共働 き家庭のための住空 問 (その3)
‑ 共働 き家庭 の生活 と空間の特徴 ‑
中 島 喜代子
Ⅰ は じめに
前報 までに、家事労働 を合理化、団 らん化す る住空間 を生活時間 を媒介 に検討 し、さらに、
行動様式 と住居志向 よ り、共働 き家庭の住空間のあ り方 につ いて検討 して きたO(注1)しか し、
家事労働 の合理化や団 らん化 を押 し進 める要因は、住空間の あ り方、住 み方だけでな く、家 族の人的条件 や、家事労働 に対す る考 え方、家族 の生活条件、特 に出勤時間や帰宅時間、主 婦の転業形態等 によって も、大 きな影響 を受 けることが考 えられ るo(注2)この様 に、条件 は、
多種 多様 にわた ってお り、 この要 因を明 らかにす るのは、① 多変量解析 による要因分析 ② 実態、意識、客観需要 (江 3)(客観的にみた ときに、家事 の合理化 を必要 とす る家庭であるか どうか とい うこと。特 に、家族周期、家族人数、主婦の職業形態が これに該当するといえる。) の関連 の中で、実態 と意識のずれ、実態 と客観需要 のずれ を、 それぞれ、客観需要、意識 を 説明要因 として分析す る方法が考 えられ る。
本報 では、 こ うした要 因分析 に先立 って、まず、家事労働 の実態 と、家事 に対す る考 え方 、 家族の人的条件、階層的条件、住 み方の条件等 を、主婦の転業形態 の違 いを軸 にす ることに
よ り、共働 き家庭 の生活 と空間の特徴について検討す る。 そのため、本報 では、主婦の職業 形態 を、専業主婦、内職、パー ト、常雇 (自営 を含 む)の4種類 に分類 し、①家族の人的条 件、階層的条件 、家事の実態、家事 に対す る考 え、空間的条件 (住 み方)、台所 の条件 につ い て、主婦の職業形態別 に、 ∬2検定、順位相関係数 (ケ ン ドール)によって、有意差の有無、
共働 き家庭 の特徴 を分析 し、②家事の実態、空間的条件 、台所 の条件 は、特 に家族の人的条 件、中で も家族周期 と特 に関連す ることか ら、主婦の職業形態別、家族周期別 に さらに検討 す る。家族周期別 に分析 す る場合 は、主 に、内職、パ ー ト、常雇 いの家族 をまとめて共働 き 家族 とし、専業主婦の家庭 との比較 を行 う。
ⅠⅠ 調査方法および調査対象の概要
1.調査方法
三重県の四 日市市の笹川団地 内にある、2DK、3K、3DKの公団住宅 (5,6,7,8, 9,ll,12,22,23,24,25,26棟 )を対象 として、調査票 を調査対象 に一軒一軒直接配布 し、2‑ 3日後 に回収す る留置 きの アンケー ト調査 を行 った。 また、採用 した調査対象 は、
夫婦が存在す る核家 族 としたため、欠損家庭,拡大家族等 は除去 した。調査時期 は、昭和53 年5月19日‑ 6月7日までの20日間である。調査対象数 は表1に示す通 りである。
‑95‑
表1 調 査対象 数
住 宅 型 対 ー象 数 拒否 .回収不能数 守空室等 数.留 対 象外 .無 効 数 有 効 数 有 効 率 2DK 130件 17件 22件 7件 84件 64.6(港) 3K 180 31 25 7 117 65.0 3DX 140 20 5 16 99 70.7 計 450 68 52 30 300 66.7
2. 調査対象の概要
調査対象は、公団住宅居住者の特徴で、家族周期 において、末子6才未満 までの家庭で80
%以上 を占めているo また、家族人数 も、 3人、 4人が圧倒的であ り、 5人以上 は少数であ る。 主婦の職業形態 についてみると、内職、パー ト、常雇 を合わせて40%あま り存在す る。
家族周期 との関連でみると、末子3才未満で、専業、内職が多 く、末子が小学生以上 になる と、パー ト、常雇が多 くなってお り、現代における婦人の労働のライフサイクルがはっきり 現われている。
表2.調 査対象 の概 要 一 主婦 職 業形 態 別 家族 周 期 ,家族 人数 ‑
