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必要的共同訴訟における合一

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(1)序. fことにその沿革的考察ー. 説. 概念の変遷. 英. 二二三︵二二三︶. ・ネ. す. 郎. 必要的共同訴訟における合一 確定. 一. 共同訴訟の成立. ヘルウィック学説. 初期の学説・判例. 合一確定. 合一確定4概念の変遷. 北ドイツ連邦民事訴訟法草案における必要的共同訴訟. ニ. 一九三一年草案の見解. 訴訟法草案における見解. 日本畏事訴訟法の下における. 三. 一. ドイツ民事訴訟法の下における. 三. 二 必要的共同訴訟の成立. 一. 二 必要的共同訴訟の成立. 三. 四 一. 二 旧民事訴訟法時代の学説・判例 括. 三 現行民事訴訟法における学説・判例 五 総. 必要的共同訴訟における合一確定. 中.

(2) 説︵中村英︶. 序. 説 が合一確定. 二二四︵二二四︶. ということが︑必要的共同訴訟を定める中心概念となつている︒こ. 合一確定. の. 概念の把握の仕方に問題があるからであり︑この概念を正しく理解することにょつて︑必要的共同訴訟を適正に把握. 適切なものとはいい難く︑かえつて必要的共同訴訟の機能を減殺する結果ともなつている︒それは︑. の概念については︑現在︑学説・判例ともに︑ほぼ一致した見解を打出しているが︑それは後述する如く︑必ずしも. 係がなければならない︒かくして︑. が必要的共同訴訟としての取扱いをうけるには︑訴訟の目的が共同訴訟人の全員につき合一にのみ確定するという関. なければならない関係の存する場合︵類似必要的共同訴訟︶があるとされている︒しかし︑いずれにせよ︑ある共同訴訟. しないが︑共同訴訟として訴が提起されたとぎは︑当該﹁訴訟ノ目的﹂にかんする判決が各共同訴訟人につき合一で. の訴訟は不適法となる場合︵固有必要的共同訴訟︶と︑共同訴訟人となるべき者の一部を当事者とする訴訟を不適法と. 必要的共同訴訟には︑共同訴訟人全員が共に訴を提起し︑もしくはその全員に対して訴を提起するのでなければ︑そ. 他の通常の共同訴訟とは異なつた取扱いをしている︒これを一般に必要的共同訴訟と呼んでいる︒. 訴訟人ノ全員二付合一ニノミ確定スヘキ場合﹂は︑各共同訴訟人の訴訟間に密接な関係があつて︑訴訟の進行につき. の関係は︑現代の訴訟法理においては相互に独立なのが原則である︒しかし︑共同訴訟のうち︑﹁訴訟ノ目的力共同. の訴訟が形式的一個の訴に併合されているのであつて︵主観的訴の併合︑ω号宕ぎ貯︒匿品窪冨鼠q凝︶︑その各訴訟間. 訴訟当事者の一方もしくは双方が複数である場合︑そこに共同訴訟が成立するが︑それは当事者の数に応じた複数. 論.

(3) 合一確定. することがでぎるであろう︒. ところで︑この. の概念は︑ドイッ民事訴訟法に由来するものであるが︑それはさらにドイツ普通法民. 事訴訟法にまで遡る概念である︒本稿においては︑必要的共同訴訟における 合一確定 の概念がどのようにして成. 二. 必要的共同訴訟の成立. 立し︑またそれは︑どのように解釈されてきたのか︑特にその沿革に遡つて探究し︑必要的共同訴訟の正しい認識の. 共同訴訟の成立. ための足がかりとしたい︒. 陶. ︵一︶. ドイッ普通法民事訴訟においては︑中葉に至るまで︑一原告より一被告に対する訴だけが認められており︑訴訟当. 必要的共同訴訟成立の沿革については︑エきoぎ∪帥①三魯昌o淳α魯国8浮霧賃色け蒔閃①診窪一旨汐○器霧お9計一Qo轟溌. 事者が複数となる訴の併合︑すなわち主観的訴の併合︵望玄魯牙①匿お窪湿無q磯︶は禁止されていた︒ ︵一︶. 譲8﹃①嘗①一9∪一Φぎ薯窪山蒔のω曾①凝窪oωω窪ω畠帥津号ω蟹Oρ型○●﹂o︒Oトい夷︸9Φ20薯Φ&茜ぎ津幽︒吋ω嘗Φ凝窪oω−. の①霧o富拝ご8などに優れた論述がある︒ことに譲8ぎ鳶Φ匡のそれは要領のよい紹介であつて︑本稿の以下の序述もこ. れによるところが多い︒わが国の文献として︑雑本朗造﹁必要的共同訴訟﹂法協三一巻八号︑中田淳一﹁必要的共同訴訟に 就て︵一︶﹂法叢四〇巻六号があるが︑いずれも未完に終つている︒. 二二五︵二二五︶. ローマ法においては︑裁判官の裁量により︑複数の訴訟が同一裁判官の管轄に属し︑かつそれが同時に裁判所に申 必要的共同訴訟におげる合一確定.

(4) 論. 説︵中村英︶. ︵三︶. 二二六︵二二六︶. ︵二︶ し立てられた場合には︑これを併せて審理することが許されており︑これをうけたイタリー法においても︑その初期. においてはこの原則が認められていた︒しかし︑如何なる場合に併合を許し︑あるいはこれを拒絶するかについて明. 確な規準がないため︑裁判官の職権の後退したイタリー法の下においては︑その許否を権威をもつて断定することが ︵四︶. でぎず︑イタリー法後期に至つて︑その判断の曖昧さを避け︑全ての主観的訴の併合を禁止するという原則が確立さ. れることになつた︒この原則がそのままドイッ普通法民事訴訟に入り︑そこにおける書面主義︑法定証拠主義の原則 ︵五︶. と相まつて︑ドイツ普通法においては永く主観的訴の併合禁止の原則︵くRび9ユR霊豆①&奉ロ困茜窪2跨巳&8︶. が行われたのである︒けだし︑書面主義︑法定証拠主義の行われる訴訟においては︑主観的訴の併合が許されるとす. ローマ法︑およぴ中世イタリー法の下における多数当事者問の訴訟の概要については︑拙稿﹁主. ︒・. ると︑共同訴訟人の提出した︑あるいはその一人に対する書面︑証拠が︑他のそれと錯綜し︑訴訟の内部関係を著し く複雑ならしめるからである︒. ℃冨糞ぎ勲鉾ρω●ωGo9. ︵二︶=弩︒ぎ9︒置魯忌巴仲α霧即8窪鋒悉凝ぎ一什窪ぎ零08ω巽g算一︒︒庫る﹂OQ ︵三︶. ︵四︶. =9蓉F騨勲ρ¢co曾hq・僻8h. ℃蜀まF鋭鉾ρψω箪●. 観的訴の併合﹂綜合法学四九号四二頁参照o. ︵五︶. しかし︑右の主観的訴併合禁止の原則も︑ゲルマン固有法上の総合体︵O窪8器霧魯聾︶が︑訴訟物たる権利関係. の主体である場合には︑その例外が認められなければならなかつた︒ゲルマン社会には︑古代より団体思想が根強く.

(5) ばん居しており︑現代法理におげる法人と組合との中間的構成ともみられる団体形式が社会生活の一つの単位を形作. つていた︒これは︑ゲルマン法に特有のものであつて︑団体のほか︑その構成員も︑また︑外部に対して法的主体と. して働く場面をもつ︑いわば構成員が一団となつて︑一個の法律関係の主体となるとみるべきものであつた︒この総. 合体をめぐる法律上の紛争が生じた場合︑当然この総合体が訴訟の主体として現われることになる︒総合体は複数の. 構成員よりなるけれども︑法的には一つの単一体であるから︑主観的訴の併合禁止の原則が行われたにもかかわら ︵六︶. ず︑据ーマ法の理論からいえばその例外として︑この総合体が訴訟団体︵ω幕一茜窪8器霧魯聾︶として︑訴訟の主体. 〇〇♪ω︒ド ≦鋤OげO昌臨色9∪一①βOけ類①旨α一αqOωけ騰O一け磯ΦづOωのΦPωOび四津儀Oω㈱㎝OO9℃●04一〇. となることが認められたのである︒ ︵六︶. しかし総合体がちくぢ分解するに俘い︑人々は訴訟の主体として訴訟団体ではなく︑訴訟団体を構成する各構成員. を考えるようになつてきた︒訴訟団体をこのようなものと理解することになると︑訴訟団体といつても︑むしろその構. 成員を指し︑また訴訟物は訴訟団体に帰属するのではなく︑訴訟団体の構成員に共通に帰属するとみる傾向が強くな. つてくる︒かくして︑ゲルマン法上の総合体においては︑数人が総合体を構成するが故に︑その合同財産をめぐる争. 二二七︵二二七︶. につき︑数人が訴訟団体として訴訟を遂行するとして︑数人の人的結合の面からこれを考えたのに対して︑これとは ︵七︶ 反対に︑訴訟物が数人に属する場合には︑そこに訴訟団体が成立すると考えられるようになった︒マルチンは︑訴訟 ︵八︶ 団体のメルクマールとして︑訴訟物の合有ではなく︑訴訟の目的が共同訴訟人に共通であることを説くに至つた︒ ︵七︶ 譲8冨蔑巴9勲帥●ρψ㎝●. 必要的共同訴訟における合一確定.

