学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題 ─奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に─
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(2) 論文. 日本学生支援機構1)によると、日本の大学における「ピア・サポート等、 学生同士で支援する制度」は、平成17年の時点では全体のわずか12.9%で実 施されているのみであったが、平成22年には35.6%、平成27年には49.3%と急 増している(図1)。大学の設置者別で見ると、最も浸透しているのは国立 大学で、平成27年にはすでに全体の83.5%で導入されている。公立大学に関 しては、平成17年は全体の3.2%のみでの実施であったが、10年後の平成27年 には34.9%にまでのぼり、やはり増加傾向を見せている。 ピア・サポート実施校の増加にともない、近年、実践事例の報告も蓄積さ れつつある。それらの報告を概観すると、学生ピア・サポートには、全学年 を対象にあらゆる相談を受けつける活動もあれば、新入生支援や留学生支援、 就職・キャリア支援など対象を細分化させて実施する活動もあり、大学に よって支援内容が様々であることがわかる。同様に、支援の手法に関しても 上級生から下級生への一対一の相談のみならず、多様化しているように見受 けられる。大学のピア・サポート団体が次々と設立されている昨今、大学や 団体ごとの性格に合わせた活動を選択するためには、蓄積されている多種多 様な実践報告を整理する必要があるだろう。学生ピア・サポートの支援手法 を整理した研究は管見の限り見当たらず、本稿ではまず、その整理・分類を 試みる。そして、一対一の相談活動以外の取り組みとして、奈良県立大学の ピア・キャリア・サポートの実践を取り上げ、その意義や課題を考察する。. 2. 学生ピア・サポートの分類 2-1.教育現場におけるピア・サポートの手法 西山・山本(2002)は、国内国外を問わず、教育現場におけるピア・サ ポートの歴史や動向を調査し、ピア・サポートとして扱われる活動を以下の 7つに分類した。すなわち、「相談活動」(訓練を受けたサポーターが生徒 の相談に乗る支援) 、「葛藤調停」(訓練を受けた生徒が問題を抱えた2者の 仲裁に入り、両者が納得できる解決方法を探る支援) 、 「仲間づくり」(友だ ちでいることにより、居場所を実感させる支援) 、「(専門家の)アシスタン ト」(スクールカウンセラーや教師の補助としての支援)、「学習支援」(勉 62.
(3) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. 強やクラブ活動などでの教えあい)、「(仲間としての)指導・助言」(上級 生からの助言・アドバイス) 、 「グループリーダー」(グループ活動が活性化 するようにリーダーとして取り仕切る活動)である。これらすべての特徴は、 支援者と被支援者との対話によってサポートが行われるという点にある。西 4. 4. 4. 4. 4. 4. 4. 4. 4. 山らがピア・サポートを「仲間による対人関係を利用した支援活動の総称」 (傍点は筆者)と定義していることからも、支援者と被支援者とのコミュニ ケーションがサポートの基盤にあるという考えが表れている。ただし、コ ミュニケーションといってもすべてが対面式である必要はなく、西山らは電 話や手紙を用いる非対面式の方法も挙げている。 一方、Kato. and. Magari(2017)は、日本と欧米における小中学校のピ ア・サポートを比較し、日本のピア・サポートに独自に表れてきた特徴を 示している。Katoらによれば、日本の教育現場において、ピア・サポー ト導入期(1995年~2005年頃)では欧米諸国のカウンセリングを基盤とし たサポートに倣っていたが、昨今は日本独自の教育制度や文化の影響を受 けて、より広範囲な内容までもがピア・サポートとして実施されるように なった(Kato. and. Magari. 2017)。Katoらが挙げる日本独自のサポートの 例には、ニュースレターの発行(Newsletters[ Q&A. Hand-out])や、い じめ撲滅のための劇の公演(Anti-bullying. drama)、募金活動(Fundraising. activities)、清掃活動(Peer-led. cleanup. activities)、あいさつ運動 (Greeting. activities)などがある。西山らの分類がすべて特定の個人ある いは特定のグループへの対話を基にした支援であったのに対し、Katoらが 挙げた事例は必ずしも対話をサポートの主軸としたものではない。また、手 紙や電話での対応と同様、ニュースレターのように直接対面しないサポート が含まれている点にも注目したい。 西山・山本(2002)と Kato.and.Magari(2017)の研究からは、対話を基 盤としたサポートから、必ずしもそれを必須としないサポートへと支援の種 類が多様化している様子が窺える。さらに、実際に対象者を目の前にして行 う支援とそうではない支援があることもわかる。しかし、西山らの研究は大 学のピア・サポートにはあまり触れておらず、一方の Kato らの研究も小中 地域創造学研究. 63.