専業主 婦 (形) 内 職 (%) パ ー ト (形) 常 雇 (%) 全 体 (形) 夫 婦期 (o) 25(14.1) 2((5.1) 5(17.2) 18(32.8) 50(16.7) 家 末子3才 未満 (a) 107(60.4) 18(46.1) 1((3.4) 8(14.5) 134(44.7) 族 末子6才 未満 (b) 26(14.7) 12(30.8) 7(24.1) 14(25.5) 59(19.7) 周 末子小学3年 まで(C) 7 (4.0) 4(10.3) 9(31.2) 5 (9.1) 25 (8.3) 期 末子小学4年 以上(d) 7 (4.0) 1 (2.6) 7(24.1) 8(14.5) 23 (7.7) 不 明 5 (2.8) 2 (5.1) o(0.0) 2 (3.6) 9 (3.0)
蓋i妻妾6人 25(14.1) 2 (5.1) 5(17.2) 18(3.2.7) 50(16.7) 72(40.7) 9(23.1) 10(34.5) ll(20.0) 102(34.0) 69(39.0) 27(69.2) ll(38.0) 16(29.1) 123(41.0) ll (6.2) 1 (2.6) 3(19.3) 10(18.2) 25 (8.3)
注 :全て核家族で ある。
以下家族周期 を、0,a,b,C,d と略す.
調査対象数 は、2DKが84件、3Kが117件、3DKが99件である。各住宅型の平面 プランは図 1に示す通 りである。また、部屋の記号は、台所 に近 い方か らA室、B室、C室、D室 と付 した。
2DK型(39.4nf) 3K型(46.7rrf) 図1 調査対 象住 戸 平 面 図
3DK型l(48.Olrf)
ⅠⅠⅠ 調査結果および考察
共働 き家庭の生活 と住み方の特徴を明 きちかにす るため、主婦の職業形態別に、まず、家 族の人的条件、階層的条件 について分析 し、 さらに、家事労働の実態 と家事に対す る考え方、
住み万の実態について検討す る。
1.主婦の職業形態 と家族の人的条件、階層的条件
主婦の職業形態 を、専業 と職業 を持つ者にわけ、職業 を持つ者については、家庭における 労働 と家庭外での労働、労働条件の違 いについて考慮 し、 さらに内職、パ‑ ト、常雇 に細分 した。主婦職業形態によって、全体 として、どの様な差異があるかをみるため、 ここでは、∬2 検定 と、噸位相関係数 を用いることによ り、その傾向について検討す る。噸位相関係数 は、
主婦の職業形態については、専業,内職,パー ト、常雇の噸位 として把 え、説明変数の方は、
夫妻の年代、長子年令,家族周期、家族人数、結婚年数 については、低 い‑高い、少 い一多 い、短い一長 いの噸位 で各々把 える.学歴、世帯収入 も同様 に、低 い一高い、少い‑多いの 順位で把 える。
主婦の職業形態 と家族の人 的条件 は、 x2検定 において、
全て1%水準で有意差がある。
また、噸位相関係数 において も、家族人数 を除 き、他 は全 て1%水準で有意差がある。 これを個々にみてい くと、年 代 (夫、妻)では、パー トに おいて一番年代が高 く、常雇 では、年代の低 い層 と高 い層 にわかれ、専業では、低 い層 に片寄 り、内職 はその中間 と なっている。家族周期 も同様 で、育児負担 と主婦の職業形 態 とは非常な関連 を持 ってい
る。 (図2参照)
表3 主婦椎葉形態 と、家族の 人的条件 、階層的 条件 の関係 項 目 ㌔検定によ 噸短相関係数 に 傾 向
る有意水準 よ る有意水準 専 一円‑パ ー常
家
族 年年 代 (代 (夫 )妻 ) 11 t(lナI) ノ/I 低‑低‑ 高高
の 長子年令 1 (Il ′ 低‑ 高
人
的 家族周期 (末子) 1 (1) JP 低‑ 高
莱 家族人数 1 ‑ G 中‑ 少 .多
件 結婚年数 1 (1) ♂ . 短‑ 長 階 嘩 業 (夫 ) ‑ ×
層 学 歴 (夫 ) ‑ ‑ 狗
