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芳香族シラン化合物が酸化ケイ素とアクリル系

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芳香族シラン化合物が酸化ケイ素とアクリル系 装着材料の接着に及ぼす影響

日本大学大学院歯学研究科歯学専攻

岡崎 智世

(指導:松村 英雄 教授,小泉 寛恭 准教授)

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1

セラミックスを用いた歯冠補綴装置における接着システムの選択は,補綴装置の耐 久性に大きく影響を及ぼすと考えられる。酸化ケイ素を主成分としたセラミックスの 接着において,シラン処理とレジン系装着材料を用いた接着システムは有効であり,

優れた臨床成績が報告されている。酸化ケイ素と装着材料の界面に対し,耐久性のあ る接着を獲得するために,アルミナブラスト処理,フッ化水素酸によるエッチング処 理,シラン処理などが用いられている。

シラン化合物として3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(3-TMSPMA)

を含有したプライマーは,広く臨床応用されている。口腔内の高湿潤な環境下におい て,接着界面にあるシラン化合物は加水分解され,長い期間を経て接着力は低下する。

そのため,加水分解による影響を最小限にするために,シラン化合物の疎水性を向上 させる研究が行われている。これまで開発された様々なシラン化合物のひとつに,フ ェニル基を有する3-(4-メタクリロイルオキシフェニル)プロピルトリメトキシシラ ン(3-MPPTS)がある。酸化ケイ素に対する接着の研究において,3-TMSPMAと異なる 化学構造をもつシラン化合物を使用した報告はあるが,3-MPPTS に関する報告は少な い。また酸化ケイ素とシラン化合物の接着耐久性を向上させる他の方法として,シラ ン処理後の加熱や,シラン化合物と酸の混和があり,酸化ケイ素表面とシラン化合物 の化学的相互作用が促進するという報告がある。しかし,これらの方法において 3-

TMSPMAの有効性は報告されているが,3-MPPTS処理後の加熱の効果についての報告は

少ない。

そこで本研究の目的は,酸化ケイ素とアクリル系装着材料との接着に対して,メタ クリル酸メチル溶液中のシラン化合物(3-TMSPMAまたは3-MPPTS)が及ぼす影響を明 らかにし,シラン処理後の加熱の有効性を比較検討することである。

被着体として,酸化ケイ素の円形平板試料(直径10.0 mm,厚さ2.5 mm)を使用し た。シラン化合物として,3-TMSPMA3-MPPTS2種類を選択した。これら3-TMSPMA

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2

3-MPPTSは,溶媒としてメタクリル酸メチル(以下MMA)を用いて,1 mol%と2 mol%

に調製した。装着材料として,トリ-n-ブチルホウ素(以下TBB),MMA,ポリメタクリ ル酸メチル(以下PMMA)で構成されるMMA-TBBレジンを使用した。すべての試料を耐 水研磨紙にて注水研削後,超音波洗浄機を使用し,アセトン中にて10分間洗浄した。

洗浄後,試料を減圧デシケーターにて 24 時間保管し乾燥させた。円形平板試料を 5 条件(各44個)に分類した。このうち4条件には,MMAで希釈した各シラン化合物の プライマーを使用し,残りの1条件はプライマーなしの対照群(以下UP)とした。そ の後,それぞれの条件をさらに加熱なし群および加熱あり群の2つのグループ(各22 個)に区分した。各試料に直径5.0 mm の孔をあけた両面テープを貼付し,接着面積 を規定した。

表面処理として4条件のプライマー(1 mol% 3-TMSPMA,2 mol% 3-TMSPMA,1 mol%

3-MPPTSおよび2 mol% 3-MPPTS)を酸化ケイ素表面に塗布した。プライマー塗布した 試料の半数に対して,110℃,10 分間加熱処理を行った。直径 5.0 mm の被着面周囲 に,内径6.0 mm,高さ2.0 mm,厚さ1.0 mmのステンレス鋼製リングを設置し,リン グ内に筆積み法にてMMA-TBBレジンを充填した。充填から30分後,全ての試料を37℃

精製水に24時間浸漬した。この状態を熱サイクル負荷0回とみなし,各条件11個の 試料に対してせん断試験を行った。残りの試料は水中熱サイクル(5~55℃各1分間)

10,000 回負荷後,せん断試験を行った。せん断試験は接着試験体をステンレス鋼

製のジグに装着し,万能試験機を使用して,クロスヘッドスピード0.5 mm/min の条 件でせん断接着強さを測定した。

記述統計量として,各条件におけるせん断接着強さの中央値と四分位範囲を求めた。

統計学的検討として,せん断接着強さの結果に対し,D'Agostino and Pearson検定を 行い,全条件に正規性が認められた。さらに Bartlett 検定を行い,一部条件間にお いて等分散性が認められなかったため,シラン化合物の種類および加熱の有無の違い を評価する目的で,ノンパラメトリック検定法である Kruskal-Wallis 検定および

