の 社 会 化 を 進 め て い く こ と に な る 。 そ の た め 、 生 活 の 中 で 子 ど も や 養 育 者 が ど の よ う な 経 験 を し 、 そ の 経 験 を ど の よ う に 感 じ て い る か 考 慮 し な が ら 子 ど も に と っ て 望 ま し い 支 援 の あ り 方 を 検 討 す る 必 要 が あ る と 考 え る 。

3 ) 医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も の 養 育 者 の 生 活

( 1 ) 養 育 者 の 介 護 負 担

濵 邉 、佐 藤 、小 倉 、葉 山(2008)は 、医 療 的 ケ ア が 介 護 す る 母 親 の 生 活 に ど の よ う な 影 響 を 及 ぼ し て い る の か を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 胃 瘻 や 気 管 切 開 ・ 人 工 呼 吸 器 な ど を 導 入 す る こ と に よ り 、 吸 引 や 注 入 な ど 医 療 的 ケ ア が 増 え た が 、 感 染 症 の 罹 患 や 入 院 回 数 の 減 少 な ど 子 ど も の 状 態 が 安 定 し た と 、 子 ど も に と っ て 良 い 効 果 を 実 感 し て い た 。 ま た 、 母 親 自 身 の 睡 眠 が 確 保 で き る よ う に な る な ど 生 活 が 整 っ た と 述 べ て い る 。 そ の 医 療 的 ケ ア に よ る ト ラ ブ ル へ の 不 安 や 就 学 ・ 通 園 施 設 の 受 け 入 れ が 制 限 さ れ る こ と 、 緊 急 時 に 受 診 で き る 病 院 が 限 ら れ て し ま う 、 社 会 参 加 が 阻 ま れ る な ど 、 閉 塞 感 を 感 じ な が ら 生 活 し て い る 現 状 に つ い て 報 告 し た 。

神 原(2009)は 、医 療 的 ケ ア を 必 要 と す る 子 ど も は 、全 身 状 態 が 不 安 定 な 児 が 多 く 、 児 の そ ば を 離 れ る こ と が で き な い 状 況 で あ る た め 、 家 族 は 強 い 拘 束 感 を 持 っ て い る と 述 べ て い る 。 在 宅 療 養 開 始 時 の 在 宅 支 援 サ ー ビ ス の 利 用 は 低 く 、 退 院 支 援 の 課 題 を 明 ら か に し て い る 。宮 谷 ら(2002)に よ る と 、在 宅 人 工 呼 吸 療 法 中 の 就 学 児 へ の 介 護 負 担 に つ い て 明 ら か に し て い る 。 そ の 結 果 、 主 介 護 者 の 一 日 の 睡 眠 時 間 は 、3時 間 か ら 7時 間 で 平 均 5.51 時 間 で あ っ た 。ま た 、介 護 の た め に 睡 眠 を 中 断 す る こ と が あ る の は 、全 体 の 84.2% で あ り 、一 晩 に つ き 平 均 3.11回( 一 回 当 た り 平 均 8.64分 ) だ っ た と 述 べ て い る 。

Brinchmann(1999) は 、 障 害 児 を 世 話 す る 介 護 者 は 、 い つ ま で も 養 育 を 必 要 と す る 乳 児 の よ う な 子 ど も に 対 し 、 愛 し な が ら も 憎 む と い う 両 義 的 な 感 情 を も つ と 述 べ て い る 。 さ ら に 、 そ の 生 活 は 監 獄 の よ う な 生 活 で あ る と し 、 逃 れ る こ と が で き な い 介 護 負 担 を 感 じ て い る と 述 べ て い る 。

Carnevale, Alexander, and Davis ら(2006)は 、呼 吸 器 を 必 要 と す る 子 ど も の 家 族 は 、 感 情 的 ・ 身 体 的 ・ 心 理 社 会 的 な 負 担 や 家 族 関 係 へ の 影 響 、 子 ど も の 死 に 対 す る 恐 れ と 直 面 し な が ら 、 こ れ ら の 生 活 以 外 に 選 択 肢 は な い と 感 じ て い る と 述 べ て い る 。 さ ら に 、 家 族 の 生 活 の 安 定 が 、 家 族 の 経 済 力 や 結 束 、 子 ど も の 体 調 、 予 測 で き な い 出 来 事 に よ っ て 、 取 り 崩 さ れ て い た と 述 べ て い る 。

櫻 井 、西 脇(2008)は 、現 行 の 支 援 制 度 は 、暗 黙 の 了 解 の う ち に 介 護 す る 母 親

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