莱 学 歴 (妻 ) ‑ ‑
件 世帯収入 1 (1) ,7 少‑ 多 注 :表 中の数字、 1、 5、10はそれぞれ1%水準、 5%水準、10%
水準 で有意差 の あ ることを示す。
(以下 の表 も同様 )
,Pは正 の相関、 \は負 の相 関、 pGは両極現象つ ま りUター ン 現象 を示 してい る。
(以下の表 も同様 )
Xは順位 を とらない もの。 (以下 の表 も同様 ) 家族人数 において、順位相関係数で有意差
が現われなかったのは、パー トや常雇では、
2人 と5人が他 よ り多 く、専業では 3人が、
内職では4人が多 くなってお り、常雇 とパー 夫 婦 馴 )
トで、少 い場合 と多い場合の両極 を示すため 末子3才未満(a) 末子3才‑6才未満(ち) である。 末子小学校3年 まで(。)
階層的条件 として取 りあげた夫の職業の種 末子小学校4年以上(d)
類、夫 ・妻の学歴、世帯収入の うち、有意差 を示すのは、世帯収入のみである。 これは、
共働 きの形態 を取 る方が二人分の収入 となっ
‑971
(%)
0 50 100
⊂コ 等菜 園 内職 巨ヨ パート■轟常雇(自営) 図2 家族 周期別主婦の職業形態
て多 くなることと同時 に、年代の高低差による、夫の収入の高低差 とも関連 している。(表3 参照)
2.主婦 の職業形態 と家事労働の実態および家事 に対する考え方
ここでは、前節 1と同様に、x2検定、噸位相関係数 を使 って、家事労働の実態および家事 に対す る考 え方が、主婦の職業形態によって、 どうい う差異があるかを検討す る。
2‑ 1 主婦の職業形態 と家事労働の実態
本報で とりあげた家事は、特 に台所空間のあ り方 との関連 を考察す るために、全て調理、
食事等食生活 に関連す る行為に限定 している。また、家事労働 の合理化、楽 しみ化の実態 を 指標で示すため、合理化の型、楽 しみ化の型 として、パ ターン化 を行 った.(fi4)以下 に各型 の説明をす る。
家事の合理化 型は、電化合理化型、既製品化合理化型、機関利用合理化型、分担化合理化型 の4型 であ り、家事の楽 しみ化型 は、団 らん化楽 しみ型 と趣味化楽 しみ型の2型である。ま ず電化合理化型 の設定基準 は、調査 した電気製品の所有率 (冷凍庫 :90.9%、電子 レンジ : 30.1%、オーブン :36.8%、 トースター :94.3%、ジューサー ミキサー :68.4%、食器洗器
:2.6%、食器乾燥器 :6.3%、炊飯器 :98.2%、電子 ジャー :72.6%)の中で、あま り一 般的に使 われていない、電子 レンジ、食器洗い器、食器乾燥器の うち、一点以上 をよ く使用
し、かつ家事の合理化 に役立つ と考 えている家庭 を電化合理化型 とした。既製品合理化型 は、
インスタン ト食品 (冷凍食品、 レ トル ト食品、既製のそ うざい)を週 に3回以上使用す る家 庭 とした。機関利用合理化型 は、出前か、家族そろっての外食 を過 1回以上行 っている家庭 とした。次に、分担合理化型 は、表4にあげた19項 目の食生活 に関す る家事行為について、
それぞれ 「ほ とん ど毎 日す る」を1点、「週に3‑4回す る」 を2点、「週に 1‑2回す る」を 3点、「月に1‑ 2回す る」 を4点、「まった くしない」 を5点 として各家族員について点数 化 した結果、妻の分担率が80%以下の家庭 とした。 (表4参照)
表4 主婦職業別夫の分担度 (数字 は平均点) 項 目 専業主婦 内 職 パ ー ト 常 雇 x有 意 水 準 噸位相関2検定によるによる有意水準係数
食料品の買物 l 4,1 4.2 4.3 4.1 ‑ ‑ 食器を用意する 4.8 4.9 4.8 4.6 ‑ ‑
米をとぐ 4.9 5.0 4.8 4.6 5 (い
炊飯器のスイッチを入れる 4.8 4.7 4.6 4.5 ‑ (5)
.卓上調味料を食卓にもつていく 4.7 4.8 4.8 4.5 ‑ ‑■
