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熊野 俊雄*・寺島 健一*

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Academic year: 2021

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(1)

ハイス大ねじの高速荒切り法に関する研究

熊野 俊雄*・寺島 健一*

Study on High−Speed Roughing Methods of Large Size    Screw Thread of High Speed Steel Material

by

Toshio KUMANO*and Kenichi TERASHIMA*

  The most popular tools for generating the gears are hobs, whose materials are the High Speed Steel(HSS)in the many case. Because the HSS contains such the rare components as W,.Mo, Co and V, the material cost is expensive. A sequence for manufacturing the hobs consists of(1)

hob−thread roughing,(2)flute milling(3)normalizing the body,(4)backing−off hob thread,(5)

quenching and tempering and(6)grinding.

  Thus the sequehce is very complicated and the machinability of HSS also is very poor due to the al16y elements above mentioned. Therefore the manufacture cost is higher too.

  In this paper the cost−down methods are developed in rough threading the large−sized hobs and the availability of these methods are checked by exprlmenting with two typical end mills on the backing−off lathe.

  In order to decrease the rough machining times, the above operations(1)and(4)among the above operations are simultaneously worked on the backing−off lathe. Thus, in case of module 20 hob, the rough threading and backing time 33 hours required in the ordinary way can be shortened up to 24 hours. Through these results, it is cleared that the threading in backing with the tapered surfy end mi11 is hopeful for decreasing the manufacture prices.

1.緒  言

 歯切り工具としてもっとも多く使用されているのは ホブである.材料費,加工費の値上りによってホブの 価格は高くなっている.ホブの材料の高速度鋼(ハイ スと略称されている)に含まれているタングステン,

モリブデン, コバルト,バナジウムなどは希少元素で あり、材料費高騰の主な原因となっている.また製作 面においては,荒ねじ加工,熱処理,二番取り加工,

熱処理,研削,測定,研削と多くの工程を要する.と

くに仕上げ加工の段階では,研削と測定を何度も繰り 返すので工数が増加する.上記の合金元素は炭化物と

なって硬化し,高速度鋼が工具鋼として用いられる理 由になっている.しかし工具製作時にはこれが災いし て,高速度鋼は切削加工がしにくい難削材に分類され ている.このためここ数十年の間,・加工方法はほとん ど改善されておらず,特に荒加工においては現在でも きわめて低速で旋削するかまたはフライス切削してい る.例を示すと,モジュール20のホブではねじ切りに 昭和58年4月30日受理

*機械工学科(Department of Mechanical Engineering)

(2)

9

§

o

F1しlte land

Flank

Rake face

回ho1e 1en,th

Lead angle Shoulder

@width

3L End face

・「

LΦ

ρ

●「■

O ・「一

4

o

ρ

●F

Helfcal

@ tooth 1fne

狽窒≠モ

of Axia1

pitch

Fig.1 Hob s nomenclatures

8時間,側面と外周の二番取り加工に16時間,その他 9時間,計33時間を要している.

 本研究は機械加工の能率化によって製造単価を低減 しようとするものであり,二番面を有するねじすじの 荒加工をこれまでの1/2〜1/3の工数で行う新しい加工 法を探求するものである.

2.ボブ,高速度鋼および二番取り旋盤 2.1 ホ  プ

 本研究はモジュール18の大型ホブのねじすじの荒加 工を想定している.ホブは創成歯切り用の工具であり,

その形状はFig.1に示すように,ねじの軸方向に数条 のみぞを入れて切れ刃を作り,切れ刃の側面と外周に ねじすじに沿って逃げ(二番と呼ぶ)を有するねじ状 回転工具である.ホブの一般的な製作手順は次のとお

りである1}.

 (1)適した高速度鋼を素材に選び,円柱状に旋削す る.素材に穴をあけて円筒状にし、ブローチ加工でキ ーみぞを切る.素材の両端にハブを削り出す.

 (2)素材の外周に旋削またはフライス加工でねじ切 りをする.

 (3)フライスで軸方向に切れ刃みぞを加工する.次 工程の逃げ面加工(二番取り)を容易にするため,焼 きならしを施し硬度をHRC29以下とすることがある.

