ィの役割 : 共分散構造分析を用いた製品カテゴリ ー間比較
その他のタイトル The Role of Brand Personality on Brand Attitude Formation of Different Product Categories from Analysis of Covariance
著者 後藤 こず恵
雑誌名 關西大學商學論集
巻 50
号 6
ページ 97‑110
発行年 2006‑02‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/4673
ブランド態度形成における ブランド・パーソナリティの役割
—共分散構造分析を用いた製品カテゴリー間比較―
後 藤 こ ず 恵
1.問題意識
現代の消費者ほど複雑かつ多様化し,また消費パターンも短サイクル化し移ろいやすい存在 はないといわれる。では,そうした消費者を捉えるために必要な視点とはいかなるものか。多 様化多元化する消費者を分類し,その消費者と財・サービスさらには組織との間の絆を形成 するものとして「ブランド」が一つの有効なマーケティング手段となる。プランドとは,「自 社およびその製品・サービスを識別し差別化するための一定のまとまりと意味を持つ記号情報の 集合」!)である。そして,プランドをプランド・コミュニケーションにおいて人格化し,親し みや情緒的,自己表現的便益を付与するものが,プランドの人的特性の訴求,すなわちプラン ド・パーソナリティ戦略にほかならない。このようなコミュニケーション戦略は,プランドの すべての顧客接点において,一定のまとまった印象を形成することを目的として展開されなけ ればならない。
マーケティング活動において,統合的コミュニケーションを志向する際には,マス媒体によ るプランド・コミュニケーションのみならず,ロコミ,店頭でのイメージ戦略も範疇に入れる 必要があることは言うまでもない。本研究では高橋 (1999)で「消費者行動プロセスとその規 定要因」2)として提示された包括的な消費者購買行動にかかわるプロセスを,議論の基礎にお く。そしてその中でも,消費者行動プロセスにおける「態度」形成段階(図 1を参照)に焦点 を当て,プランド・パーソナリティが消費者のブランド態度形成にいかなる影響を及ぽすかと いうことを本論文の中心的な研究課題とする。
本研究では, 5つの製品カテゴリーを取りあげて,プランド・パーソナリティに関する調査 を行った。そして.そこで得られたデータを用いて,共分散構造方程式モデルを作成した。こ の作業を通じて.プランド・コミュニケーション戦略におけるプランド・パーソナリティの有
1)陶山計介 (2002) 63ページ。
2)高橋郁夫 (1999) 33ページ。
図1 消費者行動プロセスとその規定要因
売手 ◄ ► 買手 日i]「:心理的要因/社会的要因
生産者の マーケティング要因
小売マーケティング要因
消費者情報処理要因 フィードバック
(満足・不満足)
消費者行動プロセス
購買前 購買決定および購買後 ニーズおよび
買い物問題の認識
↓
情報の探索と収集(店舗・製品)
↓
認知・態度・確信・意図の形成 と代賛案の評価_(店舗・_製品)
購買または非購買
↓ 消費・使用・保有
↓ 廃 棄 ・ 処 分
フィードバック
(満足・不満足)
出所:高橋 (1999)33ページより一部省略して作成。
用性と限界について考察した。
2. ブ ラ ン ド ・ パ ー ソ ナ リ テ ィ に 関 す る 先 行 研 究
(1) ブランド・パーソナリティの概念
ブランド・パーソナリティに関する記述は, Levy (1959)に始まる。そこでは,ブランド に年齢性別,社会経済的階層があるかのように見て取れるということが述べられている。ま た, McCracken (1989)によると,ブランド・パーソナリティとは,ブランドの使用者イメ ージであり,商品の推奨者,企業の社員, CEOによって形成される。さらに, Plummer(1985) はブランド・パーソナリティが,ブランドとのあらゆる直接的・間接的接触によって形成され ることを指摘し,広告を通じてブランド・パーソナリティが効果的に構築,維持,管理された ことによる,差別的ポジショニングの成功事例を提示した。その中で,コミュニケーションの 事前像と事後像を区別し,両者を一致させるためにコミュニケーション戦略が重要であること を提起した。近年の研究として, Kapferer (1992)は,ブランド・パーソナリティを,ブラン ド要素のうち物理的でない面,すなわち,シンボリック・ベネフィットとして捉えた3)。さら に, J.Aaker and Fournier (1995)では消費者との関係性構築における有効性が指摘され ている。
J
. Aaker (1997)では,心理学における人格の研究からパーソナリティの五大因子理論を援
3) Kapferer (1992) p. 38, 39.
