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薬局におけるインシデント事例の集計・分析結果

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薬局におけるインシデント事例の集計・分析結果

− 調剤事故の防止に向けて −

平成14年4月

日 本 薬 剤 師 会

(2)

はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 事例収集の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 報告件数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 [データ編] インシデント事例に見る調剤ミスの傾向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (1)インシデントレポートの都道府県別の報告件数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (2)インシデント事例の曜日別分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (3)インシデント事例の発生時間帯別分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (4)当該薬剤師の調剤経験年数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (5)当該薬剤師の勤務形態 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (6)調剤ミス等に気づいた時点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (7)調剤ミス等の発見者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (8)調剤ミス等の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (9)調剤ミス等の原因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (10)健康被害の有無 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 [事例編] 1.錠剤・カプセル剤等の計数間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 2.散剤・液剤の計量の間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 3.同じ医薬品の規格の間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 4.他の薬剤を調剤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 5.禁忌・相互作用等の見落とし ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 6.処方せんの記載ミスに気づかず調剤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 7.一包化の間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 8.他薬・異物等の混入 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81 9.調剤漏れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 10.交付漏れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 11.薬袋の入れ間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 89 12.交付相手の間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 13.薬剤情報提供分書・薬袋等の記載ミス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94 14.服薬指導の間違い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102 15.その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107

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[ 参 考] 調剤ミスの防止や改善策等について寄せられた主な意見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111 薬剤師賠償責任保険の報告事例(処方せん調剤によるもの) ・・・・・・・・・・・・・ 117 (平成13年11月1日∼平成14年3月31日) 本会に報告された調剤事故事例 及び 一般紙に報道された調剤事故事例 ・・・ 118 (薬局・薬剤師関連.平成13年11月1日∼平成14年3月31日) 新聞(主として一般紙)に報道された医薬品に関する医療事故事例 ・・・・・・・ 119 (薬局・薬剤師関連以外.平成13年11月1日∼平成14年3月31日) 「アレビアチン細粒からアレビアチン散10%への切り替えに関する 注意とお願い (2002年3月.大日本製薬株式会社)」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 1 調剤事故・インシデントレポート様式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 125

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はじめに

本会では、平成 13 年4月1日より1年間にわたり、会員薬局等で発生した調剤事故と インシデント事例(ヒヤリ・ハット事例)を収集する「インシデントレポート」報告制度 を実施した。 薬剤師が日常業務の中でヒヤリとしたりハッとした事例等を各薬局より報告いただき、 収集した事例を日本薬剤師会で分析の上、会員薬局等にフィードバックすることで、調剤 事故の未然防止につなげること等を目的としたものである。 平成 13 年4月1日からの1年間で、全国の会員薬局の皆様から郵送、ファクシミリ、 e-mail 等(一部の都道府県では都道府県薬剤師会経由)により、18件の事故事例と、4,000 件を超すインシデント事例が報告された。 今回、インシデント事例の原因や傾向を日本薬剤師会において分析したので報告する。 本まとめは、データ編と事例編の二部構成になっている。データ編は、インシデントレポ ートから調剤ミスが発生した状況や背景等をデータとして集計・分析したもので、事例編 は、報告されたレポートを調剤ミスの原因別に分類し、その内容を改善策等ととも紹介し たものである。 会 員 薬 局 に お か れ て は 「 薬 局 ・ 薬 剤 師 の た め の 調 剤 事 故 防 止 マ ニ ュ ア ル ( 日 薬 雑 誌、 」 平 成 13 年4月号付録)や「調剤過誤を防ぐための4つのポイント (日薬雑誌平成」 14 年 1月号)とともにご活用いただき、自薬局においてより有効な改善策を講じていただけれ ば幸いである。

事例収集の経緯

平成13年4月1日 事故事例・インシデント事例の報告制度開始 「薬局・薬剤師のための調剤事故防止マニュアル」を全会員に配付 同 11月1日 厚生労働省の医療安全推進週間(11月25日∼12月1日)に合わせ て11月1ヶ月を「インシデントレポート」収集強化月間に設定 (日薬雑誌11月号、日薬ファックスニュース11月、12月で周知) 同 11月17日 全国医薬分業等対策会議を開催 ( 調剤過誤を防ぐための4つのポイント」を作成・公表)「 平成14年1月1日 日薬雑誌1月号を通じて「調剤事故防止の徹底」を会員に周知

報告件数

表1:報告件数(総数) 合 計 H13.4.1∼11.17 11.18∼ H14.3.31 事故事例(一般紙報道分を含む) 14 4 18 インシデント事例 注 1 317 3727 4044 薬賠責報告(処方薬関連)参 考 ・ 注 2 18 10 28 注1)都道府県薬剤師会独自の報告制度を持っている場合は報告数に含まない。 注2)薬賠責報告(処方薬関連)は、平成13年2月1日∼平成14年3月31日の間に薬剤師賠償責任保険 制度において日薬に報告されたもの (処方せん調剤によるものに限定)。

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インシデント事例にみる調剤ミスの傾向

(1)インシデントレポートの都道府県別の報告件数 ( 表 2 ) 佐賀県より600件超、北海道と福岡県より400件を超すインシデントレポートが報告された。 但し、当然であるが、報告数の大小はインシデント事例の発生数・率の大小を表すものでは ない。 表2:都道府県別報告件数 都道府県 件 数 都道府県 件 数 北海道 472 滋 賀 50 青 森 1 京 都 61 岩 手 13 大 阪 20 宮 城 240 兵 庫 51 秋 田 36 奈 良 8 山 形 42 和歌山 94 福 島 66 鳥 取 5 茨 城 19 島 根 5 栃 木 244 岡 山 2 群 馬 60 広 島 5 埼 玉 17 山 口 46 千 葉 55 徳 島 1 東 京 104 香 川 38 神奈川 94 愛 媛 5 新 潟 19 高 知 116 富 山 125 福 岡 438 石 川 109 佐 賀 641 福 井 29 長 崎 25 山 梨 − 熊 本 140 長 野 30 大 分 189 岐 阜 100 宮 崎 81 静 岡 35 鹿児島 9 愛 知 5 沖 縄 33 三 重 16 不明・未記入 50 計 4,044 (2)インシデント事例の曜日別分類( 表 3 、 図 1 ) インシデント事例の発生日を曜日別に見ると、月曜(18.4%)と火曜(17.7%)が比較的多 く、次いで金曜( 17.0%)、水曜(16.0%)、木曜(15.2%)の順となっている。逆に少なか ったのは、土曜( 8.2%)と日曜(1.0%)であった。 但し、これらの分析結果は、処方せんの枚数自体が多い、開局している薬局数が多い等の 要因を反映していると考えられ、事例の収集を行った日(曜日)の影響も受けていると推測 される。したがって、調剤ミスの多い曜日を反映しているとは言い切れない。

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3 表3:曜日別件数 図1:曜日別件数 曜日 件数 % 日 40 1.0% 月 746 18.4% 火 716 17.7% 水 648 16.0% 木 615 15.2% 金 686 17.0% 土 330 8.2% 不明 263 6.5% 計 4,044 100.0% (3)インシデント事例の発生時間帯別分類( 表 4 、 図 2 ) インシデント事例を発生時間帯別に見ると、午前中の 11時台、10時台が突出して多い。こ れは、処方せん枚数が多く、混雑のため等がその理由として推測される。但し、これらの時 間帯は調剤件数自体が多いことから、調剤ミスの発生率としても高いか否かは不明である。 次いで多いのは12時台で、昼食の交代等により薬剤師数が減り、鑑査が不十分になること、 午前中の疲れがピークを迎え注意力が低下していること、血糖値の低下等が理由として考え られる。また、15時台に多いことも、同様に繁雑期であること等が推察される。 表4:発生時間帯別件数 図2:発生時間帯別件数 時間帯 件数 8 時 34 9 時 230 10 時 563 11 時 747 12 時 320 13 時 200 14 時 181 15 時 228 16 時 188 17 時 192 18 時 105 19 時 42 20 時 12 22 時 4 不 明 998 計 4,044 n=4,044

