阪 神 大 震 災 と コ ン ピ ュ ー タ ・ ネ ッ ト ワ ー ク
〜 イ ン タ ー ネ ッ ト、 ニ フテ ィサ ー ブ等 に お け る震 災 情 報 の 内容 と構 造 〜
川上 善郎(文 教 大 学) 田畑 暁生(東 京大 学大 学院)
田村 和人(日 本 テ レ ビ放 送 網) 福 田 充(東 京 大 学 大 学 院)
The Role of Computer Networks in The Great Hanshin Earthquake
—Information Structure and its Contents —
Yoshiro KAWAKAMI, Kazuhito TAMURA, Akeo TABATA and Mitsuru FUKUDA
When the Great Earthquake of 1923 struck the Tokyo district, radio broadcasting had not started yet. It might be easily imagined that a lot of damage after the disaster could have been avoided if we had had a radio broadcasting system in those days. In the case of the Great Hanshin Earthquake, this time all kinds of information media —television, radio, newspaper, telephone, pager, facsmile, mobile phone, computer network, internet system and so on—were used intensively.
The post-disaster society tried to construct more efficent systems of communication using old and/or new media and taking advantage of the quality of each medium. The limitations of each medium under the confused and urgent situation were revealed. Researching media behavior following the Great Hanshin Earthquake, we can get many suggestions for making the most useful and efficeint information system when a great disaster strikes on our society next time.
The purpose of this paper is to analyze how the commercial computer networks (NIFTYServe and ASAHInet, the former is one of the biggest, the later is the smaller one in Japan) and Internet in Japan were used after the earthquake. The conclusion of the research is that the commercial computer networks and Internet were directly helpful not for the sufferers from the disaster but for those around the quake-striken district. People who had relations to the sufferers or the districts make a great use of the information which was provided in the commercial computer networks and Internet.
くは じめ に 〉
1995年1月17日 の 早 朝 に 発 生 した 阪神 大 震 災 は 、 そ の規 模 の 大 き さ、 被 害 の甚 大 さ 、 そ して 近 代 的 な 巨 大都 市 をお そ った 震 災 と して、 現 在 様 々 な視 点 か らの研 究分 析 が な さ れ て い る。 そ の視 点 の一 つ と して、大 震 災 とい う極 限状 況 に 際 し、電 子 メデ ィア群 の 各 々 の 在 り様 が 明確 な 形 を もっ て 表 面化 した こ とに 注 目す る こ とに は大 きな意 味 が あ ろ う。 そ こ で は、 従 来 の メ デ ィ ア群 が そ の メデ ィア特 性 や 地 域 特 性 を生 か して活 発 な行 動 を行 った と同 時 に 、新 しい メ デ ィ ア群 も また 、 そ の役 割 を確 立 しつ つ あ る こ とを感 じさせ た。 本 論 で は 、 そ うい っ た新 た な メ デ ィ ア群 の な か で も
コ ン ピュ ー タネ ッ トワー ク を取 り上 る もの で あ る。
具 体 的 に は 、パ ソ コ ン通信 の ニ フ テ ィー サ ー ブ とASAHIネ ッ ト、そ して 接 続 され た コ ン ピュー タ が 急 増 を続 け る イ ン タ ー ネ ッ トを事 例 とす る。 テ レ ビや ラ ジ オ の よ う に普 及 率 が100%に 近 い マ ス メ デ ィ ア と、 これ ら、 一 部 の 人 々 にの み ア クセ ス が 限 られ て い る メデ ィ ア を 同列 に 扱 っ て議 論 す る こ とは 無 論 、 無 理 が あ るが 、 パ ソ コ ン通 信 の 中 に は ニ フ テ ィサ ー ブやPGVANの よ うに 利 用 者 が100万 の オー ダ ー に 成 長 を して い る もの もあ り、 もはや ミニ メ デ ィ ア と い う レベ ル で な い こ と も事 実 で あ る し、 イ ン ター ネ ッ トの成 長 は周 知 の通 りで あ る。
阪神 大 震 災 に 関 す る既 存/新 規 の メデ ィ ア に よ る情 報 発 信 行 動 は 、放 送 の 特 性 あ る い は通 信 の 特 性 を両 者 が生 か しな が ら、 あ る い は短 所 を補 い なが ら、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン シ ス テ ム全 体 と し て の完 全 性 ・調 和 性 を 目指 した初 の 大 規 模 な行 動 で あ っ た と考 え られ る。 つ ま り、 一 般 的 に 、 情 報 の発 信 源 が放 送 局 や 新 聞社 とい っ た 巨大 メ デ ィ ア に集 中 して きた従 来 の 形 態 の み な らず 、情 報 処 理 の分 散 化 とい う大 きな 流 れ の 中 で 、 規 模 の 小 さ さゆ え に 、 あ るい は デ ー タベ ー ス と して の有 用 性 を高 め た ゆ え に、 よ り地域 と密 着 し、 よ り当事 者 の ニー ズ に か な う新 しい メ デ ィ ア群 が付 加 され 始 め て い る。 そ こ で は 、全 体 的 に 調 和 性 の高 い、 そ して きめ の 細 か い メデ ィ ア環 境 ・情 報 環 境 の枠 組 み を構 築 す る こ との 可 能 性 を見 る こ とが で き るの で あ る。
つ ま り、 第一 に 、 コ ン ピュ ー タネ ッ トワー クが どれ ほ ど役 立 った か と い うこ とよ り も、 放 送 や 印刷 メ デ ィ ア とは 異 な る、 どの よ うな特 性 や 機 能 を発 揮 しえ た か 、 第 二 に 、 これ ら の ネ ッ トワ ー クに は、 当事 者 の一 次 的 な 情 報 が 多 い ため に、 マ ス メデ ィア に フ ィー ドバ ッ クす る経 路 も同 時 に 形 成 で き るの で は な い か 、 とい う可 能 性 を検 討 す る こ とで あ る。 情 報 技術 の 進 歩 を背 景 と した 電 子 メ デ ィ ア群 の震 災 時 に お け る実 効 性 と今 後 の 発 展 性 を検 討 した い。
1.ニ フ テ ィ ・サ ー ブ に お け る震 災 情 報 の 内 容 と構 造
まず 最 初 に こ の節 で は 、今 回 の 阪神 大 震 災 で 、 商 用 の パ ソ コン通 信 ネ ッ トワー ク にお い て どの よ うな経 緯 を経 て震 災情 報 が メニ ュ ー と して 構 造 化 され 、 どの よ うな タ イプ の 災 害 情 報 が 載 せ ら れ 、どの よ う な人 が 情 報 を発 信 した のか な どの、電 子 ネ ッ トワー クの 中の 震 災 情 報 の 内容 と構 造 、 そ して そ の利 用 実 態 を分 析 し、 この パ ソ コ ン通 信 とい うメ デ ィ ア が 災 害 時 の 情 報伝 達 に どの よ う に 利 用 可 能 か を検 討 す る。 そ の た め の ケ ー ス ス タデ ィ と して、 こ こで は 「ニ フ テ ィサ ー ブ」 の例 を分 析 対 象 と して と りあ げ る。 こ こで ニ フテ ィサ ー ブ を と りあ げ る理 由 は 大 き く2つ あ る。 ま ず 1つ は、 ニ フ テ ィサ ー ブ が95年 現 在 で 会 員 数100万 人 を超 え る 国 内最 大 級 の パ ソ コ ン通 信 ネ ッ ト ワー ク で あ る こ と、 そ して2つ 目は今 回 の 震 災 で も地 震 情 報 サ ー ビス を積 極 的 に 展 開 し た こ とで あ る。 以 下 、 パ ソ コ ン通 信 サ ー ビス の 主 な メニ ュー とそ の経 過 を概 観 した 後 に 、具 体 的 な震 災 情