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3

Steel-Dwass 多重比較検定を行った。Steel-Dwass 多重比較検定は,加熱なし群と加 熱あり群の各条件に対してそれぞれ分けて行った。さらに,熱サイクル負荷後の各プ ライマー4条件における加熱の有無の結果を比較するため,Mann-Whitney U検定を行 った。全ての検定は有意水準5%で有意差を判定した。

せん断試験後の接着破壊様式を評価するために,試料破断面を光学顕微鏡で観察し た。破断面は,MMA-TBBレジンと酸化ケイ素の界面破壊,酸化ケイ素内部の亀裂とMMA- TBB レジンの界面破壊,MMA-TBB レジン範囲内の凝集破壊および酸化ケイ素の凝集破 壊の4つに分類した。

赤外線吸収スペクトル(以下 IR スペクトル)による有機化合物官能基の定性は,

フーリエ変換赤外(FT-IR)分光光度計を使用した。すべてのIRスペクトルは,測定 範囲4,000から500 cm-1,分解能2 cm-1,スキャン回数100回の条件で臭化カリウム

(KBr)錠剤法を用いて測定を行った。シラン化合物のIRスペクトルは,接着試験で

用いた2 mol%に調整した各プライマーを使用し,液膜法を用いて測定した。酸化ケイ

素に対するシラン化合物のIRスペクトルは,KBr錠剤を用いて測定した。酸化ケイ素 表面にシラン処理を行わず,MMA にて 1 分間洗浄を行った試料を比較対照群とした

(Group 1)。酸化ケイ素表面にプライマー(2 mol% 3-TMSPMA,2 mol% 3-MPPTS)を 塗布後,塗布面をMMAにて1分間洗浄した条件をGroup 2,4とし,プライマー塗布 110℃,10分間加熱処理を行い,塗布面をMMAにて1分間洗浄した条件をGroup 3,

5とした。また,酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の残留を観察するために,

プライマー塗布後加熱処理を行い,MMA の洗浄時間をそれぞれ 2 秒間,2 分間,3 間,5 分間とした試料を作製した。各条件の試料は,それぞれ粉末状になるまで乳鉢 を使用して粉砕し,各試料の粉末(15 mg)を取り出し,KBr(1 g)混合後,さらに粉 砕して用いた。得られたIRスペクトルは参照化合物のIRスペクトルと比較すること で定性分析を行った。

加熱なし群のせん断接着強さにおいて,熱サイクル負荷0回は,1 mol% 3-MPPTS,

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4

2 mol% 3-MPPTSで接着強さが最も高く,熱サイクル10,000回負荷後は,1 mol% 3- MPPTS2 mol% 3-MPPTSが高い接着強さであった。加熱あり群のせん断接着強さに おいて,熱サイクル負荷0回は,1 mol% 3-MPPTS2 mol% 3-MPPTSで接着強さが高 かった。熱サイクル10,000回負荷後の接着強さは1 mol% 3-MPPTS2 mol% 3-MPPTS で接着強さが高かった。熱サイクル負荷後の加熱の有無による接着強さの比較では,

4条件とも加熱を行った群の接着強さが有意に高い結果が得られた。

せん断試験後の破壊様式の判定は,接着強さが高いグループは酸化ケイ素の凝集破 壊の傾向が高く,接着強さが低いグループでは界面破壊の傾向が高いことが示された。

加熱あり群の1 mol% 3-MPPTSおよび2 mol% 3-MPPTSは,熱サイクル後に凝集破壊を 示す傾向があり,装着材料内部の凝集破壊は観察されなかった。

液膜法として測定した3-TMSPMAプライマーのIRスペクトルから,C-H,C=O,C=C,

(-C-O-C-)が検出された。またSi-Oの非対称性および対称性の伸縮振動と変角振動 によるピークが検出された。KBr錠剤法から得られたGroup 1 IRスペクトルから Si-Oが認められた。KBr錠剤法から得られたGroup 2 およびGroup 3 は,C=C 検出された。Group 3 は,C-H,C=Oが認められたが,Group 2 は認められなかった。

液膜法として測定した 3-MPPTS プライマーの IR スペクトルから,C=O,C=C,芳香 環に由来したピークが検出された。KBr錠剤法から得られたGroup 4 およびGroup 5 から同様の芳香環に由来したピーク,C=Oが認められた。Group 5 は,C-H,C=Cが認 められた。

酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の残留を観察し,MMAにおいて2秒間お よび1分間洗浄した条件では,C=Cが検出されたが,それ以上の洗浄した条件では検 出がされなかった。MMAにて5分間洗浄した条件は,芳香環に由来したピークが検出 された。

本研究の結果より,酸化ケイ素とアクリル系装着材料との接着に対して,メタクリ ル酸メチル溶液中のシラン化合物が及ぼす影響を明らかにし,シラン処理後の加熱の

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有効性を比較検討し,以下の結論を得た。

1. 酸化ケイ素に対して,アクリル系装着材料を用いて接着する際には,3-TMSPMA

3-MPPTSを用いた方が接着耐久性に優れている。

2. 酸化ケイ素表面に対して,シラン化合物(3-TMSPMA 3-MPPTS)に加熱を併用し

た条件が接着耐久性の向上に有効である。

3. 酸化ケイ素表面に対して,3-MPPTSに加熱処理を併用した表面処理が3-TMSPMA

りも有効であり,その理由としてシラン化合物の構造が接着耐久性に影響してい ると考えられる。

4. 3-MPPTSは加熱処理後,MMAにて洗浄を行っても酸化ケイ素表面上に残留する。

なお,本論文は原著論文Okazaki T, Koizumi H, Nogawa H, Kodaira A, Nihei T, Matsumura H. Effect of silane compounds on bonding to fused quartz of tri-n- butylborane initiated resin, Dental Materials Journal (in press) を基幹論文 とし,酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の残留を観察したFT-IRの新たな測 定データを加え総括したものである。

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6

セラミックスを用いた歯冠補綴装置における接着システムの選択は,補綴装置の耐 久性に大きく影響を及ぼすと考えられる。酸化ケイ素を主成分としたセラミックスの 接着において,シラン処理とレジン系装着材料を用いた接着システムは有効であり,

優れた臨床成績が報告されている 1,2)。酸化ケイ素と装着材料の界面に対し,耐久性 のある接着を獲得するために,アルミナブラスト処理,フッ化水素酸によるエッチン グ処理,シラン処理などが用いられている2,3)

シラン化合物として3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(3-TMSPMA)

を含有したプライマーは,広く臨床応用されている3-7)。シラン化合物(3-TMSPMA)の 接着機構は,主に以下のように考えられている。シラン化合物である 3-TMSPMA 末端 のメトキシ基は,酸化ケイ素表面またはプライマーの溶媒に残存する水分によって加 水分解されシラノールになる。さらに,シラノール基は,酸化ケイ素表面のヒドロキ シ基との間に縮合反応を起こすことによって共有結合を形成し,接着が完了する。加 えて,シラン処理した酸化ケイ素に対する加熱処理は,プライマーの溶媒を減少させ て架橋反応を促進させることにより,接着耐久性を向上させると報告されている 8)

口腔内の高湿潤な環境下において,接着界面にあるシラン化合物は加水分解され,

長い期間を経て接着力は低下する 9,10)。そのため,加水分解による影響を最小限にす るために,シラン化合物の疎水性を向上させる研究が行われている11)。これまで開発 された様々なシラン化合物のひとつに,フェニル基を有する3-(4-メタクリロイルオ キシフェニル)プロピルトリメトキシシラン(3-MPPTS)がある 11)。Nihei らは,3-

MPPTSで処理したフィラーを含有するコンポジットレジンは,3-TMSPMAで処理したも

のと比較して,有意に高い耐摩耗性を示すことを報告した12)。しかし,酸化ケイ素に 対する接着の研究において,3-TMSPMA と異なる化学構造をもつシラン化合物を使用 した報告はあるが3-15),3-MPPTSに関する報告は少ない。

また酸化ケイ素とシラン化合物の接着耐久性を向上させる他の方法として,シラン

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処理後の加熱 6,16-20)や,シラン化合物と酸の混和 12,21-24)があり,酸化ケイ素表面とシ ラン化合物の化学的相互作用が促進するという報告がある。しかし,これらの方法に

おいて 3-TMSPMA の有効性は報告されているが,3-MPPTS 処理後の加熱処理の効果に

ついての報告は少ない。

本研究の目的は,酸化ケイ素とアクリル系装着材料との接着に対して,メタクリル 酸メチル溶液中のシラン化合物が及ぼす影響を明らかにし,シラン処理後の加熱処理 の有効性を比較検討することである。

