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03/ŁŠfiy‰L/2010.9

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(1)

あえて遠距離通学してまで他学区の 高校を目指す生徒は多くはない。各 学区内に進学実績の高い高校があり、 その必要性があまり感じられないと いうことでもあるだろう。 そのような状況の中、近年、県教 育委員会では、さまざまな支援事業 を推進している<図表1>。 まず、2004年度にスタートしたの が「高校生進学チャレンジ拠点校支 援」だ。当初12校、後に15校(岩国、

一人ひとりの夢を実現する

県立高校進学支援推進事業

下関西 下関南 慶進 宇部 山口 徳山 岩国 下関市 山口市 岩国市 宇部市 周南市

受験風土記 

19

回 

山口県

●山口県の人口:1,450,963人(2010年6月1日現在) ●大学数(短大除く):国立1、公立2、私立7 ●高校数:公立64校(分校5校、中等教育学校1校含む)、私立21校 吉田松陰の門下から、幾多の人材が 輩出され、明治維新の原動力となった 山口県。東西に長く、三方が海に面し、 中央が山間部となっている。中小の都 市が分散し、地域ごとに独自の文化を 育み、各地域がそれぞれの分野で県の 中心的な役割を果たしてきた。例えば、 県庁所在地の山口市は行政の中心であ り、下関市は商業の中心、宇部市・岩 国市は工業、萩市は観光といったよう に都市の機能が分散。それぞれで経済 圏、生活圏が完結している。 加えて、山口県では、2001年度ま で普通科の通学区が26学区に細かく 分かれていた。そのため、進学実績 も分散しており、各地に国公立大合 格者が100名を超える拠点校が存在し ている。 2002年度からは、岩国、柳井や な い、周 南、防府 ほ う ふ 、厚狭 あ さ 、下関、萩の7学区 に統合されており、普通科の学区外 からの入学者は、入学定員の10%以 内(普通科コースは30%以内、体育 コースを置く学校の普通科は20%以 内)で認められているが、現実には、

地域ごとに独自の文化を形成

地域のニーズに応える拠点校が林立

一極集中しない特性が

受験風土にも影響

関門海峡(下関市) このコーナーでは、各都道府県の 大学進学に対する取り組みを紹介 する。今回は山口県を取り上げる。 秋吉台(美祢市) 錦帯橋(岩国市)

(2)

受験風土記

19

回 山口県

「大学受験準備セミナー」は、普通科 高校の2年次が対象。センター試験対 策講座、大学入試に関する講演などが 実施される。一方で、難関大志望者を 対象とするのが「進学パワーアップセ ミナー」だ。8月の夏季セミナーは2 年次、3月の春季セミナーは1年次対 象で、各50名が参加する。個別学力検 査対策講座(英語・数学・国語の発展 的な内容の授業が中心)、研究者や社 会人による講演などが行われる。 この「ステップアップサポート」で、 同じ目標をもつ他校の生徒と交流する ことで、刺激を与え合う効果は大きい はずだ。 だが、山口県の場合、高校間連携を 推進するには難しい事情も存在する。 先述したように、都市が分散している。 地域や学校によって、生徒の志向が異 なり、特に進学を希望する地域が大き く異なっているのだ。山口県全体の高 校出身者の都道府県別進学先を見る と、10年前の1999年度は、地元・山口 になった。これにより、現在は「学校 プランサポート」と「ステップアップ サポート」の2つのプロジェクトで多 彩な取り組みが展開されている。 「山口県が教育目標として掲げてい るのは『一人ひとりの夢の実現』です。 そのため、県立高校進学支援推進事業 においても、一部の学校だけに特化し た支援を行うのではなく、幅広い層の 進路実現を図るように配慮していま す」(山口県教育庁高校教育課・宮地 政利教育調整監) 実際、今年度の「ステップアップサ ポート」で実施される内容も、さまざ まな高校の生徒が対象になっている。 例えば、「進学サポートセミナー」は、 近年、大学進学者が増加している専門 高校、総合学科等の2年次を対象にし ている。8月に夏季セミナー、3月に 春季セミナーが行われ、各50名を募集 する。夏季は小論文講座(基礎編)、 大学・学部に関する講演、大学生との 意見交換、春季は進路別小論文講座、 推薦入試に向けた学習指導、大学入試 に関する講演などが主な内容だ。 12月に2日間、約50名で行われる 高森、柳井、光、下松 くだまつ 、徳山、新南陽、 防府、山口、宇部、小野田、豊浦 と よ ら 、下 関西、下関南、萩)を進学チャレンジ 拠点校に指定。各拠点校において、 「生徒の進路意識を高める」「生徒の学 習を支援する」「教員の進路指導力を 高める」取り組みが積極的に行われた。 「2007年度の進学サポートプロジェ クト推進事業では、これらの拠点校の 3 年間の取り組みの成果をまとめた 『進学指導実践ガイドブック』を作 成<図表2>。拠点校の取り組みを他 の学校へも普及させることを目指しま した」(山口県教育庁高校教育課・岩 崎和弘指導主事) 次いで、2008年度は、生徒の学習意 識調査を実施する「チャレンジサポー ト」、ガイドブックで紹介された事例 を参考に取り組む高校を支援する「学 校プランサポート」、同一目標を持つ 集団による進学指導を実施する「ステ ップアップサポート」の3つのプロジ ェクトが始動。2009年度からは、「チ ャレンジサポート」の調査の中で明ら かになった課題への取り組みも「学校 プランサポート」として支援すること <図表 1 > 県立高校進学支援推進事業の概要 <図表 2 >『進学指導実践ガイドブック』目次

