アメリカコロラド州における幼児教育の実態
吉 野 順 子
はじめに
近年著しく国際化が進む中で、本学では平成5年 度、国際化企画推進室を設け、「海外英語講座」、
「幼児教育国際比較」の二つの講座を開講した。
「幼児教育国際比較」は児童教育学科の学生を対 象とし、春休みに 2週間、アメリカのコロラド朴
lの 幼児教育の現場で実習を実施している。 2 週間の日 程のうち
1週間はアメリカの一般家庭(教育関係者 の家庭)にホームステイして幼稚園などで実習を行
う 。
この企画の実現にはアメリカサイドのスタッフの 大きな協力態勢が必要不可欠である。退職した教員 たちのグループで作ったエデウ・ツアー
(EduTour)という非営利団体がコロラド滞在中の全日程を企画 している。実習校、ホームステイ先の決定、現地で の移動(小型バス手配と運転)、アメリカの幼児教 育に関するオリエンテーション、見学などこまやか な配慮がなされ、安全で有意義な実習が行なえてい る 。
毎回、ほぼ
50名前後の学生が参加し、アラモサ、
•一ぶナ-閉工LY-
I図
1実習
4地域
宿 輪 忍 生
表
1引率教員数及び参加学生数
1年
2年 合計 引率教員 平成
5年度
36 17 53 5平成
6年度
30 4 34 4平成
7年度
54 2 56 4平成 8 年度
49゜49 5
合 計
169 23 192コニファー、コロラドスプリングス、エリザベスの
4地域(図l )に分かれ、それぞれの幼稚園でのプロ グラムにそって指示されたクラスに入り実習を行な う。過去4 年間の参加学生及び引率教員数は表
1の通 りである。主として日本の歌、遊戯、紙芝居、折り 紙、簡単な言葉、数などを教え、一緒に遊び子供た ちと交流する。心からの温かい歓迎、人なっっこい 子供たち、コロラドの大自然など素晴らしい思い出 を胸に最終日には皆、涙、涙で別れを惜しむのであ る。教育システムや教室内の様子など、日本と異な る点や学ぶ点も多く、過去 4 回の実績を振返り、こ の企画の準備から内容、コロラドの教育事情までを まとめ、その実態を報告する。
●9 ● 7,
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-‘·~ ;r i, :9 9 i, /,.、~-'一—.^ベ図
2アメリカと同緯度・同縮尺の日本
ー 「幼児教育国際比較」の概要
ために個別指導は現地到着後、実習前夜まで続けら れる。
1.
準備
新入生を対象に 4 月にはこの講座について説明を 行なうが、申し込みなど具体的な準備は 9 月から行 なわれる。学生対象及び引率教員のオリエンテーシ ョン、ミーティングの日程は表 2 の通りである。主 に昼休み、放課後を使って行われるため、集りが悪 かったり提出物が徹底しなかったりすることもあっ たが、平成 8 年度から国際化企画推進室に嘱託員が 置かれるようになって、この点は大幅に改善された。
旅行会社との事務手続き、アメリカサイドとの打ち 合わせ、学生指導及び教材の準備などが主な準備事 項である。
学生指導は全員対象のオリエンテーションの他、
4 地域のグループ分けが決まると、各グループ担当 の引率教員とグループごとのオリエンテーションが 中心になる。グループオリエンテーションでは、各 実習校(園)やホストファミリーについて話す前年 度参加者とのミーティング、英語、歌、折り紙の練 習などを行なう。実習課題は学生が各自で準備する
表 2 オリエンテーション日程(平成 8 年度)
月 日 内 容
9 /11
( 水 ) 全体オリエンテーション
1(説明会)
9 /18
( 水 ) 学内申し込み締め切り(教務第一課)
11/ 18
( 月 ) 引率教員打ち合わせ会議
l 11/20( 水 ) 全体オリエンテーション
2 11/29( 金 ) 全体オリエンテーション
3 12/ 2( 月 ) 地域別オリエンテーション ( コ ロ ラ ド ス
7゜ リ ン ゲ ス )
12/ 6
( 金 ) 地域別オリエンテーション ( ア ラ モ サ 、 コ ニ
7ァ ー 、 エ リ サ ト ベ ス )
12/ 9
( 月 ) 全体オリエンテーション
4 12/11( 水 ) 引率教員打ち合わせ会議
21 /17
( 金 ) 引率教貝打ち合わせ会議
31 /20
( 月 ) 地域別オリエンテーション ( J n ラ ド ス
7゜リンゲス、エリサ、ベス)
1 /24
( 金 ) 引率教員打ち合わせ会議
4地域別オリエンテーション ( ア ラ モ サ 、 コ ニ フ ァ ー )
1 /27( 月 ) 全体オリエンテーション
5 1 /29( 水 ) 引率教員打ち合わせ会議
52/3
( 月 ) 折り紙ワークショップ
地域別オリエンテーション ( コ ロ ラ ド ス
7゜ リ ン ゲ ス )
2/7
( 金 ) 地域別オリエンテーション ( ア ラ モ サ 、 コ ニ
7ァ ー 、 エ リ サ 、 ベ ス )
2 /19
( 水 ) 全体オリエンテーション
62.