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報 の 分 析 に 入 る こ とに し よ う。
1.ニ フ テ ィ に お け る 震 災 情 報 の 経 過
阪 神 大 震 災 の 発 生 に と も な い ニ フ テ ィ サ ー ブ は 、 震 災 発 生 当 日 の 午 後1時 に 地 震 情 報 コ ー ナ ー を 開 設 し た 。翌18日 に は 地 震 情 報 コー ナ ー の 無 料 化 が 実 施 さ れ た 。 ス タ ー ト時 の メ イ ン ・メ ニ ュ ー は 次 の 通 り で あ っ た 。
1.ご 案 内
2.地 震 関 連 ニ ュ ー ス
3.地 震 関 連 掲 示 板(被 害 ・交 通 情 報) 4.地 震 関 連 掲 示 板(教 え て く だ さ い)
こ の よ う な 簡 単 な メ ニ ュ ー か ら ス タ ー ト し た が 、 時 間 単 位 で 次 々 と変 更 が 加 え ら れ て い っ た 。 地 震 情 報 コー ナ ー の メ ニ ュ ー の 変 更 経 過 は 以 下 の 通 りで あ る 。
1月17日(火)午 後1時:
兵 庫 県 南 部 地 震 の 発 生 に と も な い 「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー を 臨 時 開 設 。
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー で 地 震 関 連 の 「掲 示 板 」 サ ー ビ ス と 「ニ ュ ー ス 速 報 」 サ ー ビ ス を 提 供 。
1月18日(水)午 後7時 半:
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー を 無 料 化 1月19日(木)午 後:
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー で 義 援 金 の 受 け 付 け を 開 始
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー に 「亡 く な っ た 方 々 の 名 簿 」 を 追 加
「安 否 関 連 」 を掲 示 板 「教 え て く だ さ い 」 に 追 加 1月20日(金)午 後:
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー に 以 下 の メ ニ ュ ー を 開 設
「死 亡 者 名 簿 」
「掲 示 板(救 援 ・ボ ラ ン テ ィ ア)」
「入 試 日程 変 更 情 報 」 1月26日(木)
災 害 復 旧 の 本 格 化 に と も な い 、 「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー に 「震 災 ボ ラ ン テ ィ ア フ ォ ー ラ ム 」 「公 的 機 関 か ら の お 知 ら せ 」 を 追 加
2月12日(日):
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー に 「地 震 避 難 者 所 在 情 報 」 を 開 設 3月1日(水)
「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー に 「イ ン タ ーVネ ッ ト」 を 開 設 3月17日(金)
ト ッ プ メ ニ ュ ー 「18.地 震 情 報 」か ら 「6.ニ ュ ー ス/ス ポ ー ツ/天 気 予 報 」に 戻 る。
以 上 の よ う な 経 過 を 経 て 、 「地 震 情 報 」 メ ニ ュ ー は 最 終 的 に 図 表1の よ う な 構 造 と な っ た 。サ ー ビ ス 項 目 で あ る メ イ ン メ ニ ュ ー の 中 に さ ら に 細 分 化 さ れ た サ ブ メ ニ ュ ー が あ る 。
図 表1ニ フ テ ィ サ ー ブ に お け る 「地 震 情 報 」 の メ ニ ュ ー 構 造
地 震 情 報(メ イ ン メ ニ ュ ー) 1.ご 案 内
1:懸 飜 薯斃 籥 簿
4.地 震 関 連 ニ ュ ー ス
5.震 災 ボ ラ ン テ ィ ア フ ォ ー ラ ム
6.イ ン タ ーVネ ッ ト
7.掲 示 板(被 害 ・交 通 情 報)1・2・3・4 8.掲 示 板(救 援 ・ボ ラ ン テ ィ ア)1・2・3 9.掲 示 板(教 え て くだ さ い ・安 否 関 連)冖
10.入 試 日程 変 更 情 報 11.公 的 機 関 か ら の お 知 ら せ
12.物 価 情 報 受 付 コ ー ナ ー 13.義 援 金 コー ナ ー
14.各 種 情 報 問 い 合 わ せ 先 一
(サ ブ メ ニ ュ ー)
一[1:糖 鸚 蕪 譱 報
1.フ ォ ー ラ ム 運 営 か ら の メ ッ セ ー ジ 3.欲 し い も の&い り ませ ん か?(物 資) 5.欲 し い も の&い り ませ ん か?(労 力etc.) 6.ボ ラ ン テ ィ アQ&A
7.い り ま せ ん か?(団 体 か ら) 8.ボ ラ ン テ ィ ア 体 験 記 9.い り ま せ ん か?(個 人 か ら) 10.生 活 ・復 興 情 報 ポ ス ト 11.Nifty他 フ ォ ー ラ ム か ら の 12.デ ー タ 通 信 可 能 場 所 情 報
13."InterVolunteer"「 活 動 相 互 連 絡 室 」 14.社 会 的 弱 者 継 続 救 援 連 絡 室
15.現 場 レ ポ ー ト&ア ドバ イ ス 16.各 種 リス ト&CSV登 録 室
17.今 後 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 意 見 交 換 室 一19 .ヒ ア リ ン グ:フ ォ ー ラ ム 運 営 陣 へ の 意 見
3.InterVnetか ら の お 知 らせ 4.非 営 利 組 織 情 報
5.接 続 技 術 情 報 6.企 業 の 支 援 活 動 7.そ の 他 の 情 報 8.英 語 に よ る 情 報
9.行 政 機 関/業 界 団 体 か ら の お 知 らせ 10.被 災 地/被 災 者:生 活 情 報
11.被 災 地/被 災 者:知 りた い/欲 し い 12.被 災 地/被 災 者:現 地 か ら の 声 13.ボ ラ ン テ ィ ア:し ま す
14.ボ ラ ン テ ィ ア:募 集 冖15 .復 興 に む け て
1.2.3.教 え て くだ さ い1.2.3.
4.安 否 関 連 一 神 戸 市(東 灘 区) 5.安 否 関 連 一 神 戸 市(灘 区) 6.安 否 関 連 一 神 戸 市(中 央 区) 7.安 否 関 連 一神 戸 市(兵 庫 区) 8.安 否 関 連 一神 戸 市(長 田 区) 9.安 否 関 連 一神 戸 市(須 磨 区) 10.安 否 関 連 一 西 宮 市
11.安 否 関 連 一 芦 屋 市
"‑12 .安 否 関 連 一 そ の 他 の 地 区 1.政 府 な ど か ら の お 知 ら せ 2.兵 庫 県 か ら の お 知 らせ 3.神 戸 市 か ら の お 知 らせ 4.兵 庫 県 下 市 町 か ら の お 知 ら せ 5.大 阪 府 ・市 町 村 か ら の お 知 ら せ 6.そ の 他 の 自治 体 か ら の お 知 ら せ 7.そ の 他 の 公 的 機 関 か ら の お 知 ら せ 8.住 宅 に 関 す る お 知 らせ
1.交 通 情 報 問 い 合 わ せ 先
「
2.医 療 情 報 問 い 合 わ せ 先
3.ラ イ フ ラ イ ン 情 報 問 い 合 わ せ 先 4.生 活 情 報 等 問 い 合 わ せ 先 5.産 業 ・雇 用 情 報 問 い 合 わ せ 先 6.災 害 対 策 本 部 閂 い合 わせ 先
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2.「 地 震 情 報 」 に お け る掲 示 板 の 分 析
震 災 直 後 の パ ソ コン通 信 サ ー ビス に お い て も っ と も有 効 に機 能 し た もの の ひ とつ に、 各 種 掲 示 板 が あ る。 この ニ フ テ ィ ・サ ー ブ に は 図 表1で い えば 、 「7.被害 交 通 情 報 」 「8.救援 ・ボ ラ ン テ ィ ァ 」 「9.教え て くだ さい 」 「9.安否 関連 」 とい う4つ の掲 示 板 が 設 け られ たが 、 この 掲 示 板 に どの よ う な情 報 が の せ られ 、 どの よ うな利 用 者 が どの よ うな 利用 を行 な い 、 どの よ う な情 報 が 必 要 と され て い たの か とい う疑 問 を、4つ の掲 示 板 の 内容 分 析 を行 な う こ とに よ って 、 明 らか に す る。
