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(1)

(25)

原著 :秋田大学医短紀要

9(2):138‑144,2001

小児看護学演習 における 「 乳児のおむつ交換」の指導方法の検討

‑便モデルの使用 を試みて‑

工 藤 由紀子

要 約

小児看護学の技術教育 において,便モデルを 用いた 「 乳児のおむつ交換」の演習の効果 を検 討 した。「 乳児のおむつ交換」 の演習 において, 便 モ デルを使用 しなか った

1999

年度入学生

81

名,お よび便モデルを使用 した

2000

年度入学生

77

名 を対象 とした。方法 は,演習終了後の感想 文の中か ら自由記述の内容 を分析 した。

その結果,学生 は便モデルを使用 したことで, その拭 き方の困難 さを身をもって体験 していた ことが明 らか となった。 また,後始末や感染予 防の点 に関 しては,便モデルを用いた効果がな かったのではないか と考 えられたことか ら,今 後 は 「 乳児のおむつ交換」の技術 に関する具体 的なチェックリス トを作成 し,おむつ交換時の 留意点 について,意図的に意識づ けを行 ってい

く必要性が示唆 された。

は じめに

看護基礎教育 における技術演習は,講義内容 の理解 を深める とともに臨地実習 に向けての準 備 を目的 として行 われ,知識 ・技術 を看護実践 に活用する意味での教育的価値が大 きい と言わ れている1 、 。 しか し小児看護学 における乳幼児 への看護技術 にあたっては,学生同士で実習 し

平 元 泉

合 うような演習の仕方では限界があ り,モデル の使用 などの様 々な手段が とられているのが現 状である。小児看護学 における教室内実習 に関 して行 われた全国調査 によるとl ノ , 着衣 ・おむ

つの用 い方」の項 目は

,86

校 中

56

校 で実施 さ れてお り,他の実施項 目より高い割合 であった。

本学 において も,乳児モデルを使用 したおむつ 交換 の技術演習 を実施 している。 しか し,乳児 モデルを使用 した場合,排植物 をイメージで き ないため,臨地実習で戸惑 う学生が多かった。

そこで今 回,我 々は小児看護学演習 における

「 乳児のおむつ交換」 の技術 を取 り上 げ,便モ デルの使用 を試みた。その結果 , 「 乳児 のおむ つ交換」の指導方法 に関する新 たな示唆が得 ら れたので ここに報告する

方 法 1.対象

A

大学医療技術短期大学部看護学科

2

年次の小 児保健演習 において , 「 乳児 のおむつ交換」 を 実施 した

1999

年度入学生

81

名 ( 女子

7

7名,男 子

4

名),お よび便モデルを使用 して 「 乳児のお むつ交換」 を実 施 した

2000

年 度入 学 生

7

7名 ( 女子

74

名,男子

3

名) を対象 とした。以下, 便モデルを使用 していない前者 を未使用群 とし,

秋 田大学医療技術短期大学部 看護学科

秋 田大学医短紀要 9 2

KeyWords:

小児看護学演習 乳児のおむつ交換 便モデル

学生

138

(2)

便モデルを使用 した後者 を使用群 とする

2.

小児保健の技術演習の概要

小児保健 1単位

(30

時間)の うち,単元 「 小児 の栄養

」6

時間 , 小児の養護

」6

時間の講義終 了後 に , 「 調乳」 と 「 乳幼児 の養護」 の技術演 習 を

2

時間設定 した。「 乳幼児の養護」の演習項 目は,おんぶ ・だっこ,乳児のおむつ交換,小 児用ベ ッ ドの取 り扱い,幼児の着衣 とした

「 乳児 のおむつ交換」 に関 しては以下の手順で 実施 した。教員 1名が担当 し,学生の実施場面 を観察 し適宜指導 を行 った。

1)「 乳児のおむつ交換」の手順

(1)必要物品 として市販の紙おむつ とお尻 拭 きを準備 してお く。

(2

)教員 がお むつ交換 のデモ ンス トレー シ ョンを行 う。おむつ交換時の注意点 と して,あ らか じめ物品を準備 してお くこ と,排湛物 を観察する必要があること, 使用済みおむつの後始末の仕方,優 しく 清拭すること,ギャザーは外側 に出す こ と,おむつは指