(4) 論文. 学校を対象としているため、大学の学生ピア・サポートにおいていかなる取 り組みが具体的にピア・サポートとして実施されているのかは検討されてい ない。本稿では、両者の研究から見えた「対面」式か「非対面」式か、 「対話」 式か「非対話」式かという二つの軸を用いて、全国の大学のピア・サポート 実践報告をもとに、学生ピア・サポートの活動内容を整理・分類したい。. 2-2.大学における学生ピア・サポートの分類 2-2-1.「対面」 - 「対話」式支援 支援者が被支援者と対面し、対話によって問題の解決を図ったり、被支援 者の気持ちに寄り添おうとしたりする支援は、多くの大学で行われている。 栗原(2008)が「ピア・サポートはピア・カウンセリングと呼ばれていた 時期がかなりあった」と述べている通り、カウンセリング形式での支援は従 来から実施されてきたピア・サポートの基本的な手法であるといえる。学 内に相談ブースを設置し、相談者が訪れるのを待つのが一般的であり、中出 (2003)は相談内容が休学や恋愛、スポーツ、自分の今後のことなど多岐に 渡っていることを報告している。相談ブースは年間通して常駐することもあ れば(伊東. 2016、兒玉. 2000など)、新入生から最も相談が集まりやすい4 月のみ実施するなど期間を限定して行う場合もある(桑島. 2017、永井ほか 2004など) 。 被支援者の学生生活や私生活の悩みに対応するだけでなく、知識や技術 の伝達に特化した支援もある。例えば、学力不振者の中途退学予防を目的 とした学習支援活動(奈良ほか. 2017)や、保育職の就職活動における願書 対策・保育技術試験対策・面接試験対策(川上・吉田. 2015)など、上級生 から下級生への指導がそれにあたる。他にも、加賀美(2010)は日本人学生 による留学生のレポート・論文の添削をピア・サポートとして報告している。 これらは、学生の個人的な悩みごとに寄り添うというよりも、すでに習得し ている知識や方法、技術等を上級生から下級生に(あるいは日本人学生から 留学生に)伝える「指導」という形の支援といえる。 また、支援者と被支援者が一対一で向き合うのではなく、グループで話し 64.
(5) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. 合う例もある。高橋(2014)は、流通経済大学にて実施された新入生と上級 生が小グループを組んで気軽に話し合う「しゃべり場」というイベントをピ ア・サポートとして紹介している。さらに、サポーターが来訪した相談者に 短時間対応する一期一会の関係のみならず、発達障害や精神障害がある学生 のパートナーとして長期間にわたり支援を続けるピア・サポートもある(仲. 2013)。仲(2013)は、そのようなサポーターの役割を「友人、ヘルパー、 あるいはチューター(学習支援者)」として位置付け、サポーターの選考や 訓練の内容、サポーター自身の感想を詳しく報告している。以上のように、 支援者と被支援者が対面し、対話する形の支援には多数の事例があり、また 支援者と被支援者との関係性や支援内容はさらに細分化できる。. 2-2-2.「対面」 - 「非対話」式支援 支援者が被支援者と同じ空間にいるものの、対話による解決はそれほど意 図していない支援もある。例えば、中出(2003)はピア・サポーターによる 学祭前の飲酒に関する講座や、中学校・高校への「性」に関する出前出張を 実施・報告している。これらは、被支援者個人の事情に即して対話によって 解決に導くというよりも、相手に有意義な情報を提供する教育・啓蒙的な意 味合いが強いと考えられる。鳥越・武・川西(2013)は、ピア・サポーター が七夕イベントとして、メイク講座や茶道部と組んだお茶会を実施したと紹 介している。前項の「対面」 - 「対話」式支援においては、学生生活における 悩みや授業科目でわからなかった問題など、すでに何らかの課題を抱えて いる学生に対するサポートが挙げられたが、中出や鳥越らが報告する事例は、 これから想定されうる課題にあらかじめ対処した支援、あるいは、今後その ような課題に対処しやすいような、学生とサポーターとの関係づくりである といえる。鳥越らはイベントの実施意図を「サポートを要する学生を受け身 的に待つだけではなく、積極的に学生生活を充実させる」ためであると述べ ており、要支援学生を作らない予防的な機能であると見なしている(鳥越ほ か2013) 。. 2-2-3.「非対面」 - 「対話」式支援 支援者と被支援者が直接対面はしないものの、対話を用いて進める支援に 地域創造学研究. 65.
