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長谷川誠

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Academic year: 2021

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(1)

P

−35−

断続負荷に対する誘導電動機のトルク特性

長谷川誠 一・田

CharacteristicsoflnductionMotor

TorquetolntermittentLoad

SeiichiHasegawa, ToshiakiTahata

(昭和53年10月31日受理)

では基本波成分が卓越しているが, これは伝動軸部 分においてねじり振動を生じているためとみられ る。また高調波成分の中では電源周波数に相当する 第3高調波成分が大きく,電動機発生トルクの変動 の影響が明らかである。

これに対し回転速度700(rpm)の場合について同 様の測定を行なってみると,第3図と第4図に示し たように伝達トルクの変化は前者と全く様相を異に する。ここではトルク波形にねじり振動による基本 波成分はほとんどあらわれず, 1回転中に基本波よ り速い周期で振動する成分が支配的である。その主 なものは第3高調波成分であるが, 700(rpm)に対 しその周波数は約35(Hz)で電源周波数とは一致し ない。即ちこれは電動機発生トルクの変動とは別の 機械的要因によるトルク変動とみなされる。

l えがき

負荷機械に直結された誘導電動機の軸伝達トルク 波形は,電動機の電磁的な発生トルクのみならず,

軸系の機械的な回転振動トルクが重畳された形であ らわれることが報告されている')。筆者らは既報2)の 装置で軸伝達トルクの測定を行なった結果,軸伝達 トルクの挙動は誘導電動機の電磁現象と軸のねじり 振動が大きく支配していることが明らかとなった。

特にある回転速度範囲においては,電動機が発生す る電源周波成分の変動トルクとは無関係な振動成分 のトルクが非常に大きくあらわれることが見出され た。これは伝動軸によって連結された電動機と負荷 機械の回転振動の影響と推察される。この現象は定 常負荷状態で発生する一種の共振現象とみなされる が,今回はこの振動現象をさらに検討するため,負 荷の渦電流型電気動力計に可変周波数の方形波電圧 を印加し,負荷トルクを一定周期で断続させ,電動 機に一種の強制振動を与えて軸伝達トルクの変化を 測定した。その結果,断続負荷を加えたとき,負荷 断続のある周波数において軸伝達トルクの共振現象 があらわれ,その周波数は定常負荷状態において同 様な現象を生ずる回転周波数の高調波成分に関係す

ることがわかった。

5 900(rpm)

4321

百・望︶︑△二燗哩簿

0 20 40 60

時間(ms)

第1図軸伝達トルク波形 2 定常負荷状態における軸伝達トルク 1

900(rpm)

電動機負荷の渦電流型電気動力計に一定直流電圧 を印加した場合の軸伝達トルク波形は,直流成分の ほか1回転周期を1 (Hz)とする成分(仮に基本波 と称する) と電源周波成分および若干の高調波成分 を含んだ形となった。

その一例として回転速度900(rpm)の場合の軸伝 達トルク波形とその各調波スペクトルをそれぞれ第 1図と第2図に示した。この場合,直流成分のほか

昭和54年2月

︵E・堂︶劉必戸畷︑会︷

い、

DC 基本波 2 3 4 5

次数

第2図 トルクスペクトル分布

0

(2)

−36−

長谷川誠一・田畑季章

芝10P3S)を用いて,動力計負荷とダミー負荷との 対称形の回路を構成し,それぞれのサイリスタの ゲートにはパルストランスを通じて交互にトリガパ ルスを与えた。これによりこれらのサイリスタはフ

リップフロップ動作を行なって負荷に方形波電圧を 交互に加える。従ってパルスの周波数を任意に選ぶ ことによって任意の周波数で動力計を断続負荷動作 させることができる。電動機の軸伝達トルクについ ては,既に前報2)で述べているようにストレインゲー ジを用いたブリッジ回路の出力電圧によって測定し た。今回の測定データとしては,電動機の軸伝達ト ノレクおよび2次側電流, また動力計の印加電圧およ び励磁電流などをメモリモニタによって同時観測

し,ペンレコーダに出力して検討した。

700(rpm)

54

言・望︶︑会一 句④

2

1

40 60

0 20 80

時間(ms) I

第3図軸伝達トルク波形

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1.0 700(rpm)

