• 検索結果がありません。

ユーザの機器利用状況に基づく家庭内電力管理機構

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ユーザの機器利用状況に基づく家庭内電力管理機構"

Copied!
65
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

卒業論文 2002年度(平成14年度)

ユーザの機器利用状況に基づく家庭内電力管理機構

指導教員

慶應義塾大学環境情報学部

徳田 英幸 村井 純 楠本 博之

中村 修 南 政樹

慶應義塾大学環境情報学部 志和木 愛子

(2)

卒業論文要旨 2002年度(平成14年度) ユーザの機器利用状況に基づく家庭内電力管理機構

近年エネルギー消費の増加が世界中で問題となっている.特に家庭における電力消費量 が増加し続けており,電力消費を効率化させる必要がある.現在,家電機器の省電力技術は 進んでいるが,これによる電力節減量には限界がある. 今後はユーザが行動することによ る省電力対策が必要である. 一方,家庭で急速にコンピュータやホームネットワークなど の情報インフラが整いつつあり, 各種センサや家電機器の管理,制御が容易に行なえるよ うになっている.

本研究では家庭内情報インフラのもとで,ユーザの機器利用状況に基づいた統合電力管 理機構USPMシステム(Using deviceUsage Status for Power saving Management system) 構築した. USPMシステムではユーザの代わりにユーザの機器利用状況を考慮して不用な 家電機器を検知し,機器を制御して不用な消費電力の節減を行なう.これにより,ユーザの 負担を増やすことなく電力節減が可能である.

USPMシステムは家庭での使用を想定し,特に不用な機器の検知,電力節減処理,ユーザ ビリティを考慮して実現性を高めている. 具体的には,ユーザの位置情報と機器の稼働状 態情報,ユーザ問い合わせ情報を用いることでユーザの機器利用状況把握を行なう.また, ユーザビリティを下げない工夫として利用していた機器の状態保存,復元を行ない,ユーザ 管理により複数人の共有に対応する.

本機構はUSPMサーバ,家電機器と位置情報センサによって構成される.サーバでは家 電機器の各状態について機器利用状況に必要な条件を管理する.センサや家電機器から利 用状況の変化を通知される毎に条件検索を行ない,その状況に適した状態へ変化するよう 家電機器を制御する.利用状況がすぐに前の状況へ戻った場合は家電機器の状態を変更前 へ復元する.機器の共有やユーザ負担軽減,ユーザ通知を考慮し設計をしている.

本論文では,既存の省電力技術について述べ,ユーザの省電力対策を代行し,統合機器管 理機構を用いた電力節減の必要性を検討する.次にユーザの機器利用状況に基づいた統合 電力管理機構を提案する.本研究で構築したUSPMシステムについてその概要と設計, 装のついて述べる.最後に評価を通してUSPMシステムの妥当性を明らかにする.

慶應義塾大学 環境情報学部 志和木愛子

(3)

Abstract of Bachelor’s Thesis

Using Device Usage Status for Power Management System

Recently, increase in power consumption has become a serious problem, particularly within the general household where it has increased immensely over the years. Consequently, there is a need to consume power efficiently. One factor is increase in the number of home appliances.

Due to advancements in computers and home networks, these appliances and sensors have become controllable over the network. Reduction of power consumed by these appliances are necessary.

This research realizes USPM system (using device Usage Status for Power saving Manage- ment system), a cohesive power management architecture which uses user’s appliance usage status. By considering the usage status of appliances, USPM detects unnecessary power con- sumption. Next, the appliance is controlled to reduce power consumption, without burdening the user.

USPM being intended to be used within the household, appliance usage status, sharing be- tween several users, user’s load, and user awareness is considered. An appliance’s usage status is obtained by the user’s location and the state of the appliance. To maintain usability, sharing between several users is realized by managing users and appliances state for restoration of ap- pliance state. Also, it is important to inform the user of unnecessary power, so the user does not turn on appliances which they don’t plan to use immediately.

This framework is structured from the USPM server, network controllable appliances and location sensors. The server holds information on conditions for appliance usage state for each power state of the appliance. Each time the usage state of a sensor or appliance changes, the server searches for a condition that matches, and controls the appliance to match that state. In case the usage status promptly returns to the former state, the appliance state is restored.

This paper presents existing power saving technology, and states the necessity of a cohesive power management system for power saving. A model for power saving using the user’s appli- ance usage status is proposed. The design and implementation of the system are also presented, followed by evaluations and future challenges.

Aiko Shiwaki Faculty of Environmental Information KEIO University

(4)

目 次

1章 はじめに 1

1.1 本研究の背景 1

1.1.1 家庭における電力消費 1

1.1.2 家庭の情報化 2

1.2 本研究の目的 3

1.3 本論文の構成 4

2章 家庭における省エネルギー 5

2.1 省エネルギー対策動向 6

2.1.1 家電機器の技術動向 6

2.1.2 ユーザによる省エネルギー対策 6

2.2 これからの省エネルギー 7

2.2.1 ユーザアウェアネス 7

2.2.2 機器による自動制御 8

2.2.3 ユーザの省エネ対策を代行する統合的なエネルギー管理 8

2.3 関連研究 9

2.3.1 ECHONET 9

2.3.2 OpenPLANET 9

2.3.3 HEMS 10

2.4 本章のまとめ 11

3章 ユーザの省電力対策を代行する統合電力管理 12

3.1 機能要件 13

3.1.1 不用な機器の検知 13

3.1.2 電力節減処理 14

3.1.3 ユーザビリティ 15

3.2 ユーザの機器利用状況に基づく統合電力管理機構 15

3.2.1 概要 15

3.2.2 ユーザの機器利用状況把握 16

3.2.3 自動状態復元 18

3.2.4 複数人との共有 19

3.3 本章のまとめ 19

(5)