 (4)各切れ刃に側面二番と外周二番を加工する.

 ⑤ 最大硬さを与えるために,焼入れ焼きもどしを 行う.この時点での硬度はHRC64〜66である.

 (6)最後は研削によって正しい刃形に仕上げる.

 本研究は,これまで別の工程で行われていた上記の

(2)のねじ加工と(4)の側面二番取り加工とを同時に行う ことによって工数を短縮しようとするものである.

2.2 高速度鋼

 高速度鋼(High Speed Steel,略してHSSまたはハ イス)は1%内外の炭素鋼にW,C,, M。, V, C。を添加 した合金鋼である.その特長は高温強度が高く,その ため炭素工具鋼や低合金工具鋼に比べてかなりの高速 度でも切削工具として使用できることから名づけられ たものである.ただし現在では超硬,セラミックス,

サーメットなどの新材種工具に切削速度の点では,は るかに劣るが靱性が格段に優れているため,断続切削 工具としてはハイスがまだ主流を占めている.高速度 鋼はその成分によってW系,MQ系, MrC。系, V系 に分類される.Table lに代表的な鋼種の化学成分を 示す.また高速度鋼の被削材としての難削性を示す指 標として,Table 2に被削性指数を示す.被削性指数と は旋削でのバイト寿命を一定とした場合の切削速度を,

1%炭素鋼の指数を100としてそれに対する割合で示 すものである.高速度鋼を被削材とする場合には,1

%炭素鋼を旋削する場合の1/2の切削速度にする必要 があることを示している.

2.3 二番取り旋盤

二番取り旋盤は,フライスやホブの切れ刃に逃げ面 を加工する旋盤である.本研究ではこの二番取り旋盤 を実験目的に沿うように改造して使用するが,ここで はこ番取り旋盤の基本的な構造と作動について説明す る.Fig.2に二番取り機構を示す.刃物台は押付けバ

(3)

Table l Chemical Compositions of High Speed Steel

Chemlcal  compositions (箔)

Types JIS−獅盾高・獅モ撃≠狽浮窒・ C Si 凹n Cr 1・」 MO V Co

W−type SKH 2

0.70  〜

O.85

〜0.40 〜0.40 3.80 〜

S.50

17.00  〜

P9.00

0.80 〜

P.20

凹。−type SKH 9

0.80 〜

O.90

〜0.40 〜0.40 3.80 〜

S.50

5.50〜

U.70

4.80〜

T.50

1.60 〜

Q.20

卜10−Co−type SKH 55

0.80 〜

O.90

〜0.40 〜0.40 3.80 〜

S.50

5.50〜

U.70

4.80〜6.20 1.70〜

Q.30

4.50 〜

T.50

V−type SKH 57

1.15〜

P.30

〜0.40 θ0.40 3.80 伊

S.50

9.00伊

P1.00

3.00μ4.00 3.00 〜

R.70

9.00  〜

PLOO

Table 2 Machinability Comparision of Several Tool Steels

Kinds of tool steels Machinability

@ of annealed index

唐狽≠狽

SK 3( Carbon toOI steelS) 100

SKH 2 (W−type HSS) 55

SKH 9 (140−type HSS) 55 SKH 54 (V−type HSS) 35

ネで二番取りカムに押付けられている.カムの回転は 旋盤の主軸と連動しているので、被削材(フライスや ホブ)が一刃分だけ回転する問,バイトが二二材の半 径方向に送り込まれて二番取り加工が行われる.一手 分の回転の終り(みぞ部分)では,バイトが急速に元

トbb

の位置までバネで押しもどされる.二番取り量の変更 は異なるカムライズのカムに交換することによって行 われる.また切れ刃の数の変更は旋盤主軸とカム軸を 連結する交換歯車の歯数比の変更によって行う.