用し,ブランド・パーソナリティの次元は5つ(洗練,刺激,素朴,能力,誠実)に集約され ることを実証した。これにより,ブランド・パーソナリティの応用可能性は大きく高まったの である。さらに,この5大因子モデルを精緻化する研究も進められている。まず, J.Aaker et al. (2001)では,スペイン, 日本,アメリカで比較調査を行い,スペインにおいては素朴因子
と能力因子の代わりに安定因子と情熱因子が存在することを明らかにし, 日本では素朴因子の 代わりに安定因子が存在することも発見している。また,松田 (2003)によると日本型プラン ド・パーソナリティは,能力因子,元気因子,内気因子,洗練因子,男性的因子に集約される。
さらに, Capraraet al (2001)の追試では,ブランド・パーソナリティの次元は必ずしも 5つ ではなかった。最後に, Kapfererand Azoulay (2003)においてはJ.Aaker (1997)で用いら れたブランド・パーソナリティの特性語が厳密に人格特性語から選択されていないことを指摘
している。
(2) ブランド・パーソナリティと態度形成
1) ブランド・コミュニケーション戦略論からの接近
これまでのブランド・パーソナリティ研究では,ブランド・パーソナリティとは如何なるも のか, という概念規定に関する議論と,その測定技術の精緻化が中心であった。しかし,実務 レベルでのブランド戦略における応用に始まり, D.Aaker (1996), Keller (1998),陶山・梅 本 (2000) ,阿久津•石田 (2002) では,そのブランド・コミュニケーション戦略における役割,
すなわち,ブランド・パーソナリティと他のブランド要素との関連も議論されてきている。 D. Aaker (1996)は,ブランド・パーソナリティは自己表現的便益の創造,関係性の構築,機能的 便益の記述に役立つ4)とし, Keller (1998)は情緒的便益や自己表現的便益を高めるのに役立 つことを指摘している。さらに,陶山・梅本 (2000)は,それが過度の緊張関係を排して,信 頼関係の構築をうながすという。また,阿久津・石田 (2002)はメタファーとしてのプラン ド・パーソナリティに注目し,ブランドを人に比喩することにより,ブランドを構成する要素 を包括する機能,メッセージの意味合いを規定する機能,企業と顧客(もしくはその他のステ ークホルダー)との関係性をイメージしやすくする機能,競合ブランドとの相違を際立たせる 機能がある事を明示した。
2) 消費者行動論からの接近
次に,消費者行動論からは,多属性態度モデル5)にもとづく松下 (2002)の研究が挙げられ る。松下によれば「ブランド要素から象徴的便益を生み出す源泉となる」6)のはブランド・パ ーソナリティである。ブランド・パーソナリティは象徴的便益と結びつき,ブランド・パーソ
4) D. Aaker (1996) pp. 153‑170. 5) Fishbein (1976)
6)松下 (2002) 191ページ。
ナリティ・スキーマを形成する。それは.消費者の自己に関する知識を含むと同時にプランド を使用している使用者イメージや使用イメージの知識が付随している。ここで松下が多属性態 度モデルを理論的基礎においたのは.この理論では,製品を構成するどの要素が.どの程度の 大きさで態度形成に影響を与えるのかを.中心的課題としているためである。松下は.プラン ド・パーソナリティがプランド要素とプランドそのものを介して.その属性.便益とリンケー ジを保有していると述べる。そして「『消費者が有するプランドの象徴的便益の知覚が.態度 形成に対して与える影響の大きさ』は.プランド・パーソナリティ・スキーマにおける認知的
リンケージの強度によって規定される」 と結論付けている。
これに対して,後藤 (2005a)では,機能的便益のウエイトが比較的高いと思われるペット ボトル入り無糖茶飲料のプランド・パーソナリティを取りあげ.好意との関連を検証した。そ して.確かに有意な傾向は見出せなかった。さて.この結果をどう考えればよいのか。ここで は2つの理由が想定される。第1に,この調査が消費者購買プロセスにおける購買前もしくは 購買後の状態で実施されており,購買意思決定時にブランド選択がなされる店頭意思決定型の 製品カテゴリーの分析には不向きではないか. という解釈である。プランド・パーソナリティ のコミュニケーションは店舗外の広告などが中心であり消費者の意思決定が行われる小売店 頭の各種プロモーションでのウエイトは小さい。とはいえ.そのことは店舗外でなされたコミ ュニケーションの残存効果を否定するものではなく,購買意思決定に及ぽすその影響の態様を 分析することは課題として残されている。次に,さらに重要であると考えられる第2の理由は.