高校によって生徒の志向が

異なり連携が難しい面も

進学サポートプロジェクト推進事業(2007) 県立高校進学支援推進事業(2008∼) ○進学チャレンジ拠点校支援の成果の検証・課題のまとめ ○進学指導実践ガイドブック作成 学習意識・学習行動と学力の関係を標本調査 することにより、一人ひとりの特性に応じた指導 の充実を図る。 進学チャレンジ拠点校支援(2004∼2006) ○生徒の進路意識を高める取り組み ○生徒の学習を支援する取り組み ○教員の進路指導力を高める取り組み チャレンジサポート(2008) 学校間の連携又は単独校による 「進学指導実践ガイドブック」に掲載された 取り組み等の実施を支援 学校プランサポート(2008) 学校単位では少人数のため効果の上がりに くい取組について、県内広域を対象に県教 委が実施する ステップアップサポート(2008) 学習習慣の確立や学習意欲の向上に資する 取り組み等の支援 【例】○合同学習合宿    ○大学教員による出張講義 など 学校プランサポート(2009∼) 同一目標を持つ集団による進学指導の実施 【例】○進学サポートセミナー    ○大学受験準備セミナー    ○進学パワーアップセミナー ステップアップサポート(2009∼) 1 個別添削指導への橋渡しとしての小論文指導(小論文対策講座) 2 学校行事から受験勉強への切替えを図る(センター試験対策講座) 3 土曜日等の有効活用を図る(チャレンジセミナー) 4 共に学び、受験生活のリズムを作る(学習合宿&3年夏季課外) 5 合同学習合宿で寝食を共にし、主体的に学ぶ姿勢を身に付ける (合同学習合宿) 1 納得のいく進路決定をするために(各種進路ガイダンスをとおして) 2 自分の進むべき道を考え、自己の目標を設定する (キャリアセミナー(職業研究)) 3 学部・学科について知り、進むべき道を考える(卒業生を囲む会) 4 学問観を育み、目的意識を明確にする(出前講座) 5 高大接続「英語ゼミナール」への参加(大学での集中講義受講) 1 カウンセリングの技術を向上させ、生徒の夢を実現する (キャリア・カウンセリング研修) 2 コーチングを進路指導に生かす(コーチング研修) 3 教員の小論文の指導力向上をめざして(小論文指導研修会) 4 大学入試問題を研究し、指導力の向上を図る(入試問題研究) 5 指導体制の見直しと教員の意識向上をめざして(先進校視察) 3章 教員の進路指導力を高める取り組み 2章 生徒の進路意識を高める取り組み 1章 生徒の学習を支援する取り組み