3.円筒形波刃エンドミルによる切削

 高速切削の予備実験として行った超硬丸コマフライ スによる大ねじ切削(本報告では詳細を省いた)の問 題点は,使用する旋盤の剛性不足のため工具の摩耗が 大きいことであった.この問題を解決するには切削抵 抗が小さくかつビビリ振動を防止する効果をもつ波刃 エンドミル(Roughing End Mill)2)3)を使用することに よって克服できると予想した.カタログ記載の切削条

Hob revolution

詠F・翼d・et・・n

Cross slide

・十・

Longitudinal     slide

Too1 Tool post

Driving shaft   for cam

o

ρ Coil spring

Back考ng−off cam      )Camls γ℃tation

(a) Backing−off mechanism      (b) Backing−off cam          Fig.2 Schematic Diagram of Backing−off

       Mechanism

(4)

凹aker      ・O.S.G

℃ ド

@       メ:::

B.欝二∴す「 ・・魁

Materia1 SKH 55

;訟P  霞・

Type REES

Diameter 20㎜

    特興(・臨   、脚轟珂≧:…    勲μ・、

@       幽輔謝、、二5.・、 漁・・聯鰍・・帝・』

@      ・揖轡 湘

@     ㌻

@ ・・i;』1脳…癌ヒ響=      轍撃 携 黛  i モ 避 鷺 轟

@      愚ゐ熱∵i憂1・晃

NO. of flutes 4 1.

Total length 110㎜ 馨 盟、鷺・「嚢・

Effective

モ浮狽狽・秩@length 45㎜

顯臨護      ・甲

Su「fy ed昌含ight       Pltch   Lead angle

0.95㎜

R.73㎜

Q2。

灘臨地弩  、■ パ

Fig.3 Main Sp㏄ifications of Straight Roughing End Mi11

Table 3 Main Specifications of Milling Machine

Maker CINCINATI

Type NO・ NO.2 MH

Motor 3−phase, 4−pole, 3.75 k冒 U0Hz−1700 rpm

Spindle

@ revOlutions

15speeds between Q3 rpm and 1200 rpm Feed rate 12speeds between

P9㎜!min and 762㎜/min

件を確認するため,まず立てフライス盤で予備実験を 行った後,改造した二番取り旋盤で大ねじ荒切り実験 を行った.

3.1 立てフライス盤での予備実験

使用した立てフライス盤の主な仕様をTable 3に,

呼び径20㎜の円筒形波刃エンドミルをFig.3に示す.

SKH55の角材を被削材として正面切削(みぞ切削)を 行った.この時の切削条件は切削速度16.3m/min(工具 回転数260rpm),送り速度35㎜/min(一刃当りの送り 0.034㎜/刃)で,切込み深さを10㎜,15㎜,30㎜,40

㎜の4種類にかえて湿式切削を行った.いずれの切込 み深さでも切削状態は良好でビビリ振動は全くなかっ た.切削実験後の切れ刃を観察すると逃げ面,すくい 面ともに0.05〜0.1㎜の大きさのチッピングが見られ たが,波刃エンドミルではこの程度のチッピングは切 れ味に大きな影響を与えないものと思われる.

3.2 二番取り旋盤での大ねじ荒切れ実験 3.2.1 実験装置および方法

二番取り旋盤を改造して本実験に使用した.改造の

Worm reduction

@       gea「

Pulle   reduction gear  Hob

1

川1

Motor for main s indle

    /Too1

Hob revO1

Direction of feed  ,

     一 Universal joint Pulley

reduction  ear

㎞tor for driving too1

川1

Inverte髪

Fig 4 Schematic Diagram of Test Apparatus

(5)

Table 4 Main Specifications of Test Apparatus

Maker Toyo Kikai

卜btor for spindle 3−phase, 6−pole, 1.1 k冒 U0Hz−1170 rpm Spindle speeds 0.008rPm 0.087 rpm 140tor

・盾秩@mming−cutte「

3−phase, 4−pole, 3.5 kW U0Hz−1700 rpm Frequency invert−

・秩@for m{11壱ng.

