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金型鋳造鋳鉄の組織に及ぼす早期離型、接種、溶解温度の影響: University of the Ryukyus Repository

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(1)

Title

金型鋳造鋳鉄の組織に及ぼす早期離型、接種、溶解温度の

影響

Author(s)

糸村, 昌祐

Citation

琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &

Engineering Division, University of the Ryukyus.

Engineering(4): 1-16

Issue Date

1971-04

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/24007

(2)

金型鋳造鋳鉄 の組織 に及ぼす早期離型、接種、 溶解温度の影響

祐 *

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keiTOMURA

Synopsis:

Toinvestigatetheeffectsofstrippingtime,inoculationandmeltingtemperature onthestructureofmetalmoldcastiron,castironsofSc 0.98,0.95,0.91 and 0.87weremeltedat 1500,1420乱nd 1350oC in ahih fg requency induction furn的eandpouredatabout 1350●Cintoacylindrical metal mold madeof cast iron. The mold wascoatedwiths00tof0.lm thicknessand waspreheated &t

150.C.Theresultsobtainedwereasfollows:

(1)IncaseofhighSccastir

o

n

,strippingattheearlyperiodofcastinghad afavourableeffectonreducingthechitlingtendencyof castin

g

s, whilein case of lowerSctheeffectwasinsufficient.

(2)Microstructureofcastingschngedwithvaryingstrippingtime.Thechange

oEmicrostructurewasCausedduetovariationofsolidifyingprocess;fromledeburite eutectictransformationtoaustenite-graphiteone,ratherthan selfannea1ing ofcast -ings.

(3)Inoculationhadmorefavourrablceffectonreducing the chitling tendency thanstrippi

n

g

,especillyin caseoflow Sccastingsit wasremarhb】e. By proper controlingofbothinocuhtion81d strippi

n

g

,bettereffecton the microstructureof metalmoldcastironwasobtairLed.

(4)Thehidlerthemeltingtemperature,themore the chitlingtendency.Too b-tainasound structurewithmetalmoldcast

i

ng

, lowmelting temperature isreco m-mended.

受付 昭和45年12月15日 + 理工学部 機械工学科

(3)

糸村 :金型鋳造鋳鉄の組織 に及ぼす早期離型、接種、溶解温度の影響

1

、 緒 言 金型鋳造鋳鉄 に関す る研究 が、最近我が国 において盛 ん になっていることは周知の通 りであ る。鋳鉄の金型鋳 造 における問題 点は、 その冷却 が非常 に速 いため、表面に機械 加工上好 ま し か らぬチル層 が現 われやすいことと、金型の寿命 が制限 され るためにコス ト高 となることであ る。 この問題の対策 として次の

3

つ が考 えられる。 (1) 塗型材および塗型厚 さ、鋳型比、金型予熱温度等の冷 却 に直接影響 を及ぼす要因の適正 な選択 、管理。 (2)化学成分 (材質)、接種 、溶解の管理。 (3)早期雛型 による自己焼鈍の利用。 (1)につ いてはす でに報告 した。 1)2)3)

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は、鋳鉄中の黒鉛発生機構 につ いての 研究 の中で、金型 を用いて30mm4'鋳鉄丸棒 を鋳込 み、 雛型時 間が組織 に及ぼす効果を調べ、 注湯後

5-1

5

秒 とい う短時 間で雛型す ることによ り、急冷 によって生 じた表面のチル層 が、鋳 物内部の熟 によって再カロ熟 され黒鉛化す ると述べてい る4)。この鋳物 内部の熟 による表面チ ル 層の黒鉛化 がいわゆる自己焼鈍で ある。 自己焼鈍 を利用 して表面のチル層 を除去す るためには、 高温時 に鋳物 を型 か ら取 りはずす必要 があ り、鋳物 を型 か ら取 りはずす ときの鋳物の温度、す なわち離型温度 が問題 となる。実際作業 においては雛型温度 は鋳型内保持時 間で管理 されるこ ととなる。 この早期 (高温時 )雛型は熟間亀裂の防止 、および金型寿命の点か らも意義 が大 き い と考 えられ、 さ らに生産量 を上 げることにも役立っ 、本報告は炭素飽和度 (Sc)の異 なる4 種の金型鋳造鋳鉄 につ いて、離型 および接種のテル減少効 果 を検討 し,同時 に溶解温度 を