4 USPMシステムの設計 20

4.1 USPMシステム 21

4.1.1 想定環境 21

4.1.2 不用な機器の検知と電力節減処理 21

4.1.3 機器状態復元 22

4.2 システム構成 23

4.2.1 ハードウェア構成 23

4.2.2 ソフトウェア構成 23

4.3 動作概要 24

4.4 ユーザ・デバイス管理部 25

4.4.1 デバイス情報定義 25

4.4.2 ユーザ情報 25

4.4.3 家電機器状態情報 26

4.5 状態検索部の設計 26

4.5.1 電力節減ポリシ 26

4.6 状態復元部 29

4.6.1 スナップショット 29

4.6.2 共有機器の状態復元 29

4.6.3 状態復元処理 30

4.7 ユーザ・デバイス通知部 30

4.7.1 家電機器通知 31

4.7.2 ユーザ通知 31

4.8 家電機器内ソフトウェアの設計 31

4.8.1 通信部 31

4.8.2 制御部 32

4.9 本章のまとめ 32

5 USPMシステムの実装 33

5.1 実装環境 34

5.2 ユーザ・機器管理部 34

5.2.1 DeviceMonitorクラス 34

5.2.2 テーブル定義 35

5.2.3 データ管理クラス 36

5.3 状態検索部 37

5.3.1 Conditionテーブル 38

5.3.2 ConditionCheckerクラス 38

5.4 状態復元部 39

(6)

5.4.4 有効スナップショットの検索方法 41

5.5 機器・ユーザ通知部 41

5.5.1 定義クラス 41

5.5.2 Notifyクラス 41

5.6 サーバ処理の流れ 42

5.6.1 ユーザのエリア退室 42

5.6.2 ユーザのエリア入室 44

5.6.3 家電機器の状態変化 44

5.7 本章のまとめ 44

6章 評価と考察 46

6.1 評価方針 47

6.2 評価環境 47

6.3 処理所要時間 47

6.4 省電力効果 48

6.5 本章のまとめ 52

7章 まとめ 53

7.1 今後の課題 53

7.1.1 機器登録の簡易化フレームワーク 53

7.1.2 本機構が消費する電力量の削減 53

7.1.3 既存技術との連携 54

7.2 まとめ 54

(7)

図 目 次

1.1 部門別最終エネルギー消費の推移 2

1.2 家電機器の普及率 3

1.3 インターネット普及状況 3

2.1 ECHONETの通信レイヤ構成 9

2.2 OpenPLANET構成図 10

3.1 ユーザの機器利用状況に基づく節減モデル概念図 16

3.2 機器の利用状況 17

4.1 想定環境 21

4.2 不用な機器の検知と電力節減処理 22

4.3 機器状態復元処理 23

4.4 ソフトウェア構成図 24

4.5 ユーザ退室時の動作 25

4.6 ユーザ入室時の動作 26

4.7 機器状態変化時の動作 27

4.8 状態検索処理の流れ 27

4.9 ユーザ位置:機器設置部屋内 28

4.10 ユーザ位置:機器設置部屋外 28

4.11 状態変化 パターン1 28

4.12 状態変化 パターン2 29

4.13 状態復元 30

4.14 状態復元処理 30

5.1 LeaveOperationの流れ 43

5.2 EnterOperationの流れ 44

5.3 StateChangeOperationの流れ 45

6.1 ユーザの退室に関する処理 48

6.2 ユーザの入室に関する処理 48

(8)

6.6 USPMシステム使用 50

6.7 消費電力量比較 51

(9)

表 目 次

3.1 家電機器の電力状態 15

4.1 家電機器への要求の種類 31

5.1 デバイスデータの例 34

5.2 DeviceDefinitionテーブル内容例 35

5.3 UserDefinitionテーブル内容例 35

5.4 UserLocationテーブル内容例 36

5.5 状態名 36

5.6 AppStateテーブル内容例 36

5.7 UserLocationManagerクラスのメソッド 37

5.8 SppStateManagerクラスのメソッド 37

5.9 Conditionテーブルの内容例 38

5.10 ConditionCheckerクラスのメソッド 39

5.11 SnapshotRecordテーブルの内容例 40

5.12 SnapshotRecordManagerクラスのメソッド 40

5.13 Messageクラス内容一覧 42

6.1 測定環境 47

6.2 想定値 51

6.3 消費電力量 51

(10)

1

はじめに

1.1 本研究の背景

近年,世界中でエネルギー消費が増加しており,今後も増加し続けると予測されている.

日本では,エネルギー生成のほとんどを化石燃料に依存しているため,エネルギー消費の 増大は有限なエネルギー資源の枯渇を招くとして問題視されている. 同時に国内でエネル ギーを作りだす際に排出される二酸化炭素は地球温暖化へ影響する温室効果ガスの約8 を占めると言われている.温室効果ガス削減目標を持つ日本にとってエネルギー消費の増 加は深刻な問題である. これらの問題に対処するため,化石燃料への依存度を減らすと同 時に,エネルギー消費を抑える必要がある[1].