(6) 論 ︵八︶. 説︵中村英︶ QO紳ψ犀掛 竃巽甑P家mひq器ぎ霊吋α①嵩磯①影●儀①暮●ぴ自薦①鼻勺き器器︸缶Φ津ど一Q. 二二八︵二二八︶. このような訴訟団体にかんする考え方の推移は︑当然その範囲の拡大を俘う︒その結果︑当初においては︑主観的. 訴の併合禁止の原則の例外として認められた訴訟団体は︑その後この原則を止揚する方向に赴くこととなつた︒その. 後に現われた学説は︑訴訟団体の判断の基準を訴訟物ないし訴訟当事者の利益の点からではなく︑訴訟・裁判の利益. の点から判断すべきものとし︑数人の訴訟を併せて審判すゐことが︑事件の裁判にとつて最も簡捷な途であるとき. は︑これを訴訟団体とみるべきものとした︒この考え方は︑その出発点において︑すでに共同訴訟を単一の訴訟とし. い置α9ゆ9声魯9づ閃窪鉢び角島①い魯おくo昌血窪℃貰什08昌一BΩ<自冥o器器ρN且$魯ユ津臨旨Ω≦罵g浮qβ傷汐8霧卜. てではなく︑正に当事者の数に応じた複数の訴の併合︵主観的訴の併合︶として把握したのである︒かくしてこの学説 ︵九︶ に至つて︑主観的訴の併合は禁止さるべきものでなく︑許されるものと説かれることになつたのである︒ ︵九︶. 国9一μ一Qo合︸ω・ωOρ名㊤oびΦ蕊o一鼻勲餌●ρω●S. 主観的訴の併合︑すなわち共同訴訟の範囲は︑その後︑実務と学説によつてさらに拡大せしめられた︒ドイッ普魍叛. は︑初期の訴訟団体を表現する権利共通︑義務共通の場合のほか︑数人が同一の事実上および法律上の原因に基づき権. 利を有し︑もしくは義務を負う場合も訴訟団体に属するものとした︒一八七七年のドイッ民事訴訟法は︑これらを共同. 訴訟とするほか︵嗣置献縣︶︑さらに﹁性質上同種の事実上および法律上の原因に基づく同種の請求または義務が訴訟物. たるとき﹂も︑この数人の︑または数人に対する訴を共同訴訟となしうるものと規定するに至っている︵胴緬㏄嫉︶︒こ. れには︑もはやドイッ普通法にいう訴訟団体を構成する何ものも存しない︒訴訟経済の観点に基づく訴の主観的併合.

(7) であつて︑かくして現在では共同訴訟︵ω霞の一薦窪8器霧爵簿訴訟団体︶と主観的訴の併合︵聲ご9牙①屋お窪展亭. 建お︶とは同義に解されている︒共同訴訟についての︑ドイッ民事訴訟法のこの規定形式は︑そのまま︑現在の日本. 必要的共 同 訴 訟 の 成 立. 民事訴訟法第六〇条に︑共同訴訟の三類型として伝わつている︒. 鴨. かくしてドイッ普通法の下においては︑その末葉に至るまで︑主観的訴の併合禁止の原則が行われていたが︑総合. 体︵Oob8器霧︒ぼεを契機として︑複数当事者による共同の訴訟遂行が許されることになつた︒ところで︑この時. ︵ω幕凝窪o器窪−. 代においては︑人々は︑共同訴訟が如何なる場合に許されるかを追及するのに急であつて︑共同で訴訟を遂行する必. 要の有無については大した関心を示さなかつた︒しかし︑共同の訴訟遂行を許さるべぎ訴訟団体. ω︒訂εの範囲が漸次拡大し︑一般に主観的訴の併合が許されるようになると︑ゲルマン固有法の訴訟団体の系統をひ. く共同訴訟と︑その後に認められた共同訴訟とは異質のものであることが認識され︑両者︑その取扱いを異にすると. ころから︑その間の区別を明らかにする必要を生じてぎた︒ここに︑通常の共同訴訟と区別して︑いわゆる必要的共. っ霞Φ凝窪8器霧︒富εの概念を生じることになつた︒必要的共同訴訟の概念は︑はじめ︑共同 同訴訟︵20薯Φ&蒔Φし. 訴訟人たるべぎ者の一部が︑訴訟に参加しなかつた場合︑この者を訴訟に参加させる被告の抗弁︑臼8讐δ℃ξ同ξ臣. 二二九︵二二九︶. 弾お8霧需鉱q蓉︵共同訴訟存在の抗弁︶の問題と関連して明らかにされ︑ついで︑訴訟物を共通にする共同訴訟人は︑ ︵一︶ 訴訟を合一に遂行しなければならないという︑共同訴訟人の義務という観点から究明された︒以下︑この関係を概観 必要的共同訴訟における合一確定.

(8) しようo. 説︵中村英︶. 名8ゲ魯囲Φ一9騨勲ρψ目●. 二三〇︵二三〇︶. 訴訟団体を構成すべき者全員が原告とならなければ︑被告の露8讐δ覧﹂まω8霧9により訴訟の進行を妨げられること. 上の抗弁が行使されることについて︑異議をはさむ者はなかつた︒しかし訴訟団体についての考え方が広くなり︑人. 共同訴訟として許される訴訟団体が︑ゲルマン固有法上の総合体である場合には︑その一部を欠く訴訟につき︑以. られていたQこれを餌αo騨緯δ5という︵譲8げo鼠色9鋤●鉾9ψ一恥︶◎. 参加すぺぎことを催告し︑もしこれに加わらなかつた場合にも︑その訴訟の判決の効力をうけることを告知する制度が認め. になる︒しかし︑一部の者の同意をえられず訴訟が全然遂行でぎないという事態に対処して︑裁判所より︑その者に訴訟に. ︵三︶. ︵二︶い員︶∪一︒z︒薯①区蒔蚕什山R望a茜g8ω窪ω畠魯﹂8ρωるしω臨.薫8訂匡畳ふ勢9ψ一鍾. で︑訴訟の開始を妨げることができたのである︵妨訴抗弁︶︒この抗弁の行われるところ︑訴訟に参加しない者があれ ︵三︶ ば︑訴訟はその進行を妨げられるのであるから︑共同訴訟は正に必要的であつたということがでぎる︒. ︵二︶. い訴が提起されたときは︑被告は︑この抗弁を提出し︑訴訟団体をなすべきもの全員が︑原告となり︑被告となるま. ら︑その一部を欠いては訴訟団体たりえなかつた︒従つて︑訴訟団体をなすべき者全員が原告となり︑被告とならな. ある︒ゲルマソ固有法上の訴訟団体は︑数名の者が一団となり︑一単位の原告または被告を構成するものであるか. 数者の全員が原告とならず︑またはその全員を被告としないで訴が提起された場合︑その訴を排斥する被告の抗弁で. ︵一︶ 国蓉8餓o覧霞ビヨ洋凶ω8霧o葺qヨ︵共同訴訟存在の抗弁︶とは︑実体法上訴訟物たる法律関係の主体である多. ︵一︶. 論.

(9) の適用について疑問が生じることとなつた︒すなわち︑訴訟物たる権利. 的結合としての固有法上の総合体ではなく︑数人が権利義務を共通に有するときはそこに総合体が存在するという考 え方が行われると︑震8讐δ冥一葺ω8霧. 義務が数人に共通に帰属する場合であつても︑たとえば分割債権・賃務のような場含には︑必ずしもその数人を訴訟. 当事者とする必要はなく︑右の抗弁は理由がないのではないかというのである︒かくして︑学者は︑訴訟物たる権利. 義務が︑可分の場合と不可分の場合とに分ち︑可分の揚合は︑各権利者︑義務者は︑それぞれ自己に属する権利義務. につぎ単独で訴を提起し︑あるいは応訴することができることを認め︑この場合には震8筥δ箪扉置8霧.は適用. がないとした︒これに対し︑訴訟物たる権利義務が不可分な場合については︑その当初においては︑数人が共同して ︵四︶. のみ原告となり︑また被告となることができるという理由から︑つねに霞8讐δ筥洋δ8昌ω・の適用があるものと. していた︒しかしこの見解に対しては︑その後︑不可分債権︑不可分債務においても債権者︑賃務者間に連帯関係. ︵区○霞$一−&Rω○ま舘く霞冨一9芭があるのであつて︑各債権者は不可分債権の全部を請求することができ︑また不 ︵五︶. 可分債務者はその一部の者が訴えられた場合にも︑全部につぎ給付する義務を負うのであるから︑霞8営δ覧●. 葎置8塗・は︑これを行使できないとの説が有力に主張され︑後には︑それが通説の認めるところになつた︒. ︵五︶. 蜜賀菖P騨勲O・窯霞震置ω●co㎝ひ妻 90珠巴ρ勲鉾ρψ冨︷・. 〇〇合ψ藍ρ名碧げ窪85勲騨ρψ罷● ︵四︶ Oα昌器び=鋤旨αび§﹃α$αq①ヨ●価窪幹勺88ωω①のヤゆ鼻ド一〇. かくして霞8讐δ筥一置零自ψは︑その出発点に立戻り︑ゲルマソ固有法の総合体に由来する共同訴訟の場合に. 二三一︵二三一︶. のみ認められることになり︑また︑それが認められる場合にも訴訟上の妨訴抗弁ではなく︑実体的訴訟遂行権の問題 必要的 共 同 訴 訟 に お け る 合 一 確 定.