衝動的に購買意思決定が行われる低関与の製品カテゴリーと,一定の情報処理を経て.購買意 思決定が行われる高関与の製品カテゴリーでは.ブランド・パーソナリティの持つ戦略的イン プリケーションが異なってくるのではないか, という推察である。製品カテゴリー間における 機能的便益.情緒的便益.自己表現的便益(象徴的便益)のウエイトの違いは,実際には.そ れぞれの製品カテゴリーに対する消費者の関与水準と密接に関連している可能性が高い。そし てこの関与水準が特定の製品カテゴリーやプランドに対する態度を様々に形成すると考えられ る。つまり.ここから導き出される課題は.関与水準の異なる製品カテゴリー間でのプランド・
パーソナリティの有用性を検証することである。
3. プ ラ ン ド ・ パ ー ソ ナ リ テ ィ の カ テ ゴ リ ー 間 比 較 : 理 論 モ デ ル と 仮 説
(1) ブランド態度形成と製品カテゴリー
意思決定のタイプによる製品カテゴリーの分類軸として.最も古典的なものはFoote,Cone and Belding Communications社によって開発されたFCBプランニング・モデルである8)。この
7)松下,前掲論文, 192ページ。
8) Vaughn, R. (1980) p. 31.
分類は.低関与一高関与およぴ思考ー感情という 2つの軸によって製品カテゴリーを4つの象 限に位置づけている。そして.それぞれの象限に当てはまる具体的な製品カテゴリー(例えば,
車シャンプー.ヨーグルトなど).消費者行動プロセスモデル,有効な広告戦略(広告効果.
媒体.クリエーティブなど)が提示されている9)。類似の分類として. Rossiterand Percy(1996) が挙げられる。ここでは低関与一萬関与という軸に加えて,プランド態度における情報型一変 換型という軸によって分類がなされている。そしてそれは. Rossiterand Percy Grid10>(①低
リスク 解消 購買,②低リスク 報酬 購買③高リスク 解消 '購買④高リスク 報酬 購買)と呼ばれ.広告クリエイテイプ戦術に対する指針が示された。さらに.森 (1997)では,
この関与軸と購買動機の正負軸(問題解決か,向上か)によって製品カテゴリーを4分類した ポジショニング・マップを作成し.独自の調査に基づいてそれぞれに対応したプランド・コミ ュニケーション戦略を提案した。すなわち.①高関与一理性型を「情報収集型プランド」.② 高関与ー感情型を「自己シンボル型プランド」,③低関与一理性型を「合理習慣型プランド」,
④低関与ー感情型を「愛着使用型プランド」として捉えたのである11)0
これらの先行研究を参考にしながら.関与水準と意思決定のタイプという 2軸に基づいて製 品カテゴリーを分類したものが図2である12)。各製品カテゴリーのネーミングは森 (1997)を 参考にしているが.各象限に対応する製品カテゴリーは一部変更を加えてある。以下.本論文 では.各製品カテゴリーにとってどのようなブランド・コミュニケーションのスタイルが望ま
しいかは.基本的にこの分類をベースにして研究を進めている。
図2 関与と意思決定のタイプに基づく製品カテゴリーの分類 理性型(解決志向) 感情型(向上志向)
[ 保険シャンプー.医薬品などAV機器,白物家電 婦人下着.ワイン自動車旅行など く情報収集型プランド> く自己シンボル型プランド>
屑
与調味料,洗剤,防虫剤,低狂, ビール,スナック, ヨーグルト,
レンズ姓きフィルムなど デザート,スポーツ用品など く合理習慣型プランド> く愛着使用型プランド>
出所) Vaughn(1980) p. 31, Rossiter and Percy (1996) p. 213(邦訳. 433ページ).
