経営 と経済 第 8 7 巻 第 2 号 2 0 0 7 年 9 月
超過滞在 と非合法外国人労働者の 雇用者にたいする制裁
島 田
Abst ract
Bya s s umi ngaS ma l lo pe ne c o no mywi t hd ua ll a bo rma r ke t s ,wei n‑
ve s t i ga t et hee f f e c t so fs a nc t i o nso ne mpl o ye r so ff o r e l gnWO r ke r swho e xt e ndt he i rs t a ybe yo ndt hel e ga l l ype r mi t t e dpe r i o d.Fo rt hi spur pos e , Wea s s umet ha ta l lf or e l gnwo r ke r se nt e rt hes ma l lo pe ne c o nomyl e ga l ‑ l ya ndpa r t i c i pa t ei nt hes ec o nda r yl a borma r ke tt os uppl yuns ki l l e d l a bo r .Al lo ft he m a r ea s s ume dt os t a yd ur i ngt hel e ga l l ype r mi t t e d pe r i o da nds o meo ft he m a r ea s s ume dt oo ve r s t a ya ndwo r ki l l e ga l l y.
Wes ho wt ha ti ft her a t i oo fo ve r s t a yi ngf o r e l gnwo r ke r si ss uf f i c i e nt l y hi g h,S t r e ngt he ni ngt hee mpl o ye rs a nc t i onsi sl i ke l yt oc o nt r i but et ot he r e d uc t i ono fo ve r s t a yi ngf o r e i gnwo r ke r s .Ont heo t he rha nd,i ft her a t i o i ss uf f i c i e nt l yl o w, wewi l lbea bl et or e duc et he i rn umbe rbywe a ke ni ng t hee mpl o ye rs a nc t i ons .Ho we ve r ,i nbo t hc a s e s ,ma nl pul a t i o no ft he e mpl o ye rs a nc t i o nsai me da tt her e duc t i o no fo ve r s t a yi ngf o r e l gnwo r k‑
e r sma ke st hewe l f a r eo fs ki l l e dna t i vewo r ke r si nt hepr i ma r yl a bo r ma r ke two r s e.
Keywords:o ve r s t a yi ng;e mpl o ye rs a nc t i o ns;f o r el gnwor ke r s;e f ‑ f i c i e nc ywa ge s;dua ll a bo rma r ke t s;s ma l lo pe ne c o nomi cmo de l
1 節 は じ め に
本論文は短期滞在 を希望する外国人労働者を想定 して, この ような外国人
労働者の超過滞在 を抑制するために,非合法外国人労働者の雇用者 にたいす
る制裁 ( e mpl o ye rs a nc t i o ns ) をどの ように科 した らよいかを検討する・
非合法外国人労働者の流入や雇用を どの ように抑制す るかは外国人労働者 が どの ように非合法化するか と無関係ではな く,外国人労働者 が どの ように 非合法化するかは彼 らが合理的に行動する限 り,彼 らが短期滞在を希望 して いるか長期滞在を希望 しているか と無関係ではない1 ) .不法入国に大 きな費 用 をかけて も,短期間の滞在では小 さな所得 しか得 られないか ら,短期滞在 を希望する外国人労働者は不法入国 しようとしないかもしれない.彼 らはむ しろ合法的に入国 し非合法的に雇用 されることにより,非合法外国人労働者 となるか もしれない.この ようにして非合法化する外国人労働者の流入や雇 用は,非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁 によって抑制 Lやすいだ ろう 2 ) . これにたい して長期滞在 を希望する外国人労働者 は,不法入国に大 きな費用 をかけて も,長期間の滞在で大 きな所得が得 られるか ら,短期滞在 を希望す る外国人労働者は ど不利ではない. このため彼 らは不法入国によっ て も非合法外国人労働者 となるだろう.この ように して非合法化する外国人
1 )具体的な期間の長 さで短期滞在 と長期滞在をは っきりと区別す ることはで きないが, 本論文 では数年 間働 いた ら帰国することを予定 している外 国人を短期滞在希望の外国人 労働者 と考 え, これ よ りも長い期間働 くこ とを予定 していた り永久的に滞在 して働 くこ
とを予定 していた りす る外国人を長期滞在希望の外 国人労働者 と考 える.ただ し Ts uda ( 1 99 9 ) が指摘 した 日系 ブラジル人労働者の ように,当初短期滞在 を希望 していて も,滞 在中に意 向を変更 し長期滞在者 にな る外国人労働者が少な くない.