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(4)当該薬剤師の調剤経験年数( 表 5 、 図 3 ) インシデントを起こした薬剤師の調剤経験年数を見ると、1∼3年の者が多い。これは厚 生労働省が特定機能病院を対象に実施しているインシデントレポート報告制度(医療安全対 策ネットワーク事業)等でも同様の傾向が見られており 、一般的には、新人が事故を起こし やすいと言うことが出来る。但し、母数に当たる「勤務者の経験年数別の数」が不明である ため、発生率としても高いと言い切れるかどうかは不明である。 また、5、10、15、20、30、40年等の区切りのよい数値で報告数が多いのは、およその勤 務年数を報告しているためと考えられる。なお、勤務年数の1年以下の数値については切り 上げで整理した(例:1年8カ月→2年)。 表5:経験年数 図3:経験年数 年数 件数 年数 件数 1 435 24 15 2 326 25 30 3 317 26 4 4 211 27 6 5 338 28 1 6 112 29 5 7 132 30 91 8 94 31 2 9 52 32 4 10 535 33 1 11 37 34 0 12 43 35 4 13 55 36 0 14 23 37 0 15 182 38 2 16 36 39 0 17 15 40 12 18 45 41 0 19 9 42 0 20 279 43 0 21 7 44 0 22 14 45 4 23 13 不明 553 計 4,044 (5)当該薬剤師の勤務形態 ( 表 6 、 図 4 ) インシデントを起こした薬剤師の勤務形態(常勤・非常勤の別)では、常勤が69.5%、非 常勤が7.8%であった。(不明 22.7%) 一見すると「常勤」の方が調剤ミスを多く起こすようであるが、、これも母数に当たる「勤 務薬剤師の常勤・非常勤別の数」が分からないため、発生率として高いかどうかは不明であ る。また、勤務1日目でも「常勤」は常勤であり、一方、長期間パートで勤務している者も いる。したがって、本調査においては、「常勤=ベテラン」「非常勤=新人」と言うことは n=3,491

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5 できない。 表6:勤務形態 図4:勤務形態 勤務形態 件数 % 常勤 2,811 69.5% 非常勤 314 7.8% 不明 919 22.7% 計 4,044 100.0% (6)調剤ミス等に気づいた時点( 表 7 、 図 5 ) 調剤ミス等に気づいた時点としては、「薬剤交付後」(42.5%)と「鑑査時」(34.3%)が多 い。但し、これは「調剤時」(8.3%)に比べ、当該薬剤師の印象に残っているために報告件数 が多いとの見方もできる。「調剤時」や「鑑査時」の場合、結果的には患者に正しい薬剤等 が交付されるため、実際に問題となる事態が発生することが少なく、調剤ミスをした当該薬 剤師にミスという認識が少ないため、報告に至らないことも考えられる。したがって、上述 の数字は「調剤ミスの発見時」の割合を表すものではない。「調剤ミス発見時」を正確に把 握するためには、全てのインシデント事例を報告させる方法で調査を行うことが必要である。 なお、「鑑査時」(34.3%)と「薬剤交付時」(11.9%)に約半数の調剤ミスが発見され、 報告されていることから分かるように、一人薬剤師の場合であっても調剤後は必ず鑑査し、 患者とともに薬剤の確認を行うことが、調剤事故防止の上で極めて重要である。 表7:気づいた時点 図5:気づいた時点 時点 件数 % 調剤時 337 8.3% 鑑査時 1,389 34.3% 薬剤交付時 483 11.9% 薬剤交付後 1,720 42.5% その他 67 1.7% 不明 48 1.2% 計 4,044 100.0%

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(7)調剤ミス等の発見者( 表 8 、 図 6 ) 調剤ミス等の発見者は、「薬剤師」が68.3%を占め、次いで「患者・家族」が25.7%であ った。「その他」は、処方医以外の医師、看護婦、施設の付き添い等である。調剤ミスに気 づいた時点が「調剤時」「鑑査時」の事例では、発 見者は全て「薬剤師」となるため、薬剤 師の比率が高くなるのは当然とも言える。また、発見者が「不明」の報告についても、「薬 剤師」と推測される事例が多かった。 「薬剤交付後」に調剤ミスに気づいた事例(1,720件)について、「調剤ミス等の発見者」 を見てみると、「薬剤師」が39.8%、「患者・家族」が51.6%であった。「患者・家族」が 気づいた事例では、薬剤情報提供文書やお薬手帳、薬剤師の説明等から「薬剤の間違い」に 気づいたケースが多い。このことは、万が一誤った薬剤を交付したとしても、丁寧に服薬指 導を行う等で患者 自身が薬剤の内容を理解していれば、服用前に患者が間違いに気づくこと が可能であることを意味している。また、薬剤師が気がついたものについては、薬剤交付後 薬歴を記入している際に、あるいは次回来局時に気づいたというケースが多かった。 なお、今回の調査では、薬剤師以外の薬局勤務者も「薬剤師」と同じ分類として整理した。 実際、処方せん受付時やレセプト作成時に薬剤師以外の従業員が処方せんのミスや調剤ミス に気づいたとの報告も多い。調剤ミスを防ぐ上では、薬剤師以外の従業員の研修、教育も重 要であることが示唆される。 表8:発見者 図6:発見者 発見者 件数 % 薬剤師 2,762 68.3% 患者・家族 1,040 25.7% 処方医 30 0.7% その他 101 2.5% 不明 111 2.7% 計 4,044 100.0% (8)調剤ミス等の内容( 表 9 、 図 7 ) 調剤ミス等の内容では、「同じ医薬品の規格の間違い」(21.4%)と「錠剤・カプセル剤 の計数の間違い」(21.0%)が多く、次いで「他薬を調剤」( 18.6%)となっている。これ らの合計でインシデント事例全体の約6割を占めているが、これらは不注意や思い込みによ るいわゆるケアレスミスによるものが多い。調剤棚の配置の改善や、薬局内の設備の工夫等 により、大幅に減少することが可能であると思われる。 また、「薬剤情報提供文書・薬袋の記載ミス」(7.6%)が次に多く、この多くがコンピュ ータの入力等に由来するものであった。「散剤・液剤の秤量・計量の間違い」( 5.4%)は患 者に重大な健康被害を与えるケースもあり、細心の注意が必要である。

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7 表9:ミスの内容 ミスの内容 件数 % E1:錠剤・カプセル剤の計数の間違い 850 21.0% E2:散剤・液剤の秤量・計量の間違い 219 5.4% E3:同じ医薬品の規格の間違い 867 21.4% E4:他薬を調剤 753 18.6% E5:禁忌・相互作用の見落とし 49 1.2% E6:処方せんの記載ミスに気付かず調剤 161 4.0% E7:一包化の間違い 150 3.7% E8:他薬・異物等の混入 65 1.6% E9:調剤漏れ 210 5.2% E10:交付漏れ 132 3.3% E11:薬袋の入れ間違い 69 1.7% E12:交付相手の間違い 43 1.1% E13:薬情・薬袋の記載ミス 306 7.6% E14:服薬指導の間違い 28 0.7% E15:その他(無回答含む) 142 3.5% 計 4,044 100.0% 図7:ミスの内容 ミスの内容 件数

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(9)調剤ミス等の原因( 表 1 0 、 図 8 ) 調剤ミス等の原因を複数回答で尋ねたところ、「注意力の不足」(28.6%)、「自己判断 や思い込みによる処理」(21.0%)、「調剤後の鑑査が不十分」(19.1%)、「処方せんの 読み間違い・無理な判読等」(17.3%)の4つが上位を占めた。大部分の調剤ミスはこれら の原因が複合的に混じり合って発生しているものと推測される。 表10:調剤ミス等の原因(複数回答) ミスの原因 件数 % G1:処方せんの読み間違い・無理な判読等 1,009 17.3% G2:処方内容の薬学的確認が不十分 67 1.1% G3:疑義照会の不徹底 127 2.2% G4:調剤後の鑑査が不十分 1,116 19.1% G5:患者の確認・特定が不十分 68 1.2% G6:注意力の不足 1,667 28.6% G7:知識の不足 178 3.0% G8:自己判断や思い込みによる処理 1,228 21.0% G9:薬歴活用・患者情報の収集等が不十分 199 3.4% G10:その他 178 3.0% 計 5,837 100.0% 図8:調剤ミス等の原因 n=5,837