森 (1997)396, 397ページをもとに作成。
(2) 理論モデルと仮説の提示
以上の製品カテゴリー別のコミュニケーション戦略を念頭に置くと,ブランド・パーソナリ 9)さらに.青木 (1989), Assael (1992)では,関与と情報処理の複雑性による類型を行っている。
10) Rossiter and Percy (1996) p. 213 11)森 (1997)396ページ。
12)梅 本 (2001)によると.性別.年代別で大きくポジションが変化する製品カテゴリーと,そでないカテ ゴリーがある。例えば.シャンプー・リンスは男性よりは女性の方が.探策型の意志決定要素のウエイト が高く. 10代には他の年代よりも自己実現型商品としてとらえられている。
ティにはいかなる役割が期待できるのか。プランド・パーソナリティは,そもそも人格的特性 の象徴であり,情緒的便益や自己表現的便益を高めるのに役立つことが強調されて来た。しか し,それは機能的便益を高めることに貢献しないのだろうか。各製品カテゴリーは消費者がそ れに期待する属性を有し.この属性は製品の便益と無関係ではなく,この属性や便益の違いが 消費者の特定製品カテゴリーに対する関与水準の違いをもたらす。また,そうした違いがプラ ンドに対する好意や購買意向の違いに影響するはずである。問題は,このプロセスにプランド・
パーソナリティがどのように作用するのか.という事であり.この点が明らかにされなければ ならない。以上の議論を元にして作成したのが.カテゴリー間比較に向けた概念モデルである
(図3を参照)。
図 3 カテゴリー間比較の概念モデル
【本研究の主眼】
影響度のカテゴリー間比較 キャラクター1
キャラクター2 キャラクター3
「‑‑‑‑‑‑‑ク
パ
'‑‑‑‑‑‑‑'このモデルにもとづいて,本研究における仮説を以下のとおり設定する。
仮説1:関与水準の違いにかかわらず,プランド・パーソナリティはプランド態度に影響する。
仮説2:関与水準の違いによってプランド態度に影響するパーソナリティ要因 (BIG5)が異 なる(ブランド・パーソナリティは製品カテゴリーによって異なる)。
仮説3:高関与水準の製品カテゴリーの方が,低関与水準のそれよりもプランド態度に及ぽす プランド・パーソナリティの影響力は大きい。
4.仮説検証
(1) 調査概要
調査の実施時期は2003年7月, 10月, 2005年4月であり,シャンプーの調査での回答者数は 364人(うち有効回答者数310人/有効回答率85%:以下同様),お茶が364人(310人/85%),
レンズ付きフィルムが445人 (337人/75%, ヨーグルトが2) 72人 (213人/78%),婦人下着が 163人 (111人/68%)である。各製品カテゴリーの主要なブランド,計21ブランドに対するイ メージについて,製品カテゴリー別の質問紙式調査票として配布し,その場で回収した。対象 者は主に関西大学の学生であり,基本的な回答者属性は表1を参照されたい。質問項目はプラ
ンドごとの使用頻度,品質差認識,使用経験,購買意向,好意,便益評価,パーソナリティ評 価(キャラクターを代理変数とする13))である。
表 1 調査回答者の性別および年齢