1.1.1 家庭における電力消費

1.1 より部門別最終エネルギー消費の推移を見ると,産業部門のエネルギー消費がほ ぼ変わっていないのに対し,旅客部門の消費に次いで家庭部門の消費が大幅に増加してい ることがわかる. 国内全体のエネルギー消費を抑えるには,家庭におけるエネルギー消費 を合理化することが重要であると考えられる.

1.2 が示す家電機器の普及率の推移から,様々な家電機器が家庭に普及してきたこと がわかる.これは各家庭の家電製品の保有数が増加したことを意味する. 家電機器の普及 傾向は,家庭におけるエネルギー消費量増加傾向と一致するため, 家電機器の保有数の増 加はエネルギー消費増加の一因であると考えられる. 家庭内のエネルギー消費量を減らす にはこれら家電機器の消費する電力量を効率的にすることが重要である.

(11)

1.1: 部門別最終エネルギー消費の推移

1.1.2 家庭の情報化

一方,家庭において計算処理能力やネットワーク接続能力を持つ機器が普及している. の機能を通じて機器を遠隔から制御および集中管理できる.またネットワークを通じて機 器同士や外部と通信を行うことにより,付加機能をつけられる. 例えば,IEEE1394[2]を通 してPCに接続し,PCを経由して遠隔から制御できるビデオデッキや,インターネットに接 続可能なPCUSB接続することによって,インターネットから楽曲をダウンロードし再 生できるオーディオコンポなどが実際に製品化され,家庭に普及しつつある.

また,家庭においてホームネットワークが充実しつつある.ホームネットワークには様々 な規格が存在する.家庭から外部へ向けたネットワークとしてはアナログ電話回線による 接続の他にISDN,ADSL,CATVFTTHがある.家庭内のネットワークとしては100BASE- TX,IEEE802.11,IEEE1394,Bluetooth[3]IrDA[4]がある. ネットワークの高速化,大容量 化が進むともに,これらの設置コストが低くなり,急速にホームネットワークが普及しつつ ある.1.3は国内におけるインターネットの普及状況である.今後もホームネットワーク は普及していくと考えられる.

また,家電機器の情報化に伴って,温度センサや人の位置を感知できる位置情報センサな ど各種センサが一般化してきている.これらによって家庭の様々な状態を情報として取得 できる.

このように,家庭での情報化が進んでいる. 今後,家庭ではホームネットワークを通じて 各種センサから家庭内の状態を示す様々な情報を取得したり,各種家電機器を管理,制御す ることが当たり前になると考えられる.

(12)

1.2:家電機器の普及率

1.3: インターネット普及状況

1.2 本研究の目的

本研究では家電機器のネットワーク化の動向に着目し,家電機器を管理,制御することに よって家庭において電力消費を効率化する統合電力管理機構USPMシステムを構築する. USPMシステムでは機器利用状況から不用に稼働している機器を検知し,機器を制御する ことによって電力消費の効率化をはかる.

本機構を家庭で実用するために以下の3点を考慮する.

不用な機器の検知

不用な機器を検知するためにユーザの機器利用状況を考慮する.

電力の節減

不用な機器の消費する電力を節減する方法を考慮する.

(13)

ユーザビリティ

本機構はユーザの作業を妨げず,ユーザの負担を増やさないための仕組みが必要で ある.

これらを実現することにより,家庭内においてユーザが本来行なう省電力対策を代行し 効率的に電力節減を行なうことができる.

1.3 本論文の構成

本論文では,まず第2章で家庭における省エネルギー対策の動向を述べ,さらに関連研究 を比較し,その上で,ユーザの省電力対策を代行する統合電力管理の必要性を明らかにす る. 3章では,ユーザの省電力対策を代行する統合電力管理を実現するために必要な機 能を整理する. 4章では,USPMシステムの概要や動作手順,システム構成から各機能の 設計について述べる. 5章では,設計に基づいたUSPMシステムの実装について説明す る. 6章では,実装したUSPMシステムの評価について述べる. 7章では,本研究のま とめと今後の課題について述べる.

(14)

2

家庭における省エネルギー

本章ではまず,家庭における近年の省エネルギー対策の動向につ いて述べる. 次にこれから求められる省エネルギー対策について 検討し,ユーザによる省エネルギー対策を代行する統合電力管理 の必要性を述べる

(15)

2.1 省エネルギー対策動向

家庭の省エネルギーのために,家電機器等の技術開発を進めることで機器が消費する電 力を節減する方法や,ユーザが生活の中で利用するエネルギーをこまめに節約する方法な どが挙げられる. 本節では,家庭における省エネルギー対策の動向について説明する.

2.1.1 家電機器の技術動向

家電機器の技術は年々進歩しており,機器独自のエネルギー消費効率は近年向上し続け ている. 省エネルギーセンター発刊の家庭の省エネ大事典[5]によると家電機器の電力消 費効率は次のような状況である. ルームエアコンディショナの平均消費電力量は1995年に

1499KWhであったのに対して1999年には1053kWhになり,5年間で30%省電力化が進ん

だ.テレビの年間消費電力量は1990年に227kWhであったのに対して1998年には178kWh になり,8年間で27%の省電力化が実現した.