(6) 論文. は、例えば電話や電子メールでの相談が挙げられる。秋田大学の「学習ピア 2) サポート」 では、一年次生の履修・学習相談に関しては対面によるサポー. トだけでなく、電子メールでも受け付けている(濱田・細川. 2014)。また戸 田(2001)は、主たるサポートが修学・進路などについての情報提供に関す る場合は電子掲示板上でのやり取りを利用し、対人間関係や生活・精神衛 生・心理的な悩みの場合は電子メールで回答をしていく鳥取大学学生相談室 「オンライン・ピア・サポート・ネット」の構想を紹介している。. 2-2-4.「非対面」 - 「非対話」式支援 被支援者と基本的には対面をせず対話も行わない支援も、学生ピア・サ ポートには存在する。これは、学生ピア・サポートの主流ともいえる「対 面」 - 「対話」式の支援からは最も遠い手法であるといえるかもしれない。中 出(2003)は、ピア・サポート活動の一つに「ピア新聞の発行」を挙げてお り、具体的な内容として、風邪の予防方法や飲酒についての情報、一人暮 らし用のレシピなどを紹介している。桑島(2017)は宇都宮大学のラーニン グ・コモンズにおけるピア・サポート活動を報告しているが、サポーターら が相談活動以外にラーニング・コモンズ内の環境美化活動に取り組んでいた と述べている。また、大石(2010)は、山口県立大学のピア・サポート活動 において、相談者が来ない時間には各種相談窓口についての資料作成や、大 学周辺のオリジナルマップ作りなどを行っていたと報告している。これらは いずれも被支援者と触れ合わずに、不特定多数の学生の役に立とうという活 動である。ただし、いずれの場合も、これらの「非対面」 - 「非対話」式の活 動のみをしていたわけではなく、対話による支援の副次的な位置づけとして 実施されている。 2-3.小括 本章では、学生ピア・サポートの手法を対面式か否か、対話による支援か 否かという2つの観点から整理し、様々な大学の実践報告から具体的な支援 内容を分類した。それをまとめたものを図2に示す。「対面」 - 「対話」式支 援は、実践報告や研究が豊富に蓄積されており、学生ピア・サポートにおけ 66.
(7) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. 図2. 学生ピア・サポートの分類(筆者作成). る基本的な支援手法であると考えられる。一対一の悩み相談のみならず、グ ループでの話し合い、学習支援、学生生活におけるパートナーとして過ごす ことなど、西山・山本(2002)による分類に合致する活動が多数挙げられた。 「対面」 - 「非対話」式支援には、イベントの企画・実施や講座の開講などが あり、どちらかといえば個人の特定の課題に対処するというよりも、問題や 悩みを生み出さないようにする予防的な支援としての性質がある。 「非対面」 - 「対話」式支援には、少ない事例ながらも電話や電子メール、電子掲示板 で相談に応じる形が挙げられた。そして、「非対面」 - 「非対話」式支援には、 新聞の発行や資料の作成・配布などが報告されているが、この形式の支援は 主要な活動として行われているわけではなく、「対面」 - 「対話」式支援の副 次的な位置づけとして実施している場合が多い。次章では、これら4分類の うち、従来の学生ピア・サポートの中心的な活動とは考えられていなかった であろう「非対面」 - 「非対話」式支援に着目し、その意義や課題を考察する。. 3.「非対面」 - 「非対話」式支援の実践 3-1.キャリアに関する学生ピア・サポートの課題 地域創造学研究. 67.
(8) 論文. 奈良県立大学では、平成29年6月よりキャリアに関するピア・サポート団 体(通称「ピア・キャリア・サポート」)を立ち上げ、「非対面」 - 「非対話」 式支援を主要な活動として実践している。従来、就職・キャリアに関するピ ア・サポートは、内定を得た4年次生が就職活動中の3年次生を支援する形 式が主流であった。神奈川大学「就活ピア・サポーター」(大塚. 2013)のよ うに、就職内定者が就職活動中の学生に対してアドバイスをし、彼らの不安 の解消を狙う取り組みは典型的な例であろう。 白井(2010)は、全国の国立・公立・私立大学を対象に郵送による悉皆調 査を行い、大学のキャリアセンターにおけるピア・サポートの実態を明らか にしている。白井によると、就職支援を目的としたピア・サポート活動はど れも1年ごとの完結型となっており、事業内容が必ずしも継承されないこと から、多くの大学で団体の管理・運営や新サポーターの募集に関する課題が ある。たしかに、通常キャリアに関するピア・サポートは、内定を得た4年 次生を支援者として設定するため、活動期間は1年に満たない場合がほとん どである。次のサポーターを探すころには、すでに前の代のサポーターは卒 業していることになる。 実際、キャリアに関するピア・サポートに限らず、学生ピア・サポートの 実践報告では、組織の継続的な運営は慢性的な課題となっている。大石・ 林・稲永(2010)は、「実際には、サポーターの学生が想像したほど、相談 にくる一年生は多くはない」という現実から、「ピアサポーターのモチベー ションを維持していくことの困難」さや、モチベーションの低下からドロッ プアウトしそうになるピア・サポーターのフォローの重要さを指摘する。. 3-2.奈良県立大学「ピア・キャリア・サポート」の活動内容 奈良県立大学におけるピア・キャリア・サポートは、平成29年12月現在、 1年次生8名のみで組織されている。そのため、自身の経験から他学生の キャリアや就職活動にアドバイスする方法、すなわち全国的に通例となって いる形でのキャリアサポートは困難であると判断された。よって、将来的に 「対面」 - 「対話」方式の支援も行うことは念頭に置きつつも、初年度はキャ 68.