現地での活動日程
日程は、後期の試験も終わり春休みに入った 2 月 末からの 2 週間で、表 3 の通りである。
コロラドスプリングスに到着後 3 日間は現地に慣 れるため、ホテルに宿泊し、アメリカの幼児教育に ついての講義を受けたり、実習の準備をしたり、デ ンバー地区の見学を行なったりする。 4 日目にコロ ラドスプリングス地域のグループはホテルで、その 他の三つの地域の学生は専用バスで移動し、各地域 でホームステイ先の家族と対面する。 5 日目の日曜 はホストファミリーと過す。
2
週目の月曜から実習は始まり、午前8 時から午後 3 時頃まで学校で過し、放課後はそれぞれのホスト
ファミリーとショッビング、食事、見学などを楽し む。実習は金曜日の午前中まで行なわれ、午後にそ れぞれの地域からコロラドスプリングスヘ戻る。再 び全員同じホテルに 3 日間宿泊し、実習のまとめ、
見学、お別れパーティーなど行なった後、帰国の途 に就く。
表
3現地活動日程表(平成
8年度)
月 日 活 動 内 容
2 /26
(水)成田出発・コ日ラドス
7゜リンゲス到着
2 /27
(木)オリエンテーション及び実習準備
2 /28
(金)デンバー地区観察・見学
3/1( 土 )
4地域へ移動
3/2
(日)ホストファミリーと諸活動 3/3 ( 月 )
I I
幼稚園(小学校)で実習 3/6 ( 木 )
317
(金)各地域からコ日ラドス
7゜リンゲスヘ移動
3/8
( 土 ) コ ロ ラ ト ' ,
J..7゜リンゲス地区観察・見学
3/9
( 日 )
実習まとめセミナー•お別れJヽ゜ーティー 3 /10(月)コロラド出発
3
/1 I(火)成田着
宿 泊 ホ テ ル
ケ ク
ホ ー ム ス テ ィ
ク
ク
ホ テ ル
ク ク
機内
3.
成績評価
1 週間の実習期間中、引率教員は担当地域の各学
校を
2、3 回ずつ訪れ、学生たちの健康状態や指導の
様子などを見てまわる。帰国前日に行なう実習のま
とめでは、学生たちに実習の報告をさせ、実習録を
提出させる。その後、引率教員全員で集まり、事前
の準備の段階での取り組み姿勢から実習中の様子、
実習録の内容などを話し合い、科目担当教員が成績 評価を決定する。参加学生には演習 2 単位が与えら れる。
2 コロラド州の地理と概要
コロラド
1+1は
19世紀半ばに金や銀が発見されたこ とから発達が始まり(いわゆるゴールドラッシュ)、
1876
年に第
38番目の州としてアメリカ合衆国に加盟 した。
9}│、Iの中央を南北にロッキー山脈が連なり、西 にコロラド台地、東に大平原が広がっている。長方 形をしだ州の広さは、日本の本州とほぼ同じで、州 都デンバーは、日本の盛岡、秋田とほぼ同緯度、北 緯
39度
30分に位置している(図
2)。
}l1の半分以上を 占めるロッキー山脈には富士山より高い海抜 4000 メ ートル以上の山が
53も連なっている。世界的に有名 なスキー場が
26箇所もあり、アメリカ人の間でも人 気のスキーのメッカとなっている。
1+1都デンバーは 海抜
1600メ ー ト ル ( =
1マイル)の高地にあるため
「マイルハイシティー」と呼ばれ、アメリカ中西部 の中心都市として近年著しい発展を続けている。年 間
300日以上が晴天で、雨は非常に少なく空気がと ても乾燥しているが、生活するには過しやすい気候 である。そのためハイキングやサイクリングなどの アウトドア活動には格好の場所である。デンバー及 び近郊都市の人口は現在約
200万人で、ここ数年ア メリカの景気の流れとともに他州よりの居住者が増 え、商業、移住区域も郊外へと広がっている。
コロラド9
]11は全米の中で教育水準の高い
}l・Iの一つ で、研究活動を重視する主要 4 大学を始め、学部教 育に重点を置くコミュニティー、大学、短大のネッ
トワークが含まれている。主要 4 大学はコロラド)廿 立大学、州立コロラド大学、私立デンバー大学、コ ロラド鉱業大学である。これらの大学では、
']'1‑1政府、
連邦政府を始め、外国及び国内の企業による強い支 持を受けており、年間数百万ドルの助成金を得て研 究活動が行われ、新しい産業が生まれる源となって いる。またスポーツ、レクリエーション、芸術も盛 んで、自然の美しさにかけてはコロラド)
+Iに匹敵す る場所はあまりないといえる。
3
コロラド州の教育戦後の日本における学校教育制度はアメリカから 学んだものであるが、日本で六•三・三制が堅く保 持される中、アメリカではその形態が徐々に変わり つつある。そこでコロラド)廿における幼児教育及び 初等教育制度の現状と教育改革に乗り出した州政府 の方針について報告する。
1.