食事をつくる 4.7 4.7 4.6 4.5 ‑ (lO
ごはんのもりつけ 4.8 4.7 4.令 4.4 5 (lO
ごほんのおかわりのもりつけ 4.6 4.6 4.6 4.6 ‑ ‑
おかずのもりつけ 4.9 4.9 4.8 4.6 ‑ ‑
お茶を入れる 4.3 4.2 4.0 4.1 1 (5)
食後食器を流しに運ぶ 4.6 4.6 4.6 4,2 1 (い
食器を洗う 4.8 4.7. 4.8 4.4 5 (1)
食器をふく 4.9 4.9 4.9 4.7 ■■■‑■■ ‑
食前に食卓をふく 4.8 4.9 4.6 4.5 ‑ (5)
食後に食卓をふく 4.8 4.8 4.6 4.5 ‑ (5)
卓上調味料を片づける 4.9 4.9 4.7 4.6 10 (5)
声棟に食器をしまう 4.9 4.9 4.9 4.6 1 (I)
残り物を冷蔵庫にしまう 4.8 4.7 4.6 4.5 10 (1)
注:「ほとんど毎日」を1点、「週に3‑4回」を2点、「遇に1‑2回」を3点、「月に1‑2回」
を4点、「まったくしない」を5点とした。
また団 らん化楽 しみ型 は、楽 しみ としての家事行為であるお菓子作 り、飲み物作 り、新 し い料理 に挑戦す るとい う行為の うち、1件以上の行為が好 きで、家族揃 って行 っている家庭 である。趣味化楽 しみ型 は、上記3行為の うち、2件以上の行為が好 きで、それを妻1人で 行 っている家庭である。
以上の様な設定基準で導 き出 された型 は、電化合理化型 (49件)、既製品化合理化型 (64
件)、機関利用合理化型 (66件)、分担化合理化型 (42件 )、団 らん化楽 しみ型 (55件)、 (趣 味化楽 しみ型 (80件 )である。 (1軒の家庭で上記の型 が重複す ることもあ るため全体 で 300件 を越 えている。)これを、主婦の職業形態別にみると、機関利用合理化型、分担合理化 型 で差が顕著であ り、パー ト、常雇で多 くなっている。 また、趣味化型 に も差があるが、こ
の型 は、逆 に専業家庭で多 くなっている。電化合理化型 に もやや差がみ られるが、 この型 の 場合は、内職 と常雇で多 くなっている。 (表5参照)
表 5 主婦職業形態別合理化 型 、楽 しみ化 型比率 と検定
壁 専 業(料 内 職(港)パー ト 常(%) 雇(%)∬る有意水準2検定 によ 噸位相関係数による有意水 準 傾専 一内‑パ ー常向 電化合理化型 15.9 34.3 14.3 22.5 10 (10)/ l少 い‑ 多 い 既製品化合理化型 20.8 23.7 21.4 28.0 ‑ ‑
機関利用合理化型 18.2 15.4 24.1 40.7 1 (1)′ 少 い‑ 多い 分担化合理化型 8.4 15.5 36.0 27.7 1 (1) ,7 少 い‑ 多 い 団 らん化楽 しみ型 18.9 23.7 16.0 21.3 ‑ ‑
趣 味化楽 しみ塾 33.7 10.5 25.9 25.0 5 (5)㌔ 多い一一一一少 い
2‑2 主婦の職業形態 と家事に対す る考 え方
次 に、主婦の職業形態別 に、家事 に対す る考 え方 を、夫 と妻についてみると、実態 におい て も差 がみ られた機関利用 による合理化に対 して、夫、妻 ともに、専業ではこの考 え方 は少 く、職業 を持つ万が多 くなっている。電化、既製品化 によ り合理化 を計 る考 えは、夫で、家 族分担 による合理化の考 えは妻において、主婦の職業形態の違 いによ り差がみ られる。 (義
6参照)
表6 主婦職業 形態 別家事 に対する考 え(美 、妻)の比 率 と横 定 (多 項 目 回 答 )
項 目 専 業 内 職 パ ー ト 常 雇 ∬2検定 による 順位相関係数 に 傾 向 (%) (%) (%) (形)有 意 水 準 よ る有意水準 守一.内‑パー常 主婦専担 (夫 ) 64.7 79.3 52.4 53.7 ‑ ‑ /
家族分担 (夫 ) 32.0 20.7 33.3 41.5 ‑ ‑