(9) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. リアに関する調査をし、その成果として不特定多数の学生に有意義な情報を 提供する形での「非対面」 - 「非対話」式支援を実施した3)。 具体的には、奈良で働く社会人に対して、その人の仕事観、人生観、奈良 で働き奈良で暮らすことへの思いを取材し、壁新聞形式の成果物を用いて発 信している4)。「働くナラ・プロジェクト」と呼称するこの活動は、奈良で 働くことに関する具体的なイメージを想起させることで、自身のキャリアや 進路について未だ漠然としか想像できていない学生の一助になることを狙い としている。. 3-3.スケジュール 平成29年度の具体的な活動スケジュールは表1の通りである。平成29年4 5) 月に、担当教員(2名) によるピア・サポーター募集のための説明会を実. 施した。説明会では、ピア・サポートの基本的な概念の説明とともに、「働 くナラ・プロジェクト」の提案を行った。5月には、ピア・サポートを本格 的に組織する前のプレイベントとして、担当教員が説明会出席者のうち有志 11名を引率し、奈良県橿原市にある辰巳電子工業株式会社の社内見学および 社員の方々との座談会を実施した。6月に入ってからは本格的にピア・キャ リア・サポートを組織し、以後月3~4回ペースで定期的に会議を実施して いる。会議では、組織体制の確立(リーダ、副リーダの選定)を行ったのち、 表1.ピア・キャリア・サポート(平成29年度)実施スケジュール. 4月. ピア・キャリア・サポートの説明会を実施. 5月. プレイベントとして、地元企業を訪問. 6月. 本格的にピア・キャリア・サポートを組織. 7〜8月. 組織体制を確立、インタビューに向けた事前学習(研修) を実施. 9月. 第一弾 取材(4件). 10〜12月. 成果物作成および次回インタビュー先の選定. 12月. 第二弾 取材(2件)実行. 1月. これまでの成果をまとめ、1年次生に発表・交流(予定). 地域創造学研究. 69.
(10) 論文. 取材での社会人への質問の検討、興味のある企業の選定などをしており、以 後は個々人の取材の進捗報告やイベント実施に向けての打ち合わせを行って いる。7月から8月にかけて、社会人への取材を見据えて「メールの書き 方」「電話のかけ方」「アポイントの取り方」「企業訪問時のマナー」の事前 学習を実施した。同時に、取材の予行演習を1人あたり2回程度実施し、話 の聞き方や質問の掘り下げ方を練習した。9月には、学生のみで取材に行き、 1件につき1時間程度取材した6)。10月以降は、社会人から得てきた情報を もとに、他学生に何を伝えたいかに焦点を当てて成果物を作成した。成果物 作成にあたり、担当教員が内容やまとめ方を指導し、一件の成果物につき3 ~4回は修正を促した。成果物作成と並行して次回の取材先を選定・交渉し、 12月にはさらに2件の取材を実施している7)。. 3-4.ピア・サポートとしての意義と課題 3-4-1.ピア・サポーターへのインタビュー調査 次に、学生ピア・サポートにおける「非対面」 - 「非対話」形式の活動の意 義や課題の一側面を明らかにするため、初期から参加している6名のサポー ター(表2)に対し、現段階での活動に対する意識について、各々30分程度 のインタビュー調査を行った8)。インタビュー対象者であるサポーターの内 訳は表2の通りである。 具体的な質問項目は、「ピア・キャリア・サポートに入った動機」「実際 に入ってみた感想」「活動に対するモチベーションの変化」「ピア・キャリ 表2.インタビュー対象者の内訳 (取材件数はインタビュー実施時のもの). 70. 学生 A. リーダー。取材経験2件。. 学生 B. 副リーダー。取材経験1件。. 学生 C. 取材経験1件。. 学生 D. 取材経験1件。. 学生 E. まだインタビューを経験していない。. 学生 F. 取材経験1件。.
