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密教文化 Vol. 1977 No. 120 003日野西 眞定「高野山神仏分離史料とその解説 (一) P22-41」

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全文

(1)

密 教 文 化

(一)

西

序 明 治 の 初 年、 全 国 の 宗 教 界 を 大 き く ゆ さ ぶ っ た 神 仏 分 離 に つ い て は、 辻 善 之 助 氏 等 の 編 す る ﹃ 明 治 維 新 神 仏 分 離 史 料 ﹄ ( 五 巻 ) を は じ め、 こ れ ま で に 多 く の 事 例 が 報 告 さ れ て い る。 し か し、 高 野 山 に 関 し て は 殆 ん ど 研 究 さ れ て い な い。 今 回、 そ の 史 料 を 紹 介 し、 あ わ せ て そ の 解 説 を し た い と 考 え る。 高 野 山 の 分 離 史 料 は、 大 別 す る と、(一) 寺 領 関 係 の も の、(二) 本 山 と し て 官 庁、 各 宗 派、 末 寺 と 往 来 し た も の、(三) 高 野 山 自 身 に 関 す る も の と の 三 類 に 分 け ら れ る。 そ こ で、 史 料 を こ の 順 番 に 紹 介 す る。 な お、 ﹃ 和 歌 山 県 誌 ﹄ 掲 載 の 史 料(12)、 ﹃ 伊 都 郡 誌 ﹄ の(12)(38)、 ﹃ 堺 研 究 5 号 ﹄ の(12)(16)(17)(18)(21)(ア)、 ﹃ 紀 伊 続 風 土 記 ﹄ の(44)(ア)(45)(イ)、 高 野 山 絵 図 ( 前 田 久 五 郎 版 ) の(44) 国 以 外 は 殆 ん ど 金 剛 峯 寺 文 書 で あ り、 新 史 料 で あ る。 凡 例 一、 で き る だ け 原 文 に 忠 実 で あ る こ と を 心 掛 け、 明 ら か に 誤 と 思 わ れ る も の 以 外 は、 用 語 そ の 他 を 原 文 の ま ま 紹 介 し た。 原 文 中 の 朱 字 は ゴ チ ッ ク 体 で 示 し た。 一、 史 料 の 内 容 を 示 し た 題 目 は、 編 者 が 作 成 し、 史 料 の 番 号 も 編 者 が 付 し た。 句 読 点 も 編 者 が 適 当 に 入 れ、 そ の 他 校 訂 は 慣 用 に し た が っ た。 一、 史 料 の 内 容 を 示 し た 題 目 の 下 に 括 弧 を し て、 発 行 さ れ た 年 月 日、 提 出 者 と そ の 宛 名 を 示 し て お い た。 一、 史 料 の 所 蔵 者 名 は、 金 剛 峯 寺 文 書 が 殆 ん ど で あ り、 そ の 場 合 は 所 蔵 者 名 は 記 さ ず、 又 文 書 名 の あ る も の は 出 来 る だ け 示 し て お い た。

(2)

一、 各 史 料 の 後 に 解 説 を 付 し、 そ の 文 書 の 内 容、 発 行 さ れ る 前 後 の 事 情 等 を 明 か に し て お い た。 ( 一 ) 寺 領 関 係 の も の (1) 旧 高 野 山 寺 領 内 の 寺 院 の 御 神 体 改 め の 巡 村 に つ い て の 口 達 ( 明 治 二 年 九 月 九 日 金 剛 峯 寺 総 宰 廉 →村 々 役 人 ) 口 達 一、 神 佛 不 致 混 清 様、 今 般 監 司 両 院 被 致 巡 寺 候 条 其 村 く 二 お ニ ゐ て 差 図 随 ひ 可 申 候、 猶 休 泊 共 心 掛 可 致 取 斗 候 も の 也 総 宰 臆 役 者 龍 寳 院 印 九 月 九 日 福 生 院 印 村 く 役 人 中 ( 解 説 ) 明 治 二 年 六 月 諸 藩 主 の 版 籍 奉 還 が 許 さ れ、 旧 高 野 領 は 同 年 八 月 に 暫 定 的 に 堺 県 に 組 入 れ ら れ た が、 同 年 十 二 月 九 度 山 出 張 所 が 開 設 さ れ る ま で 一 般 行 政 も 民 政 役 僧 に ま か さ れ た。 金 剛 峯 寺 の 諸 役 も 同 元 年 十 月 年 預 坊 を 総 宰 庁、 年 預 代 を 役 所 と 改 称 し た。 又、 そ の 頃 と 思 わ れ る が 門 首、 碩 老、 集 議、 顧 問、 監 司 の 五 役 も 定 め ら れ た。 こ の 口 達 に は 年 号 が 記 さ れ て い な い が、 同 二 年 の も の と 考 え ら れ る。 旧 高 野 山 寺 領 内 の 寺 院 を、 神 仏 分 離 を 徹 底 さ せ る た め に 監 司 が 巡 視 し て い る の で あ る。 (二) 本 山 と し て 官 庁、 各 宗 派、 末 寺 と 往 来 し た も の (2) 集 議 中 よ り 末 寺 へ の 回 章 ( 慶 応 四 年 五 月 集 議 中 →長 門 國 末 寺 ) 長 門 國 ( 別 筆 ) 明 治 二 己 二 月 十 六 日 戻 ( 前 暑 ) 一、 中 古 以 来 某 椹 現 或 者 牛 頭 天 王 之 類、 其 外 佛 語 を 以、 神 ニ ニ 號 相 称 候 神 社 不 少 候、 何 れ も 其 神 社 之 由 緒 委 細 書 付 早 く 可 申 出 候 事 (中 暑 ) ニ 一、 佛 像 を 以、 神 躰 致 し 候 神 社 者、 以 来 相 改 可 申 候 事 リ ト ケ 附 本 地 杯 唱 佛 像 を 社 前 掛 或 者 鰐 口 梵 鐘 佛 具 の 類 差 置 候 分 ハ 早 く 取 除 可 申 事 二 月 エ 一、 諸 國 萬 石 以 上 以 下 私 領 井 寺 社 領 と も 是 迄 幕 府 差 出 候 振 合 エ を 以、 村 高 帳 写 相 添 急 速 民 政 役 所 可 差 出 事 (中 暑 ) 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(3)

密 教 文 化 エ ト 一、 諸 國 大 小 之 神 社 中 佛 像 を 以 神 髄 致 し、 又 其 本 地 杯 唱 へ 佛 像 を 掛 或 ハ 鰐 口 梵 鐘 佛 具 ホ を 差 置 候 分 者、 早 々 取 除 相 改 可 申 旨 過 日 被 仰 出 候、 然 庭 奮 来 社 人 僧 侶 不 相 善、 氷 炭 之 ニ ニ ニ ト 如 候 付、 今 日 至 り、 社 人 共 俄 威 椹 を 得、 陽 ハ 御 趣 意 称 し、 実 ハ 私 憤 を 霧 し 候 様 之 所 業 出 来 候 テ 者、 御 政 道 ノ 妨 ニ を 生 し 候 テ、 巳 な ら す 粉 擾 を 引 起 可 申 者 必 然 候、 左 様 相 ニ ニ 成 候 テ 者、 其 実 不 相 済 儀 付 厚 く 令 顧 慮、 緩 急 宜 を 考 へ、 ニ ニ リ 穏 可 取 扱 ハ 勿 論、 僧 侶 共 ハ至 候 テ モ、 生 業 を 不 失、 盆 國 家 ニ 之 御 用 相 立 候 様 精 く 可 心 掛 候、 且 神 社 之 中 有 之 候 仏 像 佛 具 ホ 取 除 候 分 た り 共 ハ、 一 く 取 斗 向 伺 出 御 差 図 を 可 受 候、 ニ 若 以 来 心 得 違 致 し 粗 暴 之 振 舞 ホ 於 有 之 者 詑 度 曲 事 可 致 仰 付 候 事 但 し 勅 祭 之 神 社 御 震 翰 勅 額 等 有 之 候 向 者、 伺 出 候 上 御 エ 沙 汰 可 有 之、 其 之 蝕 之 社 者、 裁 判 所 鎮 壷 領 主 地 頭 等 委 細 可 申 出 候 事 四 月 (中 暑 ) 此 般 大 政 御 一 新 二 付 石 清 水 宇 佐 筥 崎 等 八 幡 大 菩 薩 之 称 号 被 爲 止 入 幡 大 神 ト 奉 佛 候 様 被 仰 出 候 事 四 月 (中 暑 ) 定 切 支 丹 宗 門 之 儀 者、 是 迄 御 制 禁 之 通 固 く 可 相 守 候 事 一、 邪 宗 門 之 儀 固 く 禁 止 候 事 慶 鷹 四 年 三 月 太 政 官 先 般 御 布 令 有 之 候 切 支 丹 宗 門 ハ、 年 來 固 く 御 制 禁 有 之 候 慮、 其 外 邪 宗 門 之 儀 も 惣 テ 固 く 不 被 相 禁 候 テ ハ 致 混 清 心 得 違 有 ニ 之 候 テ ハ 不 宜 付、 此 度 別 紙 之 通 被 相 改 候 條、 早 く 制 札 調 替 可 相 掲 示 候 事 壬 四 月 右 之 通 從 太 政 官 被 仰 渡 候 問 可 被 得 其 意 候、 尤 此 廻 文 各 加 印 形 無 遅 滞 巡 達 有 之、 燭 留 之 寺 院 汐 早 く 當 山 年 預 坊 エ可 被 差 戻 候 以 上 高 野 山 學 侶 慶 慮 四 年 辰 五 日 集 議 中 團 長 府 修 禅 寺 圃 ( 以 下 三 十 一 ケ 寺 暑 )

(4)