教育制度
日本でいう幼稚園に相当するものには、プリスク ール
(preschool)とキンダーガーデン
(kindergarten)がある。プリスクールが対象とするのは一般に 2 オ 半から
5オまでの子供たちで、キンダーガーデンは
5、 6 オ児が対象となる。公立小学校にはキンダーガー デンが含まれているが、プリスクールから置く学校 も増えつつある。キンダーガーデンの前にプリ・キ ンダーガーデン
(pre‑kindergarten)というクラスを設 けている学校もある。これは主にプリスクールに通 わずにキンダーガーデンから始める子供たちのため で 、 1 年間の準備期間を与え、幼稚園での集団生活 に慣らそうという考え方に基づくものである。
キンダーガーデンの次は、ファーストグレイド
(first grade)、日本でいう小学校
1年生の学級に入る。
しかし、ここでもまたキンダーガーデンとファース トグレイドの間にプリ・ファースト
(pre‑first)ある いは、 トランジショナル・ファースト
(transitional first)と呼ばれる学級を設け、キンダーガーデンは終 了したが、
1年生のクラスに入るには、まだ少し準 備が足りない子供たちを
1年間教育するための場を 提供する学校が増加している。年齢という枠にとら われずに、それぞれの子供の発達段階に応じた教育 を目指し、柔軟な姿勢で取り組んでいる様子が窺わ れる。
コ ロ ラ ド ' } │ 1 の 公 立 エ レ メ ン タ リ ー ス ク ー ル
(elementary school)、日本でいう小学校では一般に
プリスクールまたはキンダーガーデンと
1年生から
5年生までを含む所が多い。このような公立小学校は
K‑5(ケーファイブ)と呼ばれている。
Kはキンダ
ーガーデンを、
5は
5年生を表す。しかし、後述のコ
ニファー地域のように日本と同様、 K‑6 校と呼ばれ
る 6 年生までの小学校が多い学区もあれば、小学校
は全て
4年 生 ま で の
K‑4校にしている学区もある。
中には、アラモサ地域の学区のようにプリスクール から
1年生までを一つに、
2、3 年生を一つに、
4、5 年生を一つの学校にするといった分け方をしている 学区もある。
小学校の 6 年間は成長の過程において変化の激し い時期であり、それを一つにまとめて教育するのは 適切な方法ではないのではないかという考え方が反 映されている。日本のような六・三・三制は見られ ない。実験的に様々な試みがなされているようで、
学年の分け方には鋸年のように変化が見られる。
各学区、各学校がそれぞれの考え方によって、最 良の方向を目指して試行錯誤を繰り返しているのが 現状のようである。エレメンタリースクールを卒 業すると、ミドルスクールに進む。最も典型的な 形としては、
6年生から
8年生(日本の中学2 年生に 当たる)までがミドルスクールまたはジュニアハ イスクールに含まれ、 9 年生から 12 年生までがシニ アハイスクールに含まれる。つまり五・三・四制 ということになる。
2.
教育改革
社会的、経済的、技術的変化が子供たちにこれま でに増して高いレベルの技術や知識を身につけるこ とを求めている。しかし、また同時にコロラドでは 貧困に脅かされ、きちんと学習できない状態で学校 に来る者が増加しつつある。こうした背景に煽られ て1
993年にコロラド) + I 議会は、教育改革法案を施行 し、生徒が何を知っているべきか、何をすることが できるべきかを明確に示す高い内容基準を設定する ことを通して、コロラドにおける学問的業績の向上 を図るために包括的教育改革に取り掛った。議会法 案93‑1
313の下で州内の各学区には次のような任務 が託された。
1)生徒が学問的教科領域の中で何を 学ぶべきかについての明確な共通理解に達するこ と 。
2)期待に添う方向に進んでいる生徒の進歩を 測ること。
3)生徒一人一人が基準に到達するのを 助けるためにこの情報を使って授業やカリキュラム
を変えていくこと。
この法案の実行を支援するために、
1995年9 月コ ロラド朴
Iの教育委員会は読み、書き、数学、科学、
歴史、地理の分野において模範となる内容基準を採 択した。これを基に全ての学区が1
996年末までに独
自の基準を設けることが義務づけられた。
また、基準と評価の査定、開発、遂行のために設 立されだ州知事の諮問機関SADI 協議会は、国や地 元の各教科の専門家たち、そしてまた一般市民にも 助言を求め、生徒の基準達成度を測る新たな州の評 価システムを設け、
1997年春から施行した。
SADI協議会といくつかの特別専門委員会は引き続き芸 術、音楽、体育、外国語、経済、公民の分野でも基 準の開発に取り組んでいる。
コ ロ ラ ド 州 教 育 局
(ColoradoDepartment of Education)では、全生徒がこうして設けられた高い 基準に達成するためには、学校が安心して学習ので きる安全な環境を作り出し、またアメリカ民主主義 の秩序が乱れる中で学校が礼儀を教え実行する場所 となり、全生徒が人間としての可能性を満たすこと のできる場所とならなければいけないとしている。
さらに、全ての教科の基礎の一部であるリテラシー