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旧制岩国中学、岩国高等女学校を前 身とする伝統校。2009年に創立130年 を迎えた。理数科1クラス、普通科は 1年次は7クラスだが、2年次の文理 分けの際に、より少人数編成の8クラ スになる。2学期制で、65分×5時限。 1999年から単位制を採用しているが、 生徒が自分の志望に応じてスムーズに 科目選択ができるように、履修モデル を提示している。例えば、普通科は、 文Ⅰ(国公立大志望者対象)、文Ⅱ (文Ⅰより数学・理科の比重を軽くし、 私立大にも対応)、文Ⅲ(私立大志望 者が主対象)、理Ⅰ(理系の国公立大、 私立大進学を目指す)、理Ⅱ(理Iより 国語・地歴公民の比重を軽くし、小論 文対策を重視)、理数科には理数Ⅰ (理系の国公立大、私立大進学を目指 す)、理数Ⅱ(国語・英語の比重を大 きくし、文系大学にも対応)といった 履修モデルがある。 同校では、3年前から、各学年の教 員の中に進路チーフ1名、教科チーフ 3名(英語・数学・国語各1名)を設 けている。「高校の進路指導は、学年 主導と、進路指導部主導の2つのパタ ーンに分かれるのが一般的です。それ に対して、本校では、全教員が一体と なって生徒を指導することが重要とい う考えのもとに、学年と進路指導部が 連携して、組織的な進路指導を心がけ ています。年3回(7月、12月、3月)、 関係教員による全体会議を開催し、各 学年でどのような取り組みを進めてい るか、情報を共有。各学年の学習指導 計画や進路行事についても、進路指導 もかなりいます。全体としては地元を 含む国公立大を目指す傾向は強いので すが、一方で大都市への進学を希望す る生徒も県内の高校の中では多い方で す」(山口県立徳山高校・高井俊宏先 生) 「数年前までは、現役志向が強く、 それほど無理をして難関大を目指すこ ともないと考える生徒が少なくなかっ たように感じます。ところが、景気が 低迷し、大学卒業者の就職難が明らか になってきたこともあって、その雰囲 気が多少変化し、就職に有利な難関大 にぜひ合格したいという機運が高まっ ています。そのため、今春は、合格し た大学があっても、再度、難関大を目 標に浪人する生徒が増加しています。 そうした意欲の高まりに対応して、難 関大を意識した指導を強化していま す」(山口県立山口高校・長谷部秀俊 先生) このように、各校で志向が異なる中 では、どの大学を目標として、高校間 連携を進めればよいのか、難しい面が ある。今後の課題といえるだろう。 以上見てきた受験風土を踏まえて、 山口県の高校ではどのような進路指導 が展開されているのか。各高校の状況 を、具体的に見ていこう。 よりも福岡への進学者の方が多かっ た。2009年度は県内進学者が上回って いるが、福岡との差は小さい。また、 私立大進学者では、福岡が減少し、広 島が増加している<図表3>。しかし、 地域ごとに見ると、広島寄りの東部と、 九州に近い西部では、生徒の意識が大 幅に違ってくるのだ。 「下関は、本州の最西端で、九州が 身近な存在です。1年次に志望調査を 行うと、3分の1以上の生徒が九州大 を第一志望と回答してくるほどです」 (山口県立下関西高校・大塚睦之先生) 「本校は女子の比率が高いため、自 宅から通学できる大学を選ぼうとする 傾向が見られます。下関市内から山口 市内の大学への通学は難しく、下関市 立大、北九州市立大への志望が多く見 られます。しかし、両大学は少数科目 型の入試を導入しているため、両大学 を念頭に科目を絞って勉強している と、志望変更に対応できません。でき るだけ最後まで5教科を粘り強く勉強 するように指導しています」(山口県 立下関南高校・松村成通先生) 「本校のある山口県東部は広島に近 く、人の往来もかなりあります。新幹 線の駅が近いことも影響してか、関 東・関西をはじめ県外への進学希望者 山口 福岡 広島 東京 京都 大阪 岡山 兵庫 神奈川 愛知 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 509 174 112 51 22 47 76 33 11 8 1,124 945 690 452 303 280 219 218 150 65 250 94 22 5 5 22 9 14 3 4 365 677 556 396 276 211 134 171 136 53 21.9% 18.4% 13.5% 8.8% 5.9% 5.5% 4.3% 4.3% 2.9% 1.3% 福岡 山口 広島 東京 大阪 岡山 京都 兵庫 神奈川 愛知 192 495 170 72 71 117 36 40 36 34 1,323 1,152 678 538 438 326 305 247 245 173 110 264 27 14 20 8 4 18 3 7 1,021 393 481 452 347 201 265 189 206 132 19.4% 16.9% 10.0% 7.9% 6.4% 4.8% 4.5% 3.6% 3.6% 2.5% (学校基本調査より)

●山口県立岩国高等学校

各学年に進路チーフと教科チーフ

組織的な進路指導を展開

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行的に英語と理科 の講座を開講した ところ好評だった ので、今年度は数 学も加えて、さら に充実させる予定 です。本校では、 夏休みに教員が分 担して、難関大の 入試問題を研究。 その成果を冊子に まとめて、各クラ スに配布していま す。この分析結果 をセンター試験後 の課外にも反映さ せて、出題傾向を 踏まえた実践的な 指導を進めたいと 考 え て い ま す 」 (兒玉先生) また、同校では、 年3回(5月、9月、1月)、「模試結 果検討会」も行われている。その学年 の生徒の傾向、特に弱点科目・分野に 関する情報を、全教員が共有すること が目的だ。「例えば、国語に課題があ ると判明した学年では、読書量を増や すために、各教科で分担して、毎日 『今日の読みもの』というプリントを 配布しました。B5版1枚に、理科で はタイムリーな科学のテーマ、地歴・ 公民では新聞の社説などを掲載してい ます。このプリントはファイルさせて おり、小論文を書く際などのヒントと しても役立ったようです」(兒玉先生) 旧制宇部中学を前身とする厚狭地 区の拠点校。理数科1クラス、普通