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9 (10)健康被害の有無( 表 1 1 、 図 9 ) インシデントレポートであるため、本来は患者の健康被害はないはずであるが、今回の報 告では、「患者の健康被害あり」が報告全体の1.6%あった。これには、実際には健康被害が 発生していなくても、「患者から体調の不調を訴えられたもの」も含んでいる。 なお、患者の服用前に何らかのきっかけで薬剤師や患者等が調剤ミスに気づき、患者が服 用に至らなかったために健康被害が発生しなかったケースは少なくない。つまり、大事に至 らなかったのは偶々であって、患者が服用していれば重篤な健康被害が生じていたであろう という事例もある。健康被害が発生した頻度が低いからよいということでは決してない。 表11:健康被害 図9:健康被害 健康被害 件数 % あり 65 1.6% なし 3,910 96.7% 不明 69 1.7% 計 4,044 100.0%

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備 考(インシデント事例の分類に当たって)

1.投与日数の間違いについては [E1.錠剤・カプセル剤の計数の間違い]に分類した。、 2 「. 0.5錠」と「1錠」の間違いについても [E1]に分類した。、 3.散剤、外用剤、液剤等の計量間違いは、本来[E2.散剤・錠剤の計量の間違い]であるが、既包装品の ものについては[E1]として分類した。但し、ミスの背景等を勘案し、一部[E2]に含まれている事 例もある。 4.外用薬等を一部調剤漏れしたケース(例えば軟膏2本のところ1本のみ交付)については [E、 10.交付 漏れ]で報告されてきた事例もあったが [E1]として分類した。、 5.賦形に関するものは [E2]に分類した。、 6.剤形の間違い(錠剤と散剤、錠剤と膣剤、錠剤と坐薬、坐薬と軟膏、軟膏と膣剤等)については[E3. 同じ医薬品の規格の誤り]に分類した。 7.医薬品名が同じで接尾語等のあるもの、接尾語等のみ異なるものについては本来[E4.他薬を調剤]で あるが [E3]に分類した。、 8.内容量の異なる外用薬についても [E3]に分類した。、 9.複数メーカーからの併売品(同成分、同用量)については [E4]に分類した。、 .先発品と後発品の間違いについては、名称が異なることから[E4]に分類した。 10 .重複投薬の見落としについては [E5.禁忌、相互作用等の見落とし]に分類した。 11 、 .過量(常用量より過多・過少)の見落としについても [E5]に分類した。 12 、 .相互作用の見落としについては、併用の「禁忌」と「原則禁忌」の事例を中心に掲載し 「併用注意」の 13 、 事例は省略した。 .処方せんの記載ミスを発見し、疑義照会や薬歴の活用等から調剤ミスに発展させずに解決した事例につい 14 ては、今回は[E6.処方せんの記載ミスに気づかず調剤]に分類した。 .散剤、顆粒剤の分包ミスは [E7.一包化の間違い]ではなく、原則として[E2]に分類した。 15 、 .一包化において、錠剤1種類を入れ忘れたような事例については [E9.調剤漏れ]ではなく[E2] 16 、 として分類した。 .処方せん上の医師の指示の見落としのうち 「一包化」については[E7]に分類した。同様に 「脱カプ 17 、 、 セル」や「錠剤の粉砕」の指示の見落としについても[E7]に分類した。 「調剤漏れ」の上 「交付漏れ」をした事例については [E9.調剤漏れ]に含めた。 18 . 、 、 「調剤漏れ」とは逆に、不要な薬剤を調剤してしまった事例についても[E9]に分類した。 19 . .薬包紙への印字ミス、シロップ瓶の目盛りの打ち間違いについても [E .薬剤情報提供文書・薬袋の 20 、 13 記載ミス]に分類した。 .使用期限切れの薬剤の調剤、交付については [E .その他]に分類した。 21 、 15 .一部負担金の計算間違い等については、医療事故の観点のミスではないためインシデント事例として採用 22 しなかった。 .同様に、薬剤師の対応等に関するトラブルは、インシデント事例として採用しなかった。 23

用語について

本文中の「調剤ミス 「調剤過誤 「調剤事故」の用語については 「薬局・薬剤師のための調剤事故防止マニ」 」 、 ュアル (平成」 13年4月)に準拠した (同マニュアル2頁参照)。

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§1.錠剤・カプセル剤等の計数間違い

〈 総 論 〉 錠剤・カプセル剤等の計数間違いは、調剤ミスの中で2番目に報告が多く、比較的 起こしやすい調剤ミスである。 その内容については、①処方日数の見間違いや勘違いによるもの、②1日量や1回 量の間違い、③調剤棚から取り出す際の単純なミス(1錠不足等 、④1シートの錠) 数の勘違いによるもの、⑤散剤等の既包装品の1包当たりの容量の勘違いによるもの などが多く、特に「処方日数の勘違いによるもの」が最も多い。 計数間違いは、健康被害が生じることは比較的少ないが、薬袋や薬剤情報提供文書 等とともに間違うと、患者が本来の服用量の半分しか服用しないということもあり、 期待した薬剤の効果を得られなかったという事例も報告されている。 なお、処方中の「1錠/分2」を見落とし、半錠と1錠を間違ったケースも多く報 告されている。 (1)処方日数の見間違い、勘違い 【 事 例 1 】 レ ン ド ル ミ ン 1 T / 分 1 × 就 寝 前 ・ 7 日 分 の 処 方 に 対 し 、14 日分を調剤。当 該患者は反復して14日処方であったことが原因 (同様事例多数)。 【事例2】バファリン330mg錠3T/分3×10日分の処方に対し、3日分を調剤。 【事例3】クラビット3T/分3×4日分の処方に対し、5日分を調剤。 【事例4】エンシュアリキッド 14本の処方に対して 28本を調剤し、そのまま交付。 〈 解 説 〉 これらは日数の誤りであるが、その理由として薬剤師は「この患者はいつも14 日分 だから」、「この処方医は5日分の処方が多いので」、「バファリンは3錠、分3、3日 分」という「思い込み」を挙げている。当然のことであるが、処方内容を十分に確認 してから調剤に取りかかることが重要である。 よく見られる処方例と同じだと思い込み、用量や投与日数を勝手に判断してしまう ことは、処方せんの集中する時間帯に多く発生している。処方せんをしっかり確認し てから調剤に取りかかるように心掛けたい。 【事例5】5種類の薬剤が処方されているうち4種類が 14 日分だったため、残り1種類 (7日分)も14日分調剤。 【事例6】 コバシル( )1錠2 28日 分 リーゼ( )1錠5 14日 分 の処方に対して、どちらも14日分調剤し交付。

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【事例7】 レキソタン( )3錠/3×毎食後1 14日分 サイレース( )1錠/1×夕食後1 14日分 サイレース( )1錠/1×頓用2 10回分 の処方に対して全て10日分として調剤 【事例8】 スミフォン(100)4T/2×朝夕食後 7日分 リファンピシン(150)3C/1×朝食後 7日分 エサンブトール(250)4T/2×朝夕食後 7日分 の処方に対してスミフォンとリファンピシンを4日分調剤 【事例9 「ムコサールLカプセル1】 Cap /1×4日分」の処方に対して、14 日分を調剤 し、交付。手書き処方せんの無理な判読が原因。患者が気づく。 【 事 例 10】ファクシミリによる処方せんが来た際、3日分を 30 日分と勘違いし 30 日分 を調剤 「日」が丸い字で書いてあったことと、新患であったことも要因。。 〈 解 説 〉 これらは、処方せんを一見しただけで調剤に取りかかったり、読みづらい処方せん を無理に判読したことで調剤ミスを起こした事例である。 特に事例5∼7のように、処方中の他の薬剤と処方日数が異なっている場合や、数 種類の薬剤の投与日数がバラバラの場合に、投与日数を間違えるケースが多数報告さ れており、一層の注意が必要である。処方せん受付時(処方せん鑑査時)に、処方せ ん中の「日数違い」に鉛筆で「丸」を付け、ミスを防止しているとの報告もあった。 ○ 隔 日 投 与 【 事 例 11】ジゴキシン半錠/隔日・7日分の処方に対し、他の薬剤に合わせて 14 日分を 交付。 〈解 説〉 同様の事例は、プレドニゾロン錠( )やラシックス錠(1 20)(40)等でも多数報告されて おり、隔日投与に係る計数間違いには注意が必要である。なお、調剤者が処方せんの 薬剤名の横に自分が何錠取り出したのかを鉛筆で記入し、鑑査者に回す「鉛筆チェッ ク (裏打ちチェック)は散剤の計量や調剤漏れを防ぐ上で有効であるが、半錠の計」 数調剤や隔日投与の場合にも有効であるとの報告があった。 (2)1回量・1日量・全量の間違い ○ 1回量・1日量の間違い 【 事 例 12】ノルバスク( )2錠/朝夕食後の処方に対し、1錠/朝食後で調剤。継続して5 来局している患者である慣れと、ノルバスク( )は1錠/朝食後であるという思5 い込みが重なったことによる調剤ミス。