(literacy)、つまり読み書き・話し聞き取りの能力の 向上を強調している。リテラシーの真の意味は、自 己を表現し、他人を理解する能力ということであり、
それは人間であることの意味の真髄であるとも謳っ ている。
コロラド) + I 教育局は、公平な教育を推進するため
に教育的環境に恵まれない子供たち、将来基準に到
達しない危険性のある子供たちを対象に、国と朴 1 レ
ベルで特別プログラムを施行した。その中の一つコ
ロラドプリスクールプログラムは
1988年の公立学
校財政条例の一部としで州議会によって制定された
ものであるが、家庭環境問題が原因であらゆる点に
おいて学習準備ができていない子供、言語発達面で
助けが必要な子供、親が養育義務を怠っている子供
や親に隷属的関係を強いられ援助を受けている子供
たちなどに奉仕する目的を持つ。こうした兆候を持
っ子供は後に特別な助けが必要になり、そのままに
しておけばついには落第する確率が最も高いと考え
られているため、キンダーガーデンに入る
1年前か
らプリスクールに通わせ、早期から教育環境を整え
ようというものである。このプログラムによって
1994年から
1995年にかけて4500 人の子供たちがプリ
スクール教育を受けた。
1995年から
1996年にかけて はさらに増加し、
88学区における
6500人の子供たち がこのプログラムの援助を受けた。
全ての学校が基準達成の目標を成就するために、
生徒が基準に達さない学校は、成果の上がるプログ ラムや学校改革に精通する人貝で構成されるタイト ルワン支援チームからの技術的援助の提供を受ける 資格が与えられている。コロラドの新しい学校認可 規定の下で、各学校は生徒の進度を毎年地域社会と 州に報告することが義務づけられた。改善を見せな い学校や常に成果達成において矛盾したパターンを 見せる学校は、そのプログラムやサービス向上のた めに援助を受けられることになっているが、低迷が 続けば特別観察に付されたり、認可を取り消された
りすることもある。
コロラドの生徒たちを基準に達するように教育し ようというのは、コロラドの住人全体の関心事であ る。学校改善とその結果に対する責任は、国、
J11、 そして学校はもちろん、企業や生徒、親を含む地域 社会のメンバー全てにあり、成功の如何は学校と家 庭や地域社会とを結び付ける新しい協力関係がいか に発展していくかにかかっていると考えられてい る。コロラド州知事と教育長官に任命されたコロラ ド教育目標討論者団は「コロラドの生徒を教育する 協同組合」を作り、地元の地域社会が独自の教育基 準と遂行計画を開発する手助けをしている。この教 育目標討論者団は州各地から集まった50 人の教育の 専門家、父兄、市民及び企業のリーダーたちで構成 されている。また、成果を上げている学校のプロフ イールや、学校改革遂行のためのヒントや情報源・
資金源の情報などを含む「共に前進すること」と名 付けられたパッケージー式が各地域社会に分配され た。学校の質の向上と生徒の成果達成を図り、州内 の地域社会の至る所で、同様に各地域社会の教育専 門家、父兄、市民及び企業のリーダーたちによる地 元レベルでの会合が開かれている。
3.
特殊児童教育
「幼児教育国際比較」の実習校となっている公立 小 学 校 に は 全 て ス ペ シ ャ ル エ デ ウ ケ ー シ ョ ン
(special education)、略してスペシャルエデゥと呼ば れる特殊学級が設けられている。これは障害児のた
めのクラスである。コロラド州の特殊児童教育条例 によってコロラド州教育局は特殊学級教育のプログ ラムに関して毎年報告を提出することが義務づけら れている。
1994年1
2月1日付けで、
0オから
21オまで の67419 人の障害児が報告されている。
ここでいう障害児には、公立学校のみならず病院 や資格を有する保育・養護施設などで世話を受けて いる者も含まれている。この他に、コロラド盲唖学 校、精神病院、更正施設などに収容されている子供 たちが668 人報告されている。障害児の82 %が居住 学区内の学校で世話を受けており、知覚・コミュニ ケーション障害を持つ生徒に至っては9
6.7%が居住 学区内の学校に通っていることが報告された。
現在のアメリカでは、障害児は可能な限り普通学 級で同年齢の他の子供たちの中に入って教育を受け ることが望ましいという考え方ーインクルージョン
(inclusion)が主流となっている。このため、軽度の 障害児や一部の重度の障害児も、障害の程度によっ て補助員などがつけられた上で普通学級で授業を受 けている例が多い。
特殊児童教育条例ではまた、能力、オ能、そして 将来の業績を暗示する潜在能力があまりにも傑出し ていて、その教育的必要性を満たすために特別な準 備が必要とみなされる 5 オから
21オまでの子供たち を、生まれつきの才能に恵まれた子供たち
(gifted children)と定義付けている。この条例は、学区に正 式なプログラムの作成を要求してはいないが、学区 がこうした生徒の必要性を取り組む計画を開発し、
実行することを認めている。後述のエリザベス地域 の実習校にあるエンリッチメント
(enrichment)と呼 ばれるクラスはまさにこうした取り組みの現われで あるといえよう。
1994年以来、コロラド州議会はこ の学区の取り組みに対し、資金を提供している。
4.