2

本分のゆ とりを残 して 勝の下 にあてること,足 を持 ち上げす ぎ ない こと,などを説明 している。

(3

)学生 は,必要物品を準備 し,おむつ交 換 を実施する。乳児モデルを使用 し,学 生 は順番で実施す る。 ここでは,未使用 群 は便モデルな しでおむつ交換 を実施 し, 使用群 は便モデルを使用 しておむつ交換 を実施す る。便モデル として,小麦粉 を 水で溶解 し,泥状便様 に した ものを教材

として使用 した。

(4)交換後のおむつは,専用の袋 に廃棄す る。

2)デー タの収集方法

「 乳幼児の養護」演習終了後 に感想 を自由記 述 させ,その中か ら 「 乳児のおむつ交換」 に 関する記述 を抽出 した。‑学生の 「 乳児のお むつ交換」 に関す る感想文全体の うち,記述 内容が単一要素であるようにセ ンテ ンスを区 切 り,それを 1件 とした。

3

)分析方法

分析方法 は,記述内容の類似性 に基づいて 分類 し,カテゴリ化 した。分析 については研 究者間で検討 し,信頼性 の確保 に努めた。 ま た,未使用群 と使用群の各項 目における記述 件数 を,shd

entsttest

を用いて比較 した。

結 果

「 乳幼児の養護」演習の実施者の うち , 乳児

のおむつ交換」 について感想 を記述 していたの は, 未使用群

62

(76.5%)

, 使用群

74

(96.1%)

であった。

未使用群お よび使用群の「 乳児のおむつ交換

を実施 した感想の内容 を分析 した結果,未使用 群は

164

件,使用群は

246

件が抽 出された ( 慕 1)。一人当た りの平均記述件数 は,未使用群 は

2.6

件,使用群は

3.3

件であ り,最多は未使用 群で

5

件,使用群で

7

件であった。最小 は,未 使用群 ・使用群 ともに

1

件であった。

抽 出された記述 をさらにカテゴリ化すること によ り

,4

つの カテ ゴリが得 られた。それ らの 内容 は,【 1.実施で きた こ と】

,【2.

困 った こ と】

,【3.

学 ん だ こ と】

,【4.

感 じた こ と】で あ った ( 表 1)。その頃度 は,【 1.実施 で きた こと】では未使用群が

1

3件

(7.9%)

,使用群 は

18

(7.3%)

であった

。【2.

困ったこと】では, 未 使 用 群 が

32

(19.5%)

,使 用 群 が

52

(21

.

2

%)であった。【

3.

学 んだ こと】では, 未使 用 群 が

101

(61.6%)

,使 用 群 が

155

件 (

63.0%)

であった

。【4.

感 じた こと】では, 未使用群が

18

(ll.0%)

, 使用群が

21

(8.5%)

であった。各 々のカテゴリ間では,記述数 に明

らかな差 は認め られなかった。

項 目 未使用群 使 用群 差

1 . 実施できたこと 1 3( 7. 9) 18( 7. 3)

N.S

2 . 困ったこと 32( 1 9. 5) 52( 21. 2) 3 . 学んだこと 1 01( 61 . 6) 1 55( 63. 0) 4 , 感じたこと 18(

l

l , 0) 21( 8. 5)

表 1 「 乳児のおむつ交換」 を実施 した感想の内容

(3)

工藤由紀子/小児看護学演習における 「 乳児のおむつ交換」の指導方法の検討

(27)

各 カテゴリの記述内容 は,以下の通 りであっ

た。

【 1.実施で きたこと】は,おむつ交換 を実施 した際 に,上手 にで きた ことやスムーズにで き た こ とを肯定 的 に表現 してい る記述 であ った ( 表

2‑a)

。このカテゴリはさらに2 つの内容 に分類 で きた。分類 した各 々の内容 は ,【1) 容易 さ

】【2)おむつのあて方】であ った。未

使用群 と使用群の各項 目における記述数には差 がなかった。

2.

