学校経営計画の在り方に関する実証的研究 : 「学校マニフェスト」としての「学校経営計画(校長が示す基底編)」を
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第58巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.58,No.1. 平成19年8月 August,2007. 学校経営計画の在り方に関する実証的研究 −「学校マニフェスト」としての「学校経営計画(校長が示す基底編)」を−. 笠 井 稔 雄 北海道教育大学旭川枚数青学教室. AnEmpiricalStudayofanIdealSchooIManagementPlan KASAI Tosio. DepartmentofEducation,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation. 概 要 今日,多くの学校に学校評議員制度や学校支援ボランティアが導入されたり,外部評価を含む学校評価を はじめ,学校改善協議会や地域運営学校(コミュニティースクール)の取組が積極的に展開されたりするな ど,地域住民の声を反映させた「開かれた学校づくり」が広がってきている。 そこで,緊要な課題となるのが「学校経営計画(校長が示す基底編)」の改善である。 「学校経営計画」は,学校の教育目標の達成を目指し,年度の学校経営方針のもと,教育課程経営,学年・. 学級経営,分掌(各部)経営,研修経営などの諸計画をまとめた「学校の経営戦略」そのものであり,教職 員に明確な指針を与え,一定の方向に活動を統括するとともに,保護者や地域住民等への説明責任の基盤に なるものである。しかし,各学校の状況を見てみると,「開かれる」以前のレベルにとどまっている。. 本稿では,上川管内小・中学校の実態調査の結果を踏まえ,目標管理型の学校経営論に立って「学校経営 計画(校長が示す基底編)」を改善し,「学校マニフェスト」として保護者や地域住民に示すことにより,各 種の関与者からの支援と協力を取り付け成果をあげると同時に,学校の組織目標と教職員の個人目標とを連 鎖させ,教職員の意欲や使命感,一体感等を醸成しながら同僚性をも構築していく方法を示唆した。. Ⅰ 調査の目的 近年,学校経営の説明責任が問われるようになり,「学校経営計画」の重要性が強調されている。特に,「学. 校マニフェスト」として,校長が示す「基底編」には,どのような要素が必要で,どの程度具体的に記述す べきなのか。そしてどのように教職員に浸透させて成果をあげ,評価をすればよいのか。また,「学校経営 構造図」はどうあるべきかなど,解決が急がれる課題は大変多い。そこで,上川管内の小・中学校の「学校 経営計画」を分析し.その現状と課題を浮き彫りにしながら,これからの時代の「学校経営計画」の在り方 を明らかにする。. 221.
(3) 笠 井 稔 雄. Ⅱ 調査の対象 上川管内(旭川市を含む)の小・中学校 211校(平成17年度現在). Ⅱ 調査の方法 回答数159名(回収率75.4%). (1)小・中学校長に対する質問紙調査. (2)小・中学校の「学校経営計画」の分析 実施数 211校 回答数 21名. (3)小・中学校長に対する面接調査. Ⅳ 調査にかかわっての仮説 これまでの「学校経営計画(校長が示す基底編)」に次のような工夫を加え,「学校マニフェスト」として 保護者や地域住民等に示すことにより,各種の関与者からの支援と協力を取り付け,成果をあげるとともに,. 経営責任を果たすことができる。また,学校の組織目標と教職員の個人目標との統合を図ることにより,教 職員の意欲や使命感,一体感等が醸成され,同僚性が構築される。 (1)学校の「教育目標」を定期的に見直すとともに,「校訓」を設定している学校については,「教育目標」. と「校訓」との関係を明確にし,日常の教育活動に積極的に生かす。 (2)「学校課題」という用語は使用せず,「教育目標具現化の年次計画」を作成し,「年度の重点教育目標」. を設定して指導の重点化を図り,児童生徒を着実に育てる。 (3)「中期(3∼5年間程度)の学校経営ビジョン」を作成するとともに,単年度の「経営方針」「経営 の重点」「指導の重点」を精選して設定し,経営的な見通しをもって着実に成果をあげる。 (4)単年度の「経営方針」「経営の重点」「指導の重点」が教職員に十分理解され,日常の教育活動に十分. 生かされるよう,月別,学期別,期別等の「学校経営プログラム」などを活用する。 (5)分かりやすい「学校経営構造図」を作成し,保護者や地域住民等に十分説明して協力を得る。. Ⅴ 調査の期間 平成18年1月下旬∼3月下旬. Ⅵ 調査の結果と改善策 1 教育目標について *平成に入ってから,教育. (1)現在の教育目標はいつ制定しましたか ○ 昭和20年∼昭和49年 ○ 昭和50年∼昭和64年 ○ 平成元年∼平成18年. 目標の見直しや改訂作業 を行った学校が多い。 す. か. し. ま. し%%%%. て ︶︶︶. 9530690. (彰 ない. 像. イ 全学年一括して り その他. 定.6.3.7. ア 学年別(低中高別)に. ︵︵︵. ① ある. を. (2)教育目標を更に具体化した子. も ど. ○ 不明. 5.0% 23.9% 66.7% 4.4%. l. *子どもの育ちをとらえる ため,教育目標を更に具. 体化した子ども像を設定 している学校が多い。. 4.4%. 学校の教育目標は,性格上二つの側面をもっている。一つは,公教育として関係教育法令や制定当時の社 会的背景,教育課題等に応える側面であり,もう一つは,ある特定の地域の学校として,地域社会の実態や 児童生徒の実態,さらには保護者や教職員の願いに応じた独自性をもつ側面である。 したがって,制定後かなりの年月を経た教育目標の中には,時代的なずれや社会的・地域的なずれ,ある いは新たな教育課題との離齢をきたしているものもあることから,定期的に見直す必要がある。 その際,前回の改訂作業の資料を紐解き,当時の学習指導要領や各種答申をはじめ,地域社会や児童生徒 の実態,及び保護者や教職員の願い等がどうであったか。そして,どのような調査を実施し,どのような手. 222.