実習校の属する学区について
1995
年秋の資料によると、コロラド州には
176の 学区があり、
1448の公立学校が存在する。公立の 初・中等教育機関別の学校数の内訳は表 4 の通りで ある。公立では単独でキンダーガーデンのみという 所はなく、エレメンタリースクールに含まれる。
従って表 4 の「エレメンタリースクール」の中には
プリスクール及びキンダーガーデンのある所も多く
表
4コロラド州の公立初・中等教育機関数 学 校 段 階 学校数 生 徒 数 エレメンタリースクール(*)
861 335,890ミドルスクール
191 109,592中(ジュニアハイ)スクール
59 31,986高(シニアハイ)スクール
257 170,828オルターナティブハイスクール
56 6,194そ の 他 ( *
*) 24 1,789合 計
1,448 656,279*プリスクール及びキンダーガーデンを含む
**職業校、養護学校などを含む
表
5コロラド州の私立初・中等教育機関数 学 校 段 階 学校数 生 徒 数 キンダーガーデン
77 1,368エレメンタリースクール
178 24,839ミドル又はジュニアハイスクール
3 287シニアハイスクール
23 4,416養護学校
3 378オルターナティブ学校
l 51コンバインド
99 17,465ムロ
計
384 48,804含まれている。「その他」には、職業校、養護学校、
オルターナティブスクール
(alternativeschool)などが 含 ま れ る 。 オ ル タ ー ナ テ ィ ブ ス ク ー ル と は 、 精 神 的あるいは学習能力的問題のために普通の学校生活 に適応できない生徒たちゃ、成人で基礎学力のない 人や目の不自由な人々などを対象とした特殊な形態 をもつ学校のことである。私立の初等・中等教育機 関別学校数は、表
5に示した。表
5のコンバインドと いうのは、例えばキンダーガーデンから
12年生まで の学年の全てを、あるいはその途中までの学級を設 けている学校のことである。私立学校の約半数は、
宗教団体の経営によるものである。
本学の学生が実習を行う地域についてみると、平 成
8年度の実習校名と実習生の人数は、表
6に示した 通りであるが、アラモサ地域では、またその中で二 つのグループに分かれ、一つがアラモサ
Re‑111学区 に あ る ポ ル ス ト ン エ レ メ ン タ リースクールという 公立小学校で実習を行う。
アラモサRe‑111 には全部で三つの公立エレメンタ リ ー ス ク ー ル が あ り 、 そ の 一 つ に は プ リ ス ク ー ル から 1 年生までの子供が通い、他の一つには 2 、 3 年
生が通い、残りの一つには 4、5年生が通っている。
かなり細かく学年別に学校が分けられている。州の 認可を受けた私立校は4校あり、いずれもキリスト 教系の宗教団体によって経営されているが、形態は 多 様 で 、 エ レ メ ン タ リ ー ス ク ー ル と い う 名 前 は 付 けられていない。そのうちの 3校はそれぞれキンダ ーガーデンから
2年生まで、
5年生まで、
8年生まで の学級を持ち、もう 1 校 は 1 年生から 8年生までの学 級を持つ。実習の行われる学区ごとの公私立学校数 は、表7の通りである。表7のPKはプリスクール、 K はキンダーガーデン、数字は学年を表している。も う一つのグループは、隣接するモンテビスタ C‑8 学 区 に あ る マ ー シ ュ エ レ メ ン タ リ ー ス ク ー ル と ビ ル メ ッ ツ エ レ メ ン タ リ ー ス ク ー ル と い う 二 つ の 小 学 校に行く。実習は主にマーシュで行う。モンテビス タ C‑8 学区にある公立エレメンタリースクールはそ の2 校のみである。マーシュにはプリスクールから
l年生までが通い、ビルメッツには
2年生から
5年生ま での子供が通う。その他にはキンダーガーデンから 6 年生までの学級を持つ教会系の私立小学校が 1 校あ る 。
コ ニ フ ァ ー 地 域 は 、 ジ ェ ファーソンカウンティ
R‑1というコロラドヽ}
l、│最大の学区内にある。公立工
レメンタリースクールの総数は、
92校である。そ のうちキンダーガーデンから
6年生までの学校が1 校 あるが、その他は全てプリスクールから 6年生まで となっている。私立校も多数あるが、エレメンタリ ー ス ク ー ル と 名 づ け ら れ た 学 校 は な く 、 ま た こ の 学 区 内 の 公 立 エ レ メ ン タ リ ー ス ク ー ル の よ う な キ ンダーガーデンから
6年 生 ま で の 学 校 は
3校しかな い 。
この地域では、鋸年二つの公立小学校と一つまた は二つの私立のモンテッソーリ方式の幼稚園で実習 を行っている。
コロラドスプリングス地域は、主にコロラドスプ
リングス 1 1 という学区に属する。コロラド)
11の中で
壻 目 に 大 き な 学 区 で あ る 。 公 立 エ レ メ ン タ リ ー ス
クールは全部で
38校、全てプリスクールまたはキン
ダーガーデンから 5年生までの学校である。私立学
校は
26校 あ る が 、 公 立 の エ レ メ ン タ リ ー ス ク ー ル
と同じ形の学校は 1 校 の み で 、 そ の 他はそれぞれ独
自の形態となっている。
過去
4 年間にこの学区では、八つの公立エレメン タリースクールと、二つの私立校で本学の学生が 実習を行っている。また、隣接のアカデミー