消費電力のうち,待機時消費電力は家庭で消費される電力量の約10%を占めると言われ 特に問題視されている.待機時消費電力を消費する全ての機器の中で最もその消費量が多 いビデオデッキについても1991年に7.5Wであったのに対して, 1998には3.6Wとなり,7

年間で50%の削減を実現している.

さらに,様々な制度によって機器の省エネルギー化が進められている. 政府は「エネル ギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)の中でトップランナー方式の考え方に基 づき特定機器に対して省エネルギー基準を制定している. トップランナー方式は,「省エ ネルギー基準を現在商品化されている製品のうち最も優れている機器の性能以上にする」

という考え方である.[1]他にも家電機器の省エネルギー達成度を示す省エネラベリング制 [6]や,OA機器の省エネルギー基準を示す国際エネルギースタープログラム[7]などが ある.これらは消費者に対して省エネルギー達成度などの情報を提供するものである.ラベ ルが普及することにより消費者がより省エネルギー商品を選択することになるため企業 の省エネルギー技術開発も活発になっていく. このように家電機器の省エネルギー化は今 後も進んでいくと予想される.

2.1.2 ユーザによる省エネルギー対策

家電機器等の使用方法を改善するなどしてユーザがこまめに消費エネルギーを節約する ことが省エネルギー効果を大幅にあげると言われている.

例えば,エアコンディショナの設定温度を緩めに設定することや,使用していない機器の 電源をこまめに切ることを心がけるだけで大量に電力を節約できる.暖房の設定温度を21 度から20度にすることで年間71.27lWh消費電力を節約できる.テレビは稼働時間を1

(16)

13年度夏から平成14年度夏までの1年間で省エネルギー対策を行った4700万世帯を

合わせて11%エネルギーを削減したという結果がでている.これはユーザによる省エネル

ギー対策の必要性があることを意味している.

2.2 これからの省エネルギー

これからさらに省エネルギーを進めていくためには前節で述べたように,家電機器を提 供するメーカーだけでなく,それを利用するユーザ自体が行動することで省エネルギーに 取り組む必要がある. 「夏冬季省エネルギー対策」アンケート[8]によると,ユーザの省エ ネルギーに対する意識が年々高まっており,省エネルギー対策を行うユーザが増えている.

しかし,日々の生活の中で省エネルギー対策を行なうために,ユーザは常に省エネルギーを 意識し,行動しなければならない.これはユーザにとって大変負担である. また,ユーザに 依存するため,ユーザが不意に処理を忘れた場合や処理をする余裕がない場合に省エネル ギー対策は実行されない.不用な消費電力が存在するにも関わらず,その節減をユーザに依 存するままでは省エネルギーの効率化は難しく,問題である.

この問題に対応するため,今後の省エネルギー対策としては,本来ユーザが意識し,行動 した結果削減できるエネルギーを合理的且つ確実に削減するよう取り組む必要がある. 後必要な省エネルギー対策として以下に3つのアプローチを挙げてそれぞれ検討する.

2.2.1 ユーザアウェアネス

ユーザアウェアネスは,ユーザに自分の消費しているエネルギー量を伝えることで節電 する意欲を高める方法である.

家電機器のユーザには,不用に消費しているエネルギー量を知らないため省エネルギー の必要性を感じていない者や,必要性を感じているにも関わらずエネルギー節減方法を知 らない者,省エネルギーのタイミングに気づかない者などがいる.

これらのユーザに対して各機器が消費しているエネルギーを具体的に知らせることで ユーザに省エネルギーのための行動を起こさせる.

省エネルギーセンターが考案した省エネナビ[9]は家庭で消費している電力の総量を測 定し金額に換算して表示する機器システムである.電力の使い過ぎによるアラーム機能な どもついている. 省エネナビを800世帯で試用してみたところ設置前に比べて約20%電力 消費を削減できたという結果がでている[5].

ユーザアウェアネスは省エネナビのように簡単な測定器や表示器などがあればできるた め,導入,管理コストが非常に低い.しかし,依然ユーザの行動に依存するため確実な方法と は言えず,前述の問題も残る.

(17)

2.2.2 機器による自動制御

家電機器の機能をさらに充実させることによってユーザの負担を増やすことなく,省エ ネルギーを進める方法である. 2.1.1で述べたように現在,家電機器は機器の消費する電力 自体を削減するような技術が進歩している.この延長でいくつかの機器は機器の持つ様々 なセンサから機器の周辺の状態を検知し,その状態に応じてできるだけ必要な機能だけを 稼働させることができる. 例えば,エアコンディショナが温度センサを持ち周辺の温度に 応じて稼働状態を調節するといったことや,人感センサを用いて人がいない時にライトを 消すといったことは容易である. また,これらは今までの家電機器と同じように扱えるた め導入,管理コストが低く実現しやすい.

しかし,複数の機器が各自で同種のセンサを持ち,共通の情報を取得することは効率的で なく,センサの消費する電力量が無駄である. また機器の中にセンサを埋め込む場合,機器 の周辺という限られたエリアの状態しか取得できず限界がある.