2 )アメ リカの 1 9 8 6 年修正移民管理法 ( I mmi gr a t i o nRe f o r m a ndCo nt r o lAc to f1 9 8 6 ) で導 入 された非合法外国人労働者の雇用者 にたいす る制裁 を分析 した Hi l la ndPe a r c e( 1 9 8 7 , 1 9 9 0) に よると,政策当局の予算が限 られているため,非合法外国人労働者が集中する製 造業が もっとも制裁の対象 とな り易 く,製造業 にたい して もっとも大 きな抑制的な効果 が しょうじるだろう. しか しそ うではあ って も,非合法外 国人労働者が集中せず制裁 の 対象 とな り難いサービス業や建設業 が解雇 された非合法外国人労働者 を吸収するだろう.
Chi s wi c k( 1 9 8 8 ) や Bos we l la ndSt r a ubha a r( 2 0 0 4 ) も制裁の効果にたい Lで陳疑的である.
とは言 うものの Ro bi nsa ndBa r r o s( 2 0 0 0 ) によれば非合法外国人労働者の雇用者にたいす る制裁は 日本や欧米で広 く実施 されてお り,少な くとも現時点では非合法外国人労働者 の流入や雇用を抑制す るための もっ とも現実的な手段であ る.また非合法外国人労働者 の雇用者 にたいする制裁は多 くの国で,入国管理の強化や外国人労働者の受け入れ枠の 変更な どと同時 に実施 されている.モデル分析 において も Et hi e r( 1 9 8 6 a,1 9 86 b) や Gon‑
z a l e z( 1 99 4 ) な どによって,非合法外 国人労働者の雇用者 にたいす る制裁 が入国管理の強
化 と同時 に仮定 されている.
超過滞在 と非 合法外 国人労働者 の雇用者 にたいす る制裁 3
労働者の流入や雇用は,外国人労働者の受け入れ枠 ( i mmi gr at i o nquot as ) の操作や入国管理 ( bor de rc ont r o l )の強化によって も抑制 Lやすいだろう 3).
要するに非合法外国人労働者の流入や雇用の抑制は,外国人労働者がどれだ け滞在することを希望 し,どの ように非合法化するか と係わる傾向がある.
非合法外 国人労働者 にかんす る初期 の代表的 な理論研究 であ る Et bi er ( 1 9 86 a,1 9 86 b) や Bo ndandChe n( 1 98 7) は,外国人労働者が不法入国によ って非合法化する と仮定 した. 非合法外国人労働者にかんする理論研究では, このような非合法外国人労働者が分析対象 となることが多い.
これにたい し短期滞在を希望 し非合法雇用や超過滞在 によって非合法化す る外 国人労働者 を明示的 に分析対象 とす る理論研究 は,Eps t ei n eta l ・ ( 1 9 99 ) を除いてほ とんど存在 しない 4 ) .彼 らは合法的に入国 し短期的に雇用 される外国人労働者を明示的に分析対象 とし,外国人労働者の非合法雇用や 超過滞在を通常 もちいられる手段 とは異なる方法をもちいて抑制 しようとし た. 1 つは,雇用者 にインセンティブをあたえる方法である.具体的には雇 用者は外国人労働者を雇 うために政府に債券を預け,合法滞在期間終了後 に 外国人労働者が出国 しなければ,債券は政府に没収されるとした.もう 1 つ は,外国人労働者 にインセンテ ィブをあたえる方法である.具体的には外国 人労働者の所得の一部または全部の支払いが合法滞在期間終了まで延期され るとした り,外国人労働者の所得に税を課 し合法滞在期間が終了し外国人労
3)Mye r sa ndPa pa ge o r gi o u( 2 0 0 2 ) は移入民税 ( i mmi gr a t i o nt o l l s ) や移出民補助金 ( e mi gr a ‑ t i o ns ubs i di es ) を提案 し, これ らが外国人労働者の受け入れ枠システム よりも優れている
ことを示 した. しか し仮 にそ うであって も,外 国人労働者の受 け入れ枠や入国管理 とは 異な り,移入民税や移出民補助金はすべての国で実施可能な手段ではないだろう.
