1 2013年2月2日(土)放送
のんびりゆったり路線バスの旅 「別府 湯けむりにつつまれて」
路線バスにゆられて、のんびりゆったり旅をしよう。 今回の旅の舞台は温泉の湧出量・源泉の数ともに 日本一の大分県。 湯けむり立ちのぼる別府・鉄輪温泉 初めての大分を満喫したのは東京都出身の 俳優 須賀貴匡さんです。 大分駅前からバスに乗り込み、別府から日出、杵築へ。 途中下車して温泉につかり、元気いっぱいの大分の皆さんに 出会う楽しい2日間の旅。ゴールとなった杵築では 時をこえていきいきと輝き続ける城下町と、そこに 暮らす人々の変わらぬ思いに触れます。 旅人:俳優 須賀貴匡 【お問い合わせ情報】 (旅程) 大分駅前バス乗り場を出発、別府湾を眺めながら別府駅前へ。バスを乗り換え鉄輪(かんな わ)温泉に向かい、温泉を楽しむ。1日目は海辺のまち亀川まで移動。 2日目、亀川から再び別府湾沿いに国東(くにさき)半島方面へ。日出(ひじ)で途中下車して 日出町内を走るバスに乗り換え、町境のバス停から杵築市コミュニティバスに乗り継ぎ杵築市 へ。2日間の旅。 【1日目】 ① 大分駅前→別府駅前(大分交通・別府方面行き 鶴高経由) 所要時間 32分 運賃 490円 大分駅前バス乗り場から別府方面行きのバスに乗車。車窓の別府湾の青さにうっとりして いると、前方に雪を頂いた鶴見岳と、その裾野にひろがる別府市街地が見えてきます。2 出発から30分ほどで別府駅前に到着。湯のまち別府、数えきれないほどある温泉の、一体 どれに入ったものやら見当もつかない須賀さんでしたが、時刻表を見ると「鉄輪温泉」行きの バスがひっきりなしにあることを発見。そこで鉄輪温泉に向かおうと決心しますが、バスの 本数が多いので安心して少し駅前を探検してみることに。 看板に誘われてふらりと立ち寄ったのは駅の高架下の商店街「べっぷ駅市場」。 “別府市民の台所”というキャッチフレーズ通り、新鮮な食材を扱うお店がズラリ。 老舗のお惣菜屋さんのおかあさんに鮮魚店のご主人…皆さんのユーモアたっぷりの おしゃべりで、楽しい探検となりました。 “別府市民の台所” 降車ボタンがかわいい! ②別府駅前→市の原(いちのはる) (大分交通・鉄輪温泉行き 鶴高、市役所下経由) 所要時間 19分 運賃 290円 鉄輪温泉行きのバスに乗車。別府市内には370か所をこえる公衆浴場があり、あちこちに 温泉の看板が。もうソワソワの須賀さん、車窓から「共同温泉」の文字を見て最寄りのバス停 「市の原」で途中下車。 懐かしさあふれる建物には確かに「市の原共同温泉」の文字が。湯上がりの地元の方に うかがったところ、この地区にお住まいの方がお金(毎月ひとり1000円)を出し合って維持 管理されているとのこと。そうした組合員以外のお客さんは近所のコンビニエンスストアで 入浴券(200円)を買い、共同温泉の壁のクギにさしておくシステムです。 須賀さんも入浴券を購入、地元の青年(もう30年くらい入って いるとのこと)と共にお湯につからせていただきました。 壁の向こうがバス通りだなんて信じられないような、静かな 別世界でした。資料は残っていないけれど、80年前に地域の 皆さんが解体された鉄輪の温泉(建物や立派な浴槽の石)を この地に運んで来て組み立てた…と伝えられているそうです。 市の原共同温泉 ③ 市の原→鉄輪温泉(大分交通・鉄輪温泉行き) 所要時間 5分 運賃 160円 さてついにバスでやってきたのは、鎌倉時代に開かれたとされる鉄輪温泉。別府の名高い 温泉地「別府八湯」のひとつです。湯けむりが立ちのぼり、湯治客のための貸間(かしま)や 旅館が軒を連ね、石畳に須賀さんの靴音が響きます。
