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教材実験用電解質整流器の研究
よ 理科教育研究室 局
野 繍旦 雄、
§1・研究の意味
理科教材の学習指導においては,電気を利用する教材実験は非常に多い。電気を直接対 象とするいわゆる電気教材はもちろん,それ以外の領域。分野においても電気の利用はか なりの頻度をもっている。さらに他教材まで考えれば,技術・家庭科などにおいても盛ん に利用されている。このような電気利用の中で,直流を必要とする場合もかなり多い。直 流を利用する教材実験の場合は,もちろん乾電池または蓄電池を電源として行ないうる が,いずれもが使用可能時間,経済性,管理維持などにおいて欠陥をもっている。そのた め交流電源から直流をとるために整流器が広く使われている。今化学的教材を例にとるな らば,陽極および陰極における諸現象の観察などの基礎実験から,電気分解・電気めっき のような実験に至るまで広く利用されている。
この整流器は,比較的設備の整っている小・中学校では,理科室に電源装置を備えつ け,これから各生徒用実験台に配線して,各実験台では交。直いずれの電流もコンセント から即座にとりうるようになっている。ところでこのためには各学校にある程度の経済力 が要求されるし,また理科室以外の普通教室での実験では不可能である。さらに整流器お よびその配線がレディーメードであり,その全体がいわゆるブラックボックスになってい るのは,理科としてはただその便宜性の故に:尊:重するだけにはいかないところである。
そこで,生徒自身で作ることもできる簡易装置である電解質整流器の大きな利用価値が 浮び上ってくる。特に設備と予算に恵まれない学校においては,教材実験に十分生かされ るべきものといえる。以下にのべる研究は,この教材実験用の電解質整流器の検討を通し て,どんな金属の電極とどんな電解質溶液を用いたとき最もよい整流効果をうることがで きるかをしらべてみたものである。
§2.電解質整流器の整流作用について
2枚の金属極板を電解質溶液の中に対立して浸し,これに交流を流すと,交流は脈動的 な直流に変化することがある。すなわち変調電流が得られる。例えばアルミニウム板を他
の金属板の極と対置させて,重曹(NaffC(.)3)または棚砂(Na2B407)c?)溶液中に浸し て,交流を通ずると,アルミニウム板をお\う酸化アルミニウム(系Z203)膜は,板が陽 極になるときは電流に対して著しい抵抗を示し,電流が断たれる。これに反して板が陰極 になるとぎは自由に電流を通過させる性質があるためである。これを用いて交流より直流 が得られる。この関係を示す一つの例を図示すると,図iのようである。つまり右側から 鉛板に入る電流は交流であるが,アルミニウム板から出る電流は方向一定の脈動的な直流
である。
図1
図2
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お図2においては右上部にある蓄電池の充電を行なうのに,
いる。またアルミニウムの表面の膜が整流作用をするのは限度があるから,
電流を整流する場合は,上述の金属板の組合せを数組連ねて用いるか,あるいは電圧を低 くして用いる。
図1のi装置を用いる場合は,一一方向の電流 は生きて使われるが,他の方向の電流はここ でさえぎられるから,交流の電力の半分だけ が利用されることになる。これを交流のいず れの方向の電流も利用できるようにするに は,図2のような装蔵がよい。ここでは鉛板 とアルミニウム板とを一・組とし,このような A,B, C, Dの各組を重曹水中に立て,図の ように結びあわせ,これに交流を通ずる。そ うすると,電流がPからQに向って流れる場 合には,整流された電流は実線の矢で示した 方向に通じ,つぎの瞬闘9からPに電流が流 れる場合には,整流された電流は点線の矢で 示された方向に通じるわけである。このよう にして交流が有効に直流に変るのである。な この電解質整流器を利用して 電灯用100V
§3.整流作用の研究にとった実験法
これまで研究されている電解質整流・器に使っている電解質は弱酸の塩類であるが,これ 以外の電解質の場合も含めて,ある程度広範囲にしらべてみるこ:とにした。そして最適条 件を求めたわけである。
1, 整i流電流・電圧の測定回路
高野:教材実験用電解質整流器の研究
つぎの図3のような回路で,測定を行なった。
図3 測定i甥路
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2。 実験操作
電解質溶液3002rfを図3のBである300m!