(3) (2) と 同 じ ( 明 治 元 年 十 月 集 議 中 →長 門 國 末 寺 ) 長 門 國 テ 神 佛 混 清 不 致 様 先 達 御 布 令 有 之 候 得 共、 破 佛 之 御 趣 意 ニ ハ テ ニ 決 無 之 処、 僧 分 お ゐ て 妄 に 復 飾 之 儀 願 出 候 も の 往 く 有 之、 ニ ニ ニ 不 謂 事 候、 若 も 他 伎 藝 有 之、 國 家 盆 す る 儀 ニ テ 還 俗 致 度 事 候 得 者、 其 能 御 取 調 之 上 御 聞 届 も 可 有 之 候 得 共、 佛 門 ニ テ 蓄 髪 致 し 候 儀 者 不 相 成 候 間、 心 得 違 無 之 様 御 沙 汰 候 事 九 月 右 之 通 從 太 政 官 被 仰 渡 候 問 可 被 得 其 意 候、 尤 此 廻 文 各 エ 加 印 形 刻 附 を 以 急 く 巡 達 燭 留 之 寺 院 ず 早 く 當 山 総 宰 聴 可 罷 差 戻 候、 以 上 高 野 山 明 治 元 年 辰 十 月 集 議 中 團 長 府 修 禅 寺 圃 ( 以 下 三 十 一 ケ 寺 名 暑 ) ( 別 筆 ) 明 治 二 年 二 月 十 二 日 戻 り (4) (2) と 同 じ ( 明 治 二 年 三 月 集 議 中 → 因 幡 國 取 締 寺 院 ) 謹 奉 伺 候 事 テ 方 今 神 佛 混 清 不 致 様 被 仰 出 謹 奉 拝 承 候、 然 虞 不 肖 之 者 ニ シ 共 御 政 假 托 種 く 不 法 相 企、 佛 門 之 軌 律 を 乱 し 候 二 付 不 得 止 去 十 二 月 十 五 日、 當 正 月 廿 七 日 両 度 委 細 書 附 を 以 御 取 糺 被 仰 付 候 様 奉 願 候 処、 即 格 別 御 多 端 之 御 央 右 様 御 手 煩 ニ 之 筋 急 速 御 取 糺 奉 願 候 儀、 深 く 恐 入 候、 依 之 先 度 奉 伺 候 テ 事 件 追 御 取 糺 御 沙 汰 被 仰 出 候 迄 堅 く 相 愼、 双 方 違 乱 粗 暴 之 振 舞 元 之 様、 急 度 取 締 仕 度 奉 存 候、 此 段 奉 伺 候 間、 宜 御 指 揮 可 被 爲 下 奉 願 候、 以 上 高 野 山 金 剛 峯 寺 衆 徒 二 月 七 日 惣 代 辮 事 御 役 所 ニ テ 右 付 左 之 通 御 附 紙 を 以 被 仰 付 候、 追 御 沙 汰 有 之 迄 精 々 取 締 可 致 事 ニ 抑 佛 門 渤 請 之 諸 神 ハ、 源 古 昔 之 高 僧 塞 山 勝 地 修 行 之 砺 神 エ ニ 天 感 鷹 出 現、 又 ハ 土 民 共 寺 僧 相 封 私 之 山 林 之 側 勧 請 致、 某 灌 現 杯 相 唱 候 佛 経 中 之 神 に て 神 と ハ 相 唱 へ 候 得 共 ハ、 本 躰 ハ 菩 薩 二 候、 且 又 日 神 等 と 申 候 て も、 古 徳 感 見 之 神 明 大 日 と 経 ホ 所 説 之 日 之 神、 月 之 神 等 同 様 ニ テ 神 職 家 相 傳 祭 杞 之 明 神 と は 神 体 を 始 勧 請、 祭 法、 開 眼、 宮 造 り に 至 迄 悉 皆 各 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(5)

密 教 文 化 別 レ テ、 神 職 家 之 法 と 混 清 候 訳 者 決 テ 無 之、 然 を 神 職 之 者 ニ リ と も 右 ホ 之 差 別 も 不 存、 根 本 佛 教 勧 請 の 神 廟 を 狼 奪 取、 祭 杞 候 ハ 神 不 受 非 禮 之 常 言 を も 不 辮、 神 明 を 奉 汚 甚 き に 至 テ ニ も ハ 己 が 所 知 非 る を 以、 神 像 妖 物 之 様 心 得 焚 却 致 し 候 族 有 之 由、 右 者 唯 ゝ 佛 経 祭 杞 之 社 を 中 間 よ り 神 職 之 も の 無 故 取 扱 候 者、 方 今 神 仏 明 判 之 叡 旨 を 却 違 越 之 も の と 相 成 恐 入 儀 テ 奉 存 御 窺 申 上 候 庭、 前 文 之 通 御 附 紙 被 仰 付 候 問、 追 御 沙 汰 有 之 迄 双 方 粗 暴 之 振 舞 之 様 急 度 相 愼 萬 一 粗 暴 之 振 舞 致 し 候 も の 有 之 候 ハ ゝ 早 速 可 被 届 出 候 事、 一 昨 年 被 仰 出 候 エ 夫 く 之 神 社 由 緒 縁 起 等 相 認 早 く 當 方 可 被 差 出 候 ニ 右 件 く 迅 速 急 務 之 事 候 故、 此 燭 着 即 刻 集 最 寄 く 集 會 請 印 エ 之 上 當 山 総 宰 磨 可 被 差 戻 候、 以 上 高 野 山 総 宰 聴 明 治 弐 年 巳 三 月 集 議 中 因 幡 取 締 寳 壽 院 諸 寺 院 中 (5) (2) と 同 じ ( 明 治 二 年 三 月 集 議 中 →肥 後 国 末 寺 ) 回 章

ニ 大 政 御 一 新 之 折 柄、 神 佛 混 清 御 引 分 之 儀 被 爲 仰 出 候 付 テ ニ ニ ハ、 於 国 く 致 復 飾 候 も の 多 分 有 之 趣 慨 歎 至 極 之 事 候、 趣 之 左 之 通 エ 朝 廷 奉 伺 候 慮、 即 御 附 紙 被 仰 付 候 問 各 得 其 意、 若 領 主 地 頭 ず 急 速 之 御 沙 汰 有 之 候 ハ ン、 御 附 紙 之 御 趣 意 を 以、 追 テ 從 エ 天 朝 御 沙 汰 被 仰 出 候 迄 御 猶 豫 可 被 成 下 旨、 御 支 配 被 願 出 ニ ニ リ 度、 尚 又 方 今 妖 邪 蔓 延 之 趣、 御 国 罷 之 危 急 実 此 時 相 廻、 依 之 諸 国 會 議 之 上 身 命 を 不 惜 エ ト 天 朝 奉 上 表 置 候 得 者、 不 日 御 聴 許 可 被 成 下 存 候、 御 テ ハ 各 私 情 を 閣 き 鎮 護 国 家 之 丹 誠 を 可 被 抽 候 謹 奉 伺 候 事 (以 下 暑 ) 高 野 山 総 宰 廉 明 治 弐 年 巳 集 議 中 圃 肥 後 熊 本 即 心 院 圃 (以 下 十 六 ケ 寺 暑 )

(6)

(解 説 ) 神 仏 分 離 の 布 達 を 末 寺 に 伝 え る た め に 本 山 は 回 章 を 使 っ た。 現 在 実 物 が 数 十 通 残 っ て い る が、 奉 書 紙 を 横 折 り に し て 綴 っ た も の で あ る。 各 寺 院 宛 の と、 各 国 支 配 寺 院 宛 の も の が あ る が、 回 収 さ れ る の に、(2) の 長 門 国 の 場 合、 十 ケ 月、(3) の 同 国 の で 五 ケ 月 か か っ て い る。(4)(5) は 同 一 の 回 章 で あ る が、 前 文 が 少 し 違 っ て い る。 (6) 明 治 二、 三 年 の 江 戸 在 番 所 の 日 並 記 か ら み た 神 仏 分 離 の 動 き ( 明 治 二 年 朔 日 →同 四 年 八 月 尽 日 ) ( 解 説 ) 日 並 記 と い え ば、 先 ず 本 山 で あ る 金 剛 峯 寺 の 毎 日 の 記 録 を 記 し た も の を さ す。 し か し、 こ の 日 並 記 は 慶 応 年 間 か ら 明 治 六 年 の 間 は 非 常 に 不 備 で あ る。 そ れ に は 五 年 の 火 事 で 金 剛 峯 寺、 興 山 寺 が 焼 失 し た こ と に 原 因 が あ る よ う に 思 れ る が、 記 録 が あ っ て も 非 常 に 簡 略 な 記 載 し か な い。 そ れ に 見 当 ら ぬ 巻 数 も あ る。 そ れ で こ の 江 戸 在 番 の 二、 三 年 の 記 録 が 一 番 詳 し い。 し か し、 こ の 日 並 記 も そ れ 以 後 の も の は 見 当 ら な い。 そ し て、 六 年 以 降 の 本 山 の 日 並 記 を み る と、 神 仏 分 離 に 関 す る 記 載 は ご く 僅 か と な っ て い る。 そ れ で、 こ の 江 戸 在 番 所 の 日 並 記 に よ り 大 勢 を み る 以 外 は な い。 言 う ま で も な く 江 戸 在 番 所 は 二 本 榎 に あ る 本 山 の 出 先 機 関 で あ っ て、 幕 府、 各 藩、 各 宗 と の 折 衝 及 び 東 国 の 末 寺 の 支 配 を 担 当 し て い た。 宝 門 ( 宝 性 院 方 )、 寿 門 (無 量 寿 院 方 ) の 二 方 か ら、 そ の 門 主 に 当 る 人 が 交 替 で 出 仕 し、 そ の 責 任 者 で あ る 年 預 を つ と め た。 (A) 日 並 記 ( 從 明 治 己 巳 歳 二 月 朔 日 至 同 七 月 鑑 日 正 智 院 良 基 再 在 番 代 如 意 輪 寺 圓 我 年 預 中 ) (ア) ( 二 年 二 月 二 日 ) 一、 相 州 小 田 原 牧 野 村 蓮 華 院 罷 出 役 僧 面 會 之 処、 拙 寺 村 内 鎮 ケ 守 入 幡 宮 外 小 宮 百 拾 六 所 別 当 職 勒 来 候 処、 今 般 神 佛 御 引 ニ ト 分 之 御 趣 意 不 得 止 事 離 社 仕 候 付、 名 主 五 郎 助 弟 豊 五 郎 申 ニ ニ 者、 無 住 神 主 取 立 神 社 不 残 相 譲 申 候、 尤 後 年 至 萬 一 両 部 ハ エ 復 古 之 節 無 異 論 右 神 社 不 残 可 相 戻 様、 領 主 表 差 上 候 願 書 爲 し 二 村 役 人 等 爲 致 加 印 形 置 候 (下 暑 ) 一、 同 席 ニ テ 同 院 末 津 久 井 縣 葛 原 村 明 王 院 儀、 同 村 鎮 守 月 夜 見 明 神 外 末 社 六 桐 別 當 職 勤 来 候 処、 右 同 断 之 訳 ニ テ 名 主 が エ 源 十 郎 伜 道 太 郎 申 者 神 勤 相 頼、 明 王 院 儀 ハ 御 年 貢 地 寺 録 を 以 相 立 候 様、 名 主 井 神 主 組 頭 氏 子 惣 代 之 連 印 ニ テ 蓮 乗 エ ニ 院 差 出 候 願 書 奥 印 致 候 爲 を 以、 前 同 断 之 訳 ニ テ 御 届 申 上 ト ニ 候 置 ノ 儀 付、 受 取 置 爲 引 取 候 事 ( 解 説 ) 二 年 の 初 め 頃 に は、 ま だ 或 は 神 仏 分 離 は も と に か え る か も し れ ぬ と い う 希 望 を い だ い て い た。 (イ) ( 二 年 五 月 朔 日 ) 一、 相 州 大 山 寺 坊 中 惣 代 常 圓 坊 罷 出 役 僧 面 会 之 処、 從 来 不 動 ニ 尊 遷 座 之 儀 付、 去 十 五 目 神 奈 川 縣 ず 明 王 寺 始 坊 中 祢 宜 御 呼 出 之 上、 遂 一 御 趣 意 之 旨 被 仰 聞、 本 尊 丼 諸 堂 舎 ホ 女 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(7)