定期考査ごとに面談シートを記入

学習習慣と成績の相関関係を分析

●山口県立宇部高等学校

受験風土記

19

回 山口県

科6クラスで、文理分けは2年次か ら。2学期制で、45分×7時間授業 を編成している。 同校では、1年次4月の放課後、生 徒を教室に残して、5時まで自習を 義務づけている。入学後早い時期か ら学習習慣を定着させることが目的 だ。実際、同校の生徒は放課後に学 校で勉強する習慣が身についており、 3つの教室を自習用に開放(平日7 時まで、土日は5時まで)している。 放課後課外は、3年次の高校総体 以降にスタート。夏休み前は、週4 日、英語・数学・国語を中心に実施 される。「それほど多くの時間がとれ ないので、まとまった内容を集中し て教えることができるように、週2 回、同じ科目の講座を組んでいます」 (中川勝彦先生) 3年次の9月以降の放課後課外は 理科、地歴・公民を中心に展開。そ のほか、1・2年次は10月から土曜 日課外を実施。夏休みの課外は、前 期・後期各約10日間設けている。 また、3年次には、前期(10月か ら、推薦・AO入試志望者対象)、後 期(国公立大2次試験に対応)の2 回に分けて、小論文指導を実施。希 望者を募り、全教員に振り分けて個 別指導を行っている。 さらに、近年は難関大を目指す生 徒を対象とした指導も強化。各学年 で、「難関大志望者集会」を実施して いる。今春の卒業生は、1年次の夏 休み前から指導を開始した。定期考 査の成績上位者約40名を対象として、 難関大に合格するために必要な勉強 法などを指導。その後、教科によっ ては生徒の志望にあった課題などを 与えることもある。 また、定期考査が終わるごとに、 1日の平均学習時間、学習に関する 部と学年主任、進路チーフ、教科チー フが協力して立案・運営しています< 図表4>」(兒玉晃英先生) 2008年度に始まった火曜日6時限目 の「自主学習の時間」も、進路チーフ、 教科チーフが中心となって計画・運営 している。学習習慣を養うことを目的 としており、1・2年次は完全な自習 だが、3年次はこの時間に課外が実施 されることもある。 3年次は4月から早朝にも課外を実 施。7時40分から8時25分まで、理科、 地歴・公民を中心に開講している。夏 休みの課外は、前期・後期各8日間設 けている。 さらに、3年次のセンター試験後、 2次試験対策講座の開講も計画されて いる。「3学期は放課後・土日などに 一人で勉強していると、孤独感や不安 感が生じてしまいがちです。昨年、試 <図表4>岩国高校 進路チーフ・教科チーフ会議 レジュメ 第1回進路チーフ・教科チーフ会議 レジュメ          2010/7/20 1 各学年の取り組み状況(4月∼8月)について  1)1年次 ◎学習記録表の記入(家庭学習時間:目標3時間、起床・就寝時間の把握)       ○学習記録ファイルの作成(考査成績・学習記録表などの管理)       ○夏休み・・・前期に進学講座(英・数・国)の開設  2)2年次 ○1年次からの継続事項        国語・・・週末課題        数学・・・週末課題        英語・・・朝学(→提出について、かなり厳しい指導をしている。)        金曜小テスト(国・英)・・・不合格者の事後指導       ○火曜6限         1年次の中∼後半にかけて、全体的にやっと自習ができるようになってきた。       ○学習記録ファイルの作成  3)3年次 ○火曜日6限に国・数・英の課外実施(生徒のやる気の一助になった!)       ○早朝 理・地公課外の実施 2 各学年の課題  1)1年次 ・ 学習習慣の定着     2)2年次 ・ 上位と下位の差の解消      ・ 提出物の期限厳守        ・ 模試の結果の分析と対策          ・ 家庭学習時間の確保  3)3年次 ・ 学力格差の解消 3 これから(9月∼12月)の取組について  1)1年次 ・(早朝)課外検討中  2)2年次 ・ 1年次からの継続事項は継続 ・ 火曜6限に講座学習会を開く  3)3年次 ・ 理科、地歴公民の放課後課外 4 進路指導部への要望事項 5 進路指導部からのお願い  1)担任会や学年会における進路チーフ・教科チーフの連携強化   ①週末課題の量や教科間バランスの調整   ②模試結果の分析と対策  2)各教科における教材等の見直し(精選)  3)総合的な学習の時間の見直しについて  4)生徒への声かけについて

(5)