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【 事 例 13】 リ ポ バ ス ( )2錠/日の処方に対して1日1錠で交付。リポバス( )は1日15 5 錠という思い込みが原因。 【 事 例 14】グリミクロン2錠/分1×朝食後の処方に対し、1日1錠で調剤。当該薬局 では1回2錠は初めてであったことと、1人薬剤師の自己鑑査のための見落とし が原因。患者が気づく。 【 事 例 15】 テ グ レ ト ー ル (100) 5 錠 / 分 5 の 処 方 に 対 し 、 テ グ レ ト ー ル (100)4錠/分4 を調剤。テグレトール(100)4錠/分4の処方が長期間継続していたため。 【 事 例 16】テオドール(200)1錠/分1・夕食後 14 日分の処方に対して、2錠/分2・ 朝夕食後14日分と勘違いし 28錠を調剤し、そのまま交付。 【 事 例 17】ワイパックス(0.5)1錠×7回分・頓用の処方だったが 「1日3回まで」との、 記載の「3」に気を取られ、3×7=21錠を調剤。 事例 ベゲタミンA 1錠 TD 【 18】 14 サイレース( )1 2錠 14TD の処方に対してどちらも 14錠を調剤 事例 パセトシン錠( ) 6錠/分3 TD 【 19】 50 14 ビオフェルミンR錠 3錠/分3 14TD の処方に対してどちらも1日3錠/分3で調剤 事例 テオドール( )3錠 テオドール( )3錠 【 20】 200 200 シスダイン(250)3錠 → シスダイン(250)6錠 カイロック(200)3錠/分3 カイロック(200)3錠/分3 の処方変更を見過ごし、シスダインの1日量を3錠として調剤。 ○ 全量の間違い 【 事 例 21】ドルナー錠(20 μ g)6T/分3× 14 日分の処方に対して 42 錠を交付。8種類 の薬剤中、ドルナーが1日3錠から6錠になったのを見逃したことによる。交付 相手が家族であったことも原因。 【 事 例 22】ベイスン(0.2 4.5) 錠/分3の処方に対して、1包 0.5 錠で調剤。患者の指摘で 初めて気づく。

23 Cap Cap Cap

【 事 例 】リウマトレックス1 ×4TDの処方に対して8 を調剤 「1日2。 /2×」の処方が多いことと、1シート2 Capであることで思い込み。 【 事 例24】ミグシス( )3錠(1−0−2)5 14日分の処方に対して、28錠のみ交付。 【 事 例25】パナルジン錠2T/分2× 14日分の処方に対して42錠を交付。 【 事 例26】ハルシオン(0.25)1錠/分1× 14日分の処方に対して42錠を交付。 【 事 例27】ヘルベッサーR(100)2Cap/分2・30日分の処方に対し、30錠を調剤。 【 事 例28】ペンタサ 336錠を調剤すべきところ236錠を調剤。鑑査で発見。

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【 事 例 29】メバロチン( )1錠・夕食後/5 30 日分の処方に対し、5mg を5錠と読み間違 い違いし、150錠を調剤。鑑査で気づく。 【 事 例 30】チラーヂンSを 45 錠調剤すべきところ 450 錠を調剤。鑑査で別の薬剤師が気 づく。 〈 解 説 〉 1回量、1日量、全量の間違いは多数報告されている。事例29∼ 30のように常用 量から逸脱しているケースは、調剤に当たった薬剤師が当然疑問を持たなければなら ない。複数の薬剤師が勤務している薬局からは、二人が同時に調剤したために2倍量 を調剤した事例も報告されている。 (3)数え間違い、端数の間違い 31 10IU 60 21 18 21 【 事 例 】カリクレイン( ) 錠( 錠シート×2+ 錠)を調剤するところを、 錠×4シート+18錠を調剤。 【 事 例32】1日2錠 30日分(60錠)の処方に対して、56錠を投薬。 【 事 例33】1日1錠 14日分の処方に対して、13錠を投薬。 〈 解 説 〉 これらは端数を間違えた事例である。調剤した薬剤師の注意力不足や思い込みによ 。 。 るところが大きい 鑑査時にもう一度数量を確認することで十分に防げる事例である (4)1シートの錠数の間違い 【事例34】プロレナール3T/分3毎食後・14日分を調剤するところ、84錠を調剤の上、 交付。吸湿性の薬剤であるためアルミパックのまま投薬しているが、新人薬剤師 21T 21 がアルミパックの表面に ×2と記載されているのを見間違えて、1パック 錠入りだと勘違いしたことが原因。 【 事 例 35】インデラル(10)を 84錠調剤するところ 104 錠調剤。インデラル錠は1パック が 120錠包装だが、100錠だと思い込み、開封したパックから 20錠を抜き、交付 した。 【 事 例 36】テトラミド(10)(21 錠シート)を調剤した直後にセルタ(0.1)(14 錠シート) を調剤し、28 錠調剤すべきところを 21 錠しか調剤せず。1シート= 21 錠と勘 違いしたための調剤ミス。 【 事 例 37】アマリール( )2錠、ジベトスB2錠/分2・3 30 日分の処方に対して、ジベト スBのみ 10 錠不足。アマリール( )はウィークリー包装、ジベトスBが3 10 錠包 装であったための混乱から調剤ミス。 〈 解 説 〉 これらは、10錠包装とウィークリー包装の間違いに起因する事例である。包装変更

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があった際には全ての薬剤師スタッフに周知するとともに、鑑査時の注意、患者への 説明についても徹底を図られたい。 なお、規格が2種類ある薬剤について、できるだけ一方を10錠包装、他方をウィー クリー包装を採用し、取り間違いの防止に努めているとの報告もあった。 【同様の事例が報告された薬剤】 ・アルサルミン液(1袋21包) ・インデラルLA ・エクセラーゼ(1シート12カプセル) (複数の報告あり) ・エスベリベン錠(120錠入り) ・オノンカプセル ・オメプラゾン(10)(1シート10錠) ・コニール( )4 ・坐薬(6個綴り) ・ジソペイン ・セルベックスカプセル ・ソラナックス ・デパス(0.5) ・ハルナール(0.2)カプセル ・パンコラールカプセル(1シート12カプセル) ・PL顆粒(4包綴り) ・フランドルテープ(7枚帯と10枚帯) ・プレドニン(1シート20錠) ・ヘモリンガル(1シート12錠) ・ミニプレス( )(1シート1 20錠) ・ムコスタ(100) ・ムコダイン(500) ・モービックカプセル( )5 ・ロキソニン ○ 外用薬 【 事 例 38】フルタイド(200)・28 ブリスターの処方に対して、28 枚(112 ブリスター)を 交付。 【 事 例 39】フルタイド(200 15) 枚入り1箱から 14 枚入り1箱に変更になったことに気づ かず、56 ブ リスタ ー (14 枚)の処方に対して、1箱から1枚抜いて調剤。結果 的に患者には13枚しか交付せず。 【 事 例 40】カトレップ 15 袋(5枚/1袋)を 15 枚(3袋)と勘違いし交付。75 枚と多 量であったことで、15枚が正しいと思い込んでしまったことが原因。 【 事 例 41】点眼液2種類(A2本、B1本)の処方に対し、A、B両方とも2本調剤。 (5)散剤・顆粒剤の既包装品の計数間違い 【 事 例42】ユーエフティE顆粒1.5g /分3・14 日分の処方に対し、0.5g分包品を 28包を 調剤。 【 事 例 43】ロレルコ細粒 56包調剤すべきところを 28 包調剤。1包 0.5g を1包 1.0g と思 い込んだことが原因。 44 28 0.5g 28 【 事 例 】乳酸カルシウム1g/2×朝夕食後・ 日分の処方に対し、 分包品を 包のみ調剤。