密 教 文 化 エ ケ 坂 道 筋 来 迎 院 近 辺 引 下、 神 佛 境 内 相 立、 猶 一 山 無 住 之 院 ハ 名 取 消 し、 有 住 之 分 相 立 可 申 候 旨 被 仰 渡、 一 同 無 檬 昨 廿 ニ ニ 九 日 御 請 仕 候 旨 書 付 を 以 届 出 候 付、 髄 落 手 早 く 可 及 披 露 旨 申 聞 爲 引 取 候 事 (ウ) ( 二 年 五 月 廿 一 日 ) 一、 京 都 詰 合 中 ず 五 月 十 四 日 認 書 之 要 用 状 ( 中 暑 ) ケ 一、 信 州 配 下 内 拾 八 院 復 飾 改 名 届 之 事 (エ) ( 二 年 七 月 廿 一 日 ) 一、 在 府 中 ず 京 都 詰 合 中 急 要 状 要 旨 一、 隠 岐 國 肚 者 乱 妨 筋 辮 事 御 役 所 出 願 之 事 (B) 日 並 記 (明 治 二 己 巳 歳 八 月 至 同 三 庚 午 正 月 書 日 明 王 院 増 隆 年 預 中 ) (オ) ( 二 年 十 月 廿 二 日 ) ニ 豫 山 ニ テ 浮 国 寺 ♂ 急 談 有 之 旨 申 来 候 付 参 向 候 処、 防 州 徳 ト ニ 山 蓮 乗 坊 申 周 旋 方 昨 日 入 来、 高 野 山 ハ 堺 縣 支 配 相 成、 リ ハ エ 就 テ ハ 丹 生 明 神 領 戴 万 千 石 之 内 七 分、 残 三 分 高 野 山 被 ニ ニ 仰 付 候 様 之 趣、 天 下 無 双 之 璽 場 左 様 相 成 候 テ ハ、 外 宗 蕾 ニ リ ニ 領 安 緒 之 程 難 斗 付、 實 否 承 度 迄 御 呼 懇 申 候 (中 暑 ) 夫 ず ヘ ニ ヘ 直 様 中 嶋 氏 参 候 処、 出 勤 中 付 御 用 人 篠 塚 徳 太 郎 殿 面 會、 ハ エ ヲ テ 籾 高 野 山 堺 管 轄 相 成 以 来 不 寄 何 事 右 縣 之 手 離 レ 者 出 願 テ 等 不 相 成 由、 就 者 右 縣 ♂ 被 仰 出 候 儀、 萬 一 承 伏 難 仕 条 御 ヘ 座 候 節、 直 ゝ 御 上 出 願 仕 度 儀 出 来 之 瑚 ハ 如 何 可 仕 候 哉、 エ ニ 猶 又 堺 縣 ニ テ 御 取 斗 様 一 ゝ 朝 廷 御 伺 之 上 御 沙 汰 相 成 候 ヘ ハ も の 歎、 又 知 縣 事 御 役 人 之 存 旨 ニ テ 朝 廷 御 伺 無 之 者 歎、 ニ ニ ネ 右 □迄 内 々 相 伺 候 方 御 席 御 聞 取 被 下 度 頼 入 退 出 候 事 ( 解 説 ) 旧 高 野 領 は 二 年 八 月 か ら 堺 県 下 に 組 入 れ ら れ る こ と に な っ た が、 そ の 時 に 旧 高 野 領 を 天 野 の 丹 生 明 神 領 と し て、 七 分 を 神 領、 残 る 三 分 を 高 野 領 と す る 案 が あ っ た よ う で あ る。 こ の 記 載 は こ の こ と を 示 し た 貴 重 な 史 料 で あ る。 勿 論、 こ の 案 は 出 現 し な か っ た。 な お 中 嶋 殿 と は 他 の 記 載 の 中 に 中 嶋 五 位 殿 と あ る。 (カ) ( 二 年 十 二 月 朔 日 ) 一、 武 州 秩 父 郡 久 長 村 天 徳 寺 来、 預 役 僧 面 會 之 処、 此 度 神 葬 ニ ニ ト 祭 被 仰 出 候 付、 諸 宗 一 同 難 澁 候 故、 御 内 談 罷 出 候 被 申 候 得 共、 明 王 院 留 居 之 旨 申 入 被 □差 候 事 ( 解 説 ) 預 役 僧 と い う の は 年 預 ( 在 番 と も い う ) の 補 佐 役 で あ り、 年 預 役 が 宝 門 か ら 出 た 時 に は 寿 門 か ら 出 さ れ て い る。 こ の 時 に は 明 王 院 増 隆 が 寿 門 で あ り、 役 僧 は 宝 門 の 相 応 院 隆 宥 で あ っ た。

(8)

(C) 日 並 記 ( 從 明 治 三 庚 午 二 月 至 同 七 月 尽 日 諾 越 在 番 明 王 院 増 隆 年 預 中 ) (キ) ( 三 年 五 月 六 日 ) 一、 岩 代 国 若 松 領 諸 宗 惣 代、 両 院 入 来、 明 王 院 面 會 之 処、 国 ラ 元 昨 年 来 神 葬 祭 專 流 行 二 付、 先 般 歎 願 被 仰 付 度 旨、 惣 ニ 代 ヲ 以 御 願 申 候 処、 當 今 ニ テ ハ 是 迄 寺 院 取 立 居 申 候 小 僧 ニ ヘ 召 遣 至 迄、 夫 く 親 元 差 戻 可 申 旨、 役 所 ず 被 申 聞、 種 く 歎 ル 願 仕 見 候 得 共 ハ不 相 叶、 然 上 ハ 全 ク 磨 佛 之 外 無 之、 一 同 愁 情 之 飴 罷 出 候、 貴 院 ハ 常 々 諸 宗 之 御 周 旋 も 被 有 候 趣、 何 ニ リ カ 卒 御 配 慮 預 度 と 申 候 二 付、 方 今 諸 国 府 藩 縣 之 模 様 且 前 条 ニ ニ ニ ニ 之 歎 願 筋、 更 御 採 用 不 相 成 旨 等 委 倭 及 演 舌 及、 併 甚 気 毒 存 し 故、 先 承 置 精 く 周 旋 可 申 条 申 入 置 候 事 (グ) ( 三 年 十 二 月 廿 七 日 ) ニ ト 一、 上 州 沼 田 藩 福 島 手 嶋 殿 入 来、 明 王 院 面 會 之 処、 神 本 地 佛 ニ 云 事 何 依 テ 被 相 定 候 哉 ト 申 出 候 二 付、 神 詫 ニ テ 相 定 條 条 レ 申 立 テ 候 処、 諸 神 何 も 夫 々 詫 宣 有 之 哉 ト 被 申 候 二 付、 先 ニ 十 二 社 等 夫 々 詫 宣 之 旨 相 定 候 処、 夫 ハ 燧 成 古 籍 墨 示 候 哉 ト 申 候 二 付、 可 申 置 候 処、 右 本 地 ハ 一 く 勅 裁 を 経 テ 相 定 ニ 候 も の 歎 と 被 申 候 二 付、 績 日 本 紀、 三 代 實 録、 文 徳 実 録 等 ニ ニ 本 地 付 テ 夫 く 御 祈 祷 寺 被 仰 付 候 廉 を 以 相 考 候 勅 裁 を ニ カ 経 候 事 欺 被 存 候 と 申 置 候 処、 本 地 垂 跡 之 分 斉 井 丹 生 高 野 両 大 明 神 之 元 由、 猶 当 今 野 山 ニ テ 如 何 相 成 居 候 哉 之 旨、 且 本 地 佛 ハ 弘 法 大 師 壼 人 ニ テ 相 定 候 哉 之 等 重 く 被 尋 カ 出、 一 く 申 置 候 処、 両 後 日 相 訪 可 申 と テ 被 引 取 候 事 (C) 日 並 記 ( 從 明 治 三 庚 午 八 月 至 同 四 年 辛 未 正 月 尽 日 誰 越 在 番 明 王 院 増 隆 年 預 中 ) (ケ) ( 三 年 八 月 廿 七 日 ) 一、 羽 前 国 湯 殿 山 大 日 寺 代 大 泉 院 入 来、 役 僧 面 會 之 処、 方 今 ニ 神 仏 混 清 御 引 分 之 御 趣 意 付 当 春 三 月 以 来 出 府、 神 祇 官 井 エ ニ 弁 官 表 重 く 歎 願 之 模 様 振 被 申 出、 右 付 此 頃 諸 宗 盟 會 御 評 議 も 有 之 趣、 且 当 御 鰯 下、 両 部 御 引 分 筋 御 取 計 向 等 □度 ニ 等 被 申 出 候 付、 豫 州 前 神 寺 且 遠 州 秋 葉 山、 相 州 道 了 宮 等 ヘ リ ヘ 之 所 置 振 相 咄、 何 分 其 他 方 取 入、 夫 汐 民 部 省 歎 願 被 致 候 様、 御 手 運 肝 要 之 旨 申 入 候 処、 難 有 ト テ 礼 詞 申 出 被 引 取 候 事 (コ) ( 四 年 正 月 十 二 日 ) ハ ニ ニ 一、 信 州 松 本 知 事 公 兼 テ 神 葬 祭 相 成、 其 飴 ハ 當 春 右 同 様 致 趣 ニ も 罷 有 立 付、 寺 院 ず 廣 寺 願 出 候 ニ ハ 少 ニ テ も 御 扶 持 被 下、 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(9)