(4) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究. 順を踏んで見直しや改訂作業を行ったのか等を明らかにすることが大切である。また,新しい教育目標を分 析して,育てるべき児童生徒の姿を具体化・構造化することも必要である。 なお,こうした作業は学校が単独にやるのではなく,各市町村単位や中学校区単位で,それぞれの町の「教 育推進計画」等進むべき方向性を踏まえ,一斉に取り組むことができればなお理想的である。. 2 校訓について 昭和元年∼昭和19年 昭和20年∼昭和49年 昭和50年∼昭和64年 平成元年∼平成18年. %%%%%%. ○ ○ ○ ○. 300 4 3 2 3 52 6 5 2 3 4 2 1 2 3. ① ある. *平成に入ってから,校訓. を制定した学校が五分の 一強もある。それらには 「合い言葉」的なものが 多い。. ○ 不明 ア その校訓を書いてください 「ときめき かがやき よろこび」「自信」「さとく ゆたかに たくましく」「知と和と粘り」「質実剛健」 「気品と実力」「誇りと責任」「光は東力▲より われら東力▲の光たらん」「聡明」「創 誠 健 和」「創造 協調 実践」「練る 律する 挑む」「愛」「真人」「みんな同じ人間どうし 清く 新しく たくましく 開拓魂でがんばろう」「自律 友愛 協力」「まこと」「考 思 粘 琢」「友情」「努力 前進」「自覚行」「心 ほのぼの」「子どものよいところをさがそう」「学而思」「友愛 自治 勤労」「がんばる ねばる」「誠 健 勤 和」など イ 校訓と教育目標との関係をどのようにお考えですか O「校訓は開校当時の関係者の子どもの教育に対する熱い思いが込められており,現在の教育目標の中 にその理念が流れている」 「校訓は開校当時に地域性や時代の求めるものとの関係の中で設定されたものであり,長い年月の中 で校風を築いてきている」 「校訓は本校の教育理念として不易な部分を占めている」 「校訓は本校の教育の不易の部分であり,教育目標は,校訓を基盤に流行の部分をも含み,求める子 ども像を具体的に表現したもの」 O「校訓は,教育目標をコンパクトにし,分かりやすく表現した“合い言葉’’的なもの」. 「教育目標を支える主価値として表現したもの」 「校訓は教育目標の理念を代弁するもの」 「校訓は教育目標を達成するための精神的なよりどころ」 O「学校の教育目標を具現化したものが校訓である」 「学校の教育目標をより具体的にし,子どもにも分かるようにしたものが校訓である」. 「教育目標を子どもの視線で表現したものが校訓である」 O「校訓の示す意味と知徳体の関係を構造的に表現したものが教育目標である」 O「校訓は生徒に求める基本姿勢であり,教育目標は育てたい生徒像である」 (⊃「校訓をそのまま教育目標としている」. 「. O校訓と教育目標との関係について考えたことがない」など (彰 ない. 54.7%. 校訓は,第二次世界大戦前は,教育勅語に根拠をもち,上から下に向かって発せられる絶対的な教えであっ. たが,戦後は,経営的な発想に基づき,社会の進展に伴う価値観の多様化や地域社会の変化に応じて短期間 に変えることのできる,民主的な教育目標に変わってきた。 校訓については,戦後,設定する学校が少なくなったが,開校時に地域住民や関係者の熱い思いや願いを 込めて制定し,長い年月の中で“校風’’を築いてきているものも少なくなく,今日に至ってもなお大切にさ. れ,現在の学校の教育理念の不易な部分を占めているものもある。 平成に入ってから,校訓を制定した学校が五分の一強もあるが,これらの学校については,児童生徒と教 育を推進する人々の気持ちを一つにするという意味合いが強くなってきている。. このように,今日では,校訓は,学校の教育目標を日常の教育活動に生かすために端的に表現した合い言 葉的なものという押さえが多いことから,学校の教育目標の卜に位置付けることが望ましい。 しかし,学校によっては,校訓が最上段に位置し,その下に教育目標があったり,教育目標の中に校訓が あったり,さらには教育目標とあまり変わらない表現であったりして両者の関係が分かりにくいものも少な くないことから,現在も校訓を設定している学校においては,その意義や位置付けなどについて今一度吟味 し,児童生徒や保護者,地域住民などにもよく分かるように工夫するとともに,日常の教育活動に積極的に 生かすことが大切である。. 223.
(5) 笠 井 稔 雄. 3 年度の重点教育目標について (1)どのような文吉を使っていますか. *「年度の」という文言を. ア 重点教育目標 イ 重点目標 り その他(重点,重点課題,総括目標など). 8.8% 78.6% 12.6%. *学校には「経営の目標,. (2)どのような意味合いで使っていますか. ア 教育目標のうち,特に重点を置いて実現を目指す目標(子. 43.4%. イ 学校経営や教育活動に関して,特に重点を置く目標として [経営の目標,教育推進の目標] り その他(教師のあるべき姿など). 55.3% 1.3%. (3)どのようなスパン(期間)の目標として設定していますか. 長期的な目標として 中期的(3∼5年間程度)な目標として 本年度(1年間)の目標として その他(校長の在任期間,2年間など) かジ∼. な︵. ■ ヨ 年間程度)なビジョン(展 5. 的的. ビ3. (4)何を根拠に設定しています. ア 学校としての長期 イ 学校としての中期 望,計画)をもとに. 教育推進の目標」という 意識が強く,重点化され. ども像)として[教育目標]. ア イ り エ. 使っていない学校がほと んどである。. り 前年度の学校評価をもとに エ 子どもや保護者,地域,教職員などの状況をもとに. オ その他(経営方針,教育界の要請など) (5)実現状況をどのようにとらえていますか【複数回答可】 ア 学校としての長期的なビジョンの実現状況をとらえる評. た「教育目標」という押 さえをしている学校は少 ない。 *「中期的な目標」であり. 8.2% 36.5% 57.9% 1.3%. 「本年度の目標」でもあ るという学校が少なくな い。. 13.8% 56.0% 78.6% 64.2% 2.5%. 6.3%. 価の中で イ 学校としての中期的なビジョンの実現状況をとらえる評. 29.6%. 価の中で. り 毎年行う学校評価の中で. 95.6%. エ 今までは,特にとらえていない. 0 %. オ その他(校長・教頭による観察,研修など). 1.3%. 多くの学校で「重点目標」という文言を用いているが,その意味合いは経営の重点目標的であったり,指 導の重点目標的なものであったり,指導目標と経営目標とが混在していて不適切なものであったりと,多少 混乱している様子が窺われる。また,そのスパンも長期的なものをはじめ,中期的なものやその年度1年間 のものなどが混在している学校が少なくない。ここでは「年度の重点教育目標」と表示するのが適切である。 本来,学校の教育目標は,小学校6年間,中学校3年間というやや長期的展望に立った目標であることか ら,各学校においては,「教育目標具現化の年次計画」を作成し,「年度の重点教育目標」を設定して着実に. 成果をあげることが望ましい。つまり,「教育目標具現化の年次計画」や前年度の教育目標の達成状況など から,教育目標の中でその年度特に重点を置いて達成を図ろうとする目標が「年度の重点教育目標」であり, 学校経営の目標管理論の登場とともに使用され始めたものである。 各学校においては,この「年度の重点教育目標」を踏まえて「学年(教育)目標」や「学級(教育)目標」. などを設定し,教育目標の系列化を図る必要があることから,次の四つの方法を参考にして「年度の重点教 育目標」を適切に設定することが求められる。 (1)教育目標の一部をそのまま年度の重点教育目標として設定する。 (2)教育目標の全項目について具体化して設定する。 (3)教育目標の一部について具体化して設定する。 (4)教育目標のいくつかを複合的に具体化して設定する。. なお,これらのどの場合であっても,「年度の重点教育目標」だけを設定するのではなく,自校の児童生 徒の発達を見通し,「年度の重点教育目標」を分析しながら,この1年間で育てるべき児童生徒の姿を,① 実現可能性 ②測定可能性 ③実現までの時間性 という三つの要件を備えるように更に具体化することが 必要である。児童生徒を着実に育て,その育ちを正確にとらえるためである。. 224.