電化 .既製品化 (夫 ) 4.7 6.9 4.8 14̲6 ‑ (5) ♂ 否定一一 肯定 機関利用 (夫 ) 4.7 17.2 19.0 17.1 5 (1) ♂ 否定一一 肯定 団 らん化 (夫 ) 26.7 17.2 38.1 36.6 ‑ ‑
主婦専担 (妻 ) 33.5 42.9 42.9 30.2 ‑ ‑
家族分担 (秦 ) 56.7 54.3 67.9 73.6 ‑ (5) / 否定‑ 肯定 電化 .既製 品化(妻 ) 6.7 5.7 14.3 ll.3 ll‑ ‑
機関利用 (秦 ) 7.3 20.0 7.1 30.2 1 (1) / 否定‑ 肯定
荏 :「家事 は本来 、主婦 が処理す ることで、家族 に分担 させ ない方 が よい」 (主婦専担 )
「家事 は主婦 だ けが負 う負 担でな く、家族で分担 して処理 した方 が よい」 (家族分担)
「家事 はな るべ く電気製品や インス タン ト食品、既製品 を使 った りして、負担 を少 な くす る方 が よ い」 (電化 ・既製品化 )
「保育所 や ク T)‑ニ ングや外食 な どの社会的 な機 関 を利用 して、家族 内での家事の負担 を少 な くし た方 が よい」 (機 関利用 )
「家事 を家族員の楽 しみ として とらえ、みんなでや った方 が よい 」(団 らん化 )
‑99‑
以上の ことについて考察す ると、主婦の職業形態別に特徴のあることが判別で きる。つま り、専業や内職では、家族分担の考 えが少 く、専業では合理化 はいづれ もあま り行われてお らず、主婦による家事の趣味化が進んでいる。内職では、まず家庭内で行 え、 しか も他の家 族に負担をかけずに行 える電化による分担化が進んでお り、パー トでは、家庭の中で行 える 家事の分担化が進んでいる。常雇では、家庭内で行 える家事の分担化 と同時に、家庭外で行 なわれ、家族の家事負担 を家庭外の労働に転化 し、家庭内の家事 を減少 させ る機関利用によ る合理化が進んでいる。 つま り、家事の合理化の実態が、主婦 1人で行 うものか ら、家族分 担による家庭内で主婦以外 も含めた家事行為者の拡大へ、 さらに、家庭外へ と範囲を広 げて いることが指摘で きる。 しか も、 この ことが、専業主婦→内職→パー ト→常雇 とい う主婦の 職業形態の違 い と一致 している。 また、 この実態が、家事に対す る考 え方 に も裏打 ちされて お り、特 に家庭外‑広がって行 く機関利用による合理化 に対 しては、考 え方が実態 と連動 し ている。
2‑3、家族周期 と家事労働の実態および家事 に対す る考 え方
家事の実態および家事に対す る考 え方は、主婦の職業形態の違 い と関連のあることを指摘 したが、前節で もみた様に、主婦の職業形態の違 いは、家族の人的条件、中で も家族周期 と 非常に関連が強 いため、家族周期別に家事の実態および家事の考 え方 をみる必要があろ う。
そこで、次に家族周期別に以上のことを検討す る。本調査対象では、内職、パー トは人数が 少いため、単独でみることに無理があ り、そのため内職、パー ト、常雇 をまとめて共働 き家 庭 とし、専業家庭 との比較 を行 う。また家族周期 について も、C,d段階の ものが少 いため、
C とd をまとめて末子小学生以上 として分析す る。 (以下家族周期別に検討す る場合 には同 じ扱い方 をす る。 )
まず電化合理化型 は、家族周期が、末子 6才未満 (a,b)までで、特に開 きがあ り、家 事負担の大 きいこの段階で、共働 き家庭 と専業家庭 とに差が生 じている。 (図3参照)
既製品化合理化型 では、専業家庭 と共働 き家庭 との間で差がみ られないのは、全体の場合 と同様である。 (図4参照)
o a b c+d
家族周期
注 :bで順位相関係 数 (TAUB) 10%水準 で有意
図3家族周期別電化合理化型の割合
o a b c+a
家族周期
図4 家族周期別既 製品化合理化型の割合