4)Dj a j i Ca ndMi l l bour ne( 1 9 8 8 ) や Dj a j i e ( 1 9 8 9 ) は,短期滞在の外国人労働者 q) 1つである ゲス トワー カー移民 ( gues t ‑ wor kermi gr at i on) の行動 を ミクロ経済学的 に分析 した・
Dj a j i e ( 1 9 8 9 ) では,一時移民 ( t e mpo r a r ymi gr a t i o n) と永久移民 ( pe r ma ne ntmi gr a t i on) の
行動様式の違 いが明 らかにされた.しか しこれ らの研究は,ゲス トワーカーの非合法雇
用や超過滞在の抑制 には触れていない.
働者が帰国す るさい返還 される とした りした.
この ような議論 をおこな うさい Eps t e i ne ta l . ( 1 9 9 9 ) は,外 国人労働者 の 非合法雇用や超過滞在を抑制す る確実で効果的な国内逮描 メカニズム ( i nt e r 一 mala ppr e he ns i o nme c ha ni s m) は存在 しない と仮定 した・このため非合法外
国人労働者の雇用者 にたいする制裁が外国人労働者の非合法雇用や超過滞在 におよばす影響 は検討 されていない.彼 らが考 えた方法は理論的にはひ じょ うに興味深いが,すべての国で直ちに実施で きる方法ではな く,非合法外国 人労働者の雇用者にたいする制裁 はど現実的ではない.
そ こで本論文は, Eps t e i ne ta l . ( 1 9 9 9 ) と同 じように外 国人労働者を合法的 に入国す る短期滞在希望者 に限定する一方,彼 らとは異な り現実に広 く採用 されている非合法外国人労働者の雇用者にたいする制裁 をもちいて, これ ら の労働者の超過滞在 を抑制する方法を明らかにする.
本論文では,つぎの結果が得 られる.政策当局が超過滞在の不熟練外国人 労働者の雇用者 にたいする制裁 を強めて も, この ような非合法不熟練外国人 労働者の供給量や雇用量が減少す るとは限 らない.制裁が この ような労働者 の供給量や雇用量 におよばす影響は, これ らの労働者が不熟練外国人労働者 全体にしめる割合によって異なる.すなわち超過滞在する不熟練外国人労働 者の割合が十分小さいばあい,罰金を減少 させ ることによって超過滞在する 不熟練外 国人労働者の供給量や雇用量が減少する.一方,超過滞在する不熟 練外国人労働者の割合が十分大 きいばあいは,罰金 を増加 させ ることによっ て不熟練外国人労働者の供給量や雇用量が減少する.また何れのばあいであ って も,罰金の操作 による超過滞在の不熟練外国人労働者の供給や雇用の抑 制は,熟練 自国人労働者 にたいし悪影響をおよぼす.
本論文の構成 は,以下の とお りである. 2 節はまず,二重労働市場をもつ
小国開放経済において政策当局が超過滞在 により非合法 となる外 国人労働者
の雇用者 にたい し制裁 を科す と仮定する.そ して このような経済において熟
練労働者 と不熟練労働者の賃金率や雇用量が どの ように決 まるかを示す. 3
超過滞在 と非 合法外 国人労働者 の雇用者 にたいす る制裁 5
節はまず,超過滞在の不熟練外国人労働者の雇用者にたいする制裁が超過滞 在の不熟練外国人労働者に どの ような影響をおよばすかを明 らかにする.ま た罰金の操作 によって超過滞在の不熟練外国人労働者を減少させ ようとす る と, それが不熟練労働者や熟練 自国人労働者 にどの ような影響をおよぼすかも 明 らかにする. 4 節は,本論文をま とめ,今後検討 し改善すべ き点をあげ る.
2 節 モデル
本論文は,二重労働市場をもつ小国開放経済 ( 以下では自国 ともよぶ)を 仮定す る・二重労働市場は ,pr i ma r yl a bormar ke t と s ec onda r yl abormar
‑ke t か らなる.前者では熟練労働 が取引され,非競争的 に雇用量 と賃金率が 決定 される.後者では不熟練労働が取引され,競争的に雇用量 と賃金率が決 定 され る 5 ) .小国開放経済 は,外国人労働者の流入をつ うじて 自国を除 く世 界 とつなが りを もってい る.本論文 は Kemni t z ( 2 0 03 ) と同 じように, 自国 へ流入する外国人労働者は不熟練労働者だけか らなると仮定する.