(6) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究. 4 学校課題について (1)学校課題を設定していますか (D 設定している 30.2% *その学校課題を書いて ください 子どもの育成」「確かな学力の定着と豊かな心の育成」 O「豊かに表現できる 「自ら学ぶ意欲をも ち,心豊かでたくましく生きる児童の育成」. *「学校課題」は管内にお. いては減少傾向にある。. 思いや りの心を持ち 共に創りだす 子どもの育成」 主体的に学習に取り組む生徒の育成」 「豊かな心を持ち 「自ら学び. 「基礎・基本を身に付け,意欲的に学習に取り組む生徒の育成」 「個性を尊重し,一人ひとりの能力・適性に応じた教育と『心の教育』の推進」. 「特色ある教育活動の展開を通して生きる力を育む」く目指す子ども像や教育活動など〉 O「愛と夢をはぐくむ学校」「キラキラと輝き 明るい学校」. 「教職員の資質向上に努め,生徒に『生きる力』の基礎(学び方,生き方,行い方)を育み,その確か な変容が見える経営の推進」く目指す学校像など〉 69.8%. (彰 設定していない. *重点教育目標や研究主題. と同じような表現が多 く,それらとの違いがよ. (2)どのような意味合いで使っていますかく設定している学校のみ〉. ア 学校の教育目標を具現化するための課題として(目指す. 68.8%. 子ども像や教育活動)[教育課題] イ 学校の経営に関する課題として(目指す学校像など). 31.2%. くわからない。. [経営課題]. り その他(. 0 %. ). (3)どのようなスパンの課題として設定していますかく設定している学校のみ〉. ア イ り エ. 長期的な課題として 中期的(3∼5年間程度)な課題として 本年度(1年間)の課題として その他(校長の在任期間,2年間など). 12.5% 50.0% 35.4% 2.1%. *同じ学校課題を半永久的. に設定し続けている学校 がある。. (4)何を根拠に設定していますか【複数回答可】く設定している学校のみ〉. ア イ り エ. 学校としての長期的なビジョンをもとに 学校としての中期的なビジョンをもとに 前年度の学校評価をもとに 子どもや保護者,地域,教職員などの状況をもとに. オ その他(. 10.4% 58.3% 75.0% 66.7%. 0 %. ). (5)学校課題の解決状況をどのようにとらえていますか【複数回答可】く設定している学校のみ〉 ア 学校としての長期的なビジョンの実現状況をとらえる評 6.3%. 価の中で イ 学校としての中期的なビジョンの実現状況をとらえる評 価の中で. 29.2%. エ 今までは,特にとらえていない. 91.7% 12.5%. り 毎年行う学校評価の中で. オ その他(. ). 0 %. 「学校課題」という文言については,課題解決的な学校経営を目指し,「学校の当面する重要な課題」と. いう意味で設定されてきたようだが,北海道においては,昭和50年代に入り,学校経営の目標管理論の導入 に伴って「年度の重点教育目標」の考え方が広まり,また,重要な課題を解決するために研究主題を設定し た校内研究体制が確立されるようになり,次第に使われなくなってきている。 現在もなお地域や学校によってはこの文言を使用しているところが若干あるが,その意味合いは教育活動 上の課題であったり学校経営上の課題であったりして,年度の重点教育目標や学校経営方針,経営の重点, 指導の重点などとどのように違うのかが分かりにくい。また,その位置も,教育目標のすぐ後においている 学校,重点教育目標の後においている学校,学校経営方針の後においている学校,さらに研究主題とセット でおいている学校など様々であるし,スパンについても,長期的なものをはじめ,中期的なものやその年度 1年間のものなど様々であって,混乱している様子が窺われる。 そこで,今後は「学校課題」という文言を使用せず,「年度の重点教育目標」を中心に,「年度の経営方針」 「年度の経営の重点」「年度の指導の重点」を精選しながら学校経営を推進していくのが望ましいと思われる。. 225.
(7) 笠 井 稔 雄. 5 年度の経営方針について ア イ り エ オ カ キ. かの すも まる いす て関. (1)どのような内容が含まれ. 教育理念や経営姿勢に 目指す学校像に関するもの 目指す教職員像に関するもの 組織・運営の充実に関するもの 教育課程や教育活動の充実に関するもの 教育環境の充実に関するもの 家庭や地域との連携に関するもの. 【複数回答可】. ク その他(研修,危機管理,心の教育,山村留学). 88.7% 73.0% 71.1% 61.6% 76.1% 50.9% 73.6% 5.0%. 長期的な方針として 中期的(3∼5年間程度)な方針として 本年度(1年間)の方針として その他(校長の在任期間,2年間など). 4.4% 47.8% 51.6% 0.6%. (3)何を根拠に設定していますか【複数回答可】. ア 学校としての長期的なビジョンをもとに イ 学校としての中期的なビジョンをもとに り 前年度の学校評価をもとに. エ 子どもや保護者,地域,教職員などの状況をもとに オ その他(校長の理念,教育の今日的課題など). らいに絞り込んでいる学 校もある。. *「年度の」という文言を. (2)どのようなスパンの方針として設定していますか. ア イ り エ. *これらの中から,三つく. 使っていない学校がほと んどである。. *「中期的な方針」であり. 「本年度の方針」でもあ. るという学校が少なく い。. 10.7% 64.2% 90.6% 71.7% 1.9%. (4)実現状況をどのようにとらえていますか【複数回答可】. ア 学校としての長期的なビジョンの実現状況をとらえる評 価の中で イ 学校としての中期的なビジョンの実現状況をとらえる評 価の中で り 毎年行う学校評価の中で. 31.4% 95.6% 1.3%. エ 今までは,特にとらえていない オ その他(. 5.0%. ). 0 %. 学校の経営方針とは,学校の教育目標を効果的に達成するために経営活動が目指すべき手段的・条件整備 的な内容を設定したものである。. つまり,学校の教育目標や年度の重点教育目標をどのように立案したらよいかという立案過程や,設定さ れたそれらをどのように具体化するかという実現過程を含む「経営目標」であり,人的,物的,財的,組織・ 運営的条件の系列にかかわる「経営戦略」のことである。. 注意すべきことは,経営方針を優先させて,これに学校の教育目標を従属させることのないようにしなけ ればならない。あくまでも,学校の教育目標を達成するための経営方針である。. これには,教育目標の達成を目指す「中期(3∼5年程度)の経営方針」と年度の重点教育目標の達成を 目指すために,その年度に限って設定する「年度の経営方針」とがある。前者に関しては,「9 中期(3 ∼5年)の経営ビジョンについて」を参照いただいたい。. 「年度の経営方針」については,その年度限りのものであるから,「中期の学校経営ビジョン」を踏まえ るとともに,前年度の学校(経営)評価等の反省も考慮して内容を十分吟味し,数項目に絞って設定するこ とが大切である。. 例えば,年度の重点教育目標が「豊かな心をもち,主体的に活動する子どもの育成」であれば,これを達 成するために,人的,物的,財的,組織・運営的な面でどのような戦略を掲げればよいのかを検討し,(1)地. 域の教育力の活用と地域への貢献という双方向での「開かれた学校」を推進する(2)豊かな心が育つ教育課 程や教育環境を工夫する(3)各分野のリーダーを中心に教職員の協働体制を強化する などに絞って「年度 の経営方針」とするのがよいのではないか。. 各学校で掲げている経営方針を見てみると,校長の教育哲学(理念)であったり,学校経営の今日的な課 題であったり,いろいろな要素を取り入れているため,理解のしずらいものも見受けられるが,あくまでも 年度の重点教育目標を達成するための「経営戦略」であるという押さえに立って策定することが大切である。. そして,この年度の「経営戦略」は,「戦術」として,年度の「経営の重点」や「指導の重点」という形 で具体化していくことになるのである。. 226.
