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第二東名長大切土のり面の泥岩破砕地山における地すべり対策

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Academic year: 2022

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(1)

粘土化破砕泥岩

砂岩塊 砂岩塊

写真-1 破砕泥岩の粘土化状況

30000

STA.578+60 STA.578+40 STA.578+20 STA.578+00 STA.577+80 STA.577+60 STA.577+40 STA.577+20

図-1 試験切土範囲と傾斜計地表面変位挙動

キーワード:流れ盤,地すべり,場所打ちコンクリート杭,長大切土のり面,高速道路,動態観測 連絡先:105-8007 東京都港区芝浦1-2-3シーバンスS館 Tel.03-5441-0554 Fax.03-5441-0512

第二東名長大切土のり面の泥岩破砕地山における地すべり対策

清水建設㈱ 名古屋支店 正会員 ○岡本茂

中日本高速道路㈱ 静岡工事事務所 大川了 秋山大輔 清水建設㈱ 土木技術本部 正会員 川崎廣貴 近江健吾 清水建設㈱ 名古屋支店 正会員 藤田宗寛

1. はじめに

第二東名高速道路・藤枝工事花倉地区の下り線切土 のり面は,延長370m,切土高50m,切土段数7段であ り,こののり面上部 3 段を 1:1.8 勾配,のり面下部 4

段を勾配1:2.8で施工する計画であった.上部3段にグ

ラウンドアンカー対策を施工しながら切土掘削を継続 したところ,動態観測による変位が収束しない傾向が 見られたため,下段切土部で試験切土を行って地山挙 動を観測した.その結果,切土のり面が安定しないこ とが明らかとなったため,大口径高耐力場所打ちコン クリート杭による地すべり抑止杭対策を実施した.

ここでは,この切土のり面挙動と抑止杭による地す べり対策工の概要について報告する.

2. 切土のり面の地質と施工初期の変位挙動

当該切土のり面の地質は,幾層もの泥岩破砕面が流 れ盤となった軟岩地山で構成され,写真-1に示すよう に部分的に砂岩塊が混入しており,泥岩破砕部は指圧 跡が容易に付く程度の軟質度で粘土化していた.

切土のり面は,用地制約上から当該流れ盤地山の安

定勾配1:3.0よりも急勾配化する必要があったため,集

水井と水抜きボーリングによる抑制工と,締付け効果 に期待したグラウンドアンカーの抑止工を採用した.

図-1に示すように,切土のり面上部の6段目のり面 掘削完了時に局所的にアンカー荷重増加が確認された ため,増打ちアンカーを実施したが,下段のり面掘削 時には,安定勾配と想定した深度よりもさらに深い位 置での傾斜計の変位増加が確認され,潜在的弱面が顕 在化してきた.下部のり面部の切土掘削により大規模 地すべりに進展することが懸念されたため,傾斜計を 追加し,試験切土を実施することとした.

3. 試験切土概要と変位挙動

試験切土範囲と傾斜計地表面変位挙動を図-1に示す.

試験切土範囲は,STA.577+80を中心として,本線側を

幅 30m にわたって切土した.同図の地表面変位は,

切土下部にほぼ垂直に向かっていることが分かる.

図-2には,代表断面 STA.577+80の試験切土形状と その施工段階,および試験切土の変位傾向から想定し たすべり線位置を示す.試験切土は3段階で実施し,2 段階目以降で傾斜計の継続的な変形が確認されたため,

埋戻しを行い,変位収束を確認した.これらの結果か ら,もっとも変位が大きく,敏感にかつ顕著に変位が 発生した想定すべり線①を主なすべり活動線,②を緩 み域線として設定した.

傾斜計 No.2

傾斜計 No.9 傾斜計 No.5

傾斜計 No.7

アンカー荷重値増加範囲

試験切土 変位凡例

20mm

6 段目のり面

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑663‑

Ⅲ‑332

(2)

1 2

3 4

5 6

7 8

9 10

11 12

13 14

15 16

17 18

578+40 578+20 578+00 577+80 577+60 577+40 577+20 576+00

抑止杭φ2.5m [email protected]=42.5m

図-3 地すべり抑止杭の配置平面

31500

すべり線

φ2500 φ2500

頭部連結

中継井

場所打ちコンクリート杭 Φ2.5m

@2.5m千鳥配置

水抜きボーリング

図-4 地すべり抑止杭の標準断面

φ2500

200200 1700 200200

850 850

SD345-D29@300 (1段目帯鉄筋) SD345-D29@300

(2段目帯鉄筋) SD490-D51,32本 SD490-D51,32本

(1段目主鉄筋) (2段目主鉄筋)

R850 R1050

図-5 抑止杭配筋図 4. 対策工検討

当該切土のり面の流れ盤となる泥岩地山には,試験 切土により安定対策工を実施することとして,想定す べり線は,想定すべり線①を対象に必要抑止力を求め ることとした.試験切土時に継続すべり変位が確認さ れたため,その最終切土形状で滑動中と判断し,現況 安全率をFs0=0.97と設定した.計画安全率Fs=1.20とし た時の必要抑止力Prは,Pr=1,583.4kN/mとなった.