Pr i ma r yl abormar ke t には熟練 自国人労働者が毎期 N 〜 1 存在する・ N l は定 数であ る .Sec onda r yl aborma r ke t には不熟練 自国人労働者が毎期 N ‑2存在 す る・N l:は定数であ る・また s econdar y l a borma r ket へは不熟練外国人労 働者が毎期 M 一 流入 し,少な くとも合法的な滞在期間,具体的 には t 期間, 滞在す る.また合法的な滞在期間中,彼 らが非合法的に雇用 されることはな い ・M J と t は定数である. このため s ec onda r y l a bormar ke t には不熟練 自 国人労働者のほかに,合法的 に滞在 してい る不熟練外国人労働者が毎期 t M ‑ 存在す る.企業は不熟練 自国人労働者 と不熟練外国人労働者 を同じ生産要素 5) 本論文は Ag i o mi r g i a n a ki sa ndZe Ⅳo y i a n n i ( 2 0 0 1 ) や Sh i ma d a( 2 0 0 5 ) な どと同 じように,
熟練 労働 が取 引 され る p r i ma r yl a bo rma r ke t を非競争的,不熟練 労働 が取 引 され る
s e c o nd a r yl a bo rma r ke t を競争的 と仮定するが , Ke mn i t z( 2 0 0 3 ) は熟練労働市場を競争的,
不熟練労働市場を非競争的 と仮定 してい る.
と見なす.
不熟練外国人労働者の一部,具体的には 0,ただ し 0<0< 1 ,の割合の不 熟練外 国人労働者は,合法的な滞在期間を超 えて 自国に滞在 し ,s e c o nd a r y l a bo rma r k e t に留まる. ( ‖ま定数である.現実には不熟練外国人労働者は様
々な理 由で超過滞在するが,本論文は不熟練外国人労働者が超過滞在する理 由をつぎのように仮定する.不熟練外国人労働者 は 目標 とする金額 を貯蓄 し た り出身国へ送金 した りすることを 目指 して,出身国か ら自国へ移動する.
しかし合法的な滞在 によって彼 らが稼げる金額は,目標 とする金額 を下回る.
このため彼 らの一部は, 目標 とする金額を達成するために超過滞在する 6).
しかし政策当局は,資源を投入 して超過滞在 している不熟練外国人労働者 の雇用を発見 しようとする 7 ) .また政策当局は超過滞在の不熟練外国人労働 者の増加 とともに,発見のためにより多 くの資源を投入す る.具体的には政 策当局が超過滞在の不熟練外国人労働者の雇用を発見する確率 少は,
P‑ A( L言IN 2 ‑t M 1 ,0< p< 1 , P ' > 0 ,
をみたす・ここで L 言は,不熟練労働者の供給量 を表す・また発見確率の超 過滞在の不熟練外国人労働者の供給量 にかんす る弾力性 扉 ま,一定で十分 小 さい と仮定す る. これは,雇用 されている超過滞在の不熟練外国人労働者 がひじょうに多いため,政策当局がこれ らの労働者の摘発 にあたる人員を増
6 )本節の以下の部分で代表的な不熟練外国人労働者 が 目標 とする金額 を 1 つ仮定するが, 実際には 目標 とする金額は個 々の不熟練外 国人労働者で異 なる. このため同 じ賃金率で
も超過滞在する労働者 と超過滞在 しない労働者がでて くる.
7)本論文 では政策当局の非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁のはかに, これ ら
の労働者q) 雇用 を抑制 するための政策はお こなわれない. この ような仮定の もとでは一
般的 には,超過滞在 していて も雇用 されていない不熟練外 国人労働者 は政策当局の発見
の対象 とはな らない・ しか し本論文では s e c o nda r yl a bo rma r ke t で完全雇用が成 り立 つ
ため ( 本節後述参照),超過滞在 しているすべての不熟練外国人労働者が政策当局の発見
の対象 となっている.
超過滞在 と非合法外 国人労働者 の雇用者 にたいす る制裁 7
や して も発見確率はほ とん ど上昇 しない, と考 えられるか らである.
政策当局は超過滞在の不熟練外国人労働者の雇用 を発見する と,この よう な労働者の雇用者 にたいして制裁 ( e mpl o ye rs a nc t i o ns ) を科す・具体的には 雇用者は雇用 している超過滞在の不熟練外国人労働者 1人にたい して/,た だ し />0,だけ罰金を支払 わなければな らない・ /は政策当局 によって操作 される.