(8) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究. 6 年度の経営の重点について (1)どのような内容が含まれていますか【複数回答可】. ア イ り エ オ カ キ ク. 組織・運営の充実に関するもの 教育課程経営の充実に関するもの 学年・学級経営の充実に関するもの 校務分掌経営の充実に関するもの 研修活動の充実に関するもの 教育環境の充実に関するもの 事務管理の充実に関するもの 家庭や地域との連携に関するもの. ケ その他(. ). 83.0% 92.5% 71.7% 59.1% 89.3% 78.6% 37.7% 86.2% 13.8%. *「ケ その他」一 中高一貫教育,幼小中高 の連携,危機管理,安全 管理,特別支援教育,教 職員の健康,閉校事務, 教職員の和,へき地複式. 教育など。. (2)どのようなスパンの重点として設定していますか. ア 長期的な重点として イ 中期的(3∼5年間程度)な重点として り 本年度(1年間)の重点として エ その他(. 1.9% 39.0% 65.4%. 0 %. ). (3)実現状況をどのようにとらえていますか【複数回答可】. ア 学校としての長期的なビジョンの実現状況をとらえる評 価の中で イ 学校としての中期的なビジョンの実現状況をとらえる評 り 毎年行う学校評価. 27.7%. ’ヽ な Yし ’ヽ. しY. 工 今までは,特にと オ その他(. でて 中え のら. 価の中で. 0.6%. 経営戦略としての「年度の経営方針」を踏まえ,人的,物的,財的,組織・運営的条件等にかかわる経営 活動のうち,今年度,特に重点を置いて取り組むべき事柄を明確にする必要がある。. 管理職が担当する管理・運営事項をはじめ,学年・学級経営や分掌(各部)経営,研修経営,教育環境, 事務管理,教育課程経営などにおいて,今年度は何を重視し,どのような成果をあげるのか,具体的かつ簡 潔に「重点目標(課題)」として設定するのである。数値目標として掲げる場合もこの部分になるし,学校(経 営)評価などで1年間の成果をとらえる重要な観点もこの項目になる。 各学校の状況を見てみると,学校経営方針と極めて類似したものとなっているため,理解しずらかったり,. 具体性がなく,いつまでにやらなければならないものなのかはっきりしないことから,直接的な実践者であ る先生方にとって困惑の要因になっていることが少なくない。 今年度は,経営活動として何に力を入れ,どのような成果をあげなければならないのかがはっきりすれば,. 学年・学級経営や分掌(各部)経営,研修経営等の年間経営計画についても,かなり具体的なものを作成す ることができるであろう。. なお,教育局と市町村教育委員会協議会が作成している「00管内教育推進計画」との関係についてであ るが,「推進計画」で示されたものをそのままここに列挙するのではなく,自校の「中期(3∼5年間程度) の経営ビジョン」や「年度の経営方針」等の中に汲み入れるのがよいと思われる。. 7 年度の指導の重点について (1)どのような内容が含まれていますか【複数回答可】. ア イ り エ オ カ キ ク ケ. 教科指導の充実に関するもの 道徳教育の充実に関するもの 特別活動の充実に関するもの 総合的な学習の時間の充実に関するもの 生徒指導の充実に関するもの 進路指導の充実に関するもの 健康安全指導の充実に関するもの 特別支援教育の充実に関するもの 特色ある教育活動の充実に関するもの. コ 今日的な教育課題(国際理解,情報,環境,福祉など). への対応に関するもの サ 部活動の充実に関するもの シ その他(. 98.1% 96.2% 93.7% 85.5% 95.0% 60.4% 93.1% 65.4% 40.9% 33.3% 10.1% 12.6%. *「シ その他」一 学年・学級経営,家庭や 地域との連携,開かれた 学校,研修活動,人権教 育,教育環境の整備,学 校事務,へき地複式教育. など。. 227.
(9) 動を推進するに当たって,特に重点的に指導すべき事柄を明確にする必要がある。. 実際には,教科指導,道徳教育,特別活動,総合的な学習の時間,生徒指導,進路指導,健康安全指導, 特別支援教育などにおいて,何を重視し,どのような成果をあげるのかについて,具体的かつ簡潔に「重点 目標(課題)」として設定するのである。数値目標として掲げる場合もこの部分になるし,学校(経営)評 価などで1年間の成果をとらえる重要な観点もこの項目になる。 各学校の状況を見てみると,具体性がなく,いつまでにやらなければならないものなのかはっきりしない ことから,直接的な実践者である先生方にとって困惑の要因になっていることが少なくない。今年度は,教 育活動を推進するに当たって特に何に力を入れ,どのような成果をあげなければならないのかがはっきりす れば,教科指導や道徳教育など全教育活動において適切な指導を展開することができるであろう。. なお,教育局と市町村教育委員会協議会が作成している「00管内教育推進計画」との関係についてであ るが,「推進計画」で示されたものをそのままここに列挙するのではなく,自校の「中期(3∼5年間程度).