2.2.3 ユーザの省エネ対策を代行する統合的なエネルギー管理

ホームネットワークを用いた統合的エネルギー管理機構を構築することで省エネルギー を実現する方法である.これによって本来ならユーザが行なうべき省エネルギーのための 行動を管理機構ができるだけ代行し,エネルギーを節減することができる.

1.1.2で述べたように家庭の情報化が急速に進み,ホームネットワークによる各家電機器

の管理や制御等が容易にできるようになりつつある. このような情報インフラを利用して, 家庭の状況や機器の状況を監視し,機器の稼働を効率的に制御することによって省エネル ギーを実現できる.

統合管理は,様々な情報を各機器で共有することができる点や機器から離れた情報も使 用できるため,機器単独で省電力化をすすめるよりより効率的である.

しかし,導入に当たって全てのシステムを統括する必要があるため導入コストがかかる.

そのためシステムを実現するために導入コストを抑える努力が必要である.

機器単独の省電力化によるアプローチは現在実現するには十分であるが,限界があり今 後さらにエネルギー効率を高めていくためには不十分である.一方,統合的なエネルギー管 理は実現するのにコストがかかるが,背景等を踏まえると今後実現することは容易であり, 最も効率の良い方法であると言える.ユーザアウェアネスは単独では不十分であるが他の アプローチと組み合わせることによって効率を高めることができる.

本研究ではユーザの省エネ対策を代行する統合的なエネルギー管理のアプローチを基本 として研究をすすめていく.その際,ユーザアウェアネスの性質も活かしていく.

(18)

2.3 関連研究

ユーザの省エネ対策を代行する統合的なエネルギー管理を行なう上で,まずは家庭内の 統合的な機器管理技術が必要となる. 本節では統合的家庭内機器管理を行なっている研究 を紹介し,本研究の位置づけを述べる.

2.3.1 ECHONET

ECHONET[10]は家電機器の相互接続を可能にする統合的な規格である. 通信プロトコ

ルに加えてシステムレベルでの相互接続を保証するモデルを提供する.一般家庭への普及 を意識しているため柔軟性が高い.多種ベンダーの機器の接続を電灯線や無線,赤外線な ど配線工事の不用な多種伝送メディアを用いて行なえ,またECHONETを通してシステ ムを構築することやその上で動作するアプリケーションを容易に開発することができる.

ECHONETは図2.1が示す中で,下位通信ソフトウェアと通信ミドルウェアの仕様を規定

する.サービスミドルウェアについてはアプリケーションソフトを拡張しつつ今後検討し ていく方針となっている. アプリケーションソフトウェアの一例として家庭用エネルギー 管理システムなどを考慮している.

2.1: ECHONETの通信レイヤ構成

2.3.2 OpenPLANET

OpenPLANET[11]は家電機器の制御を行う制御系ネットワークと外部インターネット

等の情報系ネットワークをシームレスに連携し,機器の制御や管理を容易に実現するため の基盤技術である.システムは図2.2に示すように電気メータとコンピュータの機能を合わ せた電力量計サーバと各機器上で動作するバーチャルマシン(VM),ユーザアプリケーショ

(19)

ンやサービスを提供するためのエージェントで構成される.外部ネットワークとの連携を 強く意識しており,移動端末による機器の制御の他に,セキュリティ会社によるセキュリ ティサービスや介護事業者による介護サービス,電力会社による電力モニタリングなどを サービスプロバイダーとして考えている.それらが提供するエージェントプログラムを電 力量計サーバ,ホームネットワークを通じて家庭内の機器で動作させることによって様々 サービスをユーザに提供するためのネットワークインフラを提供する.OpenPLANETイン フラ上で様々なサービスを容易に構築することができる.

2.2: OpenPLANET構成図

2.3.3 HEMS

省エネルギー対策の一貫として家庭用ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS) の普及,推進が行われている.HEMSは家庭内の情報インフラを利用し,家電機器の最適運 転など家庭におけるエネルギー需要マネジメントを行うシステムである.様々な企業や研 究プロジェクトがHEMSの実現を行っている.例えば,新エネルギー産業技術総合開発機

(NEDO)を財団法人省エネルギーセンターの共同研究「稼動時電気損失削減最適制御技

術開発」では,エアコンや照明の在不在制御や携帯電話による省エネ制御などを実現して いる. HEMSは研究途中であり,上記のプロジェクトも開発途中である.

(20)

前述したようにホームネットワークを通じた機器の制御や管理をするためのインフラス トラクチャが確立,実用化されつつある.今後は,それらインフラを利用しその上で動作す HEMSのようなエネルギー節減をするための統合的エネルギー管理機構が必要である.

家庭で消費されるエネルギーには様々な種類があるが,本研究ではユーザが利用する家 電機器の消費する電力を節減することに注目し,その節約を行なうこととする.その際, 庭内の統合管理を利用することでユーザの省電力対策を代行し,ユーザの負担を増やすこ となく効率的に電力節減を行う機構を構築する.

2.4 本章のまとめ

各機器の省電力技術が進歩する中,ユーザの使用方法改善による不用な電力消費の節減 が必要となっている. 一方,家庭の情報化が進み,機器の制御や管理に対するコストが低く なりつつあり,そのための統合管理インフラも実現しつつある. 今後はこれらのインフラ を利用した,ユーザの省エネ対策を代行するエネルギー管理が必要である.