こ こで 、 パ ソ コ ン通 信 に お け る震 災情 報 の 内容 分 析 を 、掲 示 板 とい うサ ー ビス を対 象 と して行 な う理 由 は 、 地 震 情 報 メ ニ ュー に お い て これ ら4つ の掲 示 板 がm最 初 か ら存在 し、 も っ と も情 報 量 ・利 用 者 の 多 い 中心 的 なサ ー ビス で あ るた め、 このパ ソ コ ン通信 の 可 能 性 につ いて考 察 す る た め に は この 掲 示 板 を分 析 す る のが もっ と も適 切 で あ る と判 断 した ため で あ る。 そ して 、 各 掲 示板 の 掲 示 数 が あ る一 定 の 少 数 に落 ち着 い た震 災発 生 か ら1か 月 の2月17日 ま での 掲 示 を分 析 対 象 と す る。
この 試 み は 災 害 とい う異 常 事 態 に お い て、 パ ソ コ ン通 信 が今 後 どの よ うに利 用 可 能 で あ るか と い う こ と を示 す だ け の もの で は な く、 こ の よ うな パ ソ コ ン通 信 上 でや り と りされ る各種 情 報 が 、 被 災 者 や そ れ を取 り巻 く周 囲 の利 用 者 の ダ イ レ ク トな 情 報 ニ ー ズ を反 映 して い る とい う意 味 にお い て 、マ ス コ ミ側 に もフ ィー ドバ ッ ク可 能 な災 害 情 報 の 流 通 の 可 能 性 を示 す もの で あ る とい え る。
2.i掲 示 板 に お け る 掲 示 数 の 推 移 、
ま ず 、4つ の 掲 示 板 全 体 の 掲 示 数 の 推 移 を見 て み よ う 。 図 表2は 掲 示 板 全 体 の1月17日 か ら 翌 2月17日 ま で の 掲 示 数 の 推 移 を 示 し た も の で あ る。 こ の 図 か ら わ か る よ う に 、 サ ー ビ ス が 開 始 さ れ た 当 日 は 開 始 が 午 後 で あ っ た た め に 、 掲 示 数 が 少 な くな っ て い る が 、 翌 日 の18日 に は 掲 示 数 が 1,000を 超 え て い る。 震 災 当 日 か ら1週 間 は 、 掲 示 数500を 超 え て い る が 、 そ れ 以 後 少 し ず つ 減 っ て い く。
図 表2:掲 示 板 全 体 に お け る掲 示 数 の推 移
掲 示 数
日付
この よ うな 全 体 的 な傾 向 は 、 個 々 の 掲 示 板 の掲 示 数 の推 移 を見 て も同様 で あ る。 例 え ば 、「被害 交 通 情 報 」 と 「安 否 関 連 」 の掲 示 板 に お け る掲 示 数 の 推 移 も、 図 表3の よ うな 同 様 な傾 向 を持 っ て い る。 「安 否 関 連 」 の掲 示 数 は19日 に で きた た め 、 図表3で も 「安 否 関 連 」 の掲 示 数 は19日 か ら始 ま って い るが 、 それ を 「被 害 交 通 情 報 」 に合 わ せ る よ うに左 に ず らせ ば 、 掲 示 数 の 推 移 が 同 様 の 傾 向 を持 って い る こ とが わ か る。 そ して 、 「被 害 交 通 情 報 」 よ りも 「安 否 関連 」 の 掲 示 板 に お け る掲示 数 の 方 が 相 対 的 に高 い こ とが わ か る。
図 表3「 被 害 交 通 情 報 」 と 「安否 関 連 」 に お け る掲 示 数 推 移 の 比 較
掲 示 数
日付 2.2.掲 示 の 分 類 別 総 数
掲 示 板 に お け る震 災 情 報 の 内容 分 析 を行 な うた め に 、 「被 害 交 通 情 報 」 「救援 ・ボ ラ ン テ ィ ア」
「教 えて くだ さい 」 「安 否 関 連 」 の4つ の 掲 示 板 に お け るそ れ ぞ れ の 掲 示 を
、 ひ とつ づ つ 以 下 の 4つ の分 類 軸 に した が っ て 、4ケ タ で コー ド化 を行 な っ た。4つ の 分 類 軸 に そ れ ぞれ 、 「1.情報 分 類 」 「2.情報 入 手 法分 類 」 「3.情報 種 類 」 「4.情報 対 象 地 域 」 と便 宜 上 名 前 をつ け た。 「情 報 分 類 」
は、 そ の掲 示 が 情報 と して その 掲 示 板 内容 に 則 した事 実 の 陳 述 を した もの で あ るの か 、 照 会 、 つ ま り問 い合 わせ を して い る もの なの か 、 ま た は 、 そ れ 以 外 の行 政 や マ ス コ ミへ の 主 張 を行 な って い る もの なの か を示 す ため の掲 示 の 分 類 で あ る。 「情報入手 法分 類」 とは、その掲示が情報 とし て 掲 示 者 が 個 人 的 に 入手 した オ リジナ ル な もの な の か、 他 人 か ら聞 い た伝 聞 情 報 で あ るの か 、 ま た は 、 他 の ネ ッ トワー クや マ ス コ ミか ら転 載 した情 報 な の か とい った 、 その 情 報 の入 手 法 の分 類 で あ る。 「情 報 種 類 」 とは 、 そ の 掲 示 の 内容 が 被 害 に 関 す る もの な の か 、 安 否 に 関 す る もの な の か 、 ま た は、 生 活 に関 す る もの な の か とい っ た 、 そ の 情 報 の 内 容 につ い て の 分 類 で あ る。 「情報 対 象 地 域 」 とは 、 その 掲 示 が対 象 と して い る地 域 か らの分 類 で あ る。 そ の 掲 示 が どの地 域 に 関 す
る情 報 な の か を分 類 した もの で あ る。
1情 報分 類 (1)事 実 情 報
(3)フ ィー ドバ ッ ク情 報 (5)告 知 情報 ・募 集 情 報
(2)照 会 情 報
(4)行 政 ・マ ス コ ミ ・ニ フ テ ィ へ の 主 張 ・要 求 (6)感 情 の 吐 露 ・お 願 い ・質 問
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(7)ア ドバ イ ス ・提 案(8)そ の 他 2.情 報 入 手 分 類
(1)1次 情 報(個 人)(2)1次 情 報(組 織)
(3)伝 聞 情 報(4)転 載 情 報(他 の ネ ッ ト ワ ー ク か ら)
(5)転 載 情 報(マ ス コ ミ ・省 庁 ・機 関 な ど か ら) 3.情 報 種 類
(1)被 害 情 報(2)交 通 情 報(3)機 関 情 報(4)ラ イ フ ラ イ ン 情 報
(5)生 活 情 報(6)安 否 情 報(7)総 合 的 情 報(8)そ の 他
(9)ボ ラ ン テ ィ ア 情 報 4.情 報 対 象 地 域
(1)神 戸 市 内(2)西 宮 市(3)芦 屋 市(4)宝 塚 市 ・尼 崎 市
(5)そ れ 以 外 の 兵 庫 県(6)大 阪 府(7)そ の 他(8)全 体 ・複 数 地 域
こ れ ら の コ ー ド化 規 則 に 従 っ て 、 各 掲 示 板 に お け る1月17日 か ら2月17日 ま で の 掲 示 を ひ とつ づ つ4桁 で コー ド化 し た 。 そ し て 、 そ の 間 の 全 掲 示 数6,813個 を コ ー ド化 し た 結 果 が 図 表4か ら 図 表6で あ る 。 掲 示 板 ご と の 情 報 分 類 の 掲 示 数 を ま と め た の が 、 図 表4で あ る 。
図 表4:掲 示 板 ご との情 報分 類 の 掲 示 数(1/17〜2/17)
情報分類 被害交通 情報 安 否 関 連 救援 ・ボラ ン 教えて ください 全体
1.事 実 情 報 2.照 会 情 報
3.フ ィ ー ドバ ッ ク 情 報 4.告 知 ・募 集 情 報 5.ア ドバ イ ス な ど 6.ニ フ テ ィ ・行 政 ・マ ス コ ミ
に 対 す る主 張 ・要 求 7.HP・ フ ォ ー ラ ム 案 内 8.そ の 他
951(46.5)479(20.0) 361(17.7)1606(66.9)
44(2.2)63(2.6) 204(10.0)54(2.2) 131(6.4)12(0.5)
114(12.5)140(9.6) lb8(17.3)1148(79.0)
4(0.4)23(1.6) 258(27.5)22(1.5) 100(11.0)8(0.6)
1684(24.7) 3273(48.0) 134(2.0) 531(7.8) 251(3.7)
96(4.7)2(0.1)72(7.9)47(3.2)217(3.2) 38(1.9)127(5.3)34(3.7)44(3.0)243(3.6) 220(10.7)58(2.4)180(19.7)22(1.5)480(7.0)
2045(100.0)2401(100.0)913(100.0)1454(100.0)6813(100.0)
図 表4の よ う に、 「被 害 交 通 情 報 」 で は被 害 や 交 通 に 関 す る情 報 を発 信 す る事 実 情 報 が 多 く、
「安 否 関 連 」 で は 安 否 を たず ね る照 会 情 報 が 多 い こ とが わ か る。 また、 「救援 ・ボランテ ィア」