(10) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究 (4)「学校経営計画」(校長が示す「基底編」∼重点教育目標,経営方針,経営の重点,指導の重点など)の評 価をしていますか *「している」と答えた学 89.3% ア している 校でも「学校経営計画」 (95.1%) ○ 教職員による評価をしている (41.5%) の評価に正面から収り ○ 外部評価をしている イ 今までは,特にしていない り その他(. 10.7% ). 禦頚ヂいる学校は少な. 0 %. 学校の全教職員が,年度の重点教育目標の達成を目指して,年度の経営方針や経営の重点,指導の重点な どを常に意識し,自分の担当する業務の意義や見通しを明らかにしながら,意図的・組織的に学校経営を展 開していくことが大切である。. しかし,現実には,年度の重点教育目標や経営方針などが機能せず,単なるスローガンに終わっている実 態も少なくない。各学校では,学年・学級経営計画や分掌(各部)経営計画等にその関連を明記させて何と か機能させようとしているが,年度始めの校長から教職員への説明以降は,特に何も工夫していない学校が あるようである。. 今後は,道内・管内のいくつかの学校において既に実施されている,月別,学期別,期別などの「学校経 営プログラム」等を活用し,年間を通して,常に全教職員の共通理解を深めながら,大きな成果をあげるこ とを期待したい。. 9 中期(3∼5年間程度)の経営ビジョンについて (1)中期的なビジョン(展望,計画)が設定されていますか. ① ある ② ない. 32.1% 67.9%. *「ある」と答えた学校も 計画書はないが,中期的. な展望に立っているとい う意味合いが強い。. (2)これからの学校経営においては,中期的なビジョンがあったはうがよいと思いますか 83.0% (D あったはうがよい *理由を書いてください. 「教育目標の達成を目指して安定した教育を展開するには,中期的なビジョンのもとしっかりした年度 の経営計画を立て,評価と修正を繰り返しながら経営していく必要がある」. 「単年度完結型の経営ではなく,連続性,継続性をより一層重視した経営をすることにより,安定した 学校経営が可能となる。成果もあがる」 「学校経営は積み重ねが大切。そのためには中期的な見通しを示し,今,自分たちは何をすべきかが分 かるようにしておくべきである」 「学校の課題解決に当たっては,短期的に解決するものと,中・長期的に解決するものとを区別し,計 画的に見通しをもって取り組むことが重要である」 「中期的なビジョンがあると,子ども,教職員,保護者,地域住民にとってもわかりやすいし,学校経 営の軸足のぶれを防ぐことができる」 「自校の教育の大きな流れや方向性が共通理解しやすいし,学校経営の軸足がぶれない」. 「中期的ビジョンの設定により,校長や教職員の異動にかかわらず,学校としての経営の軸がぶれず, 積み上げが期待できる」 「学校経営の改善を目指すためには,中期的ビジョンと短期的ビジョンがバランスよく経営に反映され ることが望ましい」 「学校経営に組織マネジメントを取り入れる場合,中期的展望があったほうがステップを踏んで実践し やすい。校長がかわるたびに,経営方針がかわるのはおかしい」 「校長がかわっても,地域の願いや子どもの実態に即した経営をするために必要である」. 「これまでは管理職が短期間に異動したので短期ビジョンを示すのにとどまっていたが,これからは中 期的なビジョンが必要である」 「校長の異動が2∼3年であるため,長期的な展望に立った経営を基盤とした中期的なビジョンがあれば,. より継続した学校経営ができると考える。社会の変化に柔軟に対応できるものでなければならない」 「教育は,中・長期のスパンで行うもの。学校としては当然そのビジョンをもたなければならない(し かし,校長が2∼3年で異動となっている現状では難しい)」. 「校長在任期間だけのビジョンではその根拠が弱く,教職員の経営参画意欲の高揚や保護者,地域住民 に対する説得力の点で難しさを感じる。中期的なビジョンが必要である」 「学校の目指す方向性を全職員が共有することにより,一 層,経営参画意識を高揚できる」 「校風や伝統の継承とともに時代の進展や社会の要請に応える教育を推進するためには,中期的なビジョ. ンが必要である」 「校長の在任期間が長くなってきているので,中期的なビジョンが立案しやすくなった」. 「不易な面の重視と流行への弾力的な対応ができるようにするために必要である」 「教育の成果はすぐにはあらわれない。中・長期的なビジョンをもち,『不易なもの』を大事にしながら. 学校経営に取り組むことが大切である」 「中・長期のビジョンがないと,年度の目標が作れないから」 「見通しをもった学校経営を行うには,ある一定期間の方向性が必要である」. 229.
(11) 笠 井 稔 雄 「学校改善の理念や目標を共有し,実効あるものとするためには,中期的な展望に立って達成への道筋 を示し,着実に学校経営を進める必要がある」 「社会の変化が激しいがゆえに,中期的なビジョンが必要である」. 「教育改革が進む中,学校には多くのことが求められているが,地域に根ざした安定した教育を進める 点においても,しっかりとした学校経営の軸足を定めることが必要である」 (彰 なくてよい. 16.4%. *「わからない」が0.6%. あった。. *理由を書いてください 「社会の変化が激しいため,中期的なビジョンを示せない」 「中期的なビジョンを示しても,実態に合わなくなるおそれがある」. 「校長が2∼3年で異動するし,文科省の方針が目まぐるしく変わるから」 「社会の変化が激しい時代であり,校長は,5∼6年,同一校に勤務できない」 「後任の校長の学校経営が規制される」 「重複して複雑になるおそれがある。単年度のビジョンだけというシンプルな方がよい」 「『北海道教育のめざす姿』や『上川の教育のめざす姿』をなどを参考にしながら,学校の実態を踏まえ, 校長在任期間中のビジョンを示していけばよい」 (2)これからの学校経営においては,数値目標をできるだけ工夫することが必要だと思いますか (手必要である *理由を書いてください. 74.9%. 「教育を数値で示すことの難しさは大いに感ずるところである。が,結果を明確な成果として内外に示 すことを考えるのであれば,『見える学力』『見える心』などとしての工夫はできなくもない。教職員の はげみにもなる」 「教育は人間関係を基盤とした営みであることから,努力目標や到達度等を数値化することで課題が明 確になると思われる(しかし,人間関係の構築に配慮が必要である)」 「教職員の経験や勘にのみ頼ると唆昧になりやすいので,できるだけ工夫が必要である」. 「何がどこまで達成できたのかを明らかにするには,数値は分かりやすい窓口である。数値だけが一人 歩きをしないよう注意していけば,教職員の目標への達成意欲が高まることが十分期待できる」 「達成度を分かりやすくするためにも,数値目標が効果的である。教職員のモラールの高揚にもつながる」 「説明責任を果たすためにも,具体的で分かりやすい目標が必要である」 「達成のめやすが具体的である方が,成果や課題がより明確になる」 「数値目標がすべてとは思わないが,明確にできるものははっきりさせるべきである」. 「中期的な経営ビジョンの達成度を確認する目安程度のものが必要である」 「教職員の意識改革を図るためにも必要である」 「すべて数値目標とはいかないが,客観性をもたせるために,可能な限り必要である」 (彰必要でない 22.0% *「わからない」が3.1% *理由を書いてください あった。. 「教育は人の心を育てていくものである。数値では表せない」 「学校教育は,数値化できない大切なことのほうが多い」. 「学校教育の本質が見えなくなる可能性がある」 「数値目標の達成のため,子ども間,教師間の摩擦が増し,競争原理・市場原理がすべての中心となる おそれがある」 「子どもの教育に数値をもちこみ,基準をどうするかなど観念的な議論をすることが現場の実態として ふさわしいか疑問である。教育そのものに集中して,じっくり取り組むことが大切なのではないだろうか」. 「数値化すること自体が難しい」. これまでの学校経営は,短期在職校長から短期在職校長へのバトンタッチの中で行われ,経営戦略を立て て学校経営に取り組む時間もないままに,次への転勤ということが繰り返されてきた。 しかし,学校の自主性・自律性が叫ばれる中,学校を経営体としてとらえ,特色ある学校づくりを目指し, 各学校がそれぞれの地域に対応した「学校経営ビジョン」を策定することが求められている。 社会の変化が激しく,しかも,短期間のうちに揺れ動くという状況の中でビジョンを描いても,その後の 教育活動とうまくかみ合わず離齢が生じることも懸念されるが,だからといって,ビジョンなき学校経営は, 達成を目指す方向や姿をもたずに航海に乗り出す危険きわまりない行為といっても過言ではない。 本来,学校の教育目標は,一般的には,小学校の場合は6年間,中学校の場合は3年間でその達成を目指 すものである。 これからの校長には,教職員,保護者,地域住民,教育委員会など,多様な関係者の願いを調整しながら, 3∼5年間程度の「中期の学校経営ビジョン」を構想し,関係者の積極的なかかわりを生み出すようなリー ダーシップが求められる。 そこで,次の3点について全教職員等で検討しながら,「中期の学校経営ビジョン」を構想するのが比較 的容易であり,同時に教職員の経営参画意識の高揚を図ることができると思うが,こうした作業は学校が単 独にやるのではなく,各市町村単位や中学校区単位で,それぞれの町の「教育推進計画」等進むべき方向性. を踏まえ,一斉に取り組むことができればなお理想的である。(2). 230.