密 教 文 化 ニ 若 不 願 候 ハ 甚 難 澁 相 成 条、 能 縣 惣 持 寺 役 局 汐 詑 度 遂 様 中 ニ ニ エ 来 候 付、 示 談 申 致 旨 申 来 候 故、 明 王 院 則 上 野 慶 安 寺 参 り ニ ト 候 処、 何 分 も 前 件 御 沙 汰 無 之 内、 歎 願 申 候 テ ハ 如 何 哉 之 儀、 猶 □罷 爲 ず 申 立 居 候、 越 中 富 山 廃 寺 筋、 同 様 歎 願 申 度 ト 各 被 申 候 得 共 ハ、 右 ハ 旧 脳 寺 院 ロ へ 罷 □置 候 上 ハ 追 く ニ 御 仕 法 も 被 爲 立 候 問、 寺 院 之 所 置 自 □不 相 成 旨、 二 府 藩 ヘ ニ ニ 縣 御 達 相 成 候 条、 □居 申 候 間、 先 見 合 候 方 可 罷 成 示 談 決 ニ 択 申 候、 尤 松 本 出 張 寺 院 動 揺 之 故、 右 ハ 法 義 嚴 重 相 守 神 ニ ニ 妙 致 居 候 条、 惣 持 寺 役 局 汐 説 諭 参 リ 候 段 相 決 候 事 (D) 日 並 記 ( 從 明 治 四 辛 未 二 月 至 同 十 月 十 五 日 畢 誰 越 在 番 明 王 院 増 隆 年 預 中 ) (サ) ( 四 年 正 月 八 日 ) 一、 東 本 願 寺 周 旋 方 余 明 王 院 面 會 之 処、 越 中 冨 山 屡 寺 歎 願、 ニ ハ 西 本 願 寺、 高 田 派 檀 家 等 ハ 差 出 相 成 候 得 共 ハ、 其 鯨 出 願 無 エ リ ニ 之 欺、 右 様 之 悪 儀 他 国 相 移 候 テ ハ 康 仏 ハ 目 前 之 儀 候 間、 是 非 と も 諸 宗 不 残 歎 願 御 差 出 被 申 候 様、 早 く 御 通 聞 (中 署 ) 右 至 急 御 示 談 之 上、 御 取 計 度 被 申 出 候 事 (シ) ( 四 年 三 月 六 日 ) 一、 信 州 築 摩 郡 松 本 和 泉 屋 町 淡 井 安 楽 寺 其 外 寺 院 中 ず 同 国 松 エ ニ 本 領 一 般 神 葬 祭 流 行、 尤 同 藩 知 事 公 ♂ 領 内 一 統 神 葬 祭 に ニ 相 成 候 様、 右 告 有 之 候 付、 国 中 諸 寺 院 ♂ 歎 願 候 得 共、 御 ニ 採 用 無 之、 其 上 破 仏 之 難 問 等 被 仰 聞 候 由 付、 至 急 本 山 汐 可 然 教 道 御 下 向 萬 端 御 指 揮 被 下 度 旨、 飛 札 ヲ 以 申 越、 ニ 右 付 神 葬 式 縮 圖 面 壼 紙 且 亦 年 忌 弔 経 説 出 拠 等、 御 元 調 迅 速 御 差 越 罷 下 度 申 来 候 事 じり (四 年 四 月 十 五 日 ) ニ ニ ニ 一、 沙 巣 本 願 寺 お ゐ て 信 州 松 本 藩 支 配 下 腰 寺 筋 付、 諸 宗 燭 頭 ニ 寄 相 催 候 付、 明 王 院 出 頭、 尤 雨 天 二 付、 往 返 人 力 車 ニ テ 罷 越 候 処、 右 ハ 各 宗 本 山 ず 各 通 ニ テ 歎 願 候 様、 示 談 相 決 夕 方 致 婦 寺 候 事 (セ) ( 四 年 四 月 十 七 日 ) ニ カ ニ 一、 沙 巣 傳 法 院 盟 會 有 之 候 処、 用 天 付 明 王 院 人 申 奉 ニ テ 出 ニ 勤、 信 州 松 本 藩 管 内 不 残 神 葬 祭 付、 寺 院 も ︼ 致 蹄 信 被 申 渡、 違 背 候 者 ハ 被 取 嚴 科 候 な し 事 ニ テ、 無 憺 御 受 申 候 者 エ も 有 之、 彼 地 禅 浮 土 一 向 宗 之 内、 五 六 処 寺、 当 地 馳 来、 ニ 諸 宗 本 山 ニ テ、 是 非 御 願 立 被 申 致 よ し 儀 付、 議 評 候 処、 ニ ニ 速 不 一 決 終 及 暮 候 故、 明 王 院 一 宿 候 事 (ソ) ( 四 月 五 月 十 二 日 )

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ニ ニ 一、 沙 巣 本 願 寺 お ゐ て 諸 宗 本 山 鯛 頭 集 會 付、 明 王 院 出 勤、 右 ハ 兼 テ 諸 宗 ず も 出 願 申 候 越 中 冨 山 屡 寺 筋、 今 般 天 朝 ず ノ ル 彼 藩 各 宗 之 寺 院 合 併 候 テ ハ 頗 下 情 怨 屈 之 趣、 相 聞 不 都 合 ニ ト 之 事 付、 更 二 穏 當 所 置 方 取 調 可 伺 出 ノ 御 達 書 有 之 候、 就 ヘ エ テ ハ 此 方 末 派 之 者 共 可 致 説 諭 段、 東 本 願 寺 御 達 相 成、 甚 カ エ ケ 難 事 之 ロ ニ ハ 候 得 共、 東 本 願 寺 御 書 下 頂 載 仕 候 テ ハ、 他 宗 不 都 合 是 ニ ハ 鯨 程 意 味 之 御 座 候 事 故、 諸 宗 一 同 汐 も、 ケ ノ 同 様 之 御 書 下 頂 載 仕 度 旨、 示 談 相 聞、 猶 松 本 藩 路 傍 之 石 佛 等 不 残 破 却 之 趣、 右 ハ 兼 テ 願 上 置 候 事 故、 是 亦 同 周 旋 ニ ニ 之 示 談 又 松 藩 表 更 神 葬 祭 被 申 渡 付、 彼 地 諸 寺 院 爲 惣 代 ニ ニ 両 院 飛 来 諸 宗 本 山 衆 当 願 書 差 出 候 付、 示 談 有 之 候 事 (タ) ( 四 年 六 月 廿 日 ) エ エ 一、 明 王 院 坊 城 殿 参 リ、 岡 本 氏 面 會、 当 今 松 本 藩 御 達 之 趣、 エ ェ ト 外 宗 門 ハ 沙 汰 有 之 候 由、 小 院 ハ 如 何 御 座 候 哉 相 尋 候 処、 エ エ ニ ヲ 只 今 貴 院 封 中 ニ テ 御 達 申 候 と の 趣 附 ニ テ 彼 藩 如 何 様 相 達 取 成 候 哉 再 く 相 尋 候 処、 其 旨 密 く 承 之 候 故、 手 紙 内 見 之 エ 上、 松 本 藩 之 御 返 書 篇 取 退 出 (下 暑 ) ニ ニ 一、 坊 城 殿 ♂ 御 使 ニ テ 過 日 松 本 藩 腰 寺 筋 願 書 御 差 戻 相 成 候 付 辮 官 汐 之 御 達 書 爲 井 御 執 奏 之 議、 今 般 罷 廃 止 候 御 口 書 共 ニ ニ 御 差 越 付 及 御 受 置 候 事 詞 ( 四 年 八 月 一 日 ) ニ 一、 □御 所 吉 祥 院 ず 信 州 松 本 藩 寺 院 蹄 農 取 潰 之 懸 合 出 張 候 カ 処、 此 段 諸 宗 寺 院 汐 同 勤 筋 天 朝 罷 願 立 候 趣、 右 ハ 如 何 ニ 御 達 相 成 候 哉、 其 御 達 書 有 之 候 ハ ン 早 く 御 差 越 呉 様 被 申 越 候 事 ニ エ 一、 前 段 之 儀 付、 先 般 松 本 藩 弁 諸 寺 院 之 御 達 書 写 取、 何 分 に ニ ニ も 腰 佛 之 御 趣 意 テ ハ 無 之 候 旨、 旧 復 候 様 周 旋 可 懸 旨 巨 細 ニ 取 認、 明 王 院 汐 蹄 便 テ 及 被 翰 置 候 事 (ク) 復 飾 届 ( 二 年 五 月 信 州 諏 訪 郡 十 八 ケ 寺 院 →高 野 山 學 寮 役 者 中 ) 口 上 畳 信 州 諏 訪 郡 神 宮 寺 村 神 宮 寺 同 如 法 院 同 蓮 池 院 神 宮 寺 中 神 洞 院 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(11)

密 教 文 化 同 宝 藏 坊 同 蓮 乗 坊 同 執 行 坊 同 善 勝 坊 同 玉 藏 坊 同 泉 藏 坊 同 松 林 坊 信 州 諏 訪 郡 久 保 村 神 宮 寺 同 下 之 原 村 観 照 寺 同 久 保 村 三 精 寺 神 宮 寺 寺 中 宝 珠 院 同 本 覚 坊 同 玄 弊 坊 観 照 寺 中 東 光 坊 お ル ケ 御 一 新 付、 去 辰 年 右 寺 復 飾 神 職 被 仰 付 候 問、 此 段 御 届 奉 申 上 候、 以 上 惣 代 明 治 二 己 巳 年 五 月 上 社 元 神 宮 寺 事 神 原 閣 番 同 下 社 元 観 照 寺 事 浮 島 主 殿 高 野 山 學 寮 御 役 者 中 (8) 神 葬 祭 に 対 す る 見 解 (年 月、 筆 者 不 記 ) リ ニ ヲ ニ ラ バ ヲ 此 頃 頻 神 葬 祭 願 出 候 者 御 座 候 由 候 得 共 ハ、 此 等 之 族 忠 孝 之 道 ル ネ ハ ハ ト ル シ 不 二 相 守 一者 之 致 方 存 候、 其 訳 佛 法 往 昔 至 聖 皇 太 子 奉 レ申 十 人 ( マ マ ) ニ ハ ヲ ニ ケ ハ ト モ 同 時 申 上 候 言 夫 々 聞 分 被 レ遊 候 故 八 耳 之 王 子 或 聰 耳 之 王 子