3

段 拝 に変 え、その影響 につ いて も検討 したO

2

実験方法 表 1に示 す化学組 成 をもつ炭素飽和度 (Sc)1.10の鋳鉄 を基 材 とし、30KVA高周波溶解炉 を

TableICompositionsof Basic CastIron

(4)

琉球 大学押 工学部紀 要 (工学宵 )

用 い、 アル ミナ質 るつ ぼで約 1.5kg溶 解 した。 その際 鋼材 を添 加 してScを調整 し、黄 2に示 す

ScO

.

9

8

-0.

8

7

の 供試 材 を得 た。

Ta

bl

e 2 Compos

i

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Sc

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6

1.

6

7

実験 条件 を表

3

の ごと く選定 し、金 型予熱温 度

1

50℃ 、 塗型 厚 さ

0

.

1

m

m

(アセ チ レン不完 全

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Temperat

ure

1

50

0℃

1

42

0

1

35

0℃

(5)

糸村 :金型鋳造鋳鉄 の組織 に別 どす早期雛型 、接種 ∴ 繋解iJF.iJ空の影甘

燃焼 によるスス単味 塗布)の鋳鉄製金型 に1350℃で鋳込_み、35mmd'× 140mmh の丸棒試験片 を 得た。 その際鋳物 中心部 と表面部の温度 を

C・A

熱電対 によ り測定 し、 冷却曲線 を電子管式

巧言己記録計にて記録 させた。金型形状 は図 1に示す円筒形 両開 き型 とし、手によって離型 を行

Fig 1Cross sectionalview ofmetalmold.

なった。鋳型此 (断 面積比 )は

5

.

9

で ある。実験条件中、雛型 につ いては予備実験 にて離型時 期 を検討す るため に、試料中心部の冷却曲線 か ら判定 した共 晶変態 開始 点、共 晶変態終 了点、 共 晶変態終 了点 と共析変態 開始 点の中間点 (記録計 グラフ目盛 を温度換算す ると約

9

6

5

℃)

、 および雛型せずの

4

点について実験 し、 その結果か ら、離 型 な し、および中心部共 晶変腰 開始 時雛型 (離型 あ り)の 2つ を採 用 した。接種 はカル シウム シ リコン(50%Si)を溶解重量の 0.3 'yo、各溶解温LH空に

2

分保持後 るつぼ中に投入 して行 なった。 浴場の温度測左 は二色式温度計 にて 自動計測 し、適宜 白金 、白金 ロ ジウム熱電対によ り確認 した。試料は下部で破断 して破 面写真 を撮影 し、熱電対測温部付近 を切断、研磨 してマ イクロ ビッカー ス硬度 計によ り硬度 を測還 し、顕微鏡組織写 真 を撮 影 した

3

実験結果 と考察

3 ・1

雛 型時期の検討お よび冷却曲線 4

(6)

琉球 大学理 T_学 部紀 要 (I_学欝 ) 離 型時期 を検討 す るために行 なった予備実験 にて得 られた

、4

つ の離 型時 期 につ いての冷 曲線 を図

2

に示 す。予備実験 に用 いた侠試 材は

3.

5

1%C、2.

2

9%Si

、0.

5

0%Mn、0.

1

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1 2 3 4 5 6 time min

Fig2Cool・ngcurve.vs・sLnpping time sc1.0,meltlngtemP. 1450℃ Inoculat10n0

(7)