機関利用合理化型 は、子供が末子 3才一 6才未満の段階 (以下 bと略す)で差があ り、子 供 を外へ連れ出 しやす く、 しか も家事負担の大 きい段階で、専業家庭 と共働 き家庭に差がみ
られる。 (図5参照)
分担化合理化型 は、子供が末子3才未満 と末子小学生以上の段階 (以下C+dと略す)で 差が大 きい。 これは家事量が非常に多い段階 と表4でみた様 に、夫の家事負担は全体的に非 常 に少 く、平均で どの職業形態において も、月1‑2回 とい う分担以下であることか ら、子 供が分担可能な小学生以上になった段階で、専業家庭 と共働 き家庭に差 を生 じていると考 え
られ る。 (図6、表4参照)
(%) 50
‑ 専 業 家 庭 一一一 共働 き家庭
\
\ 八
\ / \
\ / \
\ / \
\ /
o a ち c+a
家族周期 注 :bで=25%水準で有意
頓位相関係数(TAUB) 5%水準で有意
図5 家族周期別機関利用合理化型の割合
o a b c+d
家族周期
注 :且でx210%水準で有意、噸位相関(TAUB) 5,̀水準で有意
C+dで噸位相閑 (TAUB)10%水準で有意
図6 家族周期別分担化合理化型の割合 団 らん化楽 しみ型 は、全体の場合 と同様に両者 に差はみ られない。 (図7参照)
趣味化楽 しみ型 は、子供が小学生以上 にな り、家事負担の少 くなった段階 と、夫婦2人の これ も家事負担の少 い段階で、専業家庭 と共働 き家庭に差がみ られ、専業主婦の趣味化 は、
家事負担の少 い段階で行われていると考 えられ る。 (図8参照)
図7 家族周期別団 うん化楽 しみ型
ー101‑
o a b c+a
注 :C+dで325%水準で有意 噸位相関係数(TAUB)
1%水準で有意
家族周期
図8 家族周期別趣味化楽 しみ型
次 に妻の家事 に対 す る考 え方 を、家族周期別 にみてい く。家事分担による合理化の考 え方 が、専業、共働 き家庭 ともに、末子が小学生以上の時 に一番 多 くなってお り、夫 よ り子供 に 対す る期待が両者 ともに大 きい と考 えられ る。 しか し、共働 き家庭 では、家庭周期が高 くな るに従 い、家事分担 による合理化の意識が多 くなるのに対 し、専業家庭 では、末子が小学生 になるまでの段階では、家族周期が高 くな るにつれ、家事分担の考 え方 は少 くなっているの が特徴的であ り、夫への期待の減少 と軌 を一 に しているのではないだろ うか。そのため、専 業家庭 と共働 き家庭 の差 は、末子が 3才〜6才未満 (b)の段階で一番大 きくなっている。
(図9参照)
電化、既製品化 による合理化の考 え方 は、全体 の場合 と同様両者 にあま り差はみ られない が、末子3才‑ 6才 でやや差がある。 (図10参照)
o a ち c+a
家族周期
注 :bで噸位相閑 (TAUB) 5%水準で有意
50 ‑ 専 業 家 庭 一一一 共働 き家庭
///b∴こ「こー
o a ち c+d
家族周期
症 :bで噸位相関(TAUB)109̀水準で有意
図9 豪族周期別分担化合理化の考 え(妻) 図10家族周期別電化 、既製品化合理化の考 え (秦)
機関利用 による合理化の考 えについては、専業家庭 と共働 き家庭で、対称的な動 きを示 し ている。つま り、専業家庭では、末子3才〜 6才未満 で最低 にな り、末子が小学生以上 の段 階で最高 になってい るのに対 し、共働 き家庭の方 は、末子3才‑6才未満 で最高 にな り、末 子小学生以上 にな ると最低になっている。 これは、実態 ともよ く似 た流れになってお り、共 働 き家庭では、家事負担の高い末子3才〜6才未満 七機関利用 を志向 し、末子が小学生以上 にな り、分担が行 なわれて家事負担の減少 とともに、その志向は減少 している。それに対 し、
家族による家事分担が得 られない専業家庭 においては、子供 が、出前、外食 を要求 し出す末