(12) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究. (1)中期の学収経営方針の確立∼学校のミッション(使命・存在意義)からの発想を∼ ミッション・マネジメントとは,我が校の使命や存在意義から発想し,目指す子ども像や学校像,地域像 などを描きながら中期ビジョンを作成するものであり,比較的簡単に活用できる手法である。 学校のミ. ッション(使命・存在意義)は,第一義的には児童生徒の成長を目指した学校の教育目標の達成. であるが,それ以外にも,保護者,地域住民,教育委員会などが学校に何を望んでいるのかを把握しながら,. 地域にとっての我が校の使命や,保護者にとっての存在意義などを明確にし,学校内だけでなく,学校外の 多くの関与者ともミッションを共有することが大切である。 (2)中期の「指導の重点」「経営の重点」の設定∼場合によっては数億目標も工夫して∼. 我が校がミッションを果たすために,その期間に学校が取り組むべき事柄として,「教育活動に関する重 点目標(課題)∼指導の重点∼」と,それを支える「経営活動に関する重点目標(課題)∼経営の重点∼」 を明確にしなければならない。. その際,参考になるのが「SWOT(スウオット)分析」である。 次のように,学校の内部環境と外部環境を,それぞれ,S(Strength:強み),W(Weakness:弱み), 0(Opportunity:機会),T(Threat:脅威)に分類しながら,学校の内外環境を分析し,中期の「重点 目標(課題)」を設定していくのである。 く学校の外部要因〉. く学彼の内部要因〉. く効. 果〉. ■ 一. 外部要因の「機会」と「脅威」については,保護者,地域住民,教育委員会,関係機関・団体,他の学校, 歴史,文化,社会,自然,風土,伝統,産業などから広く考え,内部要因の「強み」と「弱み」については,. 児童生徒や教職員,PTA,学校評議員などの「人的資源・ネットワーク資源」,校舎,施設・設備,学校予 算,販売収入などの「物的資源・資金的資源」,教育課程,教育活動,組織・運営,校風・伝統,雰囲気な どの「情報的資源」の視点で検討する。 このように,学校の内部環境と外部環境を分析し,取組の着手容易度と効果の両面から「重点目標(課題)」. を決定するのであるが,これはまさに学校のリフレクション(省察)であり,学校の外部要因の中で自校に 支援的に働く要素と学校内部の強みを組み合わせると「特色ある学校づくり」が展開でき,学校の関与者の 満足度は高まる。また,学校の外部要因の中で自校に阻害的に働くものと学校内部の弱みとを洗い出し,真 剣に解決の努力をすれば,学校の関与者の不満はなくなっていくと思われる(が,これだけでは満足度の向 上にはつながらない)。 なお,「経営の重点」の一つとして,ミッションの実現に対応できるよう,「組織の見直し」や「運営の見. 直し」をはじめ,学校や教職員が今後,獲得・開発すべき「能力・資源の開発」などに関する取組を検討す ることも大切である。 (3)中期の「目指す教職員像」の設定∼教職員の意欲や使命感の醸成∼. 中期の「指導の重点」や「経営の重点」に取り組み,我が校のミッションを果たすために,校長・教頭を 含めた学校の教職員全員が遵守すべき「行動指針」として,何を積極的にすべきで,何をすべきでないのか 等を具体的に明らかにしておくことが大切である。. 231.
(13) 笠 井 稔 雄. 10 学収経営構造図について く私案〉 平成○年度. 学校経営ビジョン(学校マニフェスト). 00 学校. 中期(3∼5年間程度)の学校経営ビジョン(平成○年∼平成○年) 平成○年度策定(平成○年度修正) 1 中期の経営方針 ○本校のミッション(使命・存在意義) *「児童生徒に対するミッション」と「児童生徒以外に対す. るミッション」の両面からとらえる。 ○経営方針 *本校のミッションを果たすための「経常戦略」として,人 的,物的,財的,組織・運営的な面などからその方策につ. (1). (2). いて述べる。 2 中期の「指導の重点」「経営の重点」(着手年度の目途). ○指導の重点 *この期間に必ず取り組まなければならないことを記述す る。(着手年度の見通しも). (1). (2). ○経営の重点 *この期間に必ず取り組まなければならないことを記述す る。(着手年度の見通しも). (1). (2). 3 中期の「目指す教職員像」 *本校のミッションを果たすための教職員の行動指針を明ら. かにする。. く目標(教育活動)系列〉. く条件(経営活動)系列〉. *「年度の重点教育目標」を達 成するために,今年度は教育. (3). 課程をどのように編成(改善). *. 教育目標」を達成するための「経営戦略」として, 人的,物的,財的,組織 運営的な面の数項目に絞っ. 3. (2). 2. (1). 年度の経営方針. 1. 年度の教育課程編成方針. ・. て設定する。 年度の指導の重点. するのか記述する。. 年度の経営の重点. (1) *「年度の経営方針」を具体(1) 化し,今年度の取組を簡潔(2). *「年度の経営方針」を具体. 化し,今年度の取組を簡潔. (2). に記述する。. (3). く主な取組〉 ・教科等の年間指導計画 や経営計画の作成 ・日課表や週時程,授業. (数値目標として入る場合もあるし,. 学枚評価の重要な点にもなる. 学枚評価の重要な点にもなる. 学年・学級経営計画 ○第1学年. ○教務部 (1)経営方針. *年度の重点教育目標. から具体化 (2)経営方針. *これらについて,どの. (1)学級(教育)目標. ような工夫をするか具 体的に記述する。. 分掌(各部)経営計画. (1)学年(教育)目標. 時数の確保 ・予算の確保や地域の人 材の活用等. (3)主な取組 く1組〉. *学年教育目標から具. 体化. 232. 研 修 経 営 計 画 く経営方針〉 *中期や年度の経営方. *中期や年度の経営方. 針を参考に (2)主な取組. *この1年間で必ず取 り細.むもの. ○生徒指導部. 針を参考に ○学校の課題解決を目指 す共同研究 ・主な取組 *この1年間で必ず取 り細_むもの. ○教職経験に応じた個人 研修 ・主な取組. (1)経営方針 (2)主な取組. (2)経営方針 (3)主な取組(以下省略). に記述する。. (数値目標として入る場合もあるし,(4). (4). 教育課程経営計画. (3). (以下省略). (以下省略).