旧制市立下関中学を前身とする伝統 校。普通科5クラス、理数科1クラス。 普通科の文理分けは2年次からで、現 在、文系3クラス、理系2クラスの構 成だ。 「5年ほど前に、先進校視察で群馬 県の高崎高校、太田高校を訪問。本校 でも以前からキャリア教育に取り組ん でいたのですが、この両校が、総合的 な学習の時間を活用して、学年ごとに 目標を設定して、体系的なキャリア教 育を展開していることに大いに刺激を 受けました。それを参考にして導入し たのが、『NCA(西高キャリアアプロ ーチ)』です」(小田逸子先生) NCAの内容は、まず1年次は、総 合的な学習の時間の中で学部・学科研 究と職業研究を行う。10月には、社会 人10数名を招いて「キャリアセミナー」 を開催。同じ内容で2回、60分の講演 と10分の質疑応答を行うため、生徒は 主導で学習状況を振り返らせている。 この面談シートをもとに学習時間と 成績を比較し、相関関係を見る資料 にまとめ、一人ひとりの生徒の状況 に応じた面談指導に役立てている。 「例えば、学習時間が増えて成績も伸 びた生徒には、そのことをきちんと 評価して、さらにやる気を高めます。 逆に、学習時間が増えているのに、 成績が下がった生徒に対しては、学 習方法について何らかのフォローが 必要になります。この資料は、どの 生徒の面談に時間を掛ける必要があ るのか、どんなアドバイスをすべき なのかを見極めるために有効な資料 になるのです」(中川先生) 先輩から後輩へのアドバイスを活 用している点も特色だ。毎年、合格 が決まった3年生が書いた「在学生 に向けてのメッセージ」を進路指導 室の前にはり出す。より詳細な受験 体験記をまとめた冊子も作成してい る。また、3月には、難関大に進学 した卒業生を招いて、受験勉強の体 表)。夏休みには卒業生10数名を招き、 大学生活の雰囲気を聞く機会を設けて いる。オープンキャンパスへの参加も 推奨しており、志望者が多い九州大へ はバス4台を連ねて訪問している。10 月には、大学教員10数名による模擬授 業を実施しており、こちらも2講座の 受講が可能だ。3年次では、志望理由 書の作成を行う。この活動を通して、 現時点での志望大や志望学部・学科に 対する自分の意識を再確認する。 また、同校で力を入れているのが、 進路検討会と二者・三者面談だ。「全 学年とも、4月に生徒の進路希望調査 を行い、4∼5月の早朝、昼休み、放 課後を使って、じっくり二者面談を実 施します。その上で、学年ごとに担任、 進路指導主任、校長、教頭、授業担当 者が集まって、進路検討会を開催しま す。その際、生徒一人ずつ、志望校の 変化、模試や定期考査の成績推移、学 習時間などを一覧できる資料を作成< 図表6>。今後、どんな指導が重要に なるか、教員同士で議論していきます。 この資料は、過去の状況が一目で分か るので、担任間の引き継ぎにも役立っ ています。次いで三者面談を行います が、保護者と話をする時に、進路検討 会を踏まえた学校全体の総意というこ とで、説得力が増します。特に、志望 校変更のアドバイスが必要な場合は、 担任の独断ではないことで、保護者の 理解を得やすいという面もあります」 (大塚睦之先生)。進路希望調査、二者 面談、進路検討会は毎学期、三者面談 は7月、12月の2回(3年次はセンタ ー試験後と合わせて3回)実施される。 また、課外は、始業前に 50 分間、 1・2年次は数学と英語、3年次はそ

毎学期、進路検討会を実施し

各生徒への指導方針を議論

●山口県立下関西高等学校

<図表5>宇部高校 面談シート(1年生第2回)

(6)

位制が導入された。現在でも 全生徒の約8割が女子で占め られている。普通科4クラス で、文理分けは2年次から行 われる。 近年、進学実績が上昇しているが、 その要因を松村成通先生は次のように 語る。「以前は、推薦・AO入試で早 めに進学先を決めたがる傾向が見られ ました。そこで、2007年度の卒業生か ら、あえて推薦のハードルを高くして、 安易に推薦・AO入試に流れないよう にしました。それによって、国公立大 の後期日程まで、あきらめずに粘り強 く頑張ろうという雰囲気が醸成され、 1学年の生徒数が200名から160名に 減少したにもかかわらず、国公立大現 役合格者数は着実に増え続けていま す」 進路指導では、校訓「日々に磨かん 智と徳と」を重視。特に「日々に」を 強調して、日頃の学習への意欲向上を 図っている。また、生徒とのコミュニ ケーションを大切にしている点も特徴 だ。担任だけでなく、進路指導部でも 2・3年生全員を対象に面談を行って いる。ここで興味深いのは、面談のス ケジュール調整などを、各クラス2名 れに理科、地歴・公民を加えて実施し ている。「放課後の課外は進路指導部 では企画していませんが、教員が自主 的に開講する講座があります。難関大 の志望者を対象とした講座や、定期考 査前に内容の定着を促すために生徒を 指名して行う講座など、各教員が工夫 を凝らしています。個別の添削指導も 活発です」(大塚先生) さらに、5年前から、3年次のセン ター試験後も課外で2次試験に向けて 実力養成を図っている。「2月からは、 志望校別の対策講座を開講し、教科に よっては個別に添削指導を行い、高校 が最後まで面倒を見るという姿勢を鮮 明にしていることが、近年の進学実績 の伸びにつながっていると思います」 (小田先生) 前身は下関高等女学校。2003年度に 男子が入学するようになり、同時に単

受験風土記

19

回 山口県

の進学委員の生徒が務めていること だ。「3年前から、月1回のペースで 進学通信『南風』生徒版<図表7>を 発行していますが、これも進学委員の 手作りです。大学訪問の感想、進路講 演会のレポート、教科別学習法、模試 の解説など、バラエティーに富んだ記 事になっています。生徒の中に、進路 意識を高めるリーダーが存在する意義 は大きいと考えています」(松村先生) 2年次の7月には、山口大、産業医 科大、九州工業大大学院生命工学研究 科を訪問した。「女子の比率が高いこ ともあり、本校の理系の生徒は看護系 志望に集中する傾向が見られました。 もっと視野を広げるために、多様な学 部系統を見学できるように配慮してお り、徐々に生命科学系や環境系の研究 職を目指そうという生徒が増えていま す」(品川裕紀枝先生)。同じ日に、今 年度初めての試みとして、1年生の 「大学・企業訪問」が行われた。午前 中は九州工業大、午後はクラスごとに 分かれて、新日鉄、J-POWER(電源 開発)、安川電機、シャボン玉石けん など、環境問題に積極的に取り組んで いる企業を訪問。ここでも、進学委員 が事前調査・発表と、事後のまとめの <図表7> 下関南高校 進学通信『南風』生徒版