ビーカーに入れて,その中にアルミニウム 板と他の金属板を組合わせて入れる。つぎ に,100γの交流電源に可変トランスを接続
し,抵抗兼用として水の電解装置(3%水 酸化ナトリウム水溶液を用いる)を連結す る。この場合抵抗を一一定にするため,電極 の鉄板の大きさは1×5 em,両極板の聞隔 は1c711とする。
3. 実験材料および器具 (1)極板材料
アルミニウム,鉛,亜鉛,銅,鉄,ニッケル,真鎗(銅80%,亜鉛20%),トタン板,
ジュラルミン(銅4%,マグネシウム0.5%,珪素0.5%,アルミニウム95%)
(2>電解質
征廻了沙 (1>ごz2B4. 07)
酒:石酸カリウムナトリウム(KNaC4. H406)
酢酸ナトリウム(1>αC2H302)
亜硫酸ナトリウム(!%2S203)
炭酸ナトリウム(Na2CO3)
逼窒酉菱イヒオく.素 (1/202)
硫酸アンモン((rVH4)2SO 4)
そ墜酸アンモン((〈好4)2C204)
塩化アンモン(NHI4. C l)
(3)器 具
ビーカー(3007m9),温度計,スタンド,三脚,アスベスト付金網,わにロクリップ,テ スター,直流電流計(1/!),直流電圧計COγ),変圧器(75毘二次側2e4・6。8・
10 . 12 V)
(4)極板の取つけ方
上記の極板材料のうちアルミニウムを除いた他の金属極板はハンダずけができるので,
容易に接着できて都合よいが,アルミニウム板の場合は図4のようにセットするとよいこ
とがわかった。つまりプラスチックまたはふつうのセルロイドの板を,極板の間隔と極板 の長さにあうように切り込み,そこに極板を通すと,具合がよい。そしてアルミニウム極 板の一端を突出させておいて,ここにわにロクリップをかませ,接続するわけである。
図4 極板の取りつけ方図 ここで,セルロイド板などの代用品とし て,ボール紙などの紙製品を利用すること
紙製品は欠陥をもっているので,なるべくならさけた方がよいことになる。
§4・整流時間の経過による直流電流の変化
以下に整流電流を得るのに有効だった電解質水溶液について,その結果を整流時間の経 過による直流電流の変化として図示することにする。ただし実験条件はつぎのようであ
る。
極板而積 4×6 em
ただしニッケル板は2×6e77t 極板間隔 2伽
交流電圧 IO V 電解質潟度 室温
1.棚 砂
IVa2B407の7%水溶液に上記の大きさのアルミニウム板と他の金属板を対置させ,上 記の条件のもとで2時間にわたり,得られる整流電流を直流電流計で測定し,グラフにす
ると,図5のようになる。
図5においてジュラルミンー鉛とあるが,他の金属の場合はいずれもアルミニウム板と その金属とを両極板として実験していることを意味しているのに対して,この場合はジュ ラルミン板をアルミニウム板の代りにし,ジュラルミン板と鉛板を対.置させて両極板とし たのである。この理由はジュラルミンはアルミニウムが95%に達し,アルミニウムに非常 に近いので,アルミニウムとほぼ同じような働らきを示すのではないかと考え,比較高手 に入れやすい金属であることも考慮してこれと他の金属を組合わせて用いてみようとした わけである。これからのべる他の電解質の場合も,相手の金属は変ってもジュラルミンと 他の金属を組合せた極板をあつかってある。
図5
高野:教材実験用電解質整流器の研究
整流時間による直流電流の変化 7%棚砂,!>lt2B407
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整流時聞による直流電流の変化
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さて図5から判断してみると,最も効率よ く強い電流を得ることができるのは,アルミ ニウムと鉛の組合わせ極板の場合である。こ の条件下でO.6Aというかなり強い直流電流 を2時間にわたって安定して取り出すことが できている。これについで,アルミニウムと 銅,アルミニウムと亜鉛がすぐれた極板の組 合わせといえる。他は直流電流が弱すぎる か,時間の経過によって弱化し,実用上都合 悪いといえる。全体的に棚砂水溶液はすぐれ た電解質溶液と結論できる。
2. そ彦酸アンモン
5%の(NH4)2C204水溶液に各種極板を 対置させて,測定したところ,図6のように
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なった。この場合, ジュラルミン板は銅板と 組合わせたのであり,最も強い整流され た直流電流を取り出すことができた。こ れについでアルミニウムと銅,アルミニ ウムと真鎗がすぐれている。ただしジュ ラルミンー銅の場合に比べると,いずれ \ も不安定である。アルミニウムー銅の場 合は始め比較的弱い電流で後以外に強く なるのに対して,アルミニウムー真錨の 場合は始めより次第に弱化する。従って 本当によいのはジュラルミンー銅の場合 といえる。
tt.t一. 3.硫酸アンモン
こ・墳沸巡 5%の硫酸アンモン水溶液の場合は,
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しこの場合はやや不安定であるという欠
図7
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整流時間による直流電流の変化 5%一硫酸アンモン,(Nff,1)2SO4