(10) 論. 説︵中村英︶. 二三二︵二三二︶. として︑共同訴訟人たるべき者の一部の者の︑または︸部に対する訴訟上の請求を︑理由なぎものとする︑本案の抗. 弁と考えるようになつた︒原告が︑勝訴判決をえようとするときは︑共同訴訟人全員が当事者とならなければならな. いのであるから︑この場合は︑言葉の本来の意味における必要的共同訴訟ということができる︒現在︑固有必要的共 同訴訟とよばれるものは︑ここに端を発するのである︒. ︵二︶ 必要的共同訴訟の概念を成立せしめた第二の出発点は︑共同訴訟人の訴訟を合一に遂行すべぎ義務という観点. であつた︒前述したように︑後に現われた学説は訴訟物が数人につき可分のものであろうと︑また不可分のものであ. ろうと︑いずれについても巽①8覧○箕曄ω8霧・の成立を否定したが︑この学説も︑可分︑不可分の区別を否定し. たわけではない︒訴訟物が不可分である場合に︑その全員が当事者として訴え︑または訴えられたときは︑訴訟物た ︵六︶. る債権債務は不可分であるから︑その存否は共同訴訟人の全員に対し合一に確定しなければならず︑そのため当事者. は一様に訴訟を遂行する義務があることを認めた︒そして︑共同訴訟人の一部が欠席すると︑その者との間では︑訴. 訟に矛盾をきたすおそれが生じるので︑欠席した共同訴訟人は︑出席した共同訴訟人により代理されるるものと看敏 ︵七︶ し︑あるいは︑共同訴訟人は共同の代理人を選任して訴訟をなさしめるべきだとした︒かくして︑この場合︑共同の. 訴訟遂行が必要であるとの考え方が成立したのである︒これは︑実体法上の権利者︑義務者全員が共同で訴訟を遂行. することを強制しないが︑一旦︑事件が共同訴訟として裁判所に係属したときは︑共同の訴訟遂行を必要とするので. あり︑現在︑いわゆる類似必要的共同訴訟されているものの原初型態であるということができる︒.

(11) 三. ︵七︶. ︵六︶. 卜言島ρ9D●㊤●O●NΦ一駐oげ図一諌肉9一9ψ一ωQQ鳩薯8げoβ幡o一9鋤・四●O●ω●鱒O︒. 寓與鑑P .鋤●O●竃鋤αq器ぼψ器ωhり臣昌儀ρ四如●O●N①幽富oぼ一津ゆ山●一9一Qひ命︾の●S抽毒8ザo氏05m●四●○︒ω●昌騰●. 北ドイッ連邦民事訴訟法草案における必要的共同訴訟. 必要的共同訴訟の理論は︑以上︑略述したように︑一方において︑震8営δ箪一置ω8房●の問題として扱い︑訴. 訟団体を訴訟開始のための要件と考えることから出発し︑また︑後においては︑合一の訴訟遂行のための必要という. 面から出発して考察されているということができる︒しかしてこの二つの違つた考え方は︑プ・イセン法草案︑およ. プβイセンにおいては︑一八三〇年以来︑新しい民事訴訟法編纂のため︑いくつかの草案が作成されたが︑そ. びハノーバー法草案の中に対踪的に現われており︑それは︑後に︑北ドイッ連邦の民事訴訟法草案において綜合され ている︒. ︵鴫︶. ︵一︶. れらは︑大体において︑訴訟団体を共同の訴訟行為をなすための存在と考える方面から出発していたということがで. きる︒訴訟物が可分である場合と不可分である場合とを分け︑可分である場合には︑各人がそれぞれ独立に攻撃・防. 禦の方法を提出するものとし︑訴訟物が不可分である場合は︑共同訴訟人が合同して訴訟行為をなすべきものとして. いた︒臼8筥δ筥一置ω8漢◎は︑元来︑ある種の共同訴訟につき︑訴訟開始の時点において︑実体法上の権利者︑. 義務者全員の関与を強制するものであるが︑共同の訴訟遂行の面に重点をおいたプ・イセン法草案では︑この抗弁を. 二三三︵二三三︶. 当事者の権利として認めなかつた︒訴訟団体を構成すべき者全員の参加を必要とするか否かの判断は︑専ら︑裁判官 必要的共同訴訟における合一確定.

(12) 諭. 説︵中村英︶. 二三四︵二三四︶. の裁量にまかされていたのである︒ なお︑共同の訴訟遂行の便宜のため︑ 共同の代理人を選任することを認めたが︑. 譲8ぎ蔦巴9勲勲ρψ鱒一h. 強制はしなかった︵恥勲薦切絆︶︒. ︵一︶. ︵三︶. ︵二︶ ブ・イセソ法が︑共同の訴訟遂行という面から出発したのに対し︑ハノーバー法草案は︑訴訟団体を︑訴訟開 ︵二︶ 始の際一団とならなければならない団体として考える方面から出発している︒すなわち︑訴訟団体をなす構成員の密. 接な扁体性に注目し︑ある種の共同訴訟においては︑訴訟団体のみが訴訟をなすことができ︑被告は露8冨○陣. 扉諺8昌ψにより︑全員が訴訟に参加することを強制できるものとしていた︒この抗弁が︑いかなる場合に認められる. かという点については︑草案前のハノーバー普通民事訴訟法︵龍調湘︒醜鮎顎蝋躯︑㈹酵肋%瞳酪駆づ︑︑.α︐︶では︑訴訟物が可分. か不可分かは問題とせず︑要するに︑被告が︑訴訟団体のなすべぎ訴訟であることを証明でぎたときその抗弁を許すも. のとし︵銅鰭三︶︑草案においては︑民法の規定により︑共同訴訟を必要とする場合にこの抗弁が認められるものとして. いる︵恥塾鎗絆︶︒なお︑共同訴訟人間の一体性を重視する立場にあるので︑訴訟遂行の合一も決定的なものと考え︑共. 同訴訟が成立する場合には︑原則として共同の代理人の選任が必要とされ︵稠翻ポ斌銅漸灘猷融︑それがつけられぬ場合 は︑裁判官が選任するものとされていた︒. 一八五〇年のハノーバー普通罠事訴訟法では︑訴訟団体憶︑その構成員を︑一つの当事者に︵釜φぎ震℃巽富ぜo幕︶する. 盆︶≦8冨幕一9蝉動ρω・8栖 ︵主︶.

(13) 一なる当事者︵oぎ①oぽぎ三一9①ω霞aε巽8一︶とみなす旨の規定︵同法一四条︶にうけつがれているo. 旨規定していた︵同法三三条︶Qこれは︑その後︑オーストリー民事訴訟法の︑必要的共同訴訟における共同訴訟人を︑単. ︵四︶. ︵三︶ 基本的に︑その出発点を異にした︑プ・イセン法草案とハノーバ!法草案の考え方は︑その後︑北ドイッ民事訴. 訟法草案において融合を見せている︒しかし︑概していえば︑そこではプ・イセン法草案の考え方が優位を占めてい. たようである︒ハノーバー法草案の認めていた①図8讐ご糞葎δ8房・は︑草案を審議する過程において︑必ずしも パ. ロ. 否定されなかつたが︑それは民法によつて定まる実体的な訴訟遂行権にかんするものであることが認識され︑訴訟の. 遂行を阻止する妨訴抗弁としては否定されることになつた︒またハノーバー法草案は︑共同の訴訟代理人の選任を共. ︵四︶. ハノーバー法一八六四年草案においては︑﹁訴溝多数の権利者より︑もしくは多数の義務者に対して起されねばならぬと. 詣8冨諏巴9勲勲ρ9ω恥h. 同訴訟人の義務としていたが︑これも除かれている︒. ︵五︶. ﹁如何なる場合に︑訴を︑多数の権利者より︑または多数の義務者に対し︑共同で起さなければならないかは︑民法の. の抗弁は︑共同訴訟の必要が︑民法の規定に基づく限り許される﹂︵同六三条︶としていたが︑北ドイツ民事訴訟法草案で は︑. 規定によつて定める﹂︵七八条︶と規定するに至つている︒. 北ドイッの民事訴訟法草案は︑訴訟物が可分の場合と不可分の場合とに分け︑可分のものについては︑訴訟を各自単. 二三五︵二三五︶. 独で行うことを許し︑目的物が不可分のものについては︑共通の訴訟遂行について特別の配慮をはらわなければなら 必要的共同訴訟における合一確定.