子小学生以上 の段階で高 くなっているもの と考 えられ る。 そのため、専業家庭 と共働 き家庭 の差は、末子が3才未満で差を生 じ末子 3才‑ 6才未満 の段階で一番大 きくなっている。
(図11参照)
家事の団 らん化 に対す る考 えは、全体 と同様 あま り大 きな差がみ られないが、実際に子供 による分担が行われる共働 き家庭では、家族のコ ミュニケーシ ョンの手段 として良い方法 と な る家事 を媒介 にした団 らん化の考 え方が強 くな り、特 に、末子小学生以上で、専業家庭 と の差が大 きくなった もの と考 えられる。 (図12参照)
o a ち c+d
家族周期
注:且でx2検定10%水準で有意 、頓位相関(TAUB) 5%水準で有意 bでx2検定1%水準で有意、噸位相関(TAUB) 1%水準で有意
図11家族 同期別機関利用合理化の考 え(秦)
50
‑ 専 業 家 庭 一一 一 共働 き家庭
\\ ′一一一‑一一一
o a ち c+d
家族周期
図12家族周期別団 らん化の考 え(秦)
3.主婦の職業形態 と住み方 における台所の実態および台所の希望
食生活に関す る家事の合理化,団 らん化等 は、空間 としては、台所のあ り方が一番大 きく 関連す ると考 えられ る。本報では、設計段階で考 えられている、K型、DK型 とは別 に、住 み方の実態 としての台所型 を把 えた。 ここでは、KA型、KB型、DK型、LDK型、FR型 と い う5つのタイプの台所の型 を設定 した。その設定基準 を示す と、KA型は、台所 に食卓が 置かれていず、また、台所 と隣の部屋が ワンルーム化 されていない場合であるoKB型 は、
台所 と、その他の部屋の両方 に食卓が置かれてお り、主 に朝食は台所の食卓で行い、夕食は 台所以外で行 う場合であ り、KA型 と同様 に、台所 と隣の部屋が ワンルーム化 されていない型 である。DK型 は、台所 に食卓が置かれてお り、 ここで食事 を行 う場合であ り、 この場合 も 台所 と隣の部屋がワンルーム化 されていない型である.LDK型 は、台所 と隣の部屋 が ワン
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ルーム化 されてお り、食事 に使用す る家具 と団 らんに使用す る家具が別の場合である。F・R
型 は、LDK型 と同様特台所 と隣の部屋が ワンルーム化 されてお り、食事 と団 らんに使用す る家具が同一の場合である。 この様に種々の指標 を総合化 した台所型、お よび台所 と隣の部 屋の開閉の度合 (ふすまの数で表わしているが、必ず しもふすまだけとは限 らず、家具で仕 切 られ る場合 もふすまの枚数 に換算 して算定 した。)、 さらに家具配置の側面か ら、食卓の置 かれる場所、冷蔵庫、食器棚の位置等 と主婦の職業形態 との関連 について考察す る。
3‑ 1 台所型
まず、住み方 としての台所の実態についてみると、主婦の職業の形態別には、x2検定、順 位相関係数 (この場合、台所の食事、団 らん空間 との開放度、近接関係 によ り、KA型、KB 型、DK型、LDK型、F・R型の噸 に噸位づけた.)共 に有意差 はみ られない。■(図13参照)
(形)
0 50 100
休業職卜雇
全専内パ常
□KA型 匿国 KB型 巨∃ DK型
ロ LDK型∈ヨ F ・R型
図13主婦職業形態別台所型
また、専業家庭 と常雇 とが非常 に似た台所型の構成比 を示 してお り、パー ト、内職で、冗 A型、KB型 といった台所が食事、団 らん空間か ら閉 ざされた型が少 くなっている。
しか し、家族周期 によって違 いがあることも考 えられ る。そこで、次に家族周期別に台所 型 の比率をみてい く。夫婦期 (以下 Oと略す)では、開放、閉鎖oj傾向に差はない.末子3 才未満 (以下aと略す)では、共働 き家庭の方が開放の傾向を もつ 。末子3才‑ 6才未満で は、型 にば らつ きがあるが、開放閉鎖の傾向に一定性はない。末子小学生以上 (C+d)で