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点は否定できない。ついでアルミニウムー亜 鉛,アルミニウムーートタン板の組合わせがす ぐれており,いずれもかなり安定した直流電 流を取り出すことができる。したがって実際
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図8
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整流下聞による直流璽流の変化 7%一亜硫酸ナトリウム,A「a2SO3 了
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的にはジュラルミンー亜盆合よりもこの2租実の 極板の方がむしろよいともいえよう。
4 亜硫酸ナトリウム
7%亜硫酸ナトリウム水溶液の場合は図8 のようであるが,この場合はいずれの極板の ときも得られる直流電流は比較的安定してお り,その点で長時間使用するのに都合がよ い。最も強い直流電流が得られるのはアルミ ニウムー亜鉛の組合わせであり,ついでアル ミニウムー鉄,アルミニウムーーニッケルがす ぐれている。 、 5.炭酸ナトリウム
7%炭酸ナトリウム水溶液の場合は図9の
図9
整流時聞による直流霞流の変化
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ようであるが,この場合も亜硫酸ナトリウムの場合と同様,得られる直流電流は比較的安 定している。最も強い直流電流が得られるのはアルミニウムー鉄の維合わせであり,つい でアルミニウムー銅,アルミニウム…鉛がすぐれている。
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高野:教材実験用電解質整流器の研究 25
6. 酒石酸カリウムナトリウム
5%酒石酸カリウムナトリウム水溶液の場合は図IOのようであるが,得られる直流電流一 は余り強くはないが比較的安定している。最も強い直流電流が得られるのはアルミニウム
図 IO
整流時間による直流電流の変化
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5%一酒石酸カリウムナトリウム,
KNaC411406
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整流時聞による直流電流の変化
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7%一酢酸ナトリウム,NaC2H302
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一亜鉛の組合わせであり,ついでジュラル ミンー亜鉛,アルミニウムー鉄がすぐれ,
小差でアルミニウムー真鍮,アルミニウム ー銅,アルミニウムーニッケルが続く。
7.酢酸ナトリウム
7%酢酸ナトリウム水溶液の場合は図H のようであるが,得られる直流電流は一般 に余り強くない。そして各種極板の結果が かなり接近している。その中で比較的強い 直流電流が得られ,かつ安定しているのは アルミニウムー一亜鉛の組合わせであり,つ いでアルミニウムー銅,アルミニウムート タン板がすぐれている。
以上7種の電解質水溶液について各種極 板を使って検討してきたが,この中から電 解質と極板が特殊なものでないこと,得ら れる直流電流が比較的安定してしかもかな り強いことなどを考えて,実用的なものを 選択してみると,大体つぎのようになる。
表1.実用的な電解質整流器の材料
電 解 質 極 板 の 組 合 わ せ
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砂
硫酸アンモン
炭酸ナトリウム
修酸 ア ン モ ン
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ウウウウウミ ムー鉛 ムー銅 ムー亜鉛 ムー亜鉛 ムー鉄
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もちろん,この外のこれまでのべてきた各電解質溶液における各極板を使う場合でも十 分役に立つことはいうまでもない。
ここで少しつけ加えておくべきことは,電解質整流器をある程度続けて使っていると温 度上昇を来たし電流効率が低下することである。
電解質水溶液の温度が上昇すると,アルミニウム極板の付近に暗色の霧状のものを生ず ることが多い。この現象はアルミニウムの組合わせの相手の極板が亜鉛,銅,鉛を用いた 場合によく起りやすい。これは電流を低下させる一因になると考えられる。
もう一つは,アルミニウム板上にガスがくっつき,包んでしまうときには電解質水溶液 との接触が不良になり,抵抗が増大し,電流を弱化させるようになる。
以上のような現象はあるにせよ,あまり長時間でない限り,まだ長時間の場合には電解 質水溶液を取り換えることができるので,十分使用価値をもっているといえる。
§5.温度変化による整流電圧(流)の変化
1. 人為的温度変化の場合
