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論文の要約

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Academic year: 2021

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論文の要約

氏名:五條堀 孝 廣

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:Signaling pathways of electrolyticaly-generated acid functional water in epithelial cells (上皮細胞における電解酸性機能水のシグナル伝達経路)

機能水は, 「人為的な処理をして再現性のある有用な機能を付与された水溶液の中で, 処理と機能に関 して科学的根拠が明らかにされたもの, 及びされようとしているもの」 と定義されており, その安全性あ るいは殺菌作用とともに臨床応用の可能性について報告されている。口腔扁平上皮癌細胞株 (OSCC) に電 解酸性機能水 (FW) を作用させ, その遺伝子発現の変化についてマイクロアレイを用いて網羅的に解析し たところ, 極めて多種類の遺伝子発現が増強していることが明らかとなった。これまでの研究から, human β-defensin 2 (hBD2) に関しては, RNA ウイルスの増殖副産物であるdouble-stranded RNA (dsRNA) が, 腸 管上皮細胞 (IECs) に表出されている toll-like receptor 3 (TLR3) を介して nuclear factor-kappa B (NF-κB) 存的に hBD2 の遺伝子発現を増強させることが明らかにされている。しかし, OSCC における hBD2 現誘導の有無とそのメカニズムについては, 不明な点が多いのが現状である。そこで本研究では, FW の 臨床応用を目指し, 抗菌作用や創傷治癒促進作用のある hBD2 に着目し, FW による hBD2 の遺伝子発 現誘導に関するシグナル伝達経路を解明することを目的とした。

その結果, hBD2 遺伝子発現の変化は dsRNA, FW Ca9-22 細胞, HSC3 細胞に作用させると, どち らの細胞においても dsRNA の作用と比較して FW ではより顕著な遺伝子発現の増強が認められた。また, 免疫蛍光染色の結果, FW による hBD2 のタンパク発現の増強も確認された。

ルシフェラーゼアッセイでは dsRNA, FW の作用はともにルシフェラーゼ活性を増強することが確認さ

れた。dsRNA によるルシフェラーゼ活性は, 下流の NF-κB 結合部位を欠失させることによって完全に消

失した。一方, FW においてはいずれの結合部位を欠失させても, ルシフェラーゼ活性に変化は認められ なかった。また, 特異的阻害剤で前処理することによって FW による hBD2 の遺伝子発現の増強に変化 が認められなかったことからも, FW による hBD2 の遺伝子発現の増強には NF-κB の関与なく, むしろ, FW が経時的に NF-κB の活性を抑制することが明らかとなった。ELISA の結果からも, FW の作用は

NF-κB の活性を抑制することによって IL-8 の産生を抑制することが確認された。

さらに, dsRNA および FW 刺激の感知システム TLR3 に関しては, dsRNA を作用させたものでは hBD2 の遺伝子発現は顕著に減少したのに対して, FW では変化は認められなかった。すなわち, OSCC おける dsRNA と FW の認識機構は異なることが明らかとなった。

以上のように, 本実験の結果から dsRNA と FW はともに hBD2 の遺伝子発現を増強させたが, 両者 は異なったシグナル伝達経路をとる可能性が示唆された。

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