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ル シ キ ヒ ニ 奉 レ 称 天 地 開 闇 已 来 無 レ 並 大 聖 人 囁 政 之 高 職 被 レ 爲 レ 在 日 本 國 ニ リ 中 憲 法 御 定 被 レ遊 候 時 運 相 當 佛 法 遠 從 二 漢 土 一相 渡 英 明 生 知 ハ 之 聖 徳 太 子 佛 法 甚 深 之 意 味 御 体 達 被 レ遊、 佛 法 三 國 之 通 宗 百 ノ レ ハ ヲ テ カ サ ン ト ヲ ヒ ヘ ヲ テ キ 機 之 販 極 非 二 佛 法 一何 以 乎、 正 レ 曲 被 レ 仰 猶 天 下 一 同 佛 法 以 可 ス ト キ ハ ハ ヲ ル レ 爲 二 宗 旨 一趣 被 二 仰 渡 一 候 故、 日 本 君 父 之 致 置 候 事 堅 相 守 不 キ ノ ニ ノ ハ モ レ犯 信 義 厚 國 風 俗 候 故、 一 天 御 君 申 迄 無 レ 之、 代 々 之 將 軍 御 ハ テ モ ヲ ト ハ ノ リ ハ ナ ル ミ 血 統 不 同 候 佛 法 宗 旨 被 レ遊 候 蔓 其 法 不 レ 違 人 倫 之 一 番 大 切 愼 リ ヲ ノ ハ ヲ テ マ サ ハ ク レ 終 遂 レ 遠、 葬 式 年 忌 大 禮 皆 悉 佛 法 以 経 螢 不 レ 致 御 方 無 レ 之 候 モ タ ル ハ ニ キ ニ リ ニ リ シ 故、 下 者 御 上 之 徳 風 可 レ随 筈 之 古又 候 故、 從 二佛 法 此 土 相 渡 千 ノ ゲ ク ハ テ ヲ ミ ト リ 百 年 昔 四 民 悉 年 忌 葬 式 以 二 佛 法 一相 営 候 日 本 一 同 之 風 俗 相 成 ハ ノ ロ リ テ 申 候、 右 之 仕 合 故 一 天 之 御 君 御 隠 居 後 剃 髪 仕 候 禅 門、 道 心 ト ヘ ヲ ト ル ニ メ ニ ト シ テ ヨ リ 杯 相 唱 往 生 浮 土 之 修 行 專 用 仕 古 又相 定 居 申 吏 候 得 者、 人 佛 法 ナ ル ハ ニ テ ニ ハ ニ メ 大 切 古 又 無 レ 之 筈 候、 既 一 天 之 御 君 御 宗 旨 佛 法 御 定 被 レ 遊 候 故、 ニ ハ ヲ イ ニ 御 法 名 院 号 御 用 被 レ 遊 從 二 往 古 一神 葬 儒 葬 被 レ 遊 候 御 方 無 レ 之、 ニ ヲ ひ 既 佛 法 宗 旨 被 レ 遊 候 ( 中 暑 ) ニ リ ハ ヲ ト ヌ ハ 佛 法 此 土 相 渡 候 巳 来 代 々 賢 將 一 人 佛 法 宗 旨 不 レ 致 御 方 無 レ 之 ニ ノ ニ ハ ニ ハ ノ 候、 第 一 馬 子 大 臣、 次 鎌 足 公 ( 中 暑 ) 次 頼 朝 公 日 本 國 神 社 ヘ シ ヲ ニ ル ケ ノ ヲ ニ ハ ニ シ ト ス 佛 閣、 寄 二 附 田 園 一殊 立 三 一 十 七 條 式 目 一、 中 第 一 可 レ 尊 二 崇 神 ヲ ハ ( 亀 ) ノ ニ ン ヲ 佛 一被 レ 仰 ( 中 暑 ) 神 君 様 元 喜 天 正 巳 来 大 乱 頽 磨 神 社 佛 閣 皆 ク ニ レ ヲ モ ヘ 悉 御 再 建 井 夫 々 寺 社 領 御 寄 附 被 レ遊、 猶 日 本 一 同 慶 長 十 四 年 ヲ テ ハ ヲ テ ニ ス ヲ ト フ セ ニ 御 條 目 以 人 佛 之 恩 受 僧 施 正 法 云、 任 二 我 意 一宗 門 請 合 之 住 持 ハ ヲ テ ニ ル ヲ ヘ ニ テ ル モ ル 之 言 不 レ 用、 都 寺 用 等 鹿 暑 仕 者 時 々 異 見 相 加、 其 上 於 レ 有 下 不 ニ ヲ ヘ ニ ハ 相 用 一 者 上、 判 形 引 宗 門 役 所 相 断、 急 度 可 レ 及 二 吟 味 ハ 寺 院 治 レ ヒ モ ハ キ ル リ ヲ 国 斉 □猶 佛 法 不 阪 依 之 輩 可 レ 奉 レ 蒙 二 日 本 國 中 大 小 神 祇 神 口章 ト ニ ハ 者 也 被 レ 仰、 寛 永 二 年 三 代 將 軍 様 御 條 目 正 法 佛 法 御 兼 帯 大 切 シ ス ニ シ ノ テ ハ ル ニ 之 御 定 法 人 々 可 レ 銘 レ 肝、 若 佛 法 不 飯 依 輩 於 レ 有 レ 之 者 急 度 可 ニ ニ テ ル へ 申 付 ハ 其 上 不 二 相 用 一 者 レ 之 者、 早 速 役 所 可 二 訴 出 急 度 曲 吏 可 ニ ニ ハ ニ リ 申 噛猶 又 家 重 様 御 代 青 山 大 膳 亮 殿、 御 鰯 書 我 儘 改 宗 派 在 レ 之 ニ ハ ニ テ テ ニ リ テ ヨ リ 候 法 滅 之 相 寺 及 二 大 破 一、 寺 法 國 法 治 不 レ 申 候、 依 寺 々 住 寺 之 リ 証 文 本 寺 之 謹 文 請 合 謹 文 巳 上 三 通 之 諮 文 御 取 被 レ 成 候 間、 各 ナ ル ヘ リ 可 レ 被 二 差 上 一候、 大 切 宗 門 之 古 又、 寺 方 預 置 候 得 者、 門 徒 之 内 ニ シ 邪 法 之 旗 無 レ 之 様、 寺 方 役 目 候 間、 随 分 吟 味 可 レ被 レ成 候、 若 ニ テ メ ニ ニ 不 吟 味 間 違 共 在 レ 之 者、 其 寺 御 答 可 レ 被 レ 及 二 難 題 一候 殊 元 和 ヘ ニ ハ テ 元 年 七 月 十 八 日 當 山 御 條 目 修 法 者、 護 國 利 民 之 基 也、 依 密 ノ テ ヲ ト シ ト ス ヲ 宗 之 建 立 以 レ 之 爲 二 肝 心 一、 弥 可 レ 抽 二 四 海 安 寧 之 丹 誠 一被 レ 仰、 ケ ニ ハ ノ ト ク ス ヲ バ ク 猶 又 百 條 鎌 倉 殿 式 目 同 可 レ 尊 二 崇 神 佛 一 第 一 被 レ 仰、 猶 我 法 多 ル ト ノ ニ テ ハ リ 拠 二 鎌 倉 殿 式 目 一被 レ 仰 候、 佛 法 不 販 依 之 旗 可 レ 奉 レ 蒙 二 日 本 六 ノ ヲ ル ハ ト ニ テ 十 絵 州 神 罰 一者 也 被 レ 仰 候、 鎌 倉 式 目 御 同 様 御 座 候、 前 件 申 述 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(13)

密 教 文 化 ヲ ル ノ ヲ ハ ハ 候 御 條 目 佛 不 レ 信 者、 蒙 噂 六 十 鯨 州 神 罰 或 佛 法 不 阪 依 之 輩 急 ト ハ リ メ ノ ヲ ハ リ 度 曲 蔓 可 二 申 付 一被 レ 仰 候 得 者、 上 奉 レ 始 二 一 天 御 君 一下 至 二 士 庶 ニ ヲ ト リ ヨ リ モ ニ リ ス ヲ 人 ハ貴 賎 一 同 佛 法 宗 旨 仕、 何 大 切 仕 来 居 申、 佛 法 販 依 不 レ仕、 ニ テ ノ ヲ ヲ ミ ヲ 違 二 背 君 父 之 宗 旨 一 仕 候、 此 頃 始 神 葬 祭 好、 日 本 一 同 之 大 法 相 リ ハ ト モ ニ 乱 候 者、 御 條 目 申 候 得 者、 佛 言 同 様 金 石 之 御 言 候 得 者、 右 様 ヲ ハ リ ノ ヲ ニ キ 好 二 異 風 一候 者、 蒙 二 日 本 國 中 大 小 神 祇 罰 一、 曲 蔓 可 レ 被 二 仰 付 一 ハ シ ニ ハ 之 外 無 レ 之 様 奉 レ 存 候、 但 御 條 目 少 々 宛 字 文 之 相 違 御 座 候 目 ニ テ モ ク ニ 本 国 中 御 鰯 達 候 節、 傳 写 之 誤 可 レ 有 二 御 座 一候 得 共 ハ、 御 趣 意 相 ニ ヘ ル ハ 違 之 義 無 二 御 座 一候、 且 又 當 山 右 御 條 目 相 見 不 レ 申 御 條 目 御 醐 ハ ダ キ ノ ハ 出 候 節 者、 江 戸 在 番 被 二 仰 付 ハ 未 無 レ 之 時 分 故 奉 レ 存 候、 唯 々 ヲ ヲ リ ニ ハ 神 葬 祭 相 願 國 家 之 御 大 法 相 乱 候 段、 誠 以 歎 敷 古 又 奉 レ 存 候 (9) 隠 岐 国 よ り 廃 仏 に つ き 訴 え ( 後 半 敏 落、 年 号 不 明 ) 乍 恐 奉 歎 願 口 上 書 ニ ニ 神 佛 判 然 御 引 分 も 佛 法 腰 止 無 之 も 倶 ニ 天 朝 之 御 趣 意 汐 出 て、 天 下 壼 統 御 布 令 之 御 儀 候 ヘ ハ、 普 天 之 下 錐 壼 人 悸 戻 仕 候 者 無 之 儀 者 断 然 之 確 理 奉 存 候、 然 処、 二 (明 治 二 年 ) 二 隠 岐 国 お ゐ て 去 辰 之 三 月 戦 争 後、 国 内 お ゐ て 勇 肚 之 者、 肚 ト ニ 士 相 唱、 神 佛 判 然 之 御 趣 意 ヲ 以、 康 佛 之 儀 論 牽 合 附 會 之 葬 法 祭 儀 を 紛 乱 し、 自 恣 之 葬 祭 を 企 候 て 已 な ら す、 從 前 寺 院 エ 所 属 之 佛 餉 人 供 を 横 領 仕、 僧 仕 僧 徒 ハ 柳 之 月 俸 を 相 與 置、 ニ 且 去 辰 五 月 中 旬 頃 汐 佛 事 作 善 之 供 養 を 拒 絶 し、 其 上 院 所 奉 ニ 之 仏 像 経 巻 を 焼 段 し、 石 仏 石 垣 築 籠 仕 等 之 義、 誠 以 無 語 道 エ ト 断 之 趣 二 御 座 候、 右 等 之 所 行 他 国 之 洩 聞 を 恐 候 哉、 国 禁 相 ニ 唱、 僧 徒 之 渡 海 他 行 堅 禁 之 新 法 を 確 定 致 置 候 テ、 別 当 社 僧 エ エ 関 係 無 之 僧 徒 復 飾 蓄 髪 之 □勧 を 加、 若 佛 家 之 規 律 相 募 靖 不 エ ニ 仕 者 者、 退 身 杯 申 付 候 付、 不 得 止 蔓、 國 元 住 居 之 僧 ハ、 一 時 之 計 策 ヲ 以、 蓄 髪 承 引 之 受 約 シ 置、 依 て 銘 く 共 ハ儀 者、 出 エ ニ 國 ヲ 申 出、 千 辛 萬 古 本 山 歎 訴 仕 候 手 績 御 座 候、 尤 ト ヲ 御 一 新 申、 旧 来 之 随 習 御 一 洗 之 上、 鯨 寡 孤 猫 之 者 迄、 今 得 其 処 候 と の 至 信 之 御 趣 意 奉 存 候 処、 鎮 護 国 家 之 外 護 と し た 御 先 帝 累 世 被 爲 □建 置 候 三 寳 焼 段 ( 以 下 敏 ) (10) 富 山 藩 の 合 寺 強 行 に つ き 歎 願 書 ( 四 年 二 月 金 剛 峯 寺 → 清 閑 寺 家 ) 奉 願 口 上 覧 ル ( 明 治 二 年 ) 御 一 新 巳 後、 去 辰 九 月 神 佛 混 清 不 致 様 罷 仰 出 候 得 共、 破 ニ テ 佛 テ ハ 決 無 之 議、 無 謂 復 飾 い た し 候 も の 有 之 者、 心 之 外 ニ テ、 但 し 他 之 藝 能 有 之 復 飾 願 出 候 も の ハ、 御 試 之 上 御 聞