モ浮狽狽・窒ns motor

3−phase,18 Hz〃72 Hz

Swing on bed 490㎜

Swing on carriage 290㎜

Naximum work

撃・獅№狽・@between 撃≠狽・・@centers

550mm

主な内容は(1)主軸回転数を低くするため,二つの減速 機を主軸とモータの間に挿入すること,(2)被削材の大 ねじピッチに適合するように主軸と往復台送りねじ軸

との間に交換歯車を選定しかみ合せること,(3)円筒形 波刃エンドミル用の工具台および工具駆動装置を製作 することであった.改造後の旋盤の主な仕様をTable 4に,実験装置全体の概要をFig,4に示す.使用した切 削工具は円筒形波刃エンドミルであり,その主な仕様 と形状はFig.3で示した.被削材は材質SKH55,外径

Table 5 Milling Conditions with Straight Roughing End Mil1

212mm,長さ252㎜であり,削り出す大ねじの軸方向ピ ッチは56.88㎜である.本実験での切削条件はTable 5 に示すようにほぼ予備実験で確認した条件である.

3.2.2 実験結果および考察

 削り出されたねじみぞの外形と断面形状をFig.5 に示す.円筒形波刃エンドミルによるねじみぞの切削 は,被削材の両端部分でのくいっきと抜け時を除いて 非常に良好でありビビリ振動は皆無であった.被削材 両端部分の切削では工具の片側のみが切削に関与し,

しかも断続切削になるためビビリが発生した.Fig.6 で示すように右端面では工具の回転方向と被削材の回 転方向が対向する上向き切削だが,左端面では工具と 被削材の回転方向が同一になる下向き切削である.下 向き切削の場合には被削材の送り系のバックラッシュ を除去することが一般的な対策である.本実験の場合 には旋盤の主軸系のバックラッシュがこの対象となり,

実施が困難なのでFig.6に示すように当て金を使用 することで下向き切削の状態を解消した.被削材のね じみぞを切削し終っても工具は当て金を切削中である ため,下向き切削にならないからである.

 ねじみぞ4.5巻(被削材長さ252㎜/軸方向ピッチ

Strap     Roughed screw thread Hob Dlameter of end mi 11 20㎜

End mill revolutions 260rpm

Milling speed 16.3m!min

Mlmng depth 20㎜

Hob revolutions 0.056rpm i17.83min/rev.)

Hob feed 37.2㎜!min

,Feed per

@    cutting tooth 0・036㎜/to。th

Hob revolution

       ,   ←Feed

End−mill         Roughing revolution、       end m,11

   Down−cut state      UP−cut state Fig.6 Up・cut, Down−cut and Prevention of

    Down−cut

39 7   20   12

、、隔     oF\

@9

W\

(a) Detail of groove (b) Hob blank

Fig、5 Hob Blank and Groove Milled by Straight Roughing End Mill

(6)

  (1)Crater wear    (2) Flank wear

(a)Damages after milling a groove of hob thread

(1)

(b)

Crater wear

隻」

  葬

(2)Flank wear

 Damages after rnilling 4.5 pitches of hob

 thread

Fig.7 Damages on Cutting Edges of     Straight Roughing End Mi11

驚ぐ

1㈱昂騰欝羅欝購

(a)Chips milled by  (b)Chips milled by straight roughing   carbide milling end−mill        cutter    Fig.8 Chips Comparision

56.88mm)を一回加工するのに要する時間T1は,被削材 の毎分回転数をN,ねじみぞの巻き数をnとして次の ように計算される.

 Tl=n×(1/N)=4.5/0.056=80.36mm≒1同「20min ねじみぞの荒加工に要する時間1H「20minは,現在ホブ メーカーで一般的に行われている雛形フライスによる 切削時間8時間と比較すると大幅な時間短縮となる.

したがって研究の目的の一部は十分達成できたことに

なる.

 前節でも述べたように切削状態は良好であるが,波 刃エンドミルの切れ刃の損傷ははなはだしい.本節で の実験に用いた円筒形波野エンドミルは,前節での予 備実験に使用したものであり,損傷の進行状態を予備 実験後,ねじすじ1巻切削後およびねじすじ4.5巻切 削後の三つの時点で観察した.予備実験が終了した時 点ですでに0.05〜0.1㎜のチッピングが観察されたが,

切削距離が増すにつれてすくい面上には切りくずの流 出に伴う摩耗痕と波の両肩に相当する部分に大きなチ ッピングが発生している.また溶着した構成刃先もほ とんどの波刃で観察された.これらの切れ刃損傷のよ うすの典型例を同一切れ刃についてFig.7に示す.