糸村 :金型鋳造鋳鉄の組矧 こ及ぼす早期雛型、接種、溶解温度の影響 %SのSc1.0の もので、溶解温度1450℃、注湯温度1400℃ と し、接種 は行 なわなかった。 図 にみ られ るご と く、中心部冷 却曲線 の共 晶変態 開始時 に離 型す るときの表面温度は約 950 ℃で、離型す るこ とによ り内部 か ら熱 を受 け約80℃昇温 し、1030℃ほ どとなっている。 雛 型時期 が遅 くなるにつ れて雛型時の表面温 度 は低 くな り、中心 部温度 960℃前後の時の雛 型では、表 面温 度 は約 760℃ まで低下 してお り、早期離 型の場合 に比べて昇温 も15℃前後 と少 な くなってい るO 次 に図2の冷却曲線 に対応す る試 料 の断面硬 度 曲線 を図3に示 す。 スス塗 型 が0.1mmと薄 く、金型予熱温度 が 150℃ と低 いため、離型 な しでは表面か ら5mm付近 まで、 白 銑 か -し琳銑 とな って高い硬度値 を示 してい るが、中心部共 晶変態開始時 に雛型す ることに よ り、 衷軸部 にわず かチルが存 在す るのみ で硬 度 が低 下 し、離 型 を Lに比 べ著 しく組織 が軟化 して い ることが判 る。

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I

0 2 4 6 8 10 12 14 dほtarlCC from surface, mm Flg 3 Hardness chan即 、,ら.Var】at10r10f stl・】pPl11g t・me・

Sc 1.0.meltMLytemp. 1450℃, HoculatlOn U

共 晶変態終 了時雛 型の場 合 も表面部硬 度 は低 下 して い るが、共 晶変態 開始時離型の場 合 ほ ど では な く、 表面か ら3mm付近 まで かな り高い硬度 を示 してい る。 さらに離型時期 が遅 くなり、 共 晶変態終 了 と共析変態 開始 との中 間.r.7.で雛型 した もので は、硬 度 は離 型 な しの場合 と大差 が か 、。得 られ た試 料の断 面硬度 の測定結 果か ら、以後 の実験 におけ る雛型時 期 につ いては、中 心 部冷却曲線 におけ る共 晶変態 開始時 のみ を採 用 し、 これ と雛型 を しの もの との比較検討 を行 なった。各Sc、 各 実験 条件毎 に冷却曲線 を自動 記録 させ柏討 した。

溶解温 度1500℃ 、接種 あ りの場 合のScO.98およびScO.91の冷却曲線 を図4に示すO図2お よび図

4

を比 較 して判 る通 り'親 英条件の相違 にかかわ らず 、離 型 を しなかった一連の実験 およ び 中心 uttLi共 晶変態 開始時 期 に離 型 した一 連の実験 の冷 却曲線 は、各 グルー プ内で それぞれ大 き な 差 は撫 かった。離 型時 の表面温度 は前述の ごと く950℃前後で 、離型す ることによって65℃ ∼ 85℃ 昇温 した。 表面部 が内部の熱 によ り昇温 した後 、 800℃ まで下 が る時 間は図2に示す冷 /I 0

(8)

琉球 大学珊 工学普蛸己要 (工学帯 ) 却 曲線では2分30秒 、図4に示 す冷却曲線では3分、全試 料 につ いて も2分30秒 か ら3分の 間 で、 自己焼鈍 による組織 軟 化 が起 こるとす れば この短時 間の うちに起 こることとなろ うが、果 た し て この よ うな短時 間内 に自己焼鈍 が完 了す るか ど うか疑 問で あ る。 これ につ いては後掲 の 雛型 の効 果の項で述 べ る。 次 に表面温度 につ いて、注湯 か ら共析変態 開始 までの時 間 を、各実 験 条 件毎 に図

5

に示 す。 いず れの条件 において も、離 型 な しが約 145秒、離型 あ りが約 300秒 となり、試料の冷却速 度 が、離型 だ けに大 きく影響 され るこ とを意味 してい る。 Ⅷ 伽 州 .州 . 抑 Ⅷ 印 弧 畑 a ? J q ■ J 呈 Ft r L St:0.% -I)n l tr lrP P d

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ScO.87 ScOー91 ScO.95 ScO.98

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1,500℃

1,420℃

1,350℃

Fig

5

TimeOftheeuteclのld transformat10n Start・ (Surface ofthe testpiece)

7

white :stripped brack :unstripped

(9)

糸村 ・'金型鋳造銀鉄の組鰍 こ及ぼす早期雛型、接種、溶解温度の影響

3・2

接 種の効果

接種 の効果 につ いては、効 果が確認 された とい う程度 に とどめ簡単 に述べ る。図

6

に溶解温 度

1

4

2

0

℃、離型 礼 の場合の接種 礼 、あ りの硬度 を示 す。図 にみ られ るごとく溶解温度

1

4

2

0

℃で

Sc

O・

9

1

、ScO・

9

5

の場合は、接種す ることによ り硬 度 が明 らかに低下 している

。ScO.