各クラスの進学委員が

さまざまな進路行事に協力

●山口県立下関南高等学校

<図表6> 下関西高校 進路検討会議資料

(7)

動会と文化祭が終わった直後に、1・2 年次は進路講演会、3年次はセンター 試験対策講座を実施し、進路への意識 を高めるように努めています」(高井 俊宏先生) センター試験対策講座は、9月中旬 の休日に、外部講師を招いて、英語・ 数学・国語の実践的な授業を90分×3 時限行う。3年次の希望者対象で、参 加するのは2∼3割だが、その生徒た ちが頑張っている姿を見て、周囲に波 及効果が生まれることを期待している という。 「魁 さきがけ 講座」と名づけられたキャリア 教育プログラムも充実している。 「魁講座I」は、1・2年次の5∼6月 のLHRの時間に、教育実習生の体験 談を聞く講座。志望校を決めた理由、 受験勉強で有効だったこと、キャンパ スライフの様子などが語られる。 「魁講座Ⅱ」は、社会人による職業 講話<図表8>。1年次の6月に、16 名ほどの社会人を招いて行われる。 「2時限連続で実施しており、1時限 目は、1教室に3名の社会人が入り、 座談会を行います。同じテーマ(質問) に対して、職業によって見方、考え方 が異なることを学びます。その上で、 2時限目は、個々の講師の仕事に関連 する、より深い内容の講演を聞きます」 (高井先生) 「魁講座Ⅲ」は、1・2年次の3月 に行われる大学教員の出張講義だ。近 隣の大学から15名ほどの教員を招聘 し、同じ内容の講演を2回実施。生徒 は2つの講座を受講できる。前半の15 分は学部・学科の一般的な解説、後半 の50分はその教員の専門に関する模擬 授業で構成されている。

学校行事の盛り上がりから

進路へ意識を切り替える講座

●山口県立徳山高等学校

語・数学・国語が中心で、3年次は理 科・地歴公民も加わる。教科によって は、3年次の2学期から土曜課外も行 われる予定である。 さらに、3年生は「朝学」も実施さ れている。「2007年度の卒業生から、 曜日ごとに教科を決めて、自学用のプ リントを作成しています。始業前の30 分程度で解けるレベルの問題で、希望 する生徒が廊下のトレイからプリント を取って、解答を提出。教員が採点し て返却しています。学力の向上だけで なく、授業への集中力を高める効果が 大きいと考えています。実際、このプ リント配布を始めてから、1時限目の 授業開始時が静かになりました」(品 川先生) 小論文の個別指導も充実している。 3年次の9月に推薦・ AO 入試志望 者、2月に後期日程で小論文を課す大 学を受験する生徒を募集。前者は約30 名、後者は40∼50名の生徒が集まり、 全教員に担当を振り分けて、過去問の 添削を中心とした個別指導を実施して いる。 旧制徳山中学、徳山高等女学校を前 身とする周南地区の拠点校。普通科7 クラス、理数科1クラスで、文理分け は2年次から。2学期制で、1・3・5 限は50分、2・4・6限は60分の6時限 授業を採用している。 「本校は学校行事が盛んで、特に9 月第1・2週に連続して開催される運 動会と文化祭は大きな盛り上がりを見 せます。行事を通してさまざまなこと 3年次は4月から、放課後に50分× 1時限の課外が組まれている。1・2年 次の1∼2月の放課後、週2日、計10 回行われるのが「アタック課外」だ。 「この時期は、センター試験前後で、 3年生は完全に受験モードに入ってい ます。先輩たちの真剣な様子に刺激を 受けて、1・2年生も受験を意識し始め ます。そのタイミングで課外を実施す ることによって、さらに意欲を喚起す ることが狙いです」(高井先生) 夏休みの課外は、前期、後期各8日 間(後期は3年次のみ)実施される。 基礎、応用に分けた講座など、さまざ まなタイプの講座が設けられており、 構成 教育(小学校) 技術(機械) 医療(理学療法士) 生徒数 1 法曹 教育(保育士) 食品 医療(薬剤師) 金融(銀行) マスコミ 建築 金融(証券) 経営・営業 医療(開業医) 公務員 技術(化学) 医療(看護師) 2 3 4 5 41 51 62 65 97 分科会名 生徒数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 職種等 法曹 金融 金融 公務員 教育 教育 マスコミ 経営・営業 技術(化学) 技術(機械) 食品 建築 医療 医療 医療 医療 司法書士 銀行員 証券会社 市役所職員 小学校教諭 元保育士 新聞記者 IT企業家 エンジニア 機械設計 開発・販売 建築士 開業医 看護師 理学療法士 薬剤師 19 7 9 21 30 15 32 14 15 14 14 17 32 19 9 50 第2部 職業分野別講座