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【 事 例45】アローゼン(0.5g分包品)1日4包のところ、1日2包で調剤。 46 g 7.5g 【 事 例 】ツムラ十全大補湯5 分2(分包品2包/分2)の処方に対し、1日量 と勘違いし、分包品3包/分3で調剤。 【 事 例 47】「ツムラ加味逍遙散1日1回1包」の処方に対して、漢方薬は1日2∼3回で あるとの思い込みにより 「1日3回3包」として調剤し、交付。、 〈 解 説 〉 これらは、散剤・顆粒剤の既包装品の計数間違いである。当然であるが、1日量と 1包当たりの容量をきちんと確認することが重要である。 なお、散剤等の既包装品については、各調剤棚に「1包=○g」の表示するととも に、1包当たりのg数の一覧表を表示し、鑑査台に設置したことで調剤ミスが減少し たとの報告が複数あった。 (類似する事例は 「2.散剤・液剤の秤量・計量の間違い」に掲載している )、 。 (6)規格の確認が不十分 【 事 例 48】プリンペラン 30mg(=6錠)/分3×毎食前の処方に対して、1日3錠/毎 食前として調剤 【 事 例 49】イトリゾール 200mg /分1の処方に対して、イトリゾールカプセルの規格を 確 認 せ ず に 1カプ セ ルは 200mg と思い込み、1日4錠のところ1日1錠で調剤 し、交付。 (類似する事例は 「3.同じ医薬品の規格の誤り」に掲載している )、 。 ○ 外用薬 【 事 例 50】 チ モ プ ト ー ル X E (0.25%)5 ml( = 2 本 ) の 処 方 に 対 し て 、2.5ml(=1本) を調剤。点眼薬は1本5 mlであるという思い込みが原因。 【 事 例51】キサラタン点眼液5ml(=2本)の処方に対し、2.5ml(=1本)を調剤。 【 事 例52】ヒルドイドローション100ml(=2本)の処方に対して50ml(1本)を調剤。 〈 解 説 〉 これらは錠剤の規格(1錠当たりの含有量)や、外用薬1本当たりの容量を勘違い したり、思い込んでしまった例である。 外用薬については、いずれも結果的に処方された数量の半分しか交付されていない ことになる。成分量(力価)や総量で処方されていた場合は、調剤した薬剤の規格、 重量、容量をその都度確認し、特に複数規格がある薬剤については、在庫薬剤以外の 規格についても注意することが重要である。

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(7)分割した錠剤(半錠等) 【 事 例 53】「グリミクロン錠(40)1錠/1日1回・朝食前」の処方に対し 「、 0.5 錠/1日 1回・朝食前」で調剤。当該薬局では「0.5 錠/包」が予製してあったことによ る思い込み。鑑査も不十分であった。次回受診時に、患者が医師にグリミクロン が半錠であったことを申告して発覚。処方医より当該医療機関の薬剤部を通じて 薬局に連絡が入る。 【 事 例 54】ノルバスク( )5 0.5 錠/分1の処方に対して1錠/分1で調剤。当該薬局では 1錠/分1がほとんどであるため思い込み (複数の報告あり)。 【 事 例 55】プレドニゾロン錠( )5 0.5 T/分1の処方に対して1T/分1で調剤。減量に なっていたのを見逃す。患者が減量の指示を受けていたことを薬剤師に伝えたた め、交付時に気づく。 【 事 例 56】ジゴキシンサンド(0.25)1T/分1・朝食後の処方に対して、同 0.5 T/分1 ・朝食後を投薬。調剤者は入社2カ月、鑑査者は2年目の薬剤師。当該薬局では ジゴキシンは半錠で調剤されることが多く、両者とも先入観があったものと思わ れる (同様の報告複数あり)。 【 事 例57】ゼストリル( )5 0.5錠/分2の処方に対して、1包 0.5錠で調剤。 【 事 例58】アーテン( )2錠(2 1/2−1/2 −1)の処方に対して、1.5錠(1/2 −1/2− 1/2) を調剤。自己鑑査のため見過ごす。薬剤交付直後に気付いたため、患者宅に電話 で連絡し、服用前に正しい薬剤と交換する。 (類似する事例は 「7.一包化の間違い」に掲載している )、 。 【同様の事例が報告された薬剤】 ・アーチスト(10) ・イスコチン ・オイグルコン(1.25) ・ケルロング ・グリミクロン ・ジゴシン(0.25) ・ダオニール(2.5) ・タナトリル( )5 ・テグレトール(200) ・テノーミン(25) ・ニューロタン(25) ・バップフォー ・ヒスロン( )5 ・プレドニン( )5 ・ベイスン(0.2) ・ラシックス(20) ・ラスチノン ・ラニラピッド (注)規格が示されていない薬剤は、報告されたレポートに規格が示されていなかったもの

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§ 2 . 散 剤 ・ 液 剤 の 計 量 の 間 違 い ( 倍 散 の 計 算 間 違 い を 含 む )

〈 総 論 〉 散剤の計量の間違いと倍散の計算間違いは、患者の健康被害が最も発生しやすい調 剤ミスの一つである。処方せんの書き方(力価表示か重量表示か)が統一されていな いことに起因するケースが多いが、処方せんに対する薬学的確認が不十分である事例 も少なくない。また、散剤の場合には、鑑査で別薬剤や他規格の間違いに気づきにく いという点も指摘される。 さらに最近は、オーダリングシステム等により印字された処方せんが多く、一見し て「正しい」と思い込んでしまうケースも見られる。印字された処方せんに対しても 患者年齢、用量などの薬学的確認を怠らず 「疑問に感じたら必ず疑義照会を実施」、 することが重要である。 (1)常用量等に対する知識不足 ○ 常用量より過多 【事例1】アレビアチン錠(100mg)3錠/分3で継続的に処方されていた患者。アレビア チン細粒(97%)3 g /分3に処方変更になった際、処方自体が 10 倍量であるこ と に 気 づ か ず 、 疑 義 照 会 せ ず に 調 剤 し 、 そ の ま ま 交 付 。14 日後にも同じ処方せ んを受け付け、再度交付。薬剤を近隣の薬局からの分譲により入手したため、薬 剤鑑査も不十分であった (患者の健康被害あり。入院)。 10% 0.3g 3.0g 10 【事例2】ガスター散( ) /日の処方に対して1日量 を計量。常用量より 倍近い用量であるにも拘わらず気づかず。院内では賦形されていたため、患者も間 違いに気づかず。患者は服用したが健康被害はなし。 【事例3】ケセラン細粒0.1g/日の処方に対して1日量1.0gを 計 量 。 ○ 常用量より過少 55 10 0.36g 28 【事例4】患者は 歳男性。処方せんの記載は「アレビアチン 倍散 /分3× 日分 。処方せん通りに重量として」 0.36g ×28 =10.08gを計量し、84包に分包す る。患者は低用量のために発作を繰り返して入院(20 日間 。その後、退院し、) 回復する (患者の健康被害あり。入院)。 〈 解 説 〉 事例4は、常用量から判断して「力価表示」であると考え、疑義照会を行うべきで あった。薬剤師の知識不足等により、処方内容の薬学的確認が不十分だったことが原 因である。