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済 可 有 之 云 云、 御 達 書 僧 分 一 同 開 愁 眉 難 有 奉 敬 承 候 慮、 越 ニ (明 治 三 年 ) 中 冨 山 藩 お ゐ て、 昨 午 壬 十 月 十 七 日 管 下 若 干 之 院 宇 被 取 上、 ニ 即 チ 一 派 一 寺 合 併、 其 宗 ニ テ 住 僧 寓 居 被 申 付、 慶 寺 殿 佛 之 テ ニ 所 置 就 テ ハ、 種 々 歎 願 も 仕 候 得 共、 決 採 用 無 御 座 候 付、 難 リ モ 澁 之 飴 無 櫨 復 飾 相 願 候 得 者、 藝 能 之 試 無 之 被 聞 届 候 条、 末 派 之 者 共 汐 申 来 候、 右 者 ニ 天 朝 之 御 鰯 書 二 も 相 戻、 一 沙 之 汲 流、 僧 侶 之 身 取 候 テ ハ、 誠 以 懇 涙 痛 突 仕 候、 何 卒 當 今 復 飾 も 不 仕 僧 徒 丼 修 験 等、 蕉 ク 地 元 置 帰 住 被 仰 付 候 欺、 宜 御 執 奏 深 奉 懇 願 候、 以 上 高 野 山 金 剛 峯 寺 (明 治 四 年 ) 宥 明 辛 未 清 閑 寺 家 御 家 令 中 (11) 三 条 教 則 第 一 條 ス ヘ キ 敬 神 愛 国 旨 髄 事 伊 勢 大 神 宮 者、 三 千 世 界 中 心 諸 仏 如 來、 神 智 一 切 衆 生 父 也、 奉 上 始 下 至 万 民 迄 可 敬 恐 也、 萬 物 餓 倫 理 御 寺 護 有 事 現 當 明、 愛 国 寛 仁 大 礼、 施 以 慈 悲、 守 正 道 憲 法 沙 汰 有 之 愛 国 云 第 二 條 ス ヘ キ 天 理 人 道 明 事 以 正 直 守 五 常 時、 天 道 正 理 仏 神 三 宝 納 受 有 之、 人 道 明 也、 不 時 天 理 者 人 道 暗 第 三 條 ヲ シ 皇 上 奉 載 セ シ ム ヘ キ 朝 旨 遵 守 事 天 孫 立 置 給 御 教 告 大 道 理、 世 界 万 国 勝 風 儀 也、 夫 人 者 天 ヨ リ キ ナ シ ナ シ ヲ テ 地 問 稟 生 人 尊 者、 則 我 朝 号 神 国 天 孫 故 父 母、 日 月 以 爲 父 母、 天 恩 深 遵 守 儀 廣 大 無 量 無 藪 錐、 有 理 争 難 蓋 語 言 紙 上 爾 云 ノ 第 四 大 匠 一 小 匠 移 村 極 樂 寺 住 職 八 月 十 八 日 森 辺 康 隆 (印) ( 解 説 ) 三 条 教 則 は、 五 年 四 月 に 布 告 さ れ た。 教 育 の 中 心 と な っ た 教 え で あ り、 宗 教 面 で も こ の 徹 底 が 計 ら れ た。 と こ ろ で、 金 剛 峯 寺 文 書 中 に は、 高 野 村 を 中 心 と し た 旧 高 野 領 の 真 言 寺 院 の 住 職 が 同 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

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密 教 文 化 条 文 に つ い て、 自 己 の 考 え を 記 し た も の が、 二、 三 十 通 見 受 け ら れ る。 本 山 と し て 特 に 近 辺 の 寺 院 に つ い て は 徹 底 を 計 っ た も の と 考 え ら れ る。 本 文 も そ の 中 の 一 で あ り、 現 か つ ら ぎ 町 移 に あ る 寺 院 で あ る が、 大 日 如 来 を 中 心 存 在 と し て 両 部 神 道 を た て た の に 対 し て、 逆 に 伊 勢 皇 大 神 を 中 心 に し て 仏 教 も み よ う と し て い る。 つ ま り 逆 の 意 味 で の 両 部 神 道 が み ら れ る の に 特 色 が あ る。 時 代 に へ つ ら う 立 場 が み ら れ る と 共 に、 両 部 神 道 の 精 神 が 生 き て い る 点 に 注 目 し て お か ね ば な ら な い。 な お、 本 文 に は 年 号 の 記 載 が な い が、 他 の 同 一 文 書 に 六 年 と あ る の で、 同 年 で は な い か と 考 え る。 (三) 高 野 山 自 身 に 関 す る も の (A) 高 野 山 内 関 係 (12) 壇 上 両 明 神 社 の 御 神 体 改 め に つ い て の 御 達 ( 二 年 十 一 月 堺 県 →金 剛 峯 寺、 金 剛 寺 文 書 ﹁ 知 縣 蔓 御 達 書 写 ﹂ の 外、 和 歌 山 縣 誌 第 三 巻 九 八 頁、 伊 都 郡 誌 二 六 三 頁、 堺 研 究 五 号138 号 ) 丹 生 明 神 高 野 明 神 ヲ 眞 言 宗 ニ テ 者、 本 地 金 胎 大 日 如 来 ト 立 ル 候 よ し、 然 庭 ニ テ 者、 伽 藍 之 明 神 両 社 ハ 可 然 大 日 像 ヲ 安 置 ル (明 治 十 致 し 大 日 堂 ト 改 号 ニ テ、 千 木 之 類 取 除 可 申、 尚 来 辛 巳 普 請 四 年 ) ニ ィ 屋 ニ 之 節 迄 宮 作 之 家 根 ヲ 堂 形 改 可 申、 十 二 社 ハ 愛 染 堂 二 改 可 申、 エ 巡 寺 八 幡 者 兄 井 村 遷 し 可 申、 其 余 山 内 二 有 之 小 社 神 体 夫 く エ ル 相 改、 可 然 神 社 神 体 ヲ 送 歎、 又 者 撹 遣 之 法 ヲ 執 行 候 テ カ 作 ニ 法 狼 二 不 相 成 様 致 し、 早 く 取 除 可 申、 右 夫 く 慮 置 ハ 届 出 可 中 事 エ ケ 但 し 兄 井 村 新 社 造 管 迄 之 所、 神 体 者 ハ タ 竿 ど も 天 野 社 預 エ ケ 置 天 野 社 預 置 可 申、 猶 是 迄 巡 寺 ニ テ 勤 来 候 護 摩 供 愛 染 供 阿 弥 陀 供 者 當 分 是 迄 之 通 勤 置 可 申、 追 く 達 し 候 次 第 可 有 之、 此 段 心 得 置 可 申 事 巳 十 一 月 堺 縣 (13) 壇 上 両 明 神 社 を 大 日 堂 と す る ( 二 年 十 一 月 七 日、 寺 務 所 →五 条 県 御 出 張 所 御 役 人 御 衆 中、 高 野 鎭 守 明 神 天 野 移 換 順 次 書 ) 右 之 書 付 御 渡 置 之 上、 同 月 七 日 未 鐘 汐 神 体 改 候 問、 寺 務 井 天 野 惣 神 主 立 會 可 申 旨 御 達 有 之、 即 到 立 會 候 処、 神 殿 開 扉 ニ 之 上 知 事 様 直 二 御 改 候 て、 是 者 根 元 大 師 之 勧 請 故 寺 務 之 職 ニ ニ 掌 と し て 撹 遣 之 作 法 修 行 可 仕 旨 御 指 揮 付、 即 座 其 作 法 修 行 ヘ 仕 天 野 遷 戻 出 座 奉 念 相 済 候 上、 即 目 汐 本 地 仏 大 日 之 像 相 求 ケ 罷 入 御 内 差 置、 千 木 取 除、 大 日 之 像 安 置 仕 候、 尤 右 大 日 堂 ニ 天 野 明 神 遥 葬 所 之 心 得 を 以 欽 仰 可 仕 旨 御 教 諭 も 御 座 候 付、 今 後 毎 月 十 六 日 從 前 之 通 リ 御 精 進 供 新 備 本 地 供 修 行 之 上、 遥 葬 仕 罷 右 候、 以 上 明 治 四 年 辛 未 五 月 寺 務 所