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受験風土記

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回 山口県

生徒は個々の目的に応じて選択できる。 もう1つ、同校で重視しているのが 週末課題だ。早めに学習習慣を身につ けさせるために、1年次から、英語・ 数学・国語で課題を与えて、チェック している。「自主的に学習するのが理 想ですが、特に低学年次ではペースメ ーカー的なものを与える必要がありま す。課題を示せば、ほとんどの生徒が 真面目に取り組んでおり、学習習慣が 身につくことによって、次第に自主的 な学習姿勢につながっていくと考えて います」(高井先生) 旧制山口中学から続く伝統校で、今 年創立140周年を迎える。岸信介、佐 藤栄作元首相の母校でもある。理数科 1クラス、普通科は2年次の文理分け で文系4クラス、理系3クラスに分か れ、さらに3年次に理系を4クラスの 少人数クラスに再編する。2学期制で、 65分×5時限の授業編成である。 同校で注目されるのが、2003年度に 模試分析会としてスタートし、2009年 度に進学検討会と改称された取り組み だ。1 ・ 2 年次は9月と3月の2回、 3年次は7月、9月、1月の3回実施 されている。「模試分析会の狙いは、 教員の外部模試に対する意識を、定期 考査のレベルに近づけたいということ でした。答案を返却して終わりではな く、出題内容と生徒の成績を詳細に分 析して、弱点分野を把握した上で授業 に反映させようと考えました。加えて、 この場を学年全体の目標の確認、指導 の方向性の共有、取り組みを見直す場 としても活用するため、昨年から進学 検討会に改称しました。学年主任をは じめとして他学年の教員も参加してお り、学年の枠を超えた情報共有を図っ ています」(長谷部秀俊先生) また、新旧担任連絡会議では、前担 任が、生徒の学習状況や模試成績の推 移、どんな指導が有効だったのかなど をまとめ、ケーススタディーを行って いる<図表9>。合格した事例だけで なく、不合格だった事例にも触れられ、 大いに参考になっている。 難関大への挑戦を喚起するために、 1年次の12月に、難関大志望者集会を 開催。進路指導部から、どの程度の成 績が目安になるのか、今後どのような 勉強が必要かを解説している。約100 名の生徒が参加している。 2年次には、東京大、京都大、医学 科志望者20∼30名を集めて、「Apple Trees」というグループを組織する。 「高い目標を持つ生徒同士で切磋琢磨 する関係を築くことが目的です。7月、 12月、3月に集会を開き、入試科目、 目標得点、有効な教材などの情報を提 供するほか、夏休みには、このグルー プの生徒対象の課外も実施していま す」(冨山貴之先生) さらに、今年度は新たに、1・2年 生を対象に東京大のオープンキャンパ スにも参加した。バスで車中2泊の強 行軍であるにもかかわらず、約30名が 参加した。 2年次の9月には、社会人と大学生 10数名を招き、「大学研究」を実施。 例えば、医療系なら医学科と薬学科と いった形で各講座2名ずつの講師を配 置し、話題に広がりを持たせている。 当日の放課後には、2・3年次を対象 に「東大生、京大生と語る会」も開催。 「入試問題の傾向、勉強の方法、使用 した参考書など、具体的な話が展開さ れています。生徒も積極的に質問して おり、昨年は1時間の予定が、3時間 近くに延長したほどです」(岡山哲也 先生) 放課後の課外は、1年次1学期の中 間考査以降(2 ・ 3 年次は4月から) に開始。60分×1時限で、部活動に配 慮して、同じ内容を遅めの時間帯に実 施する「ナイター課外」もある。3年 次の夏休みは、午前70分×3時限、午 後100分×2時限で、約30の課外講座 を開講している。 さらに、各教科が日替わりで問題プ リントを作成する「1日1題」にも取 り組んでいる。「登校すると、プリン (学校提供資料を一部加工。ほかに、模試の判定や、センター試験自己採点結果などが記されている) 事例 大学名 学部名 前後 合否 東京大学 東京大学 九州大学 東京大学 神戸大学 文Ⅰ 文Ⅲ 法 文Ⅰ 国際 文化 前 前 前 前 前 合 合 合 否 否 1年から東大希望。3年間授業を中心に基礎、基本を大切にし、授業中 納得のいかない点はとことん質問した。3年の秋に判定がDであったが、 特に心配はなかった。国語、英語は抜群の能力を持っていたので、数学、 地歴の勉強時間を十分にとれた。2次も手ごたえがあったようだ。 秋以降勉強時間がなかなか確保できずに苦しんだ。本人の弁では、夏 までは部活動との両立ができていたが、秋になると部活動において全国 レベルの大会に備え、より多くの時間を割く状況となった。その結果、神 戸大を受験したものの、2次での力が十分備わっていなかったため不合 格となった。 本校期待の生徒で、安定していたが本番で数学失敗。本人は一生懸 命やっていたと思うが、指導する側として、もう少し緊張感を高めて、最 後までがむしゃらに取り組む姿勢や環境づくりに努める必要があったか もしれない。各教科、個人添削などには早くから取り組んだ。日本史の 添削は1980年代前半まで27年分ぐらいやった。 1年の途中から担任の指導で東大希望。3年間塾に行かず学校中心 の勉強。第一回考査最終日の放課後も職員室横で勉強をしていた。3 年の前半に英語の基礎を復習した。 数学が得意。2次試験では数学が難しく取れていないが、3年夏から苦 手な国語を克服したので英語と国語は確実に取れた。阪大と最後まで 迷ったが、より合格可能性の高い九大にした。 <図表 9 > 山口高校 新旧担任連絡会議 入試ケーススタディ(一部抜粋)