困ったこと】は,おむつ交換 を実施する 際 に,困難であったことに関す る記述であった ( 表

2‑ b)

。このカテゴリはさらに6 つの内容 に分類 で きた。分類 した各 々の内容 は,【1) 難 しさ

】【2)

おむつのあて方

】【3)

片手での 操作 】であ り,使用群ではさらに 【

5

)拭 き方】

の カテ ゴ リが加 わった。一方,【4)時間】の カテ ゴ リに関す る記述 は,未使用群 で は

2

(6.30/.)

の記述があったが,使用群では見 られ なか った。

【2

)おむつのあて方】に関 しては, 未使 用群

(22

件 :

68.7%)

と比較 し使用群

(7

件 :1 3. 4%)の記述数が少 なかった

(p<0.00

1 )。

他の項 目における記述数 には差がなかった。

3.

学んだこと】は,未使用群

101

(61.6%)

, 使用群

155

件 (

63.0%)

で記述数が もっ とも多 かった ( 表

2‑

C

)

。 これは,おむつ交換 を実施 する際 に学 んだことに関する記述であった。 こ のカテゴリはさらに

1

3の内容 に分類で きた。 分 類 した各々の内容 は,【1)紙 おむつの特徴 の 理解】【2)児 の反応】【3)拭 き方】【4)

全】【5)保温】【6) 迅速 さ】 【7)観 察 の必 要性

】【8)

感染予防

】【9)

児への声かけ ・配 慮】であ り,使用群ではさらに

10)

おむつの あて方

】【11)

事前準備 の必要性】

12)

今後の 課題】の カテ ゴリが加 わった。一方,【

13)徳

始末】のカテゴリに関す る記述 は,未使用群で は

2

(2.00/.)

の記述があったが,使用群では 見 られなかった。 【1)紙おむつの特徴 の理解】

に関 しては,未使用群

(17

件 :

16.8%)

と比較 し使用群

(l

o件

:6.5%)

の記述数が少 なかった

(p<0.05)。【2)

児 の反応】に関 しては,未使 用群

(27

件 :

26.8%)

と比較 し使用群

(17

件 :

秋 田大学医短紀要 9 2

ll.0%)

の記述数が少 なかった

(p<0.01)

。 また,

【3

)拭 き方】 に関 しては,未使用群

(1

3件 :

12.9%)

と比較 し使用群

(56

件 :

36.1

%)の記 述数が多かった

(p<0.00

1 )。他の項 目における 記述数 には差がなかった。

4.

感 じたこと】は, さらに

2

つの内容 に分 類で きた ( 表

2‑ d)

。分類 した各々の内容 は,

【1

)育児 に関す る感想】【

2

)その他】であっ た。【1 )育児 に関す る感想】 に関す る具体 的 内容 は,「 いかにも母親 とい う感 じが して感動 し た」 などであった。未使用群 と使用群の各項 目 における記述数 には差がなかった。

考 察

布おむつ を用いたおむつ交換 については,母 性看護学演習で実施 している。/ 吊巳看護学では, 一般家庭 で普及率の高い紙おむつ と市販のお尻 拭 きを使用する場面 を設定 し,演習 を実施 して いる。 これまでの乳児モデルのみ を使用する方 法 に加 えて,新たに便 モデルを教材 として使用 することによってより学習効果が増すのではな いか と考 えた。便モデルを使用する前の学生 と 比較 し,以下の

2

点か ら指導方法 について考察 する。なお,分析 の対象 とした 「 感想」 に対 し ては,学生の受け とめ方や集団差が影響 を与 え ていることも考 えられる。 したが って,今 回得

られた結果の解釈 には限界があると思 われるが, 以下それ を踏 まえて述べ る

1 . 乳児 のおむつ交換」の実施 にお ける学生 の感想

今 回 , 乳児 のおむつ交換」の技術演習 にお ける感想 を分析 した結果

,4

つのカテ ゴリが得 られた。その中で は

,【2.

困 った こ と】

,【3.

学んだこと】 に関する記述が多かった。分類 し たカテゴリに含 まれる件数の差 は,厳密 には実 習内容 による差 だけ とは断定で きず , 「 感想」

とい う言葉 に対する学生の受け止め方,集団差 が影響 を与 えてい る こ とも考 え られ る。 した がって,今 回得 られた結果の解釈 には限界があ ると思われるが,以降それを踏 まえて述べ る。

2.