(21)

3

ユーザの省電力対策を代行する統合電力管理

本章では,ユーザの省電力対策を代行する統合電力管理を行なう 上で必要な機能を整理する. それらに基づいて,ユーザの機器利用 状況に基づく電力管理機構を提案し,必要な機能を検討する.

(22)

3.1 機能要件

前章で述べたように,これからはユーザの省エネルギー対策を代行する統合エネルギー 管理が必要となる. 本研究では家庭で消費されるエネルギーのうち家電機器の消費する電 力を節減することに特化する. 家電機器の管理,制御を行なう統合的な電力管理機構を構 築することで本来ユーザが行なうべき電力節減を実現する.

電力の節減を行なうためにユーザは稼働させていた機器が不用になった時に機器を操作 し,なるべく電力を消費しない状態に変更する. ユーザの省電力対策を代行するためには, 不用な機器の検知と電力節減処理を行なう機能が必要である. またユーザが意識せず電力 管理できるようにユーザビリティを考慮する必要がある.これら3点を統合電力管理機構 の機能要件とする

3.1.1 不用な機器の検知

家電機器の消費電力に特化して電力節減を行なうためにはユーザにとって不用な機器を 検知しその機器が消費する電力を節減すると良い. ユーザにとって不用な機器を把握する ために,ユーザの機器利用形態について考察し,それから不用な機器を見つける方法を検討 する.

ユーザの機器利用形態

ユーザが家電機器を利用することで得られる効能を家電機器のサービスと言う. 例えば エアコンデショナは部屋を暖めるというサービスを提供し,ビデオデッキはビデオテープ にテレビ番組を録画するというサービスを持つ. ユーザが機器を利用することはユーザが 機器の提供するサービスを利用することを意味する.

家電機器の利用形態をサービスの受けとり方という点から直接利用と間接利用のように 2つに分類する.

直接利用

家電機器が稼働している最中にその場で直接サービスを受けとる利用形態である. えばテレビの持つ映像表示サービスはユーザが直接その場で映像を見ることで受け とることができる.

間接利用

家電機器が稼働している間はサービスをユーザではなく物や空間に提供し,ユーザ がそれらを利用することでサービスを受けとることができる利用形態である.例え ばビデオ録画サービスは機器の稼働中はビデオテープに録画するという形で働きか け,後にユーザがビデオテープに録画された映像を見ることで間接的にサービスを 受けとることができる.

(23)

ユーザの機器利用状況

前述した機器の利用形態のうち直接利用の場合,機器が稼働していてもユーザが機器の 提供するサービスを受けとらない限りその機器は活用されない.テレビが稼働しているに も関わらずユーザがテレビの可視範囲外にいる場合,ユーザはテレビをみることができな いためテレビは不用であると言える.このように直接利用形態ではその時々のユーザの状 況から機器の利用状況を判断することができる. また,ユーザの機器利用状況を知ること でその機器の有用性を把握することができる. このようにして不用な機器を検知すること ができる.

3.1.2 電力節減処理

稼働している家電機器の中で不用なものについては,できるだけ必要な機能のみを残し て停止させることが望ましい.ユーザの機器利用状況から判断できる機器の有用性を段階 分けし,それに基づいて電力節減することを考える.

家電機器の電力状態

直接利用できる家電機器について,家電機器の状態を表3.1のように段階分けできる. 論文ではこれらを電力状態と呼ぶ. 電力状態とは機器の持つ機能の稼働状況やユーザの機 器利用状況から分類した状態である.それぞれ表に記載されている関係にある.これらの状 態は表記されている順に電力の消費量が増えていく.

停止状態とは全ての機能が停止しており, ユーザが機器を全く利用していない状態で ある.

スタンバイ状態とはユーザが機器を利用していないため機器が持つ主要なサービスサー ビスを提供する機能が稼働していないが,利用を始める可能性があるためそれらを提供す るための準備機能が稼働している状態である.

省電力状態とはユーザが直接機器を利用していない状態である.このため直接ユーザに 提供するサービスを構成する機能は稼働していない. 間接利用している可能性はあるため, 間接サービスを構成する機能は稼働している可能性がある.スタンバイ状態より多くの機 能が稼働している.

稼働状態とはユーザが機器を直接利用している状態である.また間接利用している可能 性もある.

電力節減処理

前述の電力状態に基づいて機器を制御することで電力の節減を行なう. ユーザが直接利

(24)

3.1: 家電機器の電力状態

電力状態 ユーザの機器利用状況 機器の稼働状況 停止状態 利用していない 完全停止

スタンバイ 利用し始める スタンバイ 状態 可能性あり 機能のみ稼働 省電力状態 直接利用していない 直接利用機能停止 稼動状態 直接利用している 直接利用機能稼働

とが多いがユーザが利用し始める可能性がない場合は無駄である.この時に機器を完全に 停止することで節電する.

3.1.3 ユーザビリティ

稼働させていた機器が不用となった時,統合電力管理機構は機器の電力状態を変更させ るよう働く.一方状態変更後,再びユーザがもとの状態で機器を利用を継続することがあり うる.この場合ユーザは手動で機器をもとの状態に戻さなくてはならない.これはユーザに 逆に負担をかけることになり問題である.