材料および方法 材料

本研究で使用した材料を表に示した(Table 1)。被着体として,酸化ケイ素(SiO2

99.8%,コクゴ)の円形平板試料(直径10.0 mm,厚さ2.5 mm)を使用した。

シラン化合物として,3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(3-TMSPMA,

東京化成工業)と3-(4-メタクリロイルオキシフェニル)プロピルトリメトキシシラ ン(3-MPPTS)11,12)2種類を選択し,3-MPPTSOkada11)によって報告された手順 に従って合成した。今回使用した3-TMSPMAおよび3-MPPTSの構造式をFig. 1に示し た。これら3-TMSPMA3-MPPTSは,溶媒としてメタクリル酸メチル(MMA,東京化成 工業)を用いて,1 mol%と2 mol%に調製した。装着材料として,トリ-n-ブチルホウ 素(TBB,スーパーボンドキャタリストV,サンメディカル),メタクリル酸メチル(MMA,

東京化成工業),ポリメタクリル酸メチル(PMMA,スーパーボンドポリマーオペークア イボリー,サンメディカル)で構成されるMMA-TBBレジンを使用した。

試料の作製とせん断接着強さ

直径10.0 mmの円柱状の酸化ケイ素を,厚さ2.5 mmに切断し,合計220個の酸化 ケイ素円形平板試料を作製した。すべての試料を耐水研磨紙(#600,800,1,200,お

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よび1,500,WetorDry Tri-M-ite,3M)にて注水研削後,超音波洗浄機(SUC-110,松 風)を使用し,アセトン中にて 10 分間洗浄した。洗浄後,試料を減圧デシケーター にて24時間保管し乾燥させた。

円形平板試料を5条件(各44個)に分類した。このうち4条件には,MMAで希釈し た各シラン化合物のプライマーを使用し,残りの 1 条件はプライマーなしの対照群

(UP)とした。その後,それぞれの条件をさらに加熱なし群および加熱あり群の2 のグループ(各22個)に区分した。各試料に直径5.0 mmの孔をあけた両面テープを 貼付し,接着面積を規定した。

表面処理として4条件のプライマー(1 mol% 3-TMSPMA,2 mol% 3-TMSPMA,1 mol%

3-MPPTSおよび2 mol% 3-MPPTS)を酸化ケイ素表面に塗布した。プライマー塗布した 試料の半数に対して,110℃,10 分間加熱処理(KL-310,クラレノリタケデンタル)

を行った16)。直径5.0 mmの被着面周囲に,内径6.0 mm,高さ2.0 mm,厚さ1.0 mm のステンレス鋼製リング(SUS303)を設置し,リング内に筆積み法にてMMA-TBBレジ ンを充填した。

充填から30分後,全ての試料を37℃精製水に24時間浸漬した。この状態を熱サイ クル負荷 0 回とみなし,各条件 11 個の試料に対してせん断試験を行った。残りの試 料は水中熱サイクル(5~55℃各 1 分間)を 10,000 回負荷後,せん断試験を行った。

せん断試験は接着試験体をステンレス鋼製のジグに装着し,万能試験機(Type 5567,

Instron)にて,クロスヘッドスピード0.5 mm/minの条件でせん断接着強さを測定し

た。

統計分析

記述統計量として,各条件におけるせん断接着強さの中央値と四分位範囲を求めた。

統計学的検討として,せん断接着強さの結果に対し,D'Agostino and Pearson 検定

(GraphPad Prism 6.0,GraphPad Software Inc.)を行い,全条件に正規性が認めら

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9

れた。さらにBartlett検定(GraphPad Prism 6.0)を行い,一部条件間において等 分散性が認められなかったため,シラン化合物の種類および加熱の有無の違いを評価 する目的で,ノンパラメトリック検定法であるKruskal-Wallis検定(GraphPadPrism 6.0)およびSteel-Dwass多重比較検定(Kyplot 5.0,KyensLab)を行った。Steel-

Dwass 多重比較検定は,加熱なし群と加熱あり群の各条件に対してそれぞれ分けて行

った。さらに,熱サイクル負荷後の各プライマー4 条件における加熱の有無の結果を 比較するため,Mann-Whitney U検定(GraphPad Prism 6.0)を行った。全ての検定は

有意水準5%で有意差を判定した。

破壊様式の判定

せん断試験後の接着破壊様式を評価するために,試料破断面を光学顕微鏡(32×,

Stemi DV4,Carl Zeiss)で観察した。破断面は,MMA-TBBレジンと酸化ケイ素の界面 破壊(Fig. 2A),酸化ケイ素内部の亀裂とMMA-TBBレジンの界面破壊(Fig. 2B)MMA- TBBレジン範囲内の凝集破壊(Fig. 2C)および酸化ケイ素の凝集破壊(Fig. 2D)の 4つに分類した。