困 った こ と】 において,【

2)

お むつの

140

(4)

2‑a

学生の感想 :【

1.

実施 できたこと】 単位 :記述数 ( %)

項 目 主な記述 内容

未使 用群 使用群

1) 容 易さ ・ ・ わリとスムーズにできた 想像より簡単だった

ll(84.6) 12(66

, 7)

N.S 2)

おむつのあて方 ・ ・ おむつを巻く方 向 おしりを拭く時の方 向

2(15,4) 6(33.3)

2‑b

学生の感想 :【

2.

困 ったこと】 単位 :記述数 ( %)

項 目 主な記述 内容

未 使 用 群 使 用 群

1)難 しさ ・ ・ 結 構 難 しかつた 初 めてでスムーズにいかなか った

3(4) 4

( 7. 7)

2)

おむ つの あて方 ・ ・ おむつのきつさをどの位 にしたらいいの か おむつをあてる位 置 が難 しい

22(68

̲

7

)

7(13.4) ***

3)

片手 での操作 ・ ・ 片手で交換 するの が慣れ ない 片手で拭 くのが難 しい

5(ー5.6) 12(23.

1)

4)

時間 ・ 時間 がか かった

2(3) 0(0)

5)

拭 き方 ・ ・ 陰部 を拭 くの が意 外 に難 しい 実際 やつてみ ると綿鴛 に拭 き取れ ない

0(0) 29(55̲8)

*** pく0.001

2‑C

学生の感想 :

【3.

学んだこと】 単位 :記述数 ( %)

項 目 主な記 述 内容

未 使 用 群 使 用 群

1)紙 おむ つの特 徴 の理 解 ・ ・ 布 おむつの 利 点 と比 べ ても便 利 紙 おむつの種 類 の 多 さ

17(16,8) 0(5) *

2)

児 の 反 応 ・ ・ 実 際 には暴 れ た リ泣 いたリする子 もいる 実 際 はとてもたくさん動 く

27(26.8) 17(ll.0) **

3)

拭 き方

・ 前 か ら後 に 向 けて拭 く や さしく丁寧 に

13(12.9) 56(36.

1)

***

4)安 全

・ ・ 危 険 の予 防を考 える 児 は大 人 の 思 いもしない行 動をとる

10(9,9) 18(ll,6) 5)

保温 ・ ・ 保 温 しなが ら行う 寒 くならないため す ば やくや る必 要 が ある

7(6.9) 14(9.0) 6)

迅 速 さ ・ ・ す ばや く取 りかえられ るように 手 早 く終 わ らせないと

9(8.9) 5(3.2)

7)観察 の必 要 性 ・

か ぶれ ていないかチェックする

池 物 の確 認 を行 う必要 が ある

2(2.0) 6(3.9) 8)

感 染 予 防 ・ ‑ 手 洗 いは実 際 の 場 面でも忘れ がち 清 潔 に交 換す ることが 大 切

6(5.9) 8(5.1)

9)

児 ‑ の 声 か け . 配 慮 ・ ・ 衣 服 の しわ がないかも確 認 する あや しなが ら機 嫌 をとって行 う

8(7.9) 10(5) 10)

おむ つの あて方 ・ おむつ は余裕 を持 たせ てつ ける

0(0) 5(3,2)

ll)事 前 準 備 の必要 性 ・ 事 前 の準 備 をしっか り行 わ なけれ ば

0(0) 2(1.3) 12)

今 後 の課 題 ・ 児 の発 達 につ いて理 解 しておく必 要 が ある

0(0) 4(2.6) 13)

後 始末 ・ 交換 したおむつ はベッドの 下 に置 く

2(0) 0(0)

*** pく0.001 ** pく001 * p〈005

2‑d

学生の感想 :

【4.

感 じたこと】 単位 :記述数 ( %)

項 目 主な記述内容

未使用群 使用群

1 )育児に関する感想 ‑ ‑ いかにも母親という感じがして感動した おむつ交換は一番実感がわいた瞬間だった

7(38̲9) 4(9,0) N,S 2)

その他 ・ ・ 体等 おむつを見たのも初めてだった 黄できて良かつた

ll(61

.