(14) 論. 説︵中村英︶. 二三六︵二三六︶. ないという︑基本的な立場に立つている︒そのため︑訴訟物が不可分のときは︑たとえば︑共同訴訟人全員に闘係す. る事実についての宜誓の要求︑応諾の要求は共同訴訟人全員がなし︑また全員に対しなされねばならないとし︵樟擦紅︶︑. また全員が一致して宜誓しない場合には︑裁判官はその裁量により︑宜誓がなされ︑あるいは宜誓がなされなかつた ものと判断するとしていた︵騨藤紅︶︒. 訴訟物が不可分の場合をめぐって︑当時︑人々は︑全ての法律関係を包括したただ一つの判決の存在を肯定し︑ま. た共同訴訟人の一人に対してなされた判決が訴訟物不可分の故に執行に適さないという場合のあることを認めた︒こ. こに共同訴訟が必要的である場合が存在する︒しかし︑同じことは︑訴訟物が不可分の場合だけでなく︑全ての関係. 者が積極的にも︑消極的にも共同してのみ訴訟できるという意味で不可分関係にある場合︑すなわち︑ゲルマン固有. 法の総合体の系統をひくもの︑たとえばプ・イセン法のいう共同相続人の如き場合にもあてはまる︒かくしてこの場. 合も含めて︑草案は︑﹁訴訟物が不可分のとき︑もしくは︑民法の規定により共同訴訟が必要である場合に︑期日︑期問 ︵六︶. を共同訴訟人の一部の者が癬怠したとぎは︑癬怠した当事者は︑出頭した当事者により代理されたものとみなす﹂も. のと規定した︒しかしこの規定は︑その後審議の経過において﹁不可分﹂︵¢葺亀訂蒔魯︶の代りに︑その原因︑すな. OZO憎血ー 島Oむ. わち﹁合一確定﹂︵のぼ冨窪3①ぼω簗亀q罐︶と規定した方がよいということになり︑前の部分は︑﹁訴訟物が合一に ︵七︶. 確定すべぎ場合﹂と変更されることになつた︒. ︵六︶ ℃﹃○什O犀O=①α①﹃函Oヨ菖冨ωδ⇒N鐸﹃>§ω簿一︒びΦ騨qづαqαΦの国⇒叶名q吋臨ωO一昌①﹃O一く鵠℃村ONOの琢DO噌α縄ロ鵬眺曽戦鳥8の貯鋤餌けO昌. 儀o暮ω魯§切§号ρ9おP薯餌oげ①鼠①一9酋︒勲O●ω●お..

(15) ︵七︶. 勺88犀o=①騨鉾ρψ§刈ρ白8び①旨巴ρ鉾鉾ρω・轟一・. このようにして︑共同訴訟人欠席に対処する代理の制度は︑本来︑訴訟物が不可分の場合にだけ認められたのであ. るが︑以上のように規定することにより︑霞8冥δ冨洋冨8霧︒の認められたすべての場合にも拡大して認められ. ることになつた︒かくして訴訟物の不可分を契機として︑共同の訴訟行為の必要の方向から出発したプ艮イセン法の ︵八︶. 考え方と︑共同訴訟人の一体性を重視し︑訴訟開始の段階での共同を主張したハノーバー法の理論との融合がなさ. れたのである︒この規定は︑後に︑﹁民法の規定により争いある法律関係がすべての共同訴訟人に対し︑合一にのみ. 確定されることをうる場合︑もしくは︑民法の規定によれぽ︑共同訴訟がその他の理由により必要である場合︵後略︶﹂. 合一確定. 概念の変遷. と修正され︑これが現在のドイッ民事訴訟法の必要的共同訴訟の規定にうけつがれることとなつたのである︒. ドイツ民事訴訟法の下における. 妻8げ①獣巳9勲鉾ρω●薩N●. 三 初期の学説・判例. ︵八︶. 嗣. 必要的共同訴訟にかんする規定は︑前節において述べたような経緯をへた後︑一八七七年のドイッ民事訴訟法にお いては︑つぎのように規定されることになつた︒. ドイッ民事訴訟法第五九条︵現六二条︶ 争いある法律関係が︑すべての共同訴訟人に対し合一にのみ確定されることをうる場. 二三七︵二三七︶. 合︑または︑共同訴訟が他の原因により必要な場合に︑共同訴訟人の中のある老のみが期日または期間を癬怠したときは︑. 必要的共同訴訟における合一確定.

(16) 論. 説︵中村英︶. その癬怠した共同訴訟人は癬怠せざる者により代理されたものとみなす︵第二項省略︶︒. 共同訴訟がその他の理由により必要である場合. 二三八︵二三八︶. が現在いわゆる必要的共同訴訟となるものと. かくしてドイッ民事訴訟法は︑①争いある法律関係がすべての共同訴訟人に対し合一にのみ確定されることをう. ︵一︶. るとき︑または︑②. した︒そして右の規定の解釈として︑①に属するものは︑不可分の法律関係︑たとえば地役権の成立またはその範囲. についての︑要役地または承役地の共同所有者の訴訟︑不可分廣務の成立についての数名の債権者または債務者の訴 ︵二︶. 訟︑夫婦に対し︑その婚姻後生まれた子が嫡出子の資格の確認を求める訴︑夫婦を相手とする婚姻無効確認の訴など. がこれに属するものと考えられた︒また︑②に属するものとしては︑震8筥δ℃こ蕊ω8霧●︵共同訴訟存在の抗弁︶の適. 用ある場合がこれであるとし︑プpイセン法において必要的共同訴訟とされた︑物の共同権利者︑共有権者︑共同相 ︵三︶. 続人の共同訴訟がそれに当るとし︑なお︑妻の財産たる不動産の所有権をめぐる訴訟における︑夫婦の共同訴訟など. ドイツ民事訴訟法起草当時においては︑⑧の揚合だけが必要的共司訴訟と考えられていた︒しかし︑法律が①と⑧を同列. もこれに属すると解されていた︒ ︵一︶. においたので︑①の場合も必要的共同訴訟とされ︑ただ︑⑧と区別するため︑①を類似必要的共同訴訟︵仁昌⑦99p9薯窪岳鴨. ①の場合は言葉の本来の意味の必要的共同訴訟ではないoそのため︑. これに特別共同訴訟. ︵げ窃○昌号冨. ω耳色薦窪oの零㌣. ω窪虫薦o⇒霧紹霧魯錬什︶⑧を固有必要的共同訴訟︵Φ蒔①馨一8箒p9類魯&ひqΦω霞①一慮窪o器窪零富津︶と称することになつたo. Q︒. たとえばω窪融Φ拝囚O誉目O暮巽N霞O一く鵠箕08器O益昌露昌αq︸一QOOα℃ψQ oQ. ω9緯け︶ の 名 称 を 与 え て い る も の も あ る Q ︵二︶.

(17) ︵三︶. ωo鎚庸①旨︸曽聾●O.ω・09. すなわち当時の学説は︑一般に︑第五九条一項後段をもつて︑ドイッ普通法当時︑主観的訴の併合禁止の例外とし. て認められた訴訟団体の系統をひくものとして理解し︑これに対し︑前段は︑その発展の沿革をふまえて︑訴訟の目. 的物が不可分である場合を予定しながら︑なお︑それを訴訟の目的が合一に確定すべき場合︑すなわち︑裁判所の判決. が︑各共同訴訟人に対し同一になるべぎ場合であるとし︑たとえば︑数人の連帯債務者に対する債務の要求︑主たる. 債務者と保証人が︑共に債務の支払につき訴えられるとぎなども︑これに入るとしていた︒けだし︑﹁論理的意味に ︵四︶ おいて合一な関係を︑同一訴訟において肯定し︑かつ否定することはできない﹂と考えたからである︒しかし︑連帯 ︵五︶. 債務者の一人が︑連帯債務者の資格を拒否したときなどは︑合一に裁判する必要がなくなるから︑この場合は︑同様. にして必要的共同訴訟ではなくなるとしていた︒要するに合一確定とは︑裁判が各共同訴訟人に対し論理的に合一に. なされることであるとされ︑従って︑現在では通常の共同訴訟とされている多くのものが︑この範疇に入るものとさ. 二三九︵二三九︶. 当時の判例の考え方であるod濤呂号ω幻色魯詔巽8ゲa<oB器・U9・冨080旨o犀8ω露實帯ΦN畦野鼠暮o旨P閃α窃. れていた︒かくして︑必要的共同訴訟とされるものの範囲は︑著しく広いものとなつていた︒ ︵四︶. oO cω●鵠O︒ 山o暮●菊8窪ρ冒げ茜p昌αq卜蝉一c ov ωo鶴融R訴騨鎖●O.ω●QoO・. 必要的共同訴訟における合一確定. ヘルウィック学説. ︵置︶. 二.