3 店頭の「地獄蒸しセット」の張り紙にひかれて食料品店で尋ねると、お店の裏にある「地獄」に 案内していただけました。それは温泉の噴出する蒸気熱を利用して調理をする釜でした。 地獄蒸しセット(豚まん・卵・さつまいも・とうもろこ しを一度蒸して冷凍したものを、10分ほど蒸して 出来上がり)をいただきました 「これが地獄よ~!」 お店の前のベンチで冬の青空の下、 熱々を頬張る、笑顔の須賀さん。 きりっとした寒さ、白い湯けむり、熱々の豚まん …「最高です!」 「熱いわ!」 鉄輪ではもうひとつ「熱々」を体験。市営「熱(ねつ)の湯」温泉は無料で、須賀さん好みの熱め のお湯(源泉の温度はおよそ80度)が特徴。遠方からもファンの訪れるお湯で、 一日中お客さんの楽しそうな笑い声が響いて賑やかでした。 「ボス!」 「ニャー!」 ④鉄輪→亀川駅(亀の井バス・亀川方面行き) 所要時間 14分 運賃 250円 ※鉄輪温泉へやって来た時のバス停は大分交通の「鉄輪温泉」、そこから徒歩で緩やかな坂の 温泉街をのぼり、亀の井バスのバス停「鉄輪」から次のバスに乗車しました。 国東半島方面へ向かうため、山手の鉄輪から海辺の亀川へ。バスを乗り換えようとして亀川の 駅前でバングラデシュ人の青年ふたりに出会いました。 学生のおよそ半数が世界80の国と地域からやって来た「国際学生」という、立命館アジア 太平洋大学の学生さんでした。 大学の最寄駅がある亀川には多くの学生が暮らしています。“地元”のふたりが須賀さんを 案内してくれたのは亀川商店街の中にある市姫神社・亀の甲広場。「亀川という地名は昔、 この地に現れ朝廷に献上された白い亀に由来している」との伝説にちなみ、狛亀様の甲羅に 祈願幣を投げて運だめしできるとのこと。3人で近所のたばこ屋さんに祈願幣(1枚100円)を 買いに行き、願いをこめて投げました。甲羅の真中に入れば大吉ですが…? 運だめしの結果はともあれ(?)、「いま、そしてこれから頑張る勉強を応援してほしい」 「4月から社会人。未知の世界へのステップがうまくいきますように」というふたりを応援せずに
4 はいられない須賀さんでした。ちなみに須賀さんの願いは身近な方々の健康。 「自分のことじゃないんだー」と若いふたりは流ちょうな日本語で驚いていました。 市姫神社・亀の甲広場 【2日目】 ① 亀川駅前→日出(大分交通・国東行き) 所要時間 12分 運賃 350円 ※1日目、亀川で降車したのは駅の中の「亀川駅」バス停(亀の井バス)。2日目に国東半島方面へ 向かうため乗ったのは駅前の通りにある「亀川駅前」バス停(大分交通)です。 朝、亀川駅前バス停から乗車して国東半島を目指します。ほどなく車窓には朝陽に輝く別府湾 が見えてきます。その美しさにひかれて日出バス停で途中下車。歩いて日出漁港の方へ 行ってみました。釣り糸をたれる地元のお父さんたちと出会い、釣果を拝見。アジの子とメジナ (大分では『ゼンゴ』と『クロ』)が釣れていました。今晩の焼酎の肴だそうです。お父さんたちの 楽しそうな笑顔に、こちらまで楽しい気分に。 須賀さん絵馬を奉納 日出漁港を見守るようにたつ若宮八幡宮 ② 八幡社前→小浜(国東観光・真名井線) 所要時間 21分 運賃200円 日出町から旅のゴール杵築市までは先ほど下車した日出バス停から国道213号線を通る バスに乗れば20分ほどで行けます。でも車窓の風景をゆったり眺めながらのんびり行きたい のがバス旅。そこで2つのバスを乗り継いで行くことにしました。 まず日出の町内を走るバスで杵築市との境の小浜というバス停まで行き、そこで杵築市の コミュニティバスに乗り換えます。 須賀さんが絵馬を奉納した若宮八幡宮(上の画像)、その前に ある八幡社前というバス停から国東観光バスに乗車。しかし 車内で「小浜で降りて、杵築行きのちょうどいいバスがあるか な?本数が少ないよ。降りる時運転手さんに聞いて、もし良い 次のバスが無ければこのバスで日出まで引き返しておいで」と