(11) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. ア・サポートが自分にとっていかに役に立つか(役に立っているか)」「ピ ア・キャリア・サポートが他学生にとっていかに役に立つと思うか」「実際 に活動してみて感じる課題や不安な点」「今後の活動への展望」の7点であ る。次項では、インタビュー調査で得た彼らの語りを、モチベーションや活 動継続への意識という観点からまとめ、考察する。. 3-4-2.学生のピア・キャリア・サポートへの意識 (1)参加への動機 まず前提として、サポーターの多くは、ピア・キャリア・サポートの活動 を、自らのキャリアに関する知識の習得や就職活動に向けた意識付けに役立 てるつもりで参加している。中には学生Cのように「(まわりの)皆が入っ たから」参加を決めた学生もいるが、その他は「関東出身のため、関西の 就職について何もわからなかったから」参加した学生Bや、「人と話すのが 苦手だから、大人と喋る練習がしたかった」学生D・学生Fのように、活動 を通して自分のキャリア形成に役立てたい、苦手を克服したいという意図を もって参加を決めている。 (2)活動に対するモチベーション 6ヶ月間の活動を通して、彼らの活動へのモチベーションはいかに変動し ていったのか。ほとんどの学生が、社会人への取材実施時および取材直後に モチベーションが上がったと回答している。取材時にモチベーションが上 がったと答える学生Cは「実際に話を聞いている場面では、『こんな話も聞 かせてもらえるなんていい経験をしているな』と思って、モチベーション的 に上がった」と述べる。取材の直後に上がったと答えた学生Aは、「一番や る気が上がったのは、インタビュー(※取材の意)の後、成果物作成の前で すね。成果物作成の際は、早く皆に見せたいので」と答えている。また、ま だ実際に取材に行っていない学生Eも、「皆が興味に向かって突き進んでい る姿を見たときは自分も頑張らなくちゃと思った」と答えており、メンバー が取材に出かけるなど活発に動いている姿が他の学生にも刺激を与えていた ことがわかる。 ただし、 「他の仕事が入ったときは優先順位をつけるのが苦手で、 『あ、し 地域創造学研究. 71.
(12) 論文. んどい』と(感じた)」(学生B)、「成果物を作るとき、『(成果物が本当 に)出来るのかな』『あー、大変だな』って思いました」(学生C)、「特に (モチベーションが)下がるというわけではないですけど、基本的に私の性 格上後回しにしたらダメだなとは思った」(学生D)との語りからも窺える ように、作業内容が増えたときには負担感を覚えることがあり、モチベー ションの低下に響く可能性をはらんでいる。その他、まだ自分の興味のある 業界を見つけられないでいる学生Eは、「あまりにも自分が物事に興味を示 せないと思ったとき、本当に自分が(自分自身のことを)面白くないなと 思ったときには『あぁ・・・』って思います」と述べている。このことからは、 作業に踏み出せない停滞感がモチベーションの低下を招く可能性があること も窺える。 (3)活動継続への意識 来年度の活動に関しては、学生Eは「続けていくべきなんだろうなとは思 う」と比較的消極的な理由での継続を示していたが、それ以外はおおむね積 極的に来年度の活動継続を希望していた。彼らが団体としての活動を希望す る理由は、「自分のためになるから」という面が大きい。サポーターたちは 「この活動で自分を犠牲にしているわけではないから」(学生A)、「絶対に役 に立つじゃないですか。絶対に損はしない活動だし。これは慈善活動ではな いですから」(学生D)と主張する。また、学生Bも「シンプルに、自分の ためになるから。(他の学生にも)知っている情報は全部伝えたいと思うん ですけど、やっぱり自分のためになる」と述べている。これらの意見からは、 自分自身のために有意義であり、活動を通して自分も得をしていることの自 覚が、活動継続への意思に結びついていることがわかる。 では、学生達が「得をする」と感じる内容はどこにあるのか。学生Bは、 社会人へのインタビューを経験して「サークルでよくOB・OGの方々に会う けれど、その方々のお話がよくわかるんです。インタビューをすることで、 前よりも人の話を聞くことが好きになりました」と語る。同様に、学生Fも 「話題の探し方とか、友達と社会人だと変わってくるじゃないですか。触れ る話題が。なので、社会人の人と接することができる良い機会」と述べる。 72.