8

7の 場合 は接種 あ りの試料のみ を採取 したが、深 さ

1

2

m

m

付 近 まで

Hv3

0

0

以上の高い硬度 を示 し

Sc

がここまで低下す るとチル化傾向が強いため、接種 のみでチ ルを除去す ることは困難で あるこ とが判 るo溶解温 度

1

3

5

0

℃の場合 も上記 と同様の傾 向 を示 したが

、1

5

00℃溶解では

、S

。が

0.

9

8

と比較的高い炭素飽和度の材質 に接種 を して も、あま り硬 度の低下はみ られず、深 さ

1

0mm付近 まで

Hv3

5

0

以上の硬度 を示 したo この ことにつ いては溶解温度の影響の項で検討 を加 える. inocuhtion. Sc

-

.

-

0 0.91

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0.00.33 0.0.0.999155 こ=:::F

-ヽ

-㌔ _ 2 4 6 8 10 12 14 distance from surhce, mm Fig6 EffectofinoctJlation 8 (:neittir等,

:

e

d

mp・1420

℃I

(10)

琉球大学理工学部紀要 (工学肯 )

3・3

雛 型の効 果 図7に溶解温度1500℃、接種 を しの場 合の離型の効 果 を示 す.ScO.91で は離 型 による硬度低 下はそれほ ど顕著 では か 、が、ScO・95に在ると深 さ4mm付 近 か ら内部 はHv300以下 になって お り、 さらにScが高い0・98で は、離 型 によ り非常 に軟 か くをって い ることが判 るo図

8

にScO.98 の離型 による組織 変 化 を示 す。Scが高いため黒鉛 が晶出 しやす く、 組 織 は完 全に軟 化 しフェ ライ トおよびパ ー ライ ト地 に共 晶状 か 、し微細 片状黒鉛 が存 在す る組織 となってい る。溶解 温 度 が1420℃、1350℃ と低 くなると、ScO.95で も離型 の効 果 が大 きくあ らわれ、表面 か らフェ ラ イ トおよびパー ライ ト地 に黒鉛 の存 在す る組織 とな るが、ScO.91以下で はやは り雛型 による完 全 な硬度低下 は期待 で きか 、O しか し図9に示 す よ うに、接 種 、雛型 を併 用す れ ば、ScO.91の もので も組織 は完 全 に軟 化 し、表面部 か らパ ー ライ ト地 の組織 となってい る。 上 記の離 型 によ る組織 の軟 化は、従 来 自己焼鈍 によるもの と考 え られて きたが、冷却曲線 の 項で述 べた ごと く、離型 によ り昇温 して高温度 に保 たれ る時 間は非常 に短 か く、短時 間で 自己 焼鈍 され るか ど うか疑 問で ある。本実験 の場 合、離型 によ る試料裏面温度 の上昇 は約80℃で あ stripping Sc - unStripped 0.91 - ._ ...- 〃 0.95 _._ -..- striIppI,,〃ed 0.O.0.0,99991858

-ーヽヽ - - -- ヽヽヽ Iヽヽー '\

- ヽヽヽヽ

ヽヽ 、、一一_ 一 一 一 一一■ _ 一一一一 ヽ - - ----■ -2 4 6 8 10 12 14

distance 【ronlSurface, mm

Ftg7Er-eelofstr・ppmg f imne.IctLTagt-tenmpb1500℃

9

(11)

糸村 :金型鋳造鋳鉄 の組織 に及ぼす早期離型、接種、溶解温度 の影響

り、離型時 の表面温 度900-950℃以

に保 たれ る時 間は1分程度 、 800℃に降下す るまでの時

unstripped stripped

l

mm from surface

ScO.98melting temp. 1500℃ inoculation

0

.