赤外線分光分析

実験方法の概略をFig. 3に示した。赤外線吸収スペクトル(以下IRスペクトル)

による有機化合物官能基の定性は,フーリエ変換赤外(FT-IR)分光光度計(FTIR400

Plus,日本分光)を使用した。すべての IR スペクトルは,測定範囲 4,000 から 500

cm-1,分解能2 cm-1,スキャン回数100回の条件で臭化カリウム(KBr)錠剤法を用い て測定を行った。

シラン化合物(3-TMSPMA,3-MPPTS)のIRスペクトルは,接着試験で用いた2 mol%

に調整した各プライマーを使用し,液膜法を用いて測定した。酸化ケイ素に対するシ ラン化合物のIRスペクトルは,KBr錠剤を用いて測定した。測定試料は,せん断接着

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試験と同様の酸化ケイ素円形平板試料を使用した。

酸化ケイ素表面にシラン処理を行わず,MMAにて1分間洗浄を行った試料を比較対 照群とした(Group 1)。酸化ケイ素表面にプライマー(2 mol% 3-TMSPMA,2 mol% 3- MPPTS)を塗布後,塗布面をMMAにて1分間洗浄した条件をGroup 2,4とし,プライ マー塗布後110℃,10分間加熱処理を行い,塗布面をMMAにて1分間洗浄した条件を

Group 3, 5とした。また,酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の残留を観察す

るために,プライマー塗布後加熱処理を行い,MMAの洗浄時間をそれぞれ2秒間,2 間,3 分間,5 分間とした試料を作製した。各条件の試料は,それぞれ粉末状になる まで乳鉢を使用して粉砕し,各試料の粉末(15 mg)を取り出し,KBr(1 g)混合後,

さらに粉砕して用いた。

得られたIRスペクトルは参照化合物10,25-27)IRスペクトルと比較することで定性 分析を行った。

せん断接着強さおよび統計学的検討

加熱なし群のせん断接着強さの中央値および四分位範囲を表に示した(Table 2) 熱サイクル負荷0回において,1 mol% 3-TMSPMA(22.3 MPa),1 mol% 3-MPPTS(25.2 MPa)および2 mol% 3-MPPTS(23.6 MPa)の接着強さが高かった(category c)。熱 サイクル10,000回負荷後では,1 mol% 3-MPPTS(10.4 MPa)と2 mol% 3-MPPTS(4.0 MPa)が高い接着強さであった(category f)

加熱あり群のせん断試験の結果を表に示した(Table 3)。熱サイクル負荷0回にお いて,1 mol% 3-MPPTS(28.5 MPa)と2 mol% 3-MPPTS(27.7 MPa)の接着強さが高か った(category i)。熱サイクル10,000回負荷後でも1 mol% 3-MPPTS(16.8 MPa)と 2 mol% 3-MPPTS(24.9 MPa)の接着強さが高かった(category m)。熱サイクル負荷 後の加熱の有無による接着強さの比較では,4 条件とも加熱処理を行った群の接着強

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さが有意に高い結果が得られた(Table 4)。

破壊様式の判定

せん断試験後の破壊様式の判定結果を表および図に示した(Table 5, Fig. 2)。接 着強さが高いグループでは酸化ケイ素の凝集破壊(Fig. 2D)の傾向が高く,接着強 さが低いグループでは界面破壊(Fig. 2A)の傾向が高いことが示された。加熱あり 群の2つのプライマー(1 mol% 3-MPPTS,2 mol% 3-MPPTS)は,熱サイクル後に凝集 破壊(Fig. 2D)を示す傾向があり,装着材料内部の凝集破壊は観察されなかった。

赤外線分光分析

液膜法およびKBr錠剤法から得られた2 mol% 3-TMSPMAおよび2 mol% 3-MPPTS IRスペクトルおよび主な特性吸収を図と表に示した(Table 6, Figs. 4, 5)

液膜法として測定した 3-TMSPMA プライマーの IR スペクトルから,2,945,2,841 cm-1 C-H 伸縮振動によるピーク,1,719cm-1 C=O 伸縮振動による強力なピーク,

1,638 cm-1C=C伸縮振動による弱いピークが検出された。1,320,1,296 cm-1はエス テル(-C-O-C-)官能基と関係し,1,194,1,167 cm-1はエステル振動と考えられた。