また本研究が対象とする家庭環境は,機器を一人が利用するだけでなく複数人で共有す る可能性が高い. この時できるだけ必要な電力のみを供給するためには誰が利用している 機器かを把握しそれぞれに適した処理をする必要がある.

3.2 ユーザの機器利用状況に基づく統合電力管理機構

ユーザの省電力対策を代行するため,ユーザの機器利用状況に基づく統合電力管理機構 を構築する. 本節では前述した機能要件に基づき,電力管理機構の持つべき機能について 検討する. まず本機構の概要を述べ,次に不用な機器を検知するための機器利用状況把握, ユーザビリティを保つための機器の状態復元やユーザ管理について述べる.

3.2.1 概要

ユーザの機器利用状況に基づく統合電力管理機構の概念図を図3.1に示す. 本機構では ユーザの機器の利用状況を把握し,それに応じて不用に稼働している家電機器を検知する.

検知された家電機器の電力状態を最適なものに変更することで電力節減を実現する.

(25)

3.1: ユーザの機器利用状況に基づく節減モデル概念図

3.2.2 ユーザの機器利用状況把握

電力管理機構の機能として機器利用状況を把握する方法が必要である. しかし,ユーザが 機器をどのように利用しているかといった状況を直接検知することは容易ではない. そこ で本機構ではユーザや機器に関する情報を取得し,それらを利用することで間接的にユー ザの機器利用状況を割り出す.

ユーザの機器利用状況を割り出すための情報として下の3つの方法を挙げる.

ユーザの位置情報

ユーザが直接利用できる機器の場合,機器はその周辺に対してサービスを提供 , それを近くにいるユーザが受けとるというようにサービス提供範囲が決 まっていることが多い. ユーザはサービス提供範囲にいる場合,サービスを取 得でき,機器を利用できる. この場合,ユーザがサービス提供範囲外にいる時は 機器を利用できない. 一部の機器はユーザの位置によって機器利用状況を把握 することができる.

3.2はユーザの位置情報から機器の利用状況を把握する例である.図中a ユーザがラジオの可聴範囲にいることからラジオを利用していると言える. bはユーザがラジオの可聴範囲外にいることから,ラジオは稼働しているが, ユーザは機器を利用していないことが分かる.このように,ユーザの位置情報 は特定の機器について機器を利用していないという状況を判断する上で有効 である.

(26)

3.2: 機器の利用状況 連携家電機器の状態

機器の状態から機器の利用状況を把握できることがある. 例えば,機器が停止 状態である時,機器が利用されていないのは明らかである. また,機器同士が連 携することによって一つのサービスを提供するものがある.例えばビデオテー プの中の映像を見るというサービスはビデオの再生機能や出力機能,モニタの 入力機能と表示機能などによって構成され,提供される. このような場合,両方 の機器についての機器の利用状況は同じである.一方の機器利用状況が分かれ ばもう一方の機器利用状況も同じと判断できる.一方の機器が停止状態にある ことから機器が利用されていないことを判断し,それを基にもう一方の機器も 利用していないと判断する. 連携する機器の状態は,機器の利用状況を判断す るのに有効である.

ユーザ問い合わせ

前述の2つの情報は適用できる機器が限られるため全ての機器の利用状況を 把握することに限界がある. 省電力をより効率良くするため,ユーザに利用状 況を直接問い合わせ,状況判断を補うことを考える. これはユーザの負担を多 少増やすことになるが,直接問うため機器の利用状況把握のためにとても有効 な情報を得ることができる. ユーザに煩わしさを感じさせないよう通知時間を 調整することや機器を選択することで必要なものだけを通知させるよう工夫 する必要がある.

一方,問い合わせをする際に機器稼働状況を伝えることで,機器の必要性をユー ザへ訴えかけることができる.これによってユーザが省電力のため,不用な機器 を稼働させないよう意識させることができる. このように2.2.1で述べたユー ザアウェアネス機能としても使える.

ユーザ問い合わせ情報は確実に状況を把握できるが,ユーザの負担がかかるため多用する ことは望ましくない. また,家電機器の状態情報を利用する方法は連携する機器が必要であ

(27)

り,さらに連携する機器の状態が変わらなければならないため,連携する機器を合わせて利 用されておらず放置されている時は状況を把握することができない.ユーザの位置情報を 利用した状況把握は位置を取得するセンサがあれば実現可能であり,また精度も十分高い.

本研究では,ユーザの位置情報を最も重要な把握方法として利用し,家電機器の状態や時 間情報を利用することでさらにその精度を高める.またユーザ問い合わせ情報をこれらを 補うように利用する.

3.2.3 自動状態復元

本機構使用時にユーザが機器の利用を一時的にやめた場合,つまりユーザが機器利用の 停止後すぐに再び利用を再開する場合の状況を検討する.

手動状態復元

本機構が機器利用の再開について関与しない場合,ユーザ自身が手動で機器の 状態を復元する必要がある.これは本来,本当に必要な機器のみを稼働させる ことになるため電力消費を下げるのに効果的である.

しかし,毎回手動で稼働させるためユーザにとって大幅負担が増えることにな る.家庭での利用を想定する場合,ちょっとした用事のために部屋を移動すると いうのは頻繁に起こりうる.例えば,テレビを見ている際中に別の部屋で鳴った 電話にでる,コマーシャルの間にキッチンに飲物を取りにいくといった状況は 容易に想像される.このため毎回手動で復元処理を行なわなければならないの はあまり現実的でない.