1) 7(8ー̲0)

(5)

工藤由紀子/小児看護学演習における 「 乳児のおむつ交換」の指導方法の検討

(29)

あて方

】【3)

片手 での操作】が各項 目ともに

多 く記述 されてお り,おむつのあて方や片手で 操作す る事 に関 して困難 さを感 じている学生が 多い とい うことが分かった。一般的に,乳児 は 腹式呼吸 をしてお り、腹部が膨満 している。 ま た,足 の動 きを妨 げ られることは股関節脱臼の 原因にもなる。それゆえ,乳児のおむつのあて 方 に関 しては, 学生が使用す る参考図書では「 お むつは上のほうは勝 の下 まで とし,大腿 はで き るだけ広 く出す ようにあてる

」 2

と記載 されて いる。 しか し,紙おむつ に関する具体的な記述 はない。一方, 育児指導書では「 左右対称 にテー プを止める,おなか周 りに指が

2

本入 る くらい ることが多い。 したが って,学生 には 「 腹式呼 吸 を妨 げない」などの理由 とともに

,

「 指

2

本が 入 るような きつ さで,腰の下 に左右対象 となる ようにテープを止める」 などと,紙おむつのあ て方 については具体的な表現の仕方で指導 して い く必要がある と考 えられた。

3.

学 んだ こ と】 に関 しては,【1)紙 お む つの特徴 の理解

】【2)

児の反応

】【3)

拭 き方

【4

)安全】の記述数が多かった。特 に最近は, 少子化の影響で同胞が少な く,学生が子 どもと 接する機会が少 な くなって きていると言 われて いる

5

ため,小児用の紙おむつ を実際 に広げて 見 る機会 も少 ない と思われる。 また,乳児モデ ル とは異 な り,乳幼児は泣いた り動 くことが多 いため安全 にも配慮 していかなければならない。

また,乳児 は皮膚が弱 く傷つ きやすいため,便 を拭 く時には優 しく清拭 を しなければならない。

また,笑顔や 目と目を見合す,語 りかけること など介 してアタッチメン トが成立す ると言われ てお り, これはその後のあ らゆる人間関係の基 本であ り,健康 ・人格形成の基礎 である

6

。 こ れ らの項 目に関 しての記述が多かったことか ら, 学生 は 「 乳児のおむつ交換」 の技術演習 を通 し て,おむつその ものに関す る知識,乳児の安全 管理,おむつ交換時の手技,乳児の世話 をする 時の具体的な関わ りかた,養育者 としての態度

を学 んでいることが明 らか となった。

以上 の ことか ら , 「 乳児 のおむつ交換」の技 秋田大学医短紀要 第

9

巻 第

2

術演習は,学生 にとって乳児の養護 をする上で 必要 となる態度 を養い,技術 を実施す る上での 留意すべ きことを学ぶ機会 となっていると考 え

られた。

2.

「 乳児 のおむつ交換」 にお ける便 モデル使 用の効果

看護基礎教育 において,教材 ・教具 は多種多 様 な ものが開発 されてお り,使い方 によって教 育効果が大い に期待 で きると言 われている

7

。 今回,便モデルを使用 したことで

,【2.

困った こと】の カテ ゴ リにおいて

,【5)

拭 き方】 に 関す る記述が使用群で多か った。 また

3.

学 んだ こと】のカテ ゴリにおいて も

,【3)

拭 き 方】 に関す る記述が使用群で多かった。 この こ とか ら,便モデルを使用 したことで,その拭 き 方や便が実際 に手 につ くことでの困難 さを身 を

もって体験 していたことが明 らか となった。

また

,【2.