1,088,816 cm-1Si-Oにおいて非対称性および対称性の伸縮振動と変角振動による ピークが検出された(Table 6, Fig. 4a)。KBr錠剤法から得られたGroup 2 および Group 3 は,1,634,1,636 cm-1C=C伸縮振動に起因するピークが認められた(Table 6, Fig. 4c, d)。Group 3 は,2,947,2,841cm-1C-H伸縮振動によるピークおよび 1,718cm-1C=O伸縮振動によるピークが認められたが(Table 6, Fig. 4d),Group 2 は認められなかった(Fig. 4c)

液膜法として測定した3-MPPTSプライマーのIRスペクトルから,1,747,1,738cm-

1 C=O 伸縮振動による強いピーク,1,635cm-1 C=C 伸縮振動による弱いピーク,

1,506cm-1の芳香環に由来したピーク28)が検出された(Table 6, Fig. 5a)。KBr錠剤

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法から得られたGroup 4 およびGroup 5 から得られた1,507cm-1においても同様の芳 香環に由来したピーク,1,734,1,736 cm-1C=O伸縮振動が認められた(Table 6, Fig. 5c, d)。Group 5 は,2,930cm-1C-H伸縮振動によるピーク,1,636cm-1C=C 伸縮振動による弱いピークが認められた(Table 6, Fig. 5d)

KBr錠剤法から得られたGroup 1 のIRスペクトルから,1,102,803 cm-1はそれぞ Si-O の非対称性および対称性の伸縮振動と変角振動によるピークが認められた

(Table 6, Figs. 4b, 5b)

酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の残留を観察した結果を図に示した

(Figs. 6, 7)。Fig. 6においてMMA にて2秒間および1 分間洗浄した条件では,

1,636 cm-1C=C伸縮振動によるピークが検出されたが,それ以上の洗浄した条件で

は検出がされなかった。Fig. 7においてMMAにて5分間洗浄した条件は,1,507 cm-1 の芳香環に由来したピークが検出された。

本研究は,酸化ケイ素とMMA-TBBレジンとの接着に対して,メタクリル酸メチル溶 液中のシラン化合物(3-TMSPMAまたは3-MPPTS)の違いおよびシラン処理後の加熱処 理の有無が,接着強さに及ぼす影響を評価した。シラン化合物の違いおよびシラン処 理後の加熱の有無が接着強さに影響を及ぼすことが明らかとなった。

今回使用した 3-TMSPMA 3-MPPTSのいずれにおいても加熱あり群で安定した接着 耐久性を示し,過去の研究報告6,17-20)と一致して,3-TMSPMAは加熱処理が接着強さの 向上に影響を及ぼすことが示唆された。

今回使用した 3-MPPTS11)は,メタクリロイル基とトリメトキシシリル基の間に芳香 環を含む構造であるため(Fig. 1),3-TMSPMAのプロピル基と比して,高い疎水性を 有していると考えられる。

今回の実験結果では,1 mol% 3-TMSPMA加熱なし群では熱サイクル負荷0回の接着

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13

強さでは22.3 MPaであったが,熱サイクル負荷10,000回後の接着強さは0.4 MPa あり有意差が認められた(Table 2)。また,2 mol% 3-TMSPMA加熱なし群においても 同様に有意差が認められた。これらの結果から,3-TMSPMAにおいて,加熱なしの条件 は,酸化ケイ素表面上での吸着が耐久性のないことが示唆された。一方,3-MPPTS 熱サイクル負荷10,000回後において,1 mol% 3-MPPTS加熱なし群と2 mol% 3-MPPTS 加熱なし群のせん断接着強さ(category f)は,3-TMSPMA(categories d, e)よりも 有意に高かった(Table 2)。これらの結果から,3-MPPTSは加熱なしの条件において,

酸化ケイ素表面上に吸着し残留していることが示唆された。

また,酸化ケイ素表面にシラン処理後の加熱を行う方法は,ガラス産業において一 般的に実施されている方法である。本研究において加熱あり群は,加熱なし群よりも 接着強さが有意に高いことが明らかになった。この結果から,シラン処理後の酸化ケ イ素表面に対する加熱処理は,水分やアルコールが除かれ架橋反応の促進および共有 結合が形成されることが示唆された8-10)

酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の官能基の IR スペクトルによる定性分 析にはKBr錠剤法を用いた。Matinlinnaらは,チタン表面に塗布された3-TMSPMA 構造を減衰全反射(ATR)分光法で分析し,加熱によりチタン表面でシロキサン結合が 検出されたことを報告している26)。本研究においても,同様にシロキサン結合のピー クが検出されているが,このピークは,シロキサン結合由来というよりも,被着体で ある酸化ケイ素に由来していることが考えられた(Table 6)。また,Group 3 のIR ペクトル(Table 6, Fig. 4d)の結果において,C-H2,947cm-12,841cm-1で検出 されたが,Group 2 (Table 6, Fig. 4c)の結果においては,検出されなかった。こ の結果から,3-TMSPMAを酸化ケイ素表面上に塗布した後,加熱処理中に縮合反応が起 きることが示唆された。

Nihei 14) Morikawa 29)は,芳香環を有するシラン化合物の耐水性の改善に効 果があることを報告した。Group 4 (Table 6, Fig. 5c)とGroup 5 (Table 6, Fig.