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( 解 説 ) 本 文 書 は 四 年 に 二 年 の 御 神 体 改 め に つ い て の 報 告 を 五 条 県 に 差 出 し た も の で あ る が 書 き 換 え の 箇 所 が 多 く、 付 箋 ま で し て 訂 正 し て い る 箇 所 も あ る の で、 統 一 し て 読 ん で お い た。 本 文 書 に よ り 実 際 に 発 遣 し た 時 の 様 子 が 明 か と な っ た。 壇 上 に は 丹 生、 高 野 の 両 明 神 社 が 並 ん で い た の で、 金 胎 両 部 の 大 日 像 が そ れ ぞ れ に 祀 ら れ た と 考 え ら れ る。 な お、 高 野 山 蓮 華 定 院 添 田 隆 俊 師 の 話 に よ る と 近 年 ひ そ か に 両 社 を 調 査 し た と こ ろ、 秘 仏 と し て、 そ の 奥 に も う 一 重 観 音 開 き の 戸 が あ っ て、 こ の 中 に 出 雲 式 の 宮 殿 が あ り、 丹 生 社 に は 女 体 神 像 ( 坐 像 )、 高 野 社 に は 男 体 神 像 ( 立 像 ) が あ り、 横 に 両 明 神 の 絵 像 も 置 い て あ る。 上 部 に は 矢、 横 に 大 刀 も あ り、 矢 に は 元 憲 の 乱 の 時 こ れ を 奉 納 し た 時 の 武 将 の 名 が 記 し て あ る 由 で あ る。 こ れ が 信 ぜ ら れ る の で あ れ ば、 こ の 御 神 体 改 め も 前 面 の 鏡 等 を 引 上 げ た だ け で、 も う 一 重 奥 の 分 は、 そ の ま ま に し て お か れ た と い う 以 外 は な い。 (14) 境 県 知 事 に 提 出 し た 熊 手 入 幡 縁 起 ( 明 治 四 年、 金 剛 峯 寺 寺 務 所 →境 県 知 事、 諸 國 往 復 言 上 書 留 書、 寺 務 所 ( 從 明 治 三 午 歳 十 二 月 至 同 四 未 歳 十 二 月 ) ) 熊 手 八 幡 宮 構 し 奉 る ハ 神 功 皇 后 三 韓 御 征 伐 の 瑚、 軍 中 に 用 ひ さ せ 玉 ふ 処 の 御 旗 等 也 ニ ニ 皇 后 御 旋 之 時、 御 船 を 讃 州 白 方 村 留 め さ せ 玉 ひ、 同 処 神 殿 を 造 リ、 御 旗 等 を 納 め、 西 蕃 襲 来 之 鎭 護 な し 玉 ふ 古 人 崇 敬 ニ ニ し て 氏 神 と し て、 其 後 弘 法 大 師 屏 風 浦 誕 生 即 大 師 之 生 産 神 ニ て、 大 師 入 定 之 後、 神 寳 空 中 を 飛 来 し 伊 都 郡 兄 井 村 留 り 玉 ニ ふ、 山 僧 当 山 勧 請 し 法 味 を 捧 け て 尊 敬 し 奉 る、 天 正 の 頃 よ ヅ ヽ り 巡 幸 半 年 遷 幸 し 國 家 安 康 を 祈 り 奉 る、 然 る に 神 佛 判 然 之 ニ ニ エ 御 趣 意 よ り て、 去 る 巳 年 十 一 月 堺 御 縣 臆 之 御 命 随 ひ 天 野 御 ニ 還 座、 往 昔 御 由 緒 の 地 な る 故、 兄 井 村 鎌 八 幡 の 社 内 神 殿 を 作 り、 同 年 十 二 月 勧 請 し 奉 り 候 事 エ と 但 し 當 山 勧 請 ハ 大 師 入 定 之 後 の み 申 傳 年 月 委 悉 な ら す 候 一、 御 施 者 故 あ り て、 元 和 二 年 奏 聞 を 経 し に よ り、 同 四 年 仁 和 寺 宮 魔 深 法 親 王 勅 を 奉 し て 御 登 嶺、 御 旗 を 金 銅 の 筒 に 納 め て 封 し 玉 ひ し 以 来 開 封 な ら す 候 (15) 鎌 八 幡 宮 に 奉 納 さ れ て い る 巡 寺 八 幡 の 御 神 体 の 納 め ら れ て い る 筥 の 銘 文 ( 明 治 二 年 七 月 か つ ら ぎ 町 三 谷 酒 殿 神 社 内 ) 從 往 昔、 春 秋 交 代 半 年 宛 御 鎭 座 奉 守 護 候 慮、 今 明 治 己 巳 ニ 年 十 一 月 從 天 朝 被 爲 仰 出、 依 而 此 外 筥 納、 奉 移 寺 領 兄 ノ 井 村 入 幡 宮 社 壇 畢 ニ 附 明 治 二 巳 七 月 廿 日 ヨ リ 小 田 原 報 恩 院 被 爲 在 御 鎭 座 候 事 箱 板 寄 附 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(17)

密 教 文 化 五 大 院 長 麟 筥 細 工 手 間 寄 附 報 恩 院 鷹 純 錠 前 蝶 違 寄 附 植 田 吉 砒 ( 解 説 ) (14)(15) の 史 料 に よ り、 巡 寺 八 幡、 別 名 熊 手 八 幡 の 御 神 体 は 県 知 事 の 指 令 通 り、 十 一 月 に 仮 に 天 野 社 へ 移 し、 そ の 後 兄 井 の 鎌 八 幡 宮 へ 新 殿 を 作 り 奉 納 し た こ と が 明 か と な っ た。 元 来 同 宮 に は 御 神 体 と し て 御 幣、 旗、 熊 手、 劒、 弓 矢 と が あ っ た。 こ の 中 で 一 番 重 ん ぜ ら れ て い た 御 旗、 熊 手 と が 奉 還 さ れ た。 し か し、 御 旗 は 現 在 見 当 ら な い。 熊 手 は、 長 さ4.8 メ ー ト ル の 木 柄 に 鉄 製 の 三 本 鈎 が つ い て い る も の で、 八 角 の 鞘 に 納 ま り、 外 筥 に 入 っ て い る。 今 回 の 調 査 に よ り こ れ は 柴 燈 護 摩 に 使 用 さ れ た 道 具 だ と 分 っ た。 こ の 点 か ら 考 え る と 御 神 体 全 部 が 同 法 会 に 使 用 さ れ る 道 具 で あ る。 こ れ に よ り、 こ の 神 を 奉 じ て い た 行 人 方 は、 元 来 修 験 的 傾 向 の あ る 行 者 で あ っ た と い う こ と が 立 証 出 来 た わ け で、 こ の 意 味 に お い て 重 要 な 発 見 で あ っ た。 同 八 幡 は、 一 心 院、 千 年 院、 小 田 原 谷 等 の 行 人 方 寺 院 の 信 仰 の シ ン ボ ル で あ り、 山 内 全 体 の 寺 院、 町 家 か ら も 崇 敬 さ れ、 半 年 毎 に 行 人 方 上 通 三 十 ケ 院 を 巡 寺 し て い た。 こ の 神 に 対 し て、 奥 院 の 行 人 方 は 巡 寺 大 黒 天 を 奉 じ て い た。 と こ ろ で、 兄 井 の 鎌 八 幡 宮 は 明 治 四 十 年 十 月 十 三 日、 政 府 の 小 社 合 祠 の 政 策 に 従 っ て、 三 谷 の 酒 殿 神 社 に 合 祠 さ れ て 現 在 に 至 っ て い る。 な お、 高 野 山 で は、 そ の 後 も 巡 寺 八 幡 を 祀 っ て お り、 鎌 八 幡 に 奉 納 し た 熊 手 の 代 り に 約 三 十 セ ン チ の 小 形 の を 作 り、 厨 子 に 納 め、 二 カ 月 毎 に 巡 寺 し て い る。 残 っ た 他 の 祭 器 も 昭 和 四 十 年 頃 ま で 厨 子 と 共 ハ に 巡 寺 さ せ て い た が、 霊 宝 館 に 納 め ら れ た。 (16) 東 照 宮 を 安 国 院 殿 と 改 称 し、 供 養 料 三 百 石 を 廃 す ( 二 年 十 一月、 堺 県 →弁 官 堺 研 究 五 巻 頁 娚 文 献 番 号143 ) 高 野 山 金 剛 峯 寺 領 弐 万 千 石 ノ 外 三 ケ 村 三 百 石 高 徳 川 氏 ヨ リ 東 照 宮 始 先 祖 追 福 ノ 爲 ノ 寄 進 ニ テ 候。 今 ノ 処 ニ テ ハ 其 分 ハ 引 上 候 テ、 静 岡 藩 ヨ リ ニ テ モ 寄 付 相 成 候 力、 然 ラ サ レ ハ 追 福 ヲ 廃 シ 候 テ、 宜 敷 訳 二 当 リ 候 圧、 諸 社 諸 寺 徳 川 氏 私 ノ 追 福 私 ノ 因 縁 ニ テ 寄 付 地 面 ハ 彩 敷 事 ト 存 候。 右 モ 旧 朱 印 ノ 儘 被 下 候 哉 二 存 候。 然 ル 上 ハ、 高 野 山 領 ノ 内 三 百 石 ノ 分 モ 是 迄 ノ 通 可 被 下 候 哉 ニ ハ 候 へ 托、 爲 念 此 段 御 達 申 候。 彌 其 通 ニ テ 可 然 哉 否、 至 急 御 申 越 可 有 之 候。 尤 神 仏 混 清 御 引 分 二 付、 東 照 宮 ハ 安 国 院 殿 ト 改 候 テ 祭 候 様 可 申 渡 候 也。 十 一 月 堺 県 弁 官 御 中 ( 解 説 ) 高 野 山 に は 学 侶、 行 人、 聖 の 三 派 が 東 照 宮 を 祭 っ て お り、 供 養 料 と し て 三 百 石 を 戴 い て い た。 そ の 中 行 人 方 の 宮 は 興 山 寺 後 山 に 祭 ら れ て い た が、 こ の 堂 は 薬 師 堂 と さ れ、 聖 方 の 宮 は 現 存 し て い る。 な お そ の 後、 関 連 史 料 が 出 た の で ﹁ 追 加 分 ﹂ と し て、 後 に 加 え て お い た。

(18)