〜
男性性 別女性 18 19オ 20 22年 齢オ 23オ以上婦人下着 0% 100% 46% 53% 0%
シャンプー 48% 51% 17% 81% 1%
お茶 (PETポトル入り無糖茶) 50% 49% 24% 73% 1%
レンズ付きフィルム 43% 56% 17% 80% 2%
ヨーグルト 44% 55% 7% 81% 0.8%
(2) カテゴリー別キャラクター評価
次に,製品カテゴリー別14)に見たキャラクター評価15)であるが,婦人下着を除いて,他の 4カテゴリーで似たような傾向が見受けられる。仮説に挙げた,情緒型の製品カテゴリーのみ ならず,理性型の製品カテゴリーにおいてもキャラクターの評価が高いことが興味深い点であ る(図4を参照)。
(3)共分散構造分析
次に, AmosVer. 5によって行った共分散構造分析の結果について述べたい。共分散構造分 析により,潜在変数を含めた因果関係のモデル化が可能であることから,本研究の課題に適し た分析手法であると判断した。ここでは,プランド・パーソナリティと好意(購買意向を形成 する)の関係について. 5カテゴリーで独立のモデル化を行った。その結果16)から,婦人下 13)プランド・パーソナリティは形容詞であるため,具体的な属性をイメージしにくい。そこで.キャラク ターを代理変数として用いることによって,より差別化されたデータを得ることができる。キャラクターは.
J
. Aaker (1997)におけるプランド・パーソナリティの5大因子を網羅するように設定した。詳しくは.
梅 本 (1996)を参照のこと。
14)分散分析の結果. 11のキャラクター変数を用い.カテゴリーレベルで比較することが0.001%水準で有意 であることがわかった。
15)それぞれのキャラクターの形容詞との対応関係をコレスポンデンス分析を用いて類型化したものが次の 表である。
キャラクターに対応する形容詞が属するブランド・パーソナリティ因子
エリート ポディ ファッ 帰国 昔気質 優しい
キャラクター サラリー
ピルダー ション 科学者 子女 の職人 政治家 お母さん 牧 師 優等生
マン モデル
誠実な. 親しみや 誠実な, かっこい 頼りにな
形容詞 頼りにな 体力があ すい.セ 頭が良さ 現代的な 頼りにな い.魅力 頼りにな る,誠実, 頭が良さそ
る ンスがい そう る,飾り 的.頭が る 飾り気の う
る し 気のない 良さそう ない
対応形容詞の属する因子 誠実能力 能力 刺激洗練 能力 洗練 誠 実 能 力 洗 練 能 力素朴 剌激 能 力 誠 実 素 朴 能 力誠実 能力
16) ( )内は好意に最も正の影響を及ぽすプランド・パーソナリティとそれとの間の標準化係数の値であり.
‑1から1の間の値をとる。 1に近づけば近づくほど正の影響関係がある。
図4 カテゴリー別キャラクター評価
...―-婦人下着——▲——お茶ー•ーカメラ -o- シャンプー-+-ヨーグルト
そう 思う
︵%
︶ 90 80 70 60 50 40 30 20 10
゜
・‑.......‑.‑、
一‘••••• .... ......... ··•····:···•··
.........