20とい う学区にあるプリスクールから
2年生までのモンテ ッソーリの私立学校にも毎年実習校として協力して もらっている。
エリザベス地域の実習校は、エリザベス
Clとい う学区とエルバート
200という学区に属する。当初 エリザベス
Clには、ランニングクリークエレメン タリースクールという公立のエレメンタリースク ールが一つしかなかったが、
1997年秋に新しくシン ギングヒルズエレメンタリースクールという公立 小学校が開校した。私立の学校はない。また、受け 入れ側の要望で、隣の学区にあるエルバートエレ メンタリースクールというプリスクールから 6 年生 までの公立小学校にも平成8年度から本学学生を送 り出している。エルバート
200は小さな学区で、小 学校はこの学校だけである。
表 6 実習校(園)名と実習生数(平成 8 年度)
学 校 名 学生数
コロフドスプリングス地域
Adams Elementary School 2
名
Howbert Elementary School 2名
Junior Academy Childrens Center 2名
Calvary Preschool 4名
Wilson Elementary School 2名
Woodland Hills Montessori School 2名
コニファー地域
Wilmot Elementary School 4
名
West Jefferson Elementary School 4名
Montessori Childrens House 2名
Marshdale Elementary School 2名
アフモサ地域
Marsh Elementary School 5
名
Polston Elementarv School 6名
エリザベス地域
Running Creek Elementary School 6
名
Elbert Elementary School 2名
Singing Hills Elementary School 4名
4 教育実習校現場からの報告ーエリザ ベス地域の場合
ここでは四つの実習地域の中で、平成8年度「幼 児教育国際比較」の際に見聞し、体験したエリザベ ス地域の教育実習校の現状及び実習内容などを日本
表7
実習学区別(幼•初等教育を含む)公私立学校数 ニ コ
7ァー コロうドス1リングス アラモサ エリザベス R‑1学区
l l学区
Re‑llJ学区
C‑8学区
C‑1学区
200地区
PK‑1 1 l
PK‑5 13
公
PK‑6 lK‑5 25 2
K‑6 92
2‑3 1
上 '
2‑5 1
4‑5 l
4‑6 l PK‑K l
K‑K 22 7 PK‑4 1
私PK‑8 2
K‑1 l
K‑2 l
K‑3 1 l
K‑5 l 1
K‑6 3 2 l
K‑7 l l
K‑8 7 4 I
K‑9 2
) .
K‑10 l
K‑12 14 4
1‑8 l
1‑12 l
と比較しながら報告する。
エリザベス地区はコロラドスプリングスからおよ そ
90km北東に位置した広大な平原地帯で、大都会 デンバーのベットタウンとして、また、近年はカリ フォルニアからの多くの移住者で人口が急激に増加 している地域である。現在同地域の 2学区には先述 の通り三つの公立小学校がある。
鋸年、我々はそのうちの一つであるランニングク リークエレメンタリースクールで実習を行ってき たが、平成 8 年度は人口増加により新設されたシン ギングヒルズエレメンタリースクール、歴史が古 く小さなエルバートエレメンタリースクールの 3 校 で実習を行った。
広大な土地であるため、学校は一階建てで、屋根
は緑、壁は茶色とカラフルである。スクールバスが
この地区で 20 台あり、子供たちはスクールバス、ま
たは親の車で登校する。信号はなく、交差点でドラ
イバーは必要以上に慎重である。鉄道も電車も普通
のバスもなく、車なしでは生活できない。平成8年 度にこの地域では
12名の学生が実習を行なった。ホ ームステイ先は主としてこの三つの学校の教師の家 である。それぞれの学校で計画されたプログラムに そってプリスクールから小学校 1 年のクラスに入り、
教師の指示に従って実習を行うのである。
ランニングクリークエレメンタリースクールは、
1996
年 の 資 料 で は 総 生 徒 数550 名でプリスクール、
キンダーガーデン、プリ・ファーストともに 3クラ スずつ、
1年生から
5年生までは
4クラスずつある。
シンギングヒルズエレメンタリースクールの総生 徒数は505 名で、プリスクールは6 クラス、プリ・キ ンダーガーデンは2 クラス、キンダーガーデンは4 ク ラス、プリ・ファーストは 1 クラス、そして 1 年生か ら
5年生までは4 クラスずつある。
1.
ホストファミリーとの対面
我々はまず、「WelcomeJ
apanese Students」という 看板に迎えられランニングクリークエレメンタリ ースクールに到着した。教室にクッキーやジュー スが用意され、ホームステイ先の先生の家族が集ま り学生と初めて対面する。緊張と温かい雰囲気の中 で自己紹介が行われ、各々の家庭に分かれていく。
学生にとっては少々心細い瞬間でもある。この初対 面は土曜の午後に行われ、日曜日はホームステイ先 の家族とともに過ごす。学生の気持ちを考えてか2、
3 家族一緒にショッピング、観光、スキーなどを楽 しむように計画され、食事も一緒である。言葉は不 十分ながら学生たちはすぐに溶け込め、特に小さな 子供がいる家庭ではなごやかな雰囲気であった。
2.