進学検討会、新旧担任連絡会議

などで指導の方向性を共有

●山口県立山口高等学校

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終えるのが平均して約2週間ですか ら、生徒にとってはほぼ毎日何らかの テストがあることになります。その環 境が、定期考査前だけまとめて勉強す るのではなく、日々学習する習慣の養 成にもつながっています。また、定期 考査のために特別な時間割を編成する 必要がなくなり、常に7時限授業が確 保できる点も有意義だと考えていま す」( ) また、各コースとも多彩な学校行事 が用意されており、それを進路実現に も結びつけているところにも特色があ る<図表10>。 「知識を詰め込むだけの教育には限 界があります。机上の学習だけでなく、 多様な体験学習の機会を提供し、人間 力を高めることが、主体的に学び、考 える力に結実すると考えています」 (加治英雄先生) 例えば、中高一貫コースの中学校で は、以下のような行事が設けられてい る。「中学1年次の校外地理歴史学習 では、見学場所への移動手段を生徒が 調べ、計画し、グループで行動します。 調べる力、協調性、社会性の養成が目 的です。校外理科学習では、化石採集 場で本物の化石に触れます。2年次に は、高校2年生と一緒に萩まで25km 徒の日常的な姿になっています。これ によって、自主学習の習慣が身につい ており、職員室前に用意された長机で、 朝7時半から夜9時頃まで、自習する 生徒が少なくありません」(木嶋太郎 先生) 2002年、宇部女子高校を共学化し、 校名を変更。2004年に中学生の募集を 開始し、中高一貫コースを開設した。 2007年には専門学科の募集を停止し、 さらに進学重視へシフト。これらの改 革により、進学実績が上昇しており、 今春卒業した中高一貫コースの1期生 は、2名が東京大に合格している。現 在、中高一貫コース2クラス、高校か らの入学者は、難関大を目指すアドバ ンスコース3クラスと、グローバルコ ース3クラスに分かれる。 中高一貫コースとアドバンスコース では、定期試験が廃止され、その代わ りに単元テストが導入されている。 「各教科とも、単元を終えるたびに授 る効果を期待しています。3年次に は、夏休みに4泊5日の勉強合宿があ ります。2学期から高校の学習内容に 入るので、高校の予習・授業・復習の 流れを実体験させることが狙いです。 そのほか、中学全学年で校内ディベー ト大会も開催しています」(古川義郎 先生) さらに高校でも行事が続く。「高校 1年次の11月に山口大を訪問。志望学 部別に分かれて講義を受けるほか、在 学生との交流の機会も設けています。 夏休みにはオープンキャンパスへの参 加も推奨。1年次の早い時期に大学の 雰囲気を知ることで、学習意欲を高め たいと考えています。5月には3日間、 久住登山と、長崎県の松浦で農・漁業 を体験し、民泊します。3月には、近 隣の企業を訪問し、トップの話を聞き、 将来リーダーとして活躍するための心 構えを学びます。2年次には、シンガ ポール、マレーシアへの修学旅行で、 現地の高校生と交流するほか、現地の 日本企業も訪問。3年次からはより本 格的な受験勉強がスタートしますが、 こうした体験学習を通して、視野を広 げ、自分の将来像を考える機会が豊富 なことから、学習意欲も高まっていま す」(藤井桜先生) <図表10> 慶進高校 学校行事予定 中高一貫コースの例 3rd stage 1st stage 2nd stage 基礎学力養成期(中1・2) 実力充実期(中3・高1) 発展応用期(高2・3) 1年 2年 3年 4年 5年 6年 ●宿泊研修 ●校外地理歴史学習 ●数理探究セミナー ●校外理科学習 ●萩往還歴史ウォーク ●キャリアガイダンス ●数理探究セミナー ●修学旅行 (大学訪問・   ミュージカル鑑賞) ●大学学部・  学科研究発表会 ●勉強合宿 ●進学ガイダンス ●キャリアガイダンス ●大学学部・  学科研究発表会 ●オーストラリア語学  研修 ●英語合宿 ●進級式 ●久住登山・  農漁業体験 ●キャリアガイダンス ●大学訪問 ●2ndステージfinal (企業訪問) ●萩往還歴史ウォーク ●海外修学旅行 (海外日本企業訪問) ●進学ガイダンス ●大学受験研究 ●勉強合宿 ●進学ガイダンス ●勉強合宿 ●大学受験激励会

●慶進高等学校

私立高校

多彩な学校行事で

人間力の養成

参照

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