(14) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究. 教職員一人一人が,本校は今年度,何を目指し,何に取り組むのかがよく分かり,経営参画意識が高まる と同時に,保護者や地域住民にも,本校の目指すものや学校の考え方及び取組などが分かりやすい「学校経 営構造図」を工夫したい。そのポイントは次のようになる。 (1)「中期(3∼5年間程度)の学校経営ビジョン」を載せる。 (2)「年度の重点教育目標」の達成を目指すく目標(教育活動)系列〉 と,それを支える「年度の経営方 針」を中核とした 〈条件(経営活動)系列〉 に分け,. 2系列の流れとその関連性が見える構造図を工夫. する。. (3)「年度の重点教育目標」を達成するための「年度の教育課程編成方針」を位置付けるとともに,その 手段的・条件整備的な内容としての「年度の経営方針」と「経営の重点」及び「指導の重点」の位置付 けと内容を明確にする。 (4)「教育課程経営計画」「学年・学級経営計画」「分掌経営計画」「研修経営計画」という四つの経営計 画の概要を載せる。 (5)「理念」「基調」「姿勢」「指標」「視点」「合い言葉」など,概念の不明な用語や類似用語の多用は, 混乱をきたし,分かりにくいので,使用しない。. Ⅶ 今後の課題∼目標管理型の学校経営を目指して∼ 現在進められている学校経営改革は,地方分権,規制媛和政策のもと,学校がより自主性・自律性をもっ て組織的・機動的に運営され,子どもや地域の実態に応じた「特色ある学校づくり」を展開することを求め ている。まさに,各学校が自主的・自律的に学校経営を行い,その営みを通して教育の成果をあげることが 期待されており,ここに学校を経営体としてとらえ,経営戦略や経営戦術などを重視した学校組織マネジメ ントが提唱される背景があるのである。. また,今日,地域に開かれた学校づくりが推進され,多くの学校に学校評議員制度や学校支援ボランティ アが導入されたり,外部評価を含む学校評価や学校改善協議会,地域運営学校(コミュニティースクール) など地域住民の声を反映させた学校づくりが広がってきている。したがって,地域に開かれた学校づくりに 対応するこれからの学校経営には,経営そのものを学校内外に開き,地域住民等の参加型の経営システムと 組織運営の在り方を工夫することが緊要な課題となるであろう。 そこで,まず着手したいのが「学校経営計画(校長が示す基底編一以下「基底編」)」の改善である。「学. 校経営計画」は,学校の教育目標の達成を目指し,年度の学校経営方針のもと,教育課程経営,学年・学級 経営,分掌(各部)経営,研修経営などの諸計画をまとめた学校の総合的な経営計画である。これは,学校 の経営戦略そのものであり,教職員に明確な指針を与え,一定の方向に活動を統括するとともに,保護者や 地域住民等への説明責任の基盤になるものである。. 今後,戦略的な学校経営を推進するに当たって,次の4点に配慮が必要であると考える。 1 説明責任を果たす「学校マニフェスト」としての「学校経営計画(基底編)」の工夫を 最近,政治に関してマニフェストという言葉が使われるようになったが,これは分かりやすい政治を目指 すための「政権公約」「政策綱領」などと訳され,従来の選挙公約と違って,「①具体的な数値目標」「②政. 策に関する財源」「③達成時期」を有権者に示し,その実現を約束するものである。 学校においても,この考え方を一部取り入れ,これまでの「学校経営計画(基底編)」に工夫を加え,「学 校マニフェスト」として提示する努力が必要である。. 最近の学校は,保護者に学校経営方針や重点などを機会あるごとに説明し理解を求めているが,保護者か らは,学校側の説明は何となく理解できるものの,美辞麗句が並べられた抽象的な経営ビジョンは,いつに. 233.
(15) 笠 井 稔 雄. なったら実現するのか,どうも分かりにくいという声が聞こえてくる。 これは,「学校経常計画(基底編)」そのものが十分整理されていないところに大きな原因がある。. 今後は,「学校経営計画(基底編)」の在り方について研修を深めながら,中期の経営ビジョンや年度の経 営ビジョンを,保護者や地域住民への「学校の約束」として,具体的な合意レベルにまで高めておくことが 必要である。つまり,合意形成の手順などについても,これまでの各学校の取組に一層改善を加えることが 重要である。合意のないまま,教育活動や経営活動を展開したり,保護者や地域住民に学校評価をしてほし いといっても困惑するだけである。また,そうすることにより,各種の関与者からの支援と協力を取り付け, 成果をあげると同時に経営責任を果たすことができるのである。 なお,この「学校マニフェスト」は,学校が単独に作成するのではなく,各市町村単位や中学校区単位で,. 教育委員会や校長会等がリーダーシップを発揮し,それぞれの町の「教育推進計画」等進むべき方向性を踏 まえながら,一斉に取り組むことができればなお理想的である。 また,「学校マニフェスト」の本来の趣旨は,あくまでも地域に生きる自校の子どもたちの成長を願い, 計画的・組織的に学校の教育目標の達成を図ることであって,学校間の競争をいたずらに煽るものとならな. いよう配慮しなければならない。数値目標についても,今後一層研究を深めることが必要である。(3) 2 同僚性の構築を目指す「学校経営計画(基底編)」の工夫を 学校という世界は,教職員一人一人がそれぞれ頑張ればよいという発想が根強く,子どもたちの教育のた めに,組織として力を発揮していこうという意識はまだまだ低い。授業をはじめ学級経営や生徒指導,部活 動など,自分の責任の範囲のみをうまくこなそうという傾向が見られる。 しかし,学校における教育は,個々の教職員の努力で完結するものではなく,一つの方向にまとまって組 織的に展開される必要があり,それでこそ大きな成果が期待できるのである。 これからの学校経営には,「目標で人を育て,組織を活性化する」という目標管理の考え方による組織マ ネジメントの導入が期待される。学校経営における目標管理は,学校の組織目標と教職員の個人目標を関連 付けて取り組む手法であり,そのねらいは,教職員の活動がバラバラではなく,共通の方向性をもつと同時 に,教職員一人一人が組織目標と連鎖した個人目標をもちながら仕事をすることによってモチベーションや 資質能力の向上,さらには同僚性の構築までも期待することにある。 中期の学校経営ビジョンや年度の重点教育目標,及び経営方針等は,学年や校務分掌にブレイクダウンす るが,教職員一人一人がこれをもとに自分自身の目標を設定するとともに,それらの目標を連鎖させ,学校 全体の目標に向かって活動を展開させなければならない。つまり,すべての教職員が学校の組織目標とベク トルを合わせ,個人目標を重点化して設定し,難しいレベルに挑むことで,学校の重点教育目標の達成にも つながることから,目標管理は「人を育て,組織を活性化する」ものであると言われるのである。そのため にも,校長は,「教職員の心を一つにする灯」としての「学校経営計画(基底編)」の意義を押さえ,特に,. 年度の重点教育目標や経営方針などを分かりやすく教職員に碇示し,. 十分な理解を促す努力が必要である。. なお,目標設定において何より重要なことは,その目標の奥にどのような深い意味が含まれているかであ る。たとえ適切だと思われる数値目標が設定できたとしても,その目標に意味や思い入れを感じなければ,. 組織も人も動かない。また,適切な難度の目標設定や目標の遂行時における本人の創意工夫の奨励,そして 自己評価なども大切であり,ここに目標管理は「教職員の自己統制にもとづいて目標を実現していく手法」 であると言えるのである。. 3 学校評価と教員評価の連動を図る「学校経営計画(基底編)」の工夫を 平成18年3月,文部科学省から「義務教育諸学校における学校評価ガイドライン」が示された。(4)これ までは,学校として目指す中期の経営ビジョンや具体的な年度の重点教育目標が曖昧なまま,年度末に,総. 234.