前述のように,電解質水溶液の温度はたとえ上昇しようとも,実用にはさしたる影響は 与えないが,どの程度の影響を示すのかをつぎに示す。
5%酒石酸カリウムナトリウム水溶液の場合,極板アルミニウムー一銅を用いて,整流 時聞経過10分から60分まで溶液を熱して液温を上昇させ,60分以後は水で冷却し,温度と 整流電圧。電流の関係を測定してみたその結果は表2,図12のようである。
表2. 人為的温度変化と整流電圧(流)
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1. 55 1. 57
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1. 57
L 57
1, 57
L 35 L 30
1, 20
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C
温度
槽
解 電
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縮電
束コ
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2 6. 0
2 7, 0
2 7. 0
3 4. 0
4 2. 0
4 9. 0
5 8. 0
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6 6, 0
7 3. 0
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噺
高野:教材実験用電解質整流器の研究 27
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整流電圧電流と温度の変化
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この場合は温度上昇下降にともな って整流電圧は大きく変化している が,電流の強さは意外に変化してい ない。いつでもこうではないことは 前述したが,ともかく電流に対する 温度変化の影響は意外に少ないとい
える。
2. 自然変化の場合
5%酒石酸カリウムナトリウム水 溶液の場合,極板はアルミニウムー 亜鉛を用いて,自然のまま整流を続 けていったとき,どのように温度が 変化し,それとともに整流電圧電流 がどのように変化するかをしらべて みると,図13のようになる。この場 合も電圧に比べると電流は安定して おりむしろ少しつつ増大している。
図13
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整流電圧(流)と温度関係
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§6.整流電流による水の電気分解
整流電流の応用として,水の電気分解がどの程度順調に行なわれるものかを実験してみ た。以下三つの場合のデータを図示する。図14,15,16がそれである。
図14
不完全整流電流による水の電気分解
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図15
不完全整流電流による水の電気分解
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高野:教材実験用電解質整流器の研究
図16
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この三つの場合とも,水の電解にともな う水素,酸素の発生は順調であり,十分利 用可能なことが認められた。
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§7.結 論
(1)直流を用いる教材実験における電源としての乾電池・蓄電池の使用時間。経済性に ついての欠点,電源装置からの配線による直流を利用する場合の現実的限度などを考えた 上で,教材実験用の簡易な電解質整流器について,各種材料を工夫して装置を開発し,得
られる直流電流を測定し,使用条件を検討した。
(2)電解質として有効だったのは,棚砂・融点アンモン,硫酸アンモン,亜硫酸ナトリ ウム,炭酸ナトリウム,酒石酸カリウムナトリウム,酢酸ナ}リウムであり,極板の組合 わせは,アルミニウムあるいはジュラルミンと鉛,亜鉛,銅,鉄,ニッケル,真鎗,トタ ン板のいずれかの組合わせが有効であることを認めた。
(3)特殊な材料を用いず,比較的安定した,かなり強い直流を得るのに適した実用的な 電解質整流器は,つぎのようなものであった。
電解質が棚砂の場合のアルミニウムー鉛,アルミニウムー銅,アルミニウムー亜鉛の各 極板組合わせ,電解質が硫酸アンモンの場合のアルミニウムー亜鉛の極板,電解質が炭酸 ナトリウムの場合のアルミニウムー鉄の極板,電解質がそ彦酸アンモンの場合のジュラルミ ン〜銅の極板。
(4)長時間にわたるこの整流器の使用による潟度上昇の影響をしらべた結果,実用には さしつかえないことを認めた。
(5)電解質整流器を利用しての応用実験として水の電気分解を行ない検討してみた結 果,順調な水素,酸素の発生をみることができ,十分利用可能なことがわかった。
終りにのぞみ,本研究を行なうにあたり,実験に協力された本学卒業生,鈴木孝氏に感 謝の意を表する。