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【事例5】患者は成人 「ケフラール。 1.5 g/3×」との処方に対して 「粉ですか」と疑、 義照会し 「その通りに出して下さい」との回答であったため、ケフラール細粒、 を1日量 1.5 g計量し、調剤。その後も2回同じ内容で処方され、同様に調剤。 患者が他の歯科医に行ったことで調剤ミスが発覚。 【事例6】ゾビラックス顆粒 1.0 /4×3日分の処方に対して、1日重量 1.0g で計量。し 1.0 1000mg 1.0 かし、他の薬剤師の「 は力価の ではないか」との指摘で疑義照会。 は力価の 1000mg であった。なお、ゾビラックス顆粒は 40 %(1g 中にアシクロ ビル 400mg を含有)である。当該薬局では、処方医に成分量及び単位(mg)を 記入するよう申し入れるとともに、薬局内に体重別投与量表を掲示した。 【事例7 「リボトリール細粒(】 0.1% 2.5g) /分2・朝夕食後・14 日分 (=全量で」 35g)の 処方に対し、全量で 3.5g を計量し、分包する。当該薬局では、散剤の重量鑑査 、 。 、 を基本的には行っていたが 忙しい時間帯等に行わないこともあった これ以降 必ず重量偏差の確認を実施するように徹底を図った。 10% 1200mg 14 1.2 【事例8 「ニコチン散アミド(】 ) /分3毎食後・ 日分」の処方に対して、 を秤量し分3で調剤。医師の処方意図は力価で (重量で )を分3。 g 1200mg 12g 成人常用量は1日 25 ∼ 200mg であるが、天疱瘡等には大量投与されることがあ ることを薬剤師が知らなかったことが原因。疑義照会は行っていない。 【事例9】セフラコールDS 12.0g/日の処方に対して1日量1.2gを計量。 ○ 小児に関する事例 【 事 例10】1歳8カ月の小児 「アドソルビン。 0.6g/3×毎食後・1日分」の処方に対し て用量に疑問を持ち、疑義照会を行う。医師が「少し多いけど8かなぁ」と話し g 0.8g たことを受け 「アドソルビン8、 /3×毎食後 1日分」を調剤。実際は「 /3×毎食後・1日分」が正しかった。2人体制であるにも拘わらず、鑑査でも 気づかず。 【 事 例11】ロペミン細粒小児用(0.05%)1日重量 0.4gのところ1日重量 0.2gを計量。力価 表 示 (mg) の 処 方 を 重 量 に 換 算 す る 際 の 計 算 間 違 い が 原 因 。 分 包 後 の 鑑 査 を 調 剤 した薬剤師が行ったため薬剤交付後まで気づかず。交付後、他の薬剤師が計算を 確認した際に気づく。 12 60mg 4 12 【 事 例 】3ヶ月の乳児にペリアクチン /1日を調剤。成人の常用量は1日 ∼ 。患者の健康被害はなし。 mg 〈 解 説 〉 いずれの事例も、常用量に対する知識不足と、疑義照会が不十分であったことが原 因である。各薬剤の常用量を把握しておくことはもちろん、①2人体制の時は調剤と 、 、 、 鑑査を別の者が行う ②疑義照会の際には 再度その内容を復唱し確認するとともに

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疑問な点を残さないことが大切である。特に、小児に対して用いられる気管支拡張薬 や抗生物質、止瀉薬や制吐薬等については力価と重量の両方で示した常用量等の一覧 表を作成し、見やすい所に掲示。調剤の都度確認し、鑑査で再度重量を確認するなど の慎重な姿勢が必要である。 散剤等の調剤ミス防止に関する工夫(例) 1.常用量等の一覧表は、力価と重量の両方で表示する。 2.常用量は容器にも直接記入しておく。劇薬や小児用シロップ等も同様。 3.一覧表は、コンピュータ入力時、調剤時(計量時 、鑑査時に確認できるよう) 3カ所に貼る。 4.計量した散剤の重量を処方せんに鉛筆で記入し、鑑査へ回す「鉛筆チェック」 を実施する。 5.毎日使っている薬剤であっても、計量時の濃度確認を怠らない。 【 事 例 13】 ジ ゴ シ ン 散 (0.1%)の計量ミスで過量を調剤。患者は0歳2ヶ月の男児で、服 用後、嘔吐し、不整脈が生じたため、入院。他薬との計量混合であったため、鑑 査も不十分となる (患者の健康被害あり。入院)。 (2)規格・力価の間違い 14 0.005g 【 事 例 】 塩酸モルヒネ原末 乳 糖 末 0.045g 10回分 と記載された処方。疑義照会したところ「塩酸モルヒネ原末 0.05 g・10 回分」 。 、 、 、 と言われる 調剤者はそのまま秤量 分包したが 鑑査者が原末の多さに気づき 再度問い合わせたところ、塩酸モルヒネの成分量として5 mg であることが判明 した。 当該薬局が医療機関に後刻確認したところ、医師の画面上では「塩酸モルヒネ 倍散 」と表示されているが、処方せん上には 10 0.05g 0.005g 塩酸モルヒネ原末 0.045g 乳 糖 末 と印字されるシステムであるとのこと。それにより、処方医への疑義照会の際に 会話にズレが生じ、調剤ミスへとつながった。当該薬局ではその後、原末を置か ず 10 倍散だけを在庫するように変更するとともに、常用量以上の処方を入力す ると警告が出るように改善を図った。 【 事 例 15】「テグレトール細粒(50%) 400mg」の処方。テグレトール細粒(50%)は 1g 中に カルバマゼピン 500mg を含有しているが、200mgと思い込み、結果として1日量 のところ で調剤する。ファクシミリにより受け付けていた処方せんで、 0.8g 2.0g 調剤は済んでいたが、患者の家族(父親)が取りに来たため、鑑査不十分のまま 交付する。薬剤交付時、父親から「量が多いと思う」との指摘を受けたが 「間、

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違いない」と回答する。家族は不安のため、母子保健総合医療センターに電話で 確認し、調剤ミスが発覚する。 【 事 例 16】硫酸アトロピン 1000 倍散を調剤すべきところ、納品された「硫酸アトロピン 原末」をそのまま調剤。鑑査時に他の薬剤師が気づく。 【 事 例 17】リカマイシン DS は20%であるにも拘わらず、400mg /分3×3日分の処方に 対して、全量として4 gしか秤量せず分包。調剤鑑査システムによるレシートで 調剤ミスが発覚。 18 50% 50mg/g 10 【 事 例 】 ド グ マ チ ー ル 細 粒 ( )をドグマチール細粒( )であると思い込み、 倍量を計量。鑑査時に気づき、再調剤する。 【 事 例 19】ジゴシン散 0.1mg/g と表示された処方に対して、ジゴシン散 0.1 %と思い込み 調剤。疑義照会を行わず。 【 事 例 20】ホスミシンDS(400mg/g)を 100mg/g と思い込み調剤。ホスミシンDSの規 格は 200mg/g と 400mg/g であり、100mg/g は完全な思い込み。当該薬剤師の知識 不足。 【 事 例21】テオドールDSを、力価から重量に変換する際に計算間違いし調剤。 〈 解 説 〉 規格・力価に対する知識不足や思い込みに起因する調剤ミスは、他にも報告されて いる。調剤鑑査システムの記録用紙(レシート)で計量ミスが発見されたケースは事 例17 以外にも複数報告されており、小児科の処方せんなど、散剤を扱うことが多い薬 局では調剤鑑査システムを導入するメリットがあるものと思われる。 22 35 38 【事 例 】「5%ホルマリンアルコール」の処方。ホルマリンがホルムアルデヒド ∼ %であることで、5%溶液を調整する際に7倍希釈した。正しくは、原液である ため、ホルマリン 5ml とエタノール 95ml の混和を行うべきであった。調整方法 を薬歴に記載せず、また、調整者が調整方法に疑問を持ちつつも、他の薬剤師に 確認しなかったことが原因。 (3)既包装品の内用量に関するもの 【 事 例 23】「ユーエフティE顆粒3 g /分3・毎食後」の処方に対して、ユーエフティE 顆粒の 0.5g 包を3包/分3で調剤。複数規格(0.5g 包、0.75g 包、1.0g 包)の存 在を薬剤師が知らずに、備蓄センターに対しても「ユーエフティE顆粒」とだけ 発注。受け取った薬剤を確認したが、デザイン変更と勝手に判断し、投薬してし まった。高価な薬剤のため分譲に頼りすぎていたこと、薬価基準(薬事日報社) に1 g薬価だけ掲載されているのを見て1規格しかないものと誤解してしまった