言︒ご︶垣K畷︑全︷ 二■■ロー凸■■■■■

0.5 4 実験結果と考察

実験結果として種々の周波数で断続負荷動作をさ せた場合の電動機の軸伝達トルク, 2次側電流,お よび動力計の印加電圧,励磁電流の関係を示すオシ ログラムを示す。

第6図は繰り返し周波数0.5(Hz)の遅い断続負荷 変動の場合のものである。 この場合,動力計の方形 波電圧に対して電動機のトルク,および動力計の励

0 DC 基本波 2 3 4 5

次数

第4図 トノレクスペクトル分布

3 実験方法

実験は供試電動機に直結した渦電流型電気動力計 を負荷として, これを任意の周波数で繰り返し断続 負荷動作を行なわせ, これに対する電動機の応答を 測定して行なった。

動力計負荷を断続動作させるためには第5図に示 すような直流無接点スイッチング回路を構成して用 いた。即ち,全く同じ種類の2つのサイリスタ (東

周波数0.5(Hz)

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サイリスタ lOP3S 動力計励磁コイル

ダミー負荷 発振器 SCR,, SCR2

RO RI,

OSC

第5図直流無接点スイッチング回路 第6図断続負荷に対するオシログラム 秋田高専研究紀要第14号

(3)

−37−

断続負荷に対する誘導電動機のトルク特性 磁電流は立ち上がりに時定数をもった形でこれに対

応する。この程度の遅い繰り返し断続負荷変動に対 してはトルクの速応性はじゅうぶんである。なお,

電動機の2次側電流もこれに対応するが,電動機の 回転速度が生じるため2次周波数にも変動を生じ,

時間的にはずれていく。

繰り返し周波数がこれよりも高くなっていくと,

電動機のトルクはその周波数は一致するものの立ち 上がり,立ち下がりの両曲線は時間的に負荷の方形 波電圧に対して遅れをもつようになり,速応性は悪 くなる。またトルク波形も微振動を多く含む形状に 変化していく。また電動機の2次側電流は微振動を 含みつつ,すべりで決まる2次周波数で変動する。

さらに動力計の励磁電流は周波数が増加するに従っ てその変化が回路の時定数のために電圧変化に速応 できず,大きな直流成分に三角波状の脈動成分が重 畳した波形をとるようになる。

負荷の断続の繰り返し周波数を変化させて加えて みた結果,いくつかの周波数域においてトルク波形 に一種の共振がおこるのがみとめられた。その代表 的な例として第7図に繰り返し周波数36.5(Hz)の 場合のオシログラムを示す。この場合,電動機は動 力計負荷とともに一種の共振状態にあり,電動機の トルクはこの周波数において急激に増大し,非共振 時の数倍の波高値をもって正弦波状に振動してい る。さらにこの共振が電動機の回転にむらを生じさ せ,電動機のトルクは負の値をもつようになる。こ の共振周波数の帯域はかなり狭い。第8図にこの共 振周波数に近い35(Hz)の場合のオシログラムを示 す。この場合は36.5(Hz)の場合に比べて電動機の 2次側電流や動力計の励磁電流はほとんど変わらな いのに対し,電動機のトルクの波形は多くの高調波 成分を含んだ形となり,その波高値も減少する。

周波数36.5(Hz)

§│川 薑Ⅱ

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混鱈麺嬉 く函

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第7図共振時のオシログラム

周波数35(Hz)

5

§ |「Ⅲ「Mn、

今回は可変周波の断続負荷変動に対するトルクを 中心とした電動機の応答を測定し,検討した。その 結果,定常負荷の場合は特定の回転速度においてあ らわれたトルクの共振がいくつかの繰り返し周波数 域において回転速度にかかわりなくおこるのがみと められた。特に36.5(Hz)においてはその現象が顕 著にあらわれた。この36.5(Hz)という繰り返し周 波数は定常負荷状態における回転速度700(rpm)の 場合の基本周波の第3高調波成分の周波数約 35(Hz)に極めて近い値である。このことは定常負 荷状態における共振現象の存在と深いつながりを とっているものと思われる。今後, さらに負荷の断 続に伴う電動機の回転速度の変動, また瞬時電力の 変動などを検討し'た上で断続負荷によるトルクの共 振現象を解明していきたい。

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第8図共振周波数近傍におけるオシログラム 昭和54年2月

一一一

(4)

■■

−38−

長谷川誠一・田畑季章

1)新良由幸他:誘導電動機の過渡現象及び異常 現象の直接的シミュレーション三菱電機技報

2)長谷川,田畑:ストレインケージによる電動 機のトルク測定装置の試作秋田高専研究紀要

Vol 48NolO 1974 第12号Nol2 1977

秋田高専研究紀要第14号

や冬

参照

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