︵キ ャリ アウ ーマ ン︶ エリ ート サラ リー マン
︵ア スリ ート
︶ ボデ イビ ルダ ー
ファ ッシ ョン モデ ル
科 学 者
帰国子女 昔気質の職人 政 治 家
やさしいお母さん ︵ セン スの 良い 淑女
︶ 牧 師
優 等 生
キャラクター(カッコ内は婦人下着の場合)
着 (0.40)とシャンプー (0.47)においてブランド・パーソナリティと好意との間に正の影響 関係があることがわかった。また, ヨーグルト (0.33), レンズ付きフィルム
お茶 (0.06)に関しては,影響関係が微小であることが示された。この 結果を比較すると,仮説1の「関与水準の違いにかかわらず,
ランド態度に影響する」は棄却され,仮説3の「高関与水準の製品カテゴリーの方が,低関与 水準のそれよりもブランド態度に及ぽすプランド・パーソナリティの影響力は大きい」は支持 された。さらに,仮説2の「関与水準の違いによってブランド態度に影響するパーソナリティ
(0.25) では弱い 正の影響関係があり,
プランド・パーソナリティはプ
要因 (BIG5)が異なる」についてであるが,態度形成構造モデルにおけるブランド・パーソ ナリティはレンズ付きフィルム以外についてはそれぞれ2つの因子にくくることができ, それ らは刺激・洗練因子のグループと,能カ・誠実・素朴因子のグループである。これらの因子は 5大因子モデルのさらに上位次元の因子としてネーミングを行う必要があり, ここでは「現代 的」と「堅実」因子とする。(図5 9を参照)
図 5 シャンプーのブランド・パーソナリティ構造
.35
n=624 x2=157.857
P=.000 GFI=.949 AGFI=.916
CFI=.915 AIC=201.857
図6 婦人下着のブランド・パーソナリティ構造
n=320 x2=24.169
P=.150 GFI=.983 AGFI=.965
CFI=.976 AIC=60.169
図7 ヨーグルトのブランド・パーソナリティ構造
n=296 x2=69.095
P=.000 GFI=.953 AGFI=.922
CFI=.899 AIC=ll3.095
図8 レンズ付きフィルムのブランド・パーソナリティ構造
n=636 x2=242.317
P=.000 GFI=.938 AGFI=.912
CFI=.821 AIC=288.317
図 9 お茶のブランド・パーソナリティ構造
.73
n=780 x2=120.429
P=.000 GFI=.970 AGFI=.950
CFI=.927 AIC=l64.429
5.要 約 と イ ン プ リ ケ ー シ ョ ン , 今 後 の 課 題
本研究では,製品カテゴリー特性により,人間的特性の認知と,そのプランド態度への影響 力が異なることが結論付けられよう。プランド・パーソナリティの態度形成に与える影響の違 いについては,先行研究におけるプランド・パーソナリティ概念自体の持つ抽象性に起因して いるとも考えられる。プランド・パーソナリティは人に関する連想である, という非常に多く の要素を包含した概念であり,戦略的インプリケーションを得るためには,さらにその具現化 方法について,整理を行う必要がある。コミュニケーションの目的は態度変容効果だけでなく 認知効果や行動効果もあるため,ブランド・パーソナリティの訴求もそれぞれのフェーズにあ わせて行われる必要があり,効果的な訴求手段もカテゴリーごとに異なると考えられる。この ことをふまえて,表2に具体例を示す。
最後に,今後の課題であるが,サンプルの特性として,年代,職業に偏りがある点は本研究 のインプリケーションを限定する要因である。また,プランド間競争がカテゴリーに対する態 度,およびカテゴリー・イメージに与える影響も加味した分類を行う必要があるため,さらに 個別プランドレベルでの分析を行う必要がある。加えて,より厳密なモデル間の比較には多母 集団同時分析における等質性,異質性の分析をさらに行う必要がある。
表2 態度形成に寄与する影響度とBPの有効性によるカテゴライズ 効果的パー
態度形成大 態度形成小
ゾナリティ
カテゴリー:シャンプー.婦人下着 カテゴリー:ヨーグルト
現代的 BP戦略:属性・便益・価値に一貫性を与え.自 BP戦略:非計画購買を誘発する情緒的便益の訴 己投影の対象となるBPを創造。 求。店外・店内でのタレント・キャラクターの
活用。
カテゴリー:本調査では該当なし カテゴリー:使い捨てカメラ.お茶
堅実 BP戦略:属性・便益・価値に一貫性を与え,知 BP戦略:店頭でのプランド選択における情報処 覚リスクを軽減する人的特性の訴求が必要。コ 理を容易にする視認性の確保。店外・店内での
ンサルティング・スタッフの充実。 タレント・キャラクターの活用。
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