で は 、 ボ ラ ン テ ィ ア を募 集 す る告 知 ・募 集 情 報 が 多い 。 そ して 当然 「教 え て くだ さい 」 で は 、 照 会 情 報 が 多 くな っ て い る。
図表5全 掲 示 板 に お け る情 報 種 類 別 の 掲 示 数(i/17〜2/17)
情報分類 度数 (%)
1.被 害 情 報 2.交 通 情 報 3.機 関 情 報
4.ラ イ フ ラ イ ン 情 報 5.生 活 情 報
6.安 否 情 報
7.ボ ラ ン テ ィ ア 情 報 8.そ の 他
1206 710 217 38 285 2566 435 237
(21.2) (12.5) (3.8)
0.7) (5.0) (45.1) (7.6) (4.1)
5694 (loo.o>
図 表5は 全 掲 示 板 に お け る情 報 種 類 別 の掲 示 数 を示 して い る。 掲 示 板 が テ ー マ ご とに作 られ て い る に もか か わ らず この よ う な情 報 種 類 の分 類 を行 な っ たの は、 必 ず し もそ れ ぞれ の 掲 示 板 の名 前 が 示 す テ ー マ に あ っ た情 報 だ け が 掲 示 され て い るわ け で は な い ため で あ る。例 え ば、 「被 害 交 通 情 報 」 の 掲 示 板 の 中 で も安 否 情 報 や 生 活 情報 が掲 示 され て い る こ とが 多 々 あ るの で あ る。 情 報 種 類 に つ い て見 る と、 安 否 情 報 の 掲 示 数 が圧 倒 的 に 多 い こ とが わか る。 そ して 次 い で 被 害 情 報 、 交 通 情 報 、 ボ ラ ン テ ィア 情 報 とい っ た順 に な っ て い る。
図 表6情 報 入 手 法 分 類 の 度 数(1/17〜2/17)
情報分類 度数(%)
1.1次 情 報(個 人) 2.1次 情 報(組 織) 3.伝 聞 情 報
4.転 載 情 報(他 ネ ッ トか ら) 5.転 載 情 報(マ ス コ ミ ・行 政 か ら)
4718(83.0) 470(8.3) 331(5.8) 47(0.8) 121(2.1) 5687(100.0)
そ して 、 図 表6は 情 報 入 手 法 分 類 の度 数 で あ る。 圧 倒 的 に1次 情 報 が 多 い こ とが わか る。 しか しな が ら、今 回 は 照 会 情 報 はす べ て1次 情報 と して コー ド化 して い るた め 、 照 会 情 報 が 多 い分 、 1次 情 報 の割 合 が 高 くな って い る に過 ぎな い 。 つ ま り、 照 会 情 報 を除 い た事 実 情 報 の み の入 手 法 分 類 を見 れ ば 、伝 聞 情 報 や 転 載 情 報 の割 合 が相 対 的 に高 くな る とい え る。
2.3.利 用状 況 と利 用 者 の 特 性
掲 示 の発 信 時 間 を見 る と、 当 然 夜8時 か ら11時 と匝 う時 間 帯 が 多 くな っ て い る。 普 段 の 掲 示 板 や フ ォー ラ ム もこ の 時 間 帯 か ら深 夜 にか け て堯 言 は 集 中す るが 、 普 段 の状 況 に 比べ る と、 朝 方 や
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昼 間 の 発 信 数 が か な り高 くな っ て い る こ とが わ か る。大 地 震 とい う事 態 の 異 常 性 ・緊 急 性 ゆ えの 結 果 と もい え る だ ろ う(図 表 省 略)。 ま た、 掲 示 板 に お け る発 信 者 に っ いて は以 下 の よ うに な っ て い る。 発 信 者 数 は、3247名 で あ っ た。 こ れ らの うち発 信 者 の発 言 回数 は 次 の 通 りで あ っ た。
1回 発 言 2回 発 言 3回 発 言 4回 以 上 発 言
発 信 者 数 2011名
642名 256名 112名
割 合%
61.8%
19.8%
7.9%
3.4%
累 積%
61.8%
81.6%
89.4%
92.8%
ま た 、 総 発 言 数 は 、6813発 言 で あ っ た 。 こ の う ち 発 言 数 の 多 か っ た も の に つ い て 、 そ の 発 言 数 を示 す と 次 の と お り で あ る 。
1位 発 言 者 2位 発 言 者 3位 発 言 者 4位 発 言 者
発 言 数 146発 言 66発 言 62発 言 57発 言
総 発 言 に 対 す る 割 合 2.1%
1.0%
0.9%
o.s/
パ ソ コ ン通 信 の フォ ー ラム な どの 発 言 の実 態 と比べ る と、特定 の発信 者に発信 が偏 るわけでは な く、 発 言 の 平 等性 は 高 い と言 え る だ ろ う。 多数 の 人 が発 言 を して お り、1人 あ た り平均 発 言数 は2.1発 言 で あ る。 もっ と も発 言 の 多 か っ た1位 発 言 者 は、 西 宮 市 の 「安 否 関 連 」 掲 示 板 で 、 西 宮 市 の被 災 者 の 無事 情 報 な ど を ボ ラ ン テ ィァ と して ア ップ し続 け た。 そ れ に対 す る掲 示 板 上 で の 反 応 も大 き く、 そ れ に よ って 肉親 の 無 事 を確 認 した人 の感 謝 の声 も多 か っ た。 また、2位 発 言 者 は 「被 害 交 通 情 報 」掲 示 板 に お いて 、 各 市 町 村 ご との死 亡 者 名 簿 を ア ップ した。3位 発 言者 と4 位 発 言者 は 、地 震 関連 のHP・PATIOを 自 ら設 置 し、 その 案 内 の掲 示 を連 日出 し続 け た もの で あ
る。 しか し、彼 らの行 動 は 、 そのHP・PATIOの 設 置 が 地 震 情 報 の 拡 散 の不 統 一 に よ る混 乱 を招 くこ と、 また そ の案 内 の掲 示 の連 発 が その 掲 示板 の行 数 の 無 駄使 いで あ る こ との 理 由 で批 判 を 多 く集 め た。
2.4.情 報 種 類 ご との掲 示 数 の推 移
それ で は、 どの 時期 に どの よ うな 情報 が掲 示 板 に お い て 流 通 し、 ま た必 要 とされ て い た の で あ ろ うか 。 情 報 種 類 ご とに掲 示 数 の推 移 を ま とめ た の が 図 表7で あ る。 この 図 表7に そ っ て、 そ れ ぞれ の 情 報 種 類 の特 徴 を見 て み よ う。
地 震 直 後 の2・3日 間 は 「被 害 情 報 」 「安 否 情 報 」 の 照 会 や 事 実 報 告 が 中 心 で あ る。 特 に 「安 否 関 連 」 掲 示 板 が 遅 れ て19日 に で きた こ と を差 し引 い て考 え れ ば 、 利 用 者 は地 震 直 後 にお い て こ の 「被 害 情 報 」 「安 否 情 報 」 の2つ を必 要 と して い た こ とが わ か る。 ま た、 こ の2つ の 情 報 は他 の 情 報 と異 な り、 被 災 者 や そ の 関係 者 だ け に 必要 とな る情 報 で は な く、全 国 民 的 な レベ ル で必 要
とされ て い る情 報 で あ る とい え る。
それ よ りも少 しな だ らか で あ る が 、 「交 通 情 報 」 は19・20日 く らい に ピー ク をむ か え る。 これ は 被 災 者 が 被 災 地 か ら脱 出す るた め の 情報 だ け で な く、 そ こに い る被 災 し た 肉親 や知 人 を救 援 に 向 か う人 が 、 交 通 規 制 の事 実 な ど を報 告 した り、 また逆 に質 問 した りした た め で あ る。
また 、 被 災 地 での 生 活 に密 着 した 「生 活情 報 」 や そ の救 援 の た め の 「ボ ラ ンテ ィア 情報 」 が 増 え 始 め 、 なだ らか な ピー クを むか え て、 「被 害 情 報 」 を追 い 越 して 入 れ 替 わ るの が 、4日 後 の21
図 表7情 報 種 類 ご との 掲 示 数 の 推 移
日 で あ る。 しか しな が ら こ の ボ ラ ン テ ィ ア 情 報 は 、 掲 示 板 か ら 「ボ ラ ン テ ィア フ ォ ー ラ ム」 や
「イ ン ターVネ ッ ト」 に移 行 した た め に 、 それ に付随す る 「生活情報」 も含め て、掲示板 での流 通 が 全 体 的 に低 調 で あ る。 この こ とは 、 良 い言 い方 をす れ ば 、 掲 示板 か ら フ ォー ラ ム 形 態へ 移 行 す る こ とに よ り、 一 部 の 人 の た め に よ り きめ 細 や か な 情報 が や り と りさ れ る よ うに な っ た こ と を 表 して い る とい え るが 、別 の 言 い 方 をす れ ば、 一 般 的 な 利 用 者 は、 他 の 「被 害 情 報 」や 「安 否 情 報 」 ほ どこ の被 災 者 の た め の 「生 活 情 報 」 や 「ボ ラ ンテ ィア 情 報 」 に は 関心 を払 わ な か った と い
うこ とを表 して い る と もい え る。