代表的な不熟練外 国人労働者が 目標 とす る金額 を J ( 不熟練労働者の賃金 率 W2 よ りも十分大 きい定数),出身国か ら自国への移動 にかかる費用 を C
( 定数),超過滞在期間を γ と仮定す る.また不熟練外国人労働者は合法滞 在 中および超過滞在 中,毎期賃金の一部 ,具体的には }( 定数),ただ し 0<
)< 1 ,の割合の賃金 を生活費 に充 て る と仮定す る.この ような仮定 の も と では生活費が合法的な滞在 のために t w2 1かか り,非合法的な滞在のために γ( 119)W2 1かかる.一方,不熟練外国人労働者の一部 は合法的な滞在 によ って t w 2 稼 ぎ,超過滞在 に よって γ( 1‑ A) u' 2 稼 ぐ・したがって超過滞在 す る不熟練外国人労働者 について,
Z十 C + t w 2 1+ i J ( 1‑ 9) W2 1 ‑ i w 2 + γ( 1‑ 9) W2 , が成 り立つ 8).
これ より不熟練外国人労働者の超過滞在期間が, I+ C‑ t uJ 2 ( 1‑ A )
( 1 ‑ 9)W2 ( ド ))
と求め られる.不熟練外国人労働者 の賃金率の上昇は,超過滞在中の1 期間 に貯蓄 または送金で きる金額の予想値 を増加 させ ることと合法滞在 中に稼 ぐ 金額を増加 させ超過滞在中に稼がなければな らない金額 を減少 させ ることに より,超過滞在期間を減少 させ る 9 ) .また不熟練労働者 の供給量の増加は,
8) 賃金は多期間にわたってしょうじるが,簡単化のために利子率を 0 と仮定する.
9) ∂ i J / a w2 ‑‑ ( I+C)/( 1‑9) u , a ( 1‑A)<0.
政策当局 が超過滞在の不熟練外 国人労働者 の雇用 を発見す る確率 を上昇 さ せ,超過滞在中の 1期間に貯蓄 または送金できる金額の予想値 を減少 させ る
ことにより,超過滞在期間を増加 させる 1 0).
したがって不熟練労働者の供給量は, L言‑N t 2 + i
ML+ I +C‑ t w 2( 1‑))
( l l P)U J Z ( 1‑ )) o M 〜 , ( 1 ) である.
企業 は,pr i ma r yl a bo rma r ke t とs e c o nda r yl a bo rmar ke t か らそれぞれ L l と L 2 だけ熟練 自国人労働者 と不熟練労働者 を需要 し,つぎの生産関数 に し たがって生産 をおこな う.
Y‑LE l l l L 冨 2 , a l , a2 > 0 , a l +a2 < 1 ・ 企業の利潤 7 Tは,
7 T ≡L7 1 L冒 2 ‑u ) 1 Ll ‑ u , 2 L2 ‑ A f L 2 ,
と定義 される 1 1 ) ・ここで w lは熟練 自国人労働者の賃金率,L 2 は超過滞在 し ている不熟練外国人労働者 にたいする需要量 を表す.右辺第 4 項は,企業が 支払 う罰金の合計の予想値 を表す.
すでに仮定 したように s e c onda r yl aborma r ke t は競争的である・本論文は さらに,賃金が伸縮的であるため常 に完全雇用が成 り立 つ, と仮定す る. こ の ような仮定の もとでは超過滞在 している不熟練外国人労働者 もすべて雇わ れ,超過滞在 している不熟練外国人労働者 にたいする需要量は超過滞在 して いる不熟練外 国人労働者数 ( 1 式右辺第 3 項)に等 しい.このため企業の利 潤は,L 2 ‑L言と( 1 ) 式 か ら,
1 0 )∂ T/ ∂ L ぎ ‑[ ( I+ C‑ t u ' 2 ( ド )) ) / ( 1‑ )) W2 ] ( 1 /( 卜 P) 2 ) 物P/ ( Lぎ ーN T; ‑t M l > 0・
ll )本論文 は簡単化のため,財価格 を 1と仮定する.
超過 滞在 と非 合法外 国人 労働者 の雇用者 にた いす る制裁
打
≡L7 1 L芸 2 ‑wI Ll ‑ u ) 2 L2 ‑ 〟( L2 ‑ N 12 ‑ t M ‑) , と書 き換え られる.
企業は利潤最大化の 1 階条件, al L冒 . LI L冨 2 ‑W1 ‑ 0,
a2 L7 1 L冒 21 ‑W2 ‑( 1+T p ) A f ‑0 ,
9
をみたすように熟練 自国人労働者 と不熟練労働者 を需要する.