(13) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. また、学生A・学生B・学生C・学生Dは、 「 (取材前の事前学習で)メー ルの書き方を学べた」ことを良かった点に挙げている。短いメッセージのや り取りが主流の現代の学生にとって、メールを送る経験はほとんどなく、 「普 通はメールの書き方なんて教えてくれないから、 (教えてもらえていなかっ たら) 『件名なんかいらんやろ』 って思ったままだったと思う」 (学生A)、 「メー ルの書き方も、私、全然ダメだったじゃないですか。言われないとわからな かったから、 教えてもらえて、 それに気づけて良かった」 (学生C)と振り返る。 学生Eは、 「きっと4年間があっという間に過ぎる中で、会議等でピア・キャ リア・サポートの存在を思い出した時は、自分の就職について考えるきっか けになっているとは思います。 (ピア・キャリア・サポートの活動が)なかっ たら、何も考えずに過ぎていく一年だったと思う」と、活動そのものが自分 のキャリアを考えてみるきっかけを提供している点を指摘した。 (4)サポートに対する意識 一方、本取り組みは当然ピア・サポートとして他学生への支援を前提に行 われているものであり、学生達は自らの利益になることしか考えていないわ けではない。参加学生Aは、取り組みが他学生にとっていかに役立つのか、 次のように語っている。 うちの大学って、就職先の業種が狭いじゃないですか。観光関係 と、公務員と、銀行と・・・。大学受験の時も、自然と先輩達が進ん だ大学ばかりが自分の選択肢になりがちで、ある日担任から別の大 学を勧められた時に、「こんな大学もあったのか」と視野が広がっ た経験があるんです。今も、この大学で先輩達の進路選択を見る と、自分たちもそういうところでしか働かないものなのだと、自然 と思ってしまう。(働くナラ・)プロジェクトでさまざまな仕事に 就いている人を紹介できれば、「そういう道もあるんだ」と学生の 視野が広がる助けになると思います。 学生Bや学生Fも同様に、 「上からの情報ではなく、横からも得ることで、 広い視野を得られる」 (学生B) 、 「働く選択肢が東京とか大阪市内だけでは 地域創造学研究. 73.
(14) 論文. ないんだよ、と。奈良でもこういう会社があるんだという選択肢を作るきっ かけにはなるのかな」 (学生F)と、他学生の視野を広げるサポートとして 本取り組みを認識している。また、学生Cは「例えば○○さん(※学生Cが 取材した社会人)の『内定を取った企業だけがゴールではない』というメッ セージを皆に伝えて、就活の時に思い出してもらえれば、皆も気が楽になる んじゃないかなと思います」と答えており、取材した社会人からのメッセー ジやアドバイスを他学生に伝えることに意義を見出す学生もいた。 (5)活動の課題 一方で、本取り組みの課題はどこにあるのか。学生Eと学生Fは、 「皆、 自分の目標や興味があるからこそだと思うんですけど、周りに関心がある人 が少ないかもしれない」 (学生E) 、 「皆、何か共通点があるというわけでは なく、あちこちから集まってきたメンバーじゃないですか。今の段階で結束 力があるわけではない」 (学生F)と団体としてのまとまりを課題として指 摘する。現在の取り組みではそれぞれの興味をもとにその都度グループを組 み、取材と成果物作成を行っている。週1回程度の定例会議はあるものの、 団体で団結して一つの取り組みを行っている認識が低くなりがちなのは否め ない。また、参加学生の中には「先生達がいないと活動の善し悪しの判断基 準がわからない」(学生A) 、 「先生達がいなくなったら、どこまで自分たち で出来るのかなっていうのは思います」 (学生C)と不安を吐露する学生も おり、現段階では学生団体として自立している状況にあるとはいえない。 上記2つの課題はいずれも、学生個々人が学生間の関係性よりも、自身と 教員との関係性に目を向けがちな状況に起因していると考えられる。取り組 みにおいて、取材方法の学習や成果物作成のために教員からの指導は不可欠 であり、その上、前述したとおり学生達に向けて常に有意義な活動をしてい るという意識付けを行うことは重要である。しかし一方で、団体として自立 しながら活動を継続させるためには、自分たち自身で活動の舵取りをするよ う促していく必要がある。学生と教員との関係性を緊密にしすぎず、教員が 学生の活動をコントロールしすぎないあり方を意識する必要があるだろう。. 74.