(18) 論. 説︵中村英︶. 二四〇︵二四〇︶. 訴訟についての裁判が︑共同訴訟人. ドイツ普通法時代の訴訟団体の系統をひく巽8冥δ℃一﹂獣ω8霧︒. ドイッ民事訴訟法第五九条︵現六二条︶の解釈として︑必要的共同訴訟は︑① につき論理的に合一確定の必要のある場合︑②. ︵共同訴訟存在の抗弁︶の認められる場合に成立するというのが︑草案理由書以来︑学説判例の一般に認めるところで. あつた︒これは当時の人にとって至極当然のことと考えられ︑これについて疑をさしはさむ者はいなかつた︒しか. し︑このように解すると︑五九条の適用される必要的共同訴訟の範囲が著じるしく拡大することになる︒民事訴訟法. は︑ドイッ普通法以来︑単独訴訟をその基本型と考えるものであり︑必要的共同訴訟の類型は︑元来その例外をなす. ものであつた︒しかし︑第五九条をめぐる以上のような解釈をもつてすれば︑殆んどすべての訴訟は必要的共同訴訟. ということになる︒判例は︑数人の連帯債務者に債務の支払を求めるとぎ︑また︑主債務者と保証人に債務の支払を. 求めるとぎなども︑五九条前段に該当するとしているが︑それでは︑連帯債務につき各債務者を独立に取扱い︑ま. た︑主たる債務と保証債務とを別個のものと規定する民法の規定とも矛盾することになり︑実務的にも行い難いこと. になる︒そのため︑判例も︑如何なる場合に五九条︵一九〇〇年の改正後の六二条︶を適用して︑それを必要的共同訴. 訟となし︑また︑如何なる場合には︑その適用がないものとするのかについて確たる見解を示さず︑動揺していた︒ ︵一︶ このような事態に疑問をもち︑これに正面から反対したのはヘルウィヅクであった︒ヘルウィックは︑法文が︑必要. 共同. ︵鋤島Φ日①営ωo㌣. 的共同訴訟の要件として︑① 争いにかかる法律関係がすべての共同訴訟人に対し合一に確定すべぎ場合︑②. 訴訟がその他の理由により必要であるとき︑としており︑後段において︑﹁その他の理由により﹂. ω膏窪O毎乱︶という辞句を用いているところから︑前段の︑法律関係が合一確定することを要するため共同訴訟と.

(19) ︵二︶. なる場合も︑また︑共同の訴訟を必要とする場合でなければならず︑個々の訴訟の許される場合には︑六二条︵旧五. 頃巴一名蒔. いo浮ぴqoゲユ窃αΦ葺9§註首3N霧曽8耳ω︐ゆ阜も ゆ︶おO沖ψミωめOの吋器旨ρω鴇$きα窃儀Φ暮膠N写臨質o誘器−. 九条︶の適用はないものと説いた︒ ︵一︶. o﹃. お8℃ω●&Qo. おo窪即↓色一ど一箪鯉ψGQ&いヘルウィック以前において同趣旨の主張がなかつたわけではない︵たとえばのoびヨ錠ρいoげ号. oO d群一 αΦω号薄.Ω<一一賓oNΦω霞Φ9鼻一c oOω︒o Q 刈O遇≦o粧露弩Pい魯吾仁9αΦω号葺︒N一く臨冥ONoのωお畠鼻b. リー民事訴訟法は︑同一趣旨の規定をおいていた︵同一四条︶Qしかし︑ドイツにおいて︑精緻な論理をもつてこの立揚を. Omqb㌣聾血PUδ§≦な8認器o疑pq旨磯︷欝α霧αΦ葺︐菊Φ8F切9どおO伊ψ冨⑳いなど︶Qことに一八九五年のオースト. 決定的なものとしたのは︑ヘルウィヅクだというべきであるo ︵二︶ 頃o一一惹堕鋤●鉾ρピΦξぴ︒ω︒一刈もo一ω誘9ヨ博ω●もo&︒. このように解する場合︑いかなるものが必要的共同訴訟となるかが問題であるが︑ヘルウィックは︑これについ. て︑まずその出発点として︑それが争いの対象となつている法律関係の種類︑および共同訴訟人のその法律関係に対. する関係によつて決められ︑訴訟において当事者が如何なる攻撃防禦の方法を提出するかによつて左右されるもので. ないことを強調し︑結局共同訴訟人の一人と相手方との間でなされた判決の効力が︑ドイッ民事訴訟法第三二五条の. 規定にもかかわらず︑他の共同訴訟人につき既判力をもつという場合︑すなわち第二の共同訴訟人が第一の共同訴訟 ︵三︶. 人と相手方との問の訴訟に︑共同訴訟的従参加のでぎる場合︑その共同訴訟人間に必要的共同訴訟の関係があるとし. ている︒その例として︑民事訴訟法第三二七条の適用される場合の遺言執行者と相続人︑一方についてなされた判決. 二四一︵二四一︶. の既判力が他にもおよぶという関係にある場合の夫と妻︑民事訴訟法第八五六条の場合の複数の差押債権者︑指名され 必要的共同−訴訟における合一確定.

(20) 瞼. 説︵中村英︶. 二四二︵二四二︶. た原権利者と訴えをうけた占有者︵ただし︑占有者が訴訟から脱退しないとぎ︶︑ある事項につぎ確認の訴をうけた場合の ︵四︶. 先位相続人と後位相続人などがそれであるとしている︒これらの場合は︑各別に訴を提起することもでぎる︒しか. し︑互に判決の既判力がおよぶ関係にあるから︑たとえば相続人自身は訴訟に勝つたが︑遺言執行者は訴訟に敗ける. というような矛盾した判決のなされることは許されず︑従つて審理も一様に進めなけれぼならない︒この意味で︑共. 同訴訟が必要となるから︑前記の如き場合には︑第六二条︵旧五九条︶前段の合一に確定すべき場合の中に入れてもよ. いというのである︒この考え方は︑その後のドイッの学説を支配し︑通説ともいうべき地位を獲得した︒ ︵三︶穿=註αQる●騨O●ピ①浮び︒ω.嵩9琢ω8βω●o︒群O.. =o一罫茜勲勲ρω湯8βω●ω&い. 一九三一年 草 案 の 見 解. ︵四︶. 三. その後の学説判例は︑ヘルゥィックの説くところに従つた︒すなわち︑民事訴訟法第六二条︵旧五九条︶により必要. 的共同訴訟となるのは︑判決が各共同訴訟人につぎ法律上合一に確定すべき場合であるとした︒しかし︑この考え方. によると︑たとえば数人の連帯債務者に対する債務の支払を求める訴においては︑連帯債務者間に六二条の適用はな. いことになる︒従って︑債権者の各債務者に対する訴は個々別々に審理されることになり︑その結果︑一入の債務者. については連帯債務の成立を認め︑他の債務者についてはその成立を否定するという結果の生じてくる場合もありう. る︒このように︑同一の連帯債務を一方に対しては肯定し︑他方に対しては否定するということは決して正しいこと.

(21) ではない︒しかし︑この場合を六二条に該当しないとする限り︑この問題の解決は裁判長の強力な訴訟指揮権の発動. をまつよりほかないものとなる︒このような事態に対処して︑民事訴訟法第六二条の意味を明確にするとともに︑論. 理的合一確定の必要のある場合にも︑第六二条を適用すべしとの見解が説かれることとなり︑一九三一年のドイッ民. 第六五条. すべての共同訴訟人が共同してのみ訴え︑または訴えられることをうる場. 事訴訟法改正草案においては左の如き条文が作成された︒ ドイツ民事訴訟法草案︵一九三一年︶. 合︑または︑争いにかかる法律関係がすべての共同訴訟人に対して合一的にのみ確定することを得るときは︑共同訴訟を必. 要とする︒案件の状況上︑共同訴訟人に対する矛盾した裁判が不合理となるおそれのある場合も︑また前段に同じとする︒. すなわち︑論理的合一確定の必要ある場合も必要的共同訴訟と同じく取扱うことを明定したのである︒ ︵一︶. 右の草案には︑いくつかの問題があり︑またナチスが政権を獲得したこととも関連して遂に成案となるに至らなか. つたが︑この条文についても︑多くの学者から批判が加えられた︒批判の主たるものは︑かつてヘルウィックが︑草. 案理由書以来の当時の通説的見解を批判したそれと本質的に変らないが︑要するに︑必要的共同訴訟は︑すべての共. 同訴訟人に対し︑法律上合一にのみ裁判すべぎ場合だけに認められるのであつて︑それは︑共同訴訟人の訴訟におけ. る訴訟物が同一である場合にのみ認められるというのである︒草案の理由書は︑その適用されるべぎ例として︑共同. して契約をした二人の者に対し︑その契約の履行を請求するという例をあげているが︑この場合の訴訟物は︑二つ別. 個であつて︑それは同じでない︒この場合は︑二人に対する異つた債務が︑審理判決の対象となっているのであ. 二四三︵二四三︶. り︑また︑各人はそれぞれ独自の異議を申し立てることができる︒連帯債務にかんする民法第四二七条︑第四二五条 必要的共同訴訟における合一確定.