(16) 学校経営計画の在り方に関する実証的研究. 花的で羅列的で膨大な評価項目に沿って評価を行い,その集計によって問題を見つけて改善点とするという ような非効果的な学校評価が少なくなかった。そこで,このガイドラインでは,各学校には,学校の教育活 動その他の学校運営について,中期と単年度の目標を具体的に設定し,その達成状況を整理して取組の適切 さを検証することにより,自己評価を組織的・継続的に改善するよう求めている。また,外部評価について は,学校の設置者が学校評議員やPTA役員(保護者),地域住民等によって構成された外部評価委員会を 設置すること。自己評価及び外部評価の結果については,各学校は自己評価書と外部評価書の内容を保護者,. 地域住民に説明するとともに,ホームページへの掲載などにより,広く一般市民に公表することなどを推奨 している。. また,同じ3月,北海道教育委員会から「学校職員の評価制度(要綱)」が示された。(5)ここでは,学校 の教育目標の達成に向けた協働促進の観点を重視し,目標管理の手法を提唱している。 具体的に言えば,教員一人一人が,校長が示す中期の経営ビジョンや年度の経営方針を踏まえて自己目標 を設定することにより,各々が学校の教育目標達成のために何をすべきかを明確に意識することができ,学 校の協働性が高まるとともに組織の一員としての意識の助長も期待できる。また,年度当初に自己実現の欲 求を満たせるような自己目標を設定し,年間の取組を通してそれらの目標を達成することにより,職務に大 きな満足感が得られるとともにより高い目標に挑戦しようという意欲が生まれ,資質能力の向上につながる。 このように,新しい時代の学校評価は,学校の教育活動その他の学校運営について,中期と単年度の目標 を具体的に設定し,自己評価や外部評価を行うとともにその結果を公表し,評価結果に基づいて学校経営の 改善を行っていこうとするものであり,新しい時代の教員評価は,教員一人一人に学校の中期と単年度の目 標を踏まえて自己目標を設定させ,年間の取組を通して資質能力の向上や学校の活性化を図ろうとするもの である。. このようなことから,これからの時代は,目標管理型の学校経営が強く求められることが予想され,校長 が示す「学校経営計画(基底編)」の改善・充実が緊要な課題になると思われる。信頼される学校づくりを 推進する上からも,学校評価と教員評価はこれからの時代の学校経営の車の両輪であり,その中枢にあるべ きものは,十分研究された「学校マニフェスト」としての「学校経営計画(基底編)」である。. 4 設置者等による支援や条件整備等の推進を これまでの学校経営は,教育活動にのみ目を向けて,その教育を保証する人的,物的,財的,組織・運営 的な経営活動にかかわるマネジメントの視点が弱く,学校評価についても,個々の学校にのみ改善責任があ るような誤解を生んできたことは否めない。. 今後は,各学校が「学校マニフェスト」としての「学校経営計画(基底編)」を作成し,設置者である市 町村教育委員会に対して必要な措置を要求したり,努力の成果を積極的にアピールするとともに,学校評価 を踏まえ,更に人的,物的,財的な措置を求めていくことが大切になる。. また,設置者である市町村教育委員会には,各学校の教育活動や経営活動の状況を十分把握し,それらを もとに各学校に対する支援や条件整備等の改善を積極的に行うことが求められている。. これまでの日本の学校は,機会均等や格差の出ない公教育サービスなどの観点から,かなり細かいところ まで教育行政が決定し,それをもとに「学校運営」をするのが「管理職としての校長」であった。従来は,. 各学校が特色ある経営をすることは求められておらず,厳しい規制さえあったし,短期間で校長が交代する 人事のもとでは,学校の特色は出せないという指摘にも説得力があった。 しかし,今日,国家社会の分権化・自由化の波が学校にも押し寄せ,学校の自律化と責任体制の確立を強 く求める方向に動いており,各学校は「学校マニフェスト」としての「学校経営計画(基底編)」を作成し. 235.
(17) 笠 井 稔 雄. て自主的・自律的に「学校経営」をし,その成果を対外的に公表することが「経営者としての校長」に強く 求められるようになってきた。そのために,「目標管理型」の経常手法が提案され,PDCA(Plan−Do− Check−Action,計画一実施一評価一改善)というマネジメントサイクルが重視される中,その根幹に位置 する「学校経営計画(基底編)」の充実が求められているのである。. このようなことから,これからの校長には,「教育者」として,これまでのように教科指導や学級経営, 生徒指導など,教育指導に関するリーダーシップを発揮すると同時に,今後は,「経営者」として,「学校経 営計画(基底編)」の作成や学校組織マネジメント等に関する研修を深めながら,新しい時代に求められる「校 長力」を身に付けることが期待される。. 註 (1)「学校経営評価」と「学校評価」(平成14年8月,『新版 現代学校教育大事典』,牧昌見) 「(学校経営評価とは)学校評価の一領域で,学校経営計画の評価を言う。学校評価は各学校が設定した教育目標を達成 するために行うすべての活動を対象とし,これらを一定の基準に基づき客観的にかつ総合的に評価し,改善の方向や改善 点を明らかにすることである。(中略)これを支える人的,物的,財政的および組織・運営的な条件(4Mの条件)が深く. かかわってくる。 このため各学校は学校教育目標の達成をめざして行う教育活動を効果的に展開するための諸条件を整える必要がある。こ れが学校経営という仕事であり,その内容が学校経営計画にほかならない。この学校経営計画がはっきりしないと,学校. 経営評価はできなということになる。」 (2)「学校組織マネジメント研修−これからの校長・教頭等のために−(モデル・カリキュラム)」(平成16年3月,マネジメ ント研修カリキュラム等閑発会議制作,文部科学省発行) この中で,学校経営ビジョンには七つの要素が盛り込まれるべきであるとしている。 (3)「都立学校におけるマネジメントサイクルの導入に向けて」(平成14年11月,学校経営計画策定検討委員会) この中で,「学校経営計画は,校長が『目指す学校』とそれを実現するための具体的な目標と方策を明らかにすることで, 学校の都民への説明責任を果たす手段となるものである」とし,「例えるなら『学校経営計画』は,校長が都民に明らかに する『公約』の役割を持つものと言える」と述べ,「学校経営計画」は「学校マニフェスト」であるとしている。この報告 書を踏まえ,東京都教育委員会は,平成15年4月から「学校経営計画」を全都立学校に導入した。 (4)「義務教育諸学校における学校評価ガイドライン」(平成18年3月,文部科学省) 平成14年4月に施行された小学校設置基準等で,学校の自己評価の実施とその結果の公表が努力義務化されて以来,学校 評価の取組が進み,公立の小・中学校における自己評価の実施率は98%を超えているが,実施内容が不十分であったり, 評価結果の公表が進んでいないといった課題も指摘されてきた。こうした中で,平成17年6月の「経済財政運営と構造改 革に関する基本方針2005」や同年10月の中教審答申「新しい時代の義務教育を創造する」において,「学校評価ガイドライ. ン」の策定が求められた。 (5)「学校職員の評価制度(要綱)」(平成18年3月,北海道教育委員会) 平成17年12月,「教員の評価に関する検討委員会」が「北海道の教員の評価制度について(報告)」を北海道教育委員会教 育長に提出した。北海道教育委員会は,平成18年度から道立学校を対象に一部抽出による試行実施を経て段階的に導入し, 平成20年度から全道立学校で完全実施するとしている。また,全道の各市町村においても同様のスケジュールに沿って導. 入するよう指導するとしている。. (旭川校 教授). 236.
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