Fig

8

Effectofstripping. ×400

unstripped inoculation

0

stripped inoculationO.3%

l

mm from surface

ScO.91 melting temp. 1420℃

Fig

9

Effectsofcontrolling ofboth stripping and inocl】lation.

間 をみて も3分程 度 で あ る。 実際、離 型 な しで はテ ル が存 在 し、離 型す るとパ ー ライ ト地 にな った試料の顕微鏡 組織 をみ ると、必ず しも焼鈍 された形状 の黒 鉛 ばか りが存 在 してい るとは限 らない。 この こ とを検討 す るため に、ScO.95、溶解温 度1500℃、接種 を し、離 型 を しの条件で 得 られた試 料 (図7に硬 度曲線 を示 す。 中心部 まで まだ ら銑 となって い る)を950℃で3分 、8 分、13分 と3種 類 の焼鈍 を行 か 、、焼鈍 によ る効 果 を検討 した。 この結果得 られた硬 度曲線 を 図10に、顕微鏡組織 を図11に示 す。

3

分 、

8

分 、13分 の順 で軟 化 して い るが、離 型 によ る硬 度低 下 とはかな りの差 があ り、表面+I か ら中心 にわた って全体 に硬 度 が低下 してい る。

3

分 間の焼 鈍で は、パ ー ライ ト地 が少 し多 く を り黒鉛 が わず か に成 長 した よ うにみ られ るが、硬 度 、組織 ともあま り大 きな変 化は ない。13 分焼鈍 を行 な うと硬 度 は全般 に軟 か くな り、表面部で もHv380、 中心部で はHv220前 後 とな り, 顕微鏡組織 において も焼鈍黒鉛 やパ ー ライ トの分 解 が認 め られ る。 これ らに対 して、離型 した 試料 につ いてみ る と、表面部で はテ ル層 の 間 に焼鈍黒鉛 ら しき形状 の黒鉛 がみ られ るが、約

4

mmよ り内部で は共 晶状 ない し片状 黒鉛組織 のパ ー ライ ト地 となって、テ ルはほ とん どみ られす 組織 は軟 化 して い る。 早期 に離 型 した試 料の組織 は、内部 の熟 によ り焼鈍 された と考 え られ る黒鉛 も一部み られ る 10

(12)

琉 球 大学 珊 工学 部 紀 要 (工学 欝 ) L八 V ハ 8 7 _山 仰 rC 5

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4 ・W -S S a u P ・Z q

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dlSIanCe from surface

FlglO Hardnesscllange by shorttlme anneal-ng・

Sc 0.95, meltLng lempCralure 15

0

0

℃.

LnOCulatlort 0

が、大部分は凝固時 にすでに片状 か ゝし共晶状 に析出 し、その後徐冷 されたためにやや成長 し たと思われる黒鉛 を含んだ組織であった。鋳造のままでチ)i,層 を持たか )ものは、全実験 を通 じてどの場合で も、その組織 はフェライ トか 、しパー ライ トの素地中に共晶状 あるいは片状の 黒鉛 を持ってお り、焼鈍黒鉛 を含みかつ完全にチル層のか ゝ試料は皆無 といってよいO これ ら のことより離型 によ り軟化 した試料 と、短時 間焼鈍 を行 なって軟化 した試料 とでは断面硬度、 すをわち組織 が異 なった様相 を示 していることとを り、高温 か ら冷却中の焼鈍 と、常温 から加 熱 しての焼鈍では多少焼鈍効果が異 をるとしても、本実験の試料のようを小物 が、離型 による

3

分間程度の短時 間の高温域 において、 自己焼鈍のみで組織 が完全に軟化す るとは考 えられな い 。 この点か ら考 えると、早期離型 によって組織 が軟化 した原因 としては、表面部 においてすで にチ ルの生成 している部分 においては、わず かに焼鈍 されて軟化 し、内部 においては、共晶凝 固開始直後 に徐冷 されるために、 レデブライ ト共晶変態 か ら黒鉛+オーステナイ ト変態 に変 り、 表面から内部に向ってのセメ ンタイ ト樹状 晶の成長が阻止 され、チルの無い組織 となるものと 考えるのが妥 当で あろう。 このよ うに考えると先に離型時期の換言寸をしたときに、中心部共晶 凝固終 了時、あるいは共晶凝固終 了と共析変態 開始 との中間にて離型 して も、組織軟化に及ぼ 11