全 体 的 に 見 て、 ほ とん どの情 報 が1週 間 後 に は停 滞 し て い るに もか か わ らず 、 「安 否 情 報 」 だ け は い くつ か の 山や 谷 が あ るが 、 他 の情 報 ほ どは 落 ちず に 続 い て い る こ とが わ か る。 この こ とか ら も、 こ の掲 示 板 は被 災 者 よ り もむ しろ、 そ れ を取 り巻 く周 囲 の 人々 に よ り利 用 され て お り、 そ の 利 用 者 が 主 に被 災 者 の安 否 を確 認 す るた め に利 用 し た とい う傾 向が あ る とい え る。
2.5.情 報 流 通 の バ ラ ン ス
こ こ で は、 情 報 分 類別 の 掲 示 数 の推 移 を見 な が ら、 掲 示 板 に お け る情 報 分 類 の バ ラ ン ス、 つ ま り、 事 実 情 報 と照 会 情 報 の バ ラ ン スが どの よ うに な って い るか を考 察 す る。 図 表8は 、 事 実 情 報 と照 会 情 報 、 フ ィー ドバ ッ ク情 報 の推 移 を表 した グ ラ フ で あ る。
事 実 情 報 と照 会 情 報 の バ ラ ン ス につ い て見 る と、 図 表8の よ うに地 震 直 後 か ら22・23日 くら い ま で は、 圧 倒 的 に 照会 情 報 の 方 が 多 い。 そ れ 以 後 は 、事 実 情 報 と照 会 情 報 の 数 的 なバ ラ ン ス は と れ て い る よ うに 見 え る。 つ ま り、 地 震 直後 に お い て は、 利 用 者 は事 実 情 報 を発 信 す る よ り も、 そ の事 実 に つ い て の 情 報 を求 め て い た の で あ る。 地 震 直 後 に お け るパ ソ コ ン通 信 利 用 は情 報 入 手 の た め の 情 報行 動 で あ る とい う意 味 に お い て 、 マ ス ・メデ ィ ア を含 め た他 の メデ ィア 接 触 と大 差 は
な い とい え る。 う
〆 一38一
図 表8:情 報分 類 別(事 実 一照 会 軸)の 掲 示 数 の推 移
地 震 直 後 に お い て は 被 災 地 か らの情 報 発 信 は 困 難 で あ り(そ の ため こ の時 期 の事 実 情 報 は 、被 災 地 か らの 伝 聞 情 報 が 増 え る)、 ゆ えに 初 期 段 階 に お い て は 掲 示 板 が 被 災地 外 の 利 用 者 に よ る問 い合 わせ や 質 問(照 会 情 報)に 集 中す る の も当 然 で あ る。 このア ンバ ランスは特 に安否情報 にお い て顕 著 で あ る。
3.必 要 と され た 情 報
今 回の 阪 神 大 震 災 に お け るパ ソ コ ン通 信 利 用 に つ い て、 ニ フ テ ィサ ー ブ の掲 示 板 の 内容 分 析 を 行 な っ た結 果 、 災 害 状 況 に お け るパ ソ コ ン通 信 の 利 用傾 向 は以 下 の よ うな点 に ま とめ られ る。
・全 体 的 に見 れ ば、 掲 示 数 の推 移 は1週 間 か ら10日 前 後 で 一 定 の 少 数 に落 ち着 く。
・震 災 直 後 の状 況 に お いて は、被 災 地外 の利 用 者 に よ る安 否 ・被 害 に 関す る照会 情 報 が 集 中す る。
・震 災 直 後 に お い て、 被 災 地 に 関す る事 実 情報 は 、伝 聞 情 報 の 割 合 が 高 くな る(デ マ発 生 の 危 険性 が あ る)。
・照 会 情 報 に 対 す る フ ィー ドバ ッ クは掲 示 板 レベ ル で は あ ま り行 な われ ず(掲 示 板 上 の フ ィー ドバ ッ ク情 報 は 少 な い)、 直 接 、 電 子 メー ル のや り と りに よ って フ ィ ー ドバ ッ クが な さ れ て い る。
・安 否 ・被 害 情報 が 落 ち着 き始 め る4日 後 頃か ら生 活 情 報
、 ボ ラ ン テ ィ ア情 報 が 増 え始 め る。
・掲 示 板 の発 信 者 は均 等 性 が 高 く
、 夜 間 の利 用 が 多 い が、 他 の サ ー ビ ス と比 べ て 朝 昼 の 利 用 も 多 い。
・比 較 的、 掲 示 板 の 主 旨に そ っ た理 性 的 な利 用 が 行 な わ れ て い た 。
掲 示 板 を分 析 した結 果 、 パ ソ コ ン通 信 利 用 者 が もっ と も必 要 と して い た の は 、安 否情報であ っ た とい え る。 これ は、 マ ス ・メデ ィア が個 々 の 被 災 者 の安 否 情 報 に は対 応 し きれ な い とい う事 情
を反 映 した もの で あ る とい え るが 、 も し、 メデ ィア ご とに災 害 情 報 流通 の分 担 が 可 能 で あ るな ら ば 、 パ ソ コ ン通 信 は 特 に被 災 者 個 々 の安 否 情 報 を担 うこ とが 可 能 で あ ろ う。 そ の可 能 性 は 、 この ニ フ テ ィ ・サ ー ブ に お い て は 「地 震 避 難 者 所 在 情 報 」 とい うサ ー ビス(郵 政 省PVN)に よ って 、
ま た は情 報 ボ ラ ン テ ィ ア の有 志 に よっ て垣 間 見 る こ とが で き た。ボ ラ ンテ ィア に よ る フ ォー ラ ム、
ネ ッ トワ ー ク運 営 に よ っ て、 マ ス ・メデ ィア で は 対 応 し きれ な い 、個 々 の 避 難 所 の状 況 を利 用 者 が 把 握 す る こ と も可 能 で あ る。 避 難 所 ご とに 必 要 な救 援 物 資 に 関 す る情 報 や 、 そ の他 の 生 活 情 報 が ボ ラ ンテ ィア か ら提 供 さ れ るこ とに よ って 、 ボ ラ ン テ ィア 同士 だ け で は な く、 救 援 物 資 を送 ろ う とす る被 災 地 外 の 人 や 、 避 難 所 に 肉 親 を もつ 人 に もそ れ らの 情 報 が 役 立 つ 可 能 性 が あ る。 つ ま り、 以上 を ま とめ る と、 災 害 状 況 に お い て パ ソ コン通 信 は 、被 災 者 自 身 に とっ て 直接 的 に は 役 に 立 ち に くい が 、被 災 地 外 の利 用 者 に は 有 効 な手 段 とな り う る とい え る。 ま た、 情 報 ボ ラ ンテ ィア に よ る生 活 情報 、 救 援 ・ボ ラ ン テ ィア 情 報 等 の コ ミュ ニ ケー シ ョ ンの 活i生化 に よ り、 ボ ラ ン テ ィ アに よ っ てそ の有 効 性 は被 災 者 に間 接 的 に フ ィー ドバ ッ クされ る こ とが 可 能 にな る とい え るだ ろ う。
しか しな が ら、 今 回 の ケー ス を見 るか ぎ りで は、 い くつ か 問題 点 も指 摘 す る 必要 が あ ろ う。 ま ず、根 本 的 な 問題 と して 、普 及 が行 き渡 っ て い な い た め 、 誰 もが 利 用 で き る とい う環 境 に は な い。
また、 も う一 つ 根 本 的 な 問題 と して 、被 災 地 で は、 被 災者 は 直 接 利 用 す る こ とが 困 難 で あ る。 こ の よ うな 問題 点 を克 服 す る た め に は 、 各 避 難 所 に指 定 され て い る施 設 に、 常 に通 信 機 能 を持 つ パ ソ コン を整 備 す る こ とが 急務 で あ る。
II.ASAHIネ ッ トに お け る震 災 情 報 の 内 容 と構 造
1.ASAHIネ ッ トの 概 要
ASAHIネ ッ ト は こ こ 数 年 で 急 速 に 会 員 を 増 や し て い る 。92年 に は 会 員 数2万 人 で 、 い わ ば 弱 小 ネ ッ トの 一 つ で あ っ た の だ が 、93年 に は 、 業 界 第 四 位 に 浮 上 、94年6月 に は 会 員 数 は18万 人 を 数 え 、 ア ス キ ー ネ ッ ト を 抜 い て 第 三 位 に な り、 そ し て95年3月 期 に は36万 人 で あ る(た だ し こ れ
は 、IBM主 宰 の ネ ッ ト、PEOPLEと の 合 計 人 数 で あ っ て 、 課 金 等 で 違 っ た 条 件 を 持 つPEOPLE とASAHIネ ッ ト と は 、 本 来 は 分 け て 考 え るべ き で あ る 。 だ が 、ASAHIネ ッ ト を 運 営 す る く株) ア ト ソ ン側 で は 、 ほ ぼ 同 様 に 読 み 書 き が 可 能 で あ る と い う理 由 か 叡 両 者 の 内 訳 を 発 表 し て い な い)。
ASAHIネ ッ トは 、 文 芸 的 ネ ッ ト と 言 わ れ る 。 例 え ば パ ソ コ ン 通 信 で の み 投 稿 が 可 能 な 文 学 賞 で あ る 「パ ス カ ル 短 編 文 学 新 人 賞 」、同 じ く通 信 で 投 稿 す る 同 人 誌 「ソ リ トン 」、筒 井 康 隆 の フ ォ ー ラ ム や 、 小 林 恭 二 の 句 会 、 俵 万 智 の 短 歌 、 他 に も井 上 ひ さ し や 萩 野 ア ン ナ な ど の 作 家 の 存 在 を PRし な が ら 、 勢 力 を 拡 大 し て き た 。