は差はない。 (図14、15、16、17参照)
(%) (%)
KA KB DK LDK F・R 台所型
XA KB DK LDK F・R 台所型
図t4住み方 としての台所型 (主婦期):o 図15住 み方 としての台所型 (末子 3才未満期):a
KA KB I)K LDK F ・R
台所型 図16住み方 としての台所型
(末子 3才〜6才未満期):b
KA KB DK LDK F・氏
台所型 図17住み方 としての台所型
(末子小学生以上期):C+d
特 に、共働 き家庭の うち常雇 について、 さらに専業家庭 との比較 をす ると、家族周期 。、
C+d段階では差はないが、a段階で常雇が、b段階では逆 に専業がやや開放の傾向 を持っ (図18参照)
0ab AB冗D・AB冗D・AB冗D・冗KDLFKXDLFK冗DLF K氏K良K良K氏ABKD・KKDLFd+C
(% )
50 100
‑ 専業家庭 一一一 常 雇
図18家族周期別住み方 としての台所型
また、住宅型 が住み方の台所型 に影響 を与 えることも考 えられるため、DK型 タイプとK
型 タイプ、つま り2DK・3DKと3Kに対象 を分 け、対象数の多いDK型 タイプについて同様 に 行 ってみると、家族周期 O、 bで専業が開放 に向い (この場合両方 とも噸位相関係数 5%未 満 で有意)、aでは共働 きが開放の傾向を示 し、全体の場合 と同傾向であるといえる。 (図19 参照)
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KR
ABKD・
冗KDLF
Ob K氏冗RABKD・ABKD.KKDLFKKDLF K氏ABKD,冗KDLF
d+C
(形 )
50 100
注:Oとbにおいて、噸位相関 (TAUC) 5%水準で有意 図19 2DK・3DK型住宅 における住 み方 と しての台所型
次に台所型の希望についてみる。パー ト、常雇で、LDK型、F・R型 とい う開放型 の台所 型希望が多 くなっている。 (図20参照)
(%)
0 50 100
全 体 専 業 内 職 パ ー ト 常 雇
:::::.I:::::::::::::::::::: :・:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::一::::.:::.:::.:::.:::.::.:::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:: ;;;古宇;;;;;;古.:≡;:::.:::;:;:;:;:;:;:::
:.:‑:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
⊂=]KA型 匠 ∃ DK型 巨 ∃ LDK型 屯 F・R型
注 :㌔ 5%水準で有意
希望の台所型は、KA型、DK型、LDK型、F・R型 の四型のいずれか一つを選択する方法をとった。
図20主婦 職業形態別希望の台所型
家族周期別 に希望 をみ ると、家族周期 Oで共働 き家庭が開放、C+dで も開放の傾向があ るが、&、bでは差がみ られない.つ ま り、家事負担の大 きい &、b段階においては、希望の 上 では専業 、共働 き家庭 に差はみ られないO (図21、22、23、24参照)
KA DK LDK F・R 希望の台所型
注 :噸位相関係数(TAUC)10%水準 で有意
図21希望の台所型 (夫婦期):o
KA DK LDK F.氏 希望の台所型
言、
‑ 専 業 家 庭
‑‑ 共働 き家庭
KA DX LDK F・R 希望の台所型
図22希望の台所型 (末子 3才未満期):a
KA DK LDK F・R 希望の台所型
図23希望の台所型 (束子 3才〜6才未満期):b 図24希望の台所型 (末子小学生以上期):C+d
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