(22) 論. 説︵中村英︶. 二四四︵二四四︶. 二項の規定からもそういうことになる︒なるほど︑この例では︑債務契約の成立については両者に対し共通であるか. ら︑この限りで必要的共同訴訟ということも考えられないわけではない︒しかし︑訴訟資料の一部については必要的 ︵二︶. 共同訴訟となり︑他の部分についてはそれが成立しないということは︑ついには六二条の適用について矛盾を生じる ことになるというのである︒. ︵一︶ 特に勾oω窪び窪寧N偉号β国暮霜Ω鼠①一づRN三一鷺o器器o置βq昌ひq︾N︒押型切9㎝Sお器℃ω●冨竃●司法資料に邦訳がある. ︵同二七四号︶o. 一方が欠席した揚合︑六二条の準用はなく︑欠席判決をしてもよ. すなわち︑契約成立の間題にかんしては︑必要的共同訴訟になるけれども︑訴求されている給付義務については︑必要. ふりだしの六二条の基本的な考え方と矛眉することになるというのである. 的共同訴訟ではないということになるQその揚合には︑. ︵二︶. 鎚.四・ρω・鱒器●︶o. い︑ということになろう︒しかし︑それでは︑ ︵閃oω9びo茜. 民事訴訟法第六二条前段の規定する﹁争いある法律関係がすべての共同訴訟人に対し合一にのみ確定すべき揚合﹂. を︑ヘルウィックの説くように︑法律的合一確定と解するならば︑右の草案の試みは︑異質のものを六二条にもち込 むものであって︑そこに矛盾をきたすのは当然である︒. 以後の学説は︑六二条の解釈について︑大体ヘルウィックの見解に従い︑連帯債務︑その他︑共向訴訟人間に論理 ︵三︶. 的合一確定を必要とする易合については︑新たな規整を要望しながら︑現在のところ︑裁判長の釈明権の行使にゆだ ねているのが現状である︒.

(23) ︵三︶たとえば.ω邑巳8串留ま爵ρぎB幕馨胃N貫Nマρ辱︾島﹂潟ω堕㎝貧員容器呂︒螢冨日ぴ8げ号ω象暮●. 合一確定. 概念の変遷. §≦首ぎ器器括O洋即O︾q空甘お①どψ&OQ楚■Φロ¢冨仁R艮堕N貯き属O器ω輿9び計おOどψN8断︒などQ. 四 日本民事訴訟法の下における 晒 訴訟法草案における見解. 日本は︑はじめフランス法を模範とした訴訟法の編纂を意図したが︑それは成案とならず︑その後︑ドイッ民事訴. 訟法にならつた民事訴訟法典の編纂を急ぎ︑明治一九年︵一八八六年︶にはいわゆるテヒョー草案が公表された︒この. 草案は︑いわばドイッ民事訴訟法の模写ともいうべきものであつて︑必要的共同訴訟についても︑ドイッ民事訴訟法. すべての権利者が訴をなさず︑または︑すべての義務者が訴をうけないため︑被告が訴の却下. が︑本来の妨訴抗弁のかたちで規定されているのが特徴的である︒関係の規定はつ. の規定を殆んどそのままうけついでいる︒ただその第六四条に︑ドイッ民事訴訟法が採用しなかつた震8冥ご覧・ 一崔ω8霧9︵共同訴訟存在の抗弁︶. 第六四条. ︵一︶ ぎの通りであつた︵独文よりの翻訳︶︒. 目本民事訴訟法草案. を求めうる場合︵必要的共同訴訟︶にっいては︑民法の定めるところによる︒. ﹁共. 第六六条 争いにかかる法律関係が︑その性質上︑すべての共同訴訟人に対し合一にのみ確定しうるとき︑また共同訴訟が必要. 二四五︵二四五︶. 当時︑訴訟法草案として︑和文で公表された草案は︑ テヒヨーの原意を正しく伝えていないoたとえば︑第六六条は. であるとき︵第六四条︶は︑前条の規定を適用しない︵以下省略︶︒ ︵一︶. 必要的共同訴訟における合一確定.

(24) 諭. 説︵中村英︶. 二四六︵二四六︶. 同訴訟人合一スルニ非サレハ権利上の関係ヲ確定スルコト能ハサル時又ハ其他ノ理由二因リ共同ヲ必要トスル時ハ前条ノ規 則ヲ適用セス﹂としていたQ. テヒョー草案は︑要するにドイッ民事訴訟法と同じく︑①争いにかかる法律関係が︑すべての共同訴訟人につき. 合一にのみ確定すべぎ場合︑ならびに︑②第六四条の規定により共同訴訟を必要とする場合︑すなわち︑ドイッ法. において震8冥ご覧﹂註零89の許された場合︵群困脚賠蝿鰭嫡購諏脚巴扮蝪姶︶が︑現在いわゆる必要的共同訴訟になると. した︒しかし︑第二にあげられた︑ゲルマン法の訴訟団体の系統をひく共同訴訟の場合にも︑結局共同訴訟人全員に. つき合一の裁判をしなければならないことになるから︑第二の要件は不要と考えたのであろう︒翌々年︵朔飴にを韓.︶法 ︵二︶. 典調査会の審議の対象とされた草案には︑すでにこの第二の要件は削られていた︒また第六四条の共同訴訟存在の抗. 弁も︑それが訴訟の進行を妨げる妨訴抗弁でなく︑本案の裁判にかんする実体的訴訟遂行権をめぐるものであること が︑審議の過程において明らかとなつたものの如く︑この規定も後に除かれた︒. テヒヨー草案が出された翌年︑明治二〇年︵一八八七年︶モセイ︵蜜o器2︶が政府に報告した草案では︑第一の要件の. 旧民事訴訟法時代の学説.判例. ︵第五〇条第一項︶︒これが︑ほとんどそのまま旧民事訴訟法の規定になつている︒. 争訴二係ル権利関係ガ総テノ共同争訟人二対シテ不可分ニノミ確定セラルルコトヲ得ヘキトキニ限り左ノ規定ヲ適用ス﹂. みをあげ︑第二の要件を掲げていない︒調査会で審議された草案では︑つぎのように規定されていた︒すなわち﹁然レトモ. ︵二︶. 二.

(25) 以上のような経過を経た後︑明治三三年︵一八九〇年︶に公布されたいわゆる旧民事訴訟法では︑必要的共同訴訟の. 第五〇条. 然レトモ総テノ共同訴訟人二対シ訴訟二係ル権利関係力合繍ニノミ確定ス可キトキニ限リ左ノ規定ヲ. 要件はつぎのように規定されることになつた︒ 旧民事訴訟法 適用ス︵第二項以下省略︶. 旧民事訴訟法は︑必要的共同訴訟の要件をドイッ民事訴訟法と異なり︑ゲルマン法の訴訟団体の系統をひく共同訴. 訟︵固有必要的共同訴訟︶と訴訟物の不可分を契機として成立した共同訴訟︵類似必要的共同訴訟︶の両者に区別せず︑. q訴訟二係ル権利関係力合一ニノ︑・・確定ス可キ﹂場合として︑一本に規定した︒ところで固有必要的共同訴訟と類似. 必要的共同訴訟の相違点は︑共同訴訟人たるべき者全部を当事者として訴を提起しなければならないか︑それとも︑︑. その一部の者でも訴訟をなすことがでぎるかという︑主として理論的な面にかんするものであつて︑訴訟が開始した. 後においてその手続を異にするものではない︒学説の一部には︑旧法施行当時︑すでにドイッ民事訴訟法学説の影響 ︵一︶. をうけて︑第五〇条の規定する必要的共同訴訟中に︑固有必要的共同訴訟と︑類似必要的共同訴訟の両者を含むこと. を説いたものもあるが︑多くの学説︑解説書︑判例は︑初期においては︑この両者の区別を明確に認識せず︑第五〇. 条の定める共同訴訟を︑第四九条の定める通常の共同訴訟に対し︑訴訟物が合一に確定すべき特別の共同訴訟とい. う︑一つの範疇でとらえていた︒しかも当時の意識としては︑それは︑権利もしくは法律関係に関係する者すべてが︑. 二四七︵二四七︶. たとえば︑高木豊三︒民事訴訟法論綱第二巻︵明治二八年︶四二九頁以下︑必要的共同訴訟に︑実体上共同の必要あるも. 当事者として参加しなければならない︑固有必要的共同訴訟の意味において考えられていたということができる︒ ︵一︶. 必要的共同訴訟における合一確定.

(26) 論. 説︵中村英︶. 二四八︵二四八︶. のと形式上共同の必要あるものとの二種があるとし︑前者の例としては︑共有者のなす訴︑後者の例としては︑検事より夫 婦を相手とする婚姻無効の訴があるとしている︒. ところで初期の学説判例が﹁権利関係力合一ニノ︑・・確定ス可キトキ﹂としていたのは︑相当広範囲にわたつてお. り︑第三者の提起する婚姻︑縁組︑隠居の無効もしくは取消の訴など︑その後の学説・判例の変遷にもかかわらず︑. つねに必要的共同訴訟︑ことに固有必要的共同訴訟とされるもののほか︑共有関係の訴訟︑たとえば︑共有権の確認 ︵二︶. を求める訴︑不動産の共有名義人に所有権移転登記を求める訴︑共有者に共有物の引渡しを求める訴︑その他︑不可. 分債務の履行を求める訴など︑いずれも必.要的共同訴訟とされていた︒要するにこの当時においては︑数人につき権. 利関係が広い意味で合︸に確定すべきときは︑それを︑各共同訴訟人独立を建前とする通常の共同訴訟とは違つた特. 学説の中には︑連帯債務の場合も︑数人につき権利関係が合一に確定すべき場合に入るとしていたものもあつたが︵たと. 別の共同訴訟︑すなわち必要的共同訴訟と考えたのである︒ ︵二︶. えば江木衷・民事訴訟法原論︿明治二六年﹀二六三頁︶︑通説はこれに反対し︑判例も︑当初より連帯債務は権利関係の合. 輔に確定すべき場合に当らないとしていた︵明治二九年四月四目大民判棄却例集二輯七六頁︶︒. このように︑学説・判例は︑その初期において︑相当広範囲のものを必要的共同訴訟︑しかも実質的には固有必要. 的共同訴訟と考えたのであるが︑学説は︑その後ドイッの訴訟法学説の影響をうけて︑必要的共同訴訟の中に固有必. 要的共同訴訟と類似必要的共同訴訟の区別のあることを認め︑判例もまた︑必要的共同訴訟をすべて固有必要的共同.