結 論 か ら 先 に 述 べ る と、 ニ フ テ ィ サ ー ブ と対 照 的 に 、 阪 神 大 震 災 関 連 の 情 報 交 換 に つ い て は 、 ASAHIネ ッ トの 利 用 は 非 常 に 少 な か っ た と い っ て よ い 。1月17日 に 、 専 用 の 会 議 室 が 一 つ だ け 用 意 さ れ た が 、 利 用 は17日 に6発 言 、 翌18日 に19発 言 、19日 に24発 言 、20日 に9発 言 と い っ た 具 合 で あ っ た(図 表 一9)。
一40一
2.震 災 情 報 の 内 容
1月17日 か ら2月17日 ま で の 総 メ ッ セ ー ジ 数 は147発 言 で 、 こ れ ら を 前 節 で 述 べ た 分 類 基 準 で 整 理 し た 。
2.i情 報 の 発 信 者
ASAHIネ ッ トで は 、 居 住 地 公 開 制 度 を と っ て い る た め 、 メ ッ セ ー ジ の 発 信 者 の 住 所 を 調 べ る こ と が で き る 。 総 メ ッ セ ー ジ147発 言 の う ち 、 被 災 地 か ら の 発 言 が71発 言 で あ り、 そ の 内 訳 は 、 兵 庫 県51発 言 、 大 阪13発 言 、 京 都3発 言 、 奈 良4発 言 で あ っ た 。 そ れ 以 外 の 地 域 か らの 発 言 は76 発 言 で あ っ た 。 首 都 圏 で の 発 言64発 言 で 、 う ち 東 京 が54発 言 で あ っ た 。2月 に 入 る と、 被 災 地 以 外 か ら の 発 言 は 急 速 に 減 少 し て い る(図 表9参 照)。
図 表9ASAH1ネ ッ トに お け る 震 災 関 連 情 報 の 推 移
兵庫県(神 戸市)大 阪府 京都奈 良 その他 合計
1月17日 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 2月1
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
5 1 4 2 3 1 2 1 1 2 1 2 2 2 1 1 2 1 2 1 1 1 2 1 1 2 1 2 2 1 1
2 1 3 2 1 1 1 1 1 2 1 1 2 1 1 1 2 1 2 1 1 1 2 1 1 2 1 1 2 1 1
1 2 1
4 1
1 1
1
1
2
3 1
1
3 12 22 3 4 3 4 4 1
3 1 1 1 1 1 2 1 1 2 2
2 2
6 19 24 10 7 10
5 7 2 1 2 4 2 3 3 3 2 3 3 4 1 1 3 4 3 1 2 1 2 4 2 3
合計 51 42 13 7 76 147
メ ッセー ジ を発 信 した 人 、 発 信 者 数 は57人 で あ っ た が 、 発 言 数 の分 布 は非 常 に偏 って い る。1 位 発 言 者 は 、 東 京 在 住 のK氏 で あ り、 イ ン タ ー ネ ッ トか らの 転 載 を中心 に37発 言行 って い る。2 位 発 言 者 は神 戸 在 住 のH氏 で あ り、 「神 戸 か らの 手 紙 」 とい う手 記 を 中心 に34発 言 して い る。 こ
の 二 人 で 総 発 言 の 半 数 近 くを 占め て お り、他 の 人 は 多 くて も4発 言程 度 で あ り、 大 多数 は1〜2 発 言 で あ っ た。
2.2.情 報 分 類 に よ る比 較
ニ フ テ ィサ ー ブ につ い て行 った よ うに、 そ の掲 示 が情 報 と して その 掲 示 内容 に即 した事 実 の 陳 述 を した ものか 、 照 会 、 つ ま り問 い合 わせ を して い る もの なの か 、 あ る い は 、 そ れ 以 外 の 行 政 や マ ス コ ミへ の主 張 を行 な って い る もの な のか な どの カテ ゴ り一 に分 類 した もの で あ る。 図 表10に 示 す よ うに、事 実 情 報 が 半 数 以 上 を 占め 、他 の カ テ ゴ リー は少 な い。 ニ フ テ ィ と比 較 して み る と、
特 に照 会 情 報 の 少 な い とこ ろ に特 徴 が あ る
図 表io情 報 分 類 に よ る 比 較 一
ASAHIネ ッ ト NIFTY‐Serve
1.事 実 情 報 2.照 会 情 報
3.フ ィ ー ドバ ッ ク情 報 4.告 知 ・募 集 情 報 5.ア ドバ イ ス 等
6.ネ ッ トや 行 政 へ の 主 張 7.感'f青自勺'1青幸艮
8.そ の 他
55.7%
8.2 2.0 6.1 2.7 1.3 6.1 17.7
24.7%
48.0 2.0 7.8 3.7 3.2 0.3 10.6
2.3.情 報 入 手 法 分 類 に よ る 比 較
そ の 掲 示 が 掲 示 者 が 個 人 的 に 入 手 し た オ リ ジ ナ ル な もの な の か 、 他 人 か ら 聞 い た 伝 聞 情 報 で あ る の か 、 ま た は 、 他 の ネ ッ トワ ー クや マ ス コ ミか ら 転 載 し た 情 報 な の か と い っ た 、 そ の 情 報 の 入 手 法 の 分 類 で あ る 。 一 次 情 報(個 人)が 約 半 数 で 、 他 の ネ ッ トか ら の 転 載 情 報 も二 割 を 越 え る。
ニ フ テ ィ で は 一 次 情 報(個 人)が 圧 倒 的 で 、 他 ネ ッ トか ら の 転 載 は1%に も満 た な い 。 転 載 情 報 の 多 さ も 、ASAHIネ ッ トの 特 徴 と言 え る だ ろ う(図 表11)。 他 ネ ッ トか ら の 転 載 情 報 の う ち 、 イ ・
ン タ ー ネ ッ トの も の が24発 言 、ニ フ テ ィ が3発 言 、国 民 生 活 セ ン タ ー 「ニ ュ ー ネ ッ ト」 が2発 言 、 APPLECENTERが1発 言 、 不 明 が1発 言 で あ っ た 。
一42一
図 表 口 情 報 入 手 法 分 類 に よ る比 較
ASAHIネ ッ ト NIFTY‑Serve 1.一 次 情 報(個 人)
2.一 次 情 報(組 織) 3.伝 聞 情 報
4.転 載 情 報(他 ネ ッ ト) 5.転 載 情 報(マ ス コ ミ等)
64.0%
4.4 0.8 22.8 5.2
83.0%
8.3 5.8 0.8 2.1
2.4.情 報 種 類 別 に よ る比 較
被 害 情 報 、 交 通 情 報 、 機 関 情 報 、 ライ フ ラ イ ン情 報 、 生 活 情 報 ・救 援 物 資 、安 否 情 報 、 総合 的 情 報 、 そ の 他 に 分 類 した もの で あ る。 ニ フ テ ィに 比べ る と、 交 通 情 報 の少 な さが圧 倒 的 で あ る。
被 害 情 報 と生 活 情 報 は 、 総 合 的 な情 報 、 そ の他 の 中に も、 含 ま れ て い るた め 、 さほ ど割合 と して 少 な い わ け で ない(図 表12)。
図表12情 報 の 内 容 分 類
ASAHIネ ッ ト NIFTY‑Serve 1.被 害 情 報
2.交 通 情 報 3機 関 情 報
4.ラ イ フ ラ イ ン 情 報 5。生 活 情 報
6.安 否 情 報 7.総 合 的 情 報 な ど 8.そ の 他 ・不 明
13.6%
o.0 4.1 0.7 15.6 5.4 27.2 33.3
21.2%
12.5 3.8 0.7 5.0 45.1 7.6 4.1
3.な ぜASAHIネ ッ トは 利 用 さ れ な か っ た の か
す で に 述 べ た と こ ろ か ら も 明 ら か な よ う に 、ASAHIネ ッ トは 、 阪 神 大 震 災 に 際 し て ほ と ん ど 利 用 さ れ な か っ た の で あ る 。パ ソ コ ン 通 信 一 般 が 震 災 な ど の 緊 急 時 に 利 用 さ れ る の で は な く、ネ ッ トワ ー ク の 特 質 に よ っ て 使 わ れ な い こ と も あ る こ と を 示 し て い る 。ASAHIネ ッ トが な ぜ あ ま り 利 用 さ れ な か っ た の か 、 と い う 問 題 に 関 して 、 以 下 の 二 つ の 仮 説 が た て ら れ る だ ろ う 。
仮 説1:ネ ッ ト利 用 者 の 数 が 少 な い た め 。 「利 用 者 の 数 が 急 増 し た と は 言 え 、 ま だ ま だ ニ フ テ ィ サ ー ブ やPC‑VANと 比 べ れ ば 、 約3分 の1、 イ ン タ ー ネ ッ ト と 比 べ れ ば も っ と 差 は 大 き い 。 要 す る に 利 用 者 数 が 端 的 に 少 な い か ら 利 用 さ れ な か っ た 。 特 に 、 照 会 情 報 が 少 な い の は 、ASAHI ネ ッ トに 掲 載 し て も無 駄 と思 わ れ た か ら で あ る 」
こ の 仮 説 に つ い て は 、NIFTY‑SERVEと ほ ぼ 同 規 模 の 、PGVANに つ い て の 調 査 が 必 要 で あ
る 。PC‑VANに お い て 、 ニ フ テ ィ サ ー ブ と 同 程 度 に 活 発 な 情 報 交 換 が 行 わ れ て い る とす れ ば こ の 仮 説 の 妥 当 性 が い え る だ ろ う。
仮 説2:ネ ッ トの 性 格 の た め 。 「ASAHIネ ッ ト は 、 文 芸 中 心 の 特 殊 な ネ ッ トで あ る た め 、 地 震 情 報 の 交 換 に は あ ま り利 用 さ れ な か っ た 」