(15) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. 3-5.小括 学生ピア・サポートを実践する上での課題として、 「モチベーション維持 の困難さ」は常に掲げられている。さらに、キャリアに関するピア・サポー トでは、 内定を得た4年次生が主体となって活動することが多く、サポーター の総入れ替えが毎年行われるため、引き継ぎの困難さが指摘されていた。対 して、本学のピア・キャリア・サポートは、1年次生が主体となって出来た 団体であるため、活動内容と学生のモチベーションによっては長期間活動で き、比較的引き継ぎの心配をせずに実施できる可能性がある。 本取り組みにおいて、学生達は社会人への取材を経験することで、活動そ のものが自らのキャリア形成やスキルの獲得に役立っていると認識しており、 その認識こそがモチベーションの維持や次年度に向けた活動継続の意思へと 繋がっていることが明らかになった。よって、教員による指導の中で、いか に活動が自分自身にも役に立っているのかを意識づけていくことが重要であ ると考えられる。これは当然のことのように思われるが、ともすればサポー ターの奉仕の精神や、下級生への思いやりの精神に頼って運営しがちである 学生ピア・サポートにおいては、担当教員やスタッフが十分に注意をする必 要がある点だと指摘できる。また、教員と学生とのコミュニケーションが重 要である一方で、かかわり方によっては学生の意識が学生自身や教員側へと 集中してしまい、団体そのもののあり方や団体としての活動方針にまで目を 向けられないという課題もある。. 4.まとめ 本稿では、まず大学における学生ピア・サポートを、「対面」式か「非対 面」式か、「対話」式か「非対話」式かの二つの軸を用いて分類し、他校の 具体的な実施事例を挙げながら整理した。そして、教育現場におけるピア・ サポートにおいて研究の蓄積が少ない「非対面」 - 「非対話」式支援を取り上 げ、奈良県立大学におけるピア・キャリア・サポートの実践を通してその意 義と課題を考察した。 「対面」 - 「対話」式支援は、いわゆるカウンセリング形式の活動や学習支 地域創造学研究. 75.
(16) 論文. 援等が当てはまり、実施報告も豊富にある。一方で、「非対面」 - 「非対話」 式の支援は、新聞やマップの掲示・配布などが挙げられるが、相談活動の閑 散期に実施されるなど、この手法を用いた支援を活動の中心としているピ ア・サポート団体は数少ない。 「非対面」 - 「非対話」式支援は成果物作成が主な取り組みとなるが、奈良 県立大学ピア・キャリア・サポートの参加学生へのインタビュー調査を通し て、取材や成果物作成の際の教員による指導・意識づけによって、サポー ターの高いモチベーションを維持できる点が明らかになった。これは、学生 ピア・サポートの慢性的な課題として挙げられていた継続的な団体運営、特 にキャリア支援の観点からは、「1年間でメンバー総入れ替え」という不安 定な組織運営を脱却できる可能性を示している。このような意義が見いだせ た一方で、教員と学生の距離の近さや、教員からの指導のあり方によっては、 学生団体としての自立に支障を来す可能性があることが課題として考えられ た。また、サポートと称しながらも自らの利益のみを追い求める活動になる 可能性は常に内包されており、将来的に相談活動も行えるように、他学生へ のニーズの把握や、他者の役に立つことへの意識付けもピア・サポート運営 において必要であると考えられる。 本稿では、学生ピア・サポートを分類するにあたり全国のピア・サポート を網羅的に調査できたわけではなく、検討事例も本学における一例のみで あった。今後はより多角的に事例を検討すると共に、被支援者からの観点か らも「非対面」 - 「非対話」式支援における意義も考察していく必要があるだ ろう。. 〈謝辞〉 本稿を執筆するにあたり、共にピア・キャリア・サポートの運営に携わり、 様々なアドバイスをくださった奈良県立大学の須川まり特任講師と、快くイ ンタビュー調査に応じてくれたピア・サポーターの学生達に感謝します。. 76.
(17) 学生ピア・サポート活動における非相談型支援の意義と課題〜奈良県立大学ピア・キャリア・サポートを事例に〜. 〈注〉 1)日本学生支援機構「大学等における学生支援の取り組み状況に関する調査」 〈http://www.jasso.go.jp/about/statistics/torikumi_chosa/index.html〉参照。 (2018/1/04最終閲覧)。 2)国立大学法人秋田大学「学習ピアサポート」〈http://www.akita-u.ac.jp/ kcenter/support/index.html〉参照。(2017/12/20最終閲覧) 3). 平成30年1月18日には、本学1年次生を対象としたイベントを開催し、キャリ アに関する意見交流という形で対面式の活動は実施する予定である。 4)本取り組みは、奈良県立大学におけるCOC+事業の一環として位置付けられて おり、学生間における奈良での就職に関する意識づけも狙いとしている。詳し くは、須川(2018)参照。 5)奈良県立大学ピア・キャリア・サポートは、奈良県立大学地域交流センター COC/COC+推進室の須川まり特任講師と筆者が担当している。 