 Fig.8(a)には円筒形波刃エンドミルによる切りくず を示す.超硬丸コマフライスによる切りくず(Fig.8

(b))と比較すると,ほぼ等しい一刃当りの送り量であ るのに切りくず厚みは波刃エンドミルの方が格段に厚

く,波刃の特長がよくあらわれている3).切りくず形状 がほぼ一定しているので切削状態が安定していること

も推察できる.

 これらのことを総合すると円筒形波刃エンドミルに よって高速度鋼素材に大ねじを荒加工する方法は,切 削状態が安定しておりまた加工に要する時間も大幅

Maker

卜1ateria1

Dlameter Large end Small end

Total length Effective

cutter length

NO. of flutes Surfy edge     Helght     Pitch   Lead angle

AZUMI SKH 55

50㎜14.6㎜

145㎜

52mm

4

1.32㎜

3.73㎜

non−constant

灘灘

垂 .

藤  _ 、

鍵固織 ミ

_  謹 帰

漁      ・奪

・縛1

違    ㌔・』

響  難戦 小…   叢

      藩

婚一

讐宏齪ボ灘

Fig.9 Main Specifications of Taper Roughing End Mill

(7)

Table 6 Milling Conditions with Taper Roughing End Mill

NO.1 NO.2 NO.3

End mill revolutions 260rpm 260rpm 280rpm

岡illing Speed

@  at 50 mm dia。

@  at 14.6 mm dia.

40.8m/min P1.9m/min

40.8m/min P1.9m/min

44.Om/min P2.8m/min

Milling depth 38.36mm 38.36mm 38.36㎜

Hob revolutions  0.056rpm

i17.83 mln/rev.)  0.034rpm

i29.27 min/rev.)  0.028rpm

i35.72 min/rev.)

Hob feed 37.2mm/min 22.6㎜/min 18.6mm/min

Feed per

@   cutting tooth 0.036㎜ 0.022㎜ 0.017㎜

に短縮されるので,実用化すると利点も大きいものと 判断される.

4.円錐形波刃エンドミルによる二番取り

 円筒形刃エンドミルにより大ねじの高速荒切りの可 能性が確認できたので,つぎに工具を円錐形波面エン ドミルに変えてねじ切りと同時に二番取りも行う実験 により一応の成果を得た.

ご磐蛋護

   灘     ぎ〜馨讐

   難㌻異,

       ぎ ...

繍晦鱒欝勝

 (a) Side view     (b) Front view Fig.10 Photographs of Grooves Backed−off

4.1 実験装置および方法

 使用した旋盤は前項3.2.1で示したものである.

本実験ではねじみぞ1巻につき8回の二番取りを行う ために,カムライズ11.4㎜の二番取りカムを装着した.

切削工具の円錐形波刃エンドミルの形状と主な仕様を Fig.9に示す.この工具は本来の用途,モジュール20,

圧力角20Qの大型歯車の荒加工用であるものを本実験 に転用したものである.被削材は前節3.2の実験でね じみぞの荒加工がされたもの,すなわちFig.5で示す ものである.切削条件はTable 6に示す3種類であ る.この条件の違いは送り速度を順次低下させたこと によるものである.

4.2 実験結果および考察

 Table 6に示すNα1の切削実験では,二番取り中に 過負荷のために工具回転が停止した.工具停止の原因は二 番取り加工に伴う半径方向切り込みのために切削負担が過 重になったためと思われる.この切削負担を軽減するため 送り速度を低くして条件Nα2で切削を行った.しかしこ の条件下でも二番取り加工の終りの段階,すなわち半 径方向切り込みが最大になる時点では被虐材,工具と もにビビリ振動が激しくまだ切削負担が過重と思われ

Fig.11 Details of Groove Backed−off

た。この時までに4回の二番取り加工が行われた.5 回目以降の二番取り加工は条件Nα3で行った.この条 件でねじみぞ1巻分の二番取り加工(8回)を終った 直後に工具回転が停止した.工具先端から同じ位置に ある三個の波面に異常摩耗が発生した.工具の駆動に,

定格回転数1700rpm(60Hz)のモータを周波数変換数

(8)

機によって952rpm(34Hz)に低下して使用したためモ ータ出力が不足したことおよび二番取り加工の最大切 削負担量に異常摩耗部の摩擦抵抗が付加されたことが 工具停止の原因と思われる.