こ の 仮 説 に つ い て は 、 も しASAHIネ ッ トよ り小 規 模 の パ ソ コ ン 通 信 網(た と え ば ア ス キ ー ネ ッ ト な ど)の 中 に 、ASAHIネ ッ ト よ り活 発 に 地 震 情 報 の 交 換 が な さ れ た ネ ッ トが あ れ ば こ の 仮 説 の 妥 当 性 が あ る と い え る だ ろ っ 。
上 記 の 二 つ の 仮 説 の 検 証 を 行 う に は 、PC‑VANや ア ス キ ー ネ ッ ト と い っ た 、 他 の ネ ッ トの 調 査 が 不 可 欠 で あ ろ う。 ど の よ う な ネ ッ トワ ー ク が 緊 急 時 の 情 報 伝 達 に 際 し て 、 電 子 ネ ッ トワ ー ク の す み わ け が 進 ん で い くの か 、 そ れ と も 巨 大 な ネ ッ ト ワ ー クが 全 て を 包 括 し て い く の か と い っ た 問 題 と も絡 ん で く る だ ろ う。
IH.イ ン タ ー ネ ッ トに お け る震 災 情 報 の 内 容 と構 造
1.災 害 と イ ン タ ー ネ ッ ト
そ も そ もイ ン ター ネ ッ トは 、 戦 災 を想 定 して 開発 され て き た ネ ッ トワ ー クな だ け に 、 自然 災害 に 対 し て もそ の 強 み が 発 揮 で き る。 一 部 の 回 線 の 損壊 、 あ る い は一 部 の ホ ス トコ ン ピ ュー タが損 壊 して も機 能 を維 持 す る こ とが 可 能 で あ る。 そ の 意 味 で は災 害 時 の 通信 手 段 と して も と も と適 し て い る と考 え られ る。
しか も、神 戸 は 国 際 都 市 とい う こ と も あ り多数 の外 国 人 が 居住 して い る ため に海 外 か ら も安 否 情 報 に対 す る大 き なニ ー ズが あ った が 、イ ン ター ネ ッ トに は 空 聞 的 な 制 約 は な く、多 くの サ ー バ ー で は 英 語 で も震 災 情 報 を提 供 す る な ど、 そ の特 性 が 活 か され たの で あ る。
な お 、 本 研 究 で は主 と してWWW(WorldWideWeb)で 提 供 さ れ て い る情 報 を検 討 す る。
WWW以 外 に も、 ニ ュ ー ス グ ルー プ 、 あ るい はIRC(lnternetRelayChart)に よ る、 基 本 的 に は テ キ ス トに よ る情 報 行 動 も 多 くあ るが 、 前 節 まで に 述 べ たパ ソ コン通 信 に よ る情 報 行 動 と際 だ っ て 差 別 化 す るの は画 像 デ ー タ や 音 声 デ ー タ を容 易 に ハ ン ド リン グ で き るWWWに よる もの だ か
らで あ る。
2。イ ン タ ー ネ ッ トに よ る情 報 行 動 の 特 徴
この た び の 震 災 につ い て の イ ン ター ネ ッ ト上 で の情 報 行 動 と して の 特 徴 を あ げ る と以 下 の 諸 点 が あ る。
(1)デ ー タベ ー ス型 の 情 報 提供 が 多 い
放 送 との対 比 とい う点 で 、 コ ン ピ ュー タ通 信 の 強 み で あ る検 索 型 の情 報 提 供 が 多 く、 情 報 ニ ー ズ に柔 軟 に応 え て い る。
(2)画 像 情報 の提 供 が 多い
画 像 や 音 声 デ ー タ を載 せ る こ とが 容 易 な の はWWWの 特 徴 だ が 、 そ の 機 能 を生 か して 多 くの 写 真 や ビデ オ の デ ー タが 提 供 さ れ て い る。 その 意 味 で は新 た な ビ ジュ ア ル なニ ュー ス メ デ ィ ア と
して の 可 能 性 も示 した。
ノ II
(3)組 織 内 の 有 志 に よ る 自発 的 な 情 報 発 信 行 動 が 多 い
発 信 者 は 、 大 学 、 公 共 機 関 、 企 業 な ど、 様 々 で あ る が 、 そ の ど れ も が そ れ ぞ れ の 発 信 元 が 組 織 的 に 行 っ て い る と い う よ り は 、 そ の 組 織 内 の 有 志 に よ る 自発 的 な 情 報 発 信 行 動 が 多 い とい う こ と で あ る。 こ れ は 、 組 織 自 身 が ま だ イ ン タ ー ネ ッ ト利 用 を き ち ん と制 度 化 し て い な い と い う こ とが 理 由 と考 え ら れ る 。 そ の た め に ボ ラ ン テ ィ ア 的 行 動 に 負 う こ と が 多 か っ た 。 ま た 、 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 と い う 意 味 で は 、 現 地 に 赴 く こ と が な く と も、 情 報 ボ ラ ン テ ィ ア と し て 、 各 々 の 能 力 や ハ ー
ドウ ェ ア 環 境 を 利 用 し て 行 動 が で き る こ と を 示 し た(注1)。
(4)パ ソ コ ン 通 信 との 対 比 に お い て 、 利 用 者 は 不 特 定 多 数 と想 定 さ れ て い る
パ ソ コ ン 通 信 に お い て は 「メ ン バ ー 全 員 を 対 象 と し た も の よ り、 限 ら れ た 特 定 の メ ン バ ー と の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 方 が 多 い の が 実 情 」(注2)で あ る の と比 較 し て 、 イ ン タ ー ネ ッ トの 場 合 、 と り わ けWWW放 送 タ イ プ の 情 報 提 供 で あ る た め 、 利 用 者 が 非 限 定 的 、 広 範 囲 で あ り、 私 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と い う よ り も 公 共 性 の 高 い 情 報 が 流 通 し て い る と 言 え る 。 さ ら に 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 構 造 も ま た 、 パ ソ コ ン 通 信 の フ ォ ー ラ ム と かSIG(SpecialInterestGroup)に お け る よ う な 、 一 人 の 発 言 に た い し て コ メ ン トが 寄 せ ら れ 、 そ の コ メ ン トに ま た コ メ ン トが 寄 せ ら れ る と い っ た 「つ な が り」 に よ っ て 成 立 す る と い う こ と で は な く、 ハ イ パ ー テ キ ス ト ・ハ イ パ ー リ ン ク 構 造 の 利 点 を生 か し て 、 各 々 の 立 場 か ら の 情 報 活 動 が 活 発 に 行 な わ れ て い る 。
(5)ハ イ パ ー テ キ ス ト行 動 、 ハ イ パ ー リ ン ク構 造 の 利 点 を生 か し て い る
例 え ばNTTの サ ー バ ー に ア ク セ ス す れ は 、NTTが 提 供 し て い る 情 報 を得 ら れ る と 同 時 に 、 他 の 組 織 の コ ン ピ ュ ー タ に ど う い っ た 情 報 が 存 在 し て い る か が 紹 介 さ れ て お り、 そ こ に 示 さ れ た コ ン ピ ュ ー タ ア ド レ ス を ク リ ッ ク す る だ け で 直 ち に コ ン ピ ュ ー タ に ア ク セ ス で き る。 震 災 に つ い て の 情 報 は 多 量 な の で 、 情 報 源 を 一 覧 的 に 表 示 す る こ と は 、 利 用 す る 立 場 か らす る と非 常 に 利 便 性 の 高 い も の と な る。
図 表13ハ イ パ ー テ キ ス ト、 ハ イ パ ー リ ン ク 、 ミ ラ ー リ ン グ の 基 本 構 造 の 例 示
theweboftheInternet
A社 のWWWサ ー バ メ ニ ュ ー
●情 報a(独 自の情 報)
●情 報b(リ ンクされた情報)
●情 報c(ミ ラー リングされ た情 報)
大 学Bの サ ー バ ー
● 情報b
(情報 の本 来 のありか)
行政 機 関Cの サーバ ー
● 情報c (情報 の複 製 元)
ハ イ パ ー テ キ ス ト/ハ イ パ ー リ ン ク/ミ ラー リ ン グ の 基 本 構 造 例 を 図 表13に 示 す 。A社 は 情 報 a、b、cを メ ニ ュ ー に 示 し て い る が 、 実 際 にA社 が 情 報 ソー ス と な っ て い る の は 情 報aの み で
〆
あ る。 情 報bは 、A社 が メ ニ ュ ー に 付 加 す る こ と でA社 が 提 供 す る 情 報 全 体 の 価 値 が 増 大 す る と 判 断 し て 、 自 ら の メ ニ ュ ー に 大 学Bに 存 す る 情 報 の ア ドレ ス を 埋 め 込 ん だ も の で あ る(リ ン ク)。