実習初日一学校見学
実習開始日に当たる月曜日、ランニングクリーク エレメンタリースクールのプリスクールに朝早く 全員集まり、シンギングヒルズエレメンタリース クールのフィリップ校長先生の案内で三つの小学校 と中学、高校を見学した。日本と大きく違う点は、
小学校は校舎が一階のみで変わった構造になってい る点で、何度行っても迷いそうになるのだが一周す ればもとの所にもどれる。各学校とも校章にあたる シンボルの動物が決められていてシンギングはコヨ ーテ、エルバートはブルドックなどである。
図書館には日本のコーナーが設けられ、着物や人 形、絵本などが飾られ、我々を喜ばせてくれる。平 成5年度にプレゼントした大きなこいのぽりも図書 館の天井に飾られている。また、廊下の壁はすべて 掲示用になっていて子供たちの作品がびっしり、楽 しく掲示されている。壁面はつけはずしが容易にで きる材質でできている。シンギングの入ってすぐの 大きな壁面には全児童の写真が飾られている。
職員室のような部屋はなく、各教室には担任の先 生の名がついていて、先生は学校に来るとまず自分 の教室に入る。先生のロッカーなども教室の中にあ る。普通教室の他に、音楽室、美術室、体育館、医 務室、会議室、図書室、事務室、校長室などがある 点は日本と同じであるが、他にカウンセリングルー ムや食堂もある。ピアノは音楽室に一台置いてある だけで、日本と違いプリスクールやキンダーガーデ
ンにはない。コンピュータはプリスクールからあり、
3 オからコンピュータで遊んでいたり、小学校には 立派なコンピュータ室があり、情報教育の面ではか なりアメリカの方が進んでいる。
教師たちの朝は早く 7時半には教室に入り、コー ヒー片手に授業の準備をしながら三々五々集まって 来た子供たちの相手もする。幼稚園、小学校では授 業の始めに各教室で国旗に向い国歌を歌う。子供の 時からこうして愛国心を養っている点は日本と大き く違う。時間割にそって一日の授業が進められる。
日本のように各教室で担任と子供たちが一緒に給食
を食べる習慣はない。昼食の時間には低学年から順
番に校内にある大きな食堂に行き、持ってきたお弁
当か、または食堂の料理を買って食べる。 2ドルで
パン、ミルク、メインの料理、サラダなどが食べら
れる。食堂には信号機のようなものがあり、子供た
ちがうるさくなると大きな音が鳴る。机を拭くなど
世話をする人は一人いるが、先生は子供とは別に教
師用の休憩室で持って来たランチを食べる。教員用
の休憩室には、大きな冷蔵庫や電子レンジやコーヒ
ーメーカーがある。校内はもちろん靴のままで、低
学年では体育の時も特に着替えもせず、あまり衛生
的とはいえない。教室内に水道があり、手を拭いた
りはすべてペーパータオルでハンカチを持つ習慣は
ない。紙皿、紙コップ、紙ナプキンなどおびただし
い紙の消費が全米でなされていることを考えると疑
問を覚える。
午前の見学を終え、生徒用の食堂でホストファミ リーが用意してくれたお弁当を食べた。この日の午 後には、あるホストファミリーが所有する牧場を見 学し、全員馬に乗せてもらい初めての経験を楽しん だ。地平線を見晴らすような広大な土地の牧場はエ リザベスには多くあり、牛(主として食肉用)や馬 が何百頭と飼われている。火曜日から実習は始まっ た 。
3.
プリスクールでの実習
この地域のプリスクールには、午前(大体8時半
II時半)と午後
(I2時半〜
3時半)のクラスがあ り、親が送り迎えをする。また、曜日によって違う クラスもある。ランニングクリークエレメンタリ ースクールでは少し離れた所にプリスクールの建 物があり、三つの教室がある。ひとクラス 1 5 人位の 子供たちを先生とアシスタントの 2人で指導する。
プリスクールやキンダーガーデンの先生になるため には、 4年生の大学を卒業する必要があり専門性が 強く、年配のベテランの先生が日本より多い。
教室の中にはいくつかのコーナーが設けられてい て、サークルと呼ばれる先生を中心に皆で丸くなっ て座ってお話しを聞いたりペープサートを見たりお 帰りのお迎えを待ったりするコーナー、キッチンセ ットや様々な衣装があるごっこ遊びのコーナー、レ ゴや積み木の置いてあるコーナー、絵を描くコーナ ー、粘土遊びのコーナー、ゼリーや乾燥したトウモ ロコシなどで遊ぶ流しのコーナー、コンピュータの コーナー
(I、2 台)などになっている。子供たちは 教室に入ると自由に好きなものでしばらく遊ぶ。そ の後先生の指示でサークルになったり、グループご とにローテーションしながら各々の活動を行う。ス ナックの時間もあり、親が交代でおやつのお菓子を 用意してくる。必ず園庭でも遊ぶ時間がある。園庭 にはブランコや滑り台、鉄棒などがある。しかし、
日本でよく見られるように動物を飼ったり、植物を 育てたりはしていない。教室にはピアノもない。
学生は簡単な折り紙を教えたり、用意してきた紙 芝居、ペープサート、手遊び、歌、数の数え方など を先生の指示に従って行う。子供の様子(活動、好 奇心、集中力)は日本の子供とあまり変わらないよ
うに思われる。アシスタントが準備や片付けなど 様々な手助けをするため子供一人一人によく目が届 いている。また障害がある子供も一緒の教室で先生 の助けを借りながら活動している点が日本と違う点 である。コンピュータで3オ児が遊んでいる様子も 驚きである。その日に制作したものなどは迎えに来 た親が持つで帰る。ゼリーや粘土など日本のものと 材質が違い興味深いものがある。
4.