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5d)のどちらにおいても,芳香環に由来する1,507cm-1のピークが検出された。また,

酸化ケイ素表面上に塗布したシラン化合物の残留において,5分間MMAにて洗浄を行 っても1,507cm-1でのピークが検出された(Table 6, Fig. 7)。芳香環のC-H伸縮振 動の強力なピークは,被着体である酸化ケイ素のピークと重なっており同定されなか ったが,芳香環に含まれるC=C伸縮振動は検出された。この結果より3-MPPTSは,加 熱の有無にかかわらず酸化ケイ素表面上に残留することが確認された。

酸化ケイ素とアクリル系装着材料との接着に対して,メタクリル酸メチル溶液中の シラン化合物(3-TMSPMAまたは3-MPPTS)が及ぼす影響を明らかにし,シラン処理後 の加熱処理の有効性を比較検討した結果,以下の結論を得た。

1. 酸化ケイ素に対して,アクリル系装着材料を用いて接着する際には,3-TMSPMA

3-MPPTSを用いた方が接着耐久性に優れている。

2. 酸化ケイ素表面に対して,シラン化合物(3-TMSPMA 3-MPPTS)に加熱処理を併 用した条件が接着耐久性の向上に有効である。

3. 酸化ケイ素表面に対して,3-MPPTSに加熱処理を併用した表面処理が3-TMSPMA りも有効であり,その理由としてシラン化合物の構造が接着耐久性に影響してい ると考えられる。

4. 3-MPPTSは加熱処理後,MMAにて洗浄を行っても酸化ケイ素表面上に残留する。

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15

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(19)

18

表および図

(20)

19 Table 1 Materials assessed

Materials abbr. Manufacturer Lot number Composition (%)

Adherend material

Fused quartz Kokugo Co., Ltd.,

Tokyo, Japan

SiO2 99.8%

Silane compounds

3-(trimethoxysilyl)propyl methacrylate 3-TMSPMA Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., Tokyo, Japan

DOWOK-TR 3-TMSPMA 98.0%

3-(4-methacryloyloxyphenyl)propyl trimethoxysilane

3-MPPTS12) 3-MPPTS 99.0%

Solvent

Methyl methacrylate Tokyo Chemical

Industry

2YRIMJD MMA 99.8%

Luting material

Super-Bond Catalyst V Sun Medical Co., Ltd.,

Moriyama, Japan

GX41F TBB, TBB-O, hydrocarbon

Super-Bond Opaque Ivory Powder Sun Medical KL1 PMMA, titanium oxide

Methyl methacrylate Tokyo Chemical

Industry

2YRIMJD MMA 99.8%

TBB, tri-n-butylborane; TBB-O, partially oxidizied tri-n-butylborane; PMMA, poly methyl methacrylate

(21)

20

Table 2 Shear bond strength between fused quartz (SiO2) and luting agent without heat treatment in MPa

Tc0 Tc10,000

M-W Post-/Pre- ratio Median IQR Category Median IQR Category (%)

Unprimed 1.2 0.7 a 0.3 0.2 d S 25

1 mol% 3-TMSPMA 22.3 13.7 b c 0.4 0.0 d S 1.8

2 mol% 3- TMSPMA 14.8 14.5 b 0.5 0.2 e S 3.4

1 mol% 3-MPPTS 25.2 4.7 c 10.4 8.8 f S 41.3

2 mol% 3-MPPTS 23.6 4.4 c 4.0 3.9 f S 16.9

n=11; IQR, Interquartile range; Identical lower case letters indicate values that are not significantly different (Steel-Dwass multiple comparisons;

p>0.05). ; M-W, Abbreviation “S” indicates that the difference between the pre- and post-thermocycling shear bond strengths is significant (Mann- Whitney U test; p<0.05).