対策工比較は,場所打ちコンクリート杭工,深礎杭 工,頭部アンカー鋼管杭工,グラウンドアンカー工の 4 案で検討し,下部掘削の応力解放による深度方向の すべり面拡大に抑止効果が考えられる,場所打ちコン クリート杭による対策工を採用した.

図-3~図-5 に採用した地すべり抑止杭の配置平面,

標準断面,配筋図を示す.抑止杭の仕様は,高耐力場 所打ちコンクリート杭で杭径φ2.5m,杭長 L=31.5m, コンクリート設計基準強度σck=40N/mm2,D51-32本×

2段配筋(SD490)である.

5. おわりに

当該切土のり面は,応力解放で流れ盤の潜在弱面が 顕在化し,極めて緩い切土のり面勾配でも変位挙動が 発生する特殊な地山であった.そのため,応力解放の 影響を受けにくい高耐力場所打ちコンクリート杭によ る対策工を施工した.本抑止杭の施工方法については,

別報 1), 2)を参照されたい.なお,本工事上り線のり面

でも地すべり対策工を行っている3)

現在,対策工の施工が終了し,本線部切土で盤下げ を施工中である.杭頭変位は設計時の変位とほぼ同程 度の値を示しており,今後も動態観測を行いながら注 意深く切土掘削を行っていく考えである.

【参考文献】

1)近江・根本・大川・岡本・吉田・藤田:大口径高耐力場所打ちコ ンクリート杭による地すべり抑止杭の施工,土木学会第66回年次 学術講演会(投稿中),2011.

2)根本・近江・大川・岡本・吉田・野村:高耐力場所打ち杭コンク リートの施工性能評価に関する実験的検討,土木学会第66回年次 学術講演会(投稿中),2011.

3)吉田・岡本・大川・秋山・川崎:第二東名長大切土のり面のグラ ウンドアンカーによるトップリング対策,土木学会第66回年次学 術講演会(投稿中),2011.

1:2.861

1:1.8 1:1.8

1:1.8

1:2.8

1:2.8

傾斜計No.5

DL= 60.00 DL= 100.00 集水ボーリング 5-1

6-2 6-1

6-3

道路計画高

水抜きボーリング 傾斜計No.2(投影)

現況水位(09/08/18)

亜炭層

DL= 90.00

DL= 80.00 DL= 110.00 DL= 120.00

傾斜計No.9

傾斜計No.7 水位計No.8

09-6-25 09-7-13 09-6-29

09-07-18

試験切土(第1段階) 試験切土(第2段階)

試験切土(第3段階)

DL= 70.00

09-08-05 09-8-01

埋戻し形状

埋戻し

粘土(厚さ10cm以下) 粘土化層(厚さ10cm以上) 亜炭層

2009/6/23 2009/7/13 2009/7/18 2009/7/29 2009/8/3 2009/8/5 2009/8/17 2009/8/19 2009/6/16

2009/6/25 2009/7/1 2009/7/10 2009/7/14 2009/8/18

2009/6/23 2009/7/13 2009/7/18 2009/7/29 2009/8/3 2009/8/5 2009/8/17 2009/8/19 0.0

5.0

10.0

15.0 17.0 0 20 40 No.2 傾斜計 A軸累積変位(mm)

0.0

5.0

10.0

15.0

21.0 0 60 80 4020 No.5 傾斜計 A軸累積変位(mm)

0 2.0 0.0 4.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0 No.7 傾斜計 A軸累積変位(mm)

5 10

15 0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0 No.9 傾斜計 A軸累積変位(mm)

応力解放影 想定すべり線② 想定すべり線①

1段階試験切土 2段階試験切土

3段階試験切土 埋戻し 1段階試験切土

2段階試験切土 3段階試験切土

埋戻し

1段階試験切土 2段階試験切土

3段階試験切土 埋戻し

2009/6/23 2009/7/13 2009/7/18 2009/7/29 2009/8/3 2009/8/5 2009/8/17 2009/8/19

図-2 試験切土形状と傾斜計変位挙動 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑664‑

Ⅲ‑332

参照

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