(17) 高 野 壇 上 の 元 明 社 を 仏 堂 の 取 扱 い に 改 め る こ と に つ い て の 報 告 ( 三 年 三 月 十 九 日、 堺 県 庁 →神 砥 官 堺 研 究 号 斯 頁、 文 書 番 号235 ) 高 野 元 明 神 社 千 木 鳥 居 ノ 類 取 除、 仏 堂 ノ 取 扱 二 相 改 爲 申 候。 尤 屋 根 形 ハ 不 遠 建 替 年 限 二 付、 其 瑚 相 改 候 筈 二 御 座 候。 猶 又 天 野 神 社 ハ 高 野 山 領 内 ニ テ 則 当 分 当 県 管 轄 二 御 座 候。 此 義 二 付 テ ハ 委 細 ハ 昨 冬 御 達 申 置 候 通 二 御 座 候 也。 三 月 十 九 日 堺 県 庁 御 祇 官 御 中 (18) 高 野 山 明 神 社 の 取 り 扱 い に つ い て の 照 会 ( 三 年 二 月 二 十 七 月、 堺 県 →神 砥 宮 堺 研 究 五 号 頁 囎、 文 書 番 号213 ) 鳥 居 史 生 申 立 ノ 趣、 一 応 尤 ノ 様 二 候 へ 臣、 大 元 神 ノ ウ シ ハ キ 玉 フ 地 ト 錐 モ、 仏 地 ト 成 候 後、 取 立 タ ル 社 ハ 仏 家 ノ 祭 リ ニ テ、 其 実 ハ マ サ シ キ 神 ハ 其 社 ニ ハ 鎭 リ マ サ ス ト 見 テ 宜 ク 被 存 候。 神 社 二 付 テ ハ 僧 房 ハ 復 飾 ニ モ 又 ハ 取 除 ニ モ 可 致 ノ 処、 高 野 山 ノ 明 神 社 ハ 日 蓮 宗 寺 内 ノ 三 十 番 神 社 ト 五 十 歩 百 歩 ノ 者 ニ テ、 右 ヲ 正 シ キ 神 社 二 引 直 シ 可 申 ノ 見 込 ハ 無 之 存 候。 貴 官 二 於 テ 尤 ノ 義 二 御 考 ノ 段、 何 分 不 審 三 存 候 間、 一 ト 先 致 返 進 候。 猶 御 熟 議 ノ 上、 御 申 越 可 有 之 候 也。 二 月 廿 七 日 堺 県 神 祇 官 御 中 ( 解 説 ) 一 応 仏 堂 の 形 を と り 大 日 堂 と さ れ た 両 明 神 社 を そ の 後 三 年 の 頃 に は 神 社 に か え そ う と す る 動 き が あ っ た。 こ れ は 神 祇 官 側 又 は 堺 県 側 の 神 仏 分 離 を さ ら に 徹 底 さ せ よ う と す る 意 図 か ら で あ っ た と 考 え ら れ る。 (19) 和 歌 山 県 が 高 野 明 神 は 元 の よ う に 壇 上 に 返 そ う と し 高 野 山 の 各 院 の 意 見 を 徴 集 す る ( 四 年 十 一 月 二 日、 中 蕩 衆 -各 寺 院、 中 蕩 総 代 →県 出 臆 所 役 人 ﹁ 改 革 二 付 一 山 永 久 見 込 奉 拙 案 建 白 ﹂ の 一 括 文 書 ) (ア) 西 南 院 恭 本 の 意 見 書 ( 前 署 ) 一、 高 野 明 神 ハ 地 主 タ ラ ン、 依 テ 旧 二 復 シ 尊 敬 ス 可 キ 事 ハ ハ シ ケ ヒ 是 朝 廷 御 趣 意 ニ テ 神 佛 混 清 御 差 別 二 随、 元 天 野 ノ 鎭 座 ノ シ ニ 神 ヲ 移 シ テ 當 山 二 勧 請 シ 有 レ 之 ヲ、 復 天 野 還 シ、 今 ハ 山 王 ノ ニ ニ 院 ヲ 遥 拝 処 ト 仕 ラ バ、 神 御 心 ハ 天 地 充 満 ス ル ガ 故 二、 此 ク ニ テ 彼 ノ 地 ノ 神 ヲ 尊 敬 ス ト モ 隔 テ 無 候 得 ハ、 旧 復 不 及 歎 ( 後 暑 ) 西 南 院 恭 本 (イ) 高 善 院 の 意 見 書 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

(19)

密 教 文 化 議 案 條 ぐ ( 前 暑 ) ハ 一、 高 野 明 神 依 爲 地 主、 復 蕾 可 尊 敬 事 リ 右 者 前 堺 縣 御 知 夏 御 所 置 之 通 相 守 度 吏 ( 中 暑 ) 明 治 辛 未 四 年 十 一 月 三 日 高 善 院 (ウ) 持 明 院 の 意 見 書 ( 前 暑 ) 一、 高 野 明 神 ハ 地 主 之 社 タ ラ ン、 依 テ 旧 二 復 シ 尊 敬 致 ヌ ヘ キ 事 一、 當 山 艸 創 ノ 濫 膓 ヲ 思 フ ニ、 高 祖 大 師 天 野 ノ 澤 ニ テ 明 神 二 出 逢 玉 フ テ、 山 ノ 四 方 ヲ 限 リ 附 属 ヲ 受 ケ、 黒 白 二 犬 二 引 レ テ 此 ノ 山 二 分 ケ 登 リ 玉 フ ニ、 唐 土 ヨ リ 投 玉 フ 三 鈷 松 枝 二 輝 キ 有 ル ヲ 見 エ 嵯 峨 帝 奏 シ、 當 山 ヲ 創 開 シ 玉 フ 事 御 朱 印 縁 起 明 鏡 ナ リ、 然 者 則 高 野 明 神 ハ 奮 地 主 ニ シ テ、 高 祖 大 師 ヲ 以 地 主 ト ス ヘ シ、 是 故 二 天 野 二 祭 杞 ス ル 処 ノ 明 神 ヲ 當 山 ノ 鎭 守 ト シ、 伽 藍 二 安 置 ス ル 明 神 ノ 社 ハ 影 向 所 ト シ テ 尊 敬 シ 来、 依 テ 前 ノ 小 河 知 事 登 山 ノ 瑚 リ、 地 主 即 チ 大 師 ト 定 メ 玉 フ、 故 二 佛 地 二 明 神 ヲ 祭 杞 シ テ ハ 神 ニ 佛 混 清 相 成 ル 趣 ニ テ、 鎭 守 ノ 惣 神 主 ヲ 召 サ レ、 両 人 ニ テ エ エ 神 殿 ヲ 開 き 神 髄 不 残 天 野 下 シ、 鎭 守 ノ 社 安 坐 シ 玉 フ、 依 テ 伽 藍 影 向 処 ノ 社 ノ 名 ヲ 廃 シ、 更 二 大 日 堂 ト 唱 フ ヘ キ 旨 被 仰 出 シ ョ リ 以 後、 大 目 堂 ト 称 シ、 大 衆 一 同 尊 崇 仕 居 候 事 持 明 院 (エ) 補 陀 落 院 の 意 見 書 見 込 愚 案 書 ( 中 暑 ) マ マ ニ ノ 一、 高 野 明 神 ハ 可 爲 山 王 故 二、 旧 復 カ ノ 義 ハ、 源 来 大 師 巳 此 ヲ ヨ リ シ モ ヘ シ ヨ リ ヤ ニ ニ ニ ノ ニ 山 大 明 神 領 掌 最 早 佛 地 シ テ 非 更 社 地、 故 伽 藍 内 勧 請 ニ ノ ヲ ノ ヲ シ ル ノ ニ シ テ、 日 々 捧 秘 密 法 味、 以 テ 彼 恩 沢 報 奉、 傍 テ 此 外 旧 復 尊 ニ 敬 ノ 仕 様 更 無 之 カ ノ コ ノ ミ ダ 附 タ リ、 当 山 明 神 ハ 鎭 守 タ ル ヘ キ 故、 大 衆 之 尊 敬 日 弥 新 テ エ ル ナ リ、 依 此 上 復 古 ト 中 セ バ、 天 野 社 還 御 シ 奉 外 無 シ カ ノ ノ ヲ 隻、 又 ハ 更 二 神 佛 地 問 分 界 シ ヲ ク カ ノ 両 義 ト 存 候 事 ヲ ニ カ ノ 又 ノ 義 申 セ バ、 高 野 大 明 神 ハ 地 主 タ ル ヘ キ 故 旧 復 義 ハ、 ヨ リ ト ヒ メ 即 チ 先 年 堺 縣 御 示 シ モ 有 之 蔓 故、 自 今 大 日 堂 相 改、 宝 珠

(20)

ノ モ 形 堂 立 チ ニ 輪 シ、 猶 尊 敬 セ シ ム ヘ キ カ ノ 事 ハ エ ル 又 椹 現 旦 御 遷 幸 ノ 義 ハ、 随 分 宜 敷 様 被 存 ソ ラ へ 圧、 余 リ ニ シ テ ハ 私 不 好 義 ト 存 ソ ロ 事 (中 暑 ) 辛 未 十 一 月 補 陀 落 院 (オ) 無 記 名 の 意 見 書 一 山 永 久 見 込 ( 中 暑 ) ハ 一、 高 野 明 神 地 主 タ ル ニ 依 テ 奉 議 答 ハ、 弘 仁 九 年 五 月 三 日、 僧 徒 ニ テ 天 野 社 ヨ リ 明 治 二 巳 十 一 月 迄 勧 請 シ、 社 ヲ 立 テ ニ ニ 置 曰 く 奉 尊 敬 候 処、 神 仏 不 致 混 清 御 趣 意 被 仰 出、 依 テ 旧 ニ シ ス 復 シ、 天 野 社 鎭 座、 以 後 明 神 ノ 本 地 大 日 尊 ヲ 安 置 ス、 屋 根 (明 治 十 四 年 ) 宮 作 リ ハ 来 辛 巳 年 普 請 ノ 節 堂 形 二 可 改 儀、 堺 縣 御 知 事 御 ニ ト 登 山 ノ 上 被 定 置 候 附 テ ハ、 大 日 堂 改 号 シ 奉 尊 敬、 天 野 社 ノ 高 野 明 神 ハ 地 主 ル ニ 依 テ、 山 内 住 居 寺 務 始 ト シ、 尊 敬 ス ベ キ ハ 顕 然 隻 二 候 間、 右 ノ 旨 六 月 小 参 様 奉 言 上 候 ( 後 暑 ) (解 説 ) 明 治 二 年 十 一 月、 天 野 社 へ 還 御 さ せ ら れ た 壇 上 の 丹 生、 高 野 両 明 神 の 中、 高 野 明 神 は、 元 来 高 野 の 地 主 神 で あ っ た と い う 理 由 か ら、 高 野 山 が 四 年 十 一 月、 五 条 県 が 廃 さ れ て 和 歌 山 県 に 組 入 れ ら れ た 時、 再 度 問 題 に な っ た。 こ の 時、 高 野 山 の 根 本 方 針 に つ い て 八 力 条 の 議 案 が 申 込 ま れ た が、 こ の 問 題 も そ の 中 の 一 で あ っ た。 中 蕩 衆 中 か ら 先 づ 各 寺 院 に 意 見 書 を 提 出 さ せ た が 三 十 通 が 残 っ て い る。 そ の 中 の 五 力 院 の 高 野 明 神 社 に 対 す る 項 を 紹 介 し て お い た。 こ の 項 に つ い て は、 折 角 小 河 境 県 知 事 の 勧 告 に 従 っ て、 大 日 堂 と し て い る 現 在、 再 び 高 野 明 神 を 還 御 さ せ て 祀 る こ と に は 反 対 す る 意 見 が 多 い。 高 野 山 神 仏 分 離 史 料 と そ の 解 説 (一)

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