(13)

糸村 :金型鋳造鋳鉄 の組織 に及 ぼす早期離型、接種、溶解温度 の影響

depth from surface,mm

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(14)

琉球大学棟 工学部紀要 (工学篇 ) す離型の効 果が小 さかったことも うなず ける。 したがって離 型 によって凝固過程 を変 えるため には、離型時期 が きわめて早 くなければならか 、こととなるが、 この現象の確認 にはなお一層 精密 な実験 をす る必要がある。早期離型は、チル化防止 とい う面で かな り有効で あるが、 この 実験の よ うに、中心部 が共晶変態 を開始す る時期 に、す なわちかな り早期 に雛型 しか 、と、効 果が少 か 、と考 えられ る。 したがってチル化防止効 果 をね らっての早期離型は、実際の操業で は きわめて困難で あろ う。 しか し早期離型 が、操業上のサ イ クルを円滑 に し、金型寿命 を延 ば し、鋳造応 力を減 少す ることは確 かである。

3・4

滴解温度の影響 図12に溶解温度の影響 につ いて検討 した グラフの l例 を示 す。ScO・91、捗種 な しの試料 につ いての硬度曲線で あるが、離型 な し、あ りともに1500℃溶解の場合の硬度 が最 も高 く、溶解温 度 が低 くなるにつ れて硬度 が低下 している。 この傾 向は各Scの試料 につ いてみ られるが、1420 ℃、1350℃溶解の場合、Scが高 くなるにつ れて、図12にみ られ るほ ど明確 な差 は示 さなくな り、 共 に表面部 か らフェ ライ トか 、しパ ー ライ ト地 に共 晶状 ない し片状黒鉛の存在す る組織 となっ

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1

31)℃

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b

l

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2

4 6 8 10 12 14

dist&nce from surface. mm

Fig12EtEectofmeltlng temper8ttJre Sく:0.91 inocul&tion てい る。 しか し1500℃溶解の場合 は、接種 あ るいは離型 を単独で行 なったもので はあま り硬度 の低下 を示 さず 、高温溶解のため に接種 の効 果、あるいは離 型の効果が減殺 されてい ることが うかがわれ る。従 来、砂 型鋳造で強靭鋳鉄 を得 るための一方法 として高温溶解 が提唱 され一般 に認 め られてい るが、 高温溶解 によるSi02の還元反応等の原因 による黒鉛核 の減 少、 組 織の 微細 化が、金型鋳 造では、冷却速度 が大 きいためにかえってチル化 (過冷現象 ) を促進す るこ ととな り、好 ま しくか ゝ結果 を生 じた もの と考 えられ る。 これ らの ことよ り、金型鋳造鋳鉄 に 13

(15)

糸村 :金型鋳造鋳鉄 の組織 に及ぼす早期離型、接種、溶解温度 の影響 おいては、1400℃前後以下の比較 的低温 の溶解 が好 ま しい と言 えよ う。 図13に溶解温度の違 い による顕微鏡組織 変 化の

1

例 を示 す。ScO.91、接種 あ り、離 型 な しの試料の表面部 と内部の組 織 で あるが、溶解温度 の低下 に伴 い、組織 が軟 化 して い るこ とが判 る0 melting temp. 1500℃ melting temp. 1500℃ 1420℃ 2mm from surface 1420℃ 8mm from surface 1350℃ 1350℃

Fig13Effectofmelting temperatureX400×与

ScO.91,inoculation 0.3%,unstripped.