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。 、 、 、 ことも影響している なお 本薬剤は2成分を含有するため 既包装品を開封し 再計量し直してはならないことにも注意が必要である。 【 事 例 24】ラグノスゼリー 96.3g /分3× 14 日分の処方に対して、48.15g/分3× 14 日 分を調剤。当該薬局は在庫がなかったため他薬局から小分けによりラグノスゼリ 、 、 ( ) ーを入手したが その際 スティック1包が16.05g ラクツロースとして 6.50g 42 であることを確認しなかったのが原因。分包品に重量記載がなかったため、 包で間違いないと思い込み、確認せず交付。 〈 解 説 〉 事例23∼ 24にように、他の薬局や備蓄センターからの分譲により薬剤を入手した 場合に調剤ミスを起こした事例は他にも複数報告されている。これは、①通常取り扱 う機会が少ない薬剤である、②患者を待たせているため確認が不十分になった、③薬 剤を入手できたことの安心感で注意力が欠けてしまった、④まさか間違っていないだ ろうという勝手な思い込み等から、別規格の薬剤を交付したというケースが多い。分 譲により入手した薬剤については、日頃取り扱うことが少ない薬剤だからこそ、他規 格の存在等について添付文書をしっかり確認することが必要である。 【 事 例 25】SM散 2.0g /分2の処方に対して、1.3g 包2包/分2で調剤。その後も数回 包を交付する。既包装品の内容量を と思い込んだことが原因。 1.3g 1.0g 【 事 例26】ピーマーゲン散1回量1gの処方に対し、既包装品(1包 1.5g)を調剤。 〈 解 説 〉 、 ( 、 ) ( 、 同様の事例では マーズレンS 1包0.5g 0.67g と酸化マグネシウム 1包0.33g 、 、 )についての報告が最も多い。これらの薬剤の場合、各薬局における 0.5g 0.67g 1.0g 採用品に対する先入観と、分2・分3の指示の見間違いに起因するケースが多いが、 いずれにせよ処方せんをきちんと確認することが大切である。 (4)計量ミス 【 事 例 27】「酸化マグネシウム1 g /分3」の処方に対して「3 g /分3」で調剤。患者 より「便がゆるくなりすぎた」と言われて気づく (患者の健康被害あり)。 【 事 例 28】コランチル顆粒「1回量 0.5g」の処方に対し、1g 包装品を交付。当該薬局で 、 、 「 」 は コランチルは 1g包装品とバラ品を在庫しており 処方せんの コランチル 、 。 、 を見て 調剤者が 1g包装品だと早合点してしまったことが原因 当該薬局では 散剤はバーコードで読み取り、計量数や薬品名を鑑査時にジャーナルで確認して いるが、鑑査者も見逃す。当該薬局では、2人以上での確認を実施するよう鑑査 を強化した。

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29 100mg 6 m l 【 事 例 】 ファンギゾンシロップ 精 製 水 94 ml/1日3回・用法口授・7日分 と記載された処方。1日量の6 ml を全量と間違え計量。当該薬剤師がファンギ ゾンをうがい薬だと思い込んだための調剤ミス。結果的に患者は7分の1の量の 。 、 ( ) 薬しか服用していないことになる なお ファンギゾンシロップは一規格 10% であり、処方せんに記された 100mgは 1ml中 100mgを含む(100mg/1ml)の意図 であった。 30 1.5g 【 事 例 】 マーズレンS 1.5g セルベックス細粒 ノイエルS細粒 1.5g/ 分 3 の処方に対して、 2.0g マーズレンS 1.5g セルベックス細粒 ノイエルS細粒 1.5g/ 分 3 で調剤 後者は当該薬局の近隣医療機関の汎用処方であるための思い込み。鑑査でも発 見できず。 31 10g 【 事 例 】 セフゾン細粒小児用 ミヤBM 5g/日 の処方に対して、 10g セフゾン細粒小児用 ミヤBM 10g/日 を調剤 32 0.1% 1.5g 0.1% 3.0g 【 事 例 】「ザジテンDS( ) /2×」の処方に対して 「ザジテンDS(、 ) /2×」で秤量、分包。1回量と1日量を勘違いしたため。1回服用後、量の多 さに気づいた患者の母親から薬局に連絡があり、初めて気づく。当日は薬剤師が 一人であり、計量、分包、鑑査、交付の全ての作業を一人で行ったことが原因。 【 事 例 33】ポンタールシロップ 100mg ×4回/日との処方に対して、1日量 100mg で調 剤。薬剤交付後に薬剤師が気付いたが、患者は服用後であった。 【 事 例 34】ドーフル散(麻薬)を他の散薬と計量混合した後、計量の誤りに気づく。初 めての患者、初めての医療機関、初めての麻薬調剤、混雑時等の条件が重なった ことが原因。当該薬局では保健所に連絡し、立会いの下で廃棄する。 【 事 例35】「リタリン散(1%)2g/日」のところ「3 g/日」で秤量。同時に処方され ていた「PZC散(1%)0.3g」の「3」が目に入ったための思い込み。 36 4.2g 2.4g 【 事 例 】「バリアック細粒 」の処方。計量するためにメモ書きした際、誤って と転記。そのまま計量したが、鑑査で気づく。

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【 事 例 37】バラマイシン軟膏 20g の処方に対し5 g を調剤。5g の処方が続いたことと、 次の処方せんの内容が気にかかっていたこと等で、注意力が散漫になっていた ことが原因。 〈 解 説 〉 患者の健康被害にはつながりにくいが、軟膏やクリーム剤等の計量間違いや剤形間 違いの事例は、他にも多数報告されている。 (5)分包の間違い 【 事 例38】アスベリンDS 1.5g/3×7日分で分包するところを 15包に分包。平素より 5日分処方が多いことによる思い込み。 【 事 例 39】3日分(9分割)の散剤を4日分(12 分割)と思い込んで分包する。全量の 計量が正しかったため、鑑査で1日分の総重量をチェックして気づく。 【 事 例 40】マーズレンS 2.0g /3×毎食後の処方に対し、2×朝夕食後で調剤。分3の ものは当該薬局で予製があったための思い込み。 【 事 例41】「重質酸化マグネシウム1.5g /分3× 28日分」の処方を「分2× 28日分」で 分包。手書きの見づらい処方せんを無理に判読したことが原因。 〈 解 説 〉 いずれも思い込みによる単純な分包ミスである。処方日数や1日の服用回数の下に 鉛筆で線を引くなど、処方日数をしっかりと確認することが重要である。 この他、漢方薬のエキス剤に関しては「7.5g /分3」と「5g /分2」の間違い等が 複数報告されている。 (6)散剤・顆粒剤の分包における薬剤の入れ間違い、入れ忘れ 42 1.5g 【 事 例 】 パントシン 酸化マグネシウム 1.5g/ 分 3 の処方に対し、 1.5g パントシン パントシン 1.5g/ 分 3 と 1.5g 酸化マグネシウム 酸化マグネシウム 1.5g/ 分 3 を調剤。 鑑査でも気づかず。交付時に他の薬剤師が気づく。予め準備した秤量皿(パン 、 ) 。 トシン 酸化マグネシウム各9皿 が分包時に混ざり合ってしまったことが原因 【 事 例 43】小児の処方。テルギンG、ホクナリンDS、ムコダイン細粒、アスベリン散 の処方でホクナリン DS を計量し忘れ。鑑査で全量を確認した際に気づく。当該 薬局では、散剤計量後に全ての薬剤を量ったかどうか確認するため、計量後に散 薬瓶をすぐに棚に戻さず手元に置いておき、処方せんとラベルを確認しつつ棚に

