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結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

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Academic year: 2021

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(1)

ヒト血中血小板由来増殖因子に関する基礎的研究な らびにその測定意義に対する疫学的研究

著者 吉田 雅美

著者別名 Yoshida, Masami

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成7年7月

発行年 1995‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15233

(2)

医博甲第1145号 平成6年12月7日 吉田雅美

ヒト血中血小板由来増殖因子に関する基礎的研究ならびにその測定意義に対す る疫学的研究

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

福田龍二 松田保 中村裕之 教授

教授 助教授 主査

副査 論文審査委員

内容の要旨及び審査の結果の要旨

血小板由来増殖因子(platelet-derivedgrowthfactor,PDGF)は,動脈硬化の発生や進展等に 重要な役割を果たしているとされる血清因子であるが,一般健常人におけるPDGFの動脈硬化症に対す る意義を疫学的なアプローチによって解明する試みはいまだなされていない。また振動暴露により引き起 こされる動脈内膜肥厚に対してもPDGFの関与が疑われるにも関わらず,それに対する十分な検討はな されていない。そこで著者は一般健常人に対し健康診断時のPDGF測定に加えて,振動工具使用者に対 し手腕振動暴露試験がPDGFに及ぼす影響を検討したが,その結果は以下の如くである。

1.ゲル漁過法および高速液体クロマトグラフィー(highperformanceliquidchromatography,

HPLC)を用いてヒト血清からPDGFを分離した結果,ヒト血清中のPDGFのアイソフォーム比は PDGF-ABを約65%,PDGF-BBを約35%であると決定された。著者の方法は従来の方法に比べ,個々 の症例におけるPDGFアイソフォームの存在比を知る上でより簡便な方法として有用な手法であり,

またそれぞれのアイソフォームの生理的意義の解明にも役立つと考えられた。

2.健常人182名を対象に,動脈硬化の危険因子とされる高脂血症,高血圧症や糖尿病などの疾病,ある いは喫煙状況とPDGFとの関係を検討した結果,総コレステロールとPDGFに正の相関が認められた。

動脈硬化症とPDGFとの関連を示す量一反応関係についての証拠は得られなかった。

3.振動起因性白指症(vibration-inducedwhitefinger,VWF)の発現機序を解明するために,振 動検診受診者15名(対照群8名,VWF群7名)につき1回の手腕振動暴露前後の血中PDGF値の変 化を調べた。対照群とVWF群の負荷前のPDGF値は差がなかった。また対照群では振動負荷後の PDGF値は有意に上昇したが,VWF群では負荷後の有意な低下が認められた。この結果からVWFの 発現機序の一つとして,繰り返しの振動暴露が引き起こすPDGFの放出が,振動刺激部位近傍の局所 の血管に作用し器質的変化をもたらすことが示唆された。

以上本研究は,健常人および振動工具使用者におけるPDGFの測定意義に対する疫学的知見を得ると ともに,VWFの発現機序の一因を明らかにし,動脈硬化症の疫学および労働衛生学の領域に寄与する貴

重な労作として評価された。

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