(27) 訴訟の意味において扱うことの生硬さ︑すなわち全員が揃わなければ訴訟を遂行できないという不便さを避け︑学説. にならい︑必要的共同訴訟に︑共同訴訟人全員が揃わなければ訴が不適法となる共同訴訟︵固有必要的共同訴訟︶と︑全. 員を当事者とする必要はないが︑一旦数人か共同訴訟人となつたときは︑その数人につぎ合一の判決をしなけれぱなら ︵三︶ ない共同訴訟︵類似必要的共同訴訟︶とがあることを次第に認識するに至つた︒大正期に入るとこの趣旨の判例が現わ. れている︒このようにして固有必要的共同訴訟と類似必要的共同訴訟の概念が認められるようになると︑その後の学. 説判例は︑この点もドイッ法の影響をうけて︑固有必要的共同訴訟は︑訴訟を遂行するには全員が当事者となる必要. があるか否かという面から考察し︑﹁権利関係ノ合一確定﹂は︑もつばら類似必要的共同訴訟の限界を画するものと. たとえば︑大正二年四月二四日大民一判決民録一九輯二六九頁︑大正八年コ一月二六日大民一判決民録二五輯二四二四頁︒. して論ずるようになつている︒ ︵三︶. 学説・判例は︑以上のように必要的共同訴訟に︑固有必要的共同訴訟の類型と類似必要的共同訴訟の類型のあるこ. とを認め︑共同訴訟人全員が揃わなければ︑訴を不適法とされる種類の必要的共同訴訟を︑極く限定して考えるよう. になったが︑また他方︑ドイッにおける︑訴訟物の含一確定をめ・.\るヘルウィック流の学説が紹介されるにおよん. で︑学説の中には︑必要的共同訴訟の要件たる﹁訴訟二係ル権利関係力合︸ニノ︑・・確定ス可キ﹂場合を限定して考え. る見解が説かれるに至つた︒この見解によれば︑民事訴訟法第五〇条が﹁合一ニノ︑・・確定ス可キ﹂とぎとしているの. 二四九︵二四九︶. は︑ある法律関係につき︑共同訴訟人の一人に対してなした判決が︑法律の規定により他の共同訴訟人にその効力を 必要的共同訴訟における合一確定.

(28) 論. 説︵中村英︶. 二五〇︵二五〇︶. およぽすため︑その法律関係が︑すべての共同訴訟人に対して︑法律上同一に帰著する場合である︒これを通常の共. 同訴訟と区別して扱うのは︑判決の抵触を避けるためであり︑逆にいえば︑判決の効力が当事者間のみに生じ︑判決 ︵四︶. の抵触をきたさない訴訟においては︑たとえぽそれが共同者につぎ論理上合一に確定すべぎ場合であつても︑第五〇. 条のいう﹁合一二確定ス可キ﹂場合に入らないとした︒この考え方は︑明治末期になると次第に有力に主張され︑大 ︵五︶. 正期においては︑ヘルウィック学説の滲透とともに有力な学者のこぞつて支持するところとなり︑学説の大勢は全面. ︵四︶. たとえば︑維本朗造・判例批評録一巻︵大正六年︶七六頁︒山田正三・民事訴訟法第二巻︵大正一一年︶四五五頁など︒. たとえば︑仁井田益太郎・民事訴訟法︵第一編︶︵明治三六年︶七一頁︒. 的にこの考え方 に 移 行 し て い る ︒. ︵五︶. 以上の見解は︑判決の既判力のおよぶ範囲において必要的共同訴訟を考えようというのであるが︑既判力がどの範. 囲でおよぶかという問題を契機として︑一方においては︑訴訟物たる実体法上の権利義務が︑当時の民法学の興隆と. 相まつて新たな角度から検討された︒その結果︑たとえば︑共有の法律関係については︑共有者全員にかんする全体. 的なものと︑共有者個人の部分的なものとがあることが認められ︑従来共有権確認の訴と称されていたものの中に. は︑数人が共同して有する一つの所有権の確認を求める訴と︑各共有者が︑共有物の全部につぎ他の共有者の権利に ︵六︶ より制約をうける範囲で有する権利︑すなわち持分権の確認を求める訴があることが明らかにされた︒判決の既判力. により必要酌共同訴訟の範囲を決めようとする見解に従えば︑訴が前者のときは︑それに対する判決の概判力は全員.

(29) におよびその訴訟は必要的共同訴訟となる︒しかし︑後者であれぱ︑その判決の既判力は当事者に限られ︑従つて︑. 大正二二年五月一九目大民二判決民集三巻二=二頁︒. 単独で訴訟することもできるし︑また共同で訴訟した場合も通常の共同訴訟ということになる︒ ︵六︶. 大正期の判例は︑後者︑すなわち共有者個人のもつ持分権︑共有者が全体のため単独で行使できる保存行為に注目. し︑これを拡張解釈することによつて︑従来必要的共同訴訟とされた共有関係訴訟のある種のものを︑通常共同訴訟 ︵七︶. ︵八︶. と解することになつた︒たとえば︑共有権の確認の訴は︑実質的には持分権の確認の訴であつて︑共有者各自が単独. ︵九︶. で起せるものとし︑また共有物に対する妨害排除の訴は︑保存行為に属し︑単独で訴を提起できる︑などとしてい ︵一〇︶. ︵一一︶. る︒一方︑学説に従い︑﹁権利関係力合一ニノ︑・・確定ス可キ﹂場合を判決の既判力のおよぶ範囲において考えようと. する趣旨の判例もあらわれている︒しかし︑それはまだ徹底したものではない︒大正期における判例の一般的な態度. は︑それを合一確定の場合に入れながら︑なおそれに限定することなく︑﹁係争権利関係力其性質上各共同訴訟人二 ︵一二︶. 対シ同一趣旨ノ判決ヲ為スニ非サレハ訴訟ノ目的ヲ達スルコトヲ得サル場合﹂をも包含して考えていたといつてよ ︵=一一︶. い︒かくして︑たとえぱ贈与の取消を原因として︑贈与者が受贈者および転得者に対し︑贈与契約の無効︑および贈. 二五一︵二五一︶. 与者の所有権確認を求める訴は︑必要的共同訴訟であるとし︑また共同債権が可分であつても︑廣権者数人が︑共同 ︵一四︶ 原告として債務の履行を求める訴を提起した場合は︑必要的共同訴訟であるとする判例もあらわれている︒. 大正一〇年七月一八日大民二判決民録二七輯一三九八頁︒. ︵七︶ 大正一三五月一九日大民二判決民集三巻一二三頁︒. ︵八︶. 必要的共同訴訟における合一確定.

(30) 論. 説︵中村英︶. 二五二︵二五二︶. ︵九︶ そのほか︑たとえば︑共有不動産にかんする不法登記抹消請求の訴は各共有者が単独で起せるとし︵大正八年四月二日大. 民三判決民録二五輯六一五頁︶︑また︑共有物の買受人が︑その引渡を求める訴訟は︑必要的共同訴訟ではない︵大正一二. 年二月二三目大民一判決民集二巻二一二頁︶︑あるいは︑数人ボ共同して有する権利について︑第三者が不当に権利または. 法律関係を主張する場合︑共同権利者が︑その第三者に権利または法律関係の不存在の確認を求める訴は︑通常の共同訴訟. 大正三年二月一六日大民二判決︵民録二〇輯七八頁︶は︑共有持分権の確認およびその登記を求める訴につぎ︑右の訴. 法である︵大正一五年六月一日大民二判決新聞二五六〇号五頁︶というような判例があるQ ︵一〇︶. に対する﹁判決ハ単二本訴当事者間ニノミ其効カヲ有スルニ止マリ本訴二干与セサル他ノ共有者二対シテハ何等ノ確定カヲ. 有スヘキモノニ非ス随テ本訴二干与セサル他ノ共有者ト本訴当事者トノ問二於テ権利関係力合一二確定セラルヘキモノト云. この時代においては︑判決の既判力が第三者におよぶ揚合︑なぜその範囲のものを必要的共同訴訟とするかという論理. フヲ得スレとしている︒. ︵一一︶. は︑まだ正当に理解されていなかつたようである︒大審院判例中に︑原審が︑当事者とならない他の共有者に︑判決の効力が. およばないことを理由として︑各共有者がその共有権の確認およびその登記を求めるには︑他の共有者と共同原告となり︑. または他の共有者全員を被告とするを要しないとしたのに対し︑その結論を正当と認めながら︑なおその理由につき︑﹁判. 決ノ効カカ当事者トナラサル共有者ニモ及フトスレハ寧ロ之ヲ当事者二加フルノ必要存セサルヲ以テ其論理ハ妥当ナラサル モノ﹂としたものもある︵大正六年二月二八日大民三判決民録二三輯三三一頁︶︒. 大正二年三月三日大民二判決民録一九輯一一九頁Q. ︵一二×二二︶ 大正八年六月三日大民一判決民録二五輯九五九頁o ︵一四︶.