(22)

21

Table 3 Shear bond strength between fused quartz (SiO2) and luting agent with heat treatment in MPa

Tc0 Tc10,000

M-W Post-/Pre- ratio (%) Median IQR Category Median IQR Category

Unprimed 1.6 1.6 g 0.6 0.1 j S 37.5

1 mol% 3-TMSPMA 22.9 5.4 h 5.4 3.1 k S 23.6

2 mol% 3-TMSPMA 21.3 6.3 h 9.8 4.0 l S 46.0

1 mol% 3-MPPTS 28.5 3.0 i 16.8 9.7 m S 58.9

2 mol% 3-MPPTS 27.7 4.5 i 24.9 3.4 m S 90.0

n=11; IQR, Interquartile range; Identical lower case letters indicate values that are not significantly different (Steel-Dwass multiple comparisons;

p>0.05). ; M-W, Abbreviation “S” indicates that the difference between the pre- and post-thermocycling shear bond strengths is significant (Mann- Whitney U test; p<0.05).

Table 4 Comparison of bond strengths between heat and without heat treatment after thermocycling P value M-W

1 mol% 3-TMSPMA p<0.001 S 2 mol% 3-TMSPMA p<0.001 S 1 mol% 3-MPPTS p=0.0064 S 2 mol% 3-MPPTS p<0.001 S

M-W, Abbriviation “S” indicates that the difference between the binary conditions after thermocycling bond strengths is significant. (Mann- Whitney U test; p<0.05).

(23)

22 Table 5 Failure mode with and without heat treatment

without heat treatment 0 thermocycle 10,000 thermocycles

A B C D A B C D

Unprimed 10 0 1 0 11 0 0 0

1 mol % 3-TMSPMA 0 0 0 11 10 1 0 0 2 mol % 3-TMSPMA 0 0 0 11 10 1 0 0

1 mol % 3-MPPTS 0 0 0 11 0 0 6 5

2 mol % 3-MPPTS 0 0 0 11 3 5 3 0

with heat treatment 0 thermocycle 10,000 thermocycles

A B C D A B C D

Unprimed 10 1 0 0 11 0 0 0

1 mol % 3-TMSPMA 0 0 0 11 1 4 5 1

2 mol % 3-TMSPMA 0 0 0 11 1 0 6 4

1 mol % 3-MPPTS 0 0 0 11 0 0 0 11

2 mol % 3-MPPTS 0 0 0 11 0 0 0 11

(24)

23 Table 6 Band assignments of the IR spectra of 3-TMPMA and 3-MPPTS

Assignment

Wavenumber (cm-1)

Control 3-TMSPMA 3-MPPTS

Group 1 Group 2 Group 3 Group 4 Group 5

methyl group10,26) -CH3 ν (C-H) - - 2,947 - 2,930

methyl group10,26) -CH3 ν (C-H) - - 2,841 - -

carbonyl group27) C=O ν (C=O) - - 1,718 1,734 1,736

methacryloyl group10,27) C=C ν (C=C) - 1,634 1,636 - 1,636

aromatic structure25) ν (C=C) - - - 1,507 1,507

silicon oxide Si-O ν (Si-O) 1,102 1,099 1,092 1,102 1,106

silicon oxide Si-O δ (Si-O) 803 805 814 807 809

(25)

24

Figure 1 Structural formulae of 3-TMSPMA and 3-MPPTS

(26)

25 Figure 2 Classification of bond failure modes:

A: Fused quartz-luting agent interface separation

B: Fused quartz-luting agent separation with crack propagation inside the fused quartz C: Cohesive failure inside the fused quartz range with fused quartz-luting agent

interface separation

D: Fused quartz cohesive failure

(27)

26 Figure 3 Procedure for spectral measurements

(28)

27

Figure 4 Transmission spectra of (a) 3-TMSPMA monomer, (b) unprimed quartz,(c) quartz primed 3-TMSPMA without heat treatment, and (d) quartz primed 3-TMSPMA with heat treatment

(29)

28

Figure 5 Transmission spectra of (a) 3-MPPTS monomer, (b) unprimed quartz,(c) quartz primed 3-MPPTS without heat treatment, and (d) quartz primed 3-MPPTS with heat treatment

(30)

29

Figure 6 Transmission spectra of quartz primed 3-TMSPMA with heat treatment, with various MMA rinse times

(31)

30

Figure 7 Transmission spectra of quartz primed 3-MPPTS with heat treatment, with various MMA rinse times

Table 2    Shear bond strength between fused quartz (SiO 2 ) and luting agent without heat treatment in MPa
Table 3    Shear bond strength between fused quartz (SiO 2 ) and luting agent with heat treatment in MPa
Figure 1    Structural formulae of 3-TMSPMA and 3-MPPTS
Figure 4    Transmission spectra of (a) 3-TMSPMA monomer, (b) unprimed quartz, (c) quartz primed 3-TMSPMA without heat  treatment, and (d) quartz primed 3-TMSPMA with heat treatment
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参照

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