5 アドバイスしてくださる方が。 運転手さんに尋ねると須賀さんが乗り継ごうとしている杵築市のバスはこの日(火曜日) のみダイヤが違い、遅い時間に来るのではとのこと(火曜日以外の平日は日出町から来る バスと接続)。 一体何時にバスは来るのか?不安なまま小浜で降車、とにかく バスを待ってみることに。 日出町と杵築市の境、小浜バス停にて。うつむき加減の須賀さん… ③ 小浜→法務局前 所要時間 23分 運賃 100円 日出へ折り返す先ほどのバスの運転手さんが小浜のバス停にやってきて須賀さんに杵築行き のバスの時間を教えてくれました。わざわざ電話をかけて時間を聞いてくださったのです。 30分もすれば来ることが判明。須賀さん、ついに国東半島の付け根・ゴールの杵築市へ。 コミュニティバスの終点は「法務局前」。杵築城の近くです。 江戸時代には杵築藩3万2千石の 城下町として栄えた、趣ある街並を 散策してみることに。 杵築大橋を渡るバス 南北の高台に武家屋敷、中央の谷あいに商人の町がある杵築は坂と坂が向かい合う見事な 景観で知られています。 馬や駕籠かきの歩幅に合わせてつくられたと いう勘定場の坂をのぼると北台武家屋敷。 静かなその一角から賑やかな声が聞こえて きました。 勘定場の坂 北台武家屋敷 「かっこいいから一緒に遊ぼう!」 「イケメン!こっちのチームに入って」 「かっこいいー!」 杵築市立杵築幼稚園でした。可愛い子どもたちの元気いっぱいの歓迎を受けた須賀さん、 先生から古いアルバムを見せていただきました。 杵築幼稚園は明治20年に私設幼稚園として開かれ、大正11年からはずっと現在の場所に あるとのこと。着物姿の子どもたちが神妙な表情で並ぶ明治時代の卒園式に、藤棚の下で はりきってバザーをする割烹着姿のお母さんたちの写真。 大正12年につくられたという藤棚は今も園庭にありました。
6 多くの人の思い出がつまった幼稚園をあとに坂をくだって谷あいへ向かう 須賀さん。坂の名前は「酢屋の坂」といい、くだったところには老舗の お味噌屋さんがありました。聞けばお味噌屋さんとしての創業は1900年、 堂々たる店構えは江戸時代末期のものとのこと。 創業以来変わらぬ手作業で仕込んだ味噌は1年間寝かせてから店頭へ。お味見させていただ くと驚くほど香り高く、須賀さんも「おいしい!」とびっくり。 更にお話をうかがうとこちらではお味噌の前はお酢をつくっておられ、だから隣の坂を「酢屋の 坂」というのだと!ずっとここにあるということの凄さ、貴重さを思いました。 15時ごろになると酢屋の坂と向かい合う 志保屋の坂にお母さんたちが集まりはじめ ました。 坂道の城下町・杵築。降園時、杵築幼稚園 の子どもたちが先生に連れられて降りて くるのを、坂の下でお母さんたちが待つの が伝統なのだそうです。 酢屋の坂をおりてくる子どもたち やがて色とりどりの帽子をかぶった子どもたちがお母さんめがけて坂を駆け降りてきました。 我が子の成長を感じるこの光景が大好きだというお母さんたち。きっと、何十年も前のお母さん たちも同じ気持ちであっただろうと思われました。 この坂で、時をこえて人と人の思いがつながっていることに感動しました。 2日間の旅のゴールは杵築城。大分の大地の 恵みに、皆さんの温かさに、いろんなパワーを もらった、と元気いっぱいのいきいきとした笑顔 を見せる須賀さんでした。 (お問い合わせ) 【大分駅前~別府駅前~市の原~鉄輪温泉、亀川駅前→日出 および八幡社前→小浜(国東観光バス)のバスについて】 大分交通 新川(しんかわ)バスセンター 097-534-7455 【鉄輪→亀川駅のバスについて】 亀の井バス 乗合課 0977-25-1668 【小浜→法務局前=杵築市コミュニティバスについて】 杵築市 市長政策課 0978-62-3131 【大分県の観光全般について】 (社)ツーリズムおおいた 0977-26-6250