6)9月に実施した取材先と取材に行った学生の人数は、株式会社奈良新聞社 (2名)、関西美術印刷株式会社(3名)、一般財団法人奈良の鹿愛護会(1 名)、株式会社アーク・スリー・インターナショナル(1名)である。 7)12月に実施した取材先と取材に行ったサポーターの人数は、奈良県庁地域振 興部観光局(3名)、奈良で活躍する芸術家(兼奈良県立大学講師)西尾美也 氏(3名)である。 8)インタビューは、平成29年12月11日・12日に実施した。なお、学生の都合に より、学生Aと学生Bに限っては2人同時に45分間のインタビューとなった。. 〈参考文献〉 濱田陽・細川和仁,. 2014,「学習ピアサポートシステムの軌跡」『秋田大学教養基礎 教育研究年報』16:1-7. 伊東. 孝郎,. 2016,.「白鷗大学ピア・サポート活動―10年間の歩み」『白鷗大学教育 学部論集』10(1):143-161. 加賀美常美代,. 2010「お茶の水女子大学ピアサポート体制の事例紹介――全学的取 組と留学生支援を中心に」『大学と学生』87:22-28.. Kato,. Hideo.. and. Haruo. Magari,. 2017,.“Contrasting. the. Nature. of. Peer. support. systems.between.Japan.and.Western.nations” 『教育学論集』68:45-71. 川上輝昭・吉田文,. 2015,「保育職を希望する学生への就職支援―ピアサポートの 試みを通して」『名古屋女子大学紀要』61:345-354. 兒玉. 憲一,. 2000,「学生ボランティアによる学生相談活動の試み―広島大学ピ ア・サポート・ルームのめざすもの」『大学と学生』429:53-59. 栗原慎二,. 2008,「7. 『ピア・ヘルピング』『ピア・カウンセリング』という用語も あるようですが、 『サポート』という用語を使うのは、どんな意図があるのです か。」中野武房・森川澄男・高野利雄・栗原慎二・菱田準子・春日井敏之編著. 地域創造学研究. 77.
(18) 論文 『ピア・サポート実践ガイドブック―Q&Aによるピア・サポートプログラム のすべて』,.ほんの森出版,.26. 桑島英理佳,. 2017,「ラーニング・コモンズにおけるピア・サポート活動―宇都宮 大学『コモンズ学生スタッフ』の事例から」『宇都宮大学地域連携教育研究セン ター研究報告』24・25:27-32. 永井智・松尾直博・新井邦二郎,. 2004,「大学新入生に対するピア・サポート活動の 試み」『東京学芸大学紀要.第1部門.教育科学』55:81-91. 中出佳操,. 2003,「大学生によるピア・サポート活動とその意義」『人間福祉研究』 6:.85-99. 仲律子,. 2013,「大学におけるピア・サポート活動について―鈴鹿国際大学での発 達障害や精神障害の学生への支援を中心として」『鈴鹿国際大学紀要』19:147162. 奈良雅之・土井徹・竹田浩樹・佐藤彰紘・後藤多可志・山田秀樹・原田新一郎・ 畑井喜四郎・小茂田美保・中村賢一,. 2017,「目白大学岩槻キャンパスにおける学 習支援プロジェクトの試み」『目白大学高等教育研究』23:91-96. 西山久子・山本力,. 2002,「実践的ピアサポートおよび仲間支援活動の背景と動向 ―ピアサポート/仲間支援活動の起源から現在まで」『岡山大学教育実践総合 センター紀要』2:81-93. 大石由起子,. 2010,「高等教育におけるピアサポート導入の教育的効果と期待」『大 学と学生』561:16-21. 大石由起子・林典子・稲永努,. 2010,「大学における新入生支援としてのピアサポー ト活動―立ち上げの2年間をめぐる考察」『山口県立大学学術情報』3:29-44. 大塚順子,. 2013,「神奈川大学『就活ピアサポーター』―神大生の神大生による神 大生のための就職活動支援」『かながわ政策研究・大学連携ジャーナル』5:1518. 白井章詞,. 2010,「大学のキャリアセンターにおける就職支援を目的としたピア・サ ポート活動」『生涯学習とキャリアデザイン』7:145-161. 須川まり,. 2018,「COC+事業におけるピア・キャリア・サポートの実践意義―働 『 地域創造学研究』28(4) (刊行予定) くナラ・プロジェクトの教育的位置づけ―」 高橋伸子,. 2014,「大学生のピア・サポートプログラムに関する一考察―流通経済 大学社会学部初年次教育における新入生支援の事例から」『流通経済大学社会学 部論叢』25(1):57-75. 戸田有一,. 2001,「学校におけるピア・サポート実践の展開と課題―紙上相談とオ ンライン・ピア・サポート・ネット」『鳥取大学教育地域科学部紀要』2(2):5975. 鳥越ゆい子・武佐和子・川西千弘,. 2013,「K女子大学のピア・サポート活動におけ る学生の成長―ピア・サポーターの成長に注目して」『帝京科学大学紀要』9: 45-56. 土屋貴之,.2010,「ピア・サポートの可能性」『大学と学生』561:29-35.. 78.
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