すでに pr i ma r yl a bo rma r ke t は非競争的である と仮定 したが,具体的には 熟練 自国人労働者の賃金率は Sha pi r oa ndSt i gl i t z( 1 9 8 4) な どによる非怠業モ デル ( no n‑ S hi r kmode l )に したがって決定 され る と仮定する.雇用 され怠業 する熟練 自国人労働者の予想生涯効用 VE Sは,
r v E S‑u, 1 +( P + p)(V U‑ Y E S ) ,
と表 される・ ここで γは割引率 ( 定数), βは熟練 自国人労働者が怠業以外 の理 由で離職 し失業する確率 ( 定数), pは熟練 自国人労働者が怠業 し企業 に見 つか り解雇 され失業す る確率 ( 定数), v Uは失業 している熟練 自国人 労働者の予想生涯効用を表す 1 2 ) .また雇用 され怠業 しない熟練 自国人労働者 の予想生涯効用 V E Na,
r v E N ‑ w l‑ e + P( V U IY E N) ,
と表 される. ここで β,ただ し β> 0 ,は雇用 され怠業 しない熟練 自国人労 働者が発揮する努力を表す .e は定数である.
この ような仮定の もとで非怠業条件 V E N ‑V E S (…vE)を課 した うえで, VU
1 2 ) ca r t e r ( 1 999 ) に したがい, pを怠業す る熟練 自国人労働者が怠業を発見され解雇 され 失業す る単位時間あた りの確率 と仮定す る・この ような仮定の もとでは ,T o時点 と T o +
T時点のあいだ怠業する熟練 自国人労働者が怠業 を発見 され解雇 され失業す る確率は pT であ る・仮 に企業が完全に怠業を発見で きれば p Tは 1であるか ら , T が十分小 さければ
p は無限大である・
を,
r V U ‑α( VE‑ VU ) ,
とあたえると,熟練 自国人労働者の賃金率が,
w l =e + α +β十γ
と求め られる 1 3) .ここで α は,離職 し失業 している熟練 自国人労働者が再雇 用 される確率を表す.
定常状態 においては失業か ら流 出する熟練 自国人労働者 と失業へ流入する 熟練 自国人労働者 が常 に等 しいか ら, α ( N 〜 1‑ L l ) ‑ βL l が成 り立つ・ これ を上式 に代入する と,定常状態における熟練 自国人労働者の賃金率が,
w l =e + ( 4)
と求め られる.また定常状態における熟練 自国人労働者の予想生涯効用は,
vE ‑i l l・ ] ( ' .
と決まる.定常状態 における熟練 自国人労働者の予想生涯効用は,熟練 自国 人労働者の雇用量の増加関数である.
3 節 超過滞在の不熟練外国人労働者の雇用者にたいする制裁の 影響
本節は,超過滞在の不熟練外国人労働者の雇用者 にたいする制裁の変更が 超過滞在の不熟練外国人労働者 に どの ような影響をおよばすかを明らかにす る.また政策当局が制裁 によって超過滞在の不熟練外国人労働者を減少 させ ようとす ると,合法滞在の不熟練外国人労働者や熟練 自国人労働者 にどの よ
1 3)失業手 当は0 と仮定されている.
超過滞在 と非 合法外 国人労働者の雇用者 にたいす る制裁 ll
うな影響が しょうじるかを明 らかにする.
まず ( 2 ) 式 と( 4 ) 式 を全微分 し,熟練 自国人労働者の雇用量の変化 を不熟練 労働者の雇用量の変化によって表す.
d L l ‑ al a2 L冒 '1 L冨 21
d L2・ 持1
( 5) 式 に よる と,一方の労働者の雇用量が増加す ると他方の労働者の雇用量 も増加する.
( 3) 式 を全微分 した式に ( 5) 式 を代入 し,不熟練労働者 にたいする需要量の 変化を不熟練労働者の賃金率の変化 と罰金の変化 によって表す.
d L2 ‑ A 1 d w2 + A l l ( 1+侮) p d f,
A≡‑a2( 1‑ a 2 ) L; l L冒 22 1( 1+T p ) f T p L 2 ‑ N 2 ‑t M
a… aZ L … ( a l l1 ) L ≡ ( a 2 ‑1 )
a l ( 1 ‑ a l ) L写 】 1 2 L ㌢ 十 ( e /p) β( N l/ ( N T ILl ) 2 ).
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