自動状態復元

ユーザの負担を減らすためユーザが直後に機器の利用を再開した場合に,自動 的に状態を復元することを考える. この場合,ユーザは機器の状態が一時的に 変わったことを意識することなく,利用を継続できる. しかし,ユーザがどの機 器の利用を再開するかということを判断することは難しい.このため不用に状 態が復元される可能性がある.その結果逆に消費電力を増えてしまうことも考 えられる.

本機構はユーザの省電力対策を代行するためユーザの負荷を軽減することが目的の一つ

(28)

体的には機器の状態を復元するために必要な時間を機器ごとに設定し,設定時間を過ぎた 後は復元しないことにする.

3.2.4 複数人との共有

家庭において複数のユーザが機器を共有する可能性は高い. 本機構使用時に機器が共有 されている状況についてユーザ管理の有無という観点において検討する.

ユーザ管理無し

ユーザを管理しない場合,ユーザの区別は行なわず,全てのユーザに対して同 じように機器利用状況を把握し,節電処理や自動復元処理を行なう.これはセ ンサにユーザ認識機能を求めることがなく,ユーザ管理をするコストが低いな どの利点がある.しかし,特定ユーザにのみ提供すれば良い機能を全てのユー ザに提供してしまうため管理上の無駄が増える.例えば,自動復元処理をする 際に不用な状態復元を起こしやすくなる.

ユーザ管理有り

ユーザを管理した場合,ユーザを区別し,ユーザ毎にどの機器利用状況を把握 し, 節電処理,復元処理を行なう.この場合,ユーザに必要な処理を行なうこと ができ,不用な処理を行なうことがない.しかし,ユーザ管理のためにセンサに ユーザを区別する機能を必要とすることやユーザ毎の機器利用状況を管理を するなどのコストがかかる.

ユーザを管理した場合管理コストがかかるが,より節電効果を高めるために,ユーザに合 わせた処理を行なう方が良いと言える.このため本機構ではユーザ管理を行なう.

3.3 本章のまとめ

本章では家庭におけるユーザによる省電力対策を代行する統合電力管理の機能要件を整 理し,ユーザの機器利用状況に基づく統合電力管理機構を提案した. 本機構はユーザの機 器利用状況を把握し,それに基づいて不用な機器の検知する. 次に,検知した機器を制御す ることで電力節減を実現する. また,ユーザビリティを損なわないよう状態を自動変更し た機器について自動状態復元することやユーザ管理を行なうものとする.

図 目 次 1.1 部門別最終エネルギー消費の推移  2 1.2 家電機器の普及率  3 1.3 インターネット普及状況  3 2.1 ECHONET の通信レイヤ構成  9 2.2 OpenPLANET 構成図  10 3.1 ユーザの機器利用状況に基づく節減モデル概念図  16 3.2 機器の利用状況  17 4.1 想定環境  21 4.2 不用な機器の検知と電力節減処理  22 4.3 機器状態復元処理  23 4.4 ソフトウェア構成図  24 4.5 ユーザ退室時の動作  25 4.6 ユーザ入
表 目 次 3.1 家電機器の電力状態  15 4.1 家電機器への要求の種類  31 5.1 デバイスデータの例  34 5.2 DeviceDefinition テーブル内容例  35 5.3 UserDefinition テーブル内容例  35 5.4 UserLocation テーブル内容例  36 5.5 状態名  36 5.6 AppState テーブル内容例  36 5.7 UserLocationManager クラスのメソッド  37 5.8 SppStateManager クラスのメソッ
図 1.1: 部門別最終エネルギー消費の推移 1.1.2 家庭の情報化 一方, 家庭において計算処理能力やネットワーク接続能力を持つ機器が普及している. こ の機能を通じて機器を遠隔から制御および集中管理できる
図 1.2: 家電機器の普及率 図 1.3: インターネット普及状況 1.2 本研究の目的 本研究では家電機器のネットワーク化の動向に着目し, 家電機器を管理, 制御することに よって家庭において電力消費を効率化する統合電力管理機構 USPM システムを構築する
+7

参照

関連したドキュメント

近年の動機づ け理論では 、 Dörnyei ( 2005, 2009 ) の提唱する L2 動機づ け自己シス テム( L2 Motivational Self System )が注目されている。この理論では、理想 L2

The architecture features a ring- connected processing element (PE) array to reduce both computation cycles and memory access cycles at the same time, allowing lower power

Our analyses reveal that the estimated cumulative risk of HD symptom onset obtained from the combined data is slightly lower than the risk estimated from the proband data

(1) 送信機本体 ZS-630P 1)

TEPCO is advancing technological development toward the realization of “smarter” power system networks through such initiatives as establishing power system networks that enable the

○ There was no wind pressure but we heard a sound like a balloon popping. Then everything went white and after little bit I heard a sound like pitter patter and I thought that

To develop a rubble removal plan for the upper part of the Unit 3 Reactor Building, the conditions around the Reactor Building operating floor was surveyed (7/11)..  Unit 1

♦ DSP detects low battery voltage and puts HPM10 into Deep Sleep Mode through the DS_EN pin Hearing Aid with a Push Button and Unsealed Battery Door:..