• 検索結果がありません。

「発刊によせて」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "「発刊によせて」"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

「発刊によせて」

著者

川村 暁雄

雑誌名

関西学院大学人権研究= Kwansei Gakuin

University journal of human rights studies

20

発行年

2016-03-31

(2)

「発刊によせて」

人権教育研究室室長 

川 村   暁 雄

今年は、2013 年度末に「関西学院大学人権教育の基本方針」が大学で確認されてからの二年目となります。 この中で、昨年度と同じく(1)当事者との連携、(2)人権を守りつつ学びを深める大学の責務の履行、(3) 全学的な取り組みの展開という三つの側面で活動強化を図ってきました。 第一の「当事者との連携」という側面については、昨年に引き続きセクシュアル・マイノリティをテーマとし た活動を当事者学生らと共に展開しています。5 月には「レインボー・ウィーク」を学生支援相談室やインクルー シブ・コミュニティ促進委員会など他の部署と開催、LGBT の課題について広く問題提起を行いました。この 活動の中では WEB ベースの調査も行われ、LGBT 当事者が関西学院大学の中でも他の学生や教職員の発 言の中で尊厳を脅かされている実態が明らかになっています(詳しくは小林和香他「関学レインボーウィーク が提示する LGBT 政策のあり方」)。この活動はテレビでも報道されると共に、他大学からも情報提供の依 頼を受けるなど、大きな反響を生み出しつつあります。また、UNHCR 駐日事務所の協力の下で実施している 難民推薦入試制度に関連して、人権教育研究室を含め、大学の各部署が様々な活動を行いました(詳しくは 舟木讓「難民問題への本学の取り組み- 2015 年度-」参照)。また、LGBT 当事者だけではなく、さまざま な当事者の目線で人権教育研究室の活動に助言ができる学生を募る仕組みである学生アドバイザー制度も設 け、制度的な枠組みも整備しつつあります。 第二の「人権を守りつつ学びを深める大学の責務の履行」に関連して、2014 年度から引き続きハラスメン トガイドラインの改訂の作業に参加しました。多くの関係者の努力の甲斐あって 10 月には新たな規程が承認 されました。この結果、専門相談員を擁し、独立性が高いハラスメント相談センターが 2016 年度 4 月から設 置されることが決まっています。この規程では、人種差別的な発言、性的指向などに係わる偏見に基づく発言・ 行為もハラスメントとして捉えて、大学として対応できるようになりました。 第三の「全学的な取り組みの展開」に関連して、昨年度以来、人権教育研究室の研究活動により多くの教 職員が参加できるように、公募制の研究の枠組みを新たに設けています。これは、毎年 1 〜 2 件程度、「関 西学院大学人権教育の基本方針」に則って(1)人権教育に資する研究、(2)大学における人権保障に資す る研究、(3)社会的に発信する必要のある新たな人権の課題についての研究に助成するものです。今年度は、 セクシュアル・マイノリティの人権と、ヘイトスピーチという二つのテーマの研究への助成が行われ、活発な研 究活動が進められています。ヘイトスピーチに関する公募研究の参加者からは、河村克俊「ドイツでの『人権』 理解とその思想史的背景」、中川慎二「ドイツの『反イスラム化愛国者運動』とヘイトスピーチ」という二本の 研究ノートも寄稿いただきました。 なお、今回の『関西学院大学 人権研究』では、人権理解や人権教育の問い直しも提起されています。ま ず、人権教育研究室が開催した公開シンポジウムについての報告(阿部潔「どうして『人権』は権利なのか ? -グローバル時代における Human‥Rights という挑戦-」)の報告があります。ここでは、人権が「理念」と「法 に裏打ちされた制度」という二つの側面を持つことで初めて社会の中で力を持つものであるにもかかわらず、 そのことが人権教育の中で十分に伝えられていないという問題が指摘されました。古田晴彦「デス・エデュケー ションと人権教育」では、人権教育で取り上げられるべきとされている人権の課題が細分化され、教育者にも 把握不可能なほどになっていることについて問題提起がされています。李恩子「日韓(朝)関係から考える在 日朝鮮人の人権」では、現在のヘイトスピーチの原因の一つとして植民地を正当化するために歴史的につくら れてきた日本人の優越意識があり、近代・現代史教育の欠陥とも深く関わっていることを指摘しています。 まだまだ足りない部分もあるかと思います。今後も、『関西学院大学 人権研究』を通じ、関西学院大学 の人権教育・研究の試みを共有していければと考えております。できるだけ多くの方に読んでいただくことで、 人権教育研究室の活動へのご意見、ご批判、そしてご参加をいただくことができればと思います。

参照

関連したドキュメント

は、金沢大学の大滝幸子氏をはじめとする研究グループによって開発され

専攻の枠を越えて自由な教育と研究を行える よう,教官は自然科学研究科棟に居住して学

大村市雄ヶ原黒岩墓地は平成 11 年( 1999 )に道路 の拡幅工事によって発見されたものである。発見の翌

 本研究所は、いくつかの出版活動を行っている。「Publications of RIMS」

(出典)※1 教育・人材育成 WG (第3回)今村委員提出資料 ※2 OriHime :株式会社「オリィ研究所」 HP より ※3 「つくば STEAM コンパス」 HP より ※4 「 STEAM

1 BP Statistical Review of World Energy June 2014. 2 BP Statistical Review of World Energy

人間は科学技術を発達させ、より大きな力を獲得してきました。しかし、現代の科学技術によっても、自然の世界は人間にとって未知なことが

本事象においては、当該制御装置に何らかの不具合が発生したことにより、集中監視室