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戻すように作業手順の改善を図る。 〈 解 説 〉 事例43の作業手順を遵守することで、調剤ミスを減少させることが期待できる。 装置瓶のフタに薬剤名のシャチハタ印を設け、どの瓶を取り出して薬剤を秤量した かが鑑査時にわかるようにしている薬局もあった。 (7)重量偏差 【 事 例 44】アレビアチン 10 倍散の分包で、全量は合っていたが、各包の内容量にバラツ キがあった。患者からの電話連絡で判明する。重量の鑑査が不十分であったこと が原因。 【 事 例45】テオドール DS0.7g /2×14日分の処方。患者の家族から「量にバラツキがあ る」と苦情あり。持ち込まれた薬剤を秤量したところ 0.35g ∼ 1.95g /日のバラ ツキがあり、見た目に明らかであった。2人薬剤師のうち1人(管理薬剤師)が 昼食時間であった。管理薬剤師より「当該薬剤師は医療従事者としての自覚に欠 ける」との指摘あり。 【 事 例 46】アンギナール散+アスピリン末の処方で、重量にバラツキがあり、1包だけ 約2倍の重量となっていた。鑑査で気づく。 【 事 例 47】テオドールDS(20%)、スピロペント顆粒(0.002%)、ムコサールDS(1.5%)の 、 。 計量混合で 混合が不十分であったために各包の内容にバラツキが生じてしまう ①盆休みの混雑時、②在庫がない薬剤がありその手配に追われてた、③ファック 28 スで処方せんを受け付けていたが予想より早く患者が来局した、④処方日数が 日分であったため分包に時間がかかり慌てた、⑤もう一人の薬剤師が患者応対中 のため自己鑑査になった、⑥調剤に当たった薬剤師がまだ経験8ヶ月であった等 が重なったため。薬剤交付後、患者が気づく。 (8)賦形等に関するもの 48 0.2g 0.2g 【 事 例 】「ベサコリン散 /2×」の処方。当該薬局では通常賦形は1包当たり と規定しているが、1日量の賦形量を 0.2g として調剤する。患者から「いつも と味が違う」と電話があり、薬歴で確認して調剤ミスと気づく。 当該薬局では、薬歴に目立つように「フケイ注意。1包当たり 0.2g」と赤字で 記入し、注意を促すように改善した。また、散剤の作業場に「0.2g ×( )包× ( )日=( ) 」の用紙を置き、調剤者が実際に行った作業内容をその用紙g に記入の上薬剤に付けて鑑査に回し、鑑査者が計算したものと照合する作業手順 を設けた。

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【 事 例 49】ミケラン細粒(1%)に一包当たり 0.1g を乳糖を賦形するところ、1日量として 乳糖 0.1g を賦形する。患者が「いつもより量が少ない」と来局。患者に薬剤は 正しいことを説明したが、患者の不安は解消されなかった。 、 、 、 当該薬局では 使用した賦形剤とその量を どの薬剤師が見ても分かるように 薬歴の表紙に明記することとした。 【 事 例 50】乳糖賦形 2.1g のところ、乳糖賦形 3.0g を行った。当該薬剤師は賦形の方法を 理解していたが、2.1g秤量するところ 3.0g秤量してしまっていた。散薬鑑査シス テムのレシートから発覚した。 【 事 例 51】ビオチン散(0.2%)1 g /分3の処方せん。当該医療機関の場合、散剤の1日 総量(大人)が 1.5g 以下の場合、1日量1.5g(1回量 0.5g)に調整するように賦 形剤を添加するよう医師から指示を受けていたが、賦形剤を添加しなかった。 〈 解 説 〉 賦形のミスは患者に健康被害を及ぼすものではないが、患者に不要な誤解を与える ことになる。常に同じ賦形が行われるように、薬歴に賦形剤と量を必ず記入しておく ことが必要である。また、賦形方法の原則的なルールを薬局内で統一しておくことも 重要である。 なお、賦形剤に類似するものとして、単シロップや精製水に関する事例も報告され ている。 (9)医師の指示の見落とし 【 事 例52】リン酸コデイン100倍散6 g/3×N[1包1 gで]という処方に対して、リ ン酸コデイン 100倍 散 6 gを1包2 g で調剤した。1包2gは当該薬局に予製が あったことによる思い込み。 (10)処方の確認が不十分 【 事 例53】ムコダイン細粒500mg /dayの処方に対して 400mg/dayを調剤。小児の体重 の増加に伴い用量が変更になっていたのに、薬歴から前回と同量と思い込み計量 し、調剤。 54 100mg/g 110mg 100mg/g 100mg 【事例 】ヒルナミン細粒( ) の処方に対してヒルナミン細粒( ) を調剤。100mgの処方が継続していたための思い込み。 (11)その他 【 事 例 55】ある処方せんの際に、上皿天秤の「0点」がおかしいことが判明。正確であ ると思い込んでいたため確認を怠っていた。調剤の都度確認を行うことを徹底。

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【 事 例 56】散剤の鑑査システムを導入しているが、向精神薬は常用量を超えて調剤する ことが多いので、常用量超過に対する警告アラームが鳴っても「OKボタン」で 解除することが日常となっている。いつか計量のエラーを見逃すのではないかと 心配している。 【 事 例 57】ポララミン DS 0.2%( )を他薬局から分譲により入手。これに対し、小分け容器 に「2%」のレベルを作製し、貼り付ける。 〈 解 説 〉 事例55は基本中の基本である。また、事例 56のようにコンピュータの警告表示を 無視したことで実際に調剤事故も発生している(薬賠責報告.117 頁参照 。 毎 日 のル) ーチン業務の中ではどうしても慣れが生じやすいが、基本に忠実に日々新たな気持ち で業務に当たられたい。

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§3.同じ医薬品の規格の間違い

〈総 論〉 同じ医薬品の規格の間違いは、今回インシデント事例として報告された中で最も多 い調剤ミスであり、患者に健康被害が発生した事例も多い。 その内容は、①複数規格のうちの一つを取り扱う頻度が高いために、頻度の低い薬 剤が処方された際に高頻度のものを調剤、交付してしまったという事例が圧倒的に多 。 ( ) 、 い ②新人や非常勤 パート の薬剤師が複数規格の存在を知らないケースもあるが ③慣れからくる規格の確認不足、④(複数規格の存在は知っていても)一方の規格で 間違いないという思い込み、⑤隣接する場所に在庫していたための取り間違い(不注 意)等が原因であるとの報告も多かった。 近隣の医療機関等より、規格が記載されていない処方せんを受け付けているケース 、 。 、 も見られ これも調剤ミスの大きな要因となっている このようなケースについては 処方せんに薬剤の「規格」まできちんと明記するよう医療機関と話し合い、改善を図 られたい。 (1)散剤・顆粒剤の規格の間違い 【 事 例 1 「 ア レ ビ ア チ ン 錠 (】 100mg) 3 錠 / 日 」 か ら 「 ア レ ビ ア チ ン 3 g / 日 」 に 処 方 変更された際、疑義照会をしたが、医師より「粉で出して下さい」とだけ返答を 受 ける。当 該薬剤 師は細粒 (97%) と散(10%)があ ること を知らず 、在庫 して あったアレビアチン細粒でそのまま調剤 (患者の健康被害あり)。 〈解 説〉 97% g 薬剤師が複数規格の存在を知らなかったことが原因。アレビアチン細粒( )3 が、前回処方や常用量から判断すれば明らかに不適当(約10倍量)であることに気が つかなくてはならない。 【事例2】チラーヂンS散(0.01 %)の処方に対してチラーヂン末(の 10 倍散)で調剤。 当該薬局ではチラーヂンS散はこの患者にしか使われておらず、チラーヂン末と思 い込んでしまったのが原因。チラーヂン末(の 10 倍散)では用量が多すぎるのに 気づかず、患者が小児との認識も低かった。 〈解 説〉 当該薬局では、①小児科の処方であることが一目でわかるように薬歴に[小児]の 印を押し注意を喚起する、②秤量瓶に類似薬がある旨を貼付する、③コンピュータの 薬品登録を改善し、倍散表示が出るようにする、④小児については二重鑑査するなど の改善を図った。

参照

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