困ったこと】 における

【3

)片手 で操作すること】 において も,記述数が使用群 で多かった。おむつ交換 は,片手で乳児 を支 え なが ら, もう一方の手で便 を拭 いた り古いおむ つ をまとめた りしなければならない。 このため, 事前準備 をきちん としておかなければ,おむつ 交換の途中で物品 を取 りに行 くことになった り, 慌てて便 を自分の手や乳児の足 などにつけて し

まう可能性がある。以上の ことか ら,便モデル を使用 したことで,学生 は片手で操作すること に対 して困難 さを感 じてお り, またそれゆえに, 事前準備の必要性 を学ぶ ことがで きたのであろ

うと考えられた。 また,皮膚のかぶれな どがな い ように観察すること, きちん と拭 くこと等 の, 児への配慮 に対す る記述が多 く見 られた。以上 の点か ら考 えると,便モデルの使用 は効果的で あった と考 えられた。

しか し,便モデルの使用 において,必ず しも 効果的ではない面 もみ られた。

3.

学 んだ こ と】 において,【

13)後始 末】

に関す る記述 は使用群 で は まった く見 られ な かったこと

,【8)

感染予防】に関する記述数が, 未使用群 と使用群では差がなかったことか ら,

この項 目に関 しては学生 に意識づけ られていな

142

(6)

かったことが明 らか となった。これは

,【2.

困っ たこと】 における 【2)おむつのあて方】 に関 す る記述数が使用群で少 な くなったこと,お よ

3.

学 んだ こ と】にお ける

【1

)紙 おむつ の特徴 の理解

】【2)

児 の反応】 に関す る記述 数が使用群で少な くなった ことも考 え合わせ る と,便 モデルの使用 に よって,学生 の意識が

「 便 をきちん と拭 く」 ことだけに向いて しまっ たことも原因であろうと思われた。 また,便モ デルの外観が白色で,実際の汚物 とは異 なるた め,感染予防 と関連づけることがで きなかった とも解釈で きる。

したがって今後 は,感染予防 を意識 した行動 がで きるように してい く必要があると思われる。

さらに,おむつ交換の留意点 について理解 を深 め るため には , 「 乳児 のおむつ交換」 に関す る 具体的なチェックリス トを作成 し,演習時にそ れを用いて,意図的に学生 に意識付 けを行 って い く必要があると考 えられた。

結 論

小児看護学演習 における「 乳児のおむつ交換」

の技術 を取 り上げ,その実施状況 を分析 し, さ らに演習 を実施する上で便モデルの使用 を試み た結果,その感想の自由記述内容の分析か ら以 下のことが明 らか となった。

1 . 「 乳児 のおむつ交換」で は,【 1.実施 で き たこと】

,【2.

困ったこと】

,【3.

学 んだこと

】,

4.

感 じたこと】の

4

つのカテゴリ得 られ

,【3.

学んだこと】が もっとも記述数が多かった。

2. 【2.

困 った こと】で は

, 【2)

お むつのあて 方】で未使用群 と比較 し使用群の記述数が少 な かっ

た 。

3.【3.

学 んだ こ と】で は, 【1)紙 お むつの

特徴 の理解

】【2)

児 の反応】で未使用群 と比 較 し使用群の記述数が少 なかった。【3 ) 拭 き方】

では未使用群 と比較 し使用群の記述数が多かっ た。

【8

)感染予防】では,両群間に差 はなかっ た。

4.

便モデルを使用 した ことで,拭 き方 に対す る学習効果が認 め られた。 さらに

,

「 乳児 のお むつ交換」の技術 に関す る具体的なチェックリ ス トを作成 し,おむつの後始末や感染予防につ いての意識付 けを意図的に行 ってい く必要性が 示唆 された。

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(7)

工藤由紀子/小児看護学演習 における 「乳児のおむつ交換」の指導方法の検討 (31)

An Examination ofa lnstmction ofPractice ofDiaperExchange ofa Baby in Child Nursing I A trialuse ofmodelstool‑

Yukiko KUDOH IzumiHIRAMOTO

ABSTRACT:

Thepurposeofthisinvestlgationistoanalysetheimplementationofinfantdiaperexchangeteclmiquein childnurslngPractice,highlightinglnParticul

a r

theeffectofthetrialuseofamodelstool.Weintendedfor 1999entrancetoschoolstraight81thatdidnotusemodelofstooland2000entrancetoschoolstraigllt77that usedmodelofstoolinpracticeofdiaperexchangeofababy.Weanalyzedcontentsofafreedescriptionfrom theinsideofanimpressionisticessayafterthepracticeend・

A

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秋田大学医短紀要 9 2 144

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