3

5

チル深 さからみた諸要因の影響 離 型、接 種 、溶解温 度 とテ ル深 さとの関係 を図14に示 す。 チ ルの深 さは、表面 か らHv-350 の深 さまで を とった。図14の各値 は、 それぞれの条件 にお け る平均値 で あ る。離 型 が接種 と同 様 にチ ル化防止 に非常 に効 果的で あ ることがわか る。 溶解温 度 につ いて は、1500℃溶解の場合 E u l 盲 d a p 〓 !q u 0.95 S c 一 一 一 0.91 q ヽ 丸 t `ZI ヽ \ヽ I∼∼ Ⅴ \ \ 、 N 臥 \ I \ J

unstripped stripped O% 0.3% 1500 1420 1350 stripping inoculation temM,eelrtTtgure℃ Fig14・ Meanvalueofchilldepth (ScO.95

,

ScO.91)

(16)

琉球大学押工学部紀要 (工学篇) が、1420℃お よび1350℃の場 合 に くらべ てテ ルが深 い。試 料破 面写 真 の例 を図15-図17に示 す。 図15はScの 相 違 と離 型 の効 果 を示 し、上段 が離 型 を し、下段 が離 型 あ りの場 合 で あ る。 図16 は接種 の効 果、図17は溶 解温 度 の影響 を示 す。 これ らの破 面写 真 か らも各要 因 の効 果 、影 響 は 一 目瞭 然で あ る。 -. -√-u nstripped stripped ScO.87 ScO

.

9

1

ScO.95 ヽJ や れ ・中 ・/t、 ScO.95 ScO.98 ScO.98 melting temperature 1500℃ inoculation 0

Fig15Fracture showingeffectsofstripping and Sc x lX与

inoculation0 0.3% ScO.91 melting temp. 15

0

0

stri stripped Fig16 Fracture showing effectofinoculationx

I

melting temp. 1500℃ 1420℃ 1350℃ ScO・9l stripped inoculation

0

Fig17 Fracture showing effectofmeltinetemperature x

1

1

5

(17)

糸村 .'金型鋳造鋳鉄の組織に及ぼす早期#型、接種、溶解温度の影響

4

結 言 sco.98、0.95、0.91、0.87の35mmbの鋳 鉄丸棒 を.円筒 型鋳鉄製金型 (鋳型比5・9、型予熱温度 150℃、スス塗型0.1mm)で鋳造 し、離型、接種 のチ ル化防止効 果 および、溶 解温度の組織 に及ぼ す影響 を検討 した結 果、次の結論 を得 た。 (1) Scの高い場 合 、早期 に雛型す れば、表面郡か らチ ル層の か 、組織 を得 ることが 可能で あ るが、Scの低 い材質で は、雛型の効果 は少か 、o早期雛 型 による組織 の軟 化は、自己焼鈍 に よ る効 果 も多少 あ るが、 それ よ りも組織 が完 全 に決定 されて い ない高温時期 に離型 したため、冷 却速 度の減 少 によ る凝 固過程変動の効果のほ うが大 きい と考 え られ る。 (2)接種 はチ ル化防止 にかな り有効 に働 き離 型 よ りも効 果 が大 きい。Scの低 い材質 に対 して 接種 の効果 が明瞭 で あ るが、接種 のみ にてチ ル化 を防止 す るの は困牡で ある。接種 と早期雛型 を併 用す れば、Scの低 い材質の場合で も組織 軟 化 に極 めて有効 で ある。 (3)溶解温度 が高いほ どチ ル化 しやす い。 と くに1500℃ 溶解でScの低 い材質で は、接種 、離 型 を行 なって もチ ル化 を完 全 に防止す ることはで きない。 この現象 は、溶湯過熱 による黒鉛析 出の減 少、 および微網 化 に原因 があると考 え られ る。 したが ってチ ル化 を防止 、 あ るいは軽減 す るため には、低 温 溶解 が好 ま しい。 最後 に本研究 を行 なうにあた り、御指導御助言下 さった元 名古屋 工業大学教授 石川潔博士 (現 中部 工業大学教授 ) に深 く謝 意 を表 します。

1)角 田、鈴木 、糸村 :38.(1966)、9pp110-111

2

)糸村 :技術 (琉球技術協会誌 )4pp23-31 3)糸村 :技術4、pp32-37

4)

G.

∫.Shaw

,V.

Kondie:FoundryTradeJournal195(1953)、10,15,pp 473-478

Tabl e IComposi t i onsof Basi c CastI r on

参照

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