 これまでの切削実験で二番取り加工を行ったねじみ そのようすをFig.10に示す.また被削材の軸直角断 面のみぞ形状をFig.11に示す.この形状から二番取 りの有効半径向切り込み量が10.08mmmmであったこと がわかる.またみぞ底の曲線はアルキメデススパイラ ルρ=17.112θ(ρ=動径,θ=回転角)であらわされ

る.

 ねじみぞ4.5巻の側面二番取りに要する時間T2は次 こように計算される.

 T2=n×(1/N);4.5/0.028=160min≒2H「40min バイトによる二番取りの加工時間16時間に比べると,

この方法により格段の時間短縮が可能である.

6.結  言

 筆削材である高速度鋼の大ねじを短時間で能率よく 荒加工する方法を探求した本研究を要約すると次のよ

うになる.

 (1)円筒形波刃エンドミルは安定した切削ができる.

またねじみぞ加工に要する時間は1時間20分ほどであ り,階段状エンドミルを使用すれば非常に有効な方法

である.

 (2)円錐形波刃エンドミルで二番取りを行いながら のねじみぞ荒加工は,2時間40分ほどで行うことが できる可能性があり,これまでの旋削と比べると大幅

に加工時間を短縮でき,有望な方法である.

 本研究の実験から次の諸点を改善すれば,円筒形波 刃エンドミルおよび円錐形波刃エンドミルによる高速 度鋼の大型ねじの荒切りは,さらに安定した効果が期 待できよう.

 (1)二番取り旋盤の主軸系のバックラッシュをでき るだけ除くか,被削材に振動防止用のブレーキをかけ る必要がある.

 (2)工具の駆動用モータは往復台に載せることが望 ましい.また低速域でもトルクが不足しないメカニカ ル変速モータを使用する必要がある.

 このような改善ができれば円錐形波刃エンドミルで ねじみぞ切削とねじみぞの側面二番取り加工を同時に 行う切削が,安定して可能になりこれまでの加工時間

を大幅に短縮できそうである.

 最後に本研究にご協力いただいた本学の前田,谷川 技官,二番取り旋盤ならびに被削材,工具を提供して いただいたアヅミ㈱に感謝します.

参考文献

1)R.C. Rysell;More about hobs, Tooling&

 Production, Apri 1981,75

2)鈴木;最近の高速・重切削用ハイス工具,応用機  械工学,1975年4月,82

3)西田・寺島・野中;ラッフィングエンドミルにお  ける最適切れ刃形状に関する研究,長崎大学工学部  研究報告,13,21(1983)

Table l Chemical Compositions of High Speed Steel Chemlcal  compositions (箔) Types JIS− 獅盾高・獅モ撃≠狽浮窒・ C Si 凹n Cr 1・」 MO V Co W−type SKH 2 0.70  〜 O.85 〜0.40 〜0.40 3.80 〜 S.50 17.00  〜 P9.00 0.80 〜 P.20 凹。−type SKH 9 0.80 〜 O.90 〜0.40 〜0.40 3.80 〜 S.50 5.50〜
Table 4 Main Specifications of Test Apparatus Maker Toyo Kikai 卜btor for spindle 3−phase, 6−pole, 1.1 k冒 U0Hz−1170 rpm Spindle speeds 0.008rPm 0.087 rpm 140tor ・盾秩@mming−cutte「 3−phase, 4−pole, 3.5 kWU0Hz−1700 rpm Frequency invert− ・秩@for m{11壱ng. モ浮狽狽・窒ns
Table 6 Milling Conditions with Taper Roughing End Mill

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