キンダーガーデンでの実習
キンダーガーデンでは半日で3時間半、非形式的 な学習が行われている。ここでは机や椅子が
5、
6人 のグループ用に並べられていて、数字やアルファベ ットの練習も行われる。音楽と体育は専門の先生が それぞれ音楽室、体育館で指導する。
アートは各クラスで行われるが、全員一斉に絵を 描くのではなく、何人かずつ絵を画くテーブルにつ いて描く。ガッシュなど不透明水彩絵の具が主であ る。制作も盛んで、教室の壁は多数の作品で飾られ ている。本の読み聞かせや読書の時間もある。外遊 び、スナックなどはプリスクール同様である。日本 の地図や着物を着た女の子の塗り絵も行われてい た。廊下に折り紙のコーナーが設けられ、学生は4、
5
人ずつ来る子供たちに犬、猫、コップなど簡単な ものを教える。半分に折るとき、日本の子供は手前 から向こうへ折るのが普通だが、アメリカの子供は 向こうから手前へ折ることが多い。手招きや数の数 え方など動作が逆なのがおもしろい。
ランニングクリークエレメンタリースクールの 場合、子供の人数は
1クラス
30人前後で、先生の他 にやはりアシスタントがいて 2人で指導していた。
学生は折り紙の他には、紙芝居、福笑い、数の数え 方などを教えた。親の参加も奨励されていてボラン ティアとして教材作りの手伝いなど行っている父母 の姿が見られた。
5.
プリ・ファーストでの実習
キンダーガーデンの次にはプリ・ファーストとい
うクラスが置かれている。キンダーガーデンは終え
たものの様々な事情で十分に幼稚園教育を受けられ
なかった子供や知的に遅れている子供たちのための
もので、 10名程の 1クラスである。一人一人事情が
ありまた、能力も異なるためベテランの教師が指導 にあたっている。小学校に入って皆と同じ様にやっ ていける力を養うための授業が行われるが、このク ラスの在り方については議論も多く、実施している ところはまだ多くはない。
子供たちはとても人なつつこく、我々にも飛びつ いてきたり甘えたりしてとてもかわいい。次の年に 行った時覚えていて飛びついて来たのもこの子たち だった。我々がいる
1週間は日本の事を学ぶ週にし ていて、国語では日本語(ひらがな、数、挨拶など)
を、算数では折り紙で紙飛行機を作って飛ばして距 離を計ったり、社会では世界地図を広げ日本とアメ リカの位置関係を見るなど、普通の授業にうまく組 み入れている。このクラスにもアシスタントがいて 補助をしている。
6.
ファースト・グレードでの実習
日本の小学校では担任は大抵 3 年位続けて受け持 ち 、
1年から
6年までどの学年でも担当するが、アメ リカでは
1年生の先生は
1年生のスペシャリストでい つも 1 年生のみ教える点が日本と大きく違う。良い 面、悪い面それぞれあると思われるが専門性は高い。
1
年生の目標は、学校に慣れる、先生に注意を向け る、席に座ってじっと学べる、新しいことに挑戦す るなど基本的な態度を身につけること、また、アル ファベットがわかり、読んだことを理解する、質問 したり話したりできる、名前や住所が書ける、色、
形、数などを理解できるようになる、などである。
1 日 2 回 1 5 分ずつ外で遊ぶ時間もあるが、午後も授業 がある。
1クラス
30名程度で教科によってはグルー プに分かれて学習する。学生は折り紙の他におはし の使い方、着物の紹介、手遊び、遊戯なども行った。
7.
特別クラス
その他シンギング及びランニングクリークエレ メンタリースクールには、
2年生から
5年生までの クラスの他に、スペシャルエデゥと呼ばれる特殊 学級とエンリッチメントと名付けられたクラスが設 けられている。
スペシャルエデゥは、重度の障害を持った子供 たちのクラスである。軽度の障害児は出来る限り普 通学級に入れるようにしているようだが、こうした
特別クラスも別に設けてある。エンリッチメントの クラスでは、いわゆる特殊児童と呼ばれる、特に優 れた能力をもつ子供たちを集めて特別な授業が行わ れる。このクラスに来る生徒たちは、普段はそれぞ れの学年の普通学級で他の生徒と共に授業を受けて いるが、週に数回この教室に集まり、特別な活動を 行うようである。しかし、エンリッチメントのクラ スば)•li からの補助金が出ているために設けていると いう事情があり、その内容や意義に関しては、校内 でも議論があり、確立したものというよりは実験的 な試みといったところのようであった。
まとめ