ま た 情 報cは 、 行 政 機 関cが 提 供 し て い る 情 報 をA社 の サ ー バ ー で 自動 複 製 を 行 っ て い る も の で あ る(ミ ラ ー リ ン グ)。 こ れ は 、 リ ン ク と 同 じ く 自 ら の 情 報 提 供 の 価 値 の 増 大 させ る と と も に 、 情 報cの ニ ー ズ が 非 常 に 大 き い 場 合 、 行 政 機 関cで の ア ク セ ス の 輻 輳 を 緩 和 す る こ と を 目 的 に 行
う こ とが あ る 。
こ の 構 造 が 成 立 して い る理 由 と し て は 、 第 一 に 、 各 々 の サ ー バ ー が イ ン タ ー ネ ッ ト上 に あ る こ と、 第 二 に 情 報 発 信 者 が 知 的 所 有 権 に 対 し て 緩 や か な 態 度 、 匿 名 性 を 持 っ て い る こ と(こ れ は イ ン タ ー ネ ッ ト 自 体 が 経 済 行 為 で な い こ と も 大 き な 要 因 と な っ て い る)、 第 三 に 、 情 報 技 術 の 進 化 が 、 情 報 を 発 信 す る こ と を よ り容 易 に よ り安 価 に し て い る と い う こ と(マ ス メ デ ィ ア を頂 点 とす
る ヒ エ ラ ル キ ー 型 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 構 造 が よ り水 平 化 し て い く傾 向 が 見 て 取 れ る)が あ る 。 ま た 、 一 次 情 報 の 集 合 体 と し て の 新 た な メ デ ィ ア の 可 能 性 も 示 し て い る。 情 報 源 は 分 散 化 し な が ら も 同 時 に リ ン ク機 能 が 向 上 し 、一 覧 性 の 全 体 性 の 確 保 が 追 求 さ れ て い る。分 散 コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ とハ イ パ ー リ ン ク の テ ク ノ ロ ジ ー の 結 合 は 、現 実 に は 情 報 が 散 在 し て い て も 、ユ ー ザ 側 に と っ て は あ た か も 一 つ の 巨 大 の デ ー タ ベ ー ス と 向 き合 っ て い る か の よ う な 状 況 を 作 りだ す 。 こ こ で は 、 従 来 の よ う に マ ス メ デ ィ ア 等 の 媒 体 を 通 し て 情 報 を伝 達 す る の で は な く、 情 報 ソ ー ス を 持 つ 機 能 が 直 接 に 伝 達 を す る 機 能 を持 つ こ と が 可 能 で 、 例 え ば 、 「警 察 発 表 」 は 、 将 来 的 に は 警 察 自 体 が 発 信 者 と な る こ と は 十 分 に 考 え ら れ る。
一 次 情 報 の 直 接 発 信 の 利 点 と し て は 情 報 が 早 い 、 伝 達 時 の ノ イ ズ の 発 生 を 防 止 で き る こ と 等 が 挙 げ ら れ る 。 こ う い っ た 環 境 で 伝 統 的 な メ デ ィ ア に 課 せ ら れ る役 割 は 、 情 報 の 分 類 や 整 理 、 選 択
あ る い は 解 釈(エ デ ィ タ ー シ ッ プ)と い っ た もの が 比 重 を増 そ う 。 (5)パ ソ コ ン 通 信 と の ド ッ キ ン グ=「 イ ン タ ーVネ ッ ト」 の 登 場
エ デ ィ タ ー シ ッ プ と の 関 連 で 、 「イ ン タ ーVネ ッ ト」 を 事 例 と し て 挙 げ る 。 こ の 組 織 は ニ ュ ー ス グ ル ー プ の 機 能 を 利 用 し て 、 「現 地 被 災 者 支 援 拠 点 、 ボ ラ ン テ ィ ア 、NGO/NPO、 企 業 、 行 政 、 マ ス コ ミ/ミ ニ コ ミな ど が 互 い に 情 報 交 換 で き る よ う に 、 パ ソ コ ン 通 信 ネ ッ トワ ー ク を つ な
ぐ情 報 共 有 環 境 を 提 供 」 す る 。
そ の 特 徴 は 、 「NGO/NPOの 情 報 、 企 業 支 援 の 情 報 、 個 人 情 報 な ど、 カ テ ゴ リ ご と に 独 立 し た ニ ュ ー ス グ ル ー プ が あ る の で 、 情 報 が 分 類 さ れ た 形 で 提 供 さ れ る と い う こ と 」 と 、丁 大 手 商 用 か ら 小 規 模 草 の 根 に い た る ま で 、 さ ま ざ ま な 規 模 と種 類 の パ ソ コ ン 通 信 ネ ッ トワ ー ク 間 の 情 報 共 有 が 可 能 に な り、 ま た 、 効 率 的 な 情 報 発 信 が 可 能 に な る と い う こ と」、 つ ま り 「(協力 して い る) ど の パ ソ コ ン 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク か ら も、 そ の ネ ッ ト ワ ー ク が 選 択 し た 限 りに お い て 、 同 じ情 報 を 見 る こ と が で き」、 「一 方 、 ど の パ ソ コ ン 通 信 ネ ッ トワ ー クか ら も 、 そ こ に 入 力 し た 情 報 は 、(協 力 し て い る)全 て の ネ ッ トワ ー ク に 、 さ ら に 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を通 じ て 世 界 中 に 発 信 さ れ 」 る こ
と で あ る(注3)。 図 表14に 、 前 節 ま で に 述 べ た パ ソ コ ン 通 信 が イ ン タ ー ネ ッ ト を 通 し て い か に 結 び 付 け ら れ て い る か を 示 す 。
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図 表141nterVnetの 構 成 図(注4)
現 地 被 災 者 支 援 拠 点 ボ ラ ン テ ィ アNGO/NPO
̲̲̲L̲Ilnte,n,ti
NIFTY‑Serve、PGVAN、People、 ア サ ヒ ネ ッ ト、 日 経MIX、AppleLink、
ア ス キ ー ネ ッ ト、 プ ロ ッ プ ・ス テ ー シ ョ ン 、FIDOネ ッ ト、 草 の 根BBS
企 業 行 政 マ ス コ ミ/ミ ニ コ ミ
3.情 報 ソ ー ス か らの 分 類
提 供 さ れ た 情報 を情 報 ソー ス か ら分 類 す る と以 下 の よ うに な る。 大 き く6つ の タ イ プ の情 報 が 情 報 提 供 者 の判 断 で 編 集 され て い る。
(1)公 共 機 関 等 に よ る告知 情 報 の 転 載
こ れ は利 用 者 の 利便 性 を 目的 と して もの で あ る。
(2)マ ス メデ ィに 載 った 情 報 の 転 載
例 え ば死 亡 者名 簿 な どは 種 と して新 聞か らの転 載 で あ り、 その 情 報 を デー タベ ー ス化 す るこ と
で検 索性 を高 め て い る。 ・
(3)他 の コ ン ピュ ー タ メデ ィ ア上 の情 報 の転 載
パ ソ コン 通信 や 、 イ ン ター ネ ッ ト上 の ニ ュー ス の転 載 で あ る。
(4)発 信 者 が独 自に 収 集 した情 報 、 あ るい は発 信 者 自身 に 関 す る情 報 企業 広 報 を別 に す れ ば 、 自分 に 身近 な と ころ を取 材 す る こ とが 多 い。
(5)関 連 した 情 報 の 転 載
震 災 とは 直 結 して い な い もの の 関 連 性 の 高 い情 報 、例 えば衛 星 か らの 観 測 デ ー タ等 は提 供 者 の 考 え に よ って 、 既 存 の 情 報 を、 震 災 情 報 の一 環 と して再 提 供 し た もの で あ る。
4.イ ン タ ー ネ ッ トに お け る阪 神 大 震 災 に 関 す る情 報 行 動
イ ン ター ネ ッ ト上 の 阪神 大 震 災 関連 情 報 の例 を図 表15一 図表18に 示 す 。図 表15は 、総 合 イ ンデ ッ クス とよば れ る もの で、 阪神 大 震 災情 報 索 引 を用 意 して い る。 利 用 者 は、 こ の 画 面 か ら入 手 した い 情 報 、 例 え ば 交 通 情 報 の う ち 阪急 電鉄 の 運 行 状 況 に つ い て 知 りた い とす る な らば 、 画 面 上 の
「鉄 道 」 とい う文 字 を ク リッ クす れ ば よい 。す る とNTTの こ の 画 面 か ら 自動 的 に鉄 道 に つ い て の 情 報 を提 供 し て い るサ イ トに移 動 す る。 図 表16は 、NHKの 文 字 放 送 を情 報 源 と し てNTT提 供 の 死 亡 者 名 簿 で あ る。図 表17は 、郵 政 省 通 信 総 合 研 究 所 提 供 の被 害状 況 報 告 で あ る。 図表18は 、 地 球 観 測 衛 星 か らの情 報 を も とに 被 災 前 と被 災 後 の 変 化 を しめ した もの で あ る。 この よ うに 実 に
多用 な情 報 が 提 供 され て い た が 、 ど う い っ た 内容 の情 報 が 、 どの よ うな 組 織 か ら提 供 され たの か を整 理 して示 した の が 図 表19で あ る。 こ の 図表 は、 以 下 の条 件 の も とで 作 成 した もの で あ る。
1)1995年2月 末 現 在 で 提供 され て い る もの を示 した