(31) 三 現行民事訴訟法における学説・判例. 大正一五年の民事訴訟法改正に際し︑必要的共同訴訟についての従来の規定は﹁訴訟ノ目的力共同訴訟人ノ全員二. 付合一ニノミ確定スヘキ場含︵後略︶﹂︵六二条︶と改められた︒しかしこれは単なる表現の変更にとどまり︑実質的変. 更を件わない︒この新らしい規定の下においても︑学説は旧民事訴訟法の下における学説発展の延長線上において︑ま ︵叫︶. ︵二︶. た︑ドイツ民事訴訟法学説の大勢と一致して︑訴訟の目的の合一確定とは︑判決の合一確定のことであり︑共同訴訟. ︵三︶. 人の一人のうけた判決の既判力が他におよぶ関係がある場合であると説ぎ︑それが通説として定著するに至つた︒判. 例も︑新法が施行された当初においては︑まだそこまで踏み切るに至つていないが︑昭和八年の大審院判決のあたり. を境として︑ほぼ学説と同一の見解に組みし︑判決の既判力が他の者におよぶ関係のある場合のみが︑訴訟物の合哨. に確定すべき必要的共同訴訟であり︑然らざるものは通常の共同訴訟であるとするに至つた︒戦後︑大審院が廃止さ. れ︑新たに最高裁判所が設置されたが︑そこにおける判例もまた同様である︒かくして︑現在では︑学説・判例とも. この理論は民事訴訟法第六二条の定めるところ︑元来︑固有必要的共同訴訟︑類似必要的共同訴訟両者にわたるものであ. に訴訟の目的の合一確定を判決の合一確定と解するに至つている︒ ︵一︶. 昭和八年一〇月コニ日大民五判決民集. 二五三︵二五三︶. 二巻二五〇二頁︑有名な前田直之助判事の部の判決である︒訴訟の目的の合一に. 松岡義正・新民事訴訟法注釈二巻三六二頁︑加藤正治・民事訴訟法︵新法学全集︶コ一八頁などo. たとえば︑細野長良・民事訴訟法要義二巻︵昭和五年︶一二七頁◎. る︒しかし︑ドイツ法学説の影響をうけて︑主として類似必要的共同訴訟の限界を画するものとして論ぜられているo ︵二︶. ︵三︶. 必要的共同訴訟における合一確定.

(32) 論. 説︵中村英︶. 二五四︵二五四︶. 確定すぺき場合とは︑共同訴訟人の扁入に対する判決が︑他の共同訴訟人にも効力をおよぼすぺぎ場合のみであることを︑ 長文をもつて熱心に説明しているo. 訴訟の目的の合一確定をこのように解する場合︑必要的共同訴訟の範囲は極めて限定されたものとなる︒判例にあ ︵四︶. らわれた︑二・三の例をひろつてみても︑たとえば︑債権を目的とする質権を有する者が︑債権者および債務者を共 ︵五︶. ︵六︶. 同被告として︑質権存在確認を求める訴︑不動産の登記名義人および同人から根抵当権設定登記をえた者を共同被告. として所有権の確認を求める訴︑家屋台帳上の共有名義人全員を相手とする建物所有権の確認を求める訴︑など明. 治︑大正期においては︑問題なく︑必要的共同訴訟とされたものが︑いずれも︑判決が合一に確定すべぎ場合でない. との理由で︑必要的共同訴訟にあらざるものとされるに至つた︒ヘルウィヅク以来の︑合一確定を判決の既判力のお. よぶ範囲によつて限定するという見解には正しいものがある︒しかし︑このように解すると︑右にあげたような︑事. 件としては同一であり︑その判決が論理的には︑合一に確定すべき場合でも︑通常の共同訴訟ということになり︑裁. 判所は各共同訴訟人につき別個に審理し︑別個に判決することになる︒そのため︑共同者の間で判決の矛盾を生ずる. という可能性を多分に含み︑法律関係の困乱をまねく一因となつていることは否定できないところである︒. ︵五︶. 昭和三四年七月三目最高二小判民集二二巻八九八頁︒. 昭和三三年一月三〇日最高一小判民集二一巻一〇三頁Q. ︵四︶ 昭和八年一〇月一三日大民五判民集コ一巻二五〇二頁︒. ︵六︶.

(33) 五 総 合一確定. 必要的共同訴訟における合一確定. の概念がどのようにして成立し︑またそれについての解釈︑取扱いが. 二五五︵二五五︶. 事訴訟法の下︑かつては必要的共同訴訟として疑いをもたれなかつた訴︑たとえば数人の不可分債務者に対する訴な. は︑ドイッの民事訴訟法学説および判例の影響の下︑右にあげたと同様な変遷を示している︒かくして︑日・独両民. 日本はドイッ民事訴訟法にならい︑ほぼそれと同様な必要的共同訴訟の規定を設けたが︑そこにおける学説・判例. 然らざる場合は︑通常の共同訴訟が成立するのみであるとした︒. り︑共同者の一人に対する判決の既判力が︑他方におよぶ関係にある場合にのみ︑そこに必要的共同訴訟が成立し︑. 度をとるようになつた︒そして︑ドイッ民事訴訟法第六二条︵旧五九条︶にいう合一確定とは︑判決の合一確定であ. により︑裁判所は︑A当事者に対する判断と︑B当事者に対する判断を異にすることになつてもやむをえないとの態. た︒しかし︑その後の学説の動ぎは︑弁論主義の過度な尊重から︑訴訟物が不可分の場合も︑訴訟当事者の態度如何. 訴訟を共通に遂行する必要から︑これに特殊の法理を適用する必要を生じ︑これが必要的共同訴訟になつたのであつ. 係から︑その後認められることとなつた共同訴訟とは別個のものとして扱われ︑また︑訴訟物が不可分の場合にも︑. その後︑訴の併合が大幅に認められるようになつたが︑ゲルマン固有法の系統をひく訴訟団体は︑当事者間の特殊な関. 共同訴訟は︑まず訴訟団体︵ωR①凝窪8器議︒訂εを中核として︑主観的訴の併合禁止の例外として認められた︒. どのように変遷してきたかを概観してみた︒. 以上︑必要的共同訴訟における. 括.

(34) 論. 説︵中村英︶. 二五六︵二五六︶. どは︑その一人に対する判決の既判力が他におよばないことから︑必要的共同訴訟にあらざるものとされることにな. つた︒この動きは︑必要的共同訴訟の範囲が余りにも拡大したことに対する一つの反動として理解することができ. る︒しかし︑それでは︑必要的共同訴訟の範囲が余りにも狭きに失することとなる︒現在︑必要的共同訴訟とされる. のは︑共同訴訟人が訴訟遂行権を合有する︑ゲルマン固有法の訴訟団体の系統をひくもの︑および十九世紀末︑創設. の訴が新たな訴の類型として認められるにおよんで生じたもの︑すなわち固有必要的共同訴訟が大部分であつて︑そ の他にわずかの例を見出すのみである︒. 必要的共同訴訟は︑はじめゲルマン固有法上の総合体を中核として︑その後︑訴訟物の不可分を契機として︑通常. の共同訴訟とは区別して考えられたものである︒しかし︑訴訟物不可分︑したがつて不可分の審理︑不可分の判決と. いう方向において考えられたそれは︑今や︑訴訟の終結点︑判決を基準とし︑その合一確定の面から考えられるよう ︵一︶. になつた︒訴訟上の問題を判決の面から考察しようという態度は︑シュタイン以降の︑近代ドイッ訴訟法学の一般的傾. 向であり︑わが国の有力説もこれに追随している︒この考え方は一つの正しいものをもつている︒しかし︑訴訟上の. 事項を判決の面からのみ考察しようとするところに︑この態度の批判さるべき点がある︒必要的共同訴訟における合. 一確定を︑判決の面のみからみて︑その合一確定とする見解も︑同様にして︑批判に値する︒訴訟係属の段階におけ. る︑事件の面からの考察もまた必要というべきである︒現在の︑日本およびドイッにおける通説・判例の見解は︑必. 要的共同訴訟が認められた初期の︑素朴な︑しかし実践的には有効な出発点︑すなわち訴訟物が論理的に合一に確定す. べきであり︑したがつて︑共同訴訟人間の審理を共通にするという